大学選手権 決勝 毎日甲子園ボウル



甲子園ボウル 



12月18日(日) 阪神甲子園球場 13:10
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学 1024
日本大学
(現地観戦)
 
関西学院大学
日本大学
1Q
TD 1Q
2Q
RFL
TD
G×
FG
FG
2Q END
3Q
FG×
3Q
4Q
TD
G×
FL
4Q REND
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


年間最優秀選手:#3大西志宜(関学4年)

甲子園ボウル最優秀選手:#18畑卓志郎(関学3年)

敢闘選手   :#10安藤和馬(日大4年)

NFL特別賞 :#3大西志宜(関学4年)



 22年ぶりの「赤と青の対決@甲子園球場」などいろいろと戦前の話題が多かった第66回甲子園ボウルは、24−3で関西学院大学勝利という結果となった。

 この試合のスタッツで、関西学院大学攻撃時間約28分に対して日本大学は32分、またFD更新回数で関西学院大学12回に対して日本大学は16回、獲得距離合計で300ヤード近い距離をゲインした日本大学に対して関西学院大学260ヤードという数字が並ぶ。

 これら数値をしてスタッツ上で日本大学は関西学院大学を上回っている、とのことだが、数字によって本来の姿が見えなくなってしまっている良い例だろう。

 つまり、関西学院大学のビッグゲインは2回(第1Q終盤のWR#16への40ヤードパスと、第2Q終盤のWR#16和田への43ヤードパス)あるが、これらが、もしもショートゲインの積み重ねになれば、攻撃時間とFD更新回数はもっと大きな値になる。おそらく関西学院大学が両方の数値で上回るのではないだろうか。

 日本大学の獲得距離が40ヤードほど上回っていることについても、関西学院大学パスディフェンスが、8ヤード程度のパスならば許すフォーメーションだったことを考慮すれば、獲得距離数値もイーブン程度に落ち着く。

 スタッツ数値の比較もある程度は重要だが、内容や個々プレーにまで踏み込まないと真実は見えてこない。

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 ラン獲得距離には、パスプレーを試みたQBサックによるマイナス距離も加算されるので、純粋にランによる前進距離を想像するに使える数字でもない。ランパス回数も、QBサック分はラン回数にカウントされるので、「パス試行回数」は「パス試投回数」よりも多くなる。

 このように、スタッツ数値そのままで使える項目は、ほんとに限られているのだが、その中にあって「パスによる獲得距離」は、パスによる大きなマイナスゲインが考えにくいので、かろうじて、試合内容にほぼ匹敵するものを示している。
(例外は、QBサックを避けて逃げ惑うQBが50ヤードほど後方に逃げた末に、ショートパスを投げる、というシチュエーション。このときは、「マイナス45ヤードのパス」という記録はありうる)

 なので、スタッツ数値によると、日本大学パス攻撃では250ヤードというかなりのゲインを稼いでいたことになる。

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 試合観戦していての印象でも、日本大学パスは、関西学院大学ディフェンスの隙間にショートミドル適度にヒットしていて、攻撃の突破口となる可能性は見え隠れしていた。

 第2Q、2TD差リードを広げられた直後の日本大学攻撃ドライブ(関西学院大学の交代違反でFD更新)と、その次のFGドライブ、そして、日本大学先攻となった第3Q最初の攻撃シリーズ、いすれもWR#11、WR#83への10ヤード超のヒットから連続FD更新なっている。

 CBがSEについていけていないところ、とか、IRの縦クイックパスがフリーヒットになっているなど、関西学院大学視点で見ると、危ういところがいくつかあったような。

 確かに第3Q最初のロングドライブはサイドライン際へのパスをインターセプトされたが、IRの縦パスは、まだ可能性を残していたように見えた。突かれるとイヤだなぁと思っていたのだが・・

 第3Q第2シリーズで、オープンランとロールからのパス失敗。第3Dで試みたドロー中央突破は、パスの「裏プレー」なので、ディフェンス側から見ると対応しにくいプレーではあるので、この選択は「あり」だと思う。
 だが、関西学院大学が、LB不在DB多数の極端なパスディフェンスにシフトしていたにもかかわらず、DBスピードがドローランにも対応してしまった時点で、私の中では大勢が決してしまった。

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 なお、この日の関西学院大学ディフェンスは、3rdダウンロングなどのパスシチュエーションになると、試合序盤は3−4でセット、試合中盤以降は4−1−6、4−7など、DBに6人7人を配した徹底的なパスディフェンスを採用している。

 後方に人を多く配置したこのフォーメーションの意図するところは「FD更新程度は許す、それ以上のロングパスは許さない」というもの。さらには「5ヤード程度のパスは止むを得ないが、10ヤード超えは困る」というところが守備側の考えているところになります。

 第1Qの2回と関西学院大学交代違反前は、実際に8ヤード程度のパスがヒットしている(ヒットさせている)のだがFD更新を許していない。
 一方で、上記第2Q中盤から第3Q最初の3回の攻撃シリーズでは、1回12ヤードのパス成功で連続FD更新になっていて、特に第3Qは、関西学院大学視点に立てば嫌な時間帯だったのだが。

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