関西学生アメリカンフットボール Div1 第4節



10月16日(土) キンチョウスタジアム 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
同志社大学10101-3-0
近畿大学0-4-0
(現地観戦)
 
同志社大学
近畿大学
1Q
RFL 1Q
2Q TD
FG
FG×
TD
2Q END
3Q
G× 3Q
4Q
G×I
G×I
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 近畿大学オンサイドキック。開幕戦に続く今シーズン2回目だったが、失敗。

 同志社大学が敵陣で攻撃スタートという絶好のチャンスを得るのだが、近畿大学LB#4綾部、DL#15青石、#97南などディフェンススピードが速くランプレー3回ノーゲインに終わる。

 続く近畿大学攻撃を同志社大学DL#94中谷による14ヤードQBサックでパントを蹴らすことになり、再び敵陣での攻撃スタートが可能になりかけた同志社大学だったが、パントキックがショートしたことが「不幸中の幸い/幸中の不幸」。近畿大学がファンブルボールを確保したことで、試合の流れは一気に近畿大学ペースへと傾いた。

 近畿大学QB#10林、RB#3三木、#29藤井、#39濱田によるランドライブは同志社大学ディフェンスが3−4とフォーメーションを触ったにもかかわらず、10ヤード内外の連続ゲインとなって近畿大学ランドライブを止められない。
 レッドゾーンまで侵攻されてからフォルススタートの反則などで息つく間はあったのだが、中央ラン突破でエンドゾーン直前まで侵入される。ここで近畿大学キャリアがボールをファンブルするのだが、エンドゾーン内へ転がり込んだボールを近畿大学選手が確保、近畿大学のTDが認められた。

 一方の同志社大学オフェンスも、RB#34河野ドロー30ヤードとWR#8山林へのクイックパスコーナーパスの2本を成功させて敵陣侵攻、このシリーズはFG3点に止まるが、第2Q残り3分自陣20ヤードから始まった攻撃では、TE#87中村、SB#46青木の縦15ヤードのパスが心地好くヒットする。さらに途中にはRB#34河野のドロー15ヤードとミドルゲイン荒稼ぎ状態。時間に追われながらのドライブだったが、最後はSE#8山林への23ヤードTDパスが残り4秒で決まって、同志社大学リードでハーフタイムを迎える。

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 同志社大学のFL・SBの縦パスは、これまで甲南大学・京都大学に徹底マークされて網を張られていた状態、投げれば投げるだけインターセプトされていたが、この日は、違っていた。

 一方の近畿大学オフェンスも#29藤井のビッグリターンから追加点を狙ったが、同志社大学ディフェンスが対応する。フィールド中央付近でのランプレーは同志社大学ディフェンスも対応しにくく、前シリーズ同様にゲインを許す状態だったが、レッドゾーンでのランディフェンスは厚かった。

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 試合後半。同志社大学オフェンスはRB#34河野、#41土井、FB#90岡田などランプレーを積極的に投入、ミドルゲインもありながら近畿大学ディフェンスLB#47乗影などに遮られる。前半のようにはパスを用いていないのは、インターセプトされることをさけたことが一つと、時計を止めたくなかったから。だと、思う。

 一方の近畿大学オフェンスは、後半から積極的にパスを用いるようになる。ターゲットはTE#87酒道、WR#88小野澤。今シーズン開幕前に脅威と思っていたレシーバー陣へのパスで、同志社大学にパスインターフェアがあったり、10ヤード内外のパス成功でドライブがつながったのが第3Q終盤から第4Qにまたがるシリーズになる。

 しかし、追いかけるシーン・プレッシャーのかかる状態でのパスは微妙に精度を欠く。パス成功と失敗を繰り返しながらだが、成功すれば10ヤードゲインなのでFD更新。こうして近畿大学は敵陣10ヤードまで迫ったのだが、ここから2回のランプレーのゲイン。

 同志社大学レッドゾーンディフェンスは、ここまで完璧だったのだが・・・・そして第3D右パスをLB#53糸井が狙っていたかのようなインターセプトで窮地を脱する。

 第4Q残り9分から始まった同志社大学オフェンスはランプレーでFD更新しながら試合時間消化も行ったのだが、敵陣入ったところでのパスコール&パス失敗からパントへ。

 得点は同志社大学10点、近畿大学7点なので、近畿大学は最低でもFGで同点狙いだが、当然TDで逆転を目論む。

 これに対して同志社大学ディフェンスもDL#93前田、#95藪下、#33上田、#97小澤とフロント4名が近畿大学OLにプレッシャーをかけながら、ランプレーに対応して、試合前半のようなビッグゲインを許さない。

 残り時間との兼ね合いもあってパスを投げると同志社大学DB#29岸田がパスインターセプトして攻撃権奪取する。残り0分55秒で再び近畿大学に攻撃権が移動したが、自陣38ヤードからのパス連続は同志社大学LB#45北野パスカットなど完全対応、最後はディフェンスDLLBDB一体となって近畿大学攻撃を封じ込めた。

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 同志社大学は、今シーズン初白星となる。後半、近畿大学攻撃がパスベースに転じたことは、同志社大学ディフェンス視点に立てば、もしかしたらラッキーだったかもしれない。
 OLとDLが正面から衝突するパワープレー・ランプレーは試合前半でも、近畿大学優勢が見え隠れしていたが、体制万全なDB陣と新人が健闘しているLB陣がキーポジションに移ったことで、怪我人が多い同志社大学DLのスタミナが最後まで残った??

 近畿大学も第3戦までは封印していた感のあるWR#88小野澤、TE#87酒道へのパスを、リーグ戦後半戦では積極的に採用するべく封印を解くことがこの試合の一つの課題だったかもしれないが・・・・。この試合に限っていえば、試合前半のオフェンススタイルを貫いていれば・・、と仮定の話に惹かれてしまう。




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10月16日(土) キンチョウスタジアム 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西大学14284-0-0
甲南大学1-3-0
(現地観戦)
 
関西大学
甲南大学
1Q
FL
1Q
2Q
TD
G×
2Q FG
RTD 3Q
FL
3Q TD
TD 4Q
TD
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 ファイナルスコアは関西大学28甲南大学9。前半を7−3で折り返す試合展開は、当事者観戦者それぞれの立場によって、あるいは受け止め方考え方は千差万別だったかもしれない。

 関西大学オフェンスとくにランプレーーが想像以上にゲインしないことと、甲南大学ドライブが関西大学ディフェンスに封じ込まれている息が詰まる展開でもあるのだが、「手の内を隠している感」が一番漂っているのが関西大学オフェンスなので、ハーフタイム折り返し時点では、まだ、気持ちに余裕があった。

 そして、後半開始での甲南大学フリーキックが、関西大学#1藤森のところに飛んで行ってしまった。左サイドライン際を走り抜ける#1藤森の前には、#31西口などリードブロッカー役も多く存在していて、途中で止まりそうになりながらも生き返って95ヤードを走り抜くリターンTD。今シーズン初めてのリターンTDで関西大学が7点を追加したことで、わずかだが混戦模様から脱した気分になる。

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 甲南大学オフェンスも進まない。関西大学ディフェンスプレッシャーが厳しく、RB#26高谷欠場、RBでは#29三谷オンリーの甲南大学オフェンスは、ショベルパスにも関西大学ディフェンスに対応されるなどで、単発ロングゲインのみ。
 パスには関西大学DB陣カバーが厳しく第2Q早々のロングパスにはDB#11中谷が、完璧に反応してパスインターセプトと、攻撃の可能性に探りを入れる段階まで。

 ただし、RB#29三谷以外に#7仲野がRBWR兼任の活躍、さらにQBも#11松延メインながら#3永吉をチェンジオブペースで起用されていて、試合の途中からオフェンスプレーのバリエーションが増えていて、「探り」のなかから「アタリ」が出てきそうな雰囲気も漂う。

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 関西大学オフェンスは、QBに#18井上をスターターとして起用した。私が観戦した春の試合は最終戦を除いて全て#18井上だったので、それ以来のスターターとなる。

 ただし、この日の関西大学オフェンスのリズムが悪かったのは決してQBが交代したからではなく、むしろ、OLRBの連携部分にありそうだ。

 関西大学は、開幕戦以降、RB#1藤森と#5播川を交互に起用する形で、両名を同時にフィールドに配置することは、おそらく今秋この試合まで、なかったのではないだろうか。

 つまり、ランプレーであるときのボールキャリアは、そのときにフィールドにいる、#1藤森か#5播川が、事前に確定していることになる。そして、ボールキャリアが確定しているならば、相手ディフェンスからしたら対応は容易になる。

 関西大学側から見れば、ボールキャリアを相手に知らせている状態であるのは重々承知のことで、このシチュエーションでもRB#1藤森、#5播川のランでミドルゲイン突破したかった。
 そのためには、RB個人技だけでは無理で、OLブロックあるいはFBリードブロックなどのブロッカーの活躍が不可避。・・・なのだが、前節京都大学戦でもRBが走れていないのはOLブロックが機能していないから、ということになるのだろう
 試合前半で、RB#1藤森、#5播川のランゲインが10ヤードに達したのはそれぞれ2回・1回。残りはなんとか足を動かしたりもぐりこんだりして個人技の部分で5ヤード程度に止まっている。

 この関西大学オフェンス膠着状態を打破したのは、やはり、パスだった。第2Q中盤の関西大学3回目の自陣23ヤードスタートの攻撃シリーズ。

 QB#18井上がRB#1藤森への左ワンフェイク入れた後の右WR#17高原へのミドルパスが27ヤードヒットして、一気にフィールド中央に到達、そして次のプレーでRB#5播川の中央突破が12ヤードゲインとなる。ランとパスを巧妙に組み込んで初めてドライブがつながった。  その後RB#5播川と#1藤森の交互起用で再び4〜5ヤードに止まりそうになった敵陣18ヤード付近でWR#17高原へのスローバックパスヒット、これでFD更新すると、RB#5播川の中央11ヤード、RB#1藤森のTDランで7点獲得となる。

 WR#17高原へのパスヒットすると、甲南大学ディフェンスがパス警戒となって、RBランプレもゲインするという構図であり、両スーパーランナーであってもプレー順序が適正でなければオフェンスドライブできないことを明確に示したシーンである。

 ただし、プレー順序がベストであってもパスは水物。雨天では使いにくいので、最上級ベストはOLブロックによるランホール確保による最低10ヤード近いゲイン獲得が望ましいところ。RBの個人技にOL側が依存する形になっているようなここ2試合である。

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 試合は、第2Q中盤に関西大学がWR#17高原パスとランを絡めてTD7点を先制するものの、次の関西大学攻撃でFL#16岡へのミドル縦パスを甲南大学DB#1中津が狙っていたかのようなパスインターセプト、そして、25ヤードリターン。

 甲南大学は敵陣31ヤードでの攻撃権を得る。残り時間1分を切っていたので関西大学ディフェンスもTDを許さないフォーメーションだったこともあって、WR#81、#7仲野へのパスヒットからFGレンジへ侵入、K#7仲野によるキックでFG3点を追加、7−3でハーフタイムとなった

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 後半開始早々、関西大学#1藤森による95ヤードリターンTDで点差が広がったが、甲南大学ディフェンスが再びショートパスをインターセプトし20ヤードリターンして敵陣での攻撃権をえる。

 甲南大学オフェンスが自陣からロングドライブして得点するのは難しい雰囲気が漂っていたが、ターンオーバーによる敵陣スタートならば最低でもFGは何とかなるというストリーの2回目。

 左FL#7仲野の右モーションハンドオフランは、OLRBのリードブロッカーを大量に携えてのプレーとなって10ヤードゲインして敵陣9ヤード地点でFD更新となった。

 その後、甲南大学にホールディング反則罰退やDLによるロスゲインタックルなどあるものの、QB#3永吉キープ中央やショベルパスミドルゲインなど甲南大学怒涛のランドライブが関西大学ディフェンスからTDを奪った。
 ちなみに関西大学ディフェンスチームが学生チームからTDを奪われるのは春の立命館大学戦・早稲田大学戦以来のこととなる。

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 第3Q終盤で、関西大学14、甲南大学9(TD後に2ポイント選択して失敗)

 関西大学自陣37ヤードからの攻撃。ここで関西大学は甲南大学に傾きかけた流れを断ち切るべく、QB#7池井を投入する。
 さらに1プレーだけだったが、QB#5播川から#1藤森へのハンドオフプレーがあったり、RB#42菊池、#92宗實がSB位置でリードブロック役についてラン走路を確保するパワープレーも加わったランドライブは4回のFD更新、約5分のラン連続9プレーでTDを獲得する。
 さらに次のシリーズでは自陣26ヤードからQB#7池井からWR#17高原へのミドルパスヒットとRB#1藤森のオープンプレーで敵陣侵攻すると、QB#18井上に交代し、RB#39前田、WR#25高崎という若いメンバーへのランとパスを挟んで最後はTE#89青木へのTDパスで試合を決めた。

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 甲南大学得点ドライブは、いずれもターンオーバーによる敵陣スタートのもので、自陣からの連続FD更新ドライブというシーンは見られなかった。
 そんな中で、第3Q最初のシリーズでは、QB#11松延→#3永吉→#34永井のフリフリが成功したり、ギャンブルプレーで#50高田のキャリー成功など細かいところでは、いろいろと楽しみなプレーも見られる。
 RB#26高谷の負傷回復が待たれるところだが、QB併用とマルチプレーイヤー#7仲野の存在、ディフェンスも2回のターンオーバーが得点につながっていて攻守の関係は良い状態で後半戦に突入する。




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10月17日(日) 西京極陸上競技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
立命館大学14354-0-0
神戸大学1-3-0
(現地観戦)
 
立命館大学
神戸大学
1Q
TD
1Q
2Q
G×
TD
2Q END
FG× 3Q
TD 3Q
4Q P×
TD
FL
FG×
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 最終スコアは立命館大学35、神戸大学0で、立命館大学圧勝の様子なのだが、ハーフタイムを迎えたあたりまでは、得点には現れないところでかなり拮抗した試合になっている。

 先攻神戸大学第1シリーズ、QB#7林からオプションピッチを試みるもののDB(S)が対応してノーゲインに止まる。その後も何度かオプションプレーを試みるのだが、立命館大学ディフェンス陣が完璧対応して前節近畿大学戦でゲインしまくっていたのとは様子が一変した。この最初のシリーズはQBサ後退やミスキック気味のパントに飛距離が出ずで、いきなり窮地を招くことになる。

 こうして立命館大学オフェンス1回目の攻撃は敵陣35ヤード付近スタートという絶好の得点機。その第1プレーでフォルススタート反則罰退というシーンはあるものの、仕切りなおしの第1D、RB#27高野橋が右OT付近からカットインして左方向へ、これがそのまま40ヤードのTDプレートなる。わずか1プレー14秒で立命館大学に得点が入った。

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 このまま、大差の試合になっていくのかと思われたのだが、立命館大学ランプレーがゲインしたり止まったりと、不安定な状態が続く。
 その理由はライン戦にあって、神戸大学DLLB陣による壁と立命館大学OLが均衡するシーンがたびたび発生することによる。ライン戦でイーブンなればラン走路が確保できず、スクリメージライン付近でRBデッドになるシーンが増える。
 こうして、RB#27高野橋、RB#39川端が神戸大学ディフェンスの前にショートゲインというシーンが半分、そして残り半分はなんとかスクリメージをを抜けてその後を個人技で距離を稼ぐ、つまり、OLブロックによって、あるいはなんらか運よくスクリメージを突破DLをすり抜けることができれば、かなりの距離を進むぐ、という二択なので、ランプレーだけでは二進一退程度になる。
 結果、第1・2Qのラン偏重攻撃では、2回のオープンフレームが発生した。
 なお、この立命館大学ランオフェンスにおいては、ノーマルな中央突破に終始していたことを付け加えておく。カウンター系やトリックフェイクのない真正面での力勝負で神戸大学DLと立命館大学OLRBが均衡したり抜けたりということです。

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 そして立命館大学第2QのTDドライブは、ラン偏重でなくパスに活路を見出した結果のもので、第1プレーこそRB#27高野橋のミスタックルから17ヤードゲインがあるが、その後は、パス系の比率が一気に高くなっていく。
 神戸大学DL#92白石にサックされたり、ターゲットなくQB#15谷口スクランブル15ヤードゲインなどでフィールド中央へ、さらにスクリーン等2パスで計15ヤード前進して敵陣35ヤードに到達する。

 なお、この時点で第2Q残り時間は1分を切っていて、前半7点差で終わるかという神戸大学ディフェンスも奮起のしどころというシチュエーション、そして、DL#90福島、#92白石による10ヤードサックロスした時点で残り時間0分51秒エンドゾーンまで45ヤードだった。


 しかし、立命館大学はここから大型WR#84頓花への42ヤードロングパスヒットで一気に敵陣に迫ると、最後も左WR#84頓花のインパターンのTDパスを決めて、立命館大学は欲しい時に欲しい得点をしっかりともぎ取った。

 立命館大学は第3Q終盤も、FB#94左紺へのパス、RB#27高野橋7ヤードを挟んで、QB#15谷口が左ロールからWR#25宜本への20ヤードTDパスを決めている。
 サウスポーサイドスローで左ロールからの左へ流れるレシーバーへのパスは、絶好のパスコースなので、確かにこのパスだけは披露しないほうが良かったかもしれない

 立命館大学オフェンスは、ノーマルなランプレーでは均衡するもののパス系を組み込むことでオフェンスの持ち味が十分に発揮できる。この日はWR#84頓花、#25宜本そしてQB#15谷口によるパス系のプレーで試合の流れを掌握した。

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 神戸大学は、パントで距離がでなかったりで、試合全体を通してもフィールドポジションが悪く、単発のビッグゲインでは試合展開を変えるところまでは届かなかった。

 その中で、第2Q残り9分からのロングドライブは迫力あった。神戸大学オフェンスチームの総力戦という形でフリフリやいろいろなメンバーがプレー参加した勢いのある攻撃シリーズだった。

 この時点で立命館大学得点は1発TDランのみの1TDだったので、ここで神戸大学が得点していればまた違った試合展開になったかもしれないし、立命館大学がさらに引き出しの中から面白いプレーを披露してくれたかもしれないが、そこは仮定の話。

 このドライブは、自陣27ヤードQB#7林のスクランブルランから始まる。2回連続キープランにフェイスマスクの反則も加わってフィールド中央付近へ。
 そこからQB#22木内→WR#11東野→WR#80稲葉の20ヤードパスヒットで勢いに乗ると、交代違反の反則ロスもQB#14原田からWR#89麻生へのパスとQB#22木内のQBカウンタードローで反則ロス帳消しの10ヤードゲインして、敵陣21ヤードに到達する。

 結果的には、ここの第2D左コーナーへのTDパスをDB#20矢部にインターセプトされてしまうのだ、QB3名総動員して立命館大学反則をきっかけにミドルパスとQBドローによるロングドライブとなった。

 その他のシリーズでは、ということだが、後半も最初のシリーズを除いてパスを試みていて、ドロー系のランプレーでは5ヤード以上稼いでいるのだが、パスになるとLB#52猪野のQBサックロスや、第3Qから第4QにまたがるシリーズではWRQBミスなどパス精度の部分でドライブがイマイチつながらず、結果としては、完封負けを喫することになってしまった。
 ただし、走れるQBのドローとパスを絡めてディフェンスを揺さぶることは何とかなりそうな感触は掴めた。さらに得意とするところのランプレーにおいてもRBTB#22木内、#29種、#28三宅、#26大仲、FB#98寶田と揃っていて、リーグ戦後半戦はランにパスに持ち味を十分に発揮することだろう。

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 この試合を、立命館大学ディフェンス側視点に立つと、私の感じるところは、イマイチまとまりに欠けるというところなのだが、実際のところは、やはり関西学院大学等と直接対決してみないとわからない。

 この試合では、LB#8佐藤、#43盛田、に#5菊地、#52猪野などの活躍、フロントではDL#3南、#6十亀のアグレッシブなところが見られてQBサックもあり、前節近畿大学戦ではオプションプレーでゲインされていたが神戸大学にはそれも許さずで、少しずつ本調子になってきたようにも見える。




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10月17日(日) 西京極陸上競技場 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西学院大学10294-0-0
京都大学1-3-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
京都大学
1Q
P×
TD
1Q
2Q
FG
2Q END
TD 3Q
FG
3Q G×
4Q
(S)
TD
G×
FG×
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西学院大学が3TD2FG1Sで29点を獲得し、守備では京都大学を完封する。
 関西学院大学はモメンタムを完全掌握したまま一度も手放すことがなく、試合の流れを掴んだまま時間が経過していく状態で、京都大学攻守ともに付け入る隙間は、極々わずかしかなかった。

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 先攻関西学院大学がTE#95垣内へのパスでFD更新して敵陣侵攻するもののその後のノーマルなランプレーを京都大学LB#84福田などに対応されて第4Dパントを蹴ることになる。

 ここでのパントコントロールが関西学院大学ペースの試合になるための第一ステップだった。

 コントロールされたショートパントキックは京都大学陣10ヤード付近で京都大学のカバーでデッドする。

 京都大学第1D、右OTを突くが、この日から復帰したILB#91村上の好判断でロスゲイン、第2D直前に京都大学交代違反の反則で5ヤード罰退、さらに中央キープでも0ヤードゲインとなって第3D。
 右SE#18坂田のミドルインのパスはLBDBの隙間にヒット、OLBカバーを振り切っていたのだが、そのOLBに視界を邪魔されてパス失敗となる。
 このパスが成功してFD更新していたら、関西学院大学にモメンタムを握られることなく、全く違った試合展開になっていたのは間違いない。

 そして第4D京都大学パントシーン。関西学院大学#44辻本が中央を割って入ってパントブロックが成功する。こうして絶好のフィールドポジションをオフェンスチームに提供することができた。

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 関西学院大学第1D、ショットガンセットのRB縦配置。一般的にIフォーメーションでは、QB−RB−RBの順に並ぶが、ここではRB−RB−QBの順。今春の関西学院大学の試合でも見られたし、他の国内外の試合でも多く見られるようになってきている流行のセットである。

 TBへのハンドオフ、FBの中央ブロックの突っ込み、いずれもフェイクプレとなっていて、TB#47兵田が左エンドゾーン内でパスターゲットに変身する、というのが最終の姿。
 フリーターゲットとなってQB#6加藤からのパスをキャッチ、これが関西学院大学TDプレーとなった。

 ショート&コントロールされたパントキックから始まって、パントブロックまでの諸々、そしてスペシャルプレーで関西学院大学オフェンスは1プレー7秒で先制点を獲得する。

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 しかしその後は、関西学院大学QB#6加藤によるノーハドルオフェンスや京都大学QB#17今村による攻撃ともに一進一退が続いた。

 関西学院大学側はWR#87小山、#1松原へのショートパスは決まるのだが、ロングパス狙いは京都大学LB#84福田のプレッシャーを受けて止むを得ずの投げ捨て、QBWR不一致2回など。  RB#22久司ショベルパスや、#31尾嶋、#39稲村のカットランなどで10ヤード近いゲインをするものの、パス失敗やランショートゲインも絡んでパントを蹴ること2回。

 一方の京都大学オフェンスは、徹底して右WRへのパスを多用、WR#18坂田に35ヤード、WR#83木原に15ヤードとミドルパスパスヒットやインタフェア奪取など、執拗な右サイド攻撃でFD更新を繰り返した。
 ただし、OLとRB#95曽田、#82北畠によるパワーランが関西学院大学ディフェンスを崩すまでの破壊力がない、DL#98長島、#52平澤、LB#43望月と中央ディフェンスが分厚く最大5ヤードゲインほどにとまり、ランプレーだけではドライブがつながらなかった。
 さらに、徹底して多用していた右サイドのミドルパスも最後は関西学院大学DBのインターセプトで攻撃の芽が消えてしまう。

 このように関西学院大学も京都大学もオフェンス手段が消えていき、ディフェンス主導の試合の流れになっていく。なので、試合開始直後のパントブックからの得点/失点がなければ、0−0のイーブンであっても不思議ではない、そんな状態で時間が経過していく。

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 一方で、この日の関西学院大学オフェンスはスペシャルプレーをいくつか使っていて、例えば第1シリーズ第1Dでの右TEパスヒットは、右FLの左モーションのハンドオフをフェイクプレーにした、がら空きの右サイドへのパス成功である。  その他にも、ツルーI(RB3人縦配置)でLB#43望月をRB起用したパワープレーだったり、TDパスでのRB#47兵田の起用、などなど。そして、第2Q最後のFGもそんなスペシャルプレーが挟み込まれている。

 残り6分19秒自陣19ヤード。RB#31尾嶋、#39稲村のスピード&カットランで強引に刻みながらFD更新して、フィールド中央。
 RB#39稲村へのハンドオフフェイクから、RB#39稲村が左サイドパスコースへ出てレシーバーに変身したところへQB#6加藤からパスが飛んできて28ヤードゲイン、こうしてFGレンジへ侵攻して、第2Q終盤に3点を追加しする。

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 そして後半開始。関西学院大学フリーキックはオンサイドキックだった。Kのキッカーのチョロキックをキッカー自らがカバーして攻撃権は関西学院大学となってモメンタム完全掌握。

 こうして勢いに乗った関西学院大学がRB#13野々垣、#31尾嶋のラン、WR#16和田のゴー&ストップパスキャッチなどで敵陣8ヤードまで侵攻する。
 このシリーズは残り8ヤードを第4Dまで追い込まれるものの、かろうじて中央突破TDを獲得するのだが、次のシリーズではFGに止まるなどで、レッドゾーンオフェンスに不安を残す状態は変わらなかった。

 その後、関西学院大学は、再びのコントロールパントキックで京都大学を自陣1ヤードに張り付かせてセイフティ2点を獲得、さらに、RB#13野々垣もがディフェンスの隙間を縫ってミドルゲインTDランで勝利を確定させた。

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 後半の京都大学攻撃は、第4Q中盤になってようやくFD更新できる状態で、完全に関西学院大学ペースの試合になっていた。

 試合前半では、右コーナーへのミドルパスが連続ヒットしていたのだが、一度インターセプトされると、二度と同じプレーを用いなくなる。たしかに、もう一度試みるのは気持ち悪いが、ランパス組合せの中でプレー順序で揺さぶれば、なんとかなるのではないかと・・・。
 前回関西大学戦でも一度止まってしまったプレーは、二度と用いなくなっていたが、これも攻撃の幅を狭くしてしまっている要因に思えてしまう。やり方次第では復活するのではないか、と考えてしまいます。これも私の「物を捨てられない、もったいない症候群」の表れでしょうか。

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 関西学院大学は、これまでの試合とは少し違う面と、これまでと変わらない同じ面の両面を見せた試合になった。
 要所にスペシャルプレーが織り込まれて、それが得点に直接結びつく。ショットガン&Iフォーメーションからのプレー展開もいくつか見せた。一方でロングパスヒットはなく、敵陣レッドゾーンオフェンスで第4Dに追い込まれるところは、これまで同様。

 一方でディフェンスは、LB#91村上をILBに配置しOLBに#43望月と#8善元という布陣は、この試合では京都大学RB#95曽田、#82北畠のランプレーに完全対応、プレースピード、タックルとも精度が高い。不動のDLメンバーとともにLBも今年のスタイルになってきた。

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 関関立3強の第4節は、いずれもロースコアの試合となったが、その中で、最も新しいことを披露したのが関西学院大学で、これまで3戦とは違って選手の動きもスピーディーに4戦全勝をキープした。

 同じく4勝の関西大学は前半戦最後の試合という位置づけで3年生QBを起用する余裕を見せつつも、これまでの3戦では見られなかったRB起用法を少しだけ披露している。攻守の選手の動きとしては関関立3強の中では最も重たく感じたが、そういう時期なのだろう。

 立命館大学も前半戦最後の試合という位置づけの中で次節に向けての意思表示も見え隠れしていて、QB#15谷口最終調整という試合。ディフェンスはこれまで3戦と同じように見えるものの少しずつスピードがのってきた感じ。関関立3強の中では、もっとも平静を装っているが、次節の大一番と対比で、もっとも不気味さを感じてしまう。

 4勝0敗の3チームは、4TD付近のロースコアの試合を行う中で、後半戦に向けての準備を感じさせた前半戦最終節だった。

 次節からは、いよいよ後半戦。星の潰しあいとなる全勝対決もあれば、入れ替え戦回避のための順位争いもある。今年の全てをかけた厳しい戦いに突入する。




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