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04月18日(土) 王子スタジアム 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学021141348
日本体育大学00707
(現地観戦)
 
関西学院大学
日本体育大学
1Q FG×
1Q
2Q
TD
TD
TD
2Q END
TD 3Q
P×
RTD
RTD
3Q
FG 4Q
TD
FL
FL
FG
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 学生選手権の創設という新しい取り組みが決定した2009年シーズンが始まった。関西学生DIV1所属チームが出場する最初の試合は、関西学院大学VS日本体育大学の交流戦である。

 今春の関西学院大学攻守の個人的な注目ポイントは2個。昨秋リーグ戦最終戦を経てディフェンスフォーメーションに変更があるのか否か。もう一つは、オフェンスQBに誰を起用するか。もっとも、QBに誰をということについては、秋までに決めればよいことで、春の試合に誰がスターターになろうとも、それほど大袈裟に考えるつもりはない。
 だが、ディフェンスフォーメーションを変更するとなると、久しぶりのことになるので、早い段階で方針決定して、かなりの練習量に時間を割かなければならなくなるはず。なので、この試合の最大の関心事は、ディフェンスフォーメーションだった。

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 この試合の関西学院大学ディフェンスフォーメーションは4−3−4。昨年までの3−4−4からDL1名増、LB1名減という体勢となった。

 DLは、DE#91村上、#93佐藤、DT#51好川、#52平澤という選手起用。#52平澤は昨年シーズン後半にはスピードで相手チームに圧倒していたので、今回のDTというポジションは魅力半減とも思うが、そこは、今シーズンの試行錯誤の最初の段階。誰がどこのポジションを、ということは4−3−4が熟成していけば自然に定まっていくことになる。
 その他のポジションでは、ILB#90古下、OLB#68吉井、OLB#46西岡、DB#23頼本、#24福田、#8善元、#28三木というスタートメンバーだった。

 日本体育大学の最初の攻撃シリーズは、QB#5大瀧キープ等のインサイドラン中心の組み立て。これに対して、1プレー10ヤード等を奪われる関西学院大学ディフェンス陣だったが、徐々にDLLB陣が動けるようになっていく。
 最初のシリーズは、右OTプレーに対してLB#68吉井が2回のノーゲインを浴びせて、ロングドライブに終止符を打つ。そして、中央突破ランがショートゲインに止まるようになった第2シリーズではDL#93佐藤が、第3シリーズはインサイド縦のショートパスをLBがインターセプト。その後はILB#90古下中心のタックルも決まるようになり、FD更新を許さなくなっていった。

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 一方の関西学院大学オフェンスは、今年もショットガンスタイル。先発QBは#6加藤、そして後半から#17浅海が登場し、第4Q中盤以降は#11糟谷による。

 前半のQB#6加藤による5シリーズは、3TDとサック後退パント1回、そして第2Q最後のロングTDパス狙いでのインターセプトという内容。インターセプトシーンはちょうど対角の位置だったので、誰と誰が競ったのか不明だが、DBがいいポイントに入っていたように見えた。

 得点シリーズ3回の内容は、RB#99河原のインサイド中央突破ラン20ヤード×2回のTDラン、WR#18萬代へのサイドスクリーンからのCBとの1対1を抜いた24ヤードTDパスと、バックス個人技気味なところはある。OLブロックが効かずRBの判断に依存するランシーンも多かったが、これから、ということで。

 ショットガンフォーメーションからのランパススタイルは、基本的に昨年までと同じようなことを行いたい意図が感じられる。ショートのクイックパス、サイドスクリーンあり、ロングパスあり。RBも技巧派#99河原筆頭に、スピードのある#22久司はRTDも決め、#39稲村、#42林などの新戦力が登場している。
 インサイドレシーバーの縦パスが成功しなかったが、新しいQBWRの関係なので、これから整備されていくことになるだろう。







04月19日(日) 関西大学G 13:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西大学00000
法政大学71415036
(現地観戦)
 
関西大学
法政大学
1Q
TD
FL 1Q
2Q TD
G×
TD
2Q REND
3Q
TD
3Q TD
4Q
RFL
G×
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 ゲームクロックが見えにくかったので、ボール所有時間は不明だが、印象としては法政大学が攻撃権をキープしていた時間が関西大学の倍近くあるのではないか、そんな試合だった。

 関西大学オフェンスが機能したのは前半2回目のシリーズだけで、残りはほぼ完封状態。一方の法政大学オフェンスは、第4Q中盤までの全シリーズで自陣からロングドライブをつないで5TDを獲得する。
 第3Qには第4Dパントフォーメーションからのパンター決め打ちスクランブル、PATでも2ポイントの練習をするなどで、法政大学オレンジの動きが目に付く。昨年の関東学生優勝チームは順調にスタートを切った。

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 法政大学オフェンスQBは前半が#12、後半が#1(名簿がないので氏名省略)
 第2シリーズはショートパスヒットを重ねてFD更新を繰り返す。ターゲットは#3、#83、#81など。クイックパスあり、ロールアウトからのパスありとQB#12のパスには変化がある。
 対する関西大学DBも、最初のうちはあわやインターセプト等のシーンもあったのだが、法政大学のショットガン5レシーバーに対して、次第にDBLB陣が迷うシーンが増えていった。
 さらにDLのプレッシャーがQBに届かないのでパス成功を繰り返す。最初は4−3−4だったディフェンスフォーメーションをDL3人にして後方重視のスタイルを試みてはいるのだが、あまり機能しない。
 こうして、法政大学はクイックパスヒットでオフェンスリズムを掴むと、その後は中央突破のランプレーでも10ヤード超のゲインを獲得するようになっていく。
 後半はQB#1の登場となって、QB自らのキープランプレーが若干増えたものの基本的なプレースタイルは変化しないまま得点を重ねていった。

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 関西大学オフェンスQBは前半が#18井上、後半は#14原口による。
 最初のシリーズは自陣エンドゾーン間際ということもあって何も出来なかったが、#22松森によるパントリターンでフィールド中央スタートとなった第2シリーズは見ごたえがあった。
 第1プレーがUBフェイクのQBキープ。これで11ヤードゲインと幸先のいいスタートとを切ると、プレーアクションフェイクの入った#24川田へ14ヤードパスヒット、WR#19堤ハンドオフのオープンラン14ヤードと、リズムが良かった。
 このシリーズで得点になっていれば、この試合は全く違った展開になっていたかもしれない。敵陣13ヤード付近での中央突破ラン途中にファンブルロストターンオーバーとなってしまったのが惜しい。

 第3シリーズもアウトパターンパス10ヤードでFD更新していたのだが、第3DミドルでのQBキープが届かず。次のシリーズも第3DミドルでのQBキープが届かず。いずれも数ヤードを残してパントを蹴ることになる。

 法政大学ディフェンスが徐々に対応できるようになってきたことと、一方で、得点差が広がっていく試合展開。後半はQB#14原口に交代するもののパス失敗やランノーゲインが続いてオフェンスドライブがつながらないままタイムアップとなった。

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 ところで、関西大学によるパントリターンでは毎回10ヤード程度の陣地挽回があるのだが、関西大学のパントキックに対して法政大学フェアキャッチが続いている。
 それは関西大学#10辻などカバーチームがいつもリターナー周辺に届いているためで、パンターとカバーチームの連携はいい。第4Q早々の法政大学ファンブルロストもカバーチームのプレッシャーが一因だった。

 関西大学オフェンスOLは若干押し込まれ気味。オフェンスプレーは、ベースになるプレーを繰り返すというよりは、様々なプレーを1回だけ?というように本当に色々と試みていたように見える。
 どうも、オフェンスについては、試行錯誤が多かったようだが、となると、OLが押し込まれてしまうのもある程度は想定すみ??実際のところはどうなのだろう。
 ディフェンスDLは本当に法政大学OLに跳ね返されていたようだが。なお、攻守ラインとも、おそらく今シーズンの中核になる選手が多く配された布陣ではあった。







04月25日(土) 宝ヶ池球技場 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
京都大学607720
甲南大学07007
(現地観戦)
 
京都大学
甲南大学
1Q
TD
1Q
2Q
P×
FG×
P×
TD
END 2Q
3Q
TD 3Q
4Q
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 雨天の中で行われた京都大学VS甲南大学の試合は、京都大学攻守ともに4月の段階としては完成度が高く、さらに攻守ラインとも相手を圧倒していたのが印象に残った。
 対する甲南大学は、オフェンスが手詰まりだったものの2人のQBを使った試行錯誤の位置づけだったかもしれない。ディフェンスは時間経過とともにアジャストしていくところが見事で、今年もLBDLDB各ポジションともに選手が揃っていて楽しみな陣容である。
 圧巻は第2Qの得点に至るまでの過程で、パンタースクランブルフェイク、パントブロック等々、攻守はもちろんスペシャルチームに至るまで各人各様の役割を果たしながらフィールドポジションが移動していくところが凄かった。

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 京都大学オフェンス第1シリーズは自陣42ヤードから。QB#10桐原によるセットバックIフォーメーション。最初の2回のランプレーは、まだ雨で水が浮くフィールドに足をとられてスリップダウン、第3Dに追い込まれるもののWR#18坂田へ13ヤードパスでFD更新する。
 なお、WR#18坂田は、第3Dミドルレンジのシチュエーションでパスターゲットとして起用されることが多く、その他にも第3DミドルからFD更新しているのが特徴的。

 敵陣に侵攻すると、今度は左G付近をラインブロックとRB(UB)#33安河内とRB(TB)#3曽田のコンビネーションで中央突破、さらにはWR#18坂田へのミドルパスヒット、ランパスバランスいいリズムのある展開で京都大学が先制した。

 京都大学OLはブロックよく、左右G付近のランゲインが続く。ちなみにOL右G#56井上、左G#59内尾、C#77岩橋、左T#65駒井、右T#71岩崎という布陣で、機動力あるラインがランナー走路をしっかりと確保している。時間経過とともに甲南大学にアジャストされるのだが、試合後半も要所ではラインブロックの精度は落ちなかった。

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 春4月末の時期にしては京都大学攻守の完成度が高いと感じた。オフェンス方針は昨年同様QB#10桐原によるセットバック。今回は雨ということも関係しているかラン比率は昨秋リーグ戦より多かったが、ランもパスも担い手は揃っていて、さらに、RB#37藤原、#33大河内など新しい選手も登場している。パスターゲットは現時点では昨年同様の陣容だが、#18坂田のスピードアップ&テクニックアップには目覚しいものがある。

 なおディフェンスは、DL#92徳原、#90大西、#79畠中、#51南出、iLB#99又賀、oLB#27山口、#29藤本、CB#47阿部、24大岡、S#15前川、#16槙塚はある時点のメンバー構成である。

 オフェンスロースコアかもしれないが、攻守とも昨年メンバーの喪失を感じさせないばかりか、昨年の経験に上乗せ分堅実さは増している。攻守ラインも動けていて今春今後の試合が楽しみ。次は5月16日の関西学院大学戦@エキスポ。

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 甲南大学オフェンスは、QB#13京極と#11松延の併用スタイル。ただ#11松延はワンポイントな起用方法が多く、メインは#13京極による。
 オプション中心のQB#13京極、どちらかと言えばパス中心のQB#11松延という昨年来の色分けは続くが、QB#13京極から右インサイドレシーバーWR#14国田へのクイックパス、モーションしたWR#18大槻へのクイックパス等々、様々に模索しているのがわかる内容だった。

 もっとも基本となる中央付近のラン突破では、京都大学DL他のプレッシャーが厳しく、ランゲイン出来ない状態が続く。RB#1寺内やQB#13京極によるノーマルな中央ランはほとんど完封されていた。
 しかし、RB#1寺内とQB#13京極によるオプションプレーは切れがよく、第4Qには第4DギャンブルでRB#1寺内をフェイクのQB#13京極キープで5ヤードゲインなど、オプションではゲインしている。

 甲南大学オフェンス後半は、京都大学に時間を消化されたために攻撃時間合計が8分に届かない。
 最終ドライブは、RB#1寺内のインサイドランを徹底して繰り返したことで、QBオプションキープは成功させたものの、最後のミドルパスはエンドゾーン手前で、京都大学1年生DB#24大岡がタイミングよくレシーバー前に割り込んでインタセプトされてしまう。

 甲南大学オフェンスとしては、得点ドライブなどの派手に目に見える結果は残らなかったが、その中でのいくつかのプレーには、今年も甲南大学に期待したいと思わせる要素が散りばめられている。

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 試合序盤、甲南大学ディフェンスはDLLBとも京都大学ラインのコントロール下にあったのだが、しかし、徐々に力関係が変わって行く。

 京都大学2回目の攻撃は、右側のG付近をつく中央突破ランを展開、前回同様に#3曽田などが5ヤード、11ヤードと重ねて敵陣でFD更新。
 しかし、続く右OTランとWR#18坂田へのショートパスに甲南大学ディフェンスの反応よく、いずれも0ヤードゲイン。第3DではパスからQBスクランブルもサイドライン外へ追い出されて京都大学はパントを蹴ることになる。

 京都大学OLブロックが機能していた第1Qだったが、少しずつ甲南大学DLが機能し始めて、LB#4中田、#9溝淵が京都大学ボールキャリアに絡むシーンが増えていく。

 甲南大学の得点7点は、このような時間帯を経た第2Q終盤に獲得したものだった。

 ディフェンスアジャストに加えて、もう一つ特筆すべきは、甲南大学スペシャルチームの活躍で、#52吉田がチップしてパント飛距離を実質0ヤードにしたのが第2Q早々の京都大学パントシーン。
 さらに続く甲南大学パントシーンでは、京都大学に反則があってFD更新。結果はFG失敗で得点に至らずだが、じわじわとボール位置が京都大学陣に移動して行った。

 第2Qも残り0分台での京都大学パントシーン。イリーガルフォーメーションの反則で甲南大学は、もう一度キックを要求する。そしてパントブロックから敵陣8ヤード攻撃権を経て甲南大学TDにつながった。

 甲南大学ディフェンス勢いとスペシャルチームがフィールドポジションをコントロールした得点ドライブだった。

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 久しぶりの宝が池球技場での観戦となった。雨のために、フィールド上に引かれた石灰のラインが消えて見えなくなってしまうところが、人工芝宝が池のちょっと問題なところ。
 ヤードラインはポイントが置いてあったので判りやすかったのだが、サイドラインが不明瞭なために、いくつかの危険なプレーがあった。
 QBランに対するDBのレイトヒットは、ラインが見えていれば絶対に起こらない位置だったし、パントリターナーがボールに触れたのもライン間際。
 春は勝敗は二の次とはいうものの、春だからこそ不必要なケガは避けたいところ。秋リーグ戦でも使用しているので、なにか簡易にコストのかからない方法で「消えない線」は引けないものだろうか??







04月29日(水) 長浜ドーム 14:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
立命館大学141401442
日本大学0001616
(現地観戦)
 
立命館大学
日本大学
1Q
TD
TD 1Q
2Q
TD
TD 2Q
3Q
3Q
4Q
RFL
TD
TD
G×
P×(S)
TD
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 立命館大学オフェンスは、前半後半の全ての攻撃でノーハドルオフェンスを試みた。サイドラインから入るプレーをQB経由でOLに伝達する。デリックさんのところで触れられているように、これによるオフェンススタートミスは、なかったと思う。

 40秒ルール導入に伴い、各チームとも攻撃システムについてある程度の変更が余儀なくされるが、新しいスタイルで春4月末の段階で全攻撃シリーズで完璧に実行してみせた立命館大学オフェンスには、その完成度の高さに驚嘆せざるを得ない。(2009年のチームになったばかりなので実際は「完成度の高さ」というのは間違いなのだが)

 試合前半は5シリーズでショートパスとランプレーをショットガンおよびセットバックで展開して4TDを獲得。QB#11松田(大)が4シリーズ、QB#9松田(竜)が1シリーズを担当したが、同じようなオフェンススタイルでテンポのいいオフェンスドライブを行った。
 日本大学ディフェンスは、いつまでも続くノーハドルオフェンスに対して有効な手段を打てない(??)ままハーフタイムを迎えることになった。

 正直なところ、4月下旬のオフェンス状態とは思えない内容で、このまま秋シーズンを迎えたらとてつもないレベルに達しているか、それともピーク調整を誤って燃焼しきっているか、のどちらかと言うハイレベルな内容だった。
 もう一つ考えられることは、対戦チームに十分にスカウティングさせておいて、秋中盤以降にガラリとシステムが変わるかも。相手にとっては対策すべき内容が1チーム分増えたことに等しい。冬までの2009年シーズン全体を考えたときに、大きな先制パンチが入った段階である。

 例年4月長浜ボウルで立命館大学を見るが、春最初の試合だからこんなものか、という印象を持って帰りのJR新快速に乗るのだが、今年はいつもと違う立命館大学を見た。

 春の立命館大学最大目標となる試合は、おそらく6月7日の電工インパルス戦。正月ライスボウルの雪辱戦となる電工にとっては絶対に負けられない試合だが、立命館大学がどのように立ち向かうか。

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 という論調の観戦記を考えていたハーフタイムを経て迎えた試合後半。

 しかし、試合後半は、前半と打って変わって、ファンブル多発や反則多発、さらにはセンタースナップのホームランからセイフティ献上と様々なシーンが繰り広げられてしまった。

 ラインホールディングは崩れた(?)プレーからのパス途中。エンドゾーン内アンスポも崩れたプレーからの第2?第3?ターゲットへのスローバック気味のパスに関係する。
 第4Q終盤のセイフティーは、日本大学DL#91榎本によるRBロスタックルとQBサックの2回の大きなマイナスゲインがきっかけになっている。
 なお、日本大学オフェンスWR#81中村がパスターゲットとして盛んに起用されるようになったのも第3Q中盤以降から。
 つまり、今年の日本大学攻守のキーになるだろう選手が第4Qに出場していたところに、前半は??という疑問が生まれてしまった。
 ちなみに、この時間帯の立命館大学は若手メンバーに交代しているポジションが多かった。

 ここ数年の日本大学の試合を見ていると、各選手に満遍なく経験を積ませるような傾向がある。しかし、立命館大学攻守についてはスタートメンバーから試合中盤メンバーについてのメモ記載があるのだが、日本大学についてはここに記載できるほど信頼性の高いメモが残っていない。立命館大学オフェンス全シリーズノーハドルで冷静さを失ってしまったというのが正解です。

 春の試合は、各チームの整備状態や試合の位置づけが全く異なる。年間スケジュールの中でどのように調整していくか、各様にスタートした両チームとも今年最初の試合。春とは思えない全シリーズノーハドルで来られても・・・、というところがあるかもしれない。この試合の得点差は、現時点での調整状態の違いによる。

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 立命館大学オフェンス第1シリーズ、自陣から右WR#2宜本へショートパス、RB#27高野橋の右G付近ラン、さらに右サイドへのパスでFD更新すると、さらにRB#22西田、WR#4尾崎、RB#37大西による右サイドへのプレーで再びFD更新する。
 右サイドを徹底的に突くショットガンノーハドルで前進、そしてRB#27高野橋のインサイド中央突破の1プレーでFD更新すると、再び、#27高野橋、#34橋本によるランパスを右サイドに集めた。
 結局、自陣8ヤードから始まったファーストドライブは12プレーで92ヤードゲインをという刻んだTDドライブとなって立命館大学が先制した。

 立命館大学OLは、#77真田、#73余合、#56市川、#59浅野、#55岡崎というメンバーで、ほぼ昨秋リーグ戦以降の大きな試合を経験した選手が多く残る。さらに攻撃バックスも、上記のように、さらに下記するように昨年までの試合経験豊富なメンバーがドライブの担い手として活躍する。このように、卒業によるメンバー交替が少ないところが、今年の立命館大学オフェンスの特徴である。
 ただし、今シーズンから変更なった40秒ルールに対して、ノーハドルオフェンスを検討して、実戦で完璧にこなすまでの完成度の高さは、やはり、尋常ではない。

 さらに圧巻は立命館大学オフェンス第2シリーズで、再びノーハドル。ただし、先のシリーズが全プレーショットガンだったのだが、今回は全プレーがセットバックスタイルだった。
 UB#37大西、TB#27高野橋によるIフォーメーションからのドローやTB#22西田へのタイミングの遅いショートパスからのラン、などででFD更新を繰り返す。最後は左コーナーTDパスへのインターフェアから中央をラン突っ込んでドライブ完成。62ヤード、8プレーのTDドライブだった。

 さらに追加の圧巻が、第3シリーズ。今度はQB#9松田(竜)による全シリーズノーハドルの攻撃が展開された。4年生QBも3年生QBも同じタイミングでノーハドルの攻撃をする完成度がすごい。
 WR#19島村、TB#34橋本、WR#17呉田、RB#27高野橋のランパスで敵陣へ入ると、最後はQB#9松田(竜)のスクランブルランが中央を抜けて37ヤードのTDランとする。

 そして、QB#11松田(大)に戻した第4シリーズで始めてパントを蹴ることになる。ランプレート途中のホールディングロスの後をショートゲインに抑えられて挽回できなかったのは、ようやく日本大学ディフェンスが対応できるようになってきたということなのだろうか。

 第2Q最後、自陣40ヤード付近からの2ミニッツオフェンスはエンドゾーン目前で第4Dギャンブルに追い込まれるものの、最終的には得点に結び付けてハーフタイムとなった。

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 私が観戦していたのはスコアボードと反対側の縦位置。第1Qの立命館大学オフェンスドライブは遠ざかる方向だったので、立命館大学背番号は確認できたのだが、日本大学については、正確な選手ポジションを把握できないまま時間が経過してしまった。(ということにしてください。特にDLLBとOLの相対関係は重要なところなのですが。)

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 日本大学オフェンススタイルはショットガン。QBは、#10平本が第3Qまで、そして#11藤本は第4Qを担当した。
 第1シリーズ第1プレーはRB#6松崎による左OTから中央隙間を抜けて28ヤードラン。これでフィールド中央に来るものの続くRB#20藤田ランプレーなどを立命館大学DL#92池尾などにシャットアウトされる。

 第2シリーズ、QB#10平本のスクランブルランに対して、立命館大学ディフェンスの対応が一歩遅れて15ヤードミドルゲインを奪うものの、その後はRB#4山瀬の中央ランにLB#54浦川、DL#96青山、オープンスイープにDL#30南が突っ込んでロスゲインを奪うなど立命館大学フロント陣の活躍が目立っていた。

 ただ、この2回の攻撃シリーズはランプレーでなんとかしようとする意図があったかもしれない。

 そして第3シリーズ。日本大学オフェンスが短いパスを織り込んだことで攻撃がリズムよく進んだ。
 右oWR#82福田のインサイドへ10ヤードヒット、WR#89東のインパターン18ヤードヒットとパスヒットは続く。だが、LB付近へのクイックパスだけはパスが通らない。
 結局、日本大学は3回のFD更新で40ヤード前進したが、立命館大学DL#92池尾、LB#54浦川のプレッシャーが効いたり、さらにはWR#25藤巻への縦ロングパスにDB#47倉田のパスカバーカットなどディフェンスファインプレーも見られるようになっていく。
 その後もDL#96青山、#98山本のサックロスやDL#30南、LB#44相馬のスクランブル対応ができるようになって、再び日本大学攻撃は手詰まってしまった。

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 立命館大学ディフェンス陣だが、試合前半はDE#98山本、DT#96青山、DT#30南、DE#92池尾。oLB#43盛田、iLB#54浦川,oLB#44相馬、S#7辻井、#21海島、CB#13北川、CB#25荻須という布陣による。
 試合後半には、時間経過とともにiLB#60猪野、CB#20矢部、S#46柘植などが交替出場するが、LB#60猪野によるインサイドラン対応やショートパスにDB対応など、第3Qは立命館大学ディフェンスが日本大学攻撃を封じ込めていた。

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 しかし、日本大学第3Q終盤からWR#81中村へのパスが増えていくとともに、パス重視のオフェンスに切り替わっていく。
 QB#10平本からこの日始めて(?)のWR#81中村へのパスは失敗するものの、その後はQB#11藤本からWR#81中村へミドルレンジロングレンジのパスが何本かヒットして、日本大学得点につながった。

 第3Qから第4Qにかけての時間帯、QB#11藤本からiWR#81中村へ13ヤードパスヒットなどで久しぶりにセンターライン付近に到達する。一度はパントを蹴るものの、リターナーファンブルで日本大学の攻撃が続くと、QB#11藤本から第3(おそらく)ターゲットRB#20藤田、WR#17朝池へショートパスを決めて最後はWR#19岡野へTDパス。
 さらに試合終盤には、#81中村へのロングTDパスで2個目のTDを獲得、さらに最終シリーズでもWR#19岡野へ32ヤードミドルパスヒットなど。

 このように第4Qの日本大学攻撃は一気にパスプレー比率が上がっている。

 最初からパス中心の攻撃を仕掛けていたならば、また少し違った試合結果になっていたかもしれないが、そこは春の試合。チーム方針に則ってランプレーの実戦練習その他多くの経験を積むことのほうが重要で、勝敗は二の次になる。

 次回、私が日本大学の試合を観戦するのは6月末の京都大学戦になる予定。おそらく日本大学は攻守ラインはほぼフルメンバーで臨むだろうが、バックスは、やはり、様々な選手起用が続く試合になるのではないだろうか。

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 立命館大学も、オフェンス前半は全く反則なく攻撃が続いたのにハーフタイムを挟んで一変してしまったこと、ディフェンスDBのパスカバーが最後の時間帯で効かなかったのはメンバー交代によるところもあったかもしれないが、キックカバー・パントカバーでは日本大学リターナーに大きく戻されるシーンが続いた。
 ただし春シーズンが始まったばかりなので、課題があるのが当然。ノーハドル&ショットガン&セットバックの完成度に驚かされてしまった、と言うのが正直なところです。 







05月09日(土) エキスポフラッシュフィールド 11:20
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
龍谷大学070714
大阪産業大学307616
(現地観戦)
 
大阪産業大学
龍谷大学
1Q
FG
1Q
2Q
FL
FL
TD
FG× 2Q
3Q
TD 3Q
4Q
TD
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方





05月09日(土) エキスポフラッシュフィールド 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
甲南大学01431027
同志社大学7701024
(現地観戦)
 
甲南大学
同志社大学
1Q
TD
FG× 1Q
2Q
TD
TD
TD
END 2Q
3Q
FG 3Q
4Q FG
RTD
TD
FG 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 甲南大学オフェンスはQB#11松延による。特徴的だったのはセットバックオンリーだったこと。
 甲南大学には#13京極と#11松延の2人のQBがいて、これまではQB#13京極がセットバックからのオプション、QB#11松延がショットガンセットからのランとパスという分担というか得意なところだったのだが、この試合はQB#11松延がセットバックからオプションありパスありというスタイルになった。
 この試合は最終シリーズを除いてQB#11松延による攻撃が続いたのは、セットバックの練習のためなのだろうか?

 この日はQB#11松延のオプションも普通にゲインしていたが、両QBのスタイルが統一されれば、バックス・ラインの様々な負担が解消されることになるかもしれない。オフェンス方針の変化に注目してみたい。

 なお、QB#13京極による最終シリーズは、同点で迎えた2ミニッツオフェンス。残り1分39秒自陣17ヤードスタートというポジションからオプションでどのようにドライブするか興味津々だったのだが、RB#26高谷のランプレーとタイムアウト3回を使ってFGレンジまでボールを運んだ。

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 甲南大学オフェンスバックスはRB#26高谷をTBに、FB(UB)には#1寺内を配するIフォーメーション。さらに、QBランとWR#81宅和、#18大槻、#14国田へのパスという組み立て方針で、プレー自体はオプションランとパスでテンポよくドライブを重ねている。

 第3Qと第4Qの得点(FGTD)は、QB#11松延からWR#14国田、#81宅和、#18大槻へのミドルパスヒットによる。セットバックからミドルレンジへのパス、クロスパターンヒットからDB隙間を縫って30ヤード前進など。
 QB#11松延のパスは、昨年からレシーバーとのコンビネーションは確立されている。1回だけDLプレッシャーからの投げ捨てをDLにインターセプトされたシーンはあったものの。

 また前半の2TDでは、RB#26高谷のランテクニックによってディフェンスを交わしながらのロングゲインというシーンが見られた。それ以外のプレーも含めるとかなりのキャリー回数になっているが、途中でケガや脚がつったなどによる退場シーンは一度もなかった(おそらく)。タフなランナーである。

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 一方の同志社大学オフェンスはQB#8佐藤によるセットバックスタイル中心にパスシチュエーションになるとショットガンスタイルも織り交ぜるが、メインはセットバックになりそう。一時期はどのチームもショットガン変調となったことがあったが、最近はセットバックスタイルも多く見られるようになってきた。

 同志社大学QB#8佐藤による試合はおそらく始めて見た(?)ことになるかもしれない。印象としては、同志社大学のQBらしくない、というと誤解されてしまいそうだが、過去の同志社大学歴代のQBとは少し趣の違った冷静かつ安定感のあるQBである。

 今年は下記するようにバックスもランナーレシーバとも多種多彩に充実しているので、いろいろなキャリアに適度に分散しながら、それをコントロールできる調整型のQBおよびオフェンスチームになりそうだ。

 バックスはRB#22重坂のランが秀逸。コース取りもだが、足腰が強いのでタックルが甘いと生き返ってしまう。
 同志社大学第2Qの得点が#22重坂による77ヤードTDランによる。このプレーは10ヤードほどゲインしたところで倒れそうになったのだが踏ん張ってバランスを修正してしまった。結果、虚を突く形になって独走のTDプレーを見せた。

 さらにRB#21小寺と#49東がFLやSBとなってランナー・レシーバーにもなりプレー幅を広げる。#49東はサイズのあるTE型のインサイドレシーバーとして縦クイックパスで1TDを獲得、一方の#21小寺は器用に動き回ってクロスパターンのレシーバーとしてピッチターゲットとなる。
 レシーバーでは昨年も切れのあるところをみせたWR#81和田は今年も絶妙なパスキャッチを繰り広げる。その他にUB#90岡田のダイブ中央突破ラン、RB#34河野、WR#14山下など、同志社大学もオフェンスのバランスがいい。
 なお、QBは第3Qの中盤にQB#16杉岡が交替出場して1回の担当シリーズを約7分のFGに結び付けている。プレースタイルはQB#8佐藤と同様でバックアップ体制も十分整っている。

********

********

 この試合は、試合前半を2TDずつの同点で終わる。

 同志社大学最初の攻撃シリーズで、RB#22重坂とWR#81和田のバックスのスピードで一気に前進し、SB#49東への縦クイックパスで速攻得点するものの、次のシリーズでは甲南大学ディフェンスがほぼ完全にアジャスト、FD更新なしに終わる。

 一方の甲南大学オフェンスは、RB#26高谷へのピッチプレーで12ヤード前進するもの、続く第3D左アウトのロングパスが、僅かにサイドライン外。
 そして次のシリーズでは同志社大学ディフェンスがRB#26高谷を完全捕捉、DB#24岡やILB#51栗原によるインサイドランにロスゲイン、DBとDL#98夏目のコンビネーションでオープンプレーでもロスゲインを奪うなど、RB#26高谷に対応したように見えた第1Qだった。

 しかし、第2Qに入ると両チームともディフェンスが対応できなくなる。同志社大学は左G付近をUB#90岡田が突く中央ランプレーからスイープやSBへの縦クイックパスを展開、甲南大学はRB#26高谷がスピードでこじ開ける32ヤードゲインをきっかけにランパスロングゲインで揺さぶる。

 こうして第2Q以降は両チームディフェンスとも、相手攻撃の様々な手段に対応できなくなり、チャートに示すようにロングドライブを許すことになった。

 この中で印象に残ったのが第4Qの甲南大学ディフェンス。
 第3Qから第4Qに渡った同志社大学攻撃はQB#16杉岡による。第4Qサイドチェンジ後の第1プレーは左サイドへ大きくロールアウト、そして右側に残ったFL#21小寺へのスローバックパスだった。甲南大学ディフェンスは誰も残ってなく23ヤードのロングゲインとなる。

 これで自陣22ヤード地点まで攻め込まれた甲南大学ディフェンスだったが、ここでDLが中心になって気合を入れる風景を、偶然、見ることが出来た。
 その後、RB#22重坂のドローにLBが6ヤードロスゲインタックル、DL#67塚本のQBサックマイナス6ヤードと大きく後退させる。第3Dのドローは同志社大学のファンブルリカバーとなってFG3点の失点に留める。
 同志社大学ディフェンスも、甲南大学第3Q最初の攻撃シリーズで自陣10ヤードまで攻め込まれながらもラン2回対応、さらにパス失敗でFG3点失点に留めたシーンがある。

 集中力・精神力が切れていなかったので為せるところ。今年は各チームとものディフェンスの辛抱が必要になりそうだが、この力もリーグ戦を戦い抜く上では、重要なポイントになるだろう。







05月10日(日) エキスポフラッシュフィールド 11:20
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
大阪大学03003
京都産業大学70007
(現地観戦)
 
大阪大学
京都産業大学
1Q TD
FG× 2Q
FG
2Q END
3Q
P×
3Q
4Q
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方





05月10日(日) エキスポフラッシュフィールド 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西大学7140728
近畿大学00000
(現地観戦)
 
関西大学
近畿大学
1Q
TD
FG× 1Q
2Q
TD
TD
2Q G×E
3Q
3Q FG×
4Q
TD
FL
REND 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西大学も近畿大学も、ディフェンスがよくわからない試合だった。

 関西大学ディフェンスは、DLがライン戦をほぼ支配して近畿大学の中央ランプレーをショートゲインに押さえこんでいた。チャートにもあるように近畿大学攻撃が続かないのは近畿大学OLを完全にコントロールしたことにある。

 象徴的だったのは第2Qの最後、近畿大学はエンドゾーン目前でFD更新し、ここから4回連続インサイド中央突破のランプレ−を試みるも、ことごとく関西大学DLLBに跳ね返されてしまったこと。DE#91杉原やDB#13林、OLB#33大舘が外から回り込んでRBの足元に絡みついたり、中央ランレーンが開かなかったり。
 その他のシーンでもオープンへ展開する以前の段階でLB、DEはもとよりラインをすり抜けたDTもキャリアーに絡んでいる状態で、ランプレーでは全くゲインできない。

 その近畿大学のオフェンスが進んだのは、パス中心の攻撃にしたときで、ドロップバックからのパスやQBドローでは距離を出してい。

 QBのパス動作に対して関西大学DBとLBのほぼ全員が後ろに下がる。一方でDLは前にプレッシャーをかけに行くので、ライン後ろに10ヤード近い大きな空間ができる。ここがQBスクランブルでゲインできるポジション。

 一方でミドルレンジ付近には関西大学選手が大勢いいるのだが、それでもレシーバーにとっては、おそらくプレッシャーになっていないのだろう、だからミドルレンジのパスもヒットする。

 パスキャッチの瞬間は、さすがにDBとWRが交錯するシーンもあるが、隙間に入り込んだレシーバーに簡単にパスヒットすることが多い。
 近畿大学最初のドライブはQB#8荒木からWR#24秋田へのミドルパスがきっかけになる。第2Q最後のドライブは左WR#89今堀へ縦パス25ヤード、#88小野澤へ13ヤード、さらに15ヤードパスヒットによる。
 ただしこのドライブ途中のランプレーでも、オープンプレーにDB#13林が対応、DL#90重近、#95水村が中を抜けてロスゲイン奪取など、ランとパスの成否の対比がはっきりしている。

 DBLB陣は後ろに下がっているので人口密度としては関西大学側が圧倒的なのだが、レシーバーカバーするでもなく、レシーバーの位置を確認しながらでもなく、QBの手元に目が行っている状態。
 おそらく目論見としては、後方7人でエリアをカバーし、その間にDLのQBサックということなのだが、領域毎の人口密度にばらつきがあることと、DLが追い掛け回したときのQBスクランブルに対して、少々、無防備なエリアが残っていることが、この試合でも(前回法政大学戦に引き続き)目についた。

 関西大学DB陣の運動能力があればレシーバーと1対1とは言わないものの通常どおりでもいいのではないかとも思うのだが、発展途上のマイナス面だけが浮き彫りになってしまったのかも。

 なお、試合後半第3Q以降になるとLB#31西口、LB#88谷、CB#35吉野によるパスカットなど、ミドルレンジのパスに対してDBLBが反応するようになってくるのだが、これが単純に選手交代によるのか修正によるのか、不明です。

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********

 関西大学オフェンスQBは、各Q毎に#18井上→#14原口→#7池井→#18井上というローテーションによる。シチュエーションによってセットバックとショットガンを併用するスタイルで、IフォーメーションのときはUBに#99楠田、TBに#1藤森、#5播川、#20、#22松森が配される。
 UB#99楠田はTBのブロック役としてラン走路を確保するオーソドックスな役割を果たしつつ、自身のダイブプレーでも2回ほどキャリーがあって5ヤード程度のゲインしている。

 これらTBとQBによるランプレーだが、単純なプレーでも1回10ヤード超、サイドライン際のオープンランで最後のひと伸びふた伸びができてしまって、その結果FD更新ロングゲインというドライブが続く。

 1個目のTDシリーズはRB#5播川のオープンスイープ47ヤード、2個目もRB#1藤森のOTプレーが50ヤードのTDプレーになってしまう。さらに、3個目のTDシリーズもRB#5播川のオープン17ヤード、WR#10辻へパスヒット15ヤードなどミドルゲインが連続した。
 第3Qから第4Qのドライブもも同様で、QBキープで毎回10ヤードとか、やはり、何か違うのではないだろうか。ロングゲインしたプレーのうちのいくつかは、割り引かなければならないかもしれない。

 なお、関西大学パスターゲットとして特徴的なのはTEは#89青木と#86平山への縦ミドルパスが1回ずつ。関西学生DIV1でTEを2人3人と揃えられるのは関西大学だけで、ここは楽しみなポイントになる。

 ところで、関西大学パント回数は前後半通じて1回のみ。2回のインターセプト以外はいずれも敵陣侵攻というパフォーマンスの結果による。
 試合前の練習時に見たパントキックが秀逸で、高さが十分にありながら飛距離50ヤード、カバーチムームとのコンビネーションによってはリターンできないかもしれない。そこを確認してみたかったのだが、パントキックは1回だけだったのが、残念。

********

 近畿大学オフェンスは、QB#8荒木による。RBでは#29吉田が欠場していて、RB#20坂田をメインに、#4楠部などがキャリアになるが、冒頭から記しているように、関西大学ディフェンスに粉砕されるシーンが多い。

 一方のパスでは、WR#24秋田を長短マルチのターゲットとして様々に起用されつつ、その他のレシーバーとのコンビネーションも十分に確立されいている様子が伺えた。

 第1シリーズはQB#8荒木からWR#24秋田に10ヤード、第2Q最後のドライブは連続パスヒットによるもので、左#89今堀に縦25ヤード、2ヤードを残した第4DギャンブルでWR#88小野澤に13ヤード、その後もプレーアクション15ヤードと、続く。

 パスディフェンス云々は置いておくとしても、フリーのレシーバに確実に投げ込むことができるところはみておくべきだろう。







05月16日(土) エキスポフラッシュフィールド 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学070714
京都大学0010010
(現地観戦)
 
関西学院大学
京都大学
1Q
1Q
2Q P×
TD
FG×
2Q END
3Q TD
RFL
FG
FG× 3Q
4Q
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方






05月23日(土) 港サッカー場 10:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
名古屋大学00000
愛知学院大学777728
(現地観戦)
 
名古屋大学
愛知学院大学
1Q RTD
RFL
FG×
1Q
FL 2Q
TD
2Q
G× 3Q
TD
3Q
4Q TD
G×
G×
FL
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 28−0の得点になるにはそれなりに理由がある。そこが解消されるだけでも14−7にはなる。さらに試合の流れにうまく乗れば同点逆転も可能。今回は、現時点での両チーム選手個人の意識・役割認識の差みたいなものが、ここまでの点差に広げた、そんな試合だった。
 したがって、伸びシロはあるのだが、各人が意識しないと変わらない・伸びないかもしれない。今後の取り組み方次第で上にも下にもと、触れ幅が大きいところが楽しくもあり、怖くもあり。

********

 試合は名古屋大学のキックで開始。しかしキックカバーのポジション取りが悪く(極端に言えば10人横1列)、いきなりキックリターンTDを見舞われてしまう。(この試合、名古屋大学のキックで試合開始したのはこの1回だけだったので、その後の変化は確認できず。)

 さらに直後の愛知学院大学キックシーンではファンブルターンオーバー、そして名古屋大学1回目のパントでも大きくリターンされる(リターンに関係ないところの反則で取り消し)など、リターンカバーで危ういシーンが続出した試合序盤だった。

 最初のファンブルロストは、愛知学院大学キックが飛ばなかっことも一因で、本職のリターナーではない選手がボール処理に手間取っている間にボールを奪われてしまった、というのが実情である。
 ファンブルした選手の背番号まで把握していないので学年も本職ポジションも不明だが、本職ポジションとしてもするべきことは山ほどある中では、キックボールの処理と言うのは優先順位の低いところ。該当選手にとってはちょっと気の毒な話ではある。今回は経験をした、ということで、秋までには解決しているだろう。

********

 名古屋大学得点はゼロ。だが、自陣からドライブして敵陣へ入った2回のうち、少なくとも第3Q敵陣2ヤードからの2プレーは、いずれもエンドゾーンまでボールを運ばなければいけないものだった。止まった理由は、WRのダウンフィールドブロックに問題があったから。最後までしっかりブロックしていたらTDプレーだっただろう。
 その他の攻撃シーンでも同様、さらには、RBがリードブロック役になっても同じで、RBWRの誰もが、何故かボールキャリアが近くに寄ってきたときにブロックを緩めてしまう。ので、相手選手が生き返ってきてタックルを受けてノーゲイン。

 WRの役割はパスを受けることと、ボールキャリアの走路を確保することの二つ。RBもボールを持たないときはブロック役になる。ボールを持つときと持たないとき、それぞれ両方が本職になる。
 そしてブロック役の第一の役割は、相手選手の動きを封じ込めてボールキャリアの走路を確保すること。理想的には、キャリアが横をすりぬけて一呼吸置いてからブロックを解く。これならば追走しても追いつかない。この僅かな時間がノーゲインとロングゲインの境界線になる。ボールキャリアと併走しながらロングゲインを満喫するのは第3の役割である。

********

 一方で愛知学院大学レシーバー陣は丁寧にダウンフィールドブロックを決めていた。最初のシリーズの右スクリーンパス15ヤードや、4個目のTDにつながったRB#10による右OTを抜ける70ヤード近いランゲインなどなど。
 ほぼ全てのシーンでブロックを解くのが早い名古屋大学と、ほぼ全てのシーンで正確にブロッカーの役割を果たしていた愛知学院大学。申し訳けないのだが、両極の対比になってしまった。

 ところで、愛知学院大学のバックス陣選手には、明確なポジション分担が存在せず、アウトサイドレシーバー(SE)からFLはもちろん、SBTBも当然で、IフォーメーションのFBの担当までこなすマルチプレーヤーが複数名存在する。
 選手人数が少ないチームならば当然のような風景なのだが、愛知学院大学はそのような少人数チームではなく攻守それぞれ2セットは可能な人数を誇る。
 それでも、あえて様々なポジションでリードブロッカーとなったりボールキャリアにと併用することで、自分がボールキャリアだったらどうしてほしいか、だったら、今の自分のポジションならば何をしなければならないか、言葉では説明しにくい感覚の部分を身を持って知ることができる。その効果が正確なダウンフィールドブロックに現れているようだ。

*******

********

 名古屋大学オフェンスはQB#9によるTフォーメーションセット。この試合ではOLは概ね安定してたので、HBの縦クイックヒットやカウンター系のプレーのうち中央付近を狙ったランプレーは、ある程度のゲインが可能だった。第2Q・第3Qのロングドライブは、この中央付近ランプレーによる。ランナーはRB#23、#24、#10など。ただし、試合後半になるにつれて#10オンリーキャリアになってしまったのは今回限りの特殊事情??

 名古屋大学の攻撃パターンとしては、おそらく、中央付近のランプレーは苦手としていないところなのだろう。さらに、OLのパスプロテクションもしっかりしていたので、QBWR間でパス精度が上がっってくれば、QBドローやカウンター系もさらに効果UPという可能性は見えた。

 このようにランパス両方でオフェンス組み立てが出来そうなのだが、この試合では、俗に言うパスを投げ散らかした攻撃シリーズが2回。名古屋大学最初の攻撃シリーズで右サイドロング2連続失敗、最後シリーズでは4回のロングパス狙いに3回失敗1回QBサックロスというのがある。
 長いパスを繰り返していたのは、一度は成功させておきたいという意味もあるだろうが、パス失敗やQBサックロスが結果的にはオフェンスドライブを止める要因になっている。ただし、ここは春の様々な経験の一つとしてパス失敗でオフェンスドライブのリズムが壊れることを身をもって体験した意義も大きいかもしれない。

 そしてランプレーだけでで完全に手詰まったのが第2Q第3Qロングドライブの次のそれぞれのシリーズ。ロングドライブの次がFD更新なしという両極端は、愛知学院大学ディフェンスが名古屋大学ロングドライブのキープレー(カウンター中央突破・ダイブ中央突破とオープンの併用)に対して、次のシリーズでほぼ完璧に対応したことが大きい。

 春今回限定かもしれないが、オフェンスプレーの組み立てが、ランパスバランスやプレー傾向まで極端に偏っていたことで、愛知学院大学ディフェンスペースにすっぽりとはまってしまった感が強い。チェンジオブペーストしてのショートミドルレンジのパスなんかをラン途中に挟み込んでいたら、もう少し愛知学院大学ディフェンスマークが外れていたかもしれない。実際、第4Qに久しぶりにカウンター中央突破を試みると中央を抜けて30ヤードゲインしているように、プレー選択の面からも、もう少し、揺さぶりができるチームだと思う。

********

 愛知学院大学のディフェンスは名古屋大学の特徴ある攻撃パターンに対して次のシリーズで即座に対応しているのが2回。第2QのTフォーメーションランナーのインサイドへカウンター気味に入ってくる中央ランプレーと第4Qインサイドクイックヒットとオープンへの展開を併用した後半は、中央付近へランナーを囲い込む形で対応した。願わくば、ドライブ途中に外から修正が入って選手が即財に対応すると、ここまでドライブを許すことはなくなるのだが理想的な話。ディフェンス陣は、各ポジションバランスよく揃っているが、特にDB(S)のスピードが目に付いた。

********

 愛知学院大学オフェンスはQB#9によるランパスバランスアタック。この試合での得点は、#11によるリターンTDや#81への40ヤードTDパス、#11の76ヤードTDパス、さらにRB#10の70ヤードランゲインがきっかけと、いずれも、ロングゲインが絡んだ得点シーンばかり。QBのパスコントロールや強肩は見るべきだが、どちらかと言えば、名古屋大学ディフェンスバックスによるところが大きい試合だった。

 そういう観点から見ると第1Q2回の攻撃シリーズが完成しなかったところが相対的には課題???名古屋大学DLLBのプレッシャーと中央ランハンドオフでのお手玉が直接の原因だが・・・。
 愛知学院大学オフェンスは、概ね、ほぼ思い描いたとおりにプレーが進んでいたのではないだろうか。QBに迷いなく落ち着いて攻撃全般をバランスよく指揮し、ラインやバックスのブロックもよく精度の高い連携プレーが多い。さらに、絶妙なタイミングではいるスクリーンパスのコール、UBとTBの絡んだ様々なフェイクプレーコールが爽快。OLが完全に力負けしない限りは、にっちもさっちもという状況には陥らないと思うのだが、もう少し、試合を観てみたいところ。

 なお、選手交代遅れによるタイムアウトが2回あったが、これは40秒ルール導入によって今年から大きく変化したとことのひとつになる。経験したので次回以降は修正はできるはず???

(了)







05月30日(土) 王子スタジアム 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学00077
アサヒ飲料14071031
(現地観戦)
 
関西学院大学
アサヒ飲料
1Q TD
TD
1Q
2Q
END 2Q
雷のため30分間中断
3Q
TD
3Q
4Q FG×
FG
TD
TD
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西学院大学にとって社会人チームが対戦相手となるので、ある程度のライン戦劣勢はおりこみ済み。その劣勢な状況のなかで、どのような工夫があるかというところが見所の一つだった。

 QBは試合前半が#6加藤、そして後半が#17浅海による。両名ともアサヒ飲料ディフェンスのプレッシャーに苦労しながらも、QB#6加藤によるひとつのシリーズでは、相手の力をかわしながらの工夫されたオフェンスドライブが続いた。後半のQB#17浅海もパスに活路を見出してドライブした時間帯がある。得点上は第4QのWR#18萬代へのTDパスのみだが、アサヒ飲料ディフェンスプレッシャーの中でも攻撃手段があって実行したところは見ておきたい。

 ちなみにアサヒ飲料QBは第1Qと第3Qの最初2回を#11井川が担当して3TD、第2Qと後半2回を#3有馬が担当、そして最後の2シリーズを担当したQB#8幸田がロングパスで1TDを追加している。

********

 第1Q、アサヒ飲料QB#11井川から10ヤード程度のパスが連続ヒットしていて、これが最初の2連続TDにつながっている。
 1回目は、WR#1桃澤へ12ヤード、WR#24大庭に13ヤード、WR#81田原サイドスクリーンから25ヤード、さらにWR#19佐藤に13ヤードと飛ぶ。これでエンドゾーン目前に迫られてようやくDB#28三木が2回のファインカットを見せるものの最後はエンドゾーンに持ち込まれてしまった。
 次のシリーズは32ヤードパントリターンから再びTE#85大津へ21ヤード、フェイスマスク反則が加わり、最後はWR#1桃澤のインパターンもフリーで決まってTDという速攻失点。パスで10ヤード超を進んでいくので、イメージ的には、関西学院大学が怒涛のドライブを許し、ズルズルと後退していく状態。

 ライン戦の結果、DLLBプレッシャーが届かない、速いタイミングのパス中心、さらにパスコントロールもよく、という状況は完全に関西学院大学DB陣にとっては不利。ここをどのように打開するかだったが、ささすがにスピードタイミング諸々に慣れるまでに時間を要して2TDを許してしまうのは止むを得ないところか。ライスボウルにおいて社会人が試合開始直後の時間帯に速攻で連続得点するシーンとおなじ。第3QにDB#8善元がミドルパスをWRと競って叩き落とすところまでの時間を要した。

********

 アサヒ飲料のパスコースはインサイドレシーバーの縦や、外のレシーバーが内側へ切れ込むパターンなど、LB背後DB前付近の空間がターゲットとなった。サイドライン際へのパスは、さすがにDB(CB)と交錯するシーンが増えるものの、QBWRコンビネーション確立していればクイックパスの成功率は高くなる。

 ところで今春観戦した関西学院大学関係の試合は、今回が3試合目となる。(日本体育大学→京都大学→アサヒ飲料。現時点で京都大学戦観戦記が落ちているが、いつかはアップ予定)
 前回の京都大学戦では、ロングパスでDB陣がレシーバーに抜かれているシーンが多かったが、今回はLB裏付近のポイントがフリーコースという状態だった。

 一方で中央付近のランプレーは4−3(DL4人LB3人)に配置して前を厚くした効果が現れた。LB#25吉川、DL#40三村、LB#68吉井などのQBサックやランプレーをショートゲインに止めるなど。
 このように、現在はDL4人効果で中央のランプレーが止まっているが、もしもライン戦で前も破られるようになってしまうと、システム的に破綻してしまいそうな。

 昨年秋の立命館大学戦のランドライブを想定したときのディフェンスの対応方法、その合間にパスが加わったときのDBの動き方等々、目標となる試合に対してどのように対応できるか、現状戦力能力でのイメージトレーニングは重要だろう。
 もちろん対戦相手も昨年と同じ展開には持ち込まないだろうが、それはそれ。現在提示されている一つの事例に対して解決策を用意することは無駄にはならない。(昨年は、本番直前まで一昨年の試合の映像を見なかった???かのよう。神戸ユニバでの関立戦、フィールドで向かい合った最初の時点から固さがあったような・・・・これが「以下続く」で書きたかった内容です)

********

 関西学院大学オフェンスのQBは、冒頭に記したように前半はQB#6加藤による。最初のプレーでパスを試みるもタイミングを逸してQBサックロスという不穏な第1シリーズだった。

 しかし、第2・第3シリーズでは、ディフェンスプレッシャーで余裕がない中でもなんとかしようという明確な意図がプレーコールに現れていた。RBへの早いボール回しやタイミングをずらしたランパスを盛んに試みている。
 RB#99河原のカウンタープレーではロスするもののRB#22久司ドロー中央がスピードで抜けて23ヤードのビッグゲイン、さらに、WR#1松原へ23ヤードヒットなど。
 第3シリーズでもRB#22久司ショベルパスや、FL#16和田へワンテンポ遅れたプレーアクションパスヒット13ヤード、さらに#87柴田の長身を生かした中央縦18ヤードパスなどなど。
 ただ進んでいるのがクイックorディレイタイミングはともかく「パス」ということだったので、最終的にはアサヒ飲料ディフェンスにプレー傾向を読まれて対応されてしまい2回連続QBサック(13ヤード・7ヤード)を浴びることになるのだが。

 QB#6加藤によるパスドライブは、進んだ距離は必ずしも長くはなく無得点だが、この第2Qの時間帯は関西学院大学オフェンスが優位だったのは確かである

********

 そして後半はQB#17浅海による。いきなりQBキープで11ヤードゲインFD更新するものの、その後はFD更新できず。
 RB#99河原、#7松岡によるインサイドの中央突破ランプレーにもDLやLB#33と正面衝突でゲインできなかったり、RB#22久司のオープンランもディフェンススピードが早くて包み込まれる状態だった。

 そしてこの手詰まり感を打開したのは、やはり、パスだった。

 第4Qも残り5分を切る頃。自陣28ヤードから30ヤード超をゲインしたプレーは不明だが、その後アサヒ飲料オフサイド反則で再度のFD更新して久々に敵陣侵攻のエンドゾーンまで23ヤード付近。
 左WR#18萬代への縦ロングパスはWRの個人技でDBマークを外して、23ヤードTDパスとした。

 さらに最後のシリーズでも、Q#17浅海からWR#89正林に10ヤードパス2本、さらに#9尾崎と#1松原へ約10ヤードのパスを決めてドライブしている。ギャンブルプレーでのパスが1ヤード不足して得点にはつながらなかったが、リズムのいい攻撃だった。

********

 このように関西学院大学オフェンスは、終盤の1TDのみだが、詳細を見ると手詰まっているわけではなく、攻撃側が試合の流れを支配していた時間帯があった。
 願わくは、QB#17浅海もQB#6加藤もパスシチュエーションでDLのプレッシャーを受けたときの投げ捨てや、逃げて再度パスチャレンジするしないのの判断、投げ捨てずにサックを受けてフィールドポジションを悪くする、さらに、時計も止められないという危険を犯してまで逃げるか、投げ捨てるか、ここの瞬時の判断については調整が必要かも。

 ただし、オフェンス全体としては、QB#17浅海、#6加藤さらにRB#99河原、#22久司、WR#87柴田、#1松原、#89正林などで可能性が見えた。ディフェンスについては上記した点が今後秋冬までにどのようになるか。

********

 なお、この試合は雷による30分間の中断をはさんでいる。ただし、ハーフターム後の両主将による選択が終わり、選手がフィールドに散った瞬間の雷鳴だったので、ハーフタイムが30分+10分延長になったようなもの。

 30分間退避のあと、フィールド内で再度のウォーミングアップのために10分間が与えられたので、結果的には長いハーフタイムになってしまったが、Q途中の中断よりは、取り組みやすかったかもしれない。







05月31日(日) 王子スタジアム 14:10
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
神戸大学077721
同志社大学20079
(現地観戦)
 
神戸大学
同志社大学
1Q
P×
1Q
2Q
TD
2Q END
3Q
TD
3Q
4Q
G×
TD
TD
G×
FL
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西学生公式ページによるスタッツでは、神戸大学攻撃の内訳としてラン23回18ヤードゲイン、パスは26回中16回成功で181ヤードゲインという数値が残る。確かに、ランパスイーブンで試みているもののゲインしているのはパス、という数値どおりの試合内容だった。

 神戸大学オフェンスはQB#11東野による。試合開始直後の2シリーズは、ラン2回パス1回で組み立てるのだが、RB#1小椋の中央突破やオープンスイープ等でディフェンスの集まりがよく、FD更新ラインに届かない。このディフェンスの勢いがロングスナップのコントロールミスによるホームランを誘ったのだろうか、同志社大学に2点が入った。

 しかし神戸大学第3・第4シリーズではパス2ラン1の比率にして攻撃が進んだ。パスターゲットは、WR#24大園、#84井上、TE#83東内という実績あるメンバーに、昨年後半から目覚しい成長を遂げている#7稲垣がインサイドの重要なポジションを任されることになった。
 第3シリーズでは、自陣20ヤードからTE#83東内、WR#84井上へ10ヤード程度のパスが続き、さらにRB#1小椋ドロー中央やWR#7稲垣へのプレーアクションパスで敵陣まで進んでいる。
 次のFD更新位置でWR#7稲垣がミドルパスを空中キャッチしたかのように見えたのだが、同志社大学DB#2福田のタックルを受けて地面に倒れたときにボールが弾んでしまったのが残念。

 そして前半最後の第4シリーズではWR#24大園のスピードランが得点につながった。
 自陣40ヤード付近。おそらく崩れたプレーからのセカンド以下のターゲットだったと思うがWR#24大園が17ヤードミドルパスキャッチ。さらにホールディングロス分をQB#11東野からWR#7稲垣にミドルパスを決めて敵陣30ヤードに達する。
 ここでWR#24大園へクロスのショートパス。右WR位置からスピードにのった走りの中でボールキャッチするとそのまま左サイドライン際を駆け上がって敵陣1ヤードに到達、最後はRB#9松村のランでTD、試合を逆転した。

 神戸大学オフェンス前半は、ランだけではドライブできなかったが、パスを多めに加えることでランでもすすむようになって、安定感のあるドライブを展開した。特にQB#11東野のパスも昨年以降、試合を重ねるごとに安定感が増してきたようだ。(ちなみに、今年初めての神戸大学戦観戦です。4月の神戸甲南戦は欠席、立命戦はインフルエンザの影響での試合中止のため)

********

 試合後半。神戸大学最初の攻撃は、パントキック距離もあって、敵陣34ヤードで攻撃スタート。QB#11東野によるセットバックIフォーメーションのTB1やRB#22木内のドローなどで、再び中央突破のランプレーを試みる。ショートゲインに止まっていたのだが、ここで同志社大学DLに負傷者が発生したことも影響あるかもしれない。その後の2プレーとも中央付近に大きな穴が空いた。OLブロックもあって、RB#1小椋の中央突破11ヤードゲイン、さらに、RB#22木内のオープンラン4ヤードを挟んで、最後は再びRB#1小椋が中央を抜けて12ヤードTDランで追加点を重ねた。

 神戸大学RBでは今回新たにRB#2木内2が出場し、試合後半ではボールキャリーの回数が増えている。パワー系というよりはスピードに長けたRBで今年から神戸大学オフェンスの中核を担うことになりそうだ。

 ところで神戸大学最後の得点は自陣35ヤードから右TE#83東内へのショートパスからのランによる(パス8ヤード+ラン57ヤード)。  パスキャッチした右サイドライン際でディフェンスタックルを受けてニーダウンしたかに見えたのだが、プレー終了の判定がなく、そのまま体勢を立て直してサイドライン際を抜けてエンドゾーンに到達した。(サイドライン選手の陰になっていたので、私の目からはダウンしたか否かは全く不明です。)

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 神戸大学オフェンスは、ミドルレンジのパスが重要なところで確実に決めていたという印象が残る。タイプの違うレシーバーが揃い、信頼性も高いので安心して見ていられたが、QB#11東野のパフォーマンスとしてこの日は不本意な部類になるのか、それとも、順調に進んだものなのか、1試合観戦だけでは、判りづらいところ。
 試合後半はさらにパス中心となったことで、同志社大学ディフェンスのプレッシャーも激しくなっていきQBサック13ヤードロスというシーンもあったが、このあたりの処理も備わっていけば、オフェンススタイルは完成しそう。

 この試合プレー選択の面で、パス中心のなかでのパスをフェイクにした巧妙なランプレーをもっと積極的に取り入れるかと思っていたのだが、そこまで凝ったものはなし。次回慶應大学戦か、それとも秋本番までとっておくか。いずれにせよ攻撃手段の広い今年のチームスタイルは順調に確立していっているようだ。

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 同志社大学オフェンスQBは、前回観戦した甲南大学戦と同様に前半と第4QをQB#8佐藤が、第3QをQB#16杉岡という起用方法だった。

 その同志社大学の攻撃だが、チャートにあるようにあまりFD更新できないまま時間が過ぎていく。RB#34河野のスイープ25ヤード、WR#81和田ブロックによるRB#41土井オープンが単発のミドルゲイン。

そして第4Qに入ってようやく攻撃が進むようになるのだが、前進するようになった要因として挙げられるのは2個。神戸大学ディフェンスメンバーが僅かだが交代していたこと、おそらくこちらが主要因なのだろう、同志社大学オフェンスがプレープランで相手を揺さぶるようになったこと。第4Qに入るまでは前回甲南大学戦のようなオフェンスプレーにバリエーションを感じなかった。これがインフルエンザの影響なのか、それとも、故意に手を隠したか。

 第4Qになって、ようやくSB#21小寺への縦ミドルパスヒットなどインサイドレシーバーへの縦パスとランプレーを巧妙に選択していくようになる。第4Qの得点はこのようなプレーが続いたときのもので、中のパスやサイドライン際WR#82黒田、#81和田のスピードを生かしたショートパス&ランで自陣29ヤードからFD更新ドライブを行い、最後もTE#86清松へのプレーアクションパスでTD7点を獲得した。

 それまでは、たしかにDB#17種田、LB#6星山、LB#55宮川など神戸大学ディフェンスメンバーが目に付くシーンばかりだったのだが、少なくともこの試合の同志社大学オフェンスの試みは前回甲南大学戦とは違うような。同志社大学については、あと最大2回観戦予定。(どのようなメンバーで臨む試合になるのか判らないが・・・)。

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 その神戸大学ディフェンスは、DLに#99小澤、#97庭山、#10東松。第2列LBは、#6星山、#55宮川、#42前川。そして第3列DBは#20川口、#17種田、#2梅本、#34吉江などによる。昨年からのメンバーに新人が加わる構図だが、LBは前後左右に動きがよく、特に中のランプレーに対してはDLとあわせて鉄壁を構成する。
 第3列はパスに対して素早い反応でカットしたDB#2梅本、#17種田、#34吉江。さらにパスインターセプト1回記録の#20川口というメンバーだが、もちろんランプレーでも集まりが早い。
 各ポジションとも、まだまだ熟成させる余地は残っているのだが、今後のステップアップが楽しみなチームである。

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********

 第3Q残り5分59秒自陣30ヤードから始まった神戸大学攻撃は、RB#22木内の左G付近の中央突破で9ヤードゲイン。その第2D。この日始めてのWR#24大園をターゲットにした縦ロングパスだった。その対面には同志社大学DB#5。

 縦パスが投じられると同時に着地点に走りこんだのだが、微妙にポイントがずれてしまった。落下してくるときにはDB#5が前に割り込んでインターセプトとなる

 おそらく後半からの出場だったかもしれない。さらに、ここまでWR#24大園へロングパスがなかったこともあって、その相手面をあまり意識していなかった。のだが、このインターセプト後に何回か対面でセットしてる両名。その後はロングパスターゲットにはならなかったが、ブロック役に対してなかなかのバトルを繰り広げていたのが印象的。

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 両チームともインフルエンザによる休校休講明けで練習時間もそれほど確保できなかった状況での試合だったと思います。次回、VS慶應義塾大学戦、VS・・大学戦を楽しみにしています。

(了)







06月07日(日) 立命館大学クインススタジアム 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
立命館大学07007
パナソニック電工1370020
(現地観戦)
 
立命館大学
パナソニック電工
1Q TD
1Q
2Q TD
TD
FL
TD
2Q END
3Q
3Q
4Q
FG×
FG×
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 立命館大学はこの試合のためにどれだけ準備をしたのだろうか。今春の電工の試合(グリーンボウルトーナメント)を分析したのだろうか。あるいは、春の試合だから、そこまで時間を割かなかったかもしれない。それならそれでよいのだが、いずれにせよ、攻守ともに、どの時間帯でアジャストできるのか。そこがこの試合の一つの見所ポイントだった。

 昨年度のライスボウル、立命館大学が攻守ともに序盤から電工とイーブン以上の展開を繰り広げて、主導権を握り続けた試合は記憶に新しいところ。
 電工攻守の傾向を分析し、その結果に基づいて選手個々人が細かい修正や注意事項を持ってフィールドに入ったためで、戦前の準備が試合結果に大きく影響するというアメリカンフットボールの特性がにじみ出た試合だった。(その試合があったからこそ今回6月にBKCへ試合観戦しに行くことにしたのだが。)

 これまでは立命館大学攻守蹴の選手の能力の高さアスリートぶりは十分に知るところだったが、今回このライスボウルで見せた分析→対応アジャストの部分のチームスタッフおよび選手の対応能力についても記憶に留めておかなければならない。(この部分が、ライスボウル観戦記の「以下続く」で書きたかった内容です)

 なので、この6月の立命電工戦のために、今春の電工情報を仕入れて処理していたのか、あるいは、全く白紙の状態で臨んで、試合前半の傾向から分析対応してハーフタイム以降後半戦を行ったのか。つまり、入力から出力までに要した時間を知りたい、ところなのだが、これはチームのトップシークレットなので、絶対に外部には漏れて来ることはありません。

********

 で、その結果だが、立命館大学ディフェンスは、第2Q中盤以降、LBの突っ込みプレッシャーが激しくなっていく。QBRBを前で潰していく方針になったようだ。さらに第3Q以降は、シチュエーションによって通常の4−3から臨機応変に3−4に変更している。これも、後方重視というよりもブリッツ要員を増やしてQBに襲いかかろうとする意図のある配置と動きだった。

 こうして、OLやRBブロッカーに対してDLLBがスピードとパワーにのって四方八方から襲い掛かる。スクリーメージ付近の人数で立命館大学側が上回った瞬間にボールキャリアに届く。

 これが結果につながったことになるのかもしれないのが第2Q終盤。立命館大学のナイスパント(?:後述)によって電工オフェンスにエンドゾーンを背負わせたあとの攻防に現れた。1回目はパントを蹴らせることになるが飛距離が出ず。立命館大学攻撃も進まなかったが、再び電工オフェンスはエンドゾーンを背負う状態。

 ここで電工の中央付近ランプレーに対して、LB陣の動きプレッシャーが激しくなり、#5菊地などによる連続ランストップとなる。その第3Dで電工がファンブルロスト。これが立命館大学の得点につながっている。

 上記のように後半は3−4も取り入れてより攻撃的なディフェンスとなったが、電工オフェンスは後半QB#8高田に交代している。このQB交代が立命館大学ディフェンスにとって幸なのかか不幸かどちらか判らないところが悩む。さらにQB#18山村に対してこの積極ディフェンスが通用したのだろうか、ここも疑問のまま終わってしまった。

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 電工オフェンスは試合前半がQB#18山村、後半は#8高田による。第1シリーズはRB#20石野右オープンランが抜けて30ヤードゲイン、さらにiWR#7長谷川、#87への何本かのクイックミドルパスで前進を重ねる。試合開始直後の時間帯で、そのままズルズルとドライブが続き、最後は右コーナーWR#7長谷川のシングルハンドによるTDパスキャッチで電工が先制した。

 さらに、第3シリーズは自陣から右WR#26吉村への縦パス1本で得点を重ねる。WRDBの1対1の対決だったが、あっさりと抜いたところへのパスボールヒット、そこからの独走による82ヤードTDパスだった(約25ヤードパス+約55ヤードラン)

 そして第2Qには、RB#20石野へのダイレクトスナップやカウンターラン、そして最後はQB#18山村によるオプションキープだった。QB#18山村からRBへのピッチフェイクでディフェンスが中央警戒している間に、右OT付近を抜けて独走のTDプレーとなった。

 ところで、電工オフェンスが第1シリーズで試みたようなクイックパスをその次以降も続けていたら、もう少し大差の試合になっていたかもしれない。それほど試合開始直後の電工攻撃立命守備の差は大きかった。電工オフェンスが第2シリーズ以降ラン中心に試みたのもやはり、電工にとっての春の試合の位置づけというものもある。

 電工オフェンスがWR#7長谷川にパスを集めるようになったのは第4Qになってから。ただし、この時間帯では立命館大学守備が勢いづいていて、ミドルパスヒット等でFD更新はあるもののDL#96青山によるサックなども続いて、電工攻撃が封じられていた。

********

********

 立命館大学オフェンスはこの試合も全てをノーハドルで組みたてた。QBは全プレー#11松田(大)による。ライン戦で劣勢という印象はなかったが、電工のLBDBのボールキャリアへの集まりがかなり速く、試合開始直後は第3Dを終わってFD更新まで1ヤード不足というシーンが2回、左サイドラインを踏んでショートゲインになってしまったのが1回。リズムに乗り切れない苦しい時間が続いた。

 そのような苦境下を、どのように乗り切るか。言ってみれば辛抱のオフェンス、切れたら終わりの状況だったが、その中でもなんとかしようとスタッフ選手ともどもで試行錯誤はあった。第2Qランプレー中央3回でFD更新したあとのロングポスト(少し届かず失敗)。センターやサイドへのスクリーン等々のプレー選択面での揺さぶりが少しずつ始まっていく。

 圧巻は第3Q2回目と第4Qにまたがる連続する2回の攻撃シリーズ。セットバックのIフォーメーションでTB#22西田とUB#37大西、さらにOLとのコンビネーションによるダイブクイックヒットからOLUBブロックのTB中央突破ラン、など左右OT付近までを突くランプレーだけでFD更新2回行っている(最後はオープンプレーを上がれず攻撃権放棄)次のシリーズもIから中央ランに左右パスが加わった。
 そしてQチェンジサイドチェンジを挟んだ最初のプレーが右WR#4尾崎にミドルインが20ヤードヒットして敵陣侵攻した。立命館大学攻撃のリズムが出るようになった時間帯だった。のだが。
 第1Dがセットバックの中央突破を電工ディフェンスにロスさせられて、第2Dはスクリーンパス。これも電工ディフェンスの集まりのほうが早かった。さらにホールディング反則で後退してしまい、得点には至らなかった。

 結局、立命館大学得点は、ナイスパントとディフェンスファンブル誘発による敵陣エンドゾーン目前4ヤードでの攻撃シリーズのみ。実質オフェンスは、得点ドライブできていない。「辛抱のオフェンス」というこの試合の課題に対して、サイドラインスタッフ含めて、冷静だったかどうかは外から見ているだけでは判らないところです。(個人的には反則罰退後のやり直しの第2Dとその次の第3Dがしっくりこなかったのですが、個人的なことです。)

 ところで、今回の課題が学生相手の試合でも課題になるのか、社会人相手だから課題になるのかは不明。そして対学生ならなんとかなる、と思ってしまえば、成長はここで止まるかもしれない。2010年1月のライスボウルを意識しすぎると、落とし穴にはまったりするかも。このあたりは、これから春終盤から夏秋をどのように過ごすか、というところになる。

********

********

 第2Q終盤、ファンブルターンオーバー後のオフェンススタート前に立命館大学3回目のタイムアウトを使ってしまった。その直前の立命館大学ディフェンスはタイムアウト2回を使って時間を残しつつ、さらにショートゲインに止めて第3Dのファンブルロストターンオーバーにつながる。

 しかしオフェンスチームとしては第4Dパント後のロングシチュエーションを想定していたはずだから、突然の、ゴール前ショートヤードでの出動は予想外だったことは想像に難くない。のだが、今年から導入された40秒計のカウントダウンが始まった。
 フィールド内に選手が入ってきたのが残り10秒台だったので、タイムアウトは止むを得ないところ、というよりも「40秒ルール」が、こんなところに影響するのかという現実を目の当たりにした。

(作者注:090613記)
 申しわけありません。上記表現に誤りがありました。
 正しくは、攻守交替の場合はレディーフォープレーから25秒の計測が始まります。
 私が「40秒計」の詳細について、いまだに理解していないために誤ってしまいました。秋本番までに勉強しておきます。

*******

 立命館大学パントキックで優位なフィールドポジションを確保したのが2回。さらに1回はタッチバックになってしまったがコーナーぎりぎりをねらっている。見事なコントロールパントを蹴った選手の日ごろの練習成果が発揮されたシーンである。(以下は観戦記ではなく、純粋に読み物として、あるいは、なるほどそういうものかという観点から見てください。)

 このコントロールパントの成功には、おそらく「地元の利」があるのではないだろうか、と考えられなくもない。エンドゾーン直前でサイドラインを切った2回は北から南方向へのキックで、わずかにタッチバックになった1回は南から北へのキックだった。

 電工サイドで観戦していた私の体感では、3回とも電工側(西)から立命側(東)に僅かながら風が吹いていた。グラウンド上空の風向きまではわからないが、いすれにしても、このフィールドで練習できる立命館大学パンターにとっては、風向きを参考にしてコーナーエンドラインギリギリを狙ったパント練習があっても不思議ではない。春の練習試合だから許されることになる。

 フィールド特性を把握しながらパント練習をしていること(パンターとして当然ではあるが)と、そのようなコントロールができるパンターが揃っていることも判った。つまり、例えば、◎△●競技場の風向き特性が予めわかっていれば、同じようにコントロールされたパントキックができることを意味している。

(了)







06月13日(土) 王子スタジアム 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
神戸大学00606
慶應義塾大学7771435
(現地観戦)
 
神戸大学
慶應義塾大学
1Q TD
FL 1Q
2Q TD
G×
RFL
END 2Q
3Q
TD
TD
3Q
4Q TD
FL
G×
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 




06月19日(金) 関西学院大学第3F 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学030811
関西大学070310
(現地観戦)
 
関西学院大学
関西大学
1Q
1Q
2Q TD
FG
2Q FG×
3Q
4Q FG
G×
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方






06月20日(土) エキスポフラッシュF 11:20
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
龍谷大学00000
大阪大学21601331
(現地観戦)
 
龍谷大学
大阪大学
1Q
FL
(S) 1Q
2Q FG
TD
FL
FL
TD
END 2Q
3Q
3Q
4Q
G×
TD
RFL
TD
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 最終スコアが大阪大学31、龍谷大学0。前回5月の阪大京産戦・龍谷大産戦、および、その時の大阪大学オフェンスのリズムを考えると、このファイナルスコアは全く予想外のもので、むしろ、龍谷大学がこのくらいの得点を重ねていくのではないかという戦前予想だった。

 しかし、この試合の大阪大学は、攻守にわたって試合の主導権を握り続ける状態。終盤になって、龍谷大学攻撃が進むようになったが、そのときも得点を重ねて突き放す力強さと集中力がすばらしかった。

********

 大阪大学オフェンスはQBは#11によるセットバックIフォーメーション(TBに#4と#17、UBに#29と#36の2セット)からランドライブが続く。

 第1シリーズは右OTおよび右G付近を突くランプレー等、中央付近をOLとのコンビネーションよく自陣からフィールド中央までドライブ。結果的には第3Dを終わって2ヤード不足でパントになっているが、この時点でランプレーはある程度計算できることがわかった。

 そして次のシリーズではRB#4がオープンをスピードで捲り上げて45ヤードを一気ゲイン、さらにUBダイブ中央突破などを挟んでTB#17が左オープンをオプションピッチを受けて再びスピード突破。
 とランでリズムよく進んでいき、敵陣16ヤードでのFDでRB#4の中央突破。これも突き抜けてエンドゾーンが見えたのだが、直前でタックを受けてファンブルロストになってしまった。

 ただし、このランロングドライブが龍谷大学オフェンスピッチプレーでのお手玉からセイフティー2点につながっていく。

 その後も大阪大学オフェンス勢いは止まらず、iWR#1へのスローバックパス10ヤード、UBハンドオフフェイクのQB#11中央クイック突破11ヤードゲインとミドルゲイン2プレーで敵陣29ヤードのFGで3点追加。
 さらに、オプションピッチからRB#17が隙間を見つけて40ヤードのTDラン、さらに第2Q終了間際にもフィールド中央からTE#12へのプレアクションパス、#17オープンランなどをつなげて得点に至る。

 試合前半時間経過とともに、龍谷大学ディフェンスのスピードが完全になくなってしまった。

 後半は大阪大学QBが交代したこともあってチェンジオブペースとなるものの、第3Q終盤にQB#11に戻してからオフェンスリズムが復活した。
 そしてリバースプレーがQB#11の好ダウンフィールドブロックで37ヤードビッグゲイン、さらにWR#7へのクイック縦パス30ヤードを絡めて第4Qに2TDを追加した大阪大学が勝利した。

 なお、第3Qに交代出場したQBによるシリーズは、どちらかと言えばパス中心にしたかったのだろうか。QB#11とは若干プレー傾向が違うかも。

********

 龍谷大学オフェンスは、RB#9を第1Qと第4Qにしか起用しなかったこと等、その他にも意図的にセーブしていたところがあったのではないだろうか。
 前回5月の大産大戦でも感じていたのだが、春は調整段階の域を出ない程度の位置づけかもしれない。このあたりは当事者以外にはわからないことだが。

 ただ、過去の龍谷大学には攻守ともにもう少しアグレッシブな強引なところがあったが、今春の試合を観る限りはすごく落ち着いた冷静なチームに変わった(?)ような印象。これも秋にならないと、わからないところだが。

 そういくこともあってか、試合前半の龍谷大学オフェンスのFD更新回数は5シリーズで2回。RB#9のスピードランとWR#11への縦パスによる。
 全般に大阪大学ディフェンスDL#97、LB#49、DL#91の勢いが上回っていてボールキャリアへの集まりがいいことと、プレッシャーでパスが繋がらない等々。

 後半第3Qも力関係では大阪大学ディフェンス優位は変わらず時間が経過。第4Qになって龍谷大学オフェンスは、これまでにななかったクイックパスがWR、TE#89のヒットして1回10ヤード超ゲイン、RB#9も再びフィールド内に戻ってパスターゲットになったりと、これまでの傾向と大きく変化した。ここが龍谷大学におけるこの試合の位置づけが不明と思わせる一つのポイントになる。

 ただし、龍谷大学がパスでドライブを重ねても最終的には大阪大学LB#47のQBサックロスなどを受けて、結局エンドゾーンまでボールを運ぶことが出来ず、反対に大阪大学攻撃に再び勢いが戻ってきて、点差が広がっていくままタイムアップとなった。

********

********

 大阪大学は前回5月京産大戦とは一変した試合内容だった。春夏の成長過程の一つかは不明だが、今後が楽しみなチームである。ただし、後述する大阪産業大学とDIV2同一ブロックに属することになる。過去には入れ替え戦3年連続3連敗という歴史がある。

 今年の大阪大学オフェンスは、OLにサイズが揃い、バックスも充実していてランでドライブができるのは間違いない。パスについては不明未知数な部分が残るが、少なくともランプレーを得意としているだろう感触はあった。
 なお、ファンブルロストはいずれもTB等ランプレー途中による。中央ランでのタックルを受けてダウンする瞬間と、エクスチェンジ絡みかラン突破の瞬間か。この2個のファンブルターンオーバーがなければ、TDorFGにはなっていただろう。
 ディフェンスは各ポジションとも動きがよくこの2試合で1TDを奪われただけ(京産大戦)という鉄壁な結果を残している。

 なので、ボールセキュリティな面とPAT2失敗等々、細かいところを高めて、秋期待しています。

********

 龍谷大学は、冒頭にも記したようにこの試合の位置づけがわからないのでなんとも。昨年および3年前は春の西日本学生大会は勝ちあがっているのだが、このシステムになってからはじめて2連敗に終わった。近年はDIV2とDIV1を行ったりきたりだが、今年はいかに。

(了)






06月20日(土) エキスポフラッシュF 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
大阪産業大学070310
京都産業大学00000
(現地観戦)
 
大阪産業大学
京都産業大学
1Q
1Q
FG× 2Q
TD
END 2Q
3Q
3Q
FG 4Q
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 5月の西日本学生大会2試合分の観戦記が落ちてしまいそうだが、その時の大阪産業大学については、オフェンスはラン攻撃でドライブできそうなこと、ディフェンスではLBDBに動き判断のいい選手が揃っていて、さらにラインも人材不足ではないところが印象に残っている。
 そして何よりなポイントは、春の試合にもかかわらずしっかりと動けていることだった。過去近年の春の大阪産業大学はフィールドに立つのが精一杯という選手が数名混じっていたことを思えば、今年は攻守ともにかなりハイレベルなところからスタートしていることになる。

 攻守パフォーマンスから類推できる現時点における理想的な試合展開は、ディフェンスが試合主導権を握ってフィールドポジションも確保し、それをラン攻撃で少しずつ得点を重ねていくスタイルになる。
 もちろん、そこからパスにも攻撃の幅を広げて行きたいところで、そこが春夏秋に向けての課題として挙がるのではないか。このような論調で5月龍谷大学戦観戦記の下書きまでは完成している。

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 そして今回のこの試合では、大阪産業大学のストーリーに見事に則った形で繰り広げられていった。
 ラン攻撃でポジションを進め、ディフェンスは相手攻撃を封じ込める。こうして徐々に優位なポジションへ移動していって、試合の主導権を握った試合前半。
 そして京都産業大学ディフェンスがランオフェンスに対応してくるようになった後半は、パスで打開してその結果ランでも進めるようになっていく。
 ディフェンスはこの日も動きはよく、LB#27・LB#18などによるQBサックで京都産業大学攻撃のリズムを断ち切っていた。

 上記のように京都産業大学ディフェンスがラン攻撃に対応できるようになった第3Qは試合の流れがイーブンになりかけたのだが、大阪産業大学ディフェンスが最後まで譲らない。
 DL>OLの力関係が続き、さらに積極的に動くLBDB陣はブリッツ気味の攻撃的なディフェンスを展開してQBサックを連発する。オープンプレーにもスピード競争では負けないところは前回龍谷大学戦でも実証済み、おそらくdiv2ではこのディフェンス陣を破れないのではないかというのが前回印象だったが、今回もそれに倣った。

********

 試合は、第1Q終盤、大阪産業大学RB#5がオープンを捲り上げて30ヤード近くゲイン、さらにOLとRB#5のコンビネーションによって左G付近を抜ける連続ランプレーで敵陣侵攻した。
 京都産業大学ディフェンスも左G付近突破には対応して一度は大阪産業大学攻撃の流れを断つのだが、続く京都産業大学オフェンスが連続QBサックロスや反則ロスで合計20ヤード後退、こうしてボールポジションが移動していく。

 大阪産業大学はこのチャンスに、再びRB#5中央突破ランプレー2連続ゲインでFD更新、一度はFG失敗も、優位なフィールドポジションを確保したまま、第2Q中盤、TB#5とUB#25によるインサイド突破のランドライブでTDを獲得する。

 一旦は止まったかに見えた左G付近のインサイドラン突破が再び連続ヒットなったのだが、しかし、第2Q最後の消化時間帯で京都産業大学ディフェンスが再びアジャスト、2回連続ノーゲインに終わった。
 残り時間が少なかったので、大阪産業大学もパワーを加減していたかもしれないが、大阪産業大学オフェンスにとってはキーポイントだったので、後半の試合展開を分けるポイントになるや否や。ハーフタイム前に、少々、気掛かりな事象が発生した。

 そして、後半。やはり、この中のランプレーが止まった。

 後半、大阪産業大学は京都産業大学ランディフェンスが厳しくなって、特に中央付近は簡単にはゲインできなかったが、それでもRB#5がオーピンピッチから隙間を見つけ1回FD更新、再びボールポジションの微妙な移動が始まった。

 そして後半2回目のシリーズでパスにも活路を見出すことになる。QB#4からTE#80へ13ヤードヒット、さらにQB#4キープとプレーに変化をつけて揺さぶった後に、RB#5の中央突破ランのコール。これがあたって14ヤードゲインしてエンドゾーン前19ヤードに到達、最終的にはエンドゾーンに届かなかったもののFG3点を追加して10点差リードを確保した。

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 京都産業大学オフェンスは前半FD更新回数2回(私のメモによる)。大阪産業大学オフサイドの反則とエースRB#39によるOTプレーのみで、シャットアウトされてしまった。

 後半は、QB#7のキープが加わったり、さらにRB#39のスクリーンなどでリズムを掴みかけるものの、反則2回やQBサックなどで攻撃がつながらないまま時間が経過していった。

 第4Q終盤になって、QBキープや第4Dギャンブルパスを成功させて、この日始めての敵陣侵攻するものの、大阪産業大学LB#27のQBサックロスなどで得点に至らないままタイムアップとなってしまった。







06月21日(日) 同志社大学G 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
同志社大学7014324
名城大学037717
(現地観戦)
 
同志社大学
名城大学
TD 1Q
FG×
1Q
2Q FG
2Q END
3Q TD
TD
TD
3Q
4Q
TD
FG
IG×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 いろいろな意味で注目を集めたかもしれない試合ですが、観戦しようとしたきっかけは、そのポイントとは違います。

 昨年春終盤に近畿大学グラウンドでの試合(近畿大学VS内外電機)を観戦したときから、来年は、つまり、今年は、同志社大学グラウンドでの試合を見に行こうと決めてました。したがって、偶然にも、興味の沸く対戦カードになってしまったというのが実際のところです。

 結果は、24−17。第3Qに名城大学が一度は逆転するものの、再び同志社大学がランにパスにリズムのあるオフェンスを繰り広げて再逆転する。第4Q最後に名城大学が同点から逆転を目指してオフェンスドライブを行ったが、これを同志社大学ディフェンスが対応して1TD差のままタイムアップとなった。

 同志社大学の先発メンバーは、攻守とも甲南大学戦神戸大学戦とほぼ同じで、おそらく、今年のベストに近い選手構成になるのだろう。オフェンスQBは#8佐藤によるショットガンセットバック併用のランパスバランスアタックも、概ね甲南戦神戸戦同様の組み立てになった。ただし、少なくともオフェンスバックスメンバーについては後述の通り、これが全てではないかもしれない。

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 第1Q先攻同志社大学が左iWR#81和田18ヤードとRB#34河野右オープンランが42ヤードのTD速攻得点をあげ、次のシリーズでもTE#86清松のクロス40ヤードゲイン等で敵陣侵攻する。
 このシリーズはスローバックにDB、RB#34河野OTにLB#1塚崎が対応しFGも外れて無得点に終わるが、次のシリーズでも中央ラン9ヤードや、左WR(SE)#82黒田への縦パス23ヤードヒット等、毎回のように自陣からフィールド中央までのドライブが続いた。

 しかし、徐々に名城大学DLと同志社大学OLのライン戦がイーブンになってQBRBへのプレッシャーが厳しくなっていく。さらに同志社大学オフェンス組み立てに変化(?)があって(フィールドポジションが良かったから??)、第1Dでパスを試みるようになる。そして第1Dパス失敗から第2D以降で距離を残しところを名城大学ディフェンスに狙われてDLLB#10太田のブリッツ・サックなどでドライブが止まった。

 そして、名城大学OLと同志社大学DLのライン戦においても、名城大学OLが上回るポイントが中央付近にできつつあったことと、同志社大学ディフェンスがカウンター系のプレーへの対応が遅れてしまったこと、このあたりが原因で、第2Qは名城大学の時間帯になっていく。

 名城大学オフェンスはQB#7古川によるセットバックIフォーメーションによるラン中心時々パスという組み立てになる。その第2Q自陣21ヤードからOTカウンター9ヤード、RB#17川本のカウンターステップで15ヤードとランゲインを連発、さらにWR#88島村にプレアクパス13ヤードヒット、RB#17川本中央突破がOLブロックとのコンビネーションで14ヤードゲインと1プレー毎にFD更新を繰り返す。

 名城大学の勢いあるドライブだったが、この間も同志社大学ディフェンス2・3列付近でボールキャリアに対応できていて、最後はDB#24岡がオープンランをシャットアウトしてFG3点に止めている。
 同志社大学2・3列にタックルミスというものが少なかったようだが、極論すると、そこがボールキャリアのスピードなのか、今年のディフェンス陣アベレージレベルなのか。甲南大学戦の観戦メモをもう一度探ってみたいところです。

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 名城大学オフェンスがカウンター系で前進するという傾向は、後半に入ってもしばらく続いた。後半最初にカウンターステップで23ヤードの中央突破、さらにRB#29酒井による中央42ヤードのカウンターランで敵陣15ヤードに到達するとその後もカウンター系OTランと中央ランによって待望のTDを獲得、名城大学10同志社大学7として名城大学がリードした。

 このドライブ途中には、名城大学が得意とするところのSEレシーバーのモーションが2回ある。SEが反対側に移動してDBがついていくと、移動元のサイドに空間ができる。ここへランナーが突っ込んでくるというシステムである。
 本来はDB(S)が、その空間を補うべきなのだろうが、スカウティング不足な部分で対応が後手に回るのは止むを得ないところ。(その後さらに1回あって、計3回とも、ほぼゲインしている)

 カウンタープレーは不意打ちによる時間の確保、なので、ある程度の情報と準備があれば、早い段階でもう少し止まっていたかもしれない。

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 同志社大学オフェンス後半は、バックスメンバーに若干の変更を加えた。そして自陣30ヤードからRB#34河野と#21小寺のラン3回でFD更新すると、WR#46青木ブロックによるRB#21小寺の左オープン27ヤードで一気に敵陣侵攻、そしてTE#86清松のアクロスパスで逆転TDを獲得する。

 次のシリーズもiWR#46青木に縦パス15ヤード、RB#34河野中央13ヤード、iWR#81和田のミドルヒットから33ヤード等のミドルゲインを繰り返して得点を追加、さらにWR#89山林によるミラクルパスキャッチ34ヤードとデイラン46ヤード(ショートパスキャッチ後のブロッカー利用)のビッグ個人技2プレー、RB#41土井のインサイドランなどでFG3点を重ねた。

 結局、後半の同志社大学オフェンスは、ランにパスにミドルロングのゲインを絡めて4シリーズを2TD1FG、集中力と個人技とによって勢いのある攻撃が続いた。

 一方の名城大学オフェンスもRB#29酒井、#17川本によるカウンター系ランや、WR#80山根の縦パス70ヤード超などで、得点を重ねていくのだが、同志社大学ディフェンスもLBDBがいい反応で死守する状態は変わらず。  試合最後の名城大学の追撃もディフェンス堅守によって失点を許さなかった同志社大学が逃げ切り勝利した。

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 今年の同志社大学オフェンスは、5月甲南大学戦観戦記でも書いたように、得点の取り合いもできるチームで、様々なランナーレシーバーが存在し、さらにランナーレシーバー兼任できるバックスと、タレント豊富なところが特徴である。
 オフェンス全体が冷静ならば、ある程度の点の取り合いの試合には持ち込めるかもしれない、というところを実証したような今回の試合だた。

 なお、今回のランナーレシーバーは5月甲南大学戦メンバーと若干違うところがあり、それにともなってプレー傾向も若干違う。その理由が怪我人なのかその他なのかは、当然のことながら不明だが、同志社大学今シーズンオフェンスのすべてではない。

 同志社大学ディフェンスは、中央付近に穴が空いた時間帯があったが、LB#4辻田、#55嶌岡、#9松田、DB#24岡、#2福田などがそこをしっかりとカバーしている。

 集中力のある攻守パフォーマンスは相手との力関係によるところもあるかもしれないが、潜在していたところが顕在化した今回の試合を踏まえると、今年の同志社大学は少し楽しみである。
(了)






06月27日(土) エキスポフラッシュフィールド 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
京都大学070714
日本大学676726
(現地観戦)
 
京都大学
日本大学
1Q FG×
TD
1Q
2Q
TD
TD
END 2Q
3Q
RTD
FL
3Q
4Q
TD
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 日本大学は今春3回目の西下になる。4月長浜で立命戦、5月には王子で関学戦、そして今回6月万博で京大戦。この時期に関西学生DIV1の3強チームと闘えるのは、ある意味では関東チームの特権と言えるだろう。
 関西学生内では秋リーグ戦のことを考えると手の内を隠したがるので3強直接対決はフラッシュボウルシリーズ1試合を除いてはありえない。
 関東チームの特権は、あと1枠あるかないか。タイプの違う関西チームと春に戦うことは、関東チームにとって意義のあることだと思いますが、いかがですか???

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 この試合のファイナルスコアは日本大学4TD(2PAT失敗)、京都大学2TD。

 日本大学の4TDには、パントリターンTDと試合終盤の京都大学オンサイドキック失敗からの敵陣スタートオフェンスの2TDが含まれるので、オフェンスドライブによる得点は、第1Qランドライブによる得点と第2Qトリックプレーをふんだんに取り入れた合計2回の攻撃シリーズのみ。ここが少々物足りなく感じるところだが、春の試合なので様々な事情や意図するところ、目論見が含まれる。

 ディープターゲットのWRが不出場だったのを筆頭に、RB陣は試合経験を積むと言う意味があるのだろう、毎シリーズのようにメンバーが変わる。スターターはRB#6松崎だったが、その後は#20藤田、#39野田、#4山瀬など。
 いずれも新たなRBが始めてフィールドに入ったときの最初のボールキャリーが中央突破ランだったのが興味深いところ。さらにQBのキープが加わっていくのでランナー層は厚い。なお司令塔QBは、第1シリーズと第4シリーズがQB#10平本、それ以外の全てが#11藤本による。

 日本大学オフェンスはショットガンフォーメーション。一般的にショットガンチームにある課題の一つとして、OLのブロック力の低下があげられる。ランによる中央突破のためにはOLがラン走路を確保するべくブロックテクニックが必要になるが、ショットガンパスのためのパスプロテクションばかりになると、ブロック力の劣化が激しくなるというのが通論で、確かに関東関西ともいくつかのチームが、現在もがき続けている。あるいは、もがき続けていた。
 この点からみると、長身で体重100キロを越える大型メンバーが揃っていて中央パワーランオフェンスも展開可能な日本大学OLは学生界でもトップクラスの陣容になる。この日のスタートメンバーは、T#70小林、G#77ペレキ、C#52鈴木、G#67松井、T#55北谷。

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 日本大学攻撃第1シリーズではRB#6松崎、第2シリーズではRB#20藤田中心のランドライブは日本大学OLが京都大学DLLBをコントロールしてインサイドラン突破を繰り返して敵陣侵攻、FG失敗とTDという結果を残す。
 京都大学ディフェンスメンバーだが、ILB#99又賀が不出場だったもののDLは関学戦とほぼ同じメンバーによる。

 ところで第1シリーズの日本大学攻撃では、故意か偶然かDB#24大岡サイドを狙ったプレーが多かったような印象だが、考えすぎ??。その中で目に付いたファインプレーが2回あって、抜ければTDプレーを片手で引っ掛けてダウンさせ、最後のRBフェイクQBキープをソロタックルで止めて第4DFGトライへと導いている。

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 日本大学2回目の得点ドライブは第2Q終盤になる。このシリーズはトリッキーな動きでのプレーが多かったような。

 トリックプレーとは、RBへのハンドオフランプレーの次がフェイクのプレーアクションパス、SE#25藤巻の逆サイドへのモーション途中にボールを受け取っての反対側サイドへのオープンランなどなど。
 WR#25藤巻のカットイン場所がオープン位置からOT付近までバリエーションが広いことが特徴的だったが、ボールを渡したあとのQB#11藤本のフェイク動作が絶妙だった。さらに中央ランフェイクの自由の女神ライクなQB#11藤本ドロー等々。
 京都大学ディフェンスはある程度捕捉はしていたのでロングゲインプレーにはならなかったが、ディフェンス力の分散効果はあった。ちなみに、私はかなり振り回されてしまいました。

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 このように日本大学オフェンス最初の2回がランシリーズ、その後パスとトリックシリーズの前半だった。
 そして後半はパス中心に試みていく。だが、この日はミドルレンジ以上のパスがWR#25藤巻に3本通っただけ。#7中田、#84清宮にはショートパスヒットが1回ずつ程度で、パス成功率はあまり高くない。(公式記録は26回試投10回成功)

 ディープのロングパターンをサイドライン際と中央へと2回(?)試みているが、QBWRの連携による部分と京都大学DBパスカバーの秀逸なによって遮られている。このあたり、パスの日大とはイメージが違うところになった。

 この日の日本大学パスターゲットにはディープがいないのだろうか??。少なくともQBWRの信頼性の高い関係が存在しなかったようだが、いかがだろうか。長浜での立命館大学戦もも、ディープターゲットは#81中村オンリー、ミドルターゲットは複数名存在するが、というのが今年のパス攻撃陣容になるのかも。

 対する京都大学DB陣のスタートメンバーは、DB(S)#15前川、#11槙塚、(CB)#14田畑、#24大岡、で、日本大学QBWRとのバトルを繰り広げていた。<

 第2Q、日本大学自陣エンドゾーンを背負ったショートインのクイックパスに対して京都大学DB#14田畑がインターセプトしたプレーは、DBの醍醐味プレーの読み勝ちというファインプレー、さらに第3QにもDB#15前川のインターセプト、またDB#24大岡のロングターゲットナイスカバー、ロングポストのDB#15前川パスカットと京都大学DB陣のパスカバーファインプレーが続く。

 一方で日本大学DB陣も京都大学パスを2回インターセプトしていて、その最初が第3Q開始直後の京都大学自陣でのパスをDB#15須賀がインターセプトしたもので、反則がなければリターンTDだった。
 そして京都大学終盤のTDドライブとその次のシリーズでWR#82中村へのサイドライン際のショートパスを何回も用いていたのだが、日本大学DB#31高久がタイミングを合わせて狙ってインターセプトしている。これもDBの読み勝ちのファインプレーだった。

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 最後に、京都大学得点は2TD。ただし、敵陣パスインターセプトターンオーバーからのショートドライブ1TDがあるので、攻撃ドライブによるものは第4Qの99ヤードドライブによる1回のみ。

 ところで、残り4分16秒でオンサイドキックを選択したことが、吉と出るか凶と出るかのギャンブルで、試合勝敗を分けたひとつのポイントになることは間違いない。日本大学PATキック2失敗が効くかという緊張するシーンも有り得たのだが。

 この日の京都大学オフェンス前半は、QB#10桐原、FB#34安河内、TB#95曽田によるセットバックから中央付近のオーソドックスなランプレーが続く。ダイブやTB#95曽田のランは、5ヤード程度進むことも多かった。

 しかし、この日はWR#18坂田とのパスコンビネーションが試合序盤から不調でミドルレンジのパス失敗が続く。これが攻撃が続かない理由の一つ、さらにパントキックもコントロールが効かず飛距離も出なかったのでポジションを挽回できず。
 試合後半にはWR#83木原がショートパスターゲットに加わってくるものの、前進すればホールディング反則ロスも加わって、リズムに乗り切れないままだった。

 ただプレー自体は基本中の基本のみ。第3Q終盤になってプレアクションパスを取り入れて進み始め、そして第4Qに全開となったので、ある意味ではスロースタートも肯ける。

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 この試合は、オフェンスチームによる得点が、京都大学1TD、日本大学2TD。数字だけを眺めると滅茶苦茶低調なのだが、その裏では、両チームともに様々な収穫があった試合になる。見えるところと見えないところのギャップが気になるが、6月下旬なら 止むを得ない時期か。春シーズン終了、2ヶ月後には秋本番となります。

(了)






07月04日(土) 王子スタジアム 18:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
BLUE0133723
WHITE3901426
(現地観戦)
 
BLUE
WHITE
1Q
FG
FG× 1Q
2Q
RTD
TD
PATRTD
FL
TD
2Q REND
3Q
FG
3Q G×
FG× 4Q
RTD
P×
TD
RTD
FG×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 オフェンスQBは、BLUEがQB#6加藤(関学大)が全プレーを担当、WHITEは先発がQB#松田で第3Q中盤以降#10桐原(京都大)、#16原口(関西大)の順で登場する。#10桐原(京都大)がショットガンフォーメーションでプレーさせるのは、少しかわいそうと言うかなれないところで怪我をしてしまうかもと、少しヒヤヒヤものでした。

 選手構成は両チームとも試合開始から少なくとも前半は、ほぼ固定メンバーによる。以前のオールスターお祭り的な雰囲気は消えて合同チームではあるもののかなり力の入った攻防が繰り広げられた。
 さらに、FGキック失敗からのリターンTDやPATブロックからのリターンTDなど、普段ではなかなか見る機会がないような得点パターンを、米国選手が披露してくれたのは、貴重な体験と言える。
 そのリターンTDはいずれもWHITEチームによるもので、メインスタンドから向かって右から左へのリターン。私が観戦していた場所は、得点ボードと反対側のエンドゾーン奥の石席だったので、3回のリターンTDの起点を縦位置で見れたのは貴重な体験。

 一般にFGトライと判った段階で審判2名が縦ポール下に位置取ってキック成否の判定のために並ぶが、そのときにすでにリターナーが水平バー前で待機していた。
 BLUEのキッカー#10佐伯(桃山大)は、第3Q最初に50ヤードのロングFGを成功させていて、これが伏線となる。BLUEチームは再びロングFGを狙わせたのだが、リターナー#1はショートするかもしれないことを予測してゴールポスト真下に陣取っていた。それが見事に的中し、さらに高速リターンで反対サイドへ運んで行った。

 学生の試合でもFGトライでリターナーを準備することはあるので、滅茶苦茶、珍しいことではないが、準備しておけば役に立つことを実証した例になる。

 なお、WHITE得点はは第2Qにフィールド中央付近でDB#22の50ヤードインターセプトリターンTDと、BLUEのTD後のPATキックブロックからのリターンTD(#22)(2点)、さらに第4QのキックオフリターンTD(#22)と、いずれもスペシャルチームによる。攻撃チームによる得点が最初のFGのみ。
 ただ第2Qのドライブは結果はFD更新位置でのWRファンブルロストで終わっているが、途中はTE#89青木(関西大)やWR#1のリバース、RB#25高野橋(立命館)、#34橋本(立命館)などで1回10ヤード内外のゲインが続き、WHITEオフェンスが圧倒していたシリーズだった。

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 一方のBLUEはQB#6加藤(関学大)がフル出場し、特にパスについては様々なパターンを出していたことが印象に残る。関学WRとDB#7辻井(立命館)、#26荻須(立命館)、LB#54浦川(立命館)との対決シーンが何回かあったように立命関学対決はWRDBLBおよびQBLBは盛んに衝突していた。ところが、OLDLはともに正面対決が少なかったような。今年の関西学生DLは人材豊富なポジションの一つで、立命関学を並べなければならない積極的な理由がなかったということになるのだろう。

 今年のNEWERAの特徴は、立命関学オンリーの攻守ユニットがなく選手が各チームに分散したことと、そのメンバーがほぼ固定メンバーとなってかなり長時間プレー参加していた。
 さらにその中には、大産大LB#27藤岡、阪大DB#4河本、阪大OLDL、龍谷大RB#9上野、桃山学院KP#10佐伯など、DIV2所属チームから出場してキーポジションを担当している。

 積極的な起用とも言えるが、やはり、それなりの技量がないと1/11にはなれない。桃山学院キッカーは今春初めて見たが、大産龍谷阪大選手については今春観戦した試合でも目に付いていた選手。秋リーグ戦で楽しみな試合が多すぎるところが現在の悩みです。

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 BLUEオフェンスは、開始直後#18萬代(関学大)、#81松原(関学大)、#83東内(神戸大)へ短いところをパスヒット、次のシリーズではWR#87柴田(関学大)へスローバック気味のパスヒットさせて30ヤードゲインとリズムがよかった。
 それでも最後のところでLB#27藤岡(大産大)、DB#7辻井(立命館)にリバース対応されて無得点、さらに、3回目の攻撃では#22にパスインターセプトからリターンTDを奪われてしまい、得点につながらないまま流れが変わってしまうのではないかと思われたが。

 10点差リードされた第2QDB#5尾崎(近畿大)によるインターセプトで掴んだ敵陣攻撃開始のチャンスをWR#18萬代(関学大)へ左コーナーTDパスヒット、第2Q終了間際にも外人DL#97チップ&LB#42のインターセプトによる敵陣攻撃を、QB#6加藤→RB#1小椋→iWR#84へのミドルパスヒットと、QB#6加藤(関学大)のパスをはじめオフェンスの連携がいい。
 第4Qにも、パントスナップ乱れによる敵陣スタートをQB#6加藤(関学大)のカウンターキープランで得点していて、敵陣スタートのチャンスを、概ね、得点に結び付けて終わっている。

 できることなら最後のドライブも得点して終わりたかった、とか、FGトライ4回なので単純にTDチャンスを4回逃したとか、上を見れば際限がなくなるが、そこは秋以降に。
 関学QBによる関学スタイルのオフェンスだったが、神戸大学RB#1小椋、WR#83東内、甲南大学RB#26高谷、近畿大学RB#29吉田など、随所に各代表選抜選手にファインプレーが現れてくる状態で、即席チームとしては完成度は高かった。

 ところでQB#6加藤(関学大)にとってTEは信頼できるターゲットだったかも。試合開始直後の早い段階で1本ヒットしたことで、その後にパス攻撃で大崩れすることなく、冷静かつスピーディーな判断が光った試合だった。

(了)






01月09日(土) 王子スタジアム 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
黒エビス660315
赤パンダ00606
(現地観戦)
 
黒えびす
赤パンダ
1Q G×
TD
G×
1Q
2Q
FL
TD
2Q END
3Q TD
G×
3Q
FG 4Q
G×
G×
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方






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