関西学生アメリカンフットボール Div.1 シーズン展望

Updated, 2009 Aug. 16 at 15:46 JST. (神大関大甲南近大同大)
Updated, 2009 Aug. 17 at 23:07 JST. (神大)
Updated, 2009 Aug. 19 at 06:30 JST. (京大)
Updated, 2009 Aug. 21 at 00:06 JST. (立命)
Updated, 2009 Aug. 22 at 01:54 JST. (関学)
Updated, 2009 Aug. 24 at 02:50 JST. (立命・関学・ルール改正)



リーグ戦表へ 



立命館大学・関西学院大学・神戸大学・京都大学・関西大学・甲南大学・近畿大学・同志社大学





 2009年の学生アメリカンフットボール界は、大学選手権創設という新たな時代を迎えることになった。頂点への道が整備されたので、すべての学生連盟およびチームで選手権に向けた準備が求められるシーズンになる。
 関西学生DIV1でも、大学選手権実施などによって例年よりも1週間早いシーズン開幕になっている。過去にも8月最終週に関西学生シーズンがはじまることはあったが、DIV1の試合が最初というのは私の記憶にない。

 チーム作りの観点からすれば、合宿明けから2週間程度でリーグ戦を迎えることになり、さらに、春のインフルエンザによる休講の影響で試験期間終了時期も遅れているので、合計で2週間という時間が消滅していることになる
。  そのため今年はリーグ戦に向けての調整方法が例年とは大きく異なっているはずで、おそらく開幕戦は緊張状態の中で無事に迎えられるだろうが、第2節までの間に訪れる疲労のピークがいつもよりも高かったりするかもしれない??。


 また、上記のように5月から6月にかけてインフルエンザの影響でいくつかの交流試合が中止になってしまったことも、今年のアメリカンフットボールシーンの大きな出来事である。
 各チームそれぞれ影響があっただろう、バックアップメンバーや来年以降の中心選手の経験不足、あるいは、上位校との試合経験不足など、本来予定していた実戦経験ができなかったことで、チーム作りの上で方針変更を余儀なくされたところが少なからず存在するのではないか。

 ところで、昨年は雷雨の影響で1試合が順延になるというアクシデントが発生した。今年も雷雨による試合中断は十分に考えられるが、インフルエンザに関係するアクシデントも考慮しなければならないかもしれない。リーグ戦未消化のまま時間切れという最悪の事態だけは避けてほしいですが、こればかりは、祈るしかありません。


 各チームには今年の力を全て発揮して、順位アップという見える形で成果が残ることを願っています。手に汗握るすばらしい熱戦を期待しています。






立命館大学
(今春の試合結果) ○42−16日本大・○83− 0トヨタ・○66− 0東海大・(中止)神戸大
(中止)早稲田・○32− 0内外電・● 7−20P電工


 昨年秋リーグ戦は、序盤戦をもたつきながらもなんとか白星だけは確保するという厳しい試合が続いた。しかし、秋が深まるにつれてチーム一体となっていき、最終戦関西学院大学に対してスコア以上の完勝で関西学生トップに立つとその勢いのまま社会人パナソニック電工をも撃破して5年振りの日本一に辿り着いている。

 今春の成績は上記のとおりで、私が観戦した試合は日本大学戦とパナソニック電工戦の2試合。4月末の長浜での日本大学との試合では、オフェンスチームが全てのプレーをノーハドル&ノーミスで展開する完成度の高さに驚き、6月BKCでのパナソニック電工戦では正面衝突で敗れはしたものの攻守蹴ともに充実振りが際立った。(本来ならば5月の神戸大学戦と早稲田大学戦も観戦予定だったのだが、インフルエンザの影響で中止になってしまった。)

 今春のオフェンスチームは対学生で大量得点が続き、学生の中では完成度の高さは突出している様子が伺える。したがって、秋リーグ戦までの期間で上乗せ成長分は少ないかもしれない(例外は後述)。一方でディフェンスはDL3人交代を筆頭に(一応は)再建色が強いシーズンとなるか(対学生では失点が少ない)。
 昨年はディフェンスチームがオフェンスをカバーする試合が続いたが、今シーズンはその反対になるかも。隔年で攻守を助けあう構図なのでチームの回転としては最良である。

 近年の立命館大学の試合を観ていて感じていることは、パワースタミナスキル面に加えて、戦術面もかなり充実してきたところである。圧倒的に不利と見られていた昨年度ライスボウルでも、社会人パナソニック電工をスカウティングを通して完璧に対応したところは忘れてはならない。

 分析力が向上した部分が今シーズンリーグ戦でどのように発揮されるか。さらに今シーズンはヘッドコーチ交代によるスタッフ面の変化があったので、他にもいろいろと新たな取り組みが加わるだろう。立命館大学が変化していく方向性と、その中で、今シーズンV2を達成していくか。注目の年になる。

 開幕戦同志社大学、近畿大学と続き、最終節関西学院大学戦までの全7戦。短いようで長いシーズン、途中で何かしらの出来事があるもか、それとも、順風満帆にスルーしてしまうか。春の成績は学生トップだが、上昇カーブでは他校のほうが大きいはずだ。

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 今年のオフェンスだが、昨年日本一のOLメンバー(#77真田、#73余合、#56市川、#59浅野、#55岡崎)がほぼそのまま残るのが心強い、というよりも脅威的ですらある。さらにQB#11松田大もスターター2年目でOLとの連携は昨年の段階で一つの完成の姿に到達している。バックアップQBも#9松田竜が2年目を迎え、何もかも昨年と同じ状態にある。

 RBは、パワー系テクニック系マルチ担当で昨年も活躍した#34橋本、高速ランナー#27高野橋、さらにUB#37大西というメンバー構成で昨年の経験者が多い。さらに、来年以降の準備をできる余裕があるならば、RB#10北川、#33東松を起用しつつということになるだろう。
 レシーバー陣では、WR#2宜本、#4尾崎、#17呉田とこちらも昨年までの試合経験者が残ってミドルロングのターゲットを担う、さらに今年からTE#95荒木と#89安藤が加わり日本大学戦でもパスキャッチシーンが見られた。大型TEが2名も揃うところにもIフォーメーションパワープレーには打って付けの陣容になる。


 今年のオフェンススタイルは、上記のようにOLQBRBWRがほぼそのまま残ることになるので、(少なくとも)昨年のものを踏襲することになるだろう。ただし昨年以上にIフォーメーションセットのパワープレーが増えるのではないか。6月のパナソニック電工戦でもFBとTBによるパワーオフェンスを展開してかなりゲインしていたが、社会人に通用したパワープレーをリーグ戦で使わない選択肢はない。さらにTEへのショートパスとWRへはミドルレンジ以上のロングパスが加わる。
 典型的なIフォーメーション陣容で、誰が名づけたか知らないが「リッツガン」は完全に過去のものとなって、セットバックパワースタイルの似合うチームになった。

 ところで攻撃の起点となるOLとQB、さらにボールキャリアとなるバックス、すべてが同じメンバーで2年目を迎えられるということは、プレープランのすべてがそのまま使用できるので、タイミング調整などの練習量が少なくてもよいことになる。
 そこで空いた時間をスキルのステップアップに費やすことになるのだが、それが早くも今春のノーハドルオフェンスに現れた格好になる。

 一般的には、オフェンスチームがノーハドルでプレーを行うと、ディフェンスチームもハドルを組むことができなくなる。攻撃に対してディフェンスフォーメーションの修正ができなくなるので、より一層、立命館大学オフェンスが試合の主導権を握るという構図になる。
 参考までに、今春、関西学生DIV1所属チームは、このノーハドルオフェンスに触れる機会がなかった。(神戸大学戦・関西大学JV戦消滅による)(関西学生DIV23ではどのよう??)

 では、このノーハドルオフェンスは秋リーグ戦でも展開されるのか。実は、ここが興味深いところ、予測できないところ。春の段階で完成しているので、新たなことに取り組むことも不可能ではない。考えすぎかもしれないが、時間は前記のように山ほどあるので。


 なおキッキングスペシャルチームでは、パンター#4尾崎の絶妙なコントロールパントキックに注目。一方で、今春のトップチームの試合(電工戦&日大戦)ではFG機会がなかったのだが、東海大学戦やJV戦など観戦していない試合ではあったのだろうか。


 さてこのオフェンス陣が戸惑うシーンはあるのだろうか。来年以降を考えた選手配置になったときは流石にだが、試合の行方決定後のことなので。
 したがって、立命館大学OLがコントロールされるシーンになったたときに試合がもつれる可能性を残すが、コンディション調整ミスがなければ、対学生では得点力のある攻撃が続くことになりそうだ。

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 一方のディフェンスだが、DT#96青山、DT#30南、DE#57十亀が昨年から経験者でボールキャリアに届く突進力はランクアップ、そしてDE#98山本、#92池尾などが新規にラインとして加わる。

 LBではOLB#43盛田、ILB#54浦川、OLB#44相馬は昨年も試合出場経験があるメンバーで今春はスターターとしてさらにNEWERAでも活躍した。さらに日本大学戦で#60猪野、電工戦では#5菊地が試合を作るファインプレーを繰り返していていたのが印象的で、おそらく秋リーグ戦でも出場機会が増えるのではないだろうか。

 DBはS#7辻井、#21海島、CB#13荻須というNEWERA選抜メンバーに、交替出場で#13北川、#20矢部、#46柘植が加わる。立命館大学DB伝統の番号#13をつける#13荻須はおそらくスターターに名を連ねるのは今春からだが、随所にファインプレーが光るセンスがいい。

 今年のディフェンスメンバーは、例年以上に勢いのあるアグレッシブな選手が多いところが特徴で、かなり攻撃的なディフェンスになりそうだ。選手層が厚く内部競争が激しそうなので、一部では秋リーグ戦のスタートメンバーは春とは違った構成になるかもしれない。

 ただし、今年の選手層は、昨年スタートメンバーに新たな選手が加わる形ではなく、今年から先発メンバーに名を連ねる選手人数が多いこと。したがって、もともと一人あたりの試合経験時間が不足しているところに人数が増えるという負の相乗効果となって、特にコンビネーション面で微妙なシーンを覗かせていた春の試合。  たとえば第2・3列ではブリッツの入替りのバックアップとインサイドミドルパスに対するカバーは連携が必要な部分だが、ポッカリと穴が開いてしまうかもしれない。

 それでも立命館大学チーム過去の実績を振り返ってみると、オフェンスチームの場合は、年によってはなんとか最後に間に合うというギリギリのシーズンがあるものの、ディフェンスチームの場合は、例外なく実質半年で完璧に育っている。ここ最近では、毎年のようにDBスターターの経験不足を課題に挙げるのだが、最終的には、しっかりとした形になっているので、この例に従えば、今年もリーグ戦中盤あたりで磐石なディフェンスチームになるだろう。

 もし崩れるとしたら上記ディフェンスの連携部分だろう、だが、果たして対学生でそのような機会があるか。注目したい

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 今年は春から完成度の高い試合が続く立命館大学。課題は、攻守ともに調整ミスや気力集中力の面になりそうだ。一般的な例として、時々だが、春の段階で万全&完璧と言われていたチームであっても、秋になると成長が止まっていたり、逆戻りしてしまうことがある。その一般例にならうってしまうのだろうか、それとも2連覇に向けて何事もなかったかのようにトップスピードで駆け抜けてしまうシーズンになるか。

 一つ言えることは、関西学生DIV1所属の8チームの中では、春からの伸びシロとしては、決して大きいほうではないということ。隠すべきものがない状態だが、一方で攻撃面では上記のような新たな試みの可能性も、少なからずある。
 秋初戦をどのような姿で登場してシーズン展開していくか。「変化していく立命館大学」途上のストーリーになるか否か、楽しみなシーズンになった。



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関西学院大学
(今春の試合結果) ○48− 7日体大・○14− 9日本大・○14−10京都大・● 7−31アサ飲
● 7−12明治大・○11−10関西大


 私の個人的な印象だが、一昨年シーズン終盤以降からいろいろな面で少しずつ歯車が狂ってしまったかのような状態が続く。昨年は春シーズンを終えて関西学生リーグ戦をリードするチームとして挙げられていたが、最終的には頂点に届かず。
 そして今春の成績は上記のとおり。表面上は白星の試合も、その内容を詳細に見ると得点力不足のオフェンスと、少数失点を維持しているものの内容的にはディフェンスも厳しい試合が続いている。

 間もなく秋リーグ戦に突入する。今シーズンが11月で終わるか1月まで伸びるか、春夏の準備期間で何か変わったかもしれない。あるいは、短いようで長いリーグ戦途中で変化するかもしれない。
 例えば、一昨年も春シーズンは絶不調だったが、なんらかの方法で立て直して1月まで辿りついている。昨年の某大学も然り。夏を越えて、あるいは、リーグ戦途中で別のチームになることは、一般的には十分に考えられる。

 今年の関西学院大学チームも、今年の選手が決めた目的を達成するために、2009年後半の変化のストーリーができつつあるはずだ。

 変化しようと思えば、どのようにでも変わることができるチームなので、正直なところオフェンスもディフェンスも、秋の再登場の姿を予想しにくい。考えられないのではなく、考えることが多すぎる。あのようにも、このようにもなる。楽しみでもあるのだが、怖くもある。

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 今春観戦したのは4試合。オフェンスバックスはRBWRとも選手は揃うものの、ランでもパスでも選手のプレーに対する集中力の部分が獲得ヤードに影響を及ぼすことがしばしば。6月関関戦でもそんなシーンが見られたが、秋は一新するところから始まるはず。オフェンスプレースタイルや各ポジション選手は、そのあとの話になる。


 まずレシーバー陣では、技巧派&セイフティバルブの#18萬代、ミドル以上ならお任せの#1松原、インサイドターゲットとして#87柴田、TE#95垣内、さらにミドルレンジ以上では#16和田、#89正林、#9尾崎など新しいターゲットも育っている。
 RB陣では、最上級生#99河原とサイズはないものの視野の広そうな#22久司、さらにスピードタイプで#39稲村、#7松岡が加わる。RBWRスピードタイプ、技巧派タイプとともにタイプの違うバックスが揃う関学らしいオフェンス陣容になっている。

 攻撃の司令塔QBは、春の試合ではQB#6加藤がスターターとして登場し、その後を#17浅海が担当するという試合が続いた。その中で6月後半の関関戦最後ドライブやNEWERAでのQB#6加藤による思い切りがいいクイックリリースの連続パスヒットシーンが記憶に残る。
 クイックリリースでOL負担をなくせば・・・というストーリーが見えてきて、春序盤に感じた如何ともし難い状態からは、とりあえず脱却はした。7月初旬の姿で安定してしまうことはないと思うが、夏を経過してその後はどのように変化したのか気になるところではある。

 攻撃の要となるOLも春段階では、相手ディフェンスラインに押し込まれる状態だったが、その後のOL整備がどこまで進展したか。QBや攻撃バックスとの連携とで考えられる攻撃スタイルは2通り。

 RBの中央正面衝突を避けた左右モーションランとスクリーンorショベルランに・ショートレンジパスを組み合わせるか。それともショート以上ミドルレンジパス成功が記憶に残るようなプレー頻度になるか。もしも春とは全く違ったチームになるならば、攻撃の幅が最も広くなる両QBの両刀遣いを希望したい。OLパワー充実しQBの冷静かつクイックな判断が下され、バックスの集中力はUPし・・、リーグ戦途中でもまだまだ変化しそうだ。

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 今春の対学生の試合では2TDを奪われたことがなく少数失点に抑えてはいるものの、京大戦飲料戦関大戦ともしっかりと止まったという印象がない。ドライブされるものの最後を止める、あるいは、相手攻撃にミス発生で失点に至らずという、きわどい試合が続いた。結果オーライだが安心して見ていたいという思いもある。

 ディフェンスフォーメーションは、今春から4−3(DL4人LB3人)を採用しているが、4年ぶり(2005年以来)のことなのでDL以外にも細かい修正が必要になる。なので、春段階では流動的な選手起用にならざるを得ないところ。
 さらに、DL筆頭に怪我人が多くて万全の体制ではなかったことを考えれば、2TD未満の失点に抑えているという事実には、別の意味で注目しておくべきだろう。
 さらに、一昨年だったかも不安定なメンバー構成のままシーズンインしたが、最終的にはライスボウルまで上り詰めている実績があるので、今年は、成長ストーリーに期待したい。

 DLは、#91村上、#52平澤という昨年経験メンバーに#98東元、#93佐藤、#77長島、#51好川などが春の試合では経験を重ねた。そしてNEWERAではDL#40三村が出場してBLUEディフェンスを引き締めていた。
 ディフェンスフォーメーションは、おそらく秋以降&来年以降も4−3スタイルを踏襲することになるはずなので、経験を重ねるという意味合いも込めて、リーグ戦序盤は試行錯誤的な選手起用が続くことになるかもしれない。

 LBは#90古下、#68吉井、#25吉川、#46西岡など。スピードのある判断のいいLB陣が揃っている。春は不安定なDLの後ろで動きにくい一面もあったが、それでもボールキャリによく絡んでいたのが印象に残る。

 DBは#23頼本、#8善元、#28三木、#24福田、#48福井など昨年経験者が多く残るポジションである。CB#28三木がアサヒ飲料戦でのゴール前ディフェンスで2本のパスに飛びついてカットしたシーンは集中力あるプレーとして記憶に残っている。
 課題は昨年まで不動のスターターだった徳井のスキルをどのようにカバーするかだろう。#8善元は昨年から(S)を担当していて、もうひとつのスターターの座をCBからのコンバート等を試みているものの、春の段階ではカバーし切れていない。4−3採用とともに、今年のディフェンスの注目点になる。
 なお一般的にDB(S)というポジションは、最終列の中央に位置していて、LBとはまた違った角度からディフェンス全体を見る必要があり、さらに他ポジションンとの連携が要求されつつ最終責任者でもあるという要職になる。


 最近の関西学生DIV1オフェンスチームは、立命館大学・京都大学筆頭にセットバックのランプレーをキープレーにするチームが増えてきている。特に昨年リーグ戦最終戦は衝撃的だったが、その他の試合でもDLが押し込まれる試合はあったので、4−3スタイルのディフェンスを整備する必要性は大きい。
 今春はその最初の段階だったので不安定さは残していたが、そのような状態でも安定してロースコアな試合が続いていたところも、衝撃的である。秋はどこまでステップアップするのか、蓋を開けてみないと判らない。

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 春の試合はJV戦を除外すれば、いずれもロースコア僅差の試合。ディフェンスは凌いでいるがオフェンス得点力不足な様子が伺われる。
 オフェンス得点力がどのようになるかはまったく未知数だが、シーズン序盤から飛躍的にアップするとは考えにくい、一方でディフェンス堅守で逃げ切れる試合は、どの程度見込めるか。得点の多いチームが勝利するゲームなので得点をあげないことには話にならない。命運の一つはオフェンスチームのラインとバックスが握っている。

 開幕戦は近畿大学と対戦し、第2節同志社大学戦を経て、関西大学戦、甲南大学戦と続く。前半戦は試合コントロールして白星を重ねていきたいところだが、第2節以降で対戦するチームは、もしかしたら開幕スタートダッシュで機運が盛り上がっているかもしれない。春の姿と変わっていなければ、上げ潮状態のチームと対戦したときに覇気に圧倒されないだろうか。ここの部分は開幕戦近畿大学戦の姿を見てからにしたい。



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神戸大学
(今春の試合結果) ●16−24甲南大・●21−34明治大・○26−10横国大・(中止)立命館
○21− 9同志社・● 6−35慶應大


 今春観戦した神戸大学の試合は、5月末インフルエンザ明けの同志社大学戦と6月の慶應義塾大学戦の2試合。横浜国立大学との定期戦および甲南大学との交流戦はいずれも4月5月の早い段階だったので失礼したのだが、それは立命館大学戦があることが前提での欠席だったので、インフルエンザの影響で試合が消滅してしまったのが私的には痛い。

 おそらく神戸大学チームとしても学生チャンピオンとの試合でレベル確認測定を行う予定だったのではないだろうか。特にQB交代なったオフェンスは、強力ディフェンスを相手にしたときに例えばプレッシャに対してオフェンスパフォーマンスを発揮できるか、あるいは課題は何かなどを経験し確認する機会が失われてしまったのは厳しかったかもしれない。

 幸か不幸か6月の慶應義塾大学戦で手強いディフェンスに対して攻撃が出ない苦しい試合を経験することができたわけだが、予定より約1ヶ月遅れたことと経験を踏まえた修正とその確認のチャンスを喪失していることに変わりはない。春序盤に年間スケジュールの練り直しを余儀なくされたわけだが、はたしてその影響は如何に。

 攻守ともに昨年メンバーから何人かが抜けるものの、もともと各学年に均等なメンバー構成だったので、人数的な喪失感はそれほどではない。その分だけ一人に注目が集まってしまうことになるので酷なのだが・・・。
 昨年は4勝3敗で3位を確保したので、今年は白星の積み重ねと、順位アップが目標になる。今年も神戸大学らしい楽しいフットボールができる選手が多いので楽しみであり期待したい。

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 今年のオフェンスのプレースタイルは、昨年とほぼ同様のショットガンからのランパス主体になるだろう。

 そのパスターゲットには、アウトサイドレシーバーとしてWR#24大園、#84井上、インサイドレシーバーとしてTE#83東内とWR#7稲垣が存在する。WR#24大園のスピードとテクニックは改めて言うまでもないだろう、ショートレンジからクロスパターンとロングターゲットまでをこなすマルチターゲットとして今年も活躍する。そしてTE#83東内は大型な身体サイズでQBに信頼感を与えることができる貴重なレシーバーで、今年も要所ではミドルレンジの絶妙なキャッチシーンを見ることが出来そうだ。

 WR#24大園とTE#83東内は昨年までも活躍していてマークが厳しくなるのも止むを得ないところだが、その影で確実に成長してきたのがWR#7稲垣で、ボールへの執着心があってキャッチ可能エリアが広いところが持ち味になっている。今年はインサイドレシーバーとしてショート〜ミドルレンジで活躍することになりそうだ。

 ランナーではRB#1小椋が健在でインサイド中央からOT付近までを器用に突破していく。今年から#22木内、#29種が加わるがいずれも神戸大学らしいスピードとテクニックを備えたランナーになりそうだ。FBは春の試合でも何人か起用されているが、セットバックのパワープレー要員は必須なので。
 ところで、#1小椋をRB以外で起用する機会があったとしてその頻度が気になるのだが、最適なところに落ち着いてほしい。

 OLでは#70日野、#73白川、#77津野、#59橋本など昨年リーグ戦経験者が残っているので、QBとの連携はいかにというところがポイントになる。

 そしてQBには3年生#11東野が今シーズンからスターターの座に就く。ということで、QB以外はほぼ昨年メンバーのままのオフェンスチームなので、QBに注目が集まってしまうのも止むを得ないところ、だが、このような状況になってから半年以上の時間が経過している。捨てるところと拾うところ伸ばすところの選別は、すでに終わっていることだろう。

 とは言うものの、今年のオフェンスパフォーマンスが、QBとのコンビネーションおよびプレー選択によるところが結果に大きく影響する構図になっているところは拭いきれない。
 リズム良く攻撃が繋がれば神戸大学特有のノリで突っ走れそうだが、長いリーグ戦なので天候コンディションや試合のモメンタムによっては、歯車の噛み合わない試合・噛み合わない時間帯というものは必ず存在する。流れの悪い時でもキャッチアップのシーンでも、焦らずに粘り切ることができるか。ここが重要なポイントになる。
 オフェンス内部で喧嘩することなく辛抱強く待ちの姿勢と冷静さを維持していれば、攻守全員の一致団結とキッキングチームの活躍が白星をもたらす、そんな精神戦の展開が何度かあるだろう。乗り切りたい。

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 神戸大学ディフェンスで注目すべきところは、なんと言ってもDL(DT)とILBで構成される中央ランディフェンスの「壁」だろう。昨年もDラインの中核だったDT#57小澤の動きは今年も冴えていて、DT#97庭山、ILB#55宮川によって構成される鉄壁の正三角形は関西学生でも群を抜く。今春の試合でもILB#55宮川がサイドラインに下がってしまうと、DLだけでは止まらなかったランナーが中央を大きく割るシーンが発生していて、ILB一人でこれだけ変化してしまうのかとその存在の大きさと、ポジションの重要度を改めて認識した。

 その他のDL(DE)では#10東松、#8水口が今年は本格的にスタートメンバーに就任することになる。OLBでは#6星山の守備範囲の広さとプレー判断スピードが光り、ILB#55宮川とでディフェンスの中核を構成、さらに3年生#3花田#42前川などがOLBとILBを担当している。

 第3列DB陣はパスに対して素早い反応を示す#2梅本、#17種田、#13桐生、#34吉江、#20川口というメンバーで、全体的にスピードがあってボールキャリアへの集まりが早い選手が揃っている。ところでCB両名は経験豊富でレシーバーとの駆け引き等見所は多くなりそうだが、Sは今年から本格的スタメン起用となり、春の試合でいろいろと経験を重ねたことだろう。

 春の試合では失点が多いが、そこは上記のようにILBとDB(S)の関係をはじめ、選手起用の面で試行錯誤しながら経験を積んだ部分と来年以降を睨んだところがあったためなので、ほとんど参考にはならない。

 全体的には昨年メンバーが要所ポジションで残っているので、ベストパフォーマンスが発揮されれば大きく崩れることはないだろう。今年は、ディフェンスが辛抱して粘りながらオフェンスリズムの復活を待つ試合展開も予想されるが、十分に応えられるだけの力は備わっている。
 ただし、選手層面を見ると一枚岩なところもあって、万が一があると脆さが露呈しそうで少々気にかかるところ。学年関係なく次代のキーマンが頭角を現すか。この部分も含めてチーム一丸一体感が必要なシーズンになりそうだ。

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 開幕戦の甲南大学との試合、そして第2節戦関西大学戦、第3節同志社大学戦と、力の均衡したチームとの息の抜けない3連戦が続く。オフェンスがどのようなパフォーマンスを展開するか、そしてディフェンスは持ち堪えることができるかという3連戦である。
 もっとも、開幕戦でオフェンスパフォーマンス全快ならば、あれもこれも杞憂に終わるかも。したがって、今年の神戸大学成績を語る上では、どうしても開幕戦甲南大学戦での攻守を確認しなければならない重要な試合になる。

 攻守とも、課題をひとつずつでもクリアしていけば、それがそのまま昨年3位からのステップアップにつながる。チーム一体で丁寧な試合で勝ち上がって行ってほしい。



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京都大学
(今春の試合結果) ○20− 7甲南大・●10−14関学大
○27− 7東京大・●14−26日本大


 QB#10桐原率いるオフェンスも今年で3年目に突入する。昨年はWRへのショートパスを中心にパス精度の目覚しい向上が得点力アップをもたらし、ディフェンスも鉄壁DB筆頭にDLLBにも人材を集めて安定した試合が続いた。
 結果的には甲南大学戦引き分けと最終節関西大学戦敗戦が効いて3勝3敗1分けと5分の星になってしまったが、今年も同じような攻守陣容なので昨年からの上乗せ分を考慮すれば白星は増えるのではないだろうか。

 今春の試合では関西学院大学戦と日本大学戦で黒星を喫しているものの完全力負けではなく、攻守とも選手起用面やプレー選択などで様々な試行錯誤を繰り返す中での敗戦であり、例年以上に底力がある。今年の京都大学は、久しぶりにいろいろなことを期待できる楽しみなシーズンが迎えられそうだ。

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 オフェンスQBは冒頭に記したように#10桐原による。今年の攻撃スタイルも、京都大学パワーを前面に生かしたセットバックスから長短および内外のパスとインサイドのラン、オプションプレーとプレーアクションパスなど。オーソドックスだが攻撃手段は豊富にある。

 RBでは、曽田の背番号が昨年まで着けていた#3から#95に変更されていて、一桁増えて大きくなった分だけパワフルランナーの印象も増している。その他のRBでは昨年も少し出場機会のあった#34安河内がTBとして本格的に参戦、さらに甲南大学戦でデビューした#37藤井など新しい選手も続々と頭角を現している。
 さらにQB#10桐原のキープオプションはそのフェイク動作の切れが絶妙で、TB陣とのオプションプレーは、相手ディフェンスの隙を突けば一気にロングゲインの可能性がある。

 このランプレーを支えるOLには、#59内尾、#73岩崎、#56井上、#77岩橋など。昨年メンバーから半分交代するが、4月甲南大学戦では5人の揃ったプレーがDLをコントロールしてFBとTBの中央突破プレーを演出するセンスの良さを感じさせた。春夏の時間の経過の中でどこまでステップアップするか。昨年はパスオフェンスが充実したが、今春のOL完成度は秋本番での怒涛のラン攻撃も展開できると思わせる要因のひとつになっている。

 そして今年も京都大学オフェンスのキープレーとなるのが、WR#82中村、#18坂田と、今春から加わった#83木原をターゲットとするショート〜ミドルレンジのクイックパスである。QB#10桐原とのコンビネーションも2年目3年目を迎えて不安な点は解消され、パス精度の更なる向上で磨きがかかる一方だ。
 パス攻撃の基本は昨年の段階で完成しているので、今年はそこに上乗せするシーズンになる。快速#18坂田のスピードと長身&テクニシャン#82中村による両名が複雑に絡まったコンビネーションプレー等の工夫が出てくるだろう。

 パスプレーにはやはり連携がうまくいかない試合というものがある。それが天候だったり、体調だったり、ライン戦結果だったり、その他諸々コンディションによる。この時間帯を辛抱する精神力もリーグ戦では重要なポイントになってくる。  もっとも6月末の日本大学戦もパス不調でオフェンス組み立てに苦しんだ試合のひとつだったかもしれないが、チェンジオブペースで切り抜けていて、ランにパスに多彩な攻撃力を有する今年は杞憂に終わる??

 時間消費型ラン連続ドライブは今年も健在。さらに昨年以上にパス攻撃も充実。パワーランとパスの併用は、ディフェンスに課題を抱えているチームにとってはやりにくい厳しい相手になる。今年は攻撃チームが試合の主導権をもぎ取るのではないか。そんな姿を思い描いている。

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 一方ディフェンスだが、近年ではDL全体のアベレージな力強さがなくなってきているように見えるが、過去にはDL充填していたパワー人材をOLにも割り振っていることによると思われる。新規メンバーの登場が待たれるポジションの一つだが、その中で早くも今春から出場なったDL#92徳原はダイナミックスピーディーな良い雰囲気を出している。

 その他のDLメンバーは#90大西、#51南出、#61中村など。#51南出がDLに戻って来たものの経験者がほとんどいない再建色の強いポジションである。
 しかし第2・3列LBDBには昨年までのディフェンスカラーを表した経験者がそのまま残っていて、いずれも攻撃的守備を趣味とするスピードあふれアグレッシブな選手ばかり。したがってディフェンストータルで見れば今年も抜けのない厚い壁が構築されることになる。

 LBはILBに#99又賀と#27山口、そして今春はoLBに2年生#29藤本、#84福田が器用されて試合経験を重ねた。

 そして、今年の京都大学ディフェンスのキラ星は関西学生8チームの中でも断トツなDB陣だろう。スターター3年目となるDB#15前川、#14田畑のプレー判断が鋭くパフォーマンスにはますます磨きがかかる。昨年は両名でインターセプトを量産していて、今春のNEWRERAでも#14田畑がQBWRの息に同調してレシーバー前に割り込む芸術的なインターセプトを披露している。さらに#47阿部、#11槙塚が加わって選手層が厚い。

 そして今春から脅威のルーキー1年生CB#24大岡が加わった。4月甲南大学戦でいきなりパスインターセプトを記録して鮮烈なデビューを飾り、6月には日本大学WR陣と際どい攻防を繰り広げるなど大活躍している。
 今春を見る限り関西学生1年生一押しの選手で、3年前に神戸大学WR大園が4月甲南大学戦でロングTDパスキャッチして一躍注目を集めた時の感嘆に匹敵する。最終節の対戦が今から楽しみだ。

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 今年の京都大学リーグ戦試合展開としては、オフェンスQB#10桐原とWR陣によるショートミドルレンジのパス成功率が試合内容を大きく左右することになりそうだ。パスが適度にヒットするならばランも進みという好循環だが、パス不調な雨天の試合やQBWR体調不良なときにランオフェンスで切り崩せるか、さらにディフェンスの粘りと辛抱が要求される試合が続くかもしれない。
 と、昨年も上記観点を注目ポイントとして挙げているはず。昨年と同じスタイルのオフェンスなので、特にリーグ戦序盤は、近年でベストな得点力レベルを発揮する機会は昨年以上に増えるかもしれない。

 過去10年を振り返っても、ここまで攻守メンバー&スタッフが揃ったシーズンはないだろう。久しぶりに期待できるシーズンになったが、やはり開幕戦関西大学との試合は要注目である。ディフェンスの鋭い関西大学相手に京都大学オフェンスがどのようなパフォーマンスを残すか、上記課題解決策が確認できる試合になる。そして第5節立命館大学戦では昨年の借りを返したい。期待しています。



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関西大学
(今春の試合結果) ● 0−36法政大・○33− 7龍谷大・○28− 0近畿大
○17− 7早稲田・●10−11関学大


 昨年は2003年にDIV1復帰以降始めての負け越しのシーズンだった。リーグ所属8校の戦力が接近しすぎているので少しのイベントが順位に大きく反映されるというリーグ自体の性質がその一因になっているところもあるが、関西大学チームにおいてももう少し安定感が出てくれば、確実に白星が増えるかもしれない。毎年のように潜在能力はあるのだが、今年はそこから一歩抜け出せるか。ポイントは唯一ここだけと言っても過言ではない。

 6月の関関戦は10−11で終了間際に逆転負けを喫したが、できることならば勝利しなければいけない試合だった。私的にオフェンス側とディフェンス側でひとつずつ微妙なところがある。

 攻撃側では、第2Q残り1分41秒で攻撃機会が巡ってきたときに、最初は時間を流しにかかったこと。敵陣に入ったあたりでアクセルを踏み込んだのだが時間不足でFGレンジにも到達できず、無得点に終わっている。
 直前の関西学院大学攻撃で7分近く使われているときに、残り時間が短くなっていく中で積極的な攻撃方法の選択枝・引き出しはなかったのだろうか。前半4点リードでOKという雰囲気が私的に納得できなかった部分の一つ。

 そして第4Q最後に逆転されるまでの守備的なディフェンスフォーメーションが続いたことも疑問なところ。QBが交代してショートパスヒットしたことで一瞬は引いてしむのも止むを得ないが、関西学院大学側に主導権が完全移動してしまう前に攻撃的な守備を仕掛けていたら、選手スタッフ関係なく誰かが前に出ることを仕掛けていたら、結果は変わっていたかもしれない。

 秋リーグ戦でも、この関関戦のように接戦になる試合がいくつかあるだろう。その時にスタッフの立場で選手の立場で方向性と役割が重要になる。
 関関戦を勝利するための具体的な方針がイメージできれば、そのまま白星増と順位アップにつながる。今年も可能性を秘めたチームであることは間違いない。

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 今春観戦した試合は、4月法政大学戦、5月近畿大学戦、6月関西学院大学戦の3試合。オフェンスQBでは#18井上をスターターに、ローテーションで#7池井、#14原口を起用していたが、来年以降も含めた試合経験を積むところが主目的だったと考えている。おそらく6月関西学院大学との試合で全プレーを担ったQB#14原口がスターターに就くことになるだろう。注目ポイントは、セットバックとなるかショットガンセットになるか。ここでオフェンスパフォーマンスに大きな違いが出てくるかもしれない。

 RBはTBに#22松森、#5播川、#1藤森、UBにはパワフルランナー#99楠田と人材は豊富である。QB#14原口、#18井上のオプションキープランも切れがある。さらに、OLも1年次からスターターとして出場している#75保呂、#57角田に、#56大谷、G#69川西、T#66富永などによる。
 TEには#89青木と#86平山の2名が存在してインサイドパスターゲットとして活躍、RB#99楠田もUB位置から第X番目のショートパスターゲットにもなるのでショートヤードのプレーだけでも選択肢の多い布陣になりそうで期待できる。
 さらにミドルレンジ以上のパスターゲットにはWR#4守部、#12森田、#7池井、#10辻、#24川田、#19堤などスピードと執着心のあるメンバーが揃う。以上の布陣をディフェンスの立場で見ると、プレーを絞りにくい嫌な攻撃チームになりそうな陣容である。

 6月の関西学院大学DLに対して挑んだセットバックのパワープレードライブは記憶に鮮明に残るところで、試合時間消化にも貢献したスタイルだが、あの日特有のものだったのだろうか気になるところ。この部分だけでもシーズン展望・試合展望が大きく変わってくる。

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 ディフェンスも、各ポジションとも来年以降を踏まえた選手構成で春の試合を行っていたので今年のベストレベルについては未知数な部分が残る。もっとも多くの選手がローテーションで出場しているので、各ポジションとも選手層が厚く豊富な経験値は強みの一つと言える。

 DLは#90重近、#91杉原の2名の動きが良く、NEWERAでもWHITEディフェンスを支える活躍をしていた。さらに#44田村、#98石田、#95水村などが加わったDL陣は経験不足な面を若干残しそうだが、強烈なDL2名の存在がフォーメーション的にもカバーしそうだ。
 LBは血気盛んなメンバーが多く、主将#33大舘筆頭に、#2豊田、#49白滝、#45岡田、#11玉岡、#31西口など経験豊富で選手層が厚い。キャリアを破壊する意識も高く、人材は揃っている。ブリッツのすれ違いが気になるが、それも血気盛んな部分の裏返しになる。

 DBも#13林と#30小原はNEWERAのWHITEチームのDBとして注目を集めた。さらに、#6森本、#23飯野、#8飾磨など昨年からスターター起用されている選手が多い。そして関関戦では1年生#83砂川がスタメン出場していて次代を担う。

 ところで関西学院大学戦・法政大学戦ともDBによる際どいパスカットシーンがあって、いずれもファインプレーに見える。ギリギリでカットする反射神経運動能力の高さはわかるのだが、しかし、パスを投げさせるパスディフェンスなので、レシーバーキャッチ寸前のインターフェアギリギリの姿勢にならざるを得ないというのが実際のところだろう。審判の立ち位置によっては反則をとられる可能性も残す。さらにパスを投げさせるので守備的な引いた守備にならざるを得ない。  状況に応じてDBがレシーバーにベタ付きになるスタイルと使い分けすればよいと思うのだが、数年前に立命館大学ショットガンオフェンスに対抗するようになったときから気になっていたところです。

 各ポジションともにスピードがあって運動量の落ちないスタミナ豊富な選手が揃っている。ローテーション起用で経験値も豊富で選手層も厚い、というところが関西大学ディフェンスチームの特徴になる。
 ただし11人によるディフェンス「網」として考えたときに、何かほんの少しのところでしっくりとしない部分が残ってしまう近年のディフェンスチーム。システマチックでないのか前後左右の連携不足なのか理由詳細は不明。ただし選手層人材面は備わっているので、きっかけを掴んで今年こそ上位に食い込みたい。

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 攻守ともに潜在能力は高く、コンディショニングや方針ひとつでステップアップできる可能性がある。2003年以降一昨年までは5年連続リーグ3位をキープしていたが久しぶりに順位を落とした昨年。今年はそこからの巻き返しが最低目標だが、その先にもいけるはず。

 開幕戦京都大学戦はその試金石となる重要な試合であることは間違いない。ここを勝ち上がって次節神戸大学戦以降関西学院大学・立命館大学と続く。考えようによっては開幕スタートダッシュも夢ではない絶好な試合順序。もちろん簡単ではないが、何度でもいうが潜在能力はある。期待しているチームの一つです。楽しみにしています。



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甲南大学
(今春の試合結果) ○24−16神戸大・● 7−20京都大
○27−24同志社・○31−22学習院


 DIV1復帰した昨年は、第2戦京都大学で接戦を演じて白星獲得寸前まで迫った。その後、QB負傷などで最終的には2勝4敗1分で6位という成績に終わっているが、順風だったらもう少し白星があっても不思議ではないまとまりがあって勢いのあるチームだった。

 今年のチームは昨年選手が抜けるものの総替えという状態ではなく、昨年までの勢い雰囲気をしっかりと引き継ぎながら今年のチームとして生まれ変わろうとしている。
 攻守バランスよく、さらに気合の入るチーム。モチベーションも高いところにあるので苦しい試合展開であっても踏ん張りぬける力がある。今回のDIV1復帰前後から感じていた甲南大学チーム雰囲気は、以前にDIV1に所属していた頃とは全く違うものになった。今年も良い意味でのイベントをいくつかみせてくれることだろう、さしあたって開幕戦神戸大学戦は要注目です。

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 攻撃の司令塔QBは#13京極と#11松延のツインセットも3年目のシーズンを迎えることになる。昨年はQB#11松延のショットガンパスとQB#13京極によるセットバックオプションという分担だった。そして今春4月京都大学戦でもQB2名でフォーメーション2種類の攻撃スタイルだったのだが、5月同志社大学戦ではQB#11松延によるセットバックのオプションだけで攻撃を組み立てるという過去例にないスタイルを貫いた。
 春の一つの試合での出来事だが、これをどのように見たらよいのか。ショットガンセットを放棄してセットバックメインにQB#13京極と#11松延で同一フォーメーションを狙っていくか。これまでのようにQB#13京極のオプションランとQB#11松延のショートパスという各自の得意なところをさらに伸ばしていくことになるか。今年の甲南大学オフェンスの注目ポイントの一つになる。
 どちらの選択にもプラスマイナス両面がありそうだが、ただ、昨年までも両QBでセットバックショットガン両方を使いこなしてきた実績はあるので、いずれのスタイルにしてもオフェンスパフォーマンス面で大きなプラスはあっても大きなロスにはならないだろう。

 オフェンスバックスは、昨年のリーディングランナーRB#26高谷によるスピード&テクニックのランとFB#1寺内による中央突破のダイブプレー、そしてQB#13京極と#11松延によるオプションキープが加わる。パスではWR#18大槻、#14国田、#81宅和のターゲットも3年目となってQBとのコンビネーションは確立している。

 このようにバックスにも昨年メンバーが多く残るので、ショットガンセットでもバックセットによる微妙なタイミングの違いを除けば、攻撃の基本方針は大きくは変化しないだろう。RB#26高谷のランを中心に、これを出すためにWRへのショートレンジのアウトサイドへのパスとういう組み立て。さらにFBダイブとQBオプションというランパスバランスのオプションアタックが基本ストーリーになる。

 この攻撃を支えるOLは#58福田、#51二木、#50井上、#79武田、#59岡本など。フォーメーションの違いで最も影響を受けるポジションだが昨年経験者の一部が残っているのが心強い。さらに、パントキックでフィールドポジションをコントロールできるP#28板谷の存在も大きい。

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 一方のディフェンスだが、4月京都大学戦、5月同志社大学戦とも各ポジションとも昨年からのメンバー交代の穴を感じたのが正直なところ。ただし同志社大学戦で最終的に勝利をもぎ取ったのも自陣まで攻め込まれたときのディフェンスチーム全体の粘りと奮起による。随所に昨年メンバーも残って精神的なものも含めて上手に世代交代していきそうなことが確認できた5月の同志社大学戦だった。6月に甲南大学の試合を観戦していたらもう少し違ったイメージになっていたかもしれない。

 DLには#3池内、#67塚本、#77金子、#74尼谷などサイズスピードが備わった昨年実績のあるメンバーが並ぶ。LBも#4中田、#6内芝、#9溝渕などスピード判断がいい。DBは#23豊福、#30田頭、#19川崎、#22田中、小椋などこちらもリーグ戦経験2年目以上という選手が多い。

 昨年4年生の交代はあるものの、いずれのポジションとも昨年経験者が多く残る陣容であり、攻撃的な守備のできるチームなので、秋までには今年のディフェンスの核となるもが出来上がっているだろう。期待しています。

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 春の試合は、いろいろな部分で試行錯誤中という状態だったので、秋の再登場の姿が見えにくいのだが、良い意味で予想を裏切ってくれるはず。どのようなレベルまでステップアップしてくるのか予測不明で、伸びシロの滅茶苦茶大きいチームである。

 普通は一つの試合中にリズムに乗れない流れの悪い時間帯が少なからず存在するものだが、そこで攻守ともに大崩れすることなく辛抱我慢できる、さらに均衡状態からモメンタムを引き寄せる気力が備わっている総合力があるので、試合最後まで見逃せない。

 昨年は惜しくも黒星が重なってしまったが、今年もDIV1中位以上は十分に狙えるだろう。まず、開幕戦神戸大学との試合は注目の一戦である。接戦になって際どい試合になるのは間違いないが、一体感パワーが発揮されれば白星をもぎ取ることも不可能ではない。そして、続く京都大学戦は、昨年の借りを返すべく向かってくる相手を返り討ちできるか、という試合になる。



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近畿大学
(今春の試合結果) ○41−21桃院大・○29− 0明院大
● 0−28関西大・○10− 9専修大


 昨年リーグ戦戦績は2勝5敗で7位。その白星2個の試合得点が13−0、7−0(各1TD)と得点力不足を示した結果となっている。(ちなみに全7戦で5TD2FG1Sでシーズン合計43点)。そして入れ替え戦では東海学生所属の名城大学と第4Qまでロースコアの均衡した試合を演じ、最終的には名城大学の要因でDIV1に残った形になっている。
 反対の視点に立てば、ロースコアながらも合計3試合を白星に結びつけてることができたのは守備の健闘があってこそのもので、今年こそは攻撃で得点を挙げる方法について何か新風がほしいところだ。

 ところで近年の近畿大学リーグ戦成績は、2003年以降末尾奇数年は白黒5分の星を残し末尾偶数年が入れ替え戦出場と両極端を交互に繰り返す。順番で言えば今年は5分の星を残すことになる。春は1試合しか観戦できなかったので、全容が見えてこないチームだが、注目しておきたい。

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 オフェンス昨年の得点力不足は冒頭に記したとおり。そして今春は関西大学に得点0点、専修大学戦では10得点(1TD1FG)だがファンブルリターンTDによるもので攻撃チームでは3点のみ。今春の課題も最終的には得点力不足というところに落ち着きそうだ。

 このような状況ながら、5月関西大学戦ではRB#20坂田のラン、WR#24秋田、#89今堀、#88小野澤へショートミドルのクイックパスが試みられた。QB#8荒木は今シーズンからのスタートメンバーなので経験不足感が漂うものの、上記のように関西大学戦ではショートミドルレンジのパスによるドライブ実績もある。
 5月の1試合だけなのでなんとも言えないが、昨シーズン負傷しながらも起用され続けたRB#29吉田と執拗にマークされたWR#7永山に、今春は新たなバックスメンバーが加わった形で、昨年とは大きく変化する可能性も秘めているオフェンスバックス陣容である。QBの経験不足なところもオフェンスプレーのバリエーションでも補いたい。

 OLは#75ワク田(ワク:竹冠に隻)、#77半田、#57渡邊、塩田など昨年までの経験メンバーが多く残る。昨年まで若い学年の選手ばかりで苦しんできたポジションの一つだが、経験を積みながら持ち上がりでスターター陣を構成していて、酸いも甘いも経験値は豊富である。

 以上のメンバーによるオフェンススタイルは今年もランパスバランスアタックというところだが、あれもこれもという状態の近年、ベーシックなプランが明確でないから全体の方向性が一つに定まらず、様々なベクトルでは力の分散ロスが勿体ない。最終的には個人依存(?)にならざるを得ない方向が続くが、今年は、どのような攻撃スタイルになるか。少なくとも数名のオフェンスバックス固定キャリアだけで勝ち抜けるリーグではない。昨年の固定キャリア状態から脱却する変化の可能性も見込める春を経て秋の再登場の姿が楽しみである。

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 一方のディフェンスはNEWERAで大活躍だったDL#9佐藤、LB#2松井と経験豊富なDB#21吉田、#5尾崎、#25川野という陣容になる。
 DB#21吉田は1年次からスタートメンバーに名を連ね、#25川野も昨年から注目を集め、DB#5尾崎は今春NEWERAでインターセプト1回の記録がある。
 昨年はロースコアの試合を辛抱強く我慢していてもオフェンス得点ならずに最終的には敗戦黒星にの責任を負うというシーズンだったが、今年は如何に。

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 昨年は入れ替え戦で名城大学に辛勝してかろうじてDIV1に残ったが、それも相手チームに乗じたもので勝ち残りのストーリーがしっくりとしなかった。今年は是非とも力強い試合を楽しみたいところ。
 春の試合が全く秋に結びつかないのは近畿大学も同様。開幕戦は王子スタジアムで関西学院大学と、そして第2節は立命館大学と対戦する。



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同志社大学
今春の試合結果 ●16−17立教大・●24−27甲南大・● 9−21神戸大
●20−49慶應大・○24−17名城大・(中止)愛学大


 今春観戦した試合は3試合。インフルエンザ明けの神戸大学戦は身体を動かすゲームをするところで精一杯だったようだが、残り2試合では、昨年あたりも少し感じていたのだが、攻守ともに粘り強いチームになった印象がある。オフェンスはQB交代してチーム雰囲気が一変した。これまでとは違った方向になるが、良い方向に整備されつつある。

 今春開幕前段階での同志社大学に対するイメージは「昨年リーグ戦全敗で白星から遠ざかっている選手が要所ポジションに残るので、その因果関係を身を持って知っているところが今年の同志社大学チームの強み」という虐的なところからスタートした。だが、今春3試合を見る限りでは、この段階を通りすごして、全く違った面白いチームになりそうな予感がする。

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 オフェンスは、QBの試合経験不足がどのように影響するか春序盤は気になっていたのだが、3試合を観戦する限りではそれほど危惧しなくても良いかも。それよりも昨年とは少し違った雰囲気のオフェンスチームに生まれ変わる雰囲気が伺えた。様々な攻撃バックスメンバーと昨年経験者が残るOLとで機動力のあるオフェンスが展開できるのではないか。

 QBは今シーズン始めてスターターに就任する#8佐藤による。これまで長い間続いていた同志社大学QBの積極的強引なイメージとは違ったQBでセットバックショットガンセットのランパスバランス型&調和型の攻撃起点になる。

 そして今年の同志社大学攻撃陣で大きく期待できる楽しみな部分は、ランナーもレシーバーも選手層が厚く攻撃手段も豊富なところである。

 まずランナーでは、RB#22重坂のスピードとタフな足腰に目を奪われる。さらにTBとして#34河野、UB兼任#41土井と#岡田はパワー系ランナーという布陣でIフォーメーションを組み立てる。
 さらにRBとインサイドレシーバー兼任の#小寺と#東と#青木の存在が大きい。#東と#青木はサイズの大きいTEタイプ、#小寺はWRRB系の器用な選手で攻撃手段を広げる人材。さらにさらに、今年のオフェンスキーマンになるかもしれないTE#86清松の存在も見逃せない。ショートターゲットからのサイズを生かしたラン突進はオフェンスモメンタムを掴むプレーになりそうだ。
 このようにランナー豊富&ショート〜ミドルレンジターゲットも豊富で必然的にプレー種類も増える。さらにQB#8佐藤とショートパスターゲットのコンビネーション完成度が高い。

 ミドルレンジ以上のパスターゲットとしては、昨年も絶妙なプレーが続いた3年生WR#81和田が中核選手になり、今春から本格的に起用されている#89山林はスピードがあってボールへの執着心もある好レシーバーになる予感がする。さらにWR#14山下、#15中尾、#82黒田など、レシーバーには例年以上に熱く強引な人材が揃った。

 これら多彩なバックスによる攻撃を支えるOL陣では、スターター3年目の#58友金と#69中野、さらに#50前渕も昨年リーグ戦を経験しているのが心強い。
 選手層の面ではラインの力勝負が続くと微妙なシーンもあった春名城大学戦だが、バックス攻撃手段で回避できる。パスコントロールが乱れればライン+RBに転換し、さらにランナーレシーバ兼任でディフェンスを揺さぶる。様々に補い試みながら突破口を探っていくことができる今年の同志社大学オフェンススタイルになる。

 このスタイルであれば、少なくとも点の取り合いの試合になれば勝機はありそう。一方でロースコアの展開になっても、攻撃手段を探っていけばどこかで金脈糸口が見つかるだろう。各ポジション協調したバランスオフェンスは今から楽しみである。

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 ディフェンスは、DLLBDB各ポジションとも昨年経験者が数名ずつ残り、そこに新たな人材が加わるという理想的な構成になった。DLは最終学年になった#98夏目、#43栗山、#39西田の3人は昨年までの試合出場機会が多い。ここに2年生#96大西が加わる。

 LBでは#9松田、#53藤田が昨年までの経験を踏まえて一回り大きく成長し、さらに動き判断のいい#4辻田、#51栗原、#55嶌岡などが今春出場メンバーだった。
 DBでは(CB)#24岡、(S)#23冨などが昨年経験者。さらに昨年終盤少しだけ出場した(S)#2福田と(CB)#5中嶌のスピードは、プレー判断の良さとの相乗効果でファインプレーを量産しそう。攻撃型のDB陣なところにディフェンス全体のコンビネーション面で若干の不安が残るが、良い方向になれば最終列が完成するかもしれない。人材面では揃っている。

 各ポジションともパワー系というよりはスピードのある鋭い選手が揃っているところが今年の特徴で、今春の試合では「タックルミスが少なかったかもしれない」という観戦メモが残っている。さらに、オフェンス手詰まりをディフェンスで踏ん張った試合もあり、攻守とも意識の高い今年の同志社大学チームになっている。

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 今年は開幕戦で立命館大学と、第2節では関西学院大学と対戦する。この試合順序のほうが戦いやすいか、それとも逆のほうがより白星になる可能背が増えるかなどといろいろと思い巡らしてみたくなるのは、やはり、攻撃手段が多彩な今年の特徴だからである。

 相手ディフェンスとの力関係になるが、点の取り合いの試合も可能で、相手ディフェンスとの間で繰り広げられる攻防の中で攻略点を探ってみたくなる。さらに攻撃チームと守備チームの歯車が合致すれば勝機は近づく。2年ぶりのリーグ戦白星はいくつになるか。リーグ戦序盤から面白い存在になりそうだ。


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2009年の主なルール改正






【1】40秒計の導入

従来=レディフォープレーから25秒計の計時開始。

今後=プレー終了後から40秒計の計時開始。
   例外は、反則施行後、攻守交替、タイムアウト後、チェーンメジャー後、などで、
   従来どおりレディフォープレーから25秒計の計時開始。

効果=試合時間が早くなる。
   ロングゲイン後に選手がボール位置まで移動する時間も40秒に含まれるので
   次のプレー準備時間に余裕なくなる。



【2】キックオフ時のキック位置

従来=35ヤードからキック。

今後=30ヤードからキック。

効果=タッチバックが少なくなる。
   キックオフリターンの機会が増えるのでスリリングなリターンを楽しめる。



【3】攻撃側フォーメーションの条件変更

従来=スクリメージライン上に並ぶ選手は最小7人。
   (背番号50〜79のいわゆるOL5人。TEとSEのレシーバー2人。)

今後=スクリメージライン上に並ぶ選手は、背番号50〜79が少なくとも5人。
   バックス選手は最大4人まで。

効果=(目的や効果が判らないので省略します)



【4】ジャージの色の規定

従来=ホームチームがカラージャージを着用するときは、ビジターチームはホワイトジャージの着用が義務付けられていた。

今後=ホームチームおよびホームチームが所属する団体が了承すれば、ホームチームとビジターチームが同時にカラージャージを着用できるようになった。

効果=ビジターチームでもカラージャージを着ることができる。。

作者Aの独断解説
 おそらく一昨年の甲子園ボウルin長居における「赤VS青」に関する議論も改正のきっかけになっているのではないでしょうか。
 未確認ですが、関東学生リーグ戦では前年度順位で上位チームがカラージャージ、下位チームがホワイトジャージと決められていたので、基本的には(ホームチームがホワイトジャージ着用を申し出なければ)、最下位チームはリーグ戦でカラージャージを着ることはできなかった、と記憶しています。なお、当時の資料が見つからないので未確認情報として記載します。取扱いに注意して下さい。



【5】アウトオブバウンズ後の計時開始タイミングの変更

従来=ボールがアウトオブバウンズに出たとき、次のプレー開始から計時開始。

今後=レディフォープレーで計時開始。
   ただし、前後半とも残り時間2分以内のときは従来どおりプレー開始から計時開始。
   ただし、前後半とも残り時間2分以内でもファンブル地点前方でアウトオブのときは、
       従来どおりレディーフォープレーで計時開始。

効果=試合時間が早くなる。



【その他】

・無資格レシーバー対象者の見直しによって反則が減少する方向にかわる。
・悪質な乱暴行為に対して、後日、団体が追加で処分が行えるようになった。



(以上)