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04月13日(日) 王子スタジアム 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
神戸大学 0 0 0 13 13
甲南大学 6 6 0 0 12
(現地観戦)
神戸大学
甲南大学
1Q
FL
FL
TD
1Q
2Q
TD
FL
END 2Q
3Q
FG×
3Q
TD 4Q
TD
4Q G×E
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方








4月19日(土) 王子スタジアム 14:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学102114752
日本体育大学00000
(現地観戦)
 
関西学院大学
日本体育大学
1Q
FG
TD 1Q
2Q P×
TD
TD
TD
2Q END
TD 3Q
TD
3Q
4Q
G×
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方






4月29日(火) 長浜ドーム 14:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
立命館大学16914342
神戸大学00000
(現地観戦)
 
立命館大学
神戸大学
TD 1Q
TD
FG
1Q
FL 2Q
TD
FG 2Q
3Q
TD
TD
FL
3Q
4Q
FG
G×I
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 立命館大学オフェンスはQB#16松田、RBにUB#44浅尾、TB#34橋本、UB#38姉川、TB#9松森などのセットバック重視、時々ショットガンスタイルで展開し、試合前半はノーパントの3TD2FGで25点を獲得する(2PATキック失敗・2I)

 立命館大学はWR#84呉田へのロングTDパスで先制すると、直後の神戸大学攻撃でパスインターセプトによって攻撃権を奪い取り、TE#5森への縦パスで追加点を挙げた。

 そして第3シリーズは、一転してラン中心のオフェンスとなり、自陣27ヤードからRB#34橋本、#9松森、#44浅尾による中央突破で3ヤード、13ヤード、3ヤードと刻みながらも前進を重ね、敵陣37ヤード地点では右WR#89堀田によるリバース左オープンで14ヤードゲイン、そしてK#27石川がFGの3点につなげている。

 その後も、RB#9松森による左オープンサイドをトップスピードで駆け抜けるロングTDランで得点し、第2Q残り0分47秒敵陣44ヤードからの攻撃シリーズもタイムコントロールの末に残り時間0秒で再び#27石川がFGを決める。

 得点上は、ランパス様々に左右に散らして神戸大学ディフェンスを攪乱して突き放している。のだが。

 ダウンフィールドブロックをやめるのが早かったためにリバースランはミドルゲイン止まり、第4シリーズではRB中央突破後のファンブルロスト、インターセプトによる攻撃権喪失、さらに2PATキック失敗と、細かいところでは課題が残る。

 もっともPAT失敗に関しては、一方でFGは2人のキッカーで3回成功しており、キッカーだけではないかもしれない。滑りやすいフィールドとかキッキングティーに関する部分もあるので、このあたりは次以降の試合で。

 パスレシーバーについては、WR#84呉田が後半もカウンターからのプレーアクションパスと縦ロングのTDパスを決め、合計3回のTDパスキャッチで文字通りの得点ゲッターとなっている。
 それ以外のターゲットとしては、TE#5森、WR#19田原、#85土井など。TE#5森は昨年までも試合経験は様々に豊富だが、セットバック隊形におけるショートからミドルレンジのパスターゲットとして今年のオフェンスのキーマンの一人になるかもしれない。

 またRBも、#34橋本、#9松森、#44浅尾、#3尾崎など試合序盤からIフォーメーションが2セット組める豊富な陣容である。

 このように昨年からの経験者が残るOLWRRBの層の厚さと比較するとQBが今季初スタメンとなる。JV戦とはまた違ったトップチームでの試合はOKのところと今後の課題の部分と。ということで、今年も春からの成長ストーリーが始まる。

********

 さて立命館大学攻撃に対した神戸大学ディフェンスだが、実はこの点数差ほどには劣勢ではないと感じるのだが如何だろうか。TDプレーはRB、WRのスピード個人技による部分と自陣での攻撃権喪失など。

 ランドライブされているシーンもあるのだが、一方でファンブル誘発やDB#5川崎、LB#55宮川によるインターセプトはDLプレッシャーとのコンビネーションの結果でもある。さらにFGで止まっているところはディフェンスの成果でもあろう。

 今年の神戸大学ディフェンスは、DL#94久岡、#99小澤、LB#42玉井、#55宮川、など昨年のメンバーが多く残ることが特徴で、特に甲南大学戦立命館大学戦ともILB#55、OLB#42の動きが際立つ。

 昨年もアスリートな人材が揃っていたLB陣だったが負傷でシーズン最後までメンバーが定まらなかったのが残念。今春は2試合ともILB#3花田やOLB#15前川などが試合経験を重ねて層の拡充を図っている。

********

 神戸大学オフェンスは第2QまでQB#4大原、第3Q以降はQB#11東野によるショットガンスタイルからのパス中心の組み立て。そのパスターゲットはWR#2桂、#12石井とTE#7稲垣、#83東内など。

 TEへのクイックパスとサイドライン方向へのショートパスといずれも短いパスを左右中央に散らしながら前進を試みるのだが、残念ながらパス成功率は低く、パス失敗からFD更新できずに攻撃権放棄が続いた。さらに立命館大学DB#4町、#13滝澤が神戸大学の短いパスに対して良い動きで反応していたのが印象的。なお、この日もミドル〜ロングターゲットWR#24大園の姿はなかった。

 その中で、神戸大学第2Qと第3QのFD更新3回のドライブは、QB#4大原のショットガンからのスクランブルラン、RB#1の中央ランによる。ショットガン隊形からのランプレーによって、立命館大学ディフェンスにわずかな隙間が生じてくる。

 だがランプレーを連続で試みると、やはり立命館大学DLLBの壁は厚くなり、結局ランパスでゲインできない状態に陥ってしまう。第2Q以降、立命館大学ディフェンスメンバーが少しずつ交代していくのだが、それでも壁が揺るぐことがなく、神戸大学は零封されてしまった。

 ただし、この試合は神戸大学が異様に短いパスに拘ったような感じがする。QB大原のスクランブルも1シリーズのみ。さらにRBキャリアも、おそらく#1小椋のみ(?)。
 神戸大学オフェンスと立命館大学ディフェンスに関しては、その一部分のみしか観ることができなかった試合だった。







05月03日(土) 関西大学G 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西大学14971040
龍谷大学07007
(現地観戦)
 
関西大学
龍谷大学
TD 1Q
TD
G×
1Q RFL
FG 2Q
FG
FG
TD
REND 2Q
3Q
TD
3Q
4Q
FG×
FG
FL
RTD
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 コイントスで龍谷大学が後半行使を選択し、関西大学リターンで試合開始。そして関西大学リターナー#16永川が0ヤード地点からの高速リターンで敵陣へ侵攻していきなりの得点機を迎える。

 関西大学オフェンスはQBに#14原口を起用したショットガンオフェンス。TE#89青木へのパスとランでFD更新すると、最後もWR#16永川への中央8ヤードTDパスを決めて先制した。
 さらに次のシリーズでも自陣18ヤードから右WR#16永川へのミドルパスがヒットし、そのままDBを抜き去って80ヤード超のTDプレーを決める。
 こうしてWR#16永川のスピードであっという間に2TDを獲得をした関西大学が、試合の主導権を握った。

 この日の関西大学オフェンスは、QB#14原口が最後まで攻撃を率いていて、ショットガンフォーメーションからのパス中心のオフェンスを展開する。
 ただし、QBサックで大きく後退したり、レシーバーのキャッチミスも多い。一方で、TE#89青木、WR#98守部へミドルパスがヒットして、一気に敵陣へ侵攻する驚異もある。
 確実にパスでドライブできるまでではなく、QBとレシーバー間のコンビネーションの部分では発展途上の状態だった。

 なお、この日のパスターゲットは、後半も併せると、#1藤森、#19堤、#89青木、#98守部、#10辻、#24川田などターゲットが多い。OLは#56大谷、#54菅、#72大森、#75保呂、1年#51小川という体制で、昨秋スターターだった#57角田など一部メンバーは出場していない。

********

 関西大学は、#16永川による2TDとK#30小原による3FGによる16点でハーフタイムを迎えることとなった。

 試合前半は、QB#14原口によるショットガンパスの練習に重点を置いたような内容で、執拗にパスを繰り返している。
 敵陣9ヤードFDからパス3回失敗やパスターゲットを探して結局QBサックロスなど、若干強引な面もあり、オフェンス全体にリズムが悪かった。

 しかし、後半からは少しずつパスのバリエーションが増え、ランプレーも積極的に加わっていくことでオフェンスリズムが出てくる。

 第3Qの第2シリーズ。QB#14原口からRB#37大丸へのショートパスはセカンドターゲットへヒットして4ヤードゲイン、続く第2Dでは再びRB#37大丸へ今度はスクリーンパスがヒットする。6ヤードゲインまでだったがFDを更新した。
 そしてRB(#21境家?#37大丸?)の中央突破が34ヤードのビッグゲイン。OLの好ブロックもあって敵陣16ヤードに侵攻すると、WR#24川田などへ2本のパスをつないでTDドライブとする。

 こうしてリズムが出て来たオフェンスのベストドライブは第4Q中盤から始まった。

 自陣20ヤードから右WR#98守部へ17ヤードパス&ランでFD更新して自陣37ヤードに到達すると、ショットガンQBの横にセットしたRB#12楠田が右OTを抜けて18ヤードのゲインを獲得する。
 その後もQBキープラン、RB#12楠田の中央4ヤードとWR#10辻へのミドルパス10ヤード、TE#8?への縦パスなどでエンドゾーン手前7ヤードまでのランパスロングドライブとなった。最後はやはりFGでK#19堤によるFG3点に終わるが、リズムの良い攻撃が展開された。

********

 なお、この日の関西大学オフェンスはOL#57角田以外にもQB#9宮城、TE#86強などに出場機会がなかった。また、試合前半は特にパス偏重の傾向があったものの、後半のバランスアタックを見ると、パス練習という面が大きいかったのだろう。

 新戦力としては、パスターゲットに昨秋も何度か出場機会はあったがTE#89青木とWR#98守部が加わる。そしてランナーではRB#12楠田のバランスの良い走りはオフェンスプレー選択の幅が今まで以上に広がる予感がする。

********

 一方の関西大学ディフェンスだが、こちらも春らしい選手起用方法だった。

 今年のディフェンスメンバーはDLLBとも昨秋のスターター選手がほとんど残るのだが、試合開始当初はほぼ全員がサイドラインに並ぶのみ。結局フロント陣にベストメンバーが揃ったのは第4Qに入ってからとなった。
 ベストメンバーが揃うとさすがにQBやボールキャリアへのプレッシャーが厳しくなり、ファンブルフォースからの#33大館によるリターンTDを演出している。

 なお、先発のディフェンスメンバーも第1シリーズこそは若干押し込まれているシーンもあったがDL#97中田、#59野田、LB#11玉岡を中心に少しずつ形を成していく。
 さらに、後半にはDE#44田村、LB#2豊田、#53岡田など動きの良い2年生の選手が目に付くようになり、層の厚さを感じられた。

 一方でDB陣は昨年メンバーから若干名の入替りがあり、この日は昨年スターターだった#13林が欠場、#4平岡が前半はDB(S)に加わるなどのフレッシュな構成となった。(#4平岡は第4QにはOLBとして出場)

 しかし、試合前半から龍谷大学の様々なパターンのパスに対してレシーバーをフリーにしてしまうシーンが散見される。
 QBに対してDLLBのプレッシャーがかかっていない(与えていない?)ためか、しばしばパスによるゲインを許していて、第2Qの龍谷大学の得点はロングパス2本をつないだものだった。

 しかしこれでも関西大学DB陣から見ると、龍谷大学がパス中心の攻撃だったことが幸いしている。もしも、RB上野小幡などによるランプレーを積極的に組み込んだ組み立て方だったら、少なくとも試合前半は、もっと揺さぶられていたかもしれない。






5月10日(土) エキスポフラッシュF 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
近畿大学0731020
甲南大学03003
(現地観戦)
 
近畿大学
甲南大学
1Q
FG×
1Q
2Q FL
TD
FG
2Q END
3Q FL
FG
3Q
TD 4Q
PG×
FG×
FG
4Q REND
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方






5月11日(日) エキスポフラッシュF 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
立命館大学706316
京都大学30003
(現地観戦)
 
立命館大学
京都大学
TD 1Q
FL
FG
1Q
2Q
2Q END
3Q
TD
FL
3Q
4Q
FG
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 京都大学DLスタートメンバーは、#12内尾(2年)、#13飯田(4年)、#50中村(3年)、#20永田(4年)(=作者Aによる場内放送のメモより)。背番号だけを見るとDBかと勘違いしてしまうような数字が並ぶが、実際にも#20永田はこれまでDBとして出場していた選手だったりする。身長体重数値は省略するが、どちらかと言うとスピード重視のライン構成になっている。

 一方でLBのスタートメンバーは#27山口、#91三井、#99又賀(=作者Aによる場内放送のメモより)という布陣で、昨年までの実績を考えると、#91三井や#99又賀はDLに配置されてもおかしくないのだが、スピードある捨て身のタックルを信条とする京都大学ディフェンスならではの「スピード重視のDL陣・パワーとスピードを兼ね備えた重量LB陣」という工夫のある選手配置になっている。

 今回の京都大学DLメンバーのDLというポジションにおける経験量については詳細を知らないのだが、このDLメンバーに対して立命館大学OL陣がイーブンの力関係に収まってしまい、その結果京都大学LBDB陣の動きの自由度が広がったこと、これが混沌とした試合内容になった一因である。

 また、立命館大学オフェンスには前回長浜ボウルとおなじくRBQBのファンブルが合計3回発生し、そのうちターンオーバーが2回。
 さらにQBWRのパスに関しても、QBのパスコントロールが乱れてパス失敗し、一方でコントロールされたボールが飛んでいくとレシーバーのキャッチミスでノーゲイン&ロスオブダウンという状況でQBWRが両立しない。
 OLのパスプロテクションが機能せず、さらにディフェンススピードに焦らされることもパスコントロールに大きく影響しているだろう。

 ランによる中央突破では京都大学DLLB陣の壁に遮られて2ヤード程度までのショートゲインに止まることが多く、DL#12内尾、LB#91三井、#99又賀によるRBに対するロスゲイン奪取やQBサックのシーンも散見された。
 だが立命館大学オフェンスも第3Q第2シリーズ、京都大学DLLBの呪縛に対してカウンター系のランプレーを多用して打開を試みている。それなりに効果はあったのだが、DBの鋭いタックルを受けたRBがボールをファンブルしてしまい得点に至らず。

 このように半ば手詰まり状態にある立命館大学が獲得した16得点(2TD1FG)は、第1Q開始早々にセットバックIフォーメーションのTB(RB)#34橋本が右サイドライン際をスピードで捲り上げた58ヤードTDランと、第3Q開始早々にRB#33山本が右サイドをスピードで駆け上がってディフェンスタックルポイントはかわしながらの28ヤードゲイン等による。

 さらに第4Q最後のFGシリーズではWR#84のカットインでDB陣を振り解いた17ヤードミドルパスがきっかけになっていて、RBWRの個人スピードによる得点に留まる。オフェンス全体の攻撃リズムは整わないままのタイムアップとなってしまった。

 前回観戦した長浜ボウル同様、春序盤の試合なので各ポジションとも各様の課題を抱えているのも当然のこと、春から夏を経ての成長ストーリーを楽しみにしています。

********

 京都大学オフェンスはQB#10桐原による。試合前半はRB#3曽田を配したシングルバック隊形や、RB#81佐野も加わったT・Iなど。そして試合後半になるとショットガン隊形も多用していく。だがランパスの配分自体がフォーメーションで大きく異なることはなかった。

 試合序盤はセットバックからのドロップバックパスを試みるのだが、立命館大学DBのレシーバーカバーによってパスが投げられずに苦しむシーンが多発する。
 その後はRB#3曽田のダイブ中央突破やQBキープランでインサイドのランプレーを試みるようになるのだが、こちらも立命館大学DLLB陣に跳ね返されてしまう。#91三井による中央突破ラン、ショットガンからのQBスクランブル等の工夫が加わっていくが、やはりショートゲイン止まり。
 ミドルレンジのクイックパスにはレシーバーのハンドリングミスでパス失敗が続く。唯一、サイドライン際へのショートパスだけはWR#17生川、#18坂田などにヒットすることがあるのだが、向かい合うDBが#13滝澤。長浜ボウルと同様にファインカバーの連続でパスキャッチ後のランゲインが許されない。

 また、試合開始前のウォーミングアップでQB#10桐原が40ヤード超のきれいな弾道のロングパスを披露していたのだが、やはり実戦となると相手ディフェンスのQBに対するプレッシャーとDBの厳しいカバーも加わってレシーバーもフリーになりきれないのだろう、第4Q終盤の連続ロングパスもヒットしないままタイムアップとなってしまった。

 なお、京都大学オフェンス側にディレイオブゲーム寸前のタイムアウト行使が何回かあった(目も不備により正確な回数は不明)。サイドラインでプレーを決めて伝令が入るのが残り10秒付近。昨秋シーズンから何度も見ているのだが、無駄なタイムアウトのように思えてしまう。今秋リーグ戦までには修正されているのだろうか。







05月17日(土) エキスポフラッシュF 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
神戸大学71171944
同志社大学700714
(現地観戦)
 
神戸大学
同志社大学
1Q TD
TD
1Q
2Q
(S)
TD
FG
2Q REND
TD 3Q
3Q
FG 4Q
TD
TD
P×(S)
G×
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 神戸大学については今春3試合目、同志社大学については始めての観戦となる。

 わずか1ヶ月の間でも、2008年度の新しい体制での試合を何回か観戦していると、成長とか今年の傾向が何かしらおぼろげながら見えてくる。そして複数の試合を通して、頭の中で方向性とか変化量とかを勝手に予測してしまい、最終的には一つの大きなベクトルをピックアップしてしまう。

 一方で、始めて見る場合は、目の前に見える現象しか判断材料がないので、そこからの伸びシロを予測しにくい。

 というわけで、頭の中で妄想が広がっている部分があるかもしれない視点と単視点による観戦なので、公平かどうか微妙な部分がありそう、ということをお断りして。

********

 神戸大学は、おそらくこの試合が、春序盤戦の一つの目標の試合だったのではないか。
 オフェンスOLはほぼ最後までスタートメンバーが登場し、さらにWR#24大園も出場していて、おそらく今年のベストメンバーに近い状態で、最後までオフェンス布陣が組まれていたようだ。
 オフェンススタイルは、QB#4大原によるショットガンからのランパス。長浜ボウルまではパス重視だったが、今回は適度にランプレーを混ぜたバランススタイル、パスも長短等様々なバリエーションが加わった。
 ディフェンスは試合経過とともに若干フロントメンバーの交代はあったものの、概ね固定メンバーによる。

 一方の同志社大学オフェンスだが、ランプレーに関しては今年のオフェンス切り札になるであろうRB#2太刀掛のボールキャリーはごく僅か。さらにQB#17多川自体のスクランブルランは第4Qまで封じていたような様子で、ランプレーに関しては、その他のRBに経験を積ませるような選手起用方法だった。
 パスは、ファーストドライブでQB#17多川からWR#5上原、#7橋本、#81和田など今年のメインターゲットへショートミドルのパスを試みてている。
 なお、OLとディフェンス全体のメンバーに関しては、おそらく今年のベストメンバーの多くがスターティングに名を連ねていたように思うが、詳細正確なところは不明です。

********

 コイントスで選択権を得た同志社大学先攻で試合開始。最初からQB#17多川によるショットガンからの早いタイミングパスがショートミドルレンジにヒットして前進を繰り返す。
 LB裏DB付近へ3〜4人のレシーバーが入るパスパターンに対して、試合開始直後の神戸大学パスディフェンスが機能しないまま、ノーバックなど積極的なパスドライブで同志社大学が先制した。

 対する神戸大学は、#24大園が40ヤードリターンで始動。第1DこそセットバックUB#47大月、TB#1小椋だったが、第2D以降はレシーバー3〜4人(#12石井、#19奥野、#24大園、#84井上)を配したショットガンスタイルとなり、左WR#24大園への縦34ヤードパスヒットを皮切りに、WR#19奥野へのイン、WR#24大園の右モーションラン、そしてRB#1小椋の中央突破ラン、神戸大学もランパスのリズムある攻撃で同点に追いつく。

 こうして、両チーム得点の取り合いになるかと思われたのだが。

********

 同志社大学2回目のドライブもFD更新なるかというリズム好調だったが、神戸大学ディフェンスの堅守で3回目の更新には至らず。神戸大学もWR#12石井、#84井上、#24大園、RB#1小椋によるドライブなったが3回目のFD更新直前でパント。
 ただ、この神戸大学パントキックが見事にコントロールされて同志社大学陣1ヤード地点でボールデッド。一つのキッキングの結果が試合のモメンタムを動かすきっかけになった。

 同志社大学攻撃はエンドゾーンを背負った厳しいシチュエーションの中でのエクスチェンジ付近に乱れが生じたことで、セイフティーとなる。

 こうして2点リードとなった神戸大学攻撃は、さらに、WR#12石井、#24大園と、OLによるランホールを抜けるRB#1小椋中央突破ラン、ランパスバランスのいいオフェンスを展開してTDにまで持っていく。
 さらに第2Q終了間近の残り37秒敵陣44ヤード開始のシーンも、WR#84井上、WR#12石井へのパスを決めてFGレンジへ入ると、K#18阪本によるFGで3点を追加した。

 この日の神戸大学オフェンスは、WR#24大園が加わったこともあって、パス攻撃の幅が広がったことでオフェンスにリズムが出ていた。
 WR#24大園のパスキャッチ許容範囲が広いため、コースミスタイミングの乱れもなかったかのようにパス成功が続く。それが、他のレシーバーにも影響してパスキャッチ成功比率が高まっていく。こうして、上昇スパイラルに乗るとランもパスも、さらに、ヒートアップしていった。

 一方の同志社大学オフェンスだが、第2Qセイフティーの次のオフェンスシリーズでもある程度のランパスはつながるのだが、神戸大学ディフェンスの動きも良くなっていてLB#55宮川、#44梁、DBがショートゲインに止める。
 最後にはフィールド中央で神戸大学LB#42玉井がインターセプト、攻守リズムにのると止まらない神戸大学、という状況になった。

********

 第3Q先攻神戸大学は、QB#4大原、RB#1小椋、WR#12石井、#24大園によるが86ヤード約7分のロングTDドライブ、さらに、第4Q入って早々にはFGも追加する。

 一方の同志社大学も、第4QにQB#17多川のスクランブルランとWR#84足芝、#5上原へのミドルパスで久しぶりにテンポアップしたオフェンスを展開して1TDを返すが、試合の主導権は握れない。

 その後神戸大学は、同志社大学パントキックをブロックしてこの日2回目のセイフティーによる得点、さらにQB#11東野も最後シリーズでTDを獲得、終始攻守に優位に立っていた神戸大学の勝利となった。

********

 神戸大学オフェンスは、長浜ボウルで観戦したときと違って、ランパスにリズムあるオフェンスを展開した。ランパス均等になったことと、WR#24大園のターゲット復帰で、プレー幅が格段に広がったこともあるが、もうひとつは、やはり、ライン戦で神戸大学が終始リードしていたことが大きい。

 また、第4QにはQB#11東野もパスによるドライブを見せていたが、来年の神戸大学オフェンスの中心を十分に担っていけるだろうものを感じた。おそらく今秋リーグ戦でも登場機会はあるだろう、バックアップQBとして十分楽しみな存在である。

 神戸大学ディフェンスも、また、派手な活躍をした試合で、今年はLB中心の重厚かつアグレッシブなディフェンスチームになりそうな予感がする。DB陣の人材不足感が1個残るが、そこは、おいおいと。

********

 同志社大学は攻守とも発展途上の試合という印象だった。だが、エースRB#2太刀掛の出場機会が少なく、さまざまなプレー選手を試しているような。春の試合であり、この試合の位置づけもあるだろう。
 攻守ともラインの力強さが感じられなかったこと、ディフェンスも、あまり、積極的な動きがなかったようで、同志社大学を見るという点においては、これが全てではないという試合だった。







05月18日(日) エキスポフラッシュF 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学00303
関西大学00000
(現地観戦)
 
関西学院大学
関西大学
1Q
1Q
2Q
2Q END
3Q
FG
3Q
4Q
G×
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西学院大学の観戦した試合は約1ヶ月前の日本体育大学戦以来、そして関西大学については5月GWの龍谷大学戦に続く、ともに今春2回目の観戦になる。

 この試合の個人的に設定した観戦ポイントは、日本体育大学に大差勝利した関西学院大学ショットガンオフェンスに対して関西大学ディフェンスがどの程度機能するのだろうか。というところだった。

 関西大学ディフェンスは昨年メンバーが多く残り、DLLBともスピードのある選手が揃う。このフロント陣が関西学院大学OLとランプレーに対してどの程度の効果があるのか、さらにQBにプレッシャーが届くだろうか。
 一方で龍谷大学戦で若干不安を残した第3列DB陣についてはそのメンバー構成と関西学院大学レシーバーに対するカバーは如何にという、両方の特徴ポイントについて楽しみにしていた試合だった。

 最終スコア3−0。

 春の試合なので勝敗よりも調整確認を優先する部分がある。特に両オフェンスともプレーの選択に制限がかかっているような印象があり、関西学院大学前半はDB裏への長いパスを用いず、関西大学オフェンスも各シリーズでバックスメンバーを交代して全ての選手とプレーを確認していた様子だった。
 もっとも、それを差し引いても、両チームディフェンスが健闘した試合になった。

********

 関西学院大学オフェンスは、前半QB#16加納、後半のFGシリーズをQB#12幸田、その後はQB#17浅海によるショットガンオフェンスを展開、第4Q前半あたりまではライン含めてほぼベストメンバーで臨んでいる。

 このオフェンスだが、第1シリーズこ試合開始直後立ち上がりということで、QB#16加納スクランブルやRB#99河原へのピッチプレーで連続10ヤード超のランゲインがあったのだが。
 徐々に関西大学ディフェンスに慣れが出てくると、スクリーンやショベルパスでさえも関西大学DLやLB#2豊田、#45岡田の反応よくショートゲインに止まるようになる。

 ランプレーやクイックショートパスなどプレー自体のゲインはあるもののDLLBがタックラーとなるために最大でも7ヤード程度までで、1プレーで10ヤードを越えることがない。

 さらにDL#92福岡、#90重近がパスを投じようとするQBに手がかかりそうになるシーンも何度か発生していた。全般的にディフェンスのスピードが速くボールキャリアを正確に捕捉していたようだ。

 ただし、関西学院大学オフェンスQB#16加納が積極的には長いパスを投じなかったところが、前回日本体育大学戦と異なるところである。DLのプレッシャーを受けて無理をしなかったのか、最初からプランになかったのかは不明。
 特に試合前半は、ショベルやスクリーンなど前のほうではディフェンス分散を試みたが、ロールアウトや逆サイドへのスローバックパス等で積極的大胆にディフェンスを分断することは行わず、ディフェンスプレッシャーを正面に受ける状態でのプレーが多かった。

 もっとも関西学院大学レシーバーにもミドルパスのキャッチミスがあったが、このパスが通っていたら、もしかしたら、DLLBの動きを止めることができたかもしれない。

 第2Q関西学院大学最終シリーズ、自陣24ヤードから右コーナーWR#4太田への37ヤードパスがヒットする。(これが成功失敗含めて、おそらくこの日最長のパス)これで前半2回目の敵陣侵攻した関西学院大学だったが、残り時間少なかったこと、DL#91杉原のQBサックでドライブが止まってしまった。

********

 第3Q、関西学院大学FGシリーズ。このシリーズからQB#12幸田に交代する。自陣29ヤードから始まったオフェンスは、これまで同様ショットガンスタイルは変わらないが、前半のラン・スクリーン・ショベルではなく、QBがロールアウトしながらパスを投じるスタイルに変わる。

 この変化が関西大学ディフェンス側にわずかな乱れを生むことになったか?

 WR#4太田へ12ヤード、右ロールから右TE#42金村へ13ヤードとミドルパスが連続ヒットする。RB#22久司のランを挟んで、左ロールアウトからフリーのターゲットTE#95垣内を探し出して投じたショートパスは圧巻だった。

 敵陣30ヤード。中央ランドローとスクランブルには相変わらず関西大学DL#97中田、#92福岡によるノーゲインタックルを受けたが、FD更新まで10ヤードを残した第3D、再び、フリーのWR#87柴田を探して14ヤードパスをヒットさせて攻撃権を更新、さらにTE#86春日への8ヤードパスをつなげる。

 しかし、この第3D残り2ヤード、ランプレーを選択した関西学院大学に対して関西大学LB#2豊田が対応してTDドライブならず。パスではゲインできてもランでは関西大学フロントの壁を破ることが出来ない。結局、K#26松本によるFGキックで3点を獲得するに留まった。

 その後関西学院大学QBは#17浅海に交代。ロールアウトからのQBスクランブルと中央LB裏へWR#4太田のミドルパス、RB#39稲村へ遅いパス等で前進するが、関西大学ディフェンスプレッシャーも衰えず、相変わらずDLがパスプロテクションから漏れてくる状態。
 さらにQB#17浅海からのロングパスに対してDB#32森本がレシーバー前に割り込んだパスカット、右コーナーTDパスをDB#8飾磨がインターセプトと、関西大学パスディフェンスの動きも良くなっていった。

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 一方の関西大学オフェンスは、QBに#14原口を配してショットガンスタイルからのランパス、さらにワンポイントで#16永川をQBに起用するスタイルとなった。

 第1Q、コイントスの結果先攻となった関西大学は、リターナー#16永川が0ヤードラインから左サイドライン際を駆け抜ける71ヤードのビッグリターンによって先制のチャンスを掴む。しかし、パス失敗、QBスクランブル2ヤードまで、そして第3D右ミドルパスをDB#11深川にインターセプトされて得点機を逸してしまう。

 その後、関西大学オフェンスはショットガン隊形からのプレー組み立てを行うが、関西学院大学ディフェンスDLLBを簡単には突破できない。RBへの普通のハンドオフからの中央ランはショートゲインまで、QB#14原口スクランブル、あるいはQB#16永川のスクランブルで数ヤード、WR#16永川へのスクリーンパスもLB#7坂戸に対応されて5ヤードまでとディフェンスの壁が厚い。
 左ロングパスを見せた後のQBカウンターランで10ヤードゲインというシーンもあったが、第1Qの3シリーズはディフェンスの優位だった。

 第2Qの2回のシリーズではRB#88楠田の右OTパワープレーやQB#14原口カウンターなど。いずれも第3D終了時点で残り1ヤード未満という際どいところまで迫ったが、FD更新できない。

 その中での関西大学オフェンスの最長ドライブは、第3Q中盤RBに#22松森を配したピッチプレー中心のランゲインによる。自陣38ヤード付近からRB#22松森のオープンスイープ、カットイン、QB#16永川によるカウンター等で左右中央を突きながらのランドライブで敵陣35ヤードまで達するのだが、そこからミドルパス失敗が続いて攻撃が止まってしまった。

 第4Qには右TE#86強へのクロスパスヒットもあったが、関西大学オフェンス全体の印象としては、様々なボールキャリアを使ってみたというオフェンススタイルというのが実際のところか。ランパスの組み立てやバックスメンバーはシリーズ毎に大きく変化していて、全体を貫く一気通貫的なストーリーはなかったかもしれない。

********

 この試合は冒頭にも記したように、両チームディフェンスの堅守が光る試合だが、オフェンス側が躊躇したところを感じなくもない微妙な試合でもあった。

 その中で、関西大学ランディフェンスは硬かったが、ランパスで揺さぶられたときに、関西学院大学オフェンス側は真正面での力勝負のときに、というところが課題として見えた試合になるか。

 なお、関西学院大学オフェンススタート地点が自陣20ヤード地点付近に集中しているが、これは関西大学P#86強のパントキックの飛距離と高さが尋常ではなかったことと、カバーチームのスピードによる。
 このP#86強と関西大学ディフェンスの経験豊富な選手構成は、今年の関西大学チームの大きな特徴になるだろう。







05月24日(土) 関西学院大学第3F 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学01301427
甲南大学00066
(現地観戦)
 
関西学院大学
甲南大学
1Q
1Q
2Q
TD
FL
TD
2Q PEND
FG× 3Q
G×
3Q G×
G× 4Q
TD
TD
TD
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 試合のメンバー構成は、甲南大学が攻守ともほぼベストメンバーで臨んでいるのに対して、関西学院大学は概ねJV構成だった。同一DIVに所属していて、フルメンバーに対する相手がJVというのは、理想的建前としては如何なものかということになるが、ここは実利をとることにします。

 この試合の観戦目的は、関西学院大学の来年以降の参考にする部分もあったのだが、おそらくJV構成で来るであろう関西学院大学オフェンスに対して甲南大学ディフェンスが機能するか否か。ロースコアの競った試合展開になたときに甲南大学オフェンスが機能するか。
 甲南大学側視点に立って、どのような選手がどのようなパフォーマンスを展開するか、というところを見てみたくなって、関西学院大学裏まで足を運んだ。

********

 甲南大学は昨年の入れ替え戦で龍谷大学に勝利してDIV1に5年ぶりに復帰して今シーズンを迎える。
 2006年にも入れ替え戦に出場したが、近畿大学との拮抗した試合の末の惜敗で復帰ならず。だが、昨年2007年の甲南大学チームがもしもDIV1に存在していたらどんな試合をしていただろう、きっと面白い存在だったかもしれない、と思わせるようチームだった。

 過去に甲南大学がDIV1に存在していた頃(このHPで観戦記を書いていた頃)は、正直に言うと攻守のイメージが湧きにくい年が多かったのだが、ここ数年は、私と波長が合うというか、攻守イメージが掴みやすく試合をみていても面白いチームになった。(この部分は、私の中での個人的な趣味趣向・興味・理解度に関する部分であって、当然のことながら、一般的な多くの人の感想とは一致しません。念のため。)

 5月のエキスポでの近畿大学戦では、ディフェンスがかなりしっかりした構成になっていて各ポジションにアスリートが揃い、さらに、プレーへの集中力もある。オフェンスは、ショットガンのレシーバーもIフォーメーションの両RB(UB・TB)とも充実している。プレー精度の部分ではまだ調整段階という感じはあったが、今後の伸びシロに十分に期待できる陣容である。

********

 試合は、第1Q、関西学院大学のランプレーが甲南大学DLLBに対応されてFD更新できない状態が続いたが、第2Qに入るとQB加藤によるパスがWR#42金村、#1松原、#86春日、#9尾崎、TE#95垣内へヒットして2TDを獲得する。
 特に第2Q早々の自陣3ヤードからのロングドライブでは、長短様々にプレーアクションもありというパッシングオフェンスが圧巻だった。
(なお、甲南大学陣24ヤード地点での関西学院大学第3D残り5ヤードからのプレー途中(=パス失敗)に関西学院大学ホールディングの反則あり。甲南大学は反則を採らず、第4Dを要求する。関西学院大学は第4Dでギャンブルを選択してWR#18萬代へのTDパス成功につながっている。)

 さらに、第2Q残り1分11秒フィールド中央からロングパスを繰り返す。このシーンでは甲南大学DB#19川崎、#22田中による集中力ある玉際カットが繰り返されて緊迫したシーンとなったが、最後はWR#9尾崎へ35ヤードのTDパスがヒット、QB#6加藤が2ミニッツオフェンスを完成させた。

 ただし、試合展開としては、甲南大学ディフェンスLB#2内芝、#4中田,#7佐藤によるランプレー対応、DL#54宮本、#69尼谷、#47尾崎によるQBサックは、いずれもライン戦優位の結果。さらにはDB#19川崎、#13永井、#22田中、#27小椋によるレシーバーカバーと再三のジャンピングパスカットが圧巻だった。

 反対視点に立つと、つまり、QB#6加藤のパスヒットはDLの厳しいプレッシャーをQB独自の判断ですり抜けてのものが多く、今後が楽しみなQB、ということになります。

********

 甲南大学ディフェンス網に対して関西学院大学オフェンスはQB加藤によるミドルレンジ以上のパスに活路を見出したのが第2Qの2TD。第3Qにはパスドライブを行うもののも最後をQBサックで潰されてしまい、2TD差僅差のまま第4Qに突入する。

 甲南大学が1TDで追いついてきたところで、RB#38松岡がスピードでオーピンを捲り上げる独走65ヤードTDラン、さらに、RB#38松岡のスピードとWR#86春日、#88西山へのミドルパス2本で関西学院大学の逃げ切り勝利となった。

********

 甲南大学オフェンスは第1Q第1シリーズ、QB#11松延からWR#16吉田,#18大槻へのミドルパスを投じる。1成功1失敗だが、リズムよくオフェンススタートするかと思われたのだが、次のパスがショートして関西学院大学DB#28三木にインターセプトされてしまう。

 続く第2シリーズは、RB(UB#44野々村、TB#26高谷)によるドローとダイブに中央突破ランで大きく前進すると、WR#18大槻へのプレーアクションパスもヒット、さらに第4Dギャンブルもランで中央突破、自陣19ヤードから敵陣24ヤードまで良い調子でドライブが繋がったのだが、最後は関西学院大学LB#49池田によるパスインターセプトで攻撃終了。

 甲南大学が試合の主導権を握れる寸前のところまで迫っていたのだが、惜しい。戦前予想ではJV構成の関西学院大学を甲南大学がリードする試合展開も想定していたのだが実現ならずで、個人的にも残念だった。

 その後もFD更新まで1ヤードを残す惜しいシーンが続き、ロングドライブに至らない。

 そんな中で第4Qに久しぶりのドライブがTDにつながる。QB#11松延からWR#25檜垣への9ヤードパス、RB#13永井の右OT11ヤードで敵陣へ入ると、TE#5橘田へのプレーアクションパスはWR#81宅和の好ブロックもあって20ヤードのビッグゲインを獲得する。その後、2本のパスをつないで得点を挙げた。

********

 試合展開としては想定したなかで最も大きいところに落ち着いたという印象だが、甲南大学ディフェンスの集中力に改めて感動するとともに、オフェンスもショットガンとセットバックからのランパスバランスアタックの幅の広さを感じる。さらにTDシリーズだけ特異なところがあったりと、いろいろと懐の深さが見え隠れしている。今年の甲南大学も面白いチームになりそうだ。







06月01日(日) 横浜スタジアム 13:50
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学703010
日本大学0501015
(現地観戦)
 
関西学院大学
日本大学
1Q
TD
1Q
2Q G×
(S)
FG
REND 2Q
FG 3Q
4Q FG
TD
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 最終スコアは関西学院大学10、日本大学15。

 試合の勝敗だけを見れば日本大学の白星だが、秋のリーグ戦やボウルゲームだったら、勝利至上の試合だったら、試合終盤の展開はこのようにはならかったはず。どのような方法を使ってでも試合時間を消費したに違いない関西学院大学が、この試合終盤で敢えてタイムコントロールを放棄したのは、おそらく、春の試合だから。
 それ以外にも関西学院大学にとっていくつかの課題ポイントが見えたが、秋シーズンを安泰盤石の態勢で迎えるための意義深い試合だったのではないだろうか。

********

 コイントスで選択権を得た関西学院大学が後半行使を選択、先攻日本大学で試合が開始した。
 日本大学ショットガンオフェンスのスタートQBには#12藤本が登場する。その後、試合前半はQB#11平本とで約半々の攻撃機会を担当し、後半はQB#11平本オンリーの起用となった。一方の関西学院大学はQB#16加納が最後までオフェンスの中心を担っている。

 第1Q、日本大学最初のパントキックを、関西学院大学#99河原が左サイドライン際をビッグリターン、さらに、反則が加わって、関西学院大学は敵陣27ヤード地点で攻撃権を得る。
 このチャンスにQB#16加納からWR#18萬代へのロールアウトパスで敵陣10ヤードに迫ると、RB#99河原オープンランと中央突破ダイブ2回で、関西学院大学が先制点をあげた。

 関西学院大学は次のオフェンスシリーズも#99河原の好リターンで敵陣スタートという好ポジションをキープしていたのだが、ここでDL#99海老澤カット、キャッチミス、DBカットの3連続パス失敗。第3Dではあわや日本大学DBにインターセプトという際どいシーンも発生する。

 その後関西学院大学オフェンスは、パスでの攻撃リズムが掴めないまま、ランでも手詰まり、さらにはショートミドルレンジのパスでは日本大学DB#7矢野2回、#35秀野などにインターセプトチャンスを何度も献上、前半最後にはとうとうDB#37竹内に実際にインターセプトされてしまい、攻撃側は手詰まりになっていた。
 関西学院大学が試みていたパス飛距離は10ヤード以上のものが多かったのだが、ターゲットレシーバーが予測されるか、パスを投じるまでの判断が遅いか、あるいは、ディフェンス各人の判断スピードが秀逸なのか。
 それぞれのパスで各様だが、しかし、昨年甲子園ボウルで見せてくれた日本大学DB陣の反応とボールへの執着心は今年も健在である。

********

 第1Q中盤、日本大学自陣1ヤードからスタートした攻撃は、QBキープからRB#21中西へのハンドオフのランプレーが加わり、さらにはWR#84吉田へショートレンジ、#25藤巻のクイックイン、そして、WR#18光本へのロングパスへと攻撃ポイントが広がっていき、関西学院大学ディフェンス網にプレッシャーをかける。

 このドライブ途中のWR#18光本への縦ロングパスでは、関西学院大学DB#28三木との両者ボールキャッチ。ジャンプから着地してフィールド上を回転するのだが、お互いに最後までボールを離さない。
 ルール上「同時キャッチ」のときの所有権はオフェンス側にあるのだが、このシーンはWRDB互いに集中力のある執念のボールの奪い合いは引き分けとなったが、熱いプレーだった。

 この日本大学98ヤードドライブは4回連続の中央突破ランがノーゲインとなって攻撃権は移動するのだが、しかし、このフィールドポジションに関西学院大学パンターがエンドラインを踏んでしまい、日本大学にセイフティ2点が加わる。

 その後も日本大学はQB#11平本のパスが冴えて前半最後にFGまでのオフェンスドライブを繋げる。ショットガンレシーバーはRB含めて5人。早いタイミングでスクリメージを抜けていくレシーバー、ワンテンポ遅れてショートターゲットになるレシーバーなど多用多彩。

********

 前半終了段階では、得点上は関西学院大学がリードしているのだが、試合展開では日本大学攻守のほうが若干優勢という力関係で後半に突入。後半は、関西学院大学先攻で試合再開する。

 関西学院大学自陣27ヤードから始まった攻撃は、QB#16加納と、RB#38平田、#99河原、さらにWR#4太田へのショートゲインを繰り返して合計4回のFD更新を行う。フィールドポジションの移動距離はわずかに50ヤードほどなのだが、この間に要した時間が8分46秒、徹底した時間消費ドライブが続いた。

 このシリーズは日本大学DLLBのランディフェンスが対応できなかったというよりも、関西学院大学RB#38平田がタックルされそうになりながら最後の伸びで数ヤードゲインというのが何回かあった。RB#99河原の場合も同様で、ランナーの1ヤードでも前へという気持が、このドライブが繋がった大きな要因であろう。

 最後はFD更新に1ヤード足らない状況でFG3点止まりになったが、怒涛の時間消費ドライブで得点差は5点に広がる。

********

 日本大学も自陣30ヤードから、再びドライブ。#32中田へのパス、#18光本のランキャリなどを絡めてフィールド中央。左WR#24神山の右オープンランで関西学院大学ディフェンスが一瞬、ボールを見失う間のロングゲインでエンドゾーン前1ヤードに到達する。
 しかし、前回同様この1ヤードを2回のランプレーでは突き抜けられず。第3DQBロールアウトをLB#59吉川が追従してロスゲイン、関西学院大学ランディフェンスを攻略できない日本大学はFG3点獲得に止まった。

 この時点で第4Q残り8分33秒。関西学院大学10−日本大学8。

 関西学院大学は、第4Q8分27秒自陣29ヤードからのオフェンスシリーズ、フィールド中央まで前回同様ランドライブするのだが、フィールド中央からパスを試みる。結果は3連続失敗で第4Dパントに。
 さらに次のシリーズでもパスでドライブを試みているのだが、いずれも、本来ならばランで時計を消化するシーンだろう。ランでノーゲインでも時計は回るし、相手のタイムアウトを消化させることも可能。

 この場面、おそらく秋リーグ戦などの勝敗が重要な試合ならば、有無を言わさずに時間消費の選択をしたに違いない。だが、ここは春の試合であり、パスドライブで得点まで行きつくことが最優先だったのだろう。

********

 第4Q残り5分59秒、日本大学自陣23ヤードからの攻撃はフィールド中央でWR#19岡野へのロングポストが少し合わずに、第4Dを迎える。
 この時点で残り時間4分を切る寸前。ここで日本大学はパントを蹴るのだが、もう一度攻撃権が回ってくるのかと心配したのだが、上記理由もあって(?)、残り時間2分13秒で再び攻撃権が回ってきた。
 そして自陣36ヤードからWR#81中村への縦パス。レシーバー5人の左SEの縦パスは、QB#11平本のプレーアクションでDBが下がるのを一瞬躊躇。入れ違い気味の縦突破でDBマーク一人を抜きさって逆転TDパス。これが決勝点となって日本大学勝利となった。

 関西学院大学オフェンスが時間消費しなかったことと、日本大学ショットガンオフェンスの特にパスに対して関西学院大学ディフェンス陣が圧倒的優位ではなかったこと、そして、やはり日本大学ショットガンオフェンスのQBとWRのコンビネーションが秀逸、という結末だった。

****************

 日本大学は、敵陣1ヤードからの中央ラン突破を合計6回実施して、いずれも関西学院大学ディフェンスに跳ね返される。LB#11深川がボールキャリアを見抜いて特攻ブリッツだったりDL#93早川中心の壁が厚かったり。日本大学視点に立てば、OLパワーとQBRBのスピードパワー不足、そしてラインとバックスのタイミングの不一致というところ。

 ただし、このシチュエーションをパスで1ヤード突破を試みたのが、敵陣1ヤードシーン7回目にして初めてだったこと。ラン突破に固執していたところにも、また春の試合だということが感じ取れる。

 ということで、両チームとも相手との力試しをしている部分が多く、勝敗は二の次という試合だった。

 両校が正面激突するステージは、冬の長居、甲子園ボウルまで待たなければならないが、果たして再戦なるか。二年連続対戦となるまでには両チームともいくつかの壁を突破しなければならない。







06月07日(土) 王子スタジアム 13:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学096722
松下電工7201423
(現地観戦)
 
関西学院大学
松下電工
1Q TD
1Q
TD 2Q
PATRTD
FG
2Q END
3Q
TD
3Q
4Q TD
TD
4Q TD
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西学院大学3TD1FG、一方の松下電工は3TDとPATRTD(関西学院大学TD後のPATキックをブロックした松下電工がそのままリターンTD)。

 このような内訳にもかかわらず松下電工勝利になるのは、PATキックの成否のみによる(関西学院大学は1PATキック成功2PATキック失敗。さらに失敗した1回が前述したリターンTDにより松下電工に2点追加)。得点シーンを一つずつ追っていかないと点差の判りにくい試合である。

********

 QB#8高田率いる先攻松下電工オフェンスは、第1シリーズにRB#20石野による中央突破55ヤードのTDランによって先制する。

 その次にQB#8高田が出場してくるのが第3Q。そして第4Qのとある1シリーズでは再びベンチに下がるが、それは松下電工が得点リードしている1回。その後、関西学院大学が逆転すると再び登場してきて最後のTDドライブを完成させた。

 それではその他のシリーズで松下電工オフェンスは何をしているのか、ということだが、選手層の底上げ拡充経験値を積むために偏りなく選手起用しているということなのだろう。(なお、QBに関しては各シリーズのQBを把握しているが、ラインやその他のバックスメンバーの変化まで全て細かくは把握していない)
 最終目標白星を目指しつつ、一方で、適宜、休憩を挟む。それでも、試合の主導権は相手に渡さない。そして、最後の残り58秒フィールド中央からのタイムコントロールオフェンスによる最終逆転TDドライブは圧巻という他はない。
 その前のオフェンスシリーズでも集中力のある緊迫したドライブを展開したが、エンドゾーン目前にして関西学院大学DB#84徳井にパスをインターセプトされて1回失敗している。それ故に緊張感の高まる最終シリーズだったが、さすがチャンピオン松下電工、貫禄のシーンを見せてもらった。

********

 学生の試合では点差が大きく開いて安全圏に入る第3Q終盤からメンバーが大きく変わることもあるが、社会人の場合はそれとは少し違う。1試合48分(あるいは60分)の長丁場の中で、適当に休憩を挟みながらトータルで1試合参戦する試合がある。
 もちろん試合によっては時間経過とともにメンバーが変わって再登場しない試合もあり、試合展開や試合の位置づけなどで、起用方法は大きく変わる。

 したがって、社会人の試合を観戦するときには、何故オフェンスドライブが進むようになったのか、あるいは、なぜ攻撃が止まるようになってしまったのか。ディフェンスが機能するようになったのは何故?ジリジリ交代するディフェンスは何故?
 その理由を解明する一つのポイントとして、そのシリーズで何某はサイドラインに並んでいた?、フィールド内にいた?というところまで、詳しく追わなければならなくなる。

 2008年1月のライスボウル、第3Qの関西学院大学の猛追は、まさにそのようなシーンの中での出来事だった。
 もっとも、関西学院大学オフェンス完成度の高さが、大きく離されていた点差を猛追して、松下電工に再び緊張したオフェンスドライブを要求したことに違いはない。
 最終的には松下電工が時間消費しながらのTDドライブで逃げ切り体勢に入り、その後のパスインターセプトで止めを刺した。というのが2008年1月ライスボウルの後半戦、ということになる。

********

 今回の神戸ボウルも、そのような選手起用を見せる松下電工に対して、関西学院大学は試合前半はQB#16加納率いるショットガンオフェンスの8分ドライブと2ミニッツFGドライブにオフェンス完成度の高さをのぞかせる。
 後半にはQB#6加藤が2回の得点機をいずれもTDまで持っていくドライブを見せている。そして第4Qに逆転リードするところまでは見せた。

 その後、再び緊張の糸をつないだ松下電工に逆転されるというのも2008年1月のライスボウルと同等である。王者松下電工に感嘆するとともに、一方で関西学院大学攻守の完成度と選手個々の諦めない心意気にも目を奪われた試合だった。







06月08日(日) 関西大学 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西大学00606
早稲田大学303713
(現地観戦)
 
関西大学
早稲田大学
1Q
FG
1Q
2Q
FL
FG× 2Q
TD 3Q
FG
3Q
4Q
FG×
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 この試合を観戦しようと思ったきっかけの一つに、昨年クリスマスボウルで活躍した早大学院出身RB#30末吉と大産大附属出身のRB#15楠田の対決、という週刊誌の見出しのような興味があった。
 しかし、関西大学の今年の売りポイントの一つである強力ディフェンス陣が、簡単には1年生RBを走らせることはないだろうRB#30末吉に対して早い段階でアジャストするだろう、というところが観戦ポイントの一つ。
 さらに、関西大学オフェンスについて、もう少し見ておきたかったということもあって、久しぶりの関早定期戦の観戦となった。

 その関西大学オフェンスだが、この試合では今季初登場のQB#9宮城を起用した。今春これまで関西大学の試合は2試合観戦(龍谷大学関西学院大学)いずれもQBは#14原口による。今回出場したQB#9宮城はおそらく昨年ケガ以来の公の試合出場ではないだろうか。
 一方早稲田大学はQB#5芳賀と#16藤川を交互起用。早稲田大学については昨年秋リーグ戦で1試合を観戦したが攻守ともにあまり予備知識はない。

 結果は、関西大学6点(1TD・1PATキック失敗・2FG失敗)に対して早稲田大学13点(1TD・1PATキック成功・2FG成功)で、数字上だけならばキッキングの差だが、関西大学の1FG失敗は、できれば1TDに変わっていてもよかった。

 関西大学オフェンスは、この試合を含めて3試合とも攻撃リズムが悪い。この試合に限ればQB宮城との連携プレー部分が未調整というところもあるかもしれないが、リズムに乗れない要因は、両QB個人、あるいは、QB周辺、ではないように思う。

 最近は、エースとなる選手を決めない、マルチプレイヤーよりもスペシャルプレイヤーをたくさん養成するチームが時々見られる。関西大学も特にRBの人材に関しては様々なタレントを擁しているのだが、しかし、機械的に出場選手が入替っているだけで、場面毎に吟味されたプレー選手ではないような。今春観戦3試合目だが、攻撃選手の顔が見えずらいというところを、感じてしまった試合だった。

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 先攻は早稲田大学、第1シリーズ第2DでRB#30末吉のキャリー。右OT付近を抜けて17ヤードのゲインとなる。関西大学ディフェンスも、ファーストプレーはさすがにビッグゲインを許したが、しかし、さすがにその後はDLLB付近が概ね対応している。

 早稲田大学はその後もRB#30末吉のキャリーが多く続いたがショートゲインまで。第1QのFGは、リターナー#12坂梨によるパントリターン(反則により54ヤードリターンが28ヤードに短縮)をきっかけにして3点を追加した。

 さらに第2Q終盤にはQB#16藤川からRB#30末吉へのスクリーン、RB#30末吉をフェイクにしたQB#16藤川カウンター、そしてノーマルにRB#30末吉のキャリー。
 オフェンスバックスの工夫に対する関西大学ディフェンスの対応が後手に回ってズルズル後退という、モメンタムの部分がロングドライブに繋がっている。
 それでも、最後のTDパスを関西大学DB#23飯野がエンドゾーン内でパスインターセプトでピンチを脱出する。最終的にはディフェンスチームが対応処理したところは、さすが、今年の売りポイントと、一人感心してしまった。

 なお、この日の関西大学ディフェンス陣は、DL#92福岡、#97中田、#91杉原、LB#33大舘、#49宮崎、DB#8林、#23飯野など、おそらく今期のベストになるであろうメンバーで構成された。

 後半、早稲田大学はQB#5芳賀キープと、QB#5芳賀のパスからスクランブルラン、WR#84梶川へのロングパスヒットと、後半開始早々の速攻だったが、これも最後は関西大学ディフェンス堅守でFG3点に止まる。

 こうしてみると、早稲田大学第4QRB#30末吉の左OT76ヤードTDランは、最後の最後の関西大学ディフェンスの緩み、とするか、やはり、こじあけた早稲田大学OLブロックを見るべきか。

 なお、その他の早稲田大学オフェンスでFD更新がままならないのは、RB#30末吉のキャリーに対して関西大学DLLBDB陣が確実に対応していたことによる。今春入学の1年生RBのボールキャリ回数は、メモに残っているだけで、ざっくりとだが、各シリーズ平均1回キャリー相当程度になる。

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 一方の関西大学オフェンスだが、特に試合前半は早稲田大学ディフェンススピードに戸惑っていたところがある。RB#21境家、QB#9宮城ランともに右サイドが抜けない。DL#90榊原、#91稲葉、#3梶本など大きい早いラインによって、何度もロスゲイン奪われている。

 しかし左サイドは、QB#9宮城キープ12ヤード、13ヤードとミドルゲインが続く。関西大学第3シリーズではRB#22松森の中央突破、QBキープ左で自陣からのドライブでフィールド中央まで到達した。
 ただ、WRへのパスをここまで何回か試みているが、要所でつながらない。オフェンス自体に手詰まり感は少ないのだが、リズムに乗り切れない、もどかしいシーンが続いたが、このフラストレーションがさらに蓄積されることになる。

 第2Q終盤、再び、自陣から、RB#22松森へスクリーンから左サイドへのラン、左WR#89青木へショートパスをつなげてフィールド中央へ。さらに左WR#16永川への縦パスは左サイドライン際DB裏へ33ヤードヒットする。このシリーズで始めてWR#16永川へのパスを組み込み、さらに、左サイドへランプレーを集めて敵陣侵攻のロングドライブとなった。

 しかし、このシリーズも最終的には惜しいパス失敗レシーバーキャッチミスが続く。さらにFGキック1回目は右へ逸れて失敗。ここでタイムアップなったのだが、早稲田大学の反則によるラストワンプレーのFGトライでもロングスナップホームランという結果に終わってしまった。

********

 後半、第3Q、RB#37大丸カウンターラン2回とWR#7池井22ヤードミドルヒット、WR#16永川へ18ヤードTDパスによる速攻ドライブで初TDを獲得する。第4Qには、RB#15楠田が出場して、中央ラン突破で相手ディフェンスを引きずりながら力強い5ヤード奪取や、スクリーンパス11ヤード等でゲインを重ねた。

********

 関西大学オフェンスのリズムという点では、試合前半よりも後半のほうがテンポ良かった。早稲田大学ディフェンスに慣れた時間帯ということもあるが、ビッグゲインで一気に流れを引き寄せたドライブだった。願わくば、あと1回ぐらいオフェンスドライブによる得点シーンを見たかったが、そこは、秋シーズンに。

 どのようなオフェンススタイルになるのか、春の段階では見えない部分があったが、力強いディフェンスとの相乗効果で秋リーグ戦、楽しみにしています。






06月08日(日) エキスポフラッシュF 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
大阪産業大学0137020
南山大学067720
(現地観戦)
 
大阪産業大学
南山大学
FG 2Q
TD
TD
FG
2Q END
3Q TD
TD
3Q G×
4Q
TD
G×
END 4Q
(第2Q残り10分28秒より観戦)
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西大学グラウンドから移動しての観戦で、当初の目論見では、ハーフタイム途中に到着できればOKぐらいの計算だったのだが、幸いにも、第2Qに入った直後から観戦できた。関早戦の試合時間が長かった以上にエキスポフラッシュフィールドの第1試合も時間がかかったということなのだろうか。(当初目論みの計算ミスがなければ)

 第2Qの早い段階から観戦できてラッキーと思っていたのだが、最終的にこの試合を振り返ってみると、やはり、最初の攻防の部分も必要になってくる、そのような試合展開だった。

 サイドラインとフィールド内の選手人数だが、大阪産業大学側の人数をラフにカウントしただけだが攻守それぞれ1チームできる程度、おそらくは、攻守両面出場の選手がいたのではないだろうか。一方の南山大学は大阪産業大学の倍近いメンバーが並んでいた。

********

 第2Q南山大学自陣でのパントはほとんど真上に上がってしまい、大阪産業大学攻撃は敵陣23ヤード地点から。これをFGキックで3点に結び付けて大阪産業大学が先制する。

 直後の南山大学オフェンスのパスを大阪産業大学DB#25須藤がインターセプトして、再び大阪産業大学攻撃が敵陣スタートとなると、今度はQB#11康からWR#4中道、#15大北への早いタイミングパスが連続ヒットしてFDを更新。

 ここで南山大学LB#54佐野、#9野田、DL#98森川などが中央突破ランを2回は食い止めたのだが、3回目のランプレーでTDとなる。大阪産業大学が第2Qに訪れた2回の得点チャンスをモノにして10点先制となった。

********

 南山大学オフェンス第2Qは、QB#7増田からWR#10永井などのショート〜ミドルレンジのパスを試みるのだが、レシーバーハンドリングミス等々でパスがつながらない。

 第2Qの時間が経過して残り3分台南山大学の攻撃。自陣10ヤード。
 これまでパス中心だった攻撃が、このシリーズはラン中心の組み立てに変わる。RB#30穂積のカウンター、#22木全オープンランで合計6ヤードの後の第3D、RB#3浅野の右OTプレーがスピードにのって大きくゲインする。もっとも、追走する大阪産業大学DBのスピードも速く、一発TDランにはならなかったのだが70ヤードのビッグゲインとなった。
 これで敵陣へ入り込んだ南山大学は、さらにRB#30穂積ダイブ中央突破ランと、左コーナーWR#81兼山へのTDパスで1TDを返した。

 南山大学は、試合後半の最初の攻撃でもRB#3浅野による右OT突破のランプレーが63ヤードのビッグゲインを獲得、そして、得点につなげている。

 一方の大阪産業大学も第2Q終盤のFGはWR#24のクロスパス33ヤード、第3Q最初の得点はRB#22木村の27ヤードとWR#1粕井へ縦パス33ヤード、いずれもビッグゲインプレーが関係している。

 つまり両チームとも、オフェンスのドライブがつながらない。テンポが悪い。(第1Qあたりではオフェンスが気分よく進んでいたのかどうかを知りたいところだが。)

********

 第3Q中盤になって、ようやく南山大学が自陣0ヤードからの#30穂積パントリターン、RB#22木全、#3浅野、#30穂積というRB陣の連続ランゲイン、途中で第4Dギャンブルもクリアしながら、敵陣深いところまでのロングドライブがつながった。
 このシリーズは最終的には敵陣7ヤードでの残り2ヤードを残したギャンブルランプレーを大阪産業大学ディフェンスに遮られてしまったが、第4Qでも再びRB#3浅野、#30穂積によるそれぞれ12ヤードゲインでリズムに乗ると、最後はDB2人に囲まれたWR#10永井へのTDパス、ボールを確保して同点のTDを奪った。

 ところで、南山大学オフェンスが力で圧倒する様子が見えてきたのが第3Q後半。このあたりになるとチーム選手層の部分も出て来るのかもしれないし、無関係なのかもしれない。この部分が今後秋のリーグ戦で重要なポイントとなるのだが、それは秋のお楽しみ、ということで。






06月08日(日) エキスポフラッシュF 16:20
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
流通科学大学06006
滋賀大学773724
(現地観戦)
 
流通科学大学
滋賀大学
1Q
TD
1Q
2Q
TD
TD
FL
END 2Q
3Q FG
G× 3Q
4Q G×
TD
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方





6月14日(日) 王子スタジアム 16:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学01731434
明治大学07007
(現地観戦)
 
関西学院大学
明治大学
1Q
FL
1Q
TD 2Q
G×
FG
TD
TD
2Q END
3Q
FG
P×
FG×
3Q
4Q
TD
FL
TD
FL
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西学院大学オフェンス前半はQB#16加納による春終盤戦恒例のノーハドルオフェンスを展開、後半はQB#6加藤による。

 第1Q関西学院大学オフェンスは、QBがターゲットを探している状態を察知したWRが#18萬代がフリーをアピールして、TE#95垣内がタックルを引きずってゲインFD更新する一方で、明治大学ディフェンスのハードヒットでパスキャッチ失敗やファンブルロストも続く。
 昨年の甲子園や今春ヨコハマで日本大学ディフェンスのハードヒットの洗礼を受けたが、これを踏まえての部分とそうでないところと、斑模様になっている?

 しかし、第2Qに入ってからは、ようやく関西学院大学オフェンスにリズムが出て来る。きっかけはQB#16加納キープスクランブル。その後はRB#38平田ラン、WR#82中山へ連続パスヒット。さらに、RB#21稲毛、WR#4太田と続いた怒涛オフェンスが爆発、こうして関西学院大学が先制する。

 さらに第2Qには、明治大学による第4Dギャンブル失敗のフィールドポジションを、パス連携の悪い部分があったのは残念だったが、FGへと結びつけた。

 そして圧巻は第2Q終盤残り1分30秒自陣20ヤードからのシリーズ。時計を見ながら&止めながらのオフェンスが素晴らしかった。
 QB#16加納スクランブル、WR#4太田へ連続ヒット、さらに#1松原、#9尾崎へ短いパスをつなげて敵陣16ヤードの時点で、残り0分24秒。
 ここからフォルススタートとインサイドラン突破は、選択的集中力的に微妙なところだが、最終的にはWR#82中山へTDパスをつなげた。

 今年もショットガンレシーバーは複数人存在してエースターゲットが決まらない/決めない状態だが、その中ではWR#4太田が、目立たないが良い仕事をしている。その他にもWR#18萬代、#82中山、TE#95垣内、#87柴田など。

 試合前半ノーハドルオフェンスのリズムが掴めなかっただろう第1Qこそチグハグな面もなくはなかったのだが、第2Qに入ってからのQB#16加納筆頭のオフェンスは、ほぼ現時点でのイメージに近い内容だったのではないだろうか。

********

 一方の関西学院大学ディフェンスだが、DL#93早川、#98黒澤、#51川島、LB#90古下、#7坂戸などほぼ今季のベストメンバーに近い状態だったのだが、明治大学RBのインサイドのランプレーに、かなり、悩まされている。第2Qの失点はRB#6宇佐美、#29小谷田、#33喜代吉の中央ダイブなどクイックヒット系で1回10ヤード超ゲインが続いての失点になる。

 ただし、明治大学もオフェンス組み立ての中で、長短パスが加わるとパス精度が悪いのが致命的でプレー展開できず、結果として3回の攻撃で10ヤードを越えない部分に関西学院大学側が助けられた一面もあった。

 これまでの試合でも、関西学院大学ディフェンスがLB裏付近への短いパスや中央ランなど、何かをきっかけにズルズルと後退が続くするシーンが発生する。相手攻撃側が、そこでプレーを変えてしまう、ゲインできているプレーをやめてしまうのは何故だろうと思うのだが、素人考えなのだろうか。と、それはともかく。
 反対の立場、つまり、関西学院大学ディフェンス側から見ると、同じようなプレーで連続でゴリゴリいかれるすぎで、そこを打開する方法がない?。プレー的には止まりにくいものではないように思うので、気持ちだけのことの場合が多いのではないだろうか。

 全てのプレーに対して完璧なディフェンス網あるいは選手構成を構築するということは、限られた資源では達成不可能で、最後は選手間のコンビネーション連携に頼らざるを得ない。
 さて、今季の関西学院大学ディフェンス、盤石なようで盤石ではないけれども、スマートかといえば重厚感のほうが勝るイメージがあるが、どのようにステップアップしていくか。潜在能力では、近年ではもっとも硬いものになりそうだ。

********

 明治大学オフェンスは、QB#16田中RB(UB)#6宇佐美、#29小谷田、TB#33喜代吉によるパワーラン、ノーマルTからのクイックヒットなど、重厚なランプレーでゲインを稼ぐ。これでゴリゴリ進むようだと相手ディフェンスから見ると厄介なオフェンスになりそう。
 パスは長短さらにはフリフリもあったが、コース飛距離等々QBWRのパス精度があいまいなところがあるが、そのあたりがUPすれば面白そうだ。

********

 関西学院大学後半はQB#6加藤による。第1シリーズはロングパスをインターセプトされたが、RB#27浅谷カウンターランでFGレンジまで、次のシリーズでもTE#42金村へ24ヤードミドルパスヒットと、1プレーで得点圏に入るのはフィールドポジションによるところも大きい。

 そして第4Qには、QB#6加藤、RB#27浅谷のランと、WR#4太田の連続キャッチでFD更新を重ね、最後はRB#14松岡がTDを決める。さらに第4Q終盤にも、敵陣27ヤードからRB#14松岡が左OTを抜けてTDを獲得、ファイナルスコア34−7とした。






06月22日(日) エキスポフラッシュF 13:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
甲南大学070310
名古屋大学06006
(現地観戦)
 
甲南大学
名古屋大学
1Q FL
1Q
2Q
TD
TD
G×
END 2Q
3Q
3Q
4Q
FG
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 最終スコアは甲南大学10、名古屋大学6。戦前予想として自分勝手に考えていたスコアと若干のズレがある試合結果になった。

 春の試合なので各チームごとに試合に対する思い入れ・目標・目的は、おそらく、異なるだろう。勝利至上の秋の本番とであればは、この点が大きく違う。という点を考慮するべきなのか、否か。

 春の試合日程が発表された段階で、甲南大学が関係する試合の観戦予定は全部で3試合(神戸近大名大)の予定だった。ところが、万博での近畿大学戦で甲南大学ディフェンスのスピード・集中力を見て関学戦を観戦するに至る。その観戦記はまだないが、関学戦でもいい感じのディフェンスを展開していた。
 オフェンスはリズムに乗り切れないところがあるけれども、RBWRともに人材は揃っているので、きっかけがあれば更なるステップアップもありそう。というところが、これまでの甲南大学攻守に対して考えていたことだった。

********

 これを踏まえて、この甲南VS名古屋の戦前予想として考えていたことは次の2点。

 名古屋大学オフェンスがどのような仕掛けで臨んでくるのか不明だが、甲南大学ディフェンスに対してかなり苦しむかもしれない。その中で数少ないチャンスをモノにするための方法が名古屋大学攻撃にあるのかないのか。

 一方で名古屋大学ディフェンスが甲南大学オフェンスに対してある程度機能すれば、もしかしたらもつれる可能性もなくはないが、テンポが悪いなりにも3〜TDくらいは獲得できるのではないか。

 このようなところを観戦ポイントにおいて試合に臨んだ。

********

 つまり、試合結果と戦前予想とで若干のズレがあるところは、甲南大学オフェンスと名古屋大学ディフェンスの攻防に関する部分で、実際の得点は1TD1FG。  1TDはリズムのあるオフェンスドライブによるものだったが、FGはディフェンスのパスインターセプトで得たフィールドポジションによるもので、オフェンスの得点は実質1TDのみ。
 それ以外のシリーズは、甲南大学RB(TB)#26高谷、#34永井、(UB)#31糟谷のランプレーがショートゲインに止まることが多く、スピードのある名古屋大学ディフェンスに手を妬く状態が続いている。

 なお、この試合の甲南大学QBは#11松延が中心だが、#13京極もかなりの頻度で起用されている。また、パスは短いパスが多かったが、他の試合と比べると、ランプレーの比率が高かったように感じる。そのランプレーもインサイドを突くプレーが多く、オープンへの展開が少なかったのだが、ピッチプレーに対する名古屋大学DLLBのスピードを警戒したためなのだろうか。

 このあたりの甲南大学オフェンスの内容が、果たして、春の試合という位置づけによるものなのか、試合展開上の選択ということなのか。ここが微妙なところになる。
 試合後半、もしも名古屋大学が逆転リードしていれば、もう少し意図するところが明確になるのではないか、第2Q終盤のランパス怒涛のオフェンスが再現されるのではないかと楽しみにしていたのだが、残念ながら、名古屋大学に追加点が入らなかった。

********

 その名古屋大学ディフェンスは、全体的にスピードがあってボールキャリアに集まるスピードが速い。さらにライン戦は互角以上だったので、LBが自由に動きまわっていて、LB#5大嶋は中央突破のランプレーに対して悉く絡んでショートゲインに止め、DL#45輪達、LB#43上田は外への展開にビッグプレーを繰り返す。試合最後までLB#5大嶋のがスピードが落ちなかったことが印象に残る。
 このようにDLLBのスピードが速いにもかかわらず、すれ違いやタックルポイントを外されることがなく、ミスタックルらしいものが見られなかった。

 名古屋大学オフェンスはQB#6野田によるセットバックからのランパスバランスアタックを展開したが、RB3人セットからノーバックまで、引き出しは多い。試合前半でフレックスボーンからのピッチプレーとパスを絡め、後半ではパスに重点を置いた組み立てを行った。

 試合前半は、ランプレーでゲインしていたような印象だったのだが、振り返ってみると、WR#88友枝や#12佐藤をターゲットとした速いタイミングのパスもかなりヒットしている。RB#17溝口、QB#6野田キープを含めたバランスアタックが機能していたということだろう。
 しかし、第2Qに第3D終了して1ヤードを残すシーンが2回。チャートには現れない惜しいシーンがあった。

 対する甲南大学ディフェンスは、特に試合前半のランプレーに対してこれまでの他の試合ほど圧倒できなかったのは、RB3人に戸惑ったかその他の要因か。
 ただ、後半の名古屋大学パスオフェンスに対しては、DL#67塚本、#54宮本などラインが健闘してQBサック等のロスゲインを奪い、さらにはDB#4中田、LB#43溝淵などによる3回のパスインターセプトで名古屋大学の反撃を封じた。

********

 第2Q名古屋大学の得点シーンは、甲南大学のパントを#3がフィールド中央から40ヤードリターンしたことによる。試合開始直後のリターンでも#31若山が25ヤードのビッグリターンを見せているが、この高速リターナー両名は、ともにディフェンスDBのポジション。昨年までは#6野田のリターンスピードが注目されることが多かったが、その後継者となった。

********

 第4Q残り時間2分24秒名古屋大学自陣26ヤードからの最後のオフェンスシリーズ。ゲームクロックを背にしたドライブは、フィールド内もサイドラインも時間が消費されていくことに対してルーズなシーンが続いている。
 その結果、敵陣35ヤードで残り時間25秒。ロングパスターゲットがWR#12佐藤オンリーだったこともあって、甲南大学のレシーバーマークが厳しく、DB#4中田にインターセプトされてしまった。

********

 名古屋大学ディフェンススピードにニンマリとして、攻撃はリズムに乗り切れないところがあったがランもパスも今後の可能性が見えた試合だった。今年の秋も東海方面への遠征機会が増えそうだ。

 ところで、名古屋大学14−16大阪大学という結果があるのだが、さて、どんな試合だったのだろう。スコアと試合内容は必ずしも一致しないのだが、興味が湧いてくる。






06月22日(日) エキスポフラッシュF 16:10
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
和歌山大学70007
滋賀大学070613
(現地観戦)
 
和歌山大学
滋賀大学
RTD 1Q
FL
1Q
2Q FL
TD
2Q END
3Q
FL
FG×
3Q
4Q
TD
G×
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方






06月28日(土) エキスポフラッシュF 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
京都大学0314017
日本大学7147735
(現地観戦)
 
京都大学
日本大学
1Q TD
RFL 1Q
2Q TD
TD
FG
2Q END
3Q
TD
TD
TD
3Q
4Q
FL
TD
FL
4Q REND
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 先攻日本大学は、第1シリーズ自陣20ヤード、QB#11平本右ロールから左WR#18光本へのクロスルパス30ヤードがヒット、さらにWR#22金井へも16ヤードのパスがつながる。開始早々の速攻ドライブは、右WR#81中村への中央ショートパスキャッチからのランでTDにつながる。

 こうして日本大学ショットガンオフェンスに対して京都大学がズルズルさがってしまうシーンが続くのかと思ったのだが、その後は少し様子が変わった。

 日本大学OLのパスプロテクションを京都大学DLLBが簡単に抜けてQBにプレッシャーが届くようになり、QBが逃げ惑うシーンが頻発、さらにピッチプレーに対してもDB#47阿部など京都大学ディフェンス陣の早い動きで対応、日本大学が2シリーズ連続のFD更新なしパントに追いやられた。

 とは言うものの、やはり、日本大学QBWRの高度かつ緻密な連携プレーが発揮されたのが第2Q自陣40ヤードから。圧巻のコンビネーションプレーが展開された。
 QB#11平本がディフェンスプレッシャーを逃げながらフリーのターゲットを探す。一方のWRもDBのマークを外してフリー状態を作り出す。
 このコンビネーションでWR#83佐々木に23ヤード、#24神山に33ヤードのパスがヒット、途中にWR#81中村へのショベルパス23ヤードと、QBWRで3個目のTDドライブが完成した。プレー的には完全に崩れているのだが3回の攻撃の中で1回のミドルパスが繋がればOKというショットガン、QBの個人技とQBWRの信頼によるところがすごい。

 なお日本大学2個目のTDは、日本大学パントキックのボールを京都大学リターナーがファンブル、再び日本大学が敵陣での攻撃権を得たことによる。

********

 京都大学オフェンスQBは#10桐原。そしてこの日も選手起用面では、RB#11武藤のクイックヒット中央突破ラン、TE#20永田へのクイックパスという、またまた一風変わったコンバートが行われた。

 オフェンスは、第1プレーでUB#11武藤の中央クイックヒット4ヤードゲインしたものの、その後は、DL#92冨田、#90小宮、LB#8長島など日本大学ディフェンスの壁にRB#85上田、#11武藤が跳ね返されてしまう。QB#10桐原のカウンタークイックヒットで11ヤードゲインがあるものの、ほとんどノーゲインに止まってしまった。

 だが、この日は短い速いタイミングのパスが有効で、QB#10桐原からサイドライン際へ、あるいは、外側のWRがインサイドへ切れ込むコースで、5ヤード程度のパスが確実にヒットしている。

 このパスコースから少しでも長いレンジになると、パス失敗になったり、インターセプトされたり、日本大学ディフェンスの餌食になる。さらにWRもパスキャッチミス等々なので、本当にピンポイントのオフェンス生命線だったのだが、第2Q終盤のFGドライブは、この短いパスがきっかけとなった。

 自陣23ヤード、QB#10桐原から左WR#8吉村へのショートパスはパスキャッチと同時にステップでCBをかわして左サイドライン際を59ヤードのビッグゲインとなる。
 敵陣16ヤードからは、ピッチプレー2回のオープンランはゲインできず。さらに、スクリメージラインの間違いからタイムアウト消費、等々で最後の詰めが甘かったが、京都大学がFG3点を返した。
********

 第3Q日本大学はロングパスを試みる。第1D、オフェンスから見て右サイドにセットしたWR#81中村とDB#47阿部の競争。DB#47阿部がついていて、さらに、飛距離が僅かにあわずにパス失敗。
 第2D、DB#14田畑のパスカットと続くが、WR#24神山へ縦28ヤードでFD更新する。
 そして第1D。左セットにセットしたWR#81中村とDB#47阿部の攻防は、パスボール着地地点がエンドゾーン0ヤード付近。パスキャッチと同時にTDとなったが、DB#47阿部が、それなりにレシーバーについていたのが印象に残る。

 一方の京都大学攻撃は自陣36ヤード付近。左WR#82中村へのロングパスに対するDBは#38高久。試合前半はパス失敗の続いた#82中村だったが、ここではしっかりと捕球してそのままTDゾーンを目指す。追走するDBがタックルしていれば、もしかしたら手にかかったかもしれなかったが、そのままWR#82中村がエンドゾーンンに駆け込んで京都大学TD7点獲得となった。

********

 第3Q中盤から日本大学ディフェンスは、ほとんどのポジションでメンバー交替が行われた。
 これに対して京都大学オフェンスは自陣44ヤードから。QBラン、WR#82中村、#8吉村、RBダイブは、いずれも一桁ゲインだが短いパスとランをつないだテンポの良いTDドライブを行っている。

 なお、このシリーズ以降日本大学はDLだけは#90小宮、#99海老澤が復帰している。

********

 第4Q、日本大学QB#10山城が登場、パスフォームがまだベストの形のなっていないようだったが、そこはおいおいということで。
 そのことが原因ではないと思うが、自陣49ヤードからRB#29水谷、#30赤堀によるショットガンセットのランドライブで得点した。なお得点シーン最後はQB#14浅池、RB#36宍戸。

********

 日本大学に関しては、ヨコハマボウルでも観戦していたので、ある程度の予備知識はあったが、OLのパスプロテクションが持たないのは、秋リーグ戦以降でどのように影響してくるか。強烈なDLLBを擁するチームが関東リーグ戦日本大学側ブロックに存在するか判らないが、ショットガンオフェンスの生命線でもある。
 ランプレーでもRB#21中西、#30赤堀、#29水谷から効果的なゲインプレーがなかったように思うが、これもOLブロック力との兼ね合いの部分があるか。

 日本大学オフェンスは個人技的に得点を重ねている段階で、パスプロやランプレーなどの部分は、これから変化していくかもしれない。
 さらに、ヨコハマでも感じていたのだが、パントキックフリーキック後のキックカバーが悪く、かなりのリターンを許している。このあたりも、秋前には解消されていることとだろう。

********

 京都大学はディフェンスがいい。DB#47阿部、DB#14田畑、#15前川のパスディフェンスが秀逸で、この日もパスインターセプトが1回。一昔前はDBパスディフェンスに課題という時期もあったが、近年は充実している。

 オフェンスランプレーは、日本大学DL#90小宮、#92冨田、#99海老澤、#91榎本、LB#8長島、#31小泉などの強烈なフロントパワーに対して、インサイドもオープンも手詰まりだった。QBやUBのクイックヒットでどこまでゲインできるかという状態だったが、RB(UB)#11武藤、(TB)#85上田、QBまで、という選手層の部分もある。

 一方でQB#10桐原からの短いクイックパスでドライブできそうなのが強み。FGシリーズは日本大学LBDBの追走でTDプレーにはならなかったが、実は、一発の可能性を秘めているパスである。ターゲットはWR#8吉村をエースターゲットに、TE#20永田など。

 もう少し長めのパスは、レシーバーのパスキャッチミスが頻発していたが、京都大学パスは計算できる可能性のあるプレーに変貌するかもしれない。そのあたりは、秋の楽しみということで。







06月29日(日) 近畿大学G 10:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
近畿大学00303
内外電機00000
(現地観戦)
 
近畿大学
内外電機
1Q
1Q
2Q
FG×
2Q END
3Q
FG
3Q
4Q FL
FL
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方






07月05日(土) 長居第2陸上競技場 18:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
BLUE STARS03339
WHITE STARS70007
(現地観戦)
 
BLUE STARS
WHITE STARS
FL 1Q
TD
1Q FG×
2Q
P×
FG
FL
2Q END
3Q FL
FG×
FL
FG 3Q
4Q
FG
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


ブルー:関西学院大学・関西大学・神戸大学・甲南大学・大阪産業大学・大阪経済大学・大阪学院大学・大阪体育大学・大阪府立大学・大阪工業大学・天理大学・流通科学大学・和歌山大学・神戸学院大学・テキサス大学エルパソ校

ホワイト:立命館大学・京都大学・近畿大学・同志社大学・龍谷大学・追手門学院大学・桃山学院大学・大阪大学・大阪商業大学・滋賀大学・カリフォルニア州立大学フレズノ校

********

 ブルーオフェンスは、第3Q終盤まで関学中心バックスユニット、関大バックス中心ユニットが第4Qを担当する。OLは関学関大混成スタイルが中心となる。
 一方のホワイトオフェンスはカリフォルニア州立大学QBが試合前半、第2Q終盤から第3Qを立命QB、第4Q同大QB、最後は再びQBという順番だったが、その他のバックスは混成チームらしい各校入り混じる起用方法、OLには立命京大ラインという混成チームらしい形になった。

 さらに、ディフェンスは、ブルー側は、関学関大中心におそらくユニット的には1ユニットで個人が適時交代する形、ホワイトも立命京大中心2ユニットあるかないかという選手構成での対戦となった。

 試合は、ほとんどディフェンス優位の力関係のまま進んでいく。最終スコアはブルーが3FGによる9点、ホワイトは1TD7点だが敵陣でのターンオーバーがきっかけによるもので、両チームともオフェンス側視点に立てば納得のいく試合ではなかったかもしれない。

*******

 第1Q、ブルー自陣でのランプレート中にファンブルロスト。攻撃権がホワイトへ移動して敵陣15ヤード地点でFD。QB#22E.Rodriquezから左コーナーWR#19森(近大)へのスローバック気味のエンドゾーン左コーナーへのTDパスで先制した。

 その後ホワイトはQB#22E.RodriquezからWR#84J.Fairman、WR#80呉田(立命)、RB#1太刀掛(同大)のラン、さらにQBキープでミドルゲインを連発し、試合の流れがホワイトに傾きかけたが、ホワイト敵陣での攻撃をLB#9J.Jonesによる連続ブリッツでドライブが止まる。

 さらに次のホワイトRB#26松森(立命)、#1太刀掛(同大)、#29吉田(近大)によるランドライブをLB#52T.J. Monroe、DL#73J.Wardなどが対応、試合の流れがホワイトに傾きかける寸前でブルーディフェンスの執念がモメンタムをイーブンに引き戻すという攻守の綱引きが続いた。

 一方のブルーは、QB#16加納(関学)によるミドルパス狙いに対してホワイトDLプレッシャーが厳しかったり、長い距離のパスが本来のプレーでないなどでなかなか攻撃のリズムに乗れない。

 ホワイトディフェンスはDL#90久司(立命)、57武知(立命)、#41内尾(京大)、#61加藤(近大)、LB#9藤井(近大)、#99岸本(立命)、#91三井(京大)という大型選手陣に、さらにカリフォルニアLB#46J.Jones、#50G.Chiarmonteが加わるという布陣で、ブルーの関学関大中心のOLユニットとの力関係はDLが若干優勢。その中でQB#16加納(関学)パスタイミングが乱れてしまった。

 ブルーオフェンスは攻撃のきっかけになるプレーがなかなかみつからなかったのだが、第2Qに入ってからQB#16加納(関学)キープとRB#21稲毛(関学)のドローに活路を見出すようになった。
 そしてホワイトのパントキックをブルー#27T.McCullouchがパントブロック、ブルーがこの試合始めて敵陣での攻撃権を得るとRB#21稲毛(関学)ドローミドルゲイン2回でエンドゾーン目前に迫る。最後はホワイトDB#27吉田(近大)のパスカット、DL#90久司(立命)、#57武知(立命)のブリッツに遮られるがK#30小原(関大)がFGを決めて3点を返した。

********

 第3Q、ブルーはターンオーバーで得た敵陣攻撃権もFG失敗、ホワイトはQB#16松田(立命)からWR#84J.Fairman、WR#80呉田(立命)へ2本のミドルパスで敵陣侵攻もDB#11深川(関学)のパスカットで浮いたボールをブルー確保で攻撃権交代。

 第3Q終盤、ブルーオフェンスはQB#16加納(関学)から右TE#86強(関大)、RB#21稲毛(関学)ドロー中央突破ファンブルリカバーによるFD更新、さらにQBドローでも8ヤードゲインと前進を重ねる。パスよりもランドロー系のランプレーで進むのは試合前半同様で、さらに、時折のパスヒットというオフェンス組み立てが続く。
 対するホワイトディフェンスもLB#99岸本(立命)、#91三井(京大)、DL#41内尾(京大)などの堅守によって、ぎりぎりの攻防が続く。最後は、やはりK#30小原(関大)によるFGで得点を重ねた。

 こうして、スコアは第3Q終了時点で、ホワイト7−ブルー6。

 ここまでブルーオフェンスに対するホワイトディフェンスのパワースピードは、かなりオーバーパワー状態。一方、ホワイトオフェンスは、ある程度ゲインするものの、最後をブルーディフェンスがなんとか抑えるという試合展開で第4Qに突入した。

********

 第4Q、ホワイトはQBに#17多川(同大)を2シリーズで起用、ダイナミックなQBキープスクランブルで敵陣侵攻ドライブも最終的にはブルーディフェンスの堅守でクイックヒット0ヤード、スクリーンパス0ヤードゲイン。その後もWR#82中村(京大)への横パスをDB#24辻(大産大)のカバーで0ヤードゲインなどブルーディフェンスの反応がいい。

 そしてブルーは、バックス(RBWRQB)を全て関西大学選手に交代する。1回目はQB#14原口(関大)とレシーバー陣のコンビネーションが悪かったが、2回目のシリーズが逆転FGにつながるのロングドライブとなった。
 自陣14ヤード残り時間5分39秒から、RB#37大丸(関大)のドローでFD更新、その後WR#15永川(関大)、TE#86強(関大)、さらにWR#12森田(関大)へのクイックパスと、速いタイミングのパスが矢継ぎ早にヒットを重ねる。
 さらにRB#22松森(関大)ドロー、WR#87柴田(関学)、#89D.Robinsonへのパスヒットとリズムのいいランパスドライブを展開、5回のFD更新により敵陣17ヤード。ここからホワイトディフェンスに若干のメンバー交代があってブルーのTDシーンはならなかったが、試合残り時間1分19秒K#30小原(関大)がこの日3回目のFGキックを決めてブルーが試合を逆転した。

 その後のホワイト攻撃は自陣27ヤード地点から。残り時間1分13秒、QB#22E.Rodriquezが復帰して逆転の長いパスを狙ったが、DLのQBサック、ミドルパスをDBカットにより再逆転にはならず。

 結局、ブルーにはTDによる得点がなかったのだが、K#30小原(関大)による3FGが勝利を引き寄せたが、たとえロースコアであってもFGで得点を重ねていく関西大学、攻守ラインの人材排出はやはり京都大学と唸らされ、さらに、ブルーとホワイトの攻守の力関係やモメンタムの移ろい具合・傾き具合はリーグ戦の某試合を予感させる、秋に向けて興味を誘い出すような試合だった。

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 春の最終戦NEWERAボウルは、オフェンスドライブができないなかで、一つのファンブルターンオーバーが失点につながり、スペシャルチームとくにキッカーが得点を重ねていく展開になった。
 今回はパンターのコントロールパントキックが試合結果を左右することはなかったが、ロースコアの試合を決めるポイントとして挙げられるいくつかのシーンを試合中に見ることができた。

 今年の関西学生DIV1は各校ともディフェンスのほうが整備されているようなので、おそらく今秋リーグ戦も、今回のようなロースコアの試合が、何回か観られることになるだろう。そのときに試合の行方を左右するポイントは上記の通りです。

(了)







01月10日(土) 王子スタジアム 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学生AS0710017
X−WEST AS00000
(現地観戦)
 
関西学生 AS
XWEAST AS
1Q
G×
FL 1Q
2Q P×
TD
2Q END
3Q P△
FG
TD
3Q P×
4Q
FLG×
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方






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