関西高等学校選手権大会 決勝 結果



関西大会 



06月21日(土) 王子スタジアム 14:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
大産大附属高校212314058
関西大倉高校00000
(現地観戦)
 
大産大附属高校
関西大倉高校
TD 1Q
TD
TD 1Q
2Q
TD
(S)
TD
TD
2Q END
3Q
TD
FL
TD
3Q
4Q
G×
G×
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 高校大会決勝の対戦カードは5月の大阪大会決勝の再戦となった。結果は大産大附属高校オフェンスが8シリーズ連続のTDドライブを行い、ディフェンスも関西大倉高校の攻撃をシャットアウト、さらにセイフティー2点も獲得して58−0、大産大附属高校の勝利となった。

 大阪大会の対戦では、試合序盤に均衡した展開がみられたこともあってこの関西高校大会決勝での再戦を楽しみにしていたのだが、今回は、攻守/守攻とも、残念ながらかなり早い段階で趨勢が決してしまった。

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 コイントスで選択権を得た大産大附属高校先攻で試合開始。

 第1DはRB#22井上の右スイープ。これに関西大倉高校LB#9石井が対応して3ヤードまで。第2Dでは#22井上の左スイープ。これも関西大倉高校ディフェンスが5ヤードに止める。
 しかし、第3D、ボールキャリーは三度目もRB#22井上。右ピッチからのランプレーは、右OTを抜けたところで内へ切れ込んでディフェンス網の隙間に飛び込んだところで、すでに二アリートップスピード。セイフティDBをかわして55ヤードのTDランとした。

 大産大附属高校オフェンス第2シリーズは、UB#39山崎のダイブ中央突破33ヤードとRB#22井上の右スイープから再びステップを踏んで左へ飛んで20ヤードのTDランとなる。

 サイズの大きい選手が揃ったOLが作り出した走路を、RB#22井上と#39山崎が巧みに走り抜けていく。スピードとパワーとランテクニックに対して関西大倉高校ディフェンスもDL#10、LB#44石井などが一度はノーゲインタックルを決めるものの、1回のゲインで帳消しになってしまう状態だった。

 そして3回目はRB#22井上スイープが3ヤードショートゲインに止まった第2D、左WR#23中村へプレークアクションのミドルパスがQB#10荒木からヒット、これが66ヤードのTDパス(20ヤードパス+45ヤードラン)。第1Qだけで3TDを獲得する。

 ここまでは、ランでもパスでもビッグゲインで得点を重ねた大産大附属高校オフェンスだったが、第2Q、フィールド中央からランパスで刻みながらTDドライブを展開する。
 UB#39山崎ダイブ中央突破と、UBブロックのTB#22井上の右オープンラン11ヤード、さらに、QB#10荒木が、おそらくセカンドターゲットだったであろうWR#9宜本へのショートパスを決めて敵陣22ヤード。最後はRB#22井上が中央突破のTDランによって第2Q残り6分21秒の時点で4個目のTDを奪い、得点差を広げた。

 その後も、フリーキックリターンで#9宜本がブロッカーを上手に使った40ヤードリターンを見せて敵陣へ、そしてTDにつなげると、前半最後にはDB#1砂川のパスインターセプトリターンをきっかけにして6個目のTDへとつなげた。

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 一方の関西大倉高校オフェンスだが、QB#11福井から左右サイドライン際WR#7新田への早いタイミングのパスだけはヒットするものの、RB#33長山のランプレーが大産大附属高校のDLLBに完全にマークされてショートゲイン止まりになってしまう。

 第1シリーズの2回のFD更新は、いずれもWR#7新田へのショートパスによる。しかしフィールド中央でショベルパスをDLに反応されてパスカット、さらにLB#43綾部によるQBサックロス15ヤードで1回目の攻撃はパントとなる。

 関西大倉高校オフェンス第2シリーズは、3プレーともQB#11福井によるカウンター、オプションキープ、ドロー。RB#33長山やパスをフェイクにした考え抜かれたプレー選択だったが、DL#54高橋他DLLB陣の集まりは早かった。

 そして第3シリーズ。QBのボールキャリーで種蒔きをしたにもかかわらず、RB#33長山のカウンターランに対してLB#2松岡のタックルは確実にヒットした。  WR#17押谷へロールからのショートパスで1回はFD更新したもののの、RB#33長山のランプレーで突破口が空かない苦しい状態は変わらない。さらにQBロールに対してDLプレッシャーも厳しくなっていく。

 関西大倉高校オフェンス4回目の攻撃。右WR#17押谷の左リバースを大産大DLに詰め寄られて15ヤードロス、さらにフォルススタート罰退が加わり、第3Dではエクスチェンジの乱れからセイフティーを献上する。
 関西大倉高校オフェンスは様々な工夫を試みてはいたのだが、それを上回る大産大附属高校DLLB、#2松岡、#1砂川、#69小林、#54高橋などのパワーと反応スピードに戸惑い、完全に手詰まりに陥ってしまった。

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 試合後半、関西大倉高校はQB#7新田に交代して突破口を求めるが、状況は大きくは変化しない。第4Qに入ってからRB#33長山、#21野々垣によるランプレーによるFD更新が続いたが、大産大附属高校ディフェンスを崩すまでには至らず。一方の大産大附属高校は、第3Qに2TDを追加して圧倒的なリードをつけて試合の行方を決した。

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 大産大附属高校ディフェンス今春の失点は、3TD(清風・関倉・関学)2FG(関学)。

 大阪大会決勝での関西大倉高校に対する失点は、試合開始直後だったが、かなり押し込まれ圧倒されていて、サイドラインコーチ陣からディフェンスフォーメーションに対して終始声が入っていただのが、この試合では、大産大附属高校ディフェンスが付け入る隙を見せないまま試合が終わってしまった。
 この点では、2FG1TDの失点となった関西学院高等部との試合だけは(試合を観戦していないため失点経過は不明ゆえ、迂闊な判断は出来ないのだが)やはり、特異な存在になる。

 大産大附属高校オフェンスRB#22井上、#39山崎、さらに#34大西というRBのビッグゲインに目を奪われるが、その立役者は、なんと言っても大型選手の揃ったOL陣の活躍による。
 大阪大会では右サイドのスイープのみで勝ちあがった試合もあったが、一方で、左サイドのランプレーにはぎこちなさも感じていた。だが、それもこの試合では解消されている。
 QBWRホットラインは#10荒木−#9宜本。それ以外のルートも見えてきたが、ロングパス精度含めて秋までには、更なるステップアップがあることだろう。

 今回は力及ばなかった関西大倉高校だったが、秋の再戦を楽しみにしています。