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名城大学 | 南山大学 | 名古屋大学 | 中京大学 | 三重大学 | 愛知学院大学 | 勝敗分 | 順位 |
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名城大学 | ***** ***** |
○ 30-13 |
○ 21-07 |
○ 17-00 |
○ 69-00 |
○ 59-03 |
5-0-0 | 1 |
南山大学 | ● 13-30 |
***** ***** |
● 00-14 |
● 00-27 |
○ 44-06 |
○ 23-18 |
2-3-0 | 3 |
名古屋大学 | ● 07-21 |
○ 14-00 |
***** ***** |
○ 28-10 |
○ 42-00 |
○ 26-00 |
4-1-0 | 2 |
中京大学 | ● 00-17 |
○ 27-00 |
● 10-28 |
***** ***** |
○ 17-00 |
● 20-23 |
2-3-0 | 3 |
三重大学 | ● 00-69 |
● 06-44 |
● 00-42 |
● 00-17 |
***** ***** |
● 14-35 |
0-5-0 | 6 |
愛知学院大学 | ● 03-59 |
● 18-23 |
● 00-26 |
○ 23-20 |
○ 35-14 |
***** ***** |
2-3-0 | 3 |
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(2007年11月08日記) 誤りがありましたので訂正します。 第4Q残り1分38秒の中京大学の得点によって、中京大学20点、愛知学院大学17点のため、得点差は「3点」が正しいです。 しかし、現地で観戦していたときから、私はこの時点で「得点差4点」と勘違いしていました。おそらくPAT失敗分が抜け落ちていたものと考えられます。 したがって、観戦記で「4点」との表現が何回かありますが、それは全て「3点」の誤りです。 なお、入れ替え戦に関する記述にありますように、この試合で愛知学院大学側が引き分けを望む積極的な理由はなく、したがって、最後のシーンでも、FGによる同点狙いではなく、TDによる勝利を望んでいたことは間違いないと思います。 ただ、「得点差4点」として観ていたので、誤りを正しい点差に訂正してしまうと、どこかでスジが通らなくなってしまうかもしれません。したがって、以下の「観戦記」では誤った得点差を修正しないまま残しておきます。 「得点差4点として観ていた観戦記」として御容赦ください。申し訳ございませんでした。 ******** (2007年11月07日記観戦記ここから) 第4Q4点リードされていてタイムアウトは残っていない。敵陣22ヤード地点でFD更新したがレディーフォープレーで時計は回る。残り時間はわずかに7秒。このシチュエーションでのオフェンスコールは何?? ******** 愛知学院大学オフェンスはQB#2佐藤、TB#21古谷野、UB#5村田によるIフォーメーションからのランとTE#85舟橋への短いパス、ドローとプレーアクションによるオフェンス組み立て。 一方の中京大学は、QB#10福井ショットガン隊形からの、RB#36中村、#22石川、#38安江のランと、WR#21服部、#84田村などへのパスというのが基本スタイルになっている。 中京大学については今シーズンも何度か観戦しているので概要はつかめているが、愛知学院大学については初めてだった。Iという基本形だが、そこからのプレー選択が面白い。 愛知学院大学ディフェンスは、DLプレッシャーが中京大学QBに届かない押しの弱さが見え隠れしていたが、LBDBがかなりしっかりとランパスに対応していた。この試合が均衡していく要因の一つは愛知学院大学ディフェンスバックスの堅守による。 ******** 第1Q序盤は、互いにFD更新できないままにパントの蹴り合いが続いた。 中京大学オフェンスは、RB石川の左OTで9ヤードゲインも、その後DB#34等がランに対応、2回目のシリーズもRB36やQBキープにDBLBの反応よくFD更新に至らない。 一方の愛知学院大学オフェンスは、RB#21古谷野の左右連続キャリーを中京大学#31坂本、#42に対応され、第3DのWR#87小林へのショートパス成功でもFDには届かない。第2シリーズはUB#5村田の中央突破ダイブ、TB#21古谷野ドロー20ヤードとプレー組み合わせとしては面白かったのだがドローにホールディングの反則があって勢いに乗れない。 その第3D、左ロールからのロングパスが失速、中京大学DB#19澤田にインターセプトされてしまった。 これで、中京大学オフェンスはフィールド中央付近スタート、QB#10福井の右ロール12ヤードパス成功とDBによるラフィングザパサーの反則もあって一気に敵陣16ヤードに到達する。 ここから中京大学はRB#22石川のカウンターラン中央突破13ヤード等でさらにエンドゾーンに近づくと、愛知学院大学ディフェンスに一度はとめられるもののQB#10福井キープでTD、先制点を獲得した。 ********* 続く愛知学院大学は、これまでドロー・ダイブのランに対して第1プレーでTE#83舟橋へのプレーアクションパスを選択する。ハンドリングで一度はファンブルするものの、リカバーによって事なき。だが、その後に2回目のホールディング反則が効くなどで、プレー選択の妙はあるものの相変わらずリズムに乗り切れない。 一方の中京大学オフェンスも、愛知学院大学DLプレッシャーを受けていないのだがパスコントロールを乱したりレシーバーハンドリングミスが続く。両オフェンスとも、落ち着かない時間帯だった。 ******** このように両方とも攻撃がのれない状態にあって活躍したのがディフェンス陣だった。 愛知学院大学のミドルパスに対して中京大学DB#19澤田がこの日2回目のインターセプトで攻撃権を奪取。この中京大学オフェンスでのQBロールアウトに対して愛知学院大学DBがプレッシャーをかけてタックル、そのままボールをもぎ取ると敵陣7ヤード地点までのリターンを記録する。 愛知学院大学はTE#83舟橋へのプレアクパスをインターフェアでさらに進むと、RB#21古谷野の中央突破ロス、そしてUB#5村田ダイブ突破でTD同点とした。 これに対して中京大学もWR#19澤田、#22石川へのショートパスをつなぐ。この日はパス成否のバラつきの大きい日だった。特にWR#22石川へのパスは逆リード気味のパスに飛びつくファインキャッチを披露する。そして右コーナーWR#21服部へ30ヤードのTDパスが決まって、中京大学が突き放す。 だが愛知学院大学も第2Q最後にRB#21古谷野による連続キャリーでFGレンジまで入った。結局FG失敗に終わるのだが、愛知学院大学のノーマルなランパスオフェンスに対して中京大学ディフェンスが完璧に対応している状態でもない。微妙な力関係のまま前半戦を終えた。 ******** この試合は両チームともに入れ替え戦出場にかかわる試合だった。 中京大学は、勝利ならば入れ替え戦完全回避、敗戦ならば入れ替え戦出場のための抽選に参加する可能性が見えてくる。 一方の愛知学院大学は、敗戦ならば即入れ替え戦出場が決定し、勝利ならば抽選によっては入れ替え戦出場を回避できるかもしれないという状態での対戦だった。 一緒に観戦していた方が言われていたのだが、この試合に臨むモチベーションを考えたときに、勝って抽選になる側のほうが試合への執着心勝利を望む気持ちが強く沸いてくるのではないかとのこと。 もちろん、両チームがどのような気持ちで試合に臨んだか実際のところは判らないのだが、試合序盤からの印象では、愛知学院大学攻守に勢いを感じ、一方の中京大学はおとなしい感じがしていた。 私がこの試合を観戦しようと思ったのは、ここまで具体的なイメージがあったわけではないが、前節南山大学戦で敗退ながら僅差になった愛知学院大学の勢いがあれば、そして中京大学側は今シーズン苦しい試合が続いている中での最終戦、というカードが気になったからである。 東海学生1部の近年の戦績を見れば、圧倒的に中京大学の経験が勝るが、そこをモチベーションとかモメンタムでひっくり返ってしまうのだがアメリカンフットボールの面白いところ、そのような試合になる可能性が完全には否定できない、というところによる。 ******** 前半を終わって、中京大学13点、愛知学院大学7点。どちらのチームも完全に圧倒しているのではなく均衡した流れでハーフタイムを迎え、そして後半戦に突入する。 ******** 愛知学院大学オフェンスは、前半同様、IフォーメーションからのRB#21古谷野、#5村田とTE#83舟橋へのランパスという組み立て、一方の中京大学はRB#36中村、WR#84田村へのショットガンからのランパスは変わらなかった。そして前半とほぼ同様、両チームともディフェンスが完全圧倒するほどでもなく、どちらかというとオフェンス側の自滅という形でドライブが止まっていた。 そんな中で、第3Q終盤、愛知学院大学自陣15ヤード、RB#21古谷野の右OTプレーが抜ける。そのままオープンへカットしてのランは、スピードがあってディフェンスが追いつかない。85ヤードのTDランで愛知学院大学が逆転した。 続く中京大学の攻撃で、右へのショートパスをディフェンスがカット、落下してくるボールを愛知学院大学DBがキャッチしてインターセプトとなる。その後の愛知学院大学オフェンスは進まなかったのだが、パンターのコントロールされたパントキックによって中京大学に自陣7ヤード地点での攻撃を要求した。 このように第3Q中盤以降、試合の流れは愛知学院大学側にあって第4Qに突入する ******** この時間帯あたりからようやく中京大学にもスピード感が沸いてくる。ただし、慌てている様子はなく、沈着冷静に始動するという印象だった。 QB#10福井からRB#38安江へのショベルパス7ヤードやWR#84田村へ10ヤードパスを決めるなどでフィールド中央までドライブする。刻んだゲインだが落ち着いていた。ただし、ここでホールディングロス2回が効いて大きく後退。これが愛知学院大学のFGに繋がっている。 しかし、中京大学#38安江によるキックオフリターン47ヤードで一気に敵陣へボールを運ぶと、おそらくこの日はじめてのRB#22石川のカウンターラン16ヤード、そしてWR#21服部への右コーナーへの21ヤードのTDパスを決めた。パスコントロールやハンドリングミスが中盤まであったチームとは思えないTDパスとそれまでのランドライブは、立ち上がれば圧倒というシーンを見せつけた。 しかし、4点差。TD1個で逆転する。 愛知学院大学攻撃は自陣35ヤードから。残り時間1分33秒だが、タイムアウトが2個残っていた。ただし、中京大学ディフェンスもボールキャリアを絞っていくことで、ギリギリの攻防が繰り広げられることになっていく。 自陣35ヤードからRB#21古谷野とQB#2佐藤キープによって49ヤード地点でFD。 その第1DでのRB#21古谷野ランには中京大学ディフェンスDEが対応して0ヤード、ここで2回目のタイムアウトとなった。残り時間50秒。 第2Dパス失敗、第3D右オープン4ヤードまで。そして最後のタイムアウトで時計を止めたのが残り31秒。6ヤードを残した第4D直前だった。 左にWRを3人配置し、そして左RB#21古谷野へのロングピッチからのオープンラン12ヤードゲインでFD更新となる。 FD更新敵陣35ヤード、残り18秒、スパイクで時計を止めた。次にディレイで5ヤード後退しての第2DはQB左ロールアウトの右RB#21古谷野へのバックパス、パスが乱れてファンブルするがそれでディフェンスのタイミングが乱れたことも功を奏したかもしれない、これでFD更新敵陣22ヤード。残り7秒。そしてレディーフォープレーで時計が回る。 スパイクで時計を止めるというのが、ごく普通に行われるところだろう。私もレディーフォーのコールとともにスパイクされるものと決めてかかっていた。しかし、動く気配が無い。おそらく時計は回っていたはずで、まさか、そのままタイムアップ?と思ったときにプレー開始。そして右コーナーWR#31市木へのTDパスだった。 プレー開始時の両チームの動きはスパイクを予想して緩慢だったようにも見える。しかし、レシーバーに対して中京大学ディフェンスも若干遅れはしたものの反応していて、事実レシーバーは中京大学の選手に前に割り込まれていたのだが。 投げ込んだQBとボールをキャッチしたレシーバーのファインプレーである。ところでこのプレーコールはどこから出ていたのだろう?サイドラインからだったのか?不明。 ******** 予想していた通りにアメリカンフットボールらしい試合だった。愛知学院大学攻守の動きがよく、試合前半は愛知学院大学側にわずかだがペースは傾いていた。それを中京大学が後半以降少しずつ盛り返して逆転する。中京大学が慌てるかと思ったのだが冷静なオフェンスパフォーマンスが見事だった。 この時点で再逆転の芽が残る4点差だったということで、そこからどのように展開するかは、一つの結果でしかない。ただし、愛知学院大学側が切れることなく再逆転を狙う強い意志があったことも重要なポイントである。 |
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コイントスで選択権を得た名古屋大学が先攻、そして第1シリーズ自陣からRB#21高木による右OT付近を突くランプレーを連発する。2ヤード4ヤードそして27ヤードとビッグゲインなったところで名城大学はディフェンスフォーメーションに修正を加えた。 それまで4−3−4ノーマルだったが4−4−3と単純に数字を並べられない4列構成でランプレーに対抗する。このラン対応ディフェンスに変更した直後の名古屋大学プレーコールはWR#8中村の左アウトへミドルパスだった。若干薄めのパスディフェンスに対してドンピシャのコールだったのだが、ボールを手にするものの確保できなかったのが惜しい。 この名城大学が変更したディフェンスフォーメーションが名古屋大学RB#21高木の右サイドOT〜オープンへの展開に対して威力を発揮したのが第2シリーズ、LB#46伊藤によるコンテインなどで全くゲインできなくなってしまった。 それならばと名古屋大学は第3シリーズでパスを組み込んだ。RB#21高木、#35奥村による中央ランもある程度効果的で、そこにQB#9吉田から右WR#8中村へのプレーアクション24ヤード、左TE#29石原の縦アウト14ヤードとパスでもミドルゲインを重ねていく。 このあたりのパス攻撃が名城大学ディフェンスにとってウイークポイントのようで、DB陣のパスカバーで若干危ういところが見え隠れしていた。 名古屋大学自陣26ヤードから始まったこのシリーズは3回のFD更新で敵陣24ヤードに到達する。そして、左WR#6野田のリバースによる右オープンランはそのままエンドゾーンに届いたのだが、スクリメージラインを抜けるときに背後ブロックの反則があり、無効になってしまった。 だがミドルパスは繋がる。10ヤード後退した再度の第1D、左WR#12佐藤へのアウト17ヤードがヒットしてFD更新まで数ヤードまで到達する。ここから2回のランプレーは名城大学ディフェンスに対応されて第4D、タイムアウトをとって準備したプレーは右WR#8中村へのサイドライン際へのミドルパスだった。ボールは確保したのだが僅かにフィールド外、惜しい攻撃が続く。 ******** 名古屋大学は、前半最後の残り時間9秒、フィールド中央で攻撃権を得る。その直前の名城大学のオフェンスが、第3Dパス失敗で時計を止め、第4Dパントでも転がっているボールを確保してプレーデッドとしてしまったことで訪れた攻撃機会だった。 残り時間9秒フィールド中央なので、攻撃手段としてはロングパスしかいない。そしてQB#9吉田から左コーナーへの縦ロングパスが41ヤードヒットする。名城大学パスディフェンスに隙間があるのは明白だった。DBが追いすがるがフィールド外へ出て時計が止まる。 残り時間2秒。 前半最後のプレーは右へのショートパスだった。エンドゾーン手前ギリギリでキャッチしてそのまま飛び込むパターンのパスコースだったが、DB#13武藤のナイスカットによってパス失敗、そして、前半終了となった。 ******** 名古屋大学オフェンス前半はパス攻撃によって何回か得点のチャンスを掴んでいる。いずれもあと少しのところで反則やフィールド外キャッチ、パスカットと最後が決められなかったのが本当に残念なだった。 ただしオフェンスには勢いがあり、さらに、名城大学のパスディフェンスに対しては何らかの感触を掴んだであろうということで、その続きで後半もオフェンスドライブできるだろうと考えていた。のだが。 ******** 名城大学オフェンス序盤は、やはり得意とするところのランプレーで攻撃を組み立てる。 第1シリーズ、自陣からRB#29酒井の連続キャリーでFD更新。だが直後の第2Dでエクスチェンジ付近でボールをファンブルしてしまい、両チーム交錯する。ターンオーバーなったかというフィールド内の雰囲気だったが判定は名城大学リカバー。このシリーズはRB#6近藤の中央突破にディフェンスフロントDLLBの壁、DB#5大嶋、#11成田による最終列の壁が機能してパントとなった。 続く第2シリーズも同様RB#29酒井などによる中央突破ラン13ヤード、さらにTE#85森へのプレーアクションパス7ヤードなどで前進する。OLブロックが効果的で一瞬のランホールを作り出し、そこをスピードで抜けるランプレーが続き、最後はRB#6近藤によるTDランで名城大学が先制する。 この名城大学OLブロックとRB#6近藤、#29酒井、#45蓑屋による中央付近のランプレーに対してDBが健闘して10ヤードゲインまでに止めてビッグゲインを許さなかったのが第2シリーズ、そして再びDLLBも対応できるようになったのが第3、第4シリーズで、DL#74竹腰,#56加藤などのDLLBの壁が数ヤードに止めるようになっていった。 WR#19伊藤、#17山崎などへの早いタイミングのショートパスを繰り出すのだがDB#5大嶋の反応よく名城大学のオフェンスを封していた。この時間帯は名古屋大学オフェンスにも勢いがあってドライブを重ねていたこともあって、その勢いがディフェンスにも移ったかもしれない。第2Qは攻守とも完全に名古屋大学のペースだったといえる。 ******** 後半は先攻名城大学だった。ミドルパスにDB反応もインターフェアの反則、さらにRB#29酒井のスピードランドローでFD更新して敵陣へ少し入った44ヤード地点で、左側にレシーバー3人を固めてセットした。 前回中京大学戦ではここから左オープンへのランプレーだったのだが、この日は左横へのパスキャッチ後のラン。ブロッカーが多く名古屋大学は止め切れなかった。これでエンドゾーン目前1ヤードに迫った名城大学がTDで7点を追加、14−0とする。 名城大学のキックで試合再開。弾道が低かったのは故意か偶然か。名古屋大学選手に当たって跳ね返ったボールを名城大学が確保して攻撃権は再び名城大学のものとなってしまった。 RB#45蓑屋パワー11ヤード中央突破でFD更新、次のラン中央でホールディングの反則。そしてやり直しの第1Dではプレーアクションが入ったのだろうかDB(S)がラン対応で若干上がってくるところへのTE#85森への縦パスが通る。入れ違い状態でTDパスが決まった。 ******** 名古屋大学後半最初のオフェンスは自陣25ヤードから。RB#21高木の右オープン24ヤード、左アウトミドルWR#8中村へのパス失敗は前半第1シリーズと同じ。その第2Dは左コーナー縦ロングはレシーバと会わずパス失敗だった。前半同様に左サイドへのロングパスを繰り返していたのだが、肝心のパスが繋がらない。一方の名城大学はディフェンスに工夫を加えた。 第3D、再びの左ロングパス狙いに対してDLLBの強烈なブリッツが入る。LB#5秋野のプレスが届きそうなギリギリのタイミングでの投げ捨てに終わる。 ここの強烈なDLLBプレッシャーが名古屋大学オフェンスから平常心を奪ったかもしれない。その後、パスコースが変わり、パス成功率もさらに低下していく。名城大学ディフェンスプレスの他にも3TDという点差と残り時間という項目が名古屋大学を追い詰めていく感じだった。 パスを諦めてラン重視の組み立てに変えてRB#21高木、#35奥村のオープン中央で前進はするもののFD更新程度までで、ディフェンスLB#5秋野などの壁に遮られてロングドライブには至らない。パスはコントロールを乱したまま第4Qに突入する。 名城大学のファンブルロストから相手陣で攻撃権を得るのだが、中央突破ランでハードヒットを受けてファンブルロストとオフェンスはリズムを乱したまま第4Q残り時間8分16秒で巡ってきた攻撃チャンスもランで丁寧に刻む以外に手が無かった。 結局ロングパスが通るようになったのは第4Q終盤になってからで34ヤードのTDパスで7点を返したがここまでとなってしまった。 ******** 後半の名古屋大学ディフェンスは時間の経過とともに攻撃型ディフェンスとなっていく。LB#27小林のブリッツ気味の鋭い突っ込みで何度もロスゲインを奪っていて名城大学オフェンスはFD更新もままならない状態だった。 なんとか得点をという意思が名城大学のファンブルターンオーバーを誘発する鋭いタックルを生み出したが、得点には至らなかった。 ******** 名古屋大学側から見て前半の7失点は止む無し、後半最初の7失点もディフェンス立ち上がり悪さという点はあるものの計算の範囲内。その次に続けて名城大学にボールを奪われたのは計算外だったかもしれないが、合計3TD差はギリギリ許容範囲とも言える。 また前半で何度かの得点チャンスを逸したしまったのも惜しいのは事実だが、やはり、後半オフェンスで反撃できなかったことが最大のポイントであろう。 この試合、戦前予想では、名城大学若干優位だがやりようによってはイーブンの展開から名古屋大学のペースもありうると考えていたのだが、名古屋大学側はディフェンスのプレッシャー、時間のプレッシャー、諸々のプレッシャーに対して、いろいろなところで機能不全という状態、一方の名城大学は攻守とも自分のペースに持ち込んで丁寧にコントロールした試合だった。 |
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前半はお互いに相手陣まで侵攻するものの最終的な決め手を欠いて無得点のまま推移、そして、そのまま第3Qも終了する。 膠着状態の中で迎えた第4Q、名古屋大学RB#21高木によるOTからオープンへのランが53ヤードビッグゲインとなって敵陣へ侵攻する。試合終盤で自陣に攻め込まれた南山大学には緊張が走り、敵陣で攻撃機会を得た名古屋大学は一気阿世、RB#21高木の連続キャリーで一気に畳み掛けてTD7点を奪う。 さらに、名古屋大学QB#9吉田からWR#8中村への40ヤードのプレーアクションパスがヒットすると、これも追加点に結び付けてリードを広げた名古屋大学が白星を掴んだという試合である。 単純にいうとこのようなストーリーの試合なのだが、前半名古屋大学オフェンスに決め手を欠くのはなぜか、第4Q、名古屋大学の2個のビッグゲインのきっかけはどこにあったか、また、南山大学オフェンスが前半はドライブを重ねていたのだが後半完封されてしまったのは。このあたりを考えていくとやはりそれなりに理由はある試合だった。 ******** 前半、名古屋大学オフェンスは、様々なボールキャリアによるパスやランで内外へいろいろと試みていた。前半の攻撃回数は全部で5シリーズあったが、そこで各シリーズごとに4(?)パターンで組み立てたように見えた。 第1シリーズは、いきなりWR#8中村のリバースでビッグゲインを奪うが、その後のパス失敗で終わる。 この日はQB#9吉田からWR#8中村、#12佐藤へパスが飛んでいたが、レシーバーのパスキャッチミスが多かった。DBを抜いてフリーになっているのだがキャッチ失敗が続いたのが前半ブレーキの一因だった。 続く第2シリーズは、一転してRB#21高木、#35奥村によるインサイドのランプレーだけで展開、第3シリーズでは、ポイントが少しずれてOT付近を執拗に攻撃してFD更新を重ねた。このシリーズは最終的には敵陣でのミドルパス失敗が続き、さらに第4シリーズはホールディング反則を繰り返してドライブが止まるという内容だった。 前半最後の第5シリーズは残り時間1分少々自陣スタートということもあってパス中心のドライブとなる。 QB#9吉田から右コーナーWR#12佐藤へ約30ヤードのロングパスがヒットして敵陣へ到達するものの、その後右コーナーフリーのミドルパスキャッチ失敗などレシーバーのハンドリングミスが続いてエンドゾーンに届かなかった。 前半の名古屋大学オフェンス組み立ては、試合の流れに関係なくやりたいことをやる、手持ちのプレーの効果を確認するというプレーセレクションだったように感じる。 無得点同点のまま経過していく中で、結果的に前半でゲインしたプレーが第4Q得点ドライブのきっかけになっている。同点だったから余裕があったということなのか本当のところは不明。もしも先行されていたら、どうしていたのだろう。 ******** 南山大学オフェンスは、QB#12霜鳥のセットバックからRB#30穂積のラン、RB#28松岡ダイブ、さらにWR#1佐藤、#7太田へのショートパスという組み立てによる。 名古屋大学ディフェンスもRB#30穂積には十分警戒していて、DL#50廣田、DB#11成田などによるロスゲインショートゲインタックルもあるのだが、やはりRB#30穂積のOTプレーなどでは10ヤード超のゲインになっていく。さらにUB#28松岡のダイブが加わって名古屋大学ディフェンスが少しずつ後退していく。 そして、南山大学の前半2回目以降のシリーズでは、UBダイブとTBのドローやOTランが1回10ヤード超のゲインするようになっていく。 第2Q自陣26ヤードから始まったドライブでは、RB#30穂積ドロー18ヤード、UB#28松岡ダイブ中央突破4ヤードと続いてからWR#1佐藤へのアウトショートパスで25ヤードゲイン、ランパスの基本的な組み併せだけでディフェンス陣を前後左右に大きく振り回していた。 しかし、敵陣26ヤードでのFD、UB#28松岡のダイブ中央突破は目の前に大きな空間が広がってビッグゲインになりかけたのだが、タックルを受けて痛恨のファンブルとなってしまった。 南山大学の次の攻撃でもRB#30穂積の24ヤードやUB#28松岡のダイブ10ヤード等々ビッグゲインを繰り返していたのだが。 ここで名古屋大学ディフェンス側がタイムアウトを要請、間を取って建て直しを図って、タイムアウト明け。 南山大学敵陣25ヤードでの第1DでTEへのクイックパス失敗、ドロー0ヤードQBキープ0ヤードと、名古屋大学ディフェンスが寸前で対応、FGキックも僅かに右へ逸れて無得点となってしまった。 南山大学としては、RB(UBTB)とWRへのパスのコンビネーションプレーでミドルゲインを重ねていたこの時間帯に得点できていれば、という惜しい内容だった。 ******** 後半、名古屋大学ディフェンスと南山大学オフェンスの攻守攻防の力関係が一転する。 前半でミドルゲインを重ねていたRB#30穂積、#28松岡のランプレーがいずれもショートゲインまでで止まる。単純にディフェンスの対応力ということでいいのかはよくわからないが。第3Q反則でFD更新を許すが、それ以外はシャットアウトした。 第4Q、同点の均衡が破れた直後、名古屋大学は、南山大学のキックリターンから自陣に攻め込まれたが、ロングポストをDB#13奥村カット、第4DギャンブルではLB#15岡、#27小林がQBサックを浴びせてギャンブル失敗に追い込む。 さらに次のリーズでも、残り時間との兼ね合いからパス中心となった南山大学の攻撃に対して、DL#50廣田等がショートパスをカットして南山大学の反撃を食い止めた。 ******** 名古屋大学オフェンスは第3Q終盤、RB#21高木によるOTランで53ヤードのビッグゲイン、その後も#21高木の連続キャリーで中央付近からOTまでのランプレーを繰り返して待望の7点を獲得する。 さらに、第4Q中盤には、QB#9吉田からWR#8中村へこの日始めて?のプレーアクションの40ヤード近いロングパスがヒットして敵陣侵攻すると、QB#9吉田キープとRB#35奥村の中央突破ランでダメ押し点を獲得、白星を決めた。 ******** 南山大学オフェンスとしては、前半にゲインを重ねていたRBのドローダイブが、第3Q以降全く通用しなくなってしまったこと、つまり、名古屋大学ディフェンスの変化?に戸惑っている間に時間が経過してしまったということになるのだろうか。第2Qのチャンスを逸してしまったのは結果論だが惜しい。 一方の名古屋大学オフェンスだが、第4Qの得点ドライブは、結局のところ、前半でゲインしていたOTプレーと、プレーアクションは入ったもののミドルパスが決め手となった。 ******** (ゲームクロックが観客席から見えなかったので、試合時間に関して記載できませんでした。) ******** (了) |
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先攻名城大学は#3瀬川によるリターンでフィールド中央で攻撃開始。その第1D、右サイドにWR3人固めて配置し、RB#3瀬川がその右サイドを突くというパワープレーで18ヤードゲインする。 FD更新後、今度は左側にWR3人を固めて同じプレーは2ヤードゲイン、第2Dは右サイドで同じことを試みたが5ヤードゲインまで。中京大学ディフェンスの対応がいい。 第3DでRB#29酒井の中央突破に対してLB#44清水がノーゲインタックルを見舞って、名城大学得点はFG3点に止まった。 名城大学第2シリーズは敵陣43ヤードという絶好のポジションで攻撃権を得るのだが、レイトヒット・フォルスの反則で後退、さらにDL#69によるQBサックで後退と合計20ヤード程度のロスゲインによって、中京大学にフィールド中央付近で攻撃権を渡すことになる。 ******** この試合は、基本的には、このような展開が繰り返されることになる。 中京大学ディフェンスが名城大学RB#3瀬川、#29酒井のランプレーに食い下がり、その他様々な名城大学オフェンススタイルにも柔軟にに対応していく。 一方の名城大学オフェンスはある程度のゲインはするのだが、反則によるロスゲインも積み重なってしまい、全くリズムに乗れない状態になってしまった。 名城大学の反則は、私のメモによれば15ヤード系の反則4回とホールディング多発による合計13回135ヤードのマイナスで、非公式に入手した公式記録ではもう少しマイナス距離があるらしい。 中京大学側にほとんど反則が無かったことを考えると、審判が過敏になってイエローが咲き乱れる試合ではなく、やはり、名城大学側固有の反則なのだろう。 ******** 中京大学オフェンスはQB#10福井によるショットガンとセットバックからのランパス。開幕節で見た3RBのショットガンはこの日は無かったように思う。 第2シリーズ自陣43ヤード付近、RB#15の中央ランではOLが押し込んで3ヤードゲイン、第2Dでは略アンバランスセットからQB#10福井右オープンをカウンター気味に14ヤードゲイン、さらに名城大学オフサイドで5ヤード前進、RB#38による中央突破10ヤードと、中京大学のランオフェンスがゲインを重ねた。 名城大学ディフェンスとしても、今シーズンここまでの試合でここまで押し込まれたことは無かったのかもしれない。ディフェンスが浮き足立つ様子はオフサイドとアンスポ退場で十分に伺える。一気に中京大学ペースへと傾いた。 敵陣13ヤード。略アンバランスセットからウイークサイドへのQBキープ3回でFD更新に1ヤードを残した中京大学はタイムアウトを要求してプレー検討。第4Dギャンブルの中央突破でFD更新した地点が敵陣1ヤードだった。 しかし、第1D後のサイドチェンジを挟んで中央突破連続3回と第4D右OTの4プレー合計0ヤードに止まってしまう。名城大学ディフェンスの渾身のタックルが最後の一線を死守した。 ******** 第2Q名城大学自陣19ヤードからの攻撃。ここまでRB#3瀬川、#45蓑屋によるランプレーを試みていたが、ここでは、クイックパスを突破口とした。 パス失敗や反則後退もあったのだが、WR#17山崎へ右アウトミドル15ヤード、#16祖父江へ12ヤードと立て続けにパスヒットする。さらに、QB#12石川のキープランが加わって、これまでと全く違った傾向のオフェンススタイルに対して中京大学ディフェンスに迷いが見える。 そして、フィールド中央付近。QBのハンドオフのフェイクでディフェンス全員と観客席の私が騙されてしまった。ボールキャリアを見失ってしまった中京大学ディフェンス陣を左に見ながらのQB#12石川の右オープンキープが49ヤードのTDランプレーとなった。 しかし、中京大学ディフェンスも次のシリーズではQBのフェイク動作に完璧に対応してLB#44清水がロスゲインを見舞う。さらに、名城大学オフェンスの連続する反則後退も加わって、前半を10−0の僅差で終えた。 ******** 後半、中京大学の攻撃で再開するのだが、その第4Dパントキックを名城大学がブロックして攻撃権を奪取、これをTDにつなげて、後半開始早々に名城大学がリードを17点に広げた。結果的には、これがダメ押しの得点となって名城大学の白星となった。 ******** 中京大学オフェンスは、第1QのアンバランスセットからのウイークサイドへのQBキープという練ったプレーでFD更新を重ねたが、そのシリーズも2度の第4Dギャンブルに追い込まれている。その後は名城大学の分厚いディフェンスにことごとく遮られてFD更新すら出来ない状態が続いた。 ショートパスが確実に繋がっていればという面も無くはないが、しかし、名城大学ディフェンスのプレッシャーが厳しかったのも確かで、DB#8中川、LB#1塚崎、#46伊藤、#5秋野、DL#93和田がスクリメージ付近でランプレーを止め、さらにはQBサックによるロスゲインを奪うなど、ランもパスも封じ込まれてしまった。 第4Q終盤、中京大学のRB#28安江へのプレーアクションパス35ヤードヒットや右WR#21へ服部のコーナーミドルパスがフリーになるなど、ロングレンジのパスに可能性の一端を覗かせていたが、これが、実際の名城大学ディフェンスなのか試合終盤という時間帯によるところかは不明である。 ******** 名城大学はオフェンスの度重なる反則ロス分を鉄壁ディフェンスが完璧カバーして白星となった。 名城大学オフェンスの反則多発だが、これも、見方を変えれば、中京大学ディフェンスのプレスが厳しかったことを示すところだろう。名城大学QBに対してLB#44清水が張り付いてTDプレー以降後はロングゲインを許さず、DL#59、DB#34平野、#24林がRB#3瀬川、#29酒井に対応していて第2Q以降の均衡した試合展開をもたらしている。 ******** (ゲームクロックが観客席から見えなかったので、試合時間に関して記載できませんでした。) ******** この結果、東海学生リーグは第3節を終わって名城大学と名古屋大学が3戦全勝をキープ、1敗のチームが存在しないために優勝争いはこの2チームに絞られた。 この両校は次節10月21日に港サッカー場で対戦する。そして、その勝者が東海学生覇者に限りなく近づくことになる。 そこで、名城大学VS名古屋大学の試合展望を簡単に。 まずオフェンスだが、名城大学も名古屋大学も実際の姿を手の内を完全にはさらけ出していないように見える。名古屋大学開幕戦とこの試合では若干傾向が異なるし、登場しなったプレーもある。一方で名城大学オフェンスもまだ手が隠されている様子が伺えるようなプレーの繰り出し方だった。 したがって、オフェンスがどのような組み立てを見せるかは、試合当日さらには試合時間経過とともに少しずつ姿が変わっていくというダイナミックな内容になることは間違いないだろう。 そこで、両チームともディフェンスの対応力がキーポイントになる。名城大学DB#8中川、LB#1塚崎、#5秋野と名古屋大学LB#5大嶋、#27小林、DB#11成田。相手はRB#3瀬川であったりRB#21高木の中央突破であったり。ここにパスを絡めてということになるが、いずれにせよ試合中に変化していくオフェンススタイルへの対応力とフィールド内外の判断速度が問われる試合になりそうだ。 両チームともスタッフに策士が存在するのではないかと思わせる第3節までの試合内容だったが、頂上決戦は、もしかしたら頭脳戦になるかもしれない。 10月21日は、できることなら天候は晴れであってほしい。そして、ゲームクロックが観客席から見えるところに備わっていて、25秒計の動作不良も無く、その他運営面等々含めてベストの試合を望みます。 (了) |
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試合序盤は中京大学ショットガンオフェンスが冴えて名古屋大学攻守に混乱が生じる。名古屋大学のパントをブロックして攻撃権を得た中京大学が先に得点を挙げた。 だが、名古屋大学も中京大学ディフェンスのウイークポイントを突くようになり、オープンサイドへのランパスとリバースを絡めて2TDを奪い逆転する。 これで試合の流れは一気に名古屋大学に移ったかに見えたのだが、第2Qは両チームともにファンブルやインターセプトが発生し、落ち着かない試合展開となった。 このターンオーバーの連続の中でフィールドポジションを進めていたのが中京大学で、第2Q終了間際にはエンドゾーン手前まで侵攻し、同点のチャンスを掴む。 エンドゾーン手前での両チーム攻防だったが、名古屋大学ディフェンスがエンドゾーンを死守して第4D1ヤードを残した。 ここで、中京大学は同点を狙ったギャンブルでなくFGによる3点を取りにいく。結果はFG成功なったのだが、ここが一つのターニングポイントになったかもしれない。 後半、名古屋大学先攻で試合再開すると、ここから名古屋大学オフェンスは徹底した時間消費スタイルの攻撃を展開した。 そして、前半同様のようにオープンサイドを突くランプレーは止まらずに、その後はインサイドのランでも1回10ヤード以上進むという荒稼ぎ状態。結局、名古屋大学は試合後半にパスを1回も投げず、逃げ切りスタイルに徹底しつつランゲインで2TDを追加、名古屋大学が中京大学から17年ぶりの白星を奪った。 ******** ******** 先攻中京大学オフェンスは、QB#10福井によるショットガンだったが、QBの左右と後ろに合計3人のRBをセットいた。そして、この3人のRBの誰がボールキャリアになるのか判断しにくいところがあって、それが中京大学最初のオフェンスドライブに繋がっている。 名古屋大学ディフェンスがボールキャリを見極めることに悩んだか、単に試合最初の立ち上がりが悪かっただけなのか判断の難しいところなのだが、試合時間が経過するとともに、少しずつこのスタイルからのランプレーが止まるようになっていく。 ただし、第1Q中盤までは中京大学攻守のペースで試合が進んでいた時間帯であり、名古屋大学第4Dパントでのスナップの乱れに乗じたパントブロックによって、中京大学は敵陣でオフェンス開始となった。 ここからの中京大学はセットバックからRB#36中村によるオープンと中央ランによるドライブを展開する。 名古屋大学ディフェンスにもタックルの甘いところがあって、DLLB6〜7人が順にRBに手をかけるのだが全く倒れないという奇妙な光景もあり、ランプレーがズルズルゲインして中京大学が先制した。 ******** 一方の名古屋大学のオフェンスも、中京大学ディフェンス第3列コーナー付近を突くスタイルでゲインを重ねていくことになる。 名古屋大学の第1シリーズ、つまりパントブロックされたシリーズで、すでに左オープンへのランで40ヤードのビッグゲインを獲得している。これはDBLB陣の連携やポジショニングに関係するところなのだが、ここが、この日の名古屋大学オフェンスの突破口となった。 先制された名古屋大学第2シリーズは自陣38ヤードスタートとなると、RB#35奥村がいきなり左オープン16ヤードゲイン、さらに左WRによる右サイドへのリバースによるオープンで20ヤードゲインと、オープンへの展開ではビッグゲインが続く。そしてQB#9吉田からWR#12佐藤へミドルパス2本などで同点のTDとなる。 さらに中京大学のパスに対して名古屋大学DB#6野田がレシーバー前に割り込んでパスインターセプトすると、右コーナーWR#12佐藤へ11ヤード、右WR#8中村左オープンへのリバースで12ヤードTDランを決めて一気に逆転に成功した。 ******** こうして、試合の流れは完全に名古屋大学ペースとなったのだが、第2Qに入ってから、少しリズムが変わった。 名古屋大学オフェンスの攻撃ポイントがアウトサイドからインサイドへ転換した。試合結果だけを望むのであれば、ゲインし続けているアウト狙いに絞るのが鉄則だが、開幕戦となれば、色々と試みるのも当然のことだろう。 しかし、OTプレーやインサイドランではLB#51五十嵐に対応されてロスゲイン、中央ラン突破でファンブルロスト、さらに右アウトパスもDB#19澤田にインターセプトを喫するなどで、潮目の変化が見えてくる。 ターンオーバーの連続によって中京大学の攻撃開始地点は敵陣17ヤード、第2Qの残り時間は3分20秒と、絶好の得点機・同点チャンスを迎えた。 そしてショットガン+3RB隊形からRBによる中央突破ランでディフェンスを攪乱、エンドゾーン手前7ヤード地点でFD更新する。 しかし、ここからは右コーナーTDパスレシーバー不在、中央突破6ヤードゲイン、そして第3Dはショートパスもレシーバーとわずかなタイミングのずれがハンドリングミスでパス失敗となった。残り7ヤードを3RBからのランでなくパスで取りに行ったが、僅かに届かず、1ヤードを残して第4Dを迎える。 ここで中京大学サイドラインは、FGの3点を加えて点差を縮めるか、TDによる同点狙いとするか選択を迫られた。 FG成功でもTD失敗でもリードされたままであるならば同点にして気持ちよくハーフタイムを迎える可能性を狙う、という考え方と、FGで3点を獲得して後半で逆転を狙う、という両者からの選択だったが、中京大学はFGで3点を獲得した。 ******** 名古屋大学14点、中京大学10点でハーフタイムを迎え、試合後半は、先攻名古屋大学で再開する。 ******** 名古屋大学は第1Dでホールディング反則を喫するものの、第2Dで左オープンへ17ヤードゲインのランプレーでFD更新すると、その後は、少しずつ中央ランプレーを増やしていく。 RB#21高木の中央7ヤード、UBダイブ3ヤードとパワープレーを重ねてFD更新、さらに、UB#35奥村による2プレー(OTと中央)計10ヤードでFD更新すると、TB#21高木のインサイドランで1回10ヤードゲインを2回、名古屋大学のラン攻撃が全く止まらなくなってしまった。 このシリーズ、TとIフォーメーションによる徹底したラン攻撃を展開してドライブに要した時間は6分弱、最後はRB#21高木による右オープンはWRによる好ブロックもあって15ヤードのTDランとなり点差を広げていった。 これに対して中京大学はショットガンとセットバックからランパスを試みるが、名古屋大学ディフェンスが点差と試合内容で優位に立つ勢いに乗ってファインプレーが連続する。 DL#74竹腰、DB#13奥村によるオープンラン対応、DB#13奥村のパスカット、さらにILB#27はショットガンからのランプレーでロスゲインを見舞うなどで、攻守ともに完全に名古屋大学ペースとなった。 名古屋大学は第4Qにも同様のRB#35奥村ダイブとTB#21高木の左オープン等のランゲインを繰り返して1TDを追加するとともに3分を消費、さらに次のシリーズでも5分近くを消費する。後半の名古屋大学はパスを投げないで時間消費に徹底し、私のメモによれば24分中約17分が名古屋大学の攻撃時間だった。 最終スコアは名古屋大学4TD28点、中京大学10点で、名古屋大学が17年ぶりに中京大学から勝利するとともに、2007年リーグ戦を白星でスタートした。 ******** 試合内容を詳細に見ると両チームともディフェンスが崩壊しかかっているのだが、先に、得点を重ねて試合の主導権を握った名古屋大学が、勢いでディフェンスのフロント陣を立て直したという展開だった。 タックルが甘いという本質的な面が修正されたのではないかもしれないが、もしかしたら、前半と後半の違いから、きっかけを掴むことができたかもしれない。 試合を別けたのは、やはり、第2Q、連続ターンオーバーで膠着状態となった時間帯だろう。名古屋大学側から見れば掴みかけていた勢いを自らが放棄してしまいかねない状態で、早いうちに中京大学側に得点が入っていれば、まったく違った展開になっていたかもしれない。 しかし、この時間帯で名古屋大学DB陣がランパスに対してしっかりとキャリアを捕捉していたのが印象的だった。中央を抜けてくるRB#36中村にDB#1横山、#11成田が反応し、ロールアウトのパスに対してはDB#6野田がパスインターセプトで攻撃権を奪還している。ディフェンスフロント陣のタックルミスは残っていたが第3列がフォローしていて、中京大学オフェンス側には手詰まり感が漂っていた。 第2Q最後の中京大学の得点は、名古屋大学オフェンス側のファンブル・インターセプトというミス(中京大学ディフェンスのファインプレー)によるものだが、中京大学にとって潮流をかえられないままハーフタイムを経て後半を迎えてしまったことで、名古屋大学が試合後半の主導権を握ることができた。 |