関西学生アメリカンフットボール Div.1 シーズン展望

Updated, 2007 Aug. 27 at 23:47 JST.



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関西学院大学・立命館大学・京都大学・関西大学・神戸大学・同志社大学・近畿大学・龍谷大学








関西学院大学
△ 7− 7日体大・●14−16日本大・○38− 0京都大・○27−22明治大
○56−10神戸大・○28−10関西大


 昨年は、甲子園ボウルから遠ざかって4年。それを打破しなければならない、という大きな枷・目標があった。それ自体でプレッシャーであったには違いない。

 今年はそのプレッシャーから開放された、とも言えるのだが、それはチームスタッフの最上層部のみのことで、現役選手にとっては、やはり、今年の目標も甲子園出場・勝利とライスボウルでの日本一獲得であり、そのためには、昨年と同じ数の白星が必要なことに変わりはない。つまり、昨年となんら状況は変わっていないのである

 春の試合は、4月に関東の大学に対して1敗1分と白星なく不穏なシーズンインだったのだが、日を重ねるごとに、コンビネーションが確立されていくと、その後は安定感のある試合を繰り広げて行った。
 攻守ともに昨年から経験のあるメンバーが多いこともあって短期間で、コンビネーション確立というよりは本来のパフォーマンスを取り戻したといことなのかもしれない。

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 オフェンスは、今年もショットガンスタイルからのランパスという組み立てになる。そのQBには、4年生#9三原、3年生#12幸田、#16加納が春の試合で起用されている。
 QB#9三原は5月以降はほぼ全シリーズで得点を挙げるというパーフェクトな成績を残しており、オフェンス完成度という点ではリーグ戦他校でも群を抜いている。
 ただし、ディフェンスから強烈なプレッシャーを受けたときの回避策や対応方法を見る機会がなかったことが、気掛かりではある。社会人松下電工との試合が麻疹騒動によって辞退せざるを得なかったことは、チーム運営上はマイナスだったかもしれない。

 今春のオフェンススタイルは、冒頭に記したようにショットガンフォーメーションからのランパスではあるのだが、OLゴリ押しの中央ラン突破ランなどの極めてオーソドックスなプレーに徹した試合もあれば、昨年のようにWRモーションやRBへのショベルQBスクランブルとバックスが、時間軸含めて縦横に自由に動き回るテクニックに凝った試合もありで、様々なテーマに取り組んだ春という感じがした。

 ただし、一点だけ特筆するとすれば、昨年まではスピード系重視の傾向があったが、今年はRB#45石田による中央パワープレーを試みているようにパワーフットボールの面が加わるかもしれないという点である。

 なお、今春の試合では、QBは3人、RBWRは4年生から新人まで多数起用されている。つまり、個人毎に見れば1試合でのプレー数は極めて少ない。そのために、各自アピールのためにも絶対にゲインしなければならないというプレッシャーがかかった状態でプレーしていたことになる。昨年の甲子園ボウルでも見せたように、今春も、全員フットボールを狙っているようだ。

 したがって、各ポジションの代表選手もなかなか挙げにくいところがあるのだが、とりあえずは下記メンバーをマークしておくと、秋リーグ戦の観戦に役に立つかもしれません。

 QBは、#9三原、#12幸田、#16加納、RB#45石田、#21稲毛、#38平田、#27浅谷、WR#1岸、#81榊原、#85秋山、#86水原、#18萬代、#82中山、#19中井、#87柴田、#4太田、#88松原。
 OLだけは#72中山、#75福田、#76廖、#55岡田、#52上村によるほぼ不動のメンバーであった。

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 一方、ディフェンスは、私が観戦した試合限定だが、DLLBDB各ポジションともほぼ固定メンバーで試合に臨んでいる。過去には、春の試合でも後半に若手メンバーを起用する余裕を見せていたが、近年は春もスタメンがフル出場する試合が多くなっている。

 その半固定メンバーは、DL#51川島、#98黒澤、#93早川、#97國方。LB#56佐藤、#90古下、#7坂戸。DB#3藤本、#11深川、#28山本、#44笠原、#84徳井、#8泊という布陣である。

 この中で特筆すべきは、守備範囲の広いILB#56佐藤と、判断のいいスピードのあるDB(S)#84徳井。メンバー表を改めて見直したのだが、#84徳井はまだ3年生でありながら関西トップ級のDB(S)になりつつある。

 このディフェンス陣は、DL3人、LB3人、DB5人で配されることが多い。もっとも5人目のDBである#11深川は、LBともとれるポジションに位置し、実質は、3−3.5−4.5という人員配置になっていて、パス守備強化とともにランプレーにも対応と言う重責を担っている。

 今年のディフェンス陣で不安な点をいくつかあげると、中央突破ランで中を抜かれ始めると止まらなくなってしまい、ロングドライブを許すことにある。スピード系のランプレーでも中央を大きく割られてしまうことがあり、試合の流れが変わってしまう可能性が残っている。
 また、守備の基本思想としてショートパスを許してもロングパスは許さないという方針なのだろうが、ショートパスは捕られてもかまわないという姿勢が、パスキャッチ後のタックルミスに繋がっているように見受けられるシーンがあった。

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 今年は、冒頭に記したように、昨年からのメンバーが多く残っていることもあって、OL・DLとも春の早い段階でベストの布陣を組むことが出来た。
 特にOLは、シーズンインしてもメンバーが決まらなかった昨年と比較すると、早い段階で形が決まったために、様々なバリエーションプレーを試みるところまで手を広げることが出来ており、昨年の今の時点と比較すると完成度は高い。

 しかし、反対の意味で捕らえると、今年はこれ以上の飛躍的な成長は見込めないかもしれない、ある程度の上限が見えたということにもなる。特にDLは、中央付近をランプレーで突破されるてしまう傾向にあるが、根本的な変更がなければ解消しないかもしれないということに繋がる。

 このような今年の特徴を踏まえてシーズンインすることになるが、今年は、オフェンスから試合を作っていくスタイルのチームになりそうだ。したがって、理想的な試合展開は「先行逃げ切り」になるだろう。

 その正反対の試合展開は、オフェンスが自由にさせてもらえない試合、ということになる。4月の日本大学戦や日本体育大学戦、6月の関西大学戦でも少しそのようなシーンが垣間見えた。
 ディフェンスが序盤に崩れて失点を許し、オフェンス追い上げが必要なときに、相手ディフェンスがどの程度プレスが厳しいか、その厳しいプレッシャーを受けたときにオフェンスが回避できるかどうか。関西学院大学の試合観戦ポイントはこのあたりにありそうだ。

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立命館大学
○35− 9近畿大・○41−14早稲田・○24− 3関西大・○67−19東海大
○31−21オービック


 昨年は関西学生の5連覇が途絶え甲子園の道も途絶えてしまった。それまでの年度の最終成績を並べてみると、一昨年は甲子園敗退、その前はライスで社会人に敗退し、そのまた一年前はライスで勝利している。
 つまり、年を追う毎にワンステップずつの下降線をたどっていることになる。記録上のことなので我慢していただきたいのだが、立命館関係者にとっては厳しい流れの真っ只中にあるのは事実である。今年は反転の年、としたいところだが、さて。
 なお、今春立命館大学の試合を観戦したのは1試合のみなので実際のところ、どのような姿で秋に登場してくるのか見えないところが多すぎる。

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 QB#9木下によるオフェンススタイルは、今年もショットガン隊形からのランパスという試みのようだが、ランパスの比率がどのような内容になるか、その完成度を含めて不明な点が多い。なお、バックアップQBとして#16松田が本格始動している。

 レシーバー陣では、WR#11前田がワールドチャンピオンシップ日本代表チームに参加していて今春の試合を欠場している。もっともQBとのコンビネーションは昨年実績もあり問題はないだろう。
 エースレシーバーが欠席している間に、WR#1本多、#7小城、#80井上、#63宜本等のターゲットへパスを投じる機会が増えたことで、レシーバー陣の層はさらに厚くなってきた。特にWR#1本多はNEWERAで2回のTDパスレシーブ機会でも、完璧にDBを抜いていたのが印象的だ。また今年は久しぶりに大型のTE#85森が加わり、攻撃の幅が広がる。

 一方でOLは、#77紀平、#62西川という昨年を経験しているメンバーに続く選手の出現が待たれるポジションである。5月の関西大学との試合でもOLが押し込まれる姿が見られ、その結果、インサイドをパワーで抜けるランプレーも少なく、左右オープンへスピードでまくるプレーを選択せざるを得ない状況にあった。OLのパワー不足は、QB等バックスに負担がかかる原因になるのは間違いない。

 RBも、#26松森、#2家亀、#21山城などが揃うが、いずれもTBタイプでスピードとカットバックによるランプレーが得意分野となる。
 パワーフットボール系のUBタイプのランナーはこれまでの立命館大学オフェンススタイルには不要という印象が強い。

 今年の立命館大学オフェンスチームがどのような方針で臨むのかが見えていないところがある。これまでと同じショットガンスタイルからのランパスフットボールを挑むのか、それとも、パワー系フットボールに回帰するか。
 選手層の厚いチームなので新人が突然スターターになることも不思議ではない。OLRB陣容の春夏を経た整備状況を含め、何が起きるかはリーグ戦が開幕しても、少しずつしか見えてこないのではないだろうか。

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 一方ディフェンスは、昨年メンバーが残りつつ世代交代もこなしている。今春立命館大学の単独チームとして観戦した試合は1試合のみだが、NEWERAでも立命館大学のディフェンスユニットがあったように、その陣容と充実振りは今年も関西トップである。

 DLは#97久司、#57武知、#92前田という不動の3年生トリオにNEWERAで復帰したDL#56岡本、#90佐倉などの昨年も席巻した鉄壁メンバーが揃う。LBも#54名和、#5木下に#52海島、#53前田と充実している。このフロント陣の反応速度と破壊力は驚異的である。

 ディフェンス各ポジションごとに比較すると、今年もDB陣が不安な面を覗かせていて、NEWERAにおける立命ディフェンスユニットにあって、時々抜かれていたのがDB(CB)とWRの1対1のロングパス競争だった。
 #31乗次、#13石貞、#12今西、#4町など、個人レベルではスピードがあるアグレッシブなメンバーである。したがって、ディフェンス全体のコンビネーションの中でボールキャリアへ詰め寄るコース取りや一瞬の判断速度という点は、春夏を通じて変貌を遂げていることだろう。

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 今年のチームは、ディフェンスはDLLB付近にコンビネーションプレーの完成度の高さを感じる。だが、オフェンス側は春1試合だけなのでなんとも言えないのだが、個人スキルに頼っているところが前面に見える。
 もっともRBWRともスピードがあって派手なビッグプレーを繰り返し、ショートゲインをコンスタントに積み重ねるという印象がないのだが、実際は刻んでドライブしようと思っていても、ビッグゲインになってしまうというところが正しいのかもしれない。

 オフェンスはOL陣とRB陣、ディフェンスはDB陣の修正が必要かと思うのだが、しかし、春の試合では学生相手には全戦完勝し、社会人相手にも余裕で白星を重ねているチームである。ハイレベルでの修正ということなのかもしれない。

 立命館大学については冒頭に触れたように、5月1試合のみの観戦ということもあって完成度が全く掴めていないことと、特にオフェンスシステムの全容が見えていないこと、さらに、リーグ戦序盤の2、3試合程度では方向性は掴めないのではないかと考えている。
 したがって、下振れも大きくなるかもしれないが、上振れも十分に考えられる。関西の王座奪還なるか。そして、再び学生トップに上り詰めるか。

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京都大学
○25−24東京大・● 0−38関学大・● 3−23鹿島・● 7−31日本大


 昨年は、関学立命神戸に黒星を喫したが、この3敗で留まってリーグ戦勝ち越しを決めた。
 今春は東京大学の定期戦での白星のみだが、春に黒星が続くのは京都大学の特徴であり、今年に限ったことではない。春の結果がそのままリーグ戦の結果に結びつかないことは過去の歴史が証明している。

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 オフェンスは、QB#19宮下、RB#39高松という昨年からのバックスに、RB#2元村、#36二見が加わる。RB高松は、中央ランプレーはもちろんのことだが、今年はさらにインサイドレシーバーを兼務、RB位置からのショートパスターゲットとしての役割も担う。
 さらに、昨年同様QB#19宮下によるインサイドのランプレーは日本大学戦でも大きくゲインしていたように今年のキープレーの一つになるのは間違いない。なお、バックアップQBとして昨年からリターナーとして活躍していた加藤が本格的に始動している。

 レシーバー陣はTE#87藪崎が4年生だが、WR陣は3年生#17生川、2年生#82中村などの若手が中心となる。QBと若手レシーバー陣との連携部分で未知の領域が大きいが、春の試合を通じてどこまで大きく成長しているかが、今年のオフェンスのキーポイントになるのは間違いないだろう。

 オフェンススタイルは、春に私が観戦した試合でも、QB宮下の得意プレーであるQBダイブやRB#39高松、#2元村などによる中央インサイドのランプレー中心のスタイルを求めている様子だったが、やはり、パスでもゲインを見込みたいとう意思を覗かせていた。
 実際にQB#19宮下からレシーバー陣へ良いタイミングでパスが飛んでいることもあり、ランパスを混在させた絶妙なプレーコールも冴えわたる。

 なお、OLは#60増田、#72鈴木など昨年の経験メンバーが残るが、春の試合ではあまり出場機会がなかったようにも見える。したがって、京都大学オフェンスの方向性は掴めるものの、その実力の程はランパス全てにおいて本当の姿はベールに包まれているように感じている。

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 今年のディフェンスは、昨年からの経験者が多く残るので、全体のコンビネーション的なところの調整は早い段階でまとまりそうな印象だった。5月の関西学院大学戦では中央ランで大きく割られていたのだが、6月日本大学戦では中央付近のラン突破を許していない。相手との力関係の部分もあるが、約1ヶ月でここまで仕上がるということを証明したようにも見える。

 DLは昨年同様#59木村、#91三井の動きが良く、春からQBサックを連発しており、まさしくクラッシャーとして不動の地位を確保している。さらに#79酒井、#13飯田、#11武藤などが加わって今年のDL布陣となる。
 LBは#29植竹、#54川嶋、#5南出と昨年から経験を積むメンバー。DBも#11武藤筆頭に、#22上田、#15前川という昨年の経験者が存在する。

 いずれのポジションにも試合経験が豊富なメンバーが存在しており、おそらく、連係の面ではほぼ完璧であろう。あとは、各人のクイックネスに関するところの上乗せ分がどこまであるかがポイントとなりそうだ。
 たとえば、関西学院大学戦では、DB(CB)のタックルミスが試合時間の経過とともに増えていったが、春最初の試合ということもあったかもしれない。しかし昨年も同じような傾向にあったので、スタミナ面含めてタックルミスが少しでもなくれば、違った試合展開になる可能性も秘めている。

 なお、日本大学戦ではDB#11武藤をDLやLB位置へ起用する試行があった。さらに関学戦ではLBに1年生#99又賀を起用するなど、ポジションコンバートや若い学年の起用によって、最適なポジションと組み合わせを試行錯誤している様子が伺える。選択の結果、どのような布陣になるか。秋リーグ戦で少しずつ姿を見せてくることだろう。

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 今年の京都大学は、攻守ともに昨年の経験を積んだ選手が残っていてチームの中核を成しているという点が強みである。

 オフェンスは、ラン主体ながらパスを求めていた昨年のスタイルを引き継ぐ。そしてランプレーに関しては昨年メンバーがそのまま残るので、今年はパスの充実度が増してきて、その結果、攻撃の手は広くなるのではないかと考えている。
 ディフェンスもフロント陣は昨年と同等以上の強烈なパフォーマンスは確実であり、あとはDBCB陣のスタミナ面ということになるだろう。

 京都大学攻守のポイントはこの2箇所で、ディフェンスはDBCB陣のタックルミスがなくなれば失点は減り、そして、オフェンスはパス成功率が少しでも上昇すれば、ドライブ能力は上がる。これは、そのまま、試合結果の白黒に係わることである。

 昨年は神戸大学戦で大差の敗退を喫してしまったが、今年もリーグ戦前半のキーポイントとなる試合は、やはり、相手攻撃陣にスピードのあるボールキャリアが存在するチーム、ということになりそうだ。

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関西大学
●20−33法政大・○15− 7龍谷大・● 3−24立命館・○13− 7早稲田
●10−38松電工・●10−28関学大


 2003年から4年連続で4勝3敗の3位という成績を残す関西大学だが、今春の試合では、昨年のメンバーからオフェンスディフェンスとも主力メンバーが多く抜けているにもかかわらず、その喪失感をあまり感じさせることがなかったという印象がある。

 私の観戦した試合限定で、試合結果は黒星、さらに得点差はあるのだが、内容面ではかなり競ったところがあったので、秋にはどの程度変化して登場してくるのか楽しみにしているチームの一つである。

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 オフェンススタイルは、ショットガンを模索していた年代もあったようだが、昨年あたりからはセットバック隊形からのラン・パスのバランスアタックを目指している。
 春の試合でも、中央オープンへのランプレーや、ショベル・スクリーン・サイドスクリーンパスとミドルレンジ以上のパスを組み合わせたマルチ攻撃を盛んに試みていた。

 オフェンスの中心となるQBは4人という大所帯で、3年生の#9宮城と#18西隈、2年生#14原口、1年生#1池井が控える。プレースタイル的には大きな相違点がなく、誰でも同様に起用できるという層の厚さを感じさせていて、おそらくリーグ戦中も誰かに限定して起用するということは少ないだろう。

 RBでは、#27地下がNEWERAブルーのメインRBとして起用されていたようにバランス感覚のある走りをする。一方でRB#22松森はスピードとテクニックによる「閃きのランナー」というところか。他にもRB#21境家、#37大丸と揃い、さらに、QB#9宮城、#18西隈のキープラン・スクランブルランも加わる。

 OLは#53山本、#57山元、#56大壁が昨年も経験を積んだメンバー、そして1年生#51角田と#79保呂が春からスターターとして経験を積んでいる。ここ数年はコーチ陣の入れ替えが激しい関西大学だが、昨年あたりからオフェンススタイルが何か少し変化しているような印象を受けていたのだが、今春の試合を観戦していても、OLブロックという基本的な面でも変化を感じる。

 レシーバー陣ではWR#16永川、#17西尾はともにスピードのあるレシーバーで、CBとの1対1ではステップで抜き去ることも十分に可能なロングターゲットである。もちろんショートミドルレンジでも器用なパスターゲットレシーバーで、社会人松下電工に対してもそのスピードは通用していた。

 またWR#19中村は最上級生としてプレーに安定感があり、TE#86強はパスキャッチ後のダイナミックな走りにも注目である。信頼性の高いターゲットとなる4年生#19中村と#86強、そしてスピードのある#16永川、#17西尾というバランスのいいレシーバー陣を構成している。

 なお、#16永川と#17西尾はそのスピードと視野の広さでリターナーとしても活躍し、ロングゲインやリターンTDの可能性を秘めている。さらに、K#35小原のFGキックもはいざというときに頼りになっている。

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 今年の関西大学の売りポイントの一つがディフェンス陣である。実際は昨年のメンバーからリーグを代表するDL2人を卒業で欠いているのだが、その損失を感じさせないで、すでに今年のスタイルが春の段階で出来上がっているところが強みである。

 DL#91杉原、#92福岡、#97中田、#90重近などとLB#33大館、#2玉岡、#49宮崎、#5坂田による攻撃的なディフェンスは、今春の関関戦や松下電工戦、NEWERAでファンブルフォールやインターセプトを狙ったパスカバーなどで試合の流れが変わるようなビッグプレーを繰り返している。

 DBは#7大亀、#6木ノ下が最上級生として健在だが、昨年のメンバーの喪失感が唯一残るポジションだが、選手層は厚いので秋リーグ戦までには期待できるだろう。

 今年は、ディフェンス全体にスピードと一体感がある。2、3年生という若い学年が多いにもかかわらず、LB中心にまとまりを感じさせてくれるところに期待が持てる。

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 攻守ともに、年々、少しずつの上乗せを感じるのだが、今年もまたステップアップを感じさせるチームである。
 春の試合では、攻守ともに松下電工に対してかなり通用したこと、関西学院大学ではディフェンスはある程度機能していたこと等から、秋リーグ戦での活躍が楽しみである。

 今年は、どちらかと言えばディフェンス主導のチームだが、そこにオフェンスが応える形で整備されていけば、今年のリーグ戦の台風の目になる可能性はある。近年は4勝3敗が続いているが、今年は5勝以上の白星も十分に実現できる射程圏内にあるのではないか。

 もちろんそのためには後半戦の関京立戦を全勝対決で迎えるところから始まる。そのためには前半戦で取りこぼしがないように集中力を持って臨むことが必要になってくる。開幕戦神戸大学戦でいきなり正念場を迎えることになるが、2ヶ月近い準備期間があったので万全か。

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神戸大学
○38−26甲南大・●20−21京産大・△20−20横国大・○35−28近畿大
●10−56関学大


 昨年は、京都大学に対して記録的な勝利を飾りながら、その後の星勘定に恵まれなかったのは、攻守両面にケガ人を多く抱えてしまったことによる。それでも3勝4敗で5位という成績を残しており、底力は年々上昇しているように思えてくる。

 今春は麻疹騒動によって6月序盤の練習計画に狂いが生じ、龍谷大学との試合が中止になってしまった。もっとも、そのおかげと言うと不謹慎だが、6月終盤に関西学院大学と試合が出来たのは、うれしい誤算と言うことか。関西学院大学との比較結果を夏の練習計画に十分に取り込むことが出来ただろ。その結果を披露してくれるに違いないという期待感が漂う。

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 オフェンスは、QB#4大原が今年からスターターとして起用されることになる。もっとも昨年も2番手QBながらスターターを任された経験もあり、試合経験は豊富である。
 なお、春には#16長田がバックアップQBとして何回か登場するシーンがあった。過去の経験はあるかもしれないが本来はレシーバーの選手であり、さらに、来年以降のことを考えると、やはり、秋は専任のバックアップQBの登場が待たれるところである。

 RBには#33冨田、#20竹内、#1小椋、#47大月が揃うが、いずれもパワーランナーというよりはテクニカルなランナーという印象が強い。しかし、最後まで足を動かす粘り強い走り方は今年も健在である。
 なお、神戸大学の攻撃スタイルにおいてRBにはショートパスターゲットとしての役割があって、多彩な能力が要求されているのだが、RB#20竹内などはランフェイクのパスターゲットとして器用な動きを十分にこなしている。

 OLには#64上野、#74清水、#77寺坂と昨年のメンバーが多く残り、インサイドのランプレーでラン走路を確保するとともに、パスプロの重責を担う。

 そして、神戸大学の攻撃を考える上で欠かすことの出来ない存在となっているのがWR#24大園である。春の試合では、ロングパス・ショートパスともにメインターゲットとなっていて、まさしくエースレシーバである。QB#4大原も#24大園に対しては安心してパスを投じている様子が感じられた。

 神戸大学オフェンスのポイントの一つはエースレシーバーWR#24大園をどのように使うか、にある。使いまくるか、囮にして他のプレーでのゲインを目指すのか。ただし、ロングパスターゲットとしての存在、華という点では1試合に1回は見てみたいとも思う。
 1年の春の試合から出場していて、これまで試合を欠場するような大きな怪我をしていないのだが、奇跡というよりも練習の賜物なのだろう。2年生の秋シーズンを迎えることになるが、くれぐれも怪我のないようにお願いします。

 その他のレシーバーとしてWR#12石井、#16長田、#81三宮などが揃い、ボールを散らすための重要なパスターゲットとして機能している。
 さらに大型サイズのTE#83東内も縦のクイックパス・ミドルターゲットとしてプレー選択の幅を広げている。体格が大きいことでパス成功率が高くなるのだろうか、昨年の試合でも苦しい展開の中で試合の流れを変えるパスターゲットとして重要な働きをしていた。

 神戸大学オフェンスのプレースタイルは、インサイドとオープンへのランプレーと、RBWRへの短いパスからWR#24大園へのロングパスというランとパスのマルチ攻撃を志向している。長短様々なパススタイルとランプレーを複雑に組み合わせた展開は幅が広くて、ディフェンスに的を絞らせにくい。
 もっとも、その分だけやらなければならないことも多くなってくるが、ここ数年で取り組んでいることであり、今年もワンランクステップアップした攻撃パターンを見せてくれることだろう。

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 ディフェンスは、DLLBはほぼ昨年のメンバーが残っているのが心強い。もっとも昨年から辛酸を味わっているメンバーなので、今年のリーグ戦では起死回生となるか注目したい。
 以前は攻撃側が時間を消費するスタイルだったが、近年ではパス比率が増してきているので、結果的にはディフェンス側に時間面での負担がかかってきている。この時間のバランスの違いをディフェンス側がシステム的に吸収し切れていないところが、近年のディフェンス不調の原因の一つかもしれない。

 DL#90荒谷、#99小澤、#95春山の破壊力という点ではこの春の試合でビッグプレーをメモされていないのは私の見方の問題だろう。
 LBのファインプレーが私のメモに時々記録されているのだが、LBが動けているということはDLが相手OLをある程度は押さえ込んでいる証拠でもある。そのLBは#42玉井、#39松井、#49浅野、#55宮川などの名前が挙がる。

 DBは、昨秋から若手が様々に経験を積んでいるものの、どちらかと言えば今年も層が薄くて不安要素の多いポジションである。DB#26中江、#34宮路を中心に#11大垣、#21山下、#14佐藤、等々のメンバー構成となる。試合序盤では良い動きでパスカバーランディフェンスを見せることがあるので、いろいろな面でスタミナがつけば様子は一変するのではないだろうか。

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 攻守ともに、昨年からメンバー交替があるもののそれでも昨年の試合で経験を積んだメンバーが多く残っているので、全くの白紙状態ではなく昨年からの上積み分が期待できるチームである。

 神戸大学の望む試合展開は、最悪でも1本差程度までリードされている状態で試合終盤を迎える展開であろう。
 やはり、一発で得点できる飛び道具を有する強みは大きい。残り時間僅かでの集中力は、昨年も今春も十分に冴え渡っており、春の近畿大学戦も点の取り合いの混戦を勝利に結びつけたように、僅差でもつれる試合展開ならば神戸大学が優位に立つのは間違いない。

 大量得点差をつけられて、攻撃手段としてロングパスしか残らないシチュエーションになるとターゲットへのマークが厳しくなってしまうが、ディフェンスがある程度の得点差までに押さえ込んでいれば最後に逆転する力はある。というのが春の試合を観た上での神戸大学の理想的な試合展開予想。

 もちろん、攻撃側が終始リードしていて、ディフェンスが完全に封じ込んでいるような試合展開になれば、これは完全に神戸大学ペースとなる。

 開幕戦関西大学戦からアクセル全開して白星になれば、その次はあまり苦手意識のない京都大学戦と続く。この2戦で波に乗ると一気にリーグ戦台風の目にある。

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同志社大学
●21−37立教大・●10−26龍谷大・○30− 7大阪大・○16−14京産大
●10−42慶應大・● 3−24明治大


 昨年リーグ戦では2勝5敗で6位の成績を残す。そのメンバーからオフェンスはラインを除きほとんど総替えに等しく、ディフェンスは昨年の経験者が残るものの、こちらも再建色の濃い布陣である。
 そのことが関係しているのであろう、春の試合では関西DIV23に対してかろうじて白星を得ているだけという結果だが、これも個人やチームとして経験を積んでいく過程のことであり、春の結果をそのまま単純に秋リーグ戦の参考にするには無理がある。

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 オフェンスで昨年の選手が残るポジションはOLとKだけで、冒頭に記したようにQB筆頭にバックス陣は昨年メンバーから総替えとなるために、コンビネーションプレーに関しては今年はゼロからのスタートということになるだろう。

 今春の同志社大学の試合は5月の龍谷大学戦を観戦しただけだが、オフェンススタイルはセットバックからのランパスという形で、QBには3年の#17多川がスターターとなる。
 QB#17多川のパフォーマンスを観たのは1試合だけなので、なんとも言えないところはあるのだが、パス判断が良く、さらに、スクランブルもありと、同志社大学の過去の系譜に倣ったダイナミックかつ良い意味でいやらしいQBになりそうだ。今年は3年生なので経験を積んで来年開花の年、でもいいが、出来たら今年からベストパフォーマンスを見せてほしいところ。

 バックス陣では、まずRBにUB#91山口によるパワーラン、TB#2太刀掛、#33阪ノ下によるスピードランという布陣、そしてレシーバーは、WR#11木原、#3越智、#7橋本、TE#87居戸など。
 TB#2太刀掛やWR#11木原などは昨年も実戦経験があるが、他のポジションとの連携となると、やはり、ゼロからのスタートになることは違いない。このメンバーで今年のリーグ戦を戦い抜くことは避けられないことであり、ワンステップずつ成長して行く以外に手段はないだろう。

 このようにバックスにはどのポジションも今期からという初々しいメンバーが並ぶが、OLだけは主将OL#64島田を筆頭に、#61桑原、#62高倉など、昨年の経験者が多く残っている。未熟なバックス陣のためのランパスの攻撃の砦として今年はより重要なポジションとなる。

 そして同志社大学の得点源として忘れてはならないのがK#6浦の存在である。昨年から敵陣での第4DではほとんどFGキックで3点を狙い、そして、その類稀なキック力で得点を重ねていっている。
 しかし、春龍谷大学戦や昨年リーグ戦最終戦ではFG失敗によるフィールドポジションの変化が相手に得点を与えるきっかけになっているところがある。
 再建色の濃いオフェンス布陣にあって、是が非でも得点をとりたいという気持ちがFGトライにつながる部分もあるのだろうが、FGを蹴るシーンとパントキックにする条件分けは、もしかしたら必要になってくるかもしれない。

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 今年のディフェンスは、再建色の濃いオフェンスと比較すると昨年のメンバーが多く残っており、今年の同志社大学は、ディフェンスのほうがおそらく完成度が高いのではないかと考えている。

 LBは#54輪地、#10三浦、#52田中など、昨年のユニットに近い形で残っているポジションであり、いい判断で好プレーを見せているメンバーが今年も守備の中核を構成していて心強い。

 DLは昨年もQBサックやファインプレーを連発していた#9藤井、#93染谷、#56西村という布陣、DBは昨年から少しづつ試合経験を積んでいる#19荒井、#25遠藤などによる。

 この同志社大学ディフェンス陣は、個人レベルでのプレー判断やパスカバー、スピードという点では、人材的にはアスリートが揃っているのではないかと思っている。個人レベルからチーム全体としてのディフェンス網となりえるか。素地は十分にある。

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 オフェンス側に不透明な部分が多いために、リーグ戦序盤戦は、正直なところ苦戦は免れないかもしれない。しかしその中で試合経験を積んで中盤以降の試合に反映できれば、後半戦ではいくつか白星を重ねていくことも十分に可能である。
 また、ディフェンス側で試合の流れを作れるようになれば、オフェンスへの負荷が減少されていって、いい回転をするかもしれない。

 再建の年ではあるのだが、近年はスタッフ面が充実度が増してきており、攻守とスペシャルチームで、どのように試合に臨むか。さらには、どのよう成長させていくか、春から秋序盤を経て終盤までの成長ストーリーも楽しみたい。

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近畿大学
○14− 0桃院大・○65− 0明院大・● 9−35立命館・●28−35神戸大
○77−12金沢大・● 7−28アサ飲・●10−38内外電


 今年の近畿大学オフェンスの特徴の一つは、QBが一新されることにある。昨年は4年生に2名のQBがいてリーグ戦では併用されていたためであろうか、今期のスターターQBのリーグ戦実戦練習が少ないところが気にかかる。
 ランナーとレシーバーには、スピードとテクニックのある経験を積んだ人材が豊富なので、今期のスターターQBが昨年で少しでも実戦経験を積んでおけば、戦力ダウンのイメージなくスムーズに移行できていたのではないかと思う。もっとも、昨年は昨年のベストが要求されるので兼ね合いが難しいところではあるが。
 そのQBに、春の神戸大学戦では3年生のQB#18原田と、1年生の林が起用されている。オフィシャルページによると総計4人がQBとして登録されているようだが、この中からだれが頭角を現すか。

 RBは#5尾下、#20山上、#44三好、#29吉田など。オープン・インサイドともいずれもスピードで突破を図ろうとするタイプが多いのが特徴である。

 パスターゲットは、WR#7富尾、#19森、#88永山。ロングターゲットはもちろんショートパスキャッチからのランプレーは今年も冴えわたる。さらにTEに#6井本が加わってオフェンスの幅を広げている。

 レシーバー・ランナーとも、そのスピードとステップでディフェンスを振り切ってのロングゲインというシーンは、昨年のリーグ戦や今年のNEWERAでも頻発しているように、そのハイレベルなテクニックには目を見張るものがある。さらに、スペシャルチームではリターナーとしても威力を発揮している。

 OLは#57岸田、#56金田、#72皆川と昨年の試合経験がある最上級生が揃うが、オフィシャルページのメンバー表を見る限りでは絶対数が不足しているようだ。攻撃の起点となるラインでの人材不足は、シーズン中の怪我による戦線離脱や来年以降のことも含めると、気掛かりな点である。

 春観戦したのは5月の神戸大学戦では、オフェンスは勢いで得点を重ねるというスピードづくめの試合だった。さらに昨年リーグ戦などの試合展開から考えると、おそらくパスランともスピード重視のオフェンススタイルが近畿大学の中心軸になるだろう。そして、圧倒的なパワーディフェンスで押さえ込まれたときに打開策の有無が試合の流れを決めるポイントの一つになる。

 未知数なのはQBがリーグ戦初体験に等しいことで、重要なワンポイントで正確なプレー判断ができるか否か。春神戸大学戦を観る限りでは、どちらかと言えば取り越し苦労のように感じているのだが。

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 今年の近畿大学ディフェンスは、DLに初スタメンとなる選手が多く揃うことが最も大きなポイントになる。昨年活躍したDL#97高山は存在するもののコンビネーションプレーに関しては、一からの構築となる。
 さらに春の試合では、DL#97高山をLBへ、そしてLB#9藤井をDLにコンバートしており、ディフェンスチーム全体のバランスを考慮した再構成を行っていた。
 このあたりが、春の試合で失点が多かった理由の一つでもあろう。したがって、春夏を越えてどのように整備されてきたのかかという点がリーグ戦各試合展開を考える上で重要なポイントとなる。もっとも、こればかりは開幕戦を迎えてみないと、その全容は見えてこない。

 LBDBについては昨年までの試合経験の豊富なメンバーが配される。LBは#51森安、#43末吉、#14岩野に#97高山が加わって機動的なLBを構築している。

 DBは試合経験の豊富な最上級生##32鷲野、#17谷原に昨年経験を積んでいる3年生#34西村、2年生#21吉田が存在する。DB#32鷲野、#17谷原はNEWERAなどでもファインプレーを頻発しているアスリートでパスに対する反応にはすばらしいものがある。

 DBはディフェンス全体の中では最も選手層が厚く、一番最初にスタイルが確立するポジションになるだろう。そして、神戸大学戦では#17谷原がLBに参加しているように、人材輩出ポジションとなっている。

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 今春は神戸大学戦・立命館大学戦や社会人との試合ではディフェンスがあまり機能しなかったかのように失点を重ねているが、秋リーグ戦でも、ディフェンスの失点に対してオフェンスのスピードキャリが機能するか、そして、追いつくことが出来るかという試合展開になりそうだ。
 ディフェンスの失点が少なければその分だけオフェンスの負担が減少するということであり、秋リーグ戦でも、やはり、ディフェンスの完成度が試合結果を左右することになるかもしれない。

 さらに攻守ともにラインの人材不足感が漂うことと、オフェンスでは試合経験の少ないQBが春夏を通してどこまで成長したか。そしてバックス陣がどこまでカバーすることができるかがポイントになる。

 攻守スペシャルチームともに一発で試合の流れを変えることができる選手が揃っているのも大きな特徴で、勢いに乗ればどこまでも上昇気流にのっていくことができるチームである。
 開幕戦では立命館大学と、第2節は関西学院大学と対戦することになるが、対戦相手がまだ今年のスタイルになりきっていない序盤だからこそ出来る何かがある。要注目です。

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龍谷大学
○26−10同志社・○21− 0九州大・○41−14京産大


 昨年冬の入れ替え戦でDIV1に復帰した龍谷大学。2004年リーグ戦でDIV1初参戦し、その後2年滞在したが、2005年冬の入れ替え戦で敗退し、昨年2006年はDIV2へ降格となっていたが、今年は再びDIV1に参戦する。

 春の試合は5月の同志社大学戦を観戦したのみで、6月の神戸大学戦が麻疹の影響で中止になってしまったのが私的には痛い。約1ヶ月でどの程度変化しているかが見れなかったのだが、しかし、オフィシャルページ等でその他の試合結果を見ると、かなりの好成績を残しているようなので、気になるチームの一つである。

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 今年のオフェンスは、4年生QB#12善元中心に、おそらく、Iフォーメーションからのラン・パスのバランスアタックというスタイルになるだろう。スターター3年目であり、QB#12善元の得意とするパターンが散りばめられたオフェンス組み立てになるのは間違いない。

 RBは#9上野、#31小幡がスピード系のイン・アウト両方を得意とし、レシーバーはWR#18西川がロングミドルパスターゲット、TE#4北山がショートミドルレンジパスターゲット、という布陣になる。
 なお、昨年の経験者が残っているポジションもあるが、新規にスターターをとるメンバーも多く、春の1試合を観戦しただけではその全貌は掴み切れない。

 ディフェンスは、DL#91城内、#24西本、LB#54末本、田部、DB#5高崎、#25松野尾、板垣、堀という構成に、今季新たなメンバーが加わる。
 龍谷大学ディフェンスの過去チームの印象といえば、そのアグレッシブな動きと、そこから生まれる破壊力に魅力がある。そして今年も、その流れを踏襲するディフェンススタイルになりそうだった。

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 DIV1復帰元年の目標は、最低でもDIV1残留、そして出来れば入れ替え戦回避以上、となる。リーグ戦序盤は、残念ながら苦しい試合展開が続くかもしれないが、そこからリーグ戦後半戦に向けて突破口となる糸口を掴んでいってほしい。

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