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試合前半は両チームともに4シリーズを行い、大産大附属高校が2TD、虎姫高校は3TDというハイスコアリングゲームの様相を呈していた。 先行したのは虎姫高校で、開始早々のファンブルターンオーバーによる敵陣スタートをRB#21漣の左右OT突破ランによる連続FD更新でエンドゾーン手前8ヤードに達する。 ここで大産大附属高校ディフェンスも粘って第4Dまで追い込んだのだが、ギャンブルで果敢に攻めた虎姫高校がRB#21漣のオープンランで先制した。 これに対して大産大附属高校もQB#10荒木からWR#19常包へ右パス20ヤードがDB間にヒット、さらに、RB#18岡のよる左オープンランは、ダウンフィールドブロックとのコンビネーション抜群で25ヤード、39ヤードのビッグゲインを重ねてTDを得る。 その後も、両チームディフェンスが、相手オフェンスバックス陣のスピードやコンビネーションプレーで切り崩されてしまい、オフェンス優位の時間帯が続いた。 ******** 第1Q終盤、虎姫高校オフェンスに対して、大産大附属高校ベンチからディフェンスフォーメーションに対して細かい指示が飛んでいた。 虎姫高校オフェンスは、セットしてから左右逆サイドへ複数名が移動する。フォーメーション重心が逆サイドに移動することになるので、ディフェンス隊形も特にバックスは細かく対応しなければならない。 それに対して虎姫高校QB#1竹村がカウンターキープで左サイドへ抜けて27ヤードのビッグゲイン。声が指示する方向と逆サイドへのカウンターキープのランプレーが飛び出した。 QBが反応して突然プレーが変わったのかは不明だが、しかし、大産大附属高校ディフェンスが対応に苦しんでいる様子は十分に伺えた。 虎姫高校オフェンスは、さらにWR#19堀田のリバースで21ヤード等のビッグゲインが続いて2個目のTDを挙げる。 ******** 大産大附属高校も#22井上の90ヤードキックオフリターンTDで同転、と思われたのだが、リターン途中の反則(ヘルピング・ザ・ランナー)でTDは無効となり、点差が縮まらない。 その後大産大附属高校は、WR#9宜本のパス27ヤードゲインをきっかけに同点に追いつくが、第2Q終盤、虎姫高校はフィールド中央付近での第4D2ヤードギャンブルで再びWR#19堀田のリバースプレーを選択、絶妙なブロックにも助けられて前半3個目のTDを獲得、虎姫高校リードでハーフタイムを迎えた。 ******** 前半は、両チームともオフェンス優位の試合展開で、虎姫高校オフェンスはリバースやフェイクプレーなどでディフェンスを攪乱、一方、大産大附属高校オフェンスは、DBとの1対1を積極的に狙った内容の組み立てとなった。 そして、後半。先に得点を挙げたのが大産大附属高校、そして、先にディフェンスが整備されたのも大産大附属高校だった。 ******** 大産大附属高校オフェンスは、RB#18岡をインサイドレシーバーとして配置し、QB#10荒木から#18岡へミドルインのタイミングパスを繰り返す。前半にはなかったかもしれないパスコースで、虎姫高校も瞬時には対応できなかった。 WR#18岡へのパス3本とRB#22井上の中央ランの計4プレーで速攻TD、同点とした。 さらに、大産大附属高校ディフェンスDLLBの動きが、目につくようになっていた。DL#72丸谷、#51小川、LB#49西村、#2服部などが、少しずつ、RB#21漣、QB#1竹村キープなど中央付近のランプレーに絡んでくる。完全には止まらないのだが、数ヤードゲインで止められる回数が増え、さらに、前半のようにロングゲインを奪われることがなくなった。 しかし、虎姫高校にも策士がいる。第4Q中盤、フィールド中央付近で両TEのTフォーメーション、中央付近に選手を集めてセット。これに対して大産大附属高校も中央にディフェンス選手を集めて対抗するのは道理。 そして、RB#21漣が左オープンを駆け抜けていく。中央ケアを尻目の独走TDで、虎姫高校が再び均衡を打ち破った。 ******** 第4Q残り時間5分台。大産大附属高校自陣10ヤード付近からのキックリターンは、フィールド中央付近を抜けかけたのだが、虎姫高校#26藤居の片手タックルでプレーデッド。 自陣41ヤード、RB#18岡に対してLB#13梅本が対応、さらに、QB#10→#18→ロングパス狙いは、#18岡にディフェンスが絡んでプレー成就せず。第3D3ヤードを残した時点で残り時間は4分33秒。 この3ヤードを前進するために、大産大附属高校はQB#18岡のキープを選択、そして9ヤードゲインでFD更新すると、RB#22井上の中央突破43ヤードTDプレーへとつなげた。 ******** 残り3分47秒。27−27の同点。第4Q終了時点で同点の場合は、タイブレークで次のステップへ進出するチームを決めるのが高校大会の規定になっている。 ******** 虎姫高校オフェンスは再び両TEセットでオープンを狙うもののさすがに2回目は通用せず。しかし、QB#1竹村からWR#19堀田へ12ヤードパスでFD更新しながら時間消費にかかる。25秒計を睨みながらのプレースタートの時間帯。 しかし、残り時間1分台となったところで、虎姫高校にとっては痛恨のパスインテンショナルグランディングの反則、ロスオブダウンと10ヤード後退、そして、何よりも時計が停止してしまったのが厳しい。 大産大附属高校DL#51小川に追われて思わず投げ捨ててしまったのだが、そのままタックルを受けて時間消費を選択するというのが結果論ではベストの選択だが、実際には、瞬時に判断するのは至難の業である。時計は1分23秒を示していた。 ******** 虎姫高校パントで大産大附属高校はフィールド中央付近から最後の攻撃。残り時間は59秒。 ここから大産大附属高校はロングパスが続くが、インターセプトされても虎姫高校陣深いところ。パスヒットすれば儲け物というスタンスでTDパス狙いが続いた。 右サイドのロングパス2回失敗。ショートゲイン後の第4DでWR#9宜本へパスヒットしてFD更新するものの22秒から時計が回る。 左ロングパス1回失敗のあと、大産大附属高校は最後のタイムアウト行使。そして、このシリーズ4回目のパスは再び左ミドルイン。WR#19常包へTDパスが通った。 |
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先攻立命館宇治高校が自陣でファンブルロスト、このポジションを関西大倉高校が先制点に結びつけた。 しかし、この関西大倉高校の得点シリーズも必ずしもオフェンスが優勢だったのではなく、第4Dギャンブルを2回クリアした難産の末のTDドライブであった。 QB#90によるショットガン隊形からのランパスに対して、立命館宇治高校ディフェンスLB#4名倉、LB#27古山などのボールキャリアへの集まりが良い。 立命館宇治高校ディフェンスに手を拱く関西大倉高校は、QB#90土橋のロールアウトからWR#19奥野インサイドレシーバーへの14ヤードパスをヒットさせてエンドゾーン目前に到達、QB#90土橋のキープでTDを得た。 しかし、その後は、両チームともオフェンスが繋がらない。 ******** 立命館宇治高校オフェンスは、QB#8谷口によるショットガンからのRB#20北川へのハンドオフプレー、RB#33岡部のラン、WR#5瀬戸山へのパスという試みだったが、これに対して関西大倉高校ディフェンスDB#19奥野、DL#57東元、LB#44石井などの集まりが早く、コンスタントなドライブは出来ない状態。 一方の関西大倉高校オフェンスもQB#90土橋のキーププレー、WR#12赤松などへのパスも、立命館宇治高校LB#4名倉、DL#71海野などスピードがあって、さらに、当たりに強いディフェンスが対抗してドライブが繋がらない。 第1Q序盤に関西大倉高校が得点をしたものの、それも前述したように四苦八苦のドライブの末のもので、前半は両チームともディフェンス優位の試合を展開、そして、そのままハーフタイムを迎えようとしていたのだが、その直前に、試合が動いた。 ******** 第2Q終盤残り時間0分56秒からの立命館宇治高校自陣36ヤードからのTDドライブは、所要時間28秒(立命館宇治高校2回のタイムアウト行使含む)の速攻、ビッグゲイン4プレーによる。 RB#20の右OT突破ラン19ヤード、WR#5瀬戸山へ23ヤードパスで敵陣22ヤードに到達した時点でまだ38秒、タイムアウトは1個残りの状態だったので、FGトライは確実だった。 しかし、次のWR#2河原へのインサイドパス11ヤードゲインでFD更新した時点で最後のタイムアウトを行使する。 次のプレーでフィールド内デッドになったら時計が止まらないことになってしまい、FGチャンスも危うい状況だったのだが、そんなことはお構いなしでWR#2河原へTDパスがヒットした。PATキックは失敗だったが、立命館宇治高校が勢いに乗るのに十分なドライブだった。 ******** ハーフタイムを経て第3Q。 先攻関西大倉高校のパスを立命館宇治高校LB#4名倉がフィールド中央付近でインターセプトすると約20ヤードをリターン、今度は立命館宇治高校に敵陣スタートのチャンスが訪れた。 立命館宇治高校オフェンス第1プレーは、プレーが崩壊した中でQB#8谷口がキープで前進を試みる。しかし、ここに関西大倉高校のLB陣のタックルが集まって負傷してしまった。 その後はQB#16中島が登場するのだが、オフェンスパフォーマンスに大きな影響を及ぼさなかったことで、立命館宇治高校ペースに拍車がかかっていくことになる。 このシリーズはQB#16中島からWR#88森本へプレーアクションパスヒットでFD更新するものの、その後関西大倉高校LB#5草生、#52佐藤の堅守によってFG3点追加に終わった 続く関西大倉高校オフェンスは、QB#90土橋の連続キーププレーで自陣からのロングドライブが繋がる。RB#33長山のランとQB連続キープによるリズム感のあるドライブになりかけていたのだが、最後は立命館宇治高校DL#71海野、LB#80寺岡などに対応されてしまった。このあたりから関西大倉高校オフェンスに若干の手詰まり感が漂ってくることになる。 ******** 立命館宇治高校は第3Q終盤、QB#16中島のプレアクパスをDL#57東元などにカットされたりピッチ乱れなどがあるものの、RB#20北川へのスクリーンパスやWR#5瀬戸山へ13ヤードパスをヒット、最後はRB#20北川による当たりの強いダイナミックな中央突破ランで得点を重ねた。 さらに、第4QにはDB#35下城、DB#27古山がミドルパス連続パスインターセプトして関西大倉高校の反撃を断ち切ると同時に、RB#20北川、QB#16中島キープなどでダメ押し点を追加、立命館宇治高校勝利となった。 ******** 第2Q終盤にリズムに乗った立命館宇治高校が、そのまま、勢いに乗って試合の流れを支配すると、そのまま、立命館宇治高校ペースで時間が経過していった。 立命館宇治高校には、試合の立ち上がりにこそファンブルロストがあったものの、その後から少しずつ自分たちのペースに試合を引き寄せている。気合の入った選手が多い個性派集団である。 |
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