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先攻関西学院高等部の第1シリーズは、QBスクランブルにDL#72丸谷、続くランプレーもLB#49西村、DB#1砂川などでショートゲインに止まる。第3Dミドルパスはレシーバーフリーになるもののパスコースとレシーバーが不一致でパス失敗、パントによる攻撃権放棄となった。 このパントキックに対して大産大附属高校#22井上が50ヤードのビッグリターンをする。相手選手と味方選手を見ながら隙間を探す視野の広いランスタイルは、その後も要所で威力を発揮していく。 敵陣19ヤードで攻撃権を得た大産大附属高校は、RB#99楠田のダイブ、RB#18岡によるOG付近、RB#22井上のオープンという三種類のランでFD更新、そして最後はUB#99楠田のパワーランでエンドゾーンへ飛び込んで先制点を獲得した。 これに対して関西学院高等部第2シリーズは、OLの巧妙なブロックと組み合わせた凝ったランプレーを繰り返した。ブロックによってDLはじめディフェンス陣が一掃されてしまい、大きな穴が開く。 その空間をRB#17松岡が連続キャリー、そのうちミドルゲインが2回、さらに、WR#14櫻間、#84南本、#88和田アウトサイドへの速いタイミングのパスをつないで3回のFD更新で敵陣6ヤードに到達した。 しかし、ここで止まってしまう。第1D左パス失敗、タイムアウト明けの第2Dは普通にパワーIのRB#17松岡中央突破を試みるも大産大附属高校DLに跳ね返される。第3右パスはDB#23中村の反応よくパスカットとなってFG3点となった。 ******** ここまでで、大産大附属高校オフェンスはRB#99楠田、#18岡、#22井上のランが進み、一方の関西学院高等部オフェンスは中央付近のミドルレンパスがディフェンス手薄で効果的だったが、QBWR間精度に若干不一致なところがある、という両オフェンスの状況が把握された。 関西学院高等部OLブロックによるラン突破に対して大産大附属高校ディフェンスがアジャストするかと言う点がのこったが、どちらかといえば関西学院高等部側が避けたか、あるいは何かしらの判断をしたのか、少なくともその後は、パス中心のオフェンスとなっていった。 ******** 第1Q終盤、大産大附属高校は再び#22井上の35ヤードリターンでフィールド中央からの攻撃権を得ると、RB#18岡のオープンや、RB#99楠田のカウンターダイブなどのランプレーでゲインを稼ぐ。OLとDL、RBとLBでの体格の差があって、RB#99楠田のダイブがなかなか止まらない。 さらに、QB#10荒木から右WR#1楠部3へのアウトパターンのパスも加わって敵陣13ヤードでFD更新した。 しかし、ここで関西学院高等部ディフェンスが、ようやくUB#99楠田カウンターを正面で受け止めることができた。さらにLB#42岸、DB#15北浦がランプレーをショートゲインに仕留め、第3Dの左コーナーTDパスではDBがカットしたボールを近くにいたDBがキャッチしてインターセプトが成立、関西学院高等部ディフェンスが窮地を救った。 ******** 第1Qは、大産大附属高校7点、関西学院高等部3点。第2Qも攻守の関係は大きくは変化せずで、大産大附属高校は、RB#22井上、#18岡のオープンランとRB#99楠田ダイブ33ヤードTDランで追加点をあげる。 一方の関西学院高等部もQB#16降梁からWR#1大森中央12ヤードパスなどミドルパスでドライブを重ねる。一度は大産大附属高校DB#9宜本にパスインターセプトされたが、第2Q中盤、再びQB#16降梁からWR#87池田への縦20ヤードパス、#84南本への縦23ヤード等のミドルパスと、その裏プレーとなるQBスクランブルランで前進していく。 敵陣ゴール前4ヤードで第4Dを迎えるが、左右レシーバへのコーナーTDパスの可能性をディフェンスに見せてDBを警戒させておいて、実際は、RB#17松岡へのショートパスによるTDプレーで加点した。 ******** 前半を終わって、関西学院高等部10点、大産大附属高校13点。1FG差はどのように転ぶか判らない状況ではあった。 しかし、後半第3Qの先攻が大産大附属高校だったこと、そして、前半でランドライブを関西学院高等部に止められていなかったというところで、もしかしたら大産大附属高校後半最初のオフェンスシリーズのプレーを選択しやすかったかもしれない。このあたりは観戦者側の都合の良い結果論だが。 ******** 後半先攻大産大附属高校は自陣21ヤードからRB#99楠田ダイブによる中央突破を繰り返した。RB#18岡ドロー15ヤードを挟んで再びRB#99楠田による5ヤードゲイン、その後もRB#18岡のオープンオプションとRB#99楠田の中央突破だけで4回のFD更新、敵陣19ヤードに到達した。 さすがにRB#99楠田に対してDL#78西村が対応、さらにダブルリバースのTDランがホールディングの反則で取り消しになるなどでエンドゾーン目前では関西学院高等部ディフェンスの抵抗があった。 だが、FD更新まで2ヤードを残した第3DというシチュエーションがUB#99楠田のフェイクプレーに有効だった。TB#22井上のカウンターによるTDプレーで大産大附属高校が追加点をあげる。このシリーズほとんどランプレーだったこともあって、約5分30秒の消費となった。 まだ第3Q中盤10点差なので、安泰ではない。 だが、続く攻防がこの試合の流れを決定付けたと言っても良い。 続く関西学院高等部オフェンス第1Dのプレーは右アウトのミドルパスだった。WRはサイドライン際に、そしてDBはその内側で競っていた。 一瞬WRがDBを抜いていたのだが、その瞬間のパスはコントロールも完璧だったのだが。 QBが投げたボールをDB#23中村が片手を伸ばしてカット&インターセプトとなった。 攻撃権を奪い取った大産大附属高校はWR#9宜本へのロングポスト30ヤードロングパスでエンドゾーン前14ヤードに一気に到達すると、ここからはRB#99楠田の連続キャリーとRB#18岡のTDランで追加点を上げる。 さらに、次のシリーズでもRB#22井上のスピードランと#99楠田のパワーランを織り交ぜてのTDドライブを展開して、第4Q突入までの後半3連続TDを獲得して試合の主導権を手中に収めた。 大産大附属高校33点、関西学院高等部10点。 直後に関西学院高等部はQB#16降梁からWR#8大西への72ヤードロングパスで1TDを返すが、17点差で第4Qは時間との戦いも加わり、少しずつ追い詰められていく。 第4Q、大産大附属高校がRB#99楠田中央突破ランでダメ押しのTDを獲得、その後関西学院高等部は1TDを返すに留まった。 |
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