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先攻は名古屋大学。自陣からFD更新して敵陣へ侵攻したところでパント。だが次のシリーズも、QB#6野田からRB#21高木の連続キャリーがミドルゲインを連発してエンドゾーンまで飛び込む。こうして試合序盤は完全に名古屋大学のペースだった。 だが、ここからは一転して名城大学オフェンスの勢いばかりが目に付く試合となった。 名城大学は自陣からQB#12石川によるオフセットIからのランパスの展開。RB#3瀬川による中央ドロー20ヤード、そしてWR#83田中へプレーアクションパスがヒット。カウンターやドロー、プレーアクションといった名城大学のフェイク動作に名古屋大学ディフェンス陣が完全に翻弄されて、さらに、第3列パスカバーにも若干甘いところがあって、WR#83田中へのミドル〜ロングレンジのパスが気持ちいいように通ってしまった。 こうして、名城大学はRB#3瀬川とWR#83田中によるミドルゲインでTDを奪うと、RB#3瀬川へのプレアクパスパスショートと、WR#83田中へのロングプレアクパス30ヤードTDパス、さらにQB#12石川からWR#16祖父江へ70ヤードのプレアクTDパス。QBからWR#83田中へプレアクTDパス50ヤードと、ほとんど同じようなプレーだけで得点を重ねていった。 同じプレーを繰り返していたらほとんどミドルゲイン以上になってしまうという状況だった。 一方名古屋大学オフェンスも#21高木のキックオフのビッグリターンによって敵陣スタートとなったオフェンスシリーズは、UBフェイクのQB#6野田キープが15ヤードのTDランとなって追い上げを図った。だが、失点のスピードが速すぎて、前半の段階で、すでに苦しい試合展開となってしまった。 ******** 後半。名古屋大学第1シリーズ、#21野田のリターン28ヤードと#21野田の中央突破20ヤード超の連続キャリーによって敵陣へ侵攻、さらに中央ランによって30ヤード前進、エンドゾーン手前4ヤードに到達する。だが、続く4回の攻撃は、中央ラン合計ノーゲイン、無得点に終わった。 一方の名城大学はRB#3瀬川による96ヤードTDランで追加点をあげて36−13、ほぼセイフティーリードを確保した。 ******** 名古屋大学オフェンスは、後半からQBに#9吉田を起用し続ける。QB#9吉田は利き手に怪我をしているようで包帯を巻きながらの登場となった。試合前半のQB#6野田は、メンバー表によればWR登録になっていて本職のQBではないようだ。 選手の起用については外野がどうこう言う性質のものではないが、システムに支えられるアメリカンフットボールという視点に立つと、他にも気になる点がいくつか見えた試合だった。 |
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第1試合は、私の戦前予想以上の大差になってしまい、少々気落ちしてしまっていた。この試合も結果を言えば私の戦前予想と全く異なる試合展開になっていったのだが、こちらは十分に面白い試合となった。 弱者が強者を食うというアップセットの可能性を見せる試合展開と、その過程を指揮するスタッフの手練手管を見るところは、アメリカンフットボール観戦の醍醐味である。 ******** 試合は、南山大学オフェンスがドライブをするもののTDまでには至らず、第3Q中盤で3FGのみ。RB#22穂積の個人技がミドルゲインを繰り返すが、QB#18宮川とレシーバー間のコンビネーションは、この試合を観る限りは、不安定な部分が残る。 ランプレーではRB#40赤石、#90前村等のパワーランナーが存在するものの四日市大学LB#5村松、#50水貝、#13赤嶺(匡)などの鋭い出足に遮られてエンドゾーンには到達できなかった。 このような攻守攻防の力関係の中で、両チームともディフェンス側のスタミナが先に切れたのか、第3Q中盤から一気に試合が動き始める。 第3Q残り5分58秒、南山大学攻撃開始地点はフィールド中央。UB#90前村による中央突破ダイブのパワープレーが15ヤードと大きく前進、さらにランプレーを重ねて、南山大学がようやくTDで得点を挙げた。 これに対して四日市大学も、RB#30政木の中央12ヤード、右OT10ヤードと中央付近のランプレーで前進、そして最後はWR#81赤嶺(靖)への中央ロングパス。DBを振り切って完全フリー状態のパスキャッチでTDを挙げる。このあたりは南山大学ディフェンスも完全に後手に回って振り回されている状態だった。 第3Q終盤の段階で、南山大学16、四日市大学6。得点差は10点。 四日市大学オフェンスのTDドライブにも十分に勢いがあって、南山大学ディフェンスをオーバーパワーしていた。したがって、次の南山大学の攻撃が止まれば、前年東海覇者の冠がある南山大学側に大きなプレッシャーが加わって、試合の流れが変わる可能性もあった。 だが、実際には、四日市大学ディフェンス陣の足が止まってしまい、南山大学オフェンスのランドライブが止まらなかった。残り時間9分05秒南山大学が得点をして23−6、残り時間から判断して南山大学のセイフティリードとなった。 その後の四日市大学オフェンスは、なおも敵陣侵攻2回うち1TDと勢いがあったので、南山大学ドライブが止まっていれば白黒がひっくり返るまでの可能性は残っていた。ランオンリーだったこともあり、このシリーズの四日市大学ディフェンスは悔やまれる。 ******** 南山大学オフェンスが第3Q中盤まで静かだったこと、特にパス精度はまだ途上にあり、ランキャリーも偏っている状況。そして、第3Q終盤から四日市大学攻撃を止めることができなくなったディフェンス陣。ベストメンバーをはっきりと把握しているわけではないので、原因を掴みきれてはいないとは思うのだが、安心できるような材料ではない。 一方の四日市大学は、試合序盤の南山大学の攻撃をLB陣が執拗に追いかけてショートゲインに封じ込めるなどディフェンスの前半の健闘が光る。 3FGと時間的なロングドライブを許してはいるものの、後半接戦になりうそうな一因を作り上げたのは、このディフェンス陣の前半のパフォーマンスによる。もっとも、これが第3Qから第4Qのスタミナ切れにつながっているのかもしれないが。 ところで、第4Qのディフェンスシリーズで四日市大学はタイムアウト行使をしていないかもしれない。私のメモ漏れの可能性がかなり大きいのだが、一息ついていれば変わっただろうか。 ******** 四日市大学オフェンス前半は、QB#16鈴木によるセットバックからRB#30政木、#4大城による中央付近のラン中心の展開。しかし、南山大学LB#10野村、DB#23梅村などに対応されてFD更新すら儘ならない状態が続いていた。 だが、オープンへの展開やフェイク動作で南山大学ディフェンスを攪乱する工夫が加わった第2Q終盤以降、さらに、WR#81赤嶺へのロングパスやRB#30政木のドロー中央ランなど、後半はミドルゲインを連発して得点につなげている。第4Qに入っても、オフェンス側は最後まで足が止まることなくしっかりとプレーしていた。 ただひとつ、第4Q南山大学エンドゾーン手前5ヤード付近の第4D残り1ヤード。中央突破によるギャンブルランを試みたが、ラインの山をジャンプせずに走り抜けようとしたがノーゲインに終わる。個人的にはジャンプで飛び越えてほしかったのだが。得点的時間的には、大勢が決まりかけていた時間帯ではあるが、惜しいプレーだった。 ******** この試合は昨年の東海学生覇者である南山大学側の視点に立って観戦していたのだが、いつの間にか、四日市大学側の視点にいた。今年はこれで3戦3敗らしいが、攻守ともに力を秘めているチームという印象を受けた。 これから先、どのように成長していくのか。システマチックな組み立てになっていくか、パワーフットボールになるか不明だが、今後が気になるチームである。 |