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先攻大産大附属高校オフェンスは、QB#18キープとRB#99によるラン中心のドライブを行った。自陣21ヤード付近から右サイドのオープンやOT付近を執拗に狙い、さらにブロッカーもしっかりと役割を果たしながら30ヤード、10ヤード等のミドルゲインを繰り返す。 途中の第4D5ヤードのギャンブルでも、右サイドへのQBキープで10ヤード前進する。OLブロックが効いて3回のFD更新の末に敵陣15ヤード付近に到達する。 しかし、関西大倉高校ディフェンスも、LB#49などが少しずつ2名のランプレーに対応できるようになっていき、1回で前進できる距離が短くなっていた。 そして、ここまで続いた大産大附属高校ランドライブも、敵陣15ヤードからラン3回計0ヤードに封じられる FGトライでも関西大倉高校1名が壁を抜けてキッカーにプレッシャーをかけてくる。これが影響したのだろうか、FGはわずかに左に逸れて失敗に終わった。 大産大附属高校はランプレーがゲインできている間になんとか得点をという狙いだったと思うが、しかし無得点に終わり、そして、少しずつ関西大倉高校ペースの試合展開となっていった。 ******** 続く関西大倉高校オフェンス最初のシリーズは、自陣30ヤードの手前で1ヤードを残した第4D。ここで関西大倉高校はプレーを選択した。 大産大附属高校はタイムアウト1回目を行使。 タイムアウトを使わせたことでセオリーどおりにパントに戻すかと思ったのだが、やはり関西大倉高校ベンチはプレーを選択、そしてQBスニークでFD更新する。 このシリーズは大産大附属高校LB#2のファインプレーが続いてドライブが止まるのだが、関西大倉高校のこの試合にかける意気込みを見た感じがする。 ******** 関西大倉高校第2シリーズは自陣29ヤード付近から。しかし大産大附属高校LB#2の堅い守りが続いて5ヤードを残した第3D。QBキープによる左OTプレーだった。 ディフェンスが集まってプレーが止まりかけたのだが、最終的なタックラーが存在しなかったのだろう、そのままディフェンスの隙間を抜けて65ヤード超のTDランとなる。 止まりかけたように見えたことでディフェンス第3列DB陣も全員前に上がってしまっていたので、QBが抜けたときには誰も残っていなかった。 さらに関西大倉高校第3シリーズは自陣18ヤード。QB#7による右OTからカットインして再び80ヤード超のTDラン。実際にはこのTDランは関西大倉高校の反則(イリーガルF)により無効となるのだが、前回のTDシーンと同じく、LBDBの連携の隙間を抜かれていた。 2回のTDシーンを通じて大産大附属高校にとってどのように働くか、ディフェンス全体に修正が入ってプラスとするか、それとも心配が先に立って動けなくなってしまうか。しかし、実際は、どちらかと言えば後者のほうだった。 ******** 大産大附属高校オフェンスは、第1シリーズにゲインを重ねたQB#18とRB#99によるランプレーを関西大倉高校ディフェンスDL#10、#69、LB#49などに対応されるようになると、その後は、ほとんどランプレーでは進まなくなっていく。 第2Q中盤、左サイドライン際へのロングパスを試みたが惜しくも失敗。そのまま7点差でハーフタイムを迎えても止むを得ない状況だった。 一方で、大産大附属高校は、後半後攻になるので、できれば、前半で点差を詰めておきたいところ。 そして、関西大倉高校攻撃途中にタイムアウトを使い、最後に10秒間だけ時間を作り出した。 残り時間が少ないので、1回で得点しようと思えばランプレーではなく、ロングパス狙い。そしてロングパスならば、たとえインターセプトされてもリターン途中でタックルされてボールデッドになるはず。このような目論見だっただろう。 しかし、左サイドライン際へのロングパスをDB#19がインターセプトすると、大産大附属高校選手の隙間を縫った絶妙な走りを見せて、そのまま70ヤードのリターンTDとなってしまった。 ******** 後半、大産大附属高校はRB#99による23ヤードゲインして再びランドライブする。フィールド中央での1ヤードを残した第4Dギャンブルは、FD更新位置までボールを運んだもののそこで痛恨のファンブルロスト、試合の主導権を握れない。 次のシリーズでWR#82へのクイックパス、#11への35ヤードロングパスによって1TDを返すが、しかし、その次のシリーズではQBサックやDLパスカットなど、パス攻撃にも即座に対応されて、オフェンスドライブが続かなかった。 一方、関西大倉高校は、QB#7からWR#4などへロングパス3本(50ヤード・60ヤード・60ヤード)と大産大附属高校キックリターンファンブルロストのチャンスを、いずれも得点に結び付けて4シリーズ連続の4TDをあげる。 関西大倉高校は、大産大附属高校ディフェンス陣の隙間にランパスを通して終始試合を有利に進め、10年ぶりのクリスマス出場を決めた。 |
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