全国高校選手権大会 決勝 クリスマスボウル



関西地区  目次 



12月24日(日) 王子スタジアム 12:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西大倉高校770721
日本大学第三高校3071424
(現地観戦)
 
関西大倉高校
日大第三高校
TD 1Q
FG
FL 1Q
2Q
TD
G×
G× 2Q
3Q G×
FG×
3Q TD
4Q
TD
TD
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
詳細テーブル


 先攻関西大倉高校第1シリーズ、リターンなどでフィールド中央に到達すると、QB#7による約50ヤードの右オープンキープのTDランで先行する。
 それに対して日大第三高校もフィールド中央からRB#33による右OT13ヤード、さらに9ヤードを残した第4Dを果敢にギャンブルに挑戦、QB#11によるキープによってFD更新、RB#29の連続キープも加わってエンドゾーン手前4ヤードに到達する。
 しかし、関西大倉高校ディフェンスが3連続でノーゲインに押さえ、FG3点に止まった。

 ここまで、両校とも立ち上がりの攻撃機会を、なかば強引とも思われるパワープレーで得点に結びつけている。このままオフェンス優位の展開になるのかと思われたが、実際は、両チームのディフェンスが立ち直っていく。

 第1Q終盤のフィールド中央付近でのターンオーバーの連続は、日大第三高校DB#19のインターセプト、関西大倉高校#25のインターセプト、そして関西大倉高校の右ピッチを日大第三高校リカバーと続く。

 試合の主導権をどちらが握るかという白熱したディフェンスの攻防は、第2Qに入っても繰り広げられていった。

 日大第三高校カウンター系のランプレーに対して関西大倉高校が対応してショートゲインに抑えこみ、日大第三高校もDB#2、LB#44等の中央のバックスが分厚いカバーで網を張ってパスカットを繰り返す。真正面で向き合った力勝負では、どちらも譲らない攻防が続く。

 第2Q序盤の関西大倉高校得点は、QBのロールアウトによってディフェンスのカバーが外れた一瞬のタイミングでのWR#4へミドルパス14ヤード、さらにOL#66、WR#4の好ブロックによるRB#21中突破50ヤードランというミドル・ロングゲインをTDへとつなげたものである。

 しかし、その後は、再び両チームディフェンスの堅守が続いた。関西大倉高校LB49、#19、LB#8によるランコンテインとパスカバー、関西大倉高校のロングポストパスに対しては日大第三高校DBの完璧なパスカバーでFD更新もままならない状態。
 結局、試合前半は、関西大倉高校ビッグゲインによる2TDと、日大第三高校も第4Dギャンブルキープを生かしたFGの3点に留まった。

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 後半最初に得点チャンスを得たのは関西大倉高校だった。

 日大第三高校後半最初のオフェンスシリーズ、フィールド中央付近での3ヤードを残した第4Dで第1Qと同様にプレーを選択する。
 しかし、関西大倉高校はタイムアウトを使うまでもなくLB#49などが完璧な対応を見せて、フィールド中央付近で攻撃権を奪った。
 そして、関西大倉高校QB#7からWR#4へ45ヤードパスを通して敵陣11ヤードに到達する。だが、最後は日大第三高校ディフェンスの壁に遮られ、さらに、FGも右へ逸れて無得点に終わった。

 お互いに得点チャンスを得るきっかけは、1個のビッグゲインによるもので、オフェンスがコンスタントにゲイン出来る状態ではない、ディフェンス優位の試合展開は後半も続いていた。

 そして第3Q終盤の日大第三高校による得点ドライブも、RB#33の50ヤード近いゲインがきっかけだった。
 その後、WR#88へのクイックパス8ヤード、カウンタードロー等でミドルゲインを絡めて得点に至る。

 第3Q残り0分46秒、日大第三高校10、関西大倉高校14。

 そしてこの得点がきっかけとなって、さらに、第4Qに入って試合が大きく動き始めた。

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 関西大倉高校リターナー#3による50ヤードリターンで試合再開。

 ビッグゲインから関西大倉高校の得点チャンスだったのだが、イリーガルフォーメーション、交替違反、そしてDL#79、99によるQBサックによって合計20ヤードのロス、これで攻撃権放棄もパントとなった。

 一方の日大第三高校は、QB#11からのプレーアクションパス#88へ13ヤードヒット、さらにRB#33のオープンラン33ヤード、#29のカウンター14ヤードとミドルゲインが続く。
 プレーアクションパスとドローというランパス巧妙な組み込みが関西大倉高校ディフェンスを少しずつ振り回す形になっていった。

 日大第三高校オフェンスは敵陣11ヤード、関西大倉高校#8、#9による中央ラン対応で第3D残り10ヤードに追い込む/追い込まれる。
 ここで日大第三高校ショットガンフォーメーションからのRB#33カウンターランオープンでエンドゾーンへ飛び込む。この試合はじめて日大第三高校がリードを奪った。

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 続く関西大倉高校も自陣からドライブ。フィールド中央付近で15ヤード罰退の反則から第4D残り4ヤードに追い込まれるものの、QB#7の左オープンキープでFD更新する。
 中央付近のランパスに対してはDB#2など反応よくゲインならないシーンが続くが、しかし、オープン位置は、まだ余裕があった。
 再び7ヤードを残した第4D。QB#7によるオプションキープの右オープンランによって30ヤードのTDラン。第4Q、関西大倉高校再逆転、残り3分16秒。

 さらに、続く日大第三高校オフェンスに対して関西大倉高校ディフェンスDL#69による連続ロスゲインタックル、さらにLB#49によるショートパスカットによって日大第三高校はFD更新まで23ヤードを残して第4Dを迎える。
 残り時間は1分20秒台だったので、日大第三高校にとっては崖っぷちに追い込まれたシーンだった。

 第4D、日大第三高校QB#11からWR#88への中央縦のロングパスはDBがカットしたかに見えたが、関西大倉高校に痛恨のパスインターフェアの判定が下される。

 日大第三高校にとってフィールドポジションは大きくは変化しなかったが、再び4回の攻撃権を得られたことは大きかった。
 その後、自陣43ヤードから再び右WR#88への40ヤードロングパスを決めてエンドゾーン手前20ヤード付近、カウンターラン1発で得点。日大第三高校が再び逆転した。

 日大第三高校21、関西大倉高校17、第4Q残り1分02秒、

 関西大倉高校残りタイムアウトは1回、TDが必要なシチュエーション、キックオフリターンでは自陣25ヤード付近まで、WRへ短いパスをつないで小刻みな前進を行うが、最後は時間に追われる形でのロングパスを日大第三高校DB#19にインターセプト、二転三転した試合は日大第三高校の10年ぶり2回目の優勝で幕を閉じた。