東西大学王座決定戦 毎日甲子園ボウル



甲子園ボウル 



12月17日(日) 阪神甲子園球場 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計
関西学院大学71471543
法政大学211401045
(現地観戦)
 
関西学院大学
法政大学
1Q TD
TD
G×
TD
1Q RTD
2Q
TD
TD
FL
TD
TD
2Q END
TD 3Q
FG×
3Q
4Q
RFL
TD
TD
FG
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
詳細テーブル


年間最優秀選手ミルズ杯:丸田泰裕(法政大学)
甲子園最優秀選手   :菅原 俊(法政大学)
敢闘選手:三原雄太(関西学院大学)
NFL特別賞:菅原 俊(法政大学)




 12月17日午前中。甲子園上空には冬の青空が広がっていた。前日までの天気予報が外れ、快晴の下でキックオフとなった第61回甲子園ボウルだったが、しかし、ハーフタイムが終わるころには、黒い雲に覆われた上空から大粒の雨が降り始める。そして第3Qには雷鳴がとどろいて約30分の試合中断となった。

 午前の青空を見て真冬の夕立を思い描けなかったように、過去に縛られた戦前予想なんて意味を成さないということを思い知らされた試合だった。

 最終スコア45−43。法政大学が2年連続5回目の大学王座に輝いた。

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 コイントスの結果、関西学院大学のキックによって試合開始。そのキックはタッチバックとなって法政大学自陣20ヤードから最初の攻撃が始まる。
 その第1プレー、QB#4菅原からピッチを受けたRB#29丸田が左オープンへ、WR#11戸倉の好ブロックもあって、そのまま80ヤードのTDランとなる。

 さらに法政大学第2シリーズ自陣20ヤードから、WR#81栗原へ15ヤード、WR#11戸倉へ40ヤードのパスが決まる。DBカバーをフェイク動作で振り切ったWR#81栗原だったり、DB隙間へ入り込んだところへのQB#4菅原のミドルパスだった。さらにQB#4菅原キープランも挟んで敵陣10ヤードに到達する。

 対する関西学院大学ディフェンスも自陣10ヤードからの3プレーをパス失敗、ラン5ヤード、そして、第3DパスもDB#15藤井のタックルで0ヤードに止めた。

 だが、この第3Dでイリーガルフォーメーションの反則があった。5ヤード罰退して法政大学第3Dをやりなおし、とするか、第4D残り4ヤードとして法政大学のFGかギャンブルの選択に委ねるか。そして関西学院大学は反則罰退による第3Dのやり直しを選択する。
 しかし、QB#4菅原からWR#7本間のインへ切れ込むミドルパスが成功して2TD目を許すことになった。

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 ここまで法政大学オフェンスのランパスドライブが冴えていたが、関西学院大学のオフェンスも手詰まりではなかった。第1シリーズ第1プレーでファンブルリカバー等あるが、しかし、法政大学ディフェンスに対してランもパスでドライブできていた。

 2TD先行を許した直後の第2シリーズ、#32河原による50ヤードリターンとインサイドレシーバーWR#84徳井へ2回連続のパスヒットによって敵陣12ヤードでFD更新する。
 テンポよく進んだドライブは、しかし、エンドゾーン直前で法政大学ディフェンスの壁に最後を遮られてしまった。1ヤードを残した第3Dからのランプレー中央突破ランをDL#90伊倉に、さらに第4DギャンブルでのオープンランもDL#90伊倉とDB#27浅野に対応されて無得点に終わる。

 しかし、その次のシリーズではスペシャルプレー一発での得点となった。左WR#81榊原の右モーション途中にQB#9三原からのハンドオフ、そのまま右オープンサイドを駆け上がるプレーを予感したDBを引き寄せる。
 そのDBと入れ替わりで奥へ入り込んだWR#1へ向かって#81からのパスが飛ぶ。これがフリーのTDパスとなって関西学院大学が1TD差とした。

 しかし、その直後のキックで、法政大学リターナー#29丸田による96ヤードのキックオフリターンTDで再び2TD差に広がった。

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 第2Q、関西学院大学は敵陣でパント。コントロールキックは法政大学に7ヤード地点からのオフェンススタートを強いた。そして少しずつ関西学院大学ディフェンスDL、LB#4橋本のプレッシャーが届くようになり、FD更新できないままにパント。

 関西学院大学は、#81榊原による10ヤードリターン、WR#84徳井へのミドルパスとレイトヒットの反則で前進を重ねる。QB#16加納による中央突破スクランブルも加わった第3D残り1ヤードはエンドゾーン手前8ヤード付近。

 ここで再びスペシャルプレーが登場する。QB#9三原によるQBスニークフェイク&ファンブルフェイクで、法政大学ディフェンス陣の目をQBの手元に集めた。その瞬間にエンドゾーンへ飛び込んでいた右TE#95韓へフリーのTDパスが決まった。

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 さらに関西学院大学ディフェンスは、LB#56佐藤によるRB#29丸田対応、DLLBがQBを追い回わしてインテンショナルグランディングの反則を誘うなど、第1Q終盤以降3シリーズ連続で法政大学にFD更新を許していない。
 ディフェンスの包囲網が試合の主導権を関西学院大学側に手繰り寄せようとしていた時間帯だった。

 第2Q残り8分41秒法政大学自陣12ヤードから始まったシリーズも、QB#4菅原がDLLBに追い回されるシーンで始まった。右サイドへ逃げるQBに対して、最初はフリーのパスターゲットが存在しなかった。

 しかし、右WR#11戸倉が左へ大きく流れてDBマークを振りほどく。そして、その一瞬にQB#4菅原からWR#11戸倉へショートパスがつながる。その後のランゲインと併せた30ヤードの前進が、再び法政大学オフェンスに火を点けた。

 FD更新後からはロンリーセンターでディフェンス拡散を試みるものの関西学院大学ディフェンスは、マンマークで対応。ならば、法政大学は再びWRとDBの1対1競争に挑む。WR#11戸倉への15ヤード、WR#81栗原へ20ヤード超のパスがつながり、最後はQBスクランブルで得点差を広げた。

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 第2Q終盤、関西学院大学自陣でのファンブルロスト。法政大学はQB#4菅原から右サイドライン際WR#11戸倉へのロングパス。WR#11戸倉の巧みなステップでDBを振りほどいた第1DTDパスで3TD差とする。
 関西学院大学も自陣37ヤードからWR#19中井によるオープンスイープ20ヤード、QB#9三原の3連続キープ(7+8+27)中央突破ランで再び2TDに戻した。

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 前半を終わって法政大学35、関西学院大学21。最大3TD差となったときもあるが、つねに関西学院大学が2TD差以内で追いかける展開が続く。試合開始直後の第1Qスピードに慣れるまでの立ち上がりの1発TDプレー2本が効く展開だった。
 関西学院大学オフェンスは、QBスクランブルとWRへのミドルパスが有効、法政大学オフェンスもWR#11戸倉、WR#81栗原へのミドルパスが効果的な攻撃手段と、両チームオフェンス側に手詰まり感はない。
 第2Qに関西学院大学ディフェンスが法政大学オフェンスQBに手が届く時間帯が続いたが、それもWRへのパスで切り抜けるという構図で、乱打戦の様相を見せた第61回の甲子園ボウルは、ハーフタイムを挟んで、後半戦へと突入する。

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 第3Q先攻関西学院大学は、前半最終シリーズと同様にランによる中央突破でゲインを繰り返した。RB#32河原による中央26ヤードランは、最後の一人が抜ければというロングゲイン、その後も、QB#9三原、#16加納、RB#21稲毛のミドルゲインが続き、最後はRB#30水口の中央突破TDランによって、関西学院大学が後半最初の得点を挙げて再び1TD差に詰めた。

 次のシリーズは自陣20ヤードから。そして、QB#9三原によるプレーアクションパスが#81榊原へ35ヤードのロングゲインヒットする。ここまでのQBスクランブルラン他のランプレー中心のドライブの裏プレーであり、種まきの結果のロングゲインであろう。
 さらにQBキープで敵陣17ヤードでFD更新する。得点差は1TD差。同点にするチャンスだった。

 FD更新からの3プレー。私のメモに記載がない(後日GAORA中継から転載予定)。第3Q始まったあたりから降り始めた雨が激しくなっていた。そしてFD更新まで8ヤードを残した第4D直前、第3Q残り4分47秒。大きな雷鳴がとどろき、約30分間試合が中断した。

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 試合再開直後、関西学院大学はFG選択するが、わずかに右にそれて失敗。その後両チームともディフェンス優位の時間帯が続く。関西学院大学DB#44笠原のQBプレス、法政大学DL#44福田のQBサック、関西学院大学LB#53柏木のQBサック。こうしてパントの蹴り合いが続いた。
 これも雷による中断と試合再開前のフィールド内でのウォーミングアップが出来なかったこととは無縁ではないかもしれない。

 関西学院大学リターナーの周囲に法政大学2名が近寄ってきた。そして落下したボールに関西学院大学リターナーが触れてイーブンボールに。最終的にボールを確保したのが法政大学#20稲葉だった。

 敵陣24ヤード付近で攻撃権を得た法政大学は左コーナーWR#81栗原へのTDパスによって第4Q残り13分19秒、再びリードを2TD差へと広げた。

 関西学院大学は、#32による19ヤードリターン、さらに、WR#91萬代への18ヤード、WR#81榊原に10ヤード、QB#9三原キープ10ヤードとミドルゲインを連発、法政大学ディフェンスを粉砕して所要時間3分のTDドライブで、1TD差に戻す。

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 続く法政大学オフェンスも久しぶりにロングドライブを行った。残り時間が10分を切ったこと、ドライブによる時間奪取、1TD差リードという得点、さらに、次の追加点が結果に大きく影響するという試合の最後が近づいてきて、目標が明確に見えてきたことと無縁ではないだろう。

 自陣第3Dランプレー後のメジャーによるFD更新という際どい瞬間もあったが、その後は、関西学院大学DLLBDB懸命のタックルとパスカットが続く一方でRB#29丸田のハンドオフランとWR#11戸倉への16ヤードパスヒットした。

 最終的には関西学院大学ディフェンスもDB#44笠原、DL#94荒牧による連続ランストップによってドライブを止めたが、しかし、法政大学もK#22渓本によるFGを決めて残り4分47秒、10点差とした

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 続く関西学院大学も自陣からRB#35へのスクリーン19ヤード、WR#84徳井へ15ヤード、WR#1岸へ23ヤードと前回同様のミドルゲインを連発して、QBキープとRB#35古谷のランプレーで速攻のTD、さらにPATではホルダー#88浅海からWR#86水原への2ポイントパスが成功2点差にまで詰める。

 残り2分27秒、関西学院大学はオンサイドキックを試みる。

 もしも、関西学院大学がボールを確保できたならば、直前2シリーズのように法政大学ディフェンス陣を粉砕したランパスミドルゲインドライブがつながっていたかもしれない。

 しかし、ボールを確保したのは法政大学#89東だった

 その後の法政大学攻撃に対して関西学院大学ディフェンスは、LB#56佐藤などのブリッツによってランプレー2回合計0ヤード、さらにタイムアウト2回を使って時計を止める。残り時間2分08秒。

 第3D。法政大学QB#4菅原キープが右サイドへ抜けてFD更新した。さらにWR#11戸倉の左オープンランでもFD更新して、敵陣11ヤード地点で残り時間0分58秒。法政大学はニーダウンによって時間を消費し、乱打戦に終止符を打った。