昨年は、その前年までの不動メンバー(QB高田・WR冷水河瀬・TE栗山、DL森・飾磨・平井・LB八木など)が卒業してしまったことで資産ゼロからのスタートだったが、2004年のチームを作り上げて関西学院大学との同率優勝ながらチーム初の関西学生3連覇を達成した。
3連覇の次は4連覇が目標であり未踏の記録を伸ばす挑戦の年となるのだが、昨年のシーズン展望で、「連覇がなれば立命館大学の時代到来か」と記したように、その兆候が少しずつ見えてきており、今年も頂点に立つようであれば、関西学生の歴史に「立命時代」の文字が刻み込まれることになるかもしれない。
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オフェンスは、今年もQB#12池野中心のショットガンになる。春の試合ではQB#3渋井、#16木下も加わった3人が交互に起用されているが、やはり今年のエースQBは#12池野が務めることになる。
昨年リーグ戦関西学院大学でみせたQB#12池野のパフォーマンスは、おそらく全ての点において最良のパフォーマンスだったと誰もが認めるところだろう。その後のプレーオフから甲子園・ライスで必ずしも彼の本調子でなかったことは、反対に見ると当初の予定通り1年間でこの日だけは必ずピークを持ってくるという年間コントロールが確実に成されたと言える。
年間にいくつものピークを作ること、そして、おそらくは予期していなかった出番を同じレベルにコントロールすることは得てして難しいことであり、昨年の課題の一つではある。ただし、今年は最終節が関西学院大学戦であることを考えると、日程が近いこともあって、たとえその後に試合がいくつあっても、いずれもベストパフォーマンスを見せてくれることだろう。
オフェンスバックスメンバーは、今年もアスリートが揃っている。RBは#22佃が中心だが、それに続くメンバーとして春の試合で出場機会が多かったのは、#34石井、#46山城である。なお今春の試合ではスクリーンパスを多用しており、今年のキープレーの一つになるかもしれない。ランとスクリーンの併用はディフェンス側から見るとLB付近がしっかりと対応しないと厄介なオフェンスになりそうだ。
パスの受けてであるレシーバー陣も、WR#88大滝、#11前田、#87本多、#5阿南、#松村、#27和田、TE#15末原、#89森脇などなど人材が豊富すぎる。いずれのレシーバーともスピード・高さ・テクニックで優秀なのは当然だが、特筆すべきは誰もがボールへの執着心も高く、少々の難しいパスならばボールに飛びついて、きっとスーパーキャッチを披露してくれることだろう。したがって、何らかのきっかけで接戦になったとしても、ここ一発のパスだけはつないでしまいそうな期待感と安心感があり、そして相手ディフェンスにすれば絶対に手が抜けないレシーバー陣容であgある。
OLには#74佐々木、#76寺戸、#52谷口、#65田口という陣容は昨年からの入れ替えもあるが、QB池野に落ち着いたプレー判断時間を与えることができれば、このオフェンス陣容ならば大崩れすることはないだろう。
なおFGキックは今年2年目の#30澤和が担当する。これまで厳しいシーンでのキック機会が少ないが、今年は注目したい。
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ディフェンスは、DLLBDBいずれにも中心となる選手が存在していて春の段階でほぼ見込みがついているようだ。もちろん、ひと夏経過しての上乗せ分と含めて、春とは少し違った11人になっていくのだろう、シーズン中の更なる成長が楽しみである。
DLは#57谷野、#10谷澤に昨年最終戦から登場の2年生#56岡本という布陣でシーズンに臨む。今年の特徴は、爆発的な破壊力破壊者が存在しないことだが、どのように影響するか、あるいは、自由に動ける#56岡本などの若い学年から新規の破壊者が登場するか。DLは立命館大学ディフェンスの顔でもあり、注目ポイントの一つである。
LBは主将#9塚田と#44橋本、#45北仲に#41木下、#47篠倉という新しいメンバーも台頭してきている。ディフェンス3ポジションの中では最も新スターターの多いポジションだが、昨年のLBも一年間でしっかり成長しているように今年も秋冬には頼もしいメンバーになっているだろう。OLBの動き的な面も含めてLB陣の成長を楽しみたい。
DBはスターター3年目の#三宅、#32河合、#4河村、#17黒田という布陣になりそう。さらに#14藤本、#31乗次、という次代のメンバーも春から経験を積んでいる。ディフェンス3ポジションの中では昨年からのメンバーが最も多くランにもパスにも大穴が存在しない安定感がある。その中でもDB#13三宅のボールキャリアの見極め判断とそのキャリアへ向かうスピードは芸術品ですらあるが、今年は#4河村、#14藤本などが芸術的嗅覚の後継者になるかもしれない。
なお、春の早稲田大学戦や関西大学戦ではフリーキックやパントのリターンカバーが甘く、大きく戻されるシーンがあった。今年はリーグ内にも高速リターナーが多いので修正できてないとリターンTDシーンがあるかもしれない。が。
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昨年は10月末に関西学院大学との頂上決戦を行って敗退、その後12月にプレーオフでピークを作り、甲子園ライスと2週間隔での試合を行った。ピーク作りモチベーション維持というコンディション面では、何度もピークが必要な難しいシーズンだったのだが、そこをしっかりと勝ち抜いての頂点奪取だった。
その点では、今年は最終戦までに徐々に調整できそうであり、11月ピークの一山のみなのでコンディショニング作りでは昨年よりも簡単だろう。ただし、この余裕が逆に序盤戦での調整遅れになってよもやを引き起こすことがありえるかもしれない。
その序盤戦は開幕戦同志社戦から近大・龍谷・神戸と続くが、相性の悪い近畿大学には第4Qに追い上げられて1軍が再登場した昨年以外にも接戦になった過去がある。さらに昨年の神戸大学戦第3Q終了時点で7−6など立命館大学といえども決して安泰ではない。シーズンインから準備万端の最終戦までをどのように調整しながら白星を重ね、そして、成長していくか、しっかりと見届けたい。
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