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この試合を実際に生で観戦した人ならば、神戸大学の攻撃シーンばかりの試合だったという印象を受けただろう。連盟HPのスタッツにあるように、関西学院大学のボール所有時間(つまり、攻撃時間)13分弱に対して神戸大学は35分以上、つまり試合時間の3/4は神戸大学が攻撃していたことになる。 また私のメモによると、前半の関西学院大学ボール所有時間は4分(当然、非公式記録)に達するか否かで、第2Qの神戸大学9分30秒間におよぶ攻撃シリーズを含め、神戸大学が前半24分のうち20分以上攻撃をしていたことになる。 12分間しか攻撃時間がなかった関西学院大学だが、前半4シリーズ中3TD、後半4シリーズを2TD1S1Iという効率のよい攻撃オフェンスを繰り広げている。 ******** 関西学院大学オフェンスは、これまでの2戦を、いずれもQB出原の短いパスをつなぐスタイルの確立を狙ったプレー組み立てに固執し、QBスクランブルを封印していたような戦い方だった。だが、この日は「走れるQB」も含めたトータルな組み立てになっていたことが特徴的だった。 第1シリーズはWR#1岸へ12ヤードパスを通した後に、QB出原の決め打ちのスクランブルだった。さらにWR#20三浦パスとRB#26辻野のランでミドルゲインを重ねて関西学院大学が先制する。 一方の神戸大学オフェンススタイルは、RB#1中井と#29中桐の中央突破ランによる力技が効果的にゲインを重ねた。そして、この試合最後までゲインし続けており、この日の神戸大学オフェンスの勢いの源となっている。 しかし、神戸大学第2シリーズで自陣45ヤードから敵陣4ヤード付近までドライブするもTDパスをLB#16河合にカットされるなどで、FG3点に止まってしまった。 それに対して関西学院大学は、QB#10出原のキープ50ヤードとRB#23稲毛の中央突破のわずか2プレー15秒そこそこで1TDを追加する。 対する神戸大学は自陣33ヤードから9分30秒間にわたるロングドライブ(時間的)を行った。自陣33ヤードから敵陣23ヤード付近までの約45ヤードに神戸大学反則2回計20ヤード関西学院大学反則10ヤードの加減があるが、距離に対する消費時間量は驚異的である。 ただしプレー内容はRB#1中井、#29中桐の中央突破の繰り返しがほとんどであり、関西学院大学ディフェンスがまったく対応できなかったのだが、神戸大学もこのロングドライブで得点に至らず、得点は14−3のまま第2Q終盤を迎える。 試合前半をこの得点差で終えていれば、神戸大学側から見ると時間消費オフェンスの効果があった。2TDで逆転できる状態で試合後半に突入すれば、そして、もしも神戸大学が後半最初に得点できれば、試合がもつれる可能性もあった。 つまり、第2Q最後の関西学院大学オフェンスシリーズは、少しでも点差を広げたい関西学院大学と、ワンチャンスで届く位置に留まりたい神戸大学の思惑が交錯した重要なシリーズである。 第2Q残り時間0分59秒関西学院大学自陣20ヤードから始まったオフェンスシリーズは、QB#10出原のドロー20ヤード、RB#23稲毛の中央10ヤード、WR#85秋山パス15ヤードとミドルゲインを重ねながらの完璧なドライブを展開、そして最後はWR#91萬代へのTDパスによって得点に結びつけた。 ******** 神戸大学としては、時間消費することで関西学院大学の攻撃機会を減らし、そして失点を減らすというゲームプランを完璧に遂行しているのだが、関西学院大学に速攻で得点されてしまっては、もはや如何ともし難い。オフェンスが敵陣まで侵攻したシリーズを得点に結び付けていればもう少し様子も変わっただろうが、FG3点まででは得点差がジリジリと広がっていくだけだった。そして、試合後半も同様の展開が続く。 ******** 関西学院大学の後半最初のオフェンスシリーズは自陣19ヤード付近スタート。神戸大学DL#90荒谷、LB#47川村に執拗に追われて連続2サックを受けたQB#10出原は、その第3D、3度目のQBサックを回避すべくボールを投げ捨てたのだが、それがインテンショナルグランディングの反則(QBサックロスを避けるための故意のパス失敗)、さらにボールを投げた地点がエンドゾーン内だったことで神戸大学にセイフティの2点が加わった。 ******** 神戸大学RB#1中井、#29中桐の中央突破は後半もゲインを続けた。OLが関西学院大学DLを押し続けており、さらにWR#12村上へのミドルパスなども加わって、後半も6分以上のロングドライブを2回行っている。ボール所有時間だけは神戸大学が圧倒しているのだが、オフェンスドライブが得点に至らなかったことと、関西学院大学速攻オフェンスも止まらなかったことで、最終スコア関西学院大学35、神戸大学11で決した。 ******** 関西学院大学ディフェンスは神戸大学のランドライブを止められず、一方の神戸大学ディフェンスは、速攻ビッグゲインが止まらず、両校ディフェンスとも受難の日になってしまった。神戸大学は開幕戦からディフェンス不調が続いているのが少し気にかかる。関西学院大学もベストメンバーでありながら最後まで神戸大学の中央突破ラン中心のオフェンスに振り回されていたが、第3節の中だるみということなのだろうかというのは、翌日の立命館大学の試合を見てからの感想です。 一方の関西学院大学オフェンスは、第2Q0分59秒から始まった試合の行方を決める重要なドライブを得点に結びつけたことなど、ほぼすべての面での完璧だった。 神戸大学オフェンスは、敵陣侵攻してもFGに止まるなどで、徐々に得点差が広がっていってしまったのが惜しい。だが、前節の不調が嘘だったかのように、最後までランパスで攻めまくっている。この勢いならば、次節立命館大学戦、面白いかもしれない。 ******** この試合の展望コメントへ |
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先に得点を挙げたのは近畿大学で、試合開始直後の京都大学ディフェンスがスピードとパワーに慣れていない間に自陣からのドライブをFGへとつなげる。 だが京都大学ディフェンスも、1年生DL#91三井、LB#38川島のいい動きもあって、徐々に勢いを取り戻していき、近畿大学に第3Q終盤までFD更新を与えなかった。 一方の京都大学オフェンス第1シリーズは、QBカウンター中央13ヤードなどで敵陣侵攻するが、40ヤード超のFGトライがわずかに右へ逸れてしまう。 オフェンス組み立ては、積極的にオープンへのランパスを試みるが、スピード競争では近畿大学ディフェンスLBDBが上回ることが多い。結局ゲインするのは、前節までと同様QBの中央突破なのだが、しかし、これまでのようなミドルゲイン連発にはならない。 京都大学のQBキープに対する近畿大学ディフェンスは、前節までOLBだった#34碓井をDB(S)に配置し、DB(S)#26井上とで最終列を構成、ILB#9井上とで中央縦のラインを固めた。 さらにDL#61石浜などのラインメンもOLとイーブンの関係を繰り広げたこともあって、京都大学QB#12宮下の中央突破ランは最大でも5ヤード程度のゲインに止まっていた。 京都大学は、近畿大学自陣でのファンブルロストによって敵陣13ヤードスタートという絶好の得点機を迎える。そして、その第1プレーがQB#12宮下の中央突破だった。これまでなら1プレーでエンドゾーンへ飛び込んでいたのだが、この日は2回連続で計5ヤード止まり。 京都大学側から見ると、相手にもらった絶好の得点チャンスをモノにしないと、雰囲気が変わってう微妙なシチュエーションとなった第3D、右WR#82鋤崎へのクイックパスがディフェンスの隙間をジャストヒット、かろうじて7点を獲得できた。 京都大学オフェンスの手詰まり感は次のシリーズも変わらず、さらにOLのホールディング反則も発生してしまう。FD更新まで10ヤード超を残したのが、次のプレーで様相が一変する。 QB宮下がドロップバックすると、近畿大学ディフェンスがパス警戒で全体が後退、そして目の前に広がった空間をQBスクランブル12ヤード、このプレーによって京都大学の重苦しい空気が一掃された。 敵陣42ヤード、QB#12宮下オープン9ヤード、HB#19奥原中央8ヤードと立て続けのミドルゲインで敵陣侵攻する。最後はDL#97高山、#79末常にQB中央ランを止められてFG3点に終わったが、第2Q残り時間0分59秒、特点差を7点に広げた。のだが。 続く京都大学キックオフに対して近畿大学リターナーは#25冨尾。キックされたボールはエンドゾーン左コーナーに落ちるロングキックではあった。だが、#25冨尾がキャッチすると、そのまま右サイドライン際をスピードで駆け抜けて100ヤードのリターンTDとなった。 結局前半は10−10の同点、さらに、近畿大学から京都大学へと傾いた試合の勢いも含め、すべてイーブンとなってハーフタイムを迎えることになった。 ******** 後半先攻の京都大学は、自陣39ヤードからWR#16小野10ヤード、QB#12宮下中央11ヤード、TB#35木戸11ヤードと、試合再開直後に10ヤードゲインを連発、さらに、さらにRB#35木戸、#39高松も加わった真正面からのパワー勝負を挑み、そして5分30秒近いドライブをTDへとつなげた。 さらに第4QにもQB#3御澤による自陣18ヤードからQB、RB#19奥原の中央突破などのランプレーにTE#87山川への縦パス、WR#1藤本へのミドルパスも絡めて、再び5分30秒のTDドライブを展開する。 得点は、京都大学24・近畿大学10、残り時間4分45秒。ここで勝負あった、と見るか、それとも、まだ、もつれると見るか。 ******** 第3節試合展望が全試合とも落ちてしまったのだが、この試合の見所として挙げようと思っていたポイントが2個あって、ひとつは、京都大学QBの中央突破が止まるか否か、もし止まったときに京都大学オフェンスの次の手は何か。 そしてもう一つが、京都大学ディフェンスが近畿大学オフェンスのスピードについていけるか否か。この2点を挙げようと思っていた。 近畿大学のこれまでの試合の得点シーンでは、キャリアのスピードに任せたビッグプレー1個で得点する傾向にあり、FDを積み重ねる地道なオフェンススタイルではない。 いつでもどこでも、わずかな時間さえあれば得点できるのが近畿大学の攻撃の特徴であり、第2Q最後の100ヤードリターンTDもそれである。 ******** 残り時間4分20秒、近畿大学攻撃は自陣30ヤードスタート。 この試合初めてQB#5春日井と#10岡を同時起用、そして、モーションによってQB#5春日井が右へ開く。右サイド4人レシーバの体制に京都大学ディフェンスがどのようにカバーマークするかがポイントだったのだが。 QB#10岡からボールを受けたQB#5春日井が縦へのロングパス。ターゲットはDBを振り切って右サイドライン際を独走中のWR#19森。フリーの70ヤードTDパスによって近畿大学が1TD差に詰め寄った。 ******** 近畿大学は続くオンサイドキック失敗したが、京都大学の攻撃も近畿大学ディフェンスの勢いに押し負けてしまい、QB担当DB#34碓井の堅守もあってFD更新ならず、時間を2分消費するのが限界だった。 ******** 残り時間1分29秒、近畿大学自陣11ヤード。 RB#25冨尾が右サイドオープンをスピードで捲り上げて44ヤードゲイン。その後、京都大学にレイトヒットやパスインターフェアの反則が続き、近畿大学がFD更新を続けてエンドゾーン手前1ヤード。最後はWRへのTDパスが決まる。 この時点で京都大学24・近畿大学23の1点差。TD後のPAT(ポイント・アフター・タッチダウン)を同点狙いのキックとするか、逆転の2ポイントとするか。タイムアウトは残っていなかったが、ディレイオブゲームで時間を要求することもなく、近畿大学は即座に2ポイントを選択した。 QB#10岡のパス。エンドゾーン内でレシーバとDBLBが交錯する。もしかしたら最初に決めていたパスターゲットではなかったかもしれない、左サイドのTE#4橋本へパスを投じたのだが、少しだけコースが逸れた。 続く近畿大学オンサイドキックを京都大学が抑えて京都大学勝利となった。 ******** 京都大学は開幕戦同様に最後に追い上げを受けたが、今回は逃げ切って2勝目をあげた。 ディフェンスでは1年生の活躍が目を引き、LB#38川島は何回かソロタックルを決めていた。ほかにもDL#91木村、LB#41小林などの動きが目立っている。レイトヒットフェイスマスクの大きな反則が3回もあり、これが近畿大学の1Q、3Q、4QロングドライブのFD更新ドライブのきっかけになっている。 オフェンスはQB#12宮下の中央突破がゲインできなかったがWR#1藤本、#16小野、#82鋤崎パスやオープンへの展開、RBの中央パワー対決に活路を見出し、さらに時間消費ドライブも展開しており、攻撃手段が広がってきている。 攻守とも負傷者大量発生が気がかりではあるが、攻守とも着実にステップアップしているようだ。 ******** 近畿大学オフェンスは当初はRB#7樋口のランプレーが京都大学DLLBの壁に遮られてゲイン出来ずに苦しんでいた。 だが、試合後半を盛り上げたWR#25冨尾、#19森、RB#20山上というバックフィールドのスピードは脅威である。試合の流れが一発で変わってしまう可能性を秘めており、近畿大学の試合はやはり目が離せない。 この試合の展望コメントへ |
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