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先攻オービック自陣35ヤード、オービックオフェンスQB#15龍村からRB#20古谷ドロー9ヤード、WR#98安東右15ヤードパスと続け、さらにRB#20古谷カウンター6ヤード、オープンスイープ14ヤードと連続キャリーによるミドルゲインが続く。第4D1ヤードギャンブルも中央突破ランで更新し、そして先制のTDにつなげた。 さらに法政大学パントを#33ジャクソンのブロックによって敵陣スタートとなった第2シリーズもRB#20古谷ドローやWR#19水口、#98安藤パスをつなげて追加点を挙げた。 法政大学DLがOLにコントロールされていたこともあって、LBDBブリッツも加わった攻撃的ディフェンススタイルも、QBまではまったく届かない状態。さらに、社会人のスピード差体格差に慣れるまでの時間帯とあって、振り回されてしまった格好だった。 この法政大学の攻撃的なディフェンススタイルはその後もオービックOLに挑み続けるのだが、DLメンバーが少しづつ負傷・退場していくことになる。 ******** ただ法政大学ディフェンスも第1Qの攻防の中で、社会人のスピードサイズに慣れたのか、あるいは傾向を読み取ったのか、第1Q後半からオービックオフェンスを3シリーズ連続でパントを蹴らせている。 自陣に侵攻された第2Q序盤も、LB#44福田、DB#27浅野によるRB#20古谷中央ランタックル、DL#59山崎によるRB#36白木ランタックル、DB#27浅野のレシーバーカバーによるショートゲイン、DB#33松田のショベルパスカットなどバックス陣の堅守がオービックオフェンスドライブを止めた。 そして次のシリーズでは、DLLBのプレッシャーがQBに届くようになり、さらに第3列DB#34樋田のスクリーン対応など、ディフェンス全体で攻撃権放棄のパントに追い込んでいる。 だが、このパントボールを法政大学リターナーがファンブル、オービックに得点チャンスを与えることになってしまう。このファンブルは、リターナーがキャッチした直後に鋭いタックルを受けたことによるもので、以前なら2ヤード内侵入になる絶妙なタイミングのタックルによる。 オービックは、このシリーズを確実にTDへ結びつけ、さらに#13里見の95ヤードリターンによる敵陣5ヤードからの攻撃もTDへとつなげてた。 法政大学から見るとディフェンスが少しずつ対応できるようになってきていて試合の流れが少し変りそうな時間帯だっただけに、キッキングでポジションを渡した14失点は惜しい。 ******** 法政大学オフェンスはQB#4菅原によるショットガンからノーバック5レシーバーやノーハドルなどを試みる。第1Qは、QB#4菅原からWR#1井上、#11戸倉への速いタイミングパスでFD更新するが、長い距離のパスはDLに追われて余裕がないなどで、なかなかつながらない。第2Qに入ると短いパスさえもDLのプレッシャーを受けるようになってくる。 このような厳しい状況だったが、#33松田によるパントブロックでフィールドポジションを逆転、敵陣スタートとしてK#57飯塚のFGへと結びつけた。直後にオービックのビッグリターンから失点を許しているが、第2Q終盤、再び法政大学オフェンスはラフィングザパサー、WR#11戸倉リバースランなどでフィールド中央へ到達すると、RB#29丸田への左サイドライン際縦ロングパスでこの試合始めてのTDを挙げた。 このTDパスは、それまでのWR#11、#1へのショートパスの裏プレーとしてデザインされたようなパスだった。WR#11戸倉が10ヤード付近へ走り込むその背後をRB#29丸田が走り抜けてロングパスターゲットに。そしてWR#11戸倉が盛んにパスターゲットとしてアピールしているのはQBに対してではなくオービックDBに対してである。DBがWR#11戸倉に寄ったことでRB#29丸田に対するDBがいなくなり、フリーのTDパスとなった。 < この法政大学の練ったプレーは、これまでオプションによるラン中心のチームがパスでもここまで凝ったプレーを作り上げることが出来ることを知らしめたという点でも意義深いTDパスだった。 ******** 第2Q後半から第3Qにかけての時間帯は法政大学側に試合の流れが傾いていた時間帯だった。パントブロックからのFGと、RB#29丸田へのTDパスで得点を挙げて、前半は法政大学10、オービック28で終了する。 法政大学にとって、18点差は3TD必要で限界ギリギリだが、後半先攻の利を活かすためにハーフタイムでどのように調整してくるか、あるいは、ここで終わるか。 後半。 法政大学オフェンス自陣40ヤード付近での第4D残り3ヤードでのパントシチュエーション。パンター#4菅原からWR#89東へのパスを決めてFD更新する。そして、右WR#1井上への縦ロングパスは、DBとのボールの奪い合いになりながらもWR#1井上がキャッチして46ヤードのTDパス(約20パス+約25ラン)が決まる。 2ポイントPATはDLに追われながらもエンドゾーン内レシーバーにパスがつながったが、無資格レシーバー反則で1点のみ。ただ、法政大学オフェンスに勢いがあった。 続くキックオフで法政大学はボールを転がすオンサイドキック。敵陣でボールを確保、再び攻撃権を得た。得点差は11点。 敵陣33ヤード、QB#4菅原のドロップバックから右横RB#29丸田へパスヒットしたのは、オービックがロングパス警戒でディフェンスが一斉に下がったことによる。RB#29丸田をフリーにしたオービックよりも、フリーになるように企てた法政大学を見るべきプレーだろう。ディフェンスカバーなくそのままフリーのパスターゲットとなって25ヤードゲイン。敵陣8ヤードに到達。 法政大学オフェンスによるオービックディフェンスの攪乱が続いた「行け行け」の時間帯だった。 それが逆に無理な姿勢からパスを投じさせることになってしまったのだろうか。敵陣8ヤード、法政大学パス狙いに対してDLが漏れてくる。QBサック寸前にパスを投げた(?)がコントロールされず、オービックLB#5中井にインターセプトされてしまった。 ******** オービックは、このインターセプト直後のオフェンスシリーズをRB#20古谷オープン32ヤード、WR#19水口中央20ヤード等ビッグゲインを重ねてFGに結びつけている。法政大学ディフェンスもLB#5上羽、DL#90伊倉のQBサック10ヤードロスやDB#27浅野のランパスカバーなどで、7失点は免れた。<第3Q残り5分25秒、14点差。 だが、所要時間5分近いオービックドライブは、オービックディフェンスを建て直し、そして、法政大学オフェンスから勢いを削ぎ落とす時間を作り出し、法政大学に傾きつつあった試合の流れをイーブンに戻す冷却装置となった。 その後、法政大学は自陣エンドゾーン間際レッドゾーンからの攻撃開始とポジションが悪かったこともあって攻め切れない。一方のオービックは第4Q序盤にTDを奪ってリードを21点として試合の行方を決めた。 ******** 法政大学オフェンスのパス中心の組み立ては、オービックのパスディフェンスに対して十分に機能していた。さらに、法政大学の巧妙なプレー組み立てもあって、この攻守の関係はイーブンと言ってもいい。 一方ディフェンスは、DLが序盤からオービックOLに大きく押し込まれたこと、さらにDLLBに負傷者大量発生となって、時間の経過とともにフロントメンバーが大きく変わっていっている。これがRB#20古谷オンリーキャリアにもかかわらずランドライブが続いた原因の一つとして挙げられる。 なお、ディフェンス第3列までボールキャリアが進んでしまうことも一つにはあろうが、DB#27浅野等第3列がRB#20古谷ボールキャリアに狙いを定めた再三の好タックルを決めており、オープンランではロスゲインを奪うなど堅守が光った。 他にもDB#13山下、#33松田、LB#44福田など第2・3列の活躍と、さらに途中から出場となったLB#5上羽など次代のメンバーのファインプレーが続出、図らずも2006年の戦力を大きくアピールすることになった。 (了) |