(試合結果は、関西学生アメリカンフットボール連盟 HPより)
大阪大学 | 0−37 | 和歌山大学 |
佛教大学 | 0−76 | 桃山学院大学 |
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大阪教育大学の第1シリーズは自陣46ヤード、そしてRB#99石塚の中央突破の連続キャリーによって大きくドライブした。さらにRB#2川端の右OTも33ヤードと前進して敵陣23ヤード。ここから一度はチョップブロックの反則で15ヤード罰退となるのだが、これを帳消しにするRB#99の中央突破でエンドゾーンまで5ヤードに達した。このシリーズはここからFGに終わるが、大阪教育大学パワーランナーRB#99石塚の中央突破ランがオフェンスの中心プレーなのは間違いない。 第2シリーズはRB#99石塚に加え、QB#11森からWRへのクイックパス10ヤード、QB#11森キープなどで自陣20ヤードからフィールド中央までドライブ、ここからはRB#99石塚のドロー10ヤードと右オープン30ヤードでTDを挙げた。 京都外国語大学ディフェンスもDL#58藤井、#52日浦がRB#99石塚のカウンターランをノーゲインに抑えたり、DB#1野村のミドルパスカットなど、ポイントではいい動きをしているのだが、試合全体を通してみると、大阪教育大学のランパスを止めるには至らなかった。 京都外国語大学は#1野村のキックオフリターンによって自陣41ヤードからのスタートとなった第1シリーズをはじめ、QB#4浦野からWR#1野村への30ヤードパスやQBキープなどランパスによるビッグゲインがあるのだが、単発で終わってしまうことが多い。 ライン戦で少し劣勢だったが、中央付近のプレーを加えつつ、RB#34松島、WR#1野村、QB#4浦野によるバックス陣のいろいろな工夫によってオフェンスを組み立てようとする意思がはっきりと見えた。 |
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和歌山大学のリターンで試合開始。フレックスボーンオフェンス第1シリーズはQB#19柏原からピッチを受けたRBが足を滑らせるなどで、ノーゲインパントに終わる。 第2シリーズは自陣30ヤード、フレックスボーン体型からTB#3後藤の左OT23ヤード、中央突破などで2回FD更新までするのだが、滋賀大学ディフェンスの健闘に徐々に1回のゲインが短くなっていく。最後は敵陣30ヤード付近での第4DギャンブルをLB#48芝にQBサックされてドライブが止まった。 一方の滋賀大学オフェンスは、フィールド中央付近からQB#87上村によるショットガンを展開、WR#9十文字へのインパスでFD更新して敵陣24ヤード。そして右WR#1大空への縦パス20ヤードがTDパスと、わずか数プレーでのTDとなった。このショットガンに対して和歌山大学ディフェンスDB陣がレシーバーについていけないことがあって、その後もフリーのレシーバーへのパスが決まるという状態が続いた。 ただ滋賀大学オフェンスもその後はハンドリングの悪さからドライブがつながらなくなる。センターのスナップボールをQBがお手玉したファンブルロストや第3シリーズもRBへのピッチでファンブル、ここはリカバーなったが少し雑なところも伺えた。 ただ和歌山大学ディフェンスがショットガンパスをDB陣が1対1で抑えることは出来ないことは変わらない。滋賀大学は第4シリーズ自陣15ヤード付近から再びWR#9十文字、#1大空への14ヤード、26ヤードのショットガンパスが続く。ここで和歌山大学ディフェンスはWR#1大空にダブルカバーをつけてかろうじてドライブを止めている。 だが第2Q終盤、DB#12古池のパスインターセプトによって掴んだ敵陣32ヤードからのオフェンスシリーズ、中央ランプレーをフェイクにしたプレーアクションパスが中央ポストに抜けて約30ヤード、QB#87上村からWR#1大空へのホットラインパスがTDパスとなって滋賀大学が2個目のTDを挙げた。 ******** 滋賀大学の得点はともにPAT失敗のため12点に留まっている。普通はこれが微妙な影を落とすのだが、この試合ではそこまでには至らないだろうというのが私のハーフタイムの思いだった。そこまで滋賀大学攻守が圧倒している状況だった。 和歌山大学オフェンスはフレックスボーン体型からのOT付近をつくランプレーが多かった。ただ試合開始直後から滋賀大学ディフェンスがほぼ完璧の対応をしている。時々オープンを抜けることもあって20ヤード30ヤードという大きなランプレーもあるのだが、そのドライブが続かない。和歌山大学もフレックスボーンからの中央をフェイクにしたオープンとかリバースとか様々な工夫を加えているのは判るのだが、滋賀大学DB#12古池などがしっかりとボールキャリアを捕捉していてゲインを許してしない。 また和歌山大学のパスはそのコントロールが定まらないため、ほとんど成功していなかった。特に前半和歌山大学オフェンス6シリーズ中の3回がパスインターセプト(DB#9十文字、DB#12古池、DB#14藤原)と、オフェンスの苦労が伺える。 さらに体の動きを見てもキレがあるのは滋賀大学と、様々な点で滋賀大学優勢の試合前半だった。 ******** 後半は滋賀大学レシーブで再開するが、リターナー#12古池が大きく戻して、FDは敵陣45ヤードからとなった。そしてQB#87上村のプレーアクションからの左サイドライン際パスがTE#80住本へヒット。DB陣の追走を尻目にエンドゾーンへ飛び込んだ。だが、追走するDBをブロックしようとした選手による反則「背後への不正な手の使用」。これによりTDは取り消し、敵陣15ヤードからのFDへと変わった。 ここからRB#18武澤へのインのミドルパス14ヤードなどで敵陣エンドゾーンまで4ヤードと目前に迫った。だがショットガンの宿命エンドゾーンが近づくとパスが通らなくなるというジレンマに陥った。フリーパスも逆リードとなって失敗し、第4D、FGトライ一度目はスナップミスの失敗だったが、和歌山大学の反則により蹴り直し。だがここでもキックを外してしまった。 続く和歌山大学オフェンスは自陣20ヤードから。オフェンスフォーメーションは前半同様フレックスボーンだったが、TBに#4八瀬がセットした。なお、前半にTB位置にセットしたのは、私のメモによると前半最後のシリーズ1回のみでTB位置からの中央突破が15ヤードゲインしている。それ以外はHB位置でセットしてモーションからオープンプレーを中心に参加していた。 そしてTBというよりはUBという位置からの中央突破ランダイブプレーが大きなゲインを続けることになった。19ヤード、7ヤード、4ヤード、1ヤードと4連続キャリー、そして5プレー目はUB#4中央突破をフェイクにしたHB#14竹村の左オープンプレー、これが10ヤードのゲインとなったところで試合の流れが大きく変わった。 敵陣43ヤード、再びUB#4八瀬の中央突破が4ヤードゲインするとともに滋賀大学にアンスポ15ヤード、さらにHB#14竹村のオープンランなどでエンドゾーン前7ヤードに達した。このシリーズあたりから滋賀大学DLに担架で運び出される人が増えていく。 続くFDはUB#4八瀬の中央突破で4ヤード、だが、第2Dは0ヤードとなった。 0ヤードとなったところで和歌山大学も悩んだ。第3Dエンドゾーンまで残り3ヤードの第3D。ディレイ直前にタイムアウトを要求、考える時間を作った。 ******** ここで準備してくるプレーは何だろう。ここまでドライブしてきたのはRB#4八瀬の中央突破ランだった。なので最後までランで完成させたいというのが私の思いだった。パスが成功して得点になっても、ランでは相手を崩せなかったという思いが残る。それ以前にパス失敗ならば次に第4Dが控えているとはいえ、精神的には追い詰められる。またパス精度としてはやはり高くないこともあって、ここはランプレーで攻めて欲しかった。 ただUB#4八瀬の中央突破は第2Dで0ヤードだったことでやはり第3Dでは使いにくいかもしれない。なのでここはオープンへ思い切り振ってくるのだろうか・・と、これが私がタイムアウト中の時間に考えていたことだった。 ******** 和歌山大学が準備してきたプレーは、UB#4八瀬の中央突破をフェイクにしたQBキープ左OTだった。ディフェンスが一人残っていたのだがQB#19柏原が体をひねって3ヤードのTDランが成功した。だが和歌山大学もPATキックを失敗、滋賀大学12−6和歌山大学という点差となった。 続く滋賀大学オフェンスは自陣20ヤードからパス攻勢に出る。WR#1大空へのパスなどでFD更新、RB#16米澤の左OTラン10ヤードと前進するのだが、フィールド中央へのミドルパスをDB#39貝沼にインターセプトされてしまった。 これで和歌山大学は自陣43ヤードから。RB#4八瀬の中央突破9ヤードで再びドライブが始まった。だが、フィールド中央のFDでQB#19柏原のキープが0ヤード、第2DでUBフェイクの左ピッチ、これもDB#12古池に付かれてノーゲインに抑えられる。 だが、ここで和歌山大学にホールディングの反則があった。ポジションは敵陣45ヤード付近、ここから10ヤードの罰退を選択するか、そのまま第3D残り10ヤードにするか。先日の関京戦で見た風景と全く同じで、滋賀大学もダウン更新を選択した。 第3D残り10ヤード、そしてRB#39貝沼への左オープンへのロングピッチからの縦突破がディフェンスの隙間を抜けてそのまま46ヤードのTDランとなった。和歌山大学13−12滋賀大学。だがこの時点で残り時間は7分46秒。時間はまだ充分にあった。 滋賀大学は自陣30ヤードからランパスドライブを行った。QB#87上村の巧妙なフェイク動作もあってRB#18武澤のラン、TE#80住本へのパス、WR#1大空へのスクリーンなどで敵陣35ヤード、残り時間4分40秒。 やはりミドルレンジあたりのパスは適度にヒットする。さらにここからWR#1大空へ横パスからのラン9ヤード、WR#86園への縦パス16ヤードと和歌山大学ディフェンスはズルズルと後退を強いられていく。 残り時間約3分30秒、エンドゾーンまで8ヤードの滋賀大学FD、ここでの第1プレーが中央突破に終わったところで滋賀大学はタイムアウトを要求した。このシリーズここまでランパスで息つく間のないドライブが続き完全に滋賀大学のペースだった。 エンドゾーンを目前にして、その最初のプレーがノーゲインに終わったのでタイムアウトをとって立て直す、というのは選択としては当然正しい。そうするべきであろう。ただタイムアウトをとって時間を作って修正するということは、相手に立ち直る機会を与えることでもある。和歌山大学ディフェンスも、ここで意識を取り戻すことになった。 第2D、ショットガンからのQBキープでオープンへの展開はロスゲイン、さらにQB負傷により司令塔が変わってしまった。第3Dもノーゲインに終わってしまっい、第4DはFGで逆転を狙ったが、これも外れてしまった。 ******** 前半は、滋賀大学のペースで試合が進んだが、後半は和歌山大学オフェンスがドライブしたことによって、イーブンに戻る。それを再び滋賀大学パス攻勢をかけたが最後に和歌山大学ディフェンスが粘ったことと負傷者の発生によって流れが変わるというモメンタムの行き来の激しい試合だった。だがそれは両チームの力が均衡していることの現れである。 この試合はDIV3のCブロックの優勝決定戦プレーオフとして行われた。この勝者がDIV2との入替戦に出場することになる。リーグ戦では両チーム4勝1分けで、この引き分けが両チームの対戦結果(14−14)だった。 この結果、和歌山大学は12月7日(日)に王子スタジアムでDIV2の大阪大学との入替戦に出場することになった。なおこの日の私の観戦予定は、関東大学選手権決勝と重なっているため、未定です。 一方の滋賀大学はこの試合で全日程を終えることになる。ところで今春私が最初に観戦した試合が4月王子スタジアムでの滋賀大学−天理大学の試合だった。もしかしたら、今年の滋賀大学の最初と最後の試合を観戦したことになるのだろうか。4月の試合の観戦記がないので、ここで書くほど多くのことを正確には覚えていないのだが、ある選手の成長ぶりははっきりと見えた。 春の段階では荒削りと言うより周りが見えていなかったのだが、最終戦では周囲への気配りと視野が広がったことを感じ取れたことからも、チーム内にはしっかりと人を育てる土壌があるのだろう。また来年、DIV2にチャレンジしてください。期待しています。 |