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今年もDIV2の試合をいくつか観戦したのだが、何故か龍谷大学の試合だけは機会がなかった。したがって、龍谷大学の攻守がどのような組み立て方をするのか予備知識の全くない状態での観戦となった。 ******** 甲南大学第1シリーズ自陣38ヤード付近、QB#5大西のピッチを受けたRB#42山本がスピードで捲くったオープンランで22ヤードゲイン、続くQBオプションキープはRBへのフェイク動作でディフェンスを惑わして右OT14ヤード、そして最後はUB#31増田の中央突破ダイブが24ヤードと計4プレーで速攻のTD7点先制となった。試合開始直後のスピードに慣れていない段階で甲南大学が龍谷大学ディフェンスを翻弄した形のドライブだった その後も甲南大学オフェンスは、RB#42山本、#2富田、#31増田、QB#5大西によるランプレーが続く。 第2シリーズはオープンランプレーを龍谷大学CB#3秋山にロスタックルを見舞われてドライブならなかったが、第3シリーズは自陣16ヤードからQB#11歳内などによるゴリ押しランプレーの展開となった。ランプレーのみのロングドライブによって敵陣11ヤード付近に達したが、ここでディフェンスによるロスタックル絡みでドライブが終了、さらにFGも外してしまった。 一方の龍谷大学はQB#4からのランパスバランスアタックを試みた。ただWR#18溝畑、RB#31山形へのパスが10ヤードほどヒットすることもあったが長いパスを投じようとすると#52長戸、#99山に追われてサックロス、ランプレーもLB#42山本、LB#99山などに遮られてドライブがつながらなかった。 ただ、この短いパスがヒットしたことが前半最後のTDドライブへつながっている。前半最終シリーズは自陣20ヤード付近、残り時間1分38秒から始まった。 QB#19佐藤からWR#8山口への外パス8ヤード、WR#18溝畑へパス4ヤードとつないで自陣32ヤード、さらにQB#19佐藤ランとWR#33倉本へのパスで再びFD更新した。短いパスが適度にヒットするのは残り時間を考えた甲南大学ディフェンスシフトによるところもあるが、それでも、じわじわと前進していく。 さらに甲南大学ラフィングザパサーの反則によって敵陣40ヤード。再び短いパスを2本つないだが、刻んだゲインなので時間消費が早かった。この時点で残り時間16秒。 敵陣32ヤードでの第3D、右WR#8山口への縦ロングパス、これがDBを抜いたところへきれいにヒット、そしてTDへとつなげた。 ******** 前半を終わって、甲南大学7−6龍谷大学である。 龍谷大学オフェンスは最後のシリーズこそ短いパスの連続でドライブがつながった。このシーンでは甲南大学ディフェンスに余裕がなかったのだが、それはディフェンスシフトという前半終了間際という事情があればこそと、私は考えていた。 さらに甲南大学前半のオフェンス全てがランプレーと特徴的だったこともあって、後半の見所は、甲南大学が、いつパスを投じるか、という点だけだろうと考えていた。パスを投じればレシーバーも揃っている。だから前半は1点差だけどもパスを投げれば・・・と思っていた。おそらく現地で観戦していた方も同じように考えていたのではないだろうか。 しかし、後半、試合の流れ・勢いが、大きく変わる。 ******** 甲南大学先攻で始まった後半だったが、RB#42山本へのピッチプレーを再びCBにロスゲインに仕留められてパント。徐々に甲南大学攻撃手段が狭められていく嫌なムードの兆候が現れてくる。 このパントリターンに対して龍谷大学は敵陣43ヤード付近まで大きく戻すとともに、甲南大学RBの一人が負傷してしまった。 龍谷大学はQB#19佐藤からWR#22斎藤への横パスに続いてRB#31山形の中央ランが11ヤード、さらにリバースオープン・中央突破・オープンとRB#29松陰等が左右に大きく振り回すプレーセレクション・プレーの連続によって毎回7ヤード以上の連続ゲインとディフェンスを撹乱する。最後はQBキープ中央突破3ヤードを押し込んで試合を逆転した。 続く甲南大学攻撃中に自陣でファンブルロストによるターンオーバー、これで龍谷大学は再び敵陣で攻撃権を獲得するとともに試合の流れが一気に龍谷大学へと傾いた。 龍谷大学はオープンラン11ヤード、RB#29松陰ドロー中央突破8ヤードと前進する。甲南大学ディフェンスもDL#52長戸、LB#42山本のランタックルでロスゲインに仕留めることもあるのだが、次のランプレーで再び大きくゲインされてしまい、龍谷大学オフェンスが完全に勢いに乗った。 エンドゾーン前10ヤードからのFDでも一度はロス5ヤードと後退するのだが、QBドロー中央突破ランが15ヤードのTDランとなって、第3Q残り時間3分06秒、甲南大学7−20龍谷大学と、2TDの差に広がった。 甲南大学後半第3シリーズ、#88吉田のリターンで敵陣37ヤード付近からのオフェンススタートとなると、始めてパスを投じた。QB#11歳内からWR#14松岡への12ヤードパスが成功してエンドゾーン前25ヤード。さらにショットガンノーバック5レシーバーという体型から左WR#88吉田へのTDを狙ったパスを投じる。DBを抜いてフリーなのだがサイドラインとエンドゾーンが交差する空間へのパスは2本連続で微妙にコントロールがずれてしまった。 この第3Dはパスの裏プレーであるRB#42山本のドロー中央突破だったが、龍谷大学ディフェンス陣が3ヤードの止めた。第4D、甲南大学は当然ギャンブルプレーだが、左パスはレシーバが空いてなく失敗に終わってしまった。 そして次に甲南大学に攻撃チャンスが巡ってきたのは、第4Q残り9分30秒付近からだった。自陣28ヤード付近からRB#23上野、#42山本、WR#14松岡、#88吉田とバックス総動員のランパスで前進はするのだが、ビッグゲインにならない。龍谷大学#43井阪、#90小坂等ディフェンス陣によるポイントの定まったタックルが入って5ヤード近辺のゲインを繰り返すことになった。 甲南大学は最終的にはこのシリーズでTD7点を獲得することになるのだが、エンドゾーン前4ヤードに達した時点で残り時間5分00秒。そしてエンドゾーンへ飛び込むまでにランプレー3回を要し6点差に詰め寄った時点で残り時間は3分35秒になってしまった。 甲南大学キックオフ。オンサイドキックだったが、カバーしたのは龍谷大学だった。 龍谷大学はここから時間消費のドライブを行う。敵陣30ヤード地点で第4D残り5ヤードとなった時点で残り時間30秒付近。龍谷大学は第4Dパントフォーメーションでパンターのキープスクランブル、これがTDランとなって、龍谷大学勝利を決定付けた。 |
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入替戦第2試合は、神戸大学−大阪学院大学という組合せとなった。試合は神戸大学レシーブで始まったが、QB#10江端のパスを大阪学院大学DB#19野村がインターセプトすれば、神戸大学も直後にDB#88田中がインターセプト、さらに次のシリーズでは大阪学院大学が自陣でファンブルロストと試合開始直後はターンオーバーの連続というあわただしい状態が続く。 しかし神戸大学P#9村上のパントキックによって大阪学院大学をエンドゾーン近くまで押し込んでいたこともあって、このファンブルロストによって神戸大学が得たポジションは敵陣27ヤード付近となった。ここからRB#39宮川へのパス9ヤード、RB#33大崎のカットランの2プレーで得点を挙げると、一気に試合は神戸大学ペースとなった。 その後も神戸大学はRB#33大崎、#39宮川、WR#9村上へのランパスを小刻みにつないで2シリーズをTDへと結び付けた。 一方の大阪学院大学はショットガンQB#18山村からWR#22、TEへのパスが時々ヒットするのだが、DL#57中西などのQBサックやランシャットアウトが続く。1シリーズ1回のFD更新が限界でドライブにならず攻撃の糸口がつかめない状態だった。 後半も大阪学院大学ショットガンパスを神戸大学DB#21松田、#25矢野川による連続インターセプトなどでFD更新もままならずで、策を練ってはいるのだが攻守とも押し込まれてしまって、手がない。 一方の神戸大学はターンオーバーから掴んだチャンスをRB#33大崎、WR#12村上、#80立澤へのパスをつないでエンドゾーンを目指した。後半7シリーズ中パント2回で残りを3TD2FGトライで終えている。 そして第4Q終了と同時にTE#81中川へのTDパスと、#71によるPATキックによって今季最多42点を獲得、DIV1残留を決めた。 |