立命館大学 8試合平均 |
オンすかい 7試合平均 |
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(立命館) | (**) | (オすか) | (**) | |
50.2 | 6.3 | 点数 | 39.0 | 12.0 |
6.75 | 0.63 | TD | 5.43 | 1.43 |
1.75 | 0.63 | FG試行回数 | 0.71 | 0.71 |
1.13 | 0.13 | FG成功回数 | 0.71 | 0.71 |
23.8 | 6.00 | FD | 19.5 | 11.1 |
318.4 | 71.0 | パス獲得距離 | 239.5 | 126.0 |
33.13 | 18.13 | パス試投 | 25.57 | 22.14 |
23.13 | 5.00 | パス成功 | 18.43 | 10.86 |
0.88 | 1.25 | インターセプト | 0.57 | 1.29 |
175.8 | 45.3 | ラン獲得距離 | 158.5 | 103.0 |
30.5 | 31.4 | ラン回数 | 32.4 | 30.7 |
494.2 | 116.4 | 攻撃獲得距離 | 398.1 | 229.0 |
63.6 | 49.5 | 攻撃回数 | 58.0 | 52.9 |
53.4 | 30.7 | 反則罰退距離 | 43.0 | 25.9 |
6.63 | 4.88 | 反則回数 | 6.43 | 4.00 |
1.00 | 2.63 | ファンブル回数 | 0.86 | 1.29 |
0.88 | 1.13 | ファンブル喪失回数 | 0.43 | 1.00 |
1.75 | 2.38 | TO回数 | 1.00 | 2.29 |
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両チームこれまでの全試合のスタッツから一試合平均値を算出してみた。なお、スタッツ数値は関西学生アメリカンフットボール連盟、および、日本社会人アメリカンフットボール協会に掲載されてる各試合スタッツをもとに私が算出した。 立命館大学の今シーズンの試合は全て観戦しているので、今年の攻守の傾向はほぼ理解しているつもりだが、オンワードすかいらーく(OS)についてはジャパンXボウル(JXB)をテレビ観戦しただけであり、攻守の全容が全くつかめない。そこで久しぶりにスタッツ数値からチームの姿を想像してみることにした。 ******** まず両チームオフェンスのランパスプレー数比率を比較すると、立命館大学がラン:パスで1:1とほぼ均衡しているのに対して、OSは1.3:1と若干だがランプレーが多い。 しかし、ランプレー1回あたりのゲインはともに5〜6ヤードであり、パスでも成功1回あたりの獲得距離は13ヤード付近と、ほぼ同じ数値である。総獲得距離で立命館大学のほうがOSよりも大きな数値を示しているのは、パス機会が多いことによるのだが、ほぼ似通ったチームのようだ。 一方のディフェンス面では、数字を眺めていると両チームの違いが浮かび上がってきそうである。パスディフェンス(相手がパス成功してしまう回数)は、立命館大学が3回中1回に対して、OSは2回に1回はパスを許している。さらにランディフェンスでも立命館大学は1回あたり1.5ヤードに止めているが、OSは1回あたる3ヤード以上のゲインを許している。 そしてこれらが、被奪FD数・喪失距離・失点などでOSが立命館大学に比べて数値的に劣っていることにつながっている。 ******** ******** 立命館大学オフェンスは、QB#18高田によるショットガンフォーメーションからのランパスによって相手ディフェンスチームを悩まし続けた。パスターゲットは、WR#19冷水を筆頭に、#84河瀬、#11木下、#7長谷川、TE#89栗山と多岐にわたる。 RBには甲子園ボウル最優秀選手となった#21岸野をはじめ、#23古川、#22佃と揃い、ランプレーは当然のこと、ショベルパスやスクリーンパス、サイドパスターゲットとして活躍する。これらバックス陣はQB含めて、個性の強いアスリートが揃っており、それがそのままプレー幅を広げる要因となっている。 そして「OLが課題」と言われ続けたが、甲子園ボウルでは#63人羅、#66山崎を中心にまとまってきた。 ディフェンスはDL#92紀平、#56飾磨、#90平井、そして甲子園ボウルで大活躍だった#93森という鉄壁カルテットの存在が大きい。また第3列DB陣も#4高橋、#34長田、#13三宅、#27福島のパスカバーが安定してきている。 ******** OSオフェンスはQB#13冨沢、#10小島によるショットガンあるいはノーマルなセットバック体型が混在している。RBには#34加畑の存在が大きくクローズアップされている。しかし日本社会人AFオフィシャルに掲載されているRB10傑にOSの選手は#34加畑しか入っていなかった。 一方のパスターゲットはWR#81神、#83小川、#88福田、TE#22安部とターゲットは多い。特にマルチプレーヤ−#22安部の存在はオフェンスを組み立てる一つのキーとなりそうだ。 ディフェンスはLB#6時本、#99青木等LB陣の動きが良いが、第3列DB陣にはJXBでレシーバーに抜かれるシーンが何回かあった。このあたりがスタッツのパスディフェンス数値に現れている。 ******** OSオフェンスと立命館大学ディフェンスの対決では、OSのランキャリアが限定的なこともあって立命館大学が迷うと言うことはないだろう。ただOSのOLは100kgを大きく越えるメンバーが揃っており、このサイズに立命館大学DL陣のスピード・パワー・テクニックが機能するか、ここは重要なポイントとなってくる。 もしもライン戦で立命館大学が劣勢になるようでは、プレーが判っていても止められない苦しい状況に追い込まれてしまう。 しかし立命館大学が優位に立てば、ロングパスに対してはDB陣の反応もいいので、ランパスともある程度はLBDB陣がカバーできるだろう。OSオフェンスが追い詰められるようなことになったときに、社会人チャンピオンが次の手として準備してくるものは何か、ここは興味深いところである。 ******** 立命館大学オフェンスとOSディフェンスの対決のいても、完全に整備された立命館大学OLがOSのDLに耐えられるか否か、ここがまず第1のポイントになるのは言うまでもない。そしてもしも立命館大学OLが押し込まれるようなシーンが連続してしまったときの立命館大学オフェンス、QB高田の動き・判断がこの試合の行方を大きく左右することになるだろう。 極僅かなパスタイミングを逃さないという判断、そしてQBスクランブルのタイミング判断、ランパスの織り交ぜ方・プレー順でOSディフェンスを霍乱分断するという戦略部分が重要なポイントになる。 QB高田率いるショットガンオフェンスの集大成、そして、パワースピードに戦略部分を積み重ねて立命館大学のステップアップを確実なものとするか。 ******** 両チーム攻守/守攻ともライン戦を制した者が試合を有利に展開できるというアメリカンフットボールの基本的なところから始まって、戦略戦術的な細かい駆け引きを繰り広げる部分、そして選手個々人のパワースピードサイズという身体的な部分の競争などなど、アメリカンフットボールの全てのエッセンスを満喫できる高度な試合になる。 |