関東大学選手権 決勝



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12月07日(日) 味の素スタジアム 13:00
TEAM1Q2Q3Q4Q合計
東海大学730010
法政大学1073727
(現地観戦)
 
法政大学
東海大学
FG 1Q
TD
TD
1Q
2Q
TD
FG
G×
2Q END
3Q
FG
3Q
4Q
G×
G×
G×
TD
4Q END
(作者Aのメモより)


 関東大学選手権決勝は法政大学と東海大学の対戦となった。この試合の数日前に準決勝の専修大学−法政大学の観戦記を執筆しながら、この決勝戦の展望なるものを自分なりに考えていた。結論から言うと、考えていた通りの試合展開にならなかった。つまり、「試合をやって見なければ判らない」ということである。

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 試合は法政大学先攻で始まった。そして攻撃開始地点は自陣33ヤード付近。ここからRB#29伊藤のランプレーが止まらない。左ピッチからオープン13ヤード、左OTからカットして切れ込んで10ヤードと続く。そしてカウンターによってLBのタックルをかわして9ヤード。この時点で敵陣27ヤード付近に達した。
 ただこのあたりから東海大学ディフェンスもようやく目覚めたのかDL#10吉田の連続タックル2回が効いて、第3DRB#29伊藤のドロー8ヤードもFD更新ならず。ようやくドライブが止まって、法政大学得点はFGの3点に留まった。

 それでも法政大学第2シリーズはランパスを織り交ぜて、再び東海大学ディフェンスを撹乱した。UB#22小沼中央突破9ヤードのあとに、QB#4のプレーアクションパス約30ヤード、そしてQBスクランブル、最後はRB#20丸田のオープンランというドライブによってTDへとつないだ。

 これに対して東海大学オフェンスもキックオフリターンで自陣40ヤード付近まで戻して勢いに乗った。QB#7石川からWR#80白井への縦パス30ヤードと決まって敵陣へ侵攻、さらにRB#2岩崎の中央ラン・OTランでFD更新と、こちらもテンポ良くつなげて、追撃の7点を獲得した。

 第1Q2回ずつのオフェンスシリーズが終わった段階で、法政大学10−7東海大学という点の取り合いの試合になりそうだったのだが、しかし、実際はここからディフェンス優位の試合になっていく。

 この後、法政大学のオフェンスQB#4永浦キープやUB中央ランに対して東海大学DL#52佐藤、DE#91太田が追従すれば、東海大学の攻撃に対しても法政大学LB#42森田、#47二上、DL#90野村の鋭いタックルによって両チームパントの蹴りあいが続いた。
 ただし、わずかだだが、法政大学OLのコンビネーションが整っていてOT付近のパワープレーなどはゲインする可能性が見えていた。それを東海大学ディフェンスが粘りながら持ちこたえているという関係にあった。


 法政大学3回目の得点はWR#82蔵重への縦パス60ヤードゲインがきっかけになった。ここから中央ランプレー3回は東海大学ディフェンスも粘ったが少しずつ前進、この第3Dのプレー結果に対する審判の動作によって揉め事が発生したが、結局は法政大学が2回の中央突破ランを加えてエンドゾーンへ達した。

 一方の東海大学も#1進士のビッグリターンによって敵陣23ヤードからの攻撃開始というチャンスを得て、さらに反則によって15ヤード前進も加わってエンドゾーン前3ヤード地点でFDの攻撃と絶好の得点機を迎える。
 しかし、中央ランノーゲインに終わった後の第2D、RB#2岩崎の中央突破ランに対してLB#47二上が正面から受け止める激しいタックルで対抗、これで3ヤードのロスをするとともにRB1名を喪失してしまった。そして、もしかしたらランプレーに対する自信も失ってしまったかもしれない。第3Dでエンドゾーンコーナーへパスを投じたがレシーバーと合わない。結局、敵陣3ヤード地点でFDを得ながらFG3点に終わってしまい、第2Q残り2分29秒の時点で7点差が残った。

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 第3Q、先攻の東海大学、その第3D、結果的にはパントと同じなのだが、右WRへの縦ロングパスをDB#21鹿島にインターセプトされてターンオーバーで始まった。

 続く法政大学は自陣30ヤード付近、ウイッシュボーンからのUB#22小沼の中央突破ラン、プレーアクションパスなどで後半の立ち上がりを再びテンポ良く進んだが、このあたりになると東海大学ディフェンスも前半の勢いを取り戻してLB#52佐藤によるロスタックルなどでドライブを止め、FG3点のみの得点に終わる。

 そして、以降は再びディフェンシブな試合がくりひろげられていった。

 両チームとも前半の得点はほとんどがビッグプレー絡みであり、自陣からオフェンスがドライブしたという力強いドライブシーンがない。準決勝の試合でも特に法政大学はビッグプレーからの得点が多いのが特徴である。
 試合後半のみの得点は、法政大学10−0東海大学だが、法政大学最初のFGは後半開始直後によるもの、そしてTDは第4Q終盤残り30秒を切ってからのものである。

 この後半の攻防で勢いがあったのはどちらかと言えば東海大学の攻撃だった。WRへのパスがフリーだったりRB#1進士のランプレーが中央オープンともゲインしている。ただランプレーで敵陣へ入るのだが、そこから何故かパスが増えていき、さらに法政大学DL#90野村、LB#42森田などによるサックを受けて後退するというシーンが続く。
 さらに第4Q開始直後の法政大学パントがエンドゾーン前6ヤードに止まったことで、以降の東海大学全シリーズが自陣レッドゾーンからと、フィールドポジション的にも苦しんでいる。

 この得点差10点を逆転するためにはギリギリの第4Q残り5分以下からの東海大学オフェンスシリーズ、ここでRB#1進士のオープンランが久しぶりに50ヤードのビッグゲインとなって敵陣21ヤードに達した。だがここから4連続パス失敗に終わってしまったのが惜しい。

 第2Q最後にRB1名が負傷退場したことと3ヤードをランで取れなかったことが東海大学にとって最後まで尾を引いたようなオフェンスの組み立て方に見えた。

 また法政大学オフェンスも後半はQB#4永浦からのフェイクパス等を試みるが、最初のFGシリーズを除く6シリーズ中でFD更新計3回と、東海大学ディフェンスDL#91太田、#10吉田等に完全に押し込まれ、DB#24岩根のパスカットなどで止まってしまっていた。

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 この結果、今年の甲子園ボウルは立命館大学VS法政大学という組合せになった。これは1998年以来5年ぶりの対戦となる。
 さて、今年の法政大学はどのようなチームかと聞かれると、少し返答に困るというのが正直なところである。関東大学選手権の準決勝専修大学戦と、この決勝戦の2試合を観戦したのだが、悪い言葉でいうとムラが激しくて、本当の姿が見えない。
 ただ、ムラがあると言っても、それは相手に合わせるとか、試合展開に合わせるという意味であって決してチーム単独のモノではないように見える。したがって、もしも甲子園ボウル・立命館大学にアジャストするような状況になれば、競った試合になる可能性はありそうだ。