全国高校選手権大会 決勝 クリスマスボウル



クリスマスボウル 



12月23日(日) 東京ST 12:00
TEAM1Q2Q3Q4Q合計
大産大附属高校01271433
中央大附属高校00088
(現地観戦)
 
産大附属高校
中大附属高校
1Q
FL
FL 1Q
2Q
TD
TD
G×
2Q END
3Q
FG×
TD 3Q
4Q TD
TD
TD
4Q END
(作者Aのメモより)


 コイントスで中大附属高校が後半行使を選択して産大附属高校のレシーブで試合が始まった。

 産大附属高校QB#18岡によるオフェンスは自陣29ヤード付近からだったが、RB中央突破が進まずにパントを蹴れば、中大附属高校QB#10島本も自陣44ヤードからWR#86安岡へパス成功も結局はパントと、蹴りあいで始まった。

 そして、産大附属高校は第2シリーズでWR#84中林への18ヤードパスで1回FD更新も、ランフェイクのパスを中大附属高校DB#2塚本にインターセプトされる。
 その中大附属高校も敵陣44ヤードからの攻撃権を得ながら、ランでの中央突破をファンブルロストしてしまう。両チームともオフェンス自滅あるいはディフェンス健闘という展開で試合が進んでいく。

 このイヤな展開を断ち切りたい両校だったが、最初に産大附属高校がキッカケを掴んだ。自陣45ヤードからの第3シリーズではRB#1光山にボールを集めて3回連続キャリー計10ヤード、そして、RB#1光山へのピッチをフェイクにしたQB#18岡キープ13ヤードと、産大附属高校のオフェンスが徐々に機能し始めてくる。
 さらに、UB#99太田のナイスブロックによるRB#1光山の中央突破などで敵陣20ヤードに到達、産大附属高校に先制のチャンスが訪れた。しかし、直後のオープンランでファンブルロストによりチャンスを放棄してしまった。


 産大附属高校がロングドライブをミスで得点に結び付けられなかったこと、ここで中大附属高校がなにかしらの得点を挙げていれば、試合の流れが大きく変わる可能性があった。

 そして、中大附属高校は、ポジション15ヤードからエースRB45山崎の中央突破とオープンランで10ヤードゲインすると、WR#86安岡へのリバースプレー後の第2D1ヤードで、左WR#19岩城へクイックパスを投じる「イキ」な組立でフィールド中央へ前進してくる。
 産大附属高校ディフェンスにとっては苦しいシーンが続いていたが、直後の第2DでRB#45山崎のオープンランに6ヤードのロスゲインを見舞い、結局パントを蹴らせて第1Qが終了した。


 第1Qは両校ともターンオーバーによる攻撃権放棄の応酬になっていたので、「気持ち」で勝負が決まる試合になる予感すらあった。そして、勝利の女神がどちらへ味方するか予想もできないまま第2Qに突入する。


 産大附属高校は自陣12ヤードからオフェンス。QB#18岡からRB#1光山へ右ピッチ12ヤードでFD更新直後の第1D。再びRB#1光山への左ピッチオープンランプレーは、ナイスブロックもあってスピードに乗ると、そのままディフェンス陣との差を広げながら左ライン際75ヤードを一気にかけ抜けるビッグプレーとなって先制のTDを奪った。(PATキック失敗)

 さらに、直後の中大附属高校の攻撃にはDL#60前田のパスカット、DL#70岡本のQBサックであっさりと攻撃権を放棄させた。そして、再びRB#1光山、#99太田の中央突破、WR#82小城、#84中林へのパスなどでFD更新を重ねて2個目のTDへと結びつける。(PAT2ポイント失敗)

 さらに産大附属高校は第2Q終盤にも得点機を迎えた。中大附属高校の攻撃中にLB#92五百倉がパスカット、このボールをLB#2塚田がインターセプトして、敵陣24ヤードからのFDをゲットした。

 前半3回目の得点チャンスシーンは、QBドローなどでエンド前9ヤードに達っする。第2Q残り時間57秒というギリギリの時間帯だったが、ここで得点できれば突き放すチャンスでもあった。
 しかし、パスをDBにカットされて失敗、ディフェンスに追われてパス失敗、RB#1光山のオープンランも2ヤード足らずの第4D、RB#2塚田の中央突破は中大附属高校に完全に見切られて失敗に終わった。

********

 前半の試合経過は、ディフェンスが均衡している間に産大附属高校オフェンスが復帰のきっかけを掴んだという内容だった。中大附属高校もRB#45山崎のランだけでなくパスもあるのだが、産大附属高校ディフェンス優位という力関係をひっくり返すことができないまままま時間が経過していった。

********

 中大附属高校の先攻で始まった後半もDL#70岡本に追われてインテンショナルグランディングの反則、LB#43山田に追われてのパス失敗となって、ドライブのきっかけすら掴めない。

 産大附属高校は後半の第2プレーでRB#1光山が負傷退場になったが、第3QははUB#99太田、TB#49楠田、#29山上の布陣でランドライブによる前進を重ねた。後半第1シリーズは敵陣16ヤードまで侵攻しながらFG失敗にとどまったが、続く自陣33ヤードからの第2シリーズではRB陣の中央突破、右WR#84中林への左リバースランなどでミドルゲインを連発して敵陣に入る。

 敵陣32ヤードからのFD10ヤードの攻撃シーン。QB#18岡から右WRへピッチ、右WRのリバース左ラン中にWR#20齋藤へピッチ、そして、WR#20齋藤からエンドゾーン内へ駆け込んだQB#18へのTDパスというミラクルプレーが決まり、第3Q残り40秒で19−0の19点差は、ほぼセーフティーリ−ドを奪った形になった。

 産大附属高校ディフェンスは、この直後から中大附属高校レシーバーに対してパスインターフェアの反則を繰り返してTDを1本返され2PATも決められた。しかし、オフェンスもQB#18岡からRB#49楠田、#99太田の中央突破ランで1TDを、WR#84中林へのパスなどでさらに1TDを獲得して産大附属高校が勝利した。

********

 中大附属高校オフェンスは、RB#45山崎によるランオフェンスとWR#86安岡、#19岩城へのパスという組立だった。しかし、敵陣へ侵攻した第1シリーズを除くと第4QのTDシリーズまで自陣でのパントが続いた。RBへのスクリーンパスやリバースなど趣向は凝らしたが、産大附属高校ディフェンスが慣れて来た中盤以降は、ほぼシャットアウトされてしまった。
 しかし、第4Qになって初めて披露したRBへのショベルパスだけは、序盤から多用していればディフェンスのバランスを崩すことが出来たかもしれない。
 ところでQB#10島本は思い切りのいいパスを投げていた。成功率が高くなかったのは余裕が無かったことによる迷いが原因だろうが、来年が楽しいなパスだった。

 産大附属高校オフェンスは、終わってみれば最初の2シリーズこそ自陣での攻撃権放棄だったが、その後はすべて敵陣までドライブを続け、攻守とも力強い内容だった。

(了)