Xリーグ WEST-DIVISION 第4節



10月21日(土) 鶴見緑地球技場 13:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
ファイニーズ 01730201-3-0
井内盛栄堂 00014141-3-0
(デイリースポーツ10月22日より)
 





10月22日(日) 阪急西宮球技場 11:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
マイカル 015010253-1-0
イワタニ 330060-4-0
(現地観戦)
 





10月22日(日) 阪急西宮球技場 14:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
アサヒ飲料 0707143-1-0
松下電工 30013164-0-0
(現地観戦)
 


 立ちあがりは、松下電工QB#7高橋、アサヒ飲料QB#12新生のオフェンスともにパントの応酬となる。この中で、アサヒ飲料自陣でのパントを松下電工#2霊山がパントブロックしてチャンスを掴んだ。

 エンドゾーン前15ヤードからの攻撃権を獲得した松下電工は、RB#25安藤の中央突破、WR#80塚崎のパスなどでFDを更新残り3ヤードに迫る。ここでHB#43脇坂のモーションを加えた中央突破を3回試みるも山越えできず、K#12太田のFGで3点先制にとどまった。

 一方のアサヒ飲料がチャンスを掴んだのもディフェンスの殊勲による。第2Q、松下電工QB#7高橋のファンブルロストを誘発させてフィールド中央での攻撃権をゲットした。

 ここでアサヒ飲料はQB#12新生からQB#18桂にスイッチする。ショットガンからスクランブル9ヤード、RB#27中村へのスクリーン15ヤード、最後はRB#34吉田の中央突破したところへの15ヤードTDパスで逆転するとともに、試合の主導権を握った。

 QB#18桂に対して松下電工ディフェンスのプレッシャーがまったく届かない。アサヒ飲料OLが完璧なポケットを作ってパスターゲットがフリーになるまでの時間を作りだす。
 さらに、パスディフェンスのためにLBが後ろへ下がろうとすると、巨体RB#27中村のパワーあふれる中央突破の防御が甘くなる。松下電工ディフェンスは窮地に陥った。

 第2Q終盤、アサヒ飲料再びのオフェンスは自陣44ヤードから。松下電工ディフェンスはまったく対応できないままずるずると後退していく。
 しかし、2回FD更新、さらにWR#6西岡へのパスも決まって敵陣深く入ろうかというその時に、痛恨の反則ホールディング、さらに、センタースナップミスでたたみかけるチャンスを逸した。


 後半、松下電工オフェンス一度目のドライブは自陣からフィールド中央まで、二度目は中央付近からエンドゾーン手前まで、ともに1回10ヤード程度のランパスをQB#7高橋、#18高橋が演出する。
 もっともクイックプレーはゲインするのだが、QBスクランブルを試みたり、ロールからパスターゲットを探そうとするとアサヒ飲料ディフェンスは容赦なく襲いかかる。エンドゾーン前8ヤード、逆転目前となった時にQBサックを避けようとドロップバックしながらエンドゾーン内へパスを投げ捨てた。しかし、これをアサヒ飲料がインターセプトしてフィールド中央まで戻されてしまった。

 これに対してアサヒ飲料オフェンスは、フィールド中央でのパントシーン。しかし、P#8田中が決め打ちのパスを右#85玉井へ。松下電工のプレッシャーも無くあっさりとFD更新してチャンスを掴む。QB#18桂からのミドルパスは、DBをかわしたWR#6西岡へ30ヤード。エンドゾーン前10ヤードに到達する。

 しかし、状況は第4D残り10ヤード。ここでアサヒ飲料はタイムアウトを取ることも無く迷わずにギャンブルを選択した。1回の攻撃で10ヤードを獲るつもりだったのだろうが、FG3点でも、という外野の意見である。
 アサヒ飲料はモメンタムを自ら放棄したようなシーンだったが、松下電工もパントカバーが甘くて再びアサヒ飲料にエンド前22ヤードとチャンスを献上した。
 ここは、松下ディフェンス2回連続サックでパント、しかし、QB#7高橋が自陣深くでインターセプトを食らうという、両チーム自らがモメンタムを放棄するようなチャンスを掴みきれない状態で右往左往して第4Q中盤まで時間を消化した。

 そしてこの右往左往に一応の決着をつけたのが、アサヒ飲料RB#27による第4Q残り5分56秒のTDだった。この時点で14−3。残り時間から考えてアサヒ飲料勝利の可能性が高くなったのは確かだ。しかし、松下電工オフェンスが、ここから最高のパフォーマンスを繰り広げる。

 高本のビッグリターンでフィールド中央まで持ってくると、QB#7高橋から#88門脇へのスクリーンパス、第4D7ヤードのギャンブルで#22下川へ13ヤード、右TE#88門脇へのクイック15ヤード、最後は左#81古本へのTDパス15ヤードと、QB#7&18高橋得意のクイックパスの連続でTDを獲得した。

 残り時間3分13秒。K#12太田のオンサイドキックは大きく弾んで松下電工がキープ。再びQB#7高橋のクイックパスが#11松岡へとヒット、さらにQB#18高橋のパスをWR#80塚崎が地面すれすれでキャッチなどで残り58秒エンド前16ヤード、残り32秒エンド前3ヤードとじわじわと近づいてくる。

 右へのランプレーはゲインゼロ、最後のタイムアウトを行使しての右パスも、足らないという判定に冷静にスパイクして残り4秒、時計を止めた。

 そして最後の攻撃。HB#43脇坂がモーションして中央突破フェイクのなか、RB#25安藤が左OTをフリーで抜けて残り1秒逆転TDとなった。


 この試合、モメンタムが右往左往する面白い内容だった。前半はチャンスを掴もうとする両チーム、後半は自らチャンスを放棄する両チームという状態だった。そして、この均衡状態にケリをつけたのが、第4Qアサヒ飲料のTDなのだが、この後の雰囲気が両チームで違った。

 この時点でアサヒ飲料としてはほぼ勝利を手中にしたという感じだっただろう。そして、松下電工も手も無く時間を消費するというのが普通のパターンである。正直言って松下電工がここから2TDも奪うとは思いもしなかった。
 ディフェンス大健闘の松下電工なら、過去に何回も見たことはある。「一紙乱れぬ松下電工オフェンス」なんて言葉を今までに使ったこともない。
 しかし、この日はここから松下電工オフェンスが最上級極限のパフォーマンスを披露してくれたことは、今後が楽しみだ。

 アサヒ飲料は最後の松下電工怒涛のオフェンスにタイムアウトを要求しなかった。ずるずると行かれてただけに、流れを立ち切るタイムアウトがあっても、という思いはある。
 ただQB#18桂によるショットガンオフェンスは、関東にも充分通用するかもしれない。RB#27中村へのハンドオフとパスのオプションは守備側から見ればやっかいであろう。

 久しぶりにFINAL6が面白くなりそうだ。松下電工は一足先に出場権を獲得し、WEST2番目の椅子を最終節最終戦でアサヒ飲料とマイカルが争う。(関東大学選手権決勝戦観戦と重なるのだが・・・・・)




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