東西大学王座決定戦 毎日甲子園ボウル



甲子園ボウル 




 今年も残すところあとわずか、という季節になった。ということは、甲子園ボウルの日が近づいてきたということで、第55回甲子園ボウルが開催される。関西学院大学と法政大学の対戦は2年連続4回目、過去の成績は両校とも1勝1敗1分けである。

 しかし、昨年の対戦は52−13という予想外(?)の大差がついてしまった。そして、甲子園ボウル直後の恒例行事となってしまった「なぜ関東は勝てないのか」・「関西と関東の違いは何?」・「なんで関西で開催するの?」論が、あちらこちらで盛り上がった。

 さて、今年も試合終了と同時に「恒例行事」が開催されるのだろうか。それとも、法政大学単独優勝なるか。

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 私見による「展望」を始める前に断っておかなければならないのだが、今年の法政大学の試合は、日本体育大学との関東大学選手権決勝しかみていない。リーグ戦筑波大学との試合はSKY・Aで録画したものの、テープがどこかへ行ってしまった。したがって、法政大学については、現地観戦1試合だけに基づく「展望」になる。

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 関西学院大学オフェンス今年のメインプレーがRB#2三井,#3大谷の中央突破だと気づくまでにかなりの時間を要した。関西学院大学オフェンスと言えばハデなプレー(つまり、華麗なパス)しか思い浮かばない固定観念にしばられてしまった。そして、この甲子園ボウルもRB#2三井、#3大谷のランプレーは、ビッグゲインを次々と生み出すだろう。

 一方でリーグ戦中のパスはランを出すための布石という位置付けだったと思う。今年の関西学院大学はどちらかと言えばランの方がゲインする確率は高い。しかし、この試合、得点するならばランよりパスのほうが手っ取り早いだろう。

 法政大学ディフェンスは1試合を観ただけなので良く判らない。何が判らないかと言うと、なぜ、関東の大学は法政大学から得点できなかったのだろうか??ということ。特に日本大学ショットガンが完封されたのが、ナゾである。11月23日駒沢に行っておけば、こんなに悩むことは無かったのだが。

 フィールド中央での法政大学ディフェンス特にCBは、WRTEへの横パス・クイックパスを全く警戒していない。QBドロップバックとともに、見事に後ろへ下がっていってくれる。WRが動いていないにもかかわらず、QBドロップバック=ロングパスと決まっているかのように・・・

 したがって、フィールド中央ならば横方向へのショート〜ミドルレンジのパスは、CBのプレッシャーがなくレシーバーが完全にフリーになるので、QBコントロールミスさえなければキャッチできるだろう。そして、CB一人をかわせば後はエンドゾーンめがけて一直線である。

 ただし、法政大学が自分のエンドゾーンを背負う残り20ヤードぐらいになると、この手は使えない。この付近になると、CBが後ろへ下がるスペースがなくなっている。だから、後ろへ下がらない。そうなると偶然の出来事なのだがWRTEへのマークが厳しくなる。エンドゾーン近くまでドライブしてしまうと、パスは難しいかもしれない。


 関西学院大学最初のプレーは、IフォーメーションからWRへの横パス。キャッチ後にCBのタックルをかわしてTDラン、というには、いかがでしょか。

(日本体育大学のCBも同じ動きだった。もし日本体育大学が甲子園ボウルに出場していたならば、同じ事を書いていたかもしれない)

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 法政大学オフェンスは、本当の意味で、面白いかもしれない。

 昨年までのラン偏重オフェンスではないというのは、本当だった。

 QB#4井川は昨年までほどのオプションQBとは言えない。それは、逆に言えばランパスマルチのオフェンスを仕掛けられるという意味であり、パスもショート〜ロングを難なく投じる。さらに、キープでのランもありという、今までとは少し違ったタイプのQBである。

 バックス陣では、RB#29薄衣、#36白木の中央オープンランのスピードはやはり関東級、そして、今年のウリであるレシーバー陣にはWR#9山岸、TE#80日田が揃う。

 関東大学選手権決勝では、第1Qだけでもシングルバック、フレックスボーンからのオプション、リバース、プレーアクションからのパス、両TERB3人横並びのTなど、さまざまなフォーメーションを披露した。もしかしたら、試合前半だけなら同じフォーメーションはなかったかもしれないぐらいに、多種多様だった。

 関東大学選手権決勝最初のTD後の2ポイントトライなど、オフェンス面ではいろいろと考えているのがわかる。昨年までとは違ったオフェンス組み立てを見ることができるのは間違いないだろう。


 今シーズンの関西学院大学ディフェンスが慌てた試合と言えば、ショットガンで攻め込まれた甲南大学戦だが、その後に京都大学戦、立命館大学戦を経験した成長分を考慮すれば、容易には比べられないところがある。

 法政大学オフェンスが関西学院大学ディフェンスに通用するかだけは、やってみないとわからない。

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 試合的には、法政大学ディフェンス面に難ありで関西学院大学優位は動かないだろう。しかし、ハデにボールが行き来する面白い試合になる可能性はある。

 法政大学オフェンスから何が飛び出すか。見どころは、ここにある。

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 AK家では、テレビ情報誌「テレパル」を略定期購読している。12月17日(日)のところを見て、唖然。甲子園ボウル中継が15時から約50分。前後挨拶含めても編集できる!!ということなのだろう。

 もう一つびっくりするようなことがある。深夜0時35分からの甲子園ボウル中継。出場校は・・(各自、コンビニなどで、確認してみてください。)

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