甲子園、緑の天然芝

Updated, 2006. Dec. 14 at 01:49 JST.



「東西大学王座決定戦・毎日甲子園ボウル」は、関西学生連盟が関東学生所属のチームを招待する形で行われている。これまでの長い歴史の中でさまざまな名物勝負を繰り返してきて、2006年の開催で61回目を迎えることになった。

 過去の甲子園出場校の歴史を振り返ると、第10回大会あたりから関西学院大学と日本大学が東西代表を独占し、緑の芝を背景にした日本大学の赤と関西学院大学の青が入り混じる風景が長く続いた。
 そして、80年代になると緑とグレーホワイトの京都大学が出場するようになり、その後、専修大学や日本体育大学、早稲田大学なども登場するようになる。
 近年では、オレンジの法政大学とマルーンの立命館大学が甲子園のフィールドを独占していたが、2006年は、久しぶりにKGブルーが登場することになった。

 この「甲子園ボウル」は、阪神甲子園球場の改修工事のために、2007年と2008年の2開催だけ、甲子園の天然芝から離れることになる。代替の試合会場としては、京セラドーム大阪や長居陸上競技場、神戸ウイングスタジアムなどが候補に挙がっているようだ。

 甲子園ボウルに関する新聞記事を読んでいると、「芝生の上に寝転んでみました。」というコメントを見ることがある。そのコメントの続きは「こんな芝生の上で試合ができるなんて・・」、そして、「あとは、全力を尽くすのみ」とか「来年もう一度、ここへ」が加わる。
 このような感慨深げなコメントを読んでいると、やはり、気になりだしてしまう。

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 内野特設スタンドが始めて設置されたのが1990年、関東代表日本大学が3連覇を達成した年だった。試合終了後、外野ライト側スタンドから外へ出て、そして、内野特設スタンドへ入ってみた。

 内野特設スタンドに立ってみてまず最初に驚いたことは、関西人で埋め尽くされてしまうだろう外野スタンドが目の前に大きな壁となって迫ってきそうな位置関係にだった。
 フィールド中央で関東側が孤立してしまいそうな状況は、自分の周囲を全て相手側に囲まれているときの心境を想像してもらえれば、少しは判ってもらえるだろう。
 いままでこんな環境でよく試合をやってきたなという状況だったが、関東代表チームのすぐ近くに応援団が入れるようになって、少しは解消されたかもしれない。

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 内野特設スタンドへ入りなおした本当の目的は、「芝生の上に寝転がって感触を楽しみました。」を、私もやってみたい、というところにあった。
 スタンド設置一年目だったら、もしかしたらできるかもしれない、そして、開催回数を重ねるごとに警備が厳しくなっていくのは間違いない、アメリカンフットボールで言うところのトリックプレーみたいな。(すいません。)

 フィールドのサイドラインと土のグランドと緑の芝がクロスする付近、先ほどまで両チーム選手がボールを追っていたとところ。

 一歩踏み入れた瞬間・・・・。ジワッーって足が沈んでいった。

 分厚い絨毯というか綿布団のような。それでいて、十分な反発力もあって、飛ぶ跳ねるターンする、なんでもできそう。ボールを追ってジャンプしても倒れた時の痛みを考えなくても大丈夫そうな、やわらかい土と芝だった。

 これまでに、西宮スタジアム、西宮球技場、長居球技場、王子・宝が池などのフィールドに入ったことがあるが、各施設の担当者のみなさんには本当に申し訳ないのですが、やはり、甲子園の天然芝だけは別物だった。
 新しいフィールドへ行く毎に、芝の感触を確かめにいくのだが、いまだに甲子園のあの感触を超えるものに出会ったことがない。

 こんなすばらしい芝の上で試合ができるのは、毎年、2チームのみ。頂点に立つための様々な困難を乗り越え、問題を解決して、そして到達した甲子園の至福の絨毯。今年もチーム関係者は寝ころんで感慨に浸ることでしょう。

 そして、今年も、甲子園で、激闘が繰り広げられます。



作者注:絶対にまねしないでください。

 当時は、フェンスもなく、警備員もいませんでしたが、その後は、年々、警備が厳しくなっていき、最近は頑丈なフェンスが設置され、多くの警備員が監視しています。








次回のテーマは、未定です。



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