理容業界 Q&A

【ヘアケア編】 【スタイリング編】 【シェービング編】 【その他】 【雑学編】 【理容業界用語】

 髪は年をとると本数が減っていくのでしょうか?
日本人の髪の本数は10万本といわれています。これは生まれた時に決まっているもので死ぬまで髪の本数は変わりません。年をとると髪が減るといわれます。男性の場合は薄くなって上の部分の髪が減ったように見えます。この減ったように見えるのは髪の本数が減ったのではなく太さが細くなったからです。そのため髪の量が減ったようにみえるのです。薄くなった場合は本数が減っているようですが髪がなくなった訳ではなく細くなって肉眼ではみえなくなったからです。
 シャンプーが健康に良いと聞きましたが本当ですか?
A シャンプーのもともとの意味は頭皮を揉むことです。インドネシアのバリ島ではトリートメントクリームをつけて頭皮を揉むクリームバスという健康法があります。それがシャンプーのもとで、クリームの代わりにシャンプー剤をつけてマッサージするのがシャンプーになったわけです。シャンプーをする時ただ洗うのではなくマッサージをすることで頭皮を適度に刺激して快感を与えます。またその時適度のお湯を使えばさらにリラクセーション効果が高まり、疲労回復、ストレス解消などの健康法になります。
 髪が薄くなるチェックする方法はありますか? 
男性型脱毛症で薄くなったと確認出来るのは髪が抜け始めてから2〜5年といわれています。出来るだけ早く発見し手当てを始めることが大切です。専門的には髪の太さを測る、髪の抜け具合を調べる固着力の検査、脱毛根の検査などあります。
自分で出来ることは毎日、抜け毛を気にかけ、特にシャンプーの時は抜け毛の本数をチェックすることです。その時短い抜け毛が多かったら要注意。又、シャンプーの後すぐに抜けるのも要注意。髪を軽く引っ張って簡単に抜けるようなら専門家に早めに毛髪チェックをしてもらうことが必要です
最近、シャンプーをした後カユミがでるのですが、どうしたらよいでしょうか。
カユミの原因は2つあります。1つは内因で体の中からきているもので、胃や腸の不調、ストレス、睡眠不足、疲労、その他の疾患により頭皮の状態が悪くなりカユミを訴える場合。もう1つは外因で整髪料やシャンプー、リンスなどの刺激によるものがあります。
シャンプーの後カユミがでるのはシャンプー剤の刺激によるもので、シャンプー剤が頭皮の状態に比べて洗う力が強い場合。シャンプー剤の量を使い過ぎて流しきれずに頭に残留した場合。シャンプー剤の成分の中に頭皮に合わないものが含まれていた場合などいろいろあるので、まず頭皮の状態を調べてみることと、シャンプー剤を洗浄力の弱いものに変えてください。それからリンスは使用しないでください。
私は高校生です。父親が50歳でうすくなっています。
私も将来同じようになるのか心配です。どうしたらいいでしょうか。
髪がうすくなるのは遺伝的要素が強いことは確かです。しかし遺伝がうすくなるすべての原因ではなく後天的要素も多いので手入れをしっかりすることにより予防することは出来ます。
うすくなった髪を元に戻すことは現在では難しいですが、うすくなるのを予防することは出来ます。以下を心掛けて下さい。
・毎日自分の頭皮に合ったシャンプー剤でシャンプーをする。
・シャンプー剤は少量で洗い、十分に流すこと。
・シャンプー後は1〜2分位、指圧やマッサージをして血行をよくする。
・マッサージの時、育毛剤を使うとより効果的である。
・毎日の食事が影響するのでタンパク質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよくとることが大切である。
・ストレス、睡眠不足など精神的なことも、また暴飲暴食、タバコはマイナス要因になるので注意する。
30代の男性ですが、最近白髪が目立ってきました。何か対策を教えてください。
 30代での白髪はまだ老化現象とはいえないので、遺伝的なものが考えられます。
現在、白髪の原因ははっきりわかっていません。原因の一つは老化にあることははっきりしています。白髪は毛が白くなるのではなく毛をつくる毛母細胞のところで色素細胞(メラノサイト)がなくなるか、休んでしまうために毛の中に色素が入らず透明になり、白髪に見えるのです。
白髪を根本的に治す方法は現在ありません。それでも最近の研究では食べ物が影響しており、白髪を防ぐ食べ物としては
・銅(生かき、ごま、アーモンド、ピーナッツ、そば、牛レバー、バター、プルーン)
・セレニウム(バター、にしん、小麦胚芽、リンゴ酢、まぐろ、ほたて貝、牛乳、ほうれん草、小松菜)
・カルシウム(干しえび、煮干し、ひじき、ナチュラルチーズ、高野豆腐、青のり)
白髪の悩みにはカラーリングや整髪料の使い方でいろいろ対応出来るので理容店でご相談ください。
Q 私は、髪が硬く太いのが悩みですが、何か毛質を変える方法はありませんか?
A 硬くて太い毛質を根本的に変えることは出来ません。ただ一時的にシャンプー剤やリンス剤、コンデショニング剤などで手入れをすることにより軟かい状態に保つことは出来ます。これはシャンプー剤などに硬い毛を一時的に軟らかく成分が配合されていて、その効果により軟らかくなります。硬い髪用のシャンプーやリンスをおすすめします。その他にパーマやカラーリングをすることにより、硬い毛を軟らかくすることが出来ます。これは軟らかくするというより、パーマやカラーリングによって軟らかくなるということです。パーマ液を使ってウェーブやカールを出さないで硬毛軟化処理がある程度出来るので理容店で相談して下さい。
最近、髪がうすくなって来た気がするのですが、はっきりそれがわかる方法があったら教えて下さい。
 髪がうすくなって来たといわれますが、どのようになったらうすくなったのだ、とはっきり理解している方が少ないようです。
うすくなるというのは髪の本数が脱毛して少なくなった状態ではありません。うすくなるというのは髪の数が減るのではなく、髪の太さが細くなるためです。そのためにボリュームが出なくなり、すけて見えるようになるのです。
初期の段階では発見しにくいのですが、早く見つけて手当をすることが大切です。
その方法は
・髪の太さをはかる。頭部の周囲の髪の太さで、天頂部の髪の太さを比較して20ミクロン以上、上の部分の髪が細くなっていたらうすくなる現象は進んでいる。
・脱毛の毛根を調べる。抜けた毛の毛根を検査して、半分以上の髪が異常脱毛なら悪化している。
・頭皮の状態を調べる。頭皮のチェックをして、進行の度合いを調べる。
ヘア・ケアの知識のあるお店ならチェックしてくれます。
 ハゲや薄毛を予防するには毎日シャンプーをして皮脂をとった方がよいとHPで見たので実行したら最近では頭皮が乾燥してフケは出るし、汗が出るとカユくなるような頭皮になってしまいました。これを改善する方法はありますか?
シャンプーをするだけで皮脂を取り過ぎてしまうのは、シャンプー剤の洗浄力が強すぎるか、必要以上に洗い過ぎているためです。皮脂は頭皮にとって大切なもので、少なくても、多くてもマイナスになります。余分な皮脂はシャンプーによって取っても、必要以上に取ってはいけません。脱毛に皮脂が関係するのは毛孔という毛が皮膚から生えている穴の周辺に古くなった皮脂(酸化脂質)がつまることです。これをつまらせないために毎日取ることが目的なのです。そのためには毎日洗うシャンプー剤は酸性タイプのシャンプーで皮脂を取り過ぎないように、ていねいに洗うことが大切です。
当面の方法としては、シャンプーをする前に天然オイル(オリーブ油など)を頭皮に適量つけて、5〜10分位おいてからシャンプーをすると自然に改善されます。

脱毛について
(1)男性型脱毛症(若ハゲ)は遺伝的要因が強い
 男性型脱毛症は男性には優性として発現するため、男性ホルモンが多い人が禿げるという説は昔からありました。あるアメリカの学者が怪我で睾丸を失った戦傷者を追跡調査したところ、本来は遺伝的に禿げる家系に生まれた人も禿げなかったといいます。また薄くなりかけていた人の場合は進行が止まっていたと報告されています。中国の官がんには禿げた人がいなかったという報告もありました。
 男性ホルモンは主に睾丸で作られており、睾丸の無い女性に禿げる人がほとんどいないということも男性ホルモン説の根拠とされていました。しかし、若ハゲの人とそうでない人の血液中の男性ホルモン(テストステロン)の量を調べてみるとほとんど差が無かった事から、男性ホルモンの量と若ハゲは無関係と分かりました。

(2)男性ホルモンに働く酵素(5−α−リダクターゼ)が鍵を握っている

 受容体にくっついた男性ホルモンはそのままでは活性がなく、酵素が男性ホルモンを還元することにより活性化し、強い男性ホルモン作用を持つことになります。睾丸から分泌された男性ホルモンは皮脂腺で活性化され、毛乳頭に降りてきて悪さをするのではないかと考えられているのです。つまり、皮脂の中の5−α−リダクターゼという還元酵素がテストステロンを活性化し、5−α−DHT(デヒドロテストステロン)となり、強力な男性ホルモン作用を起こし、毛母細胞の分裂を阻害するようになってしまうのです。
 

(3)男性ホルモンに対する感受性の高い人が禿げる
 男性ホルモンは細胞に直接働きかけることができないため、まず、細胞にある受容体(レセプター)とくっつく必要があり、そのため禿げるかどうかの鍵は受容体にあるのではと考えられるようになりました。研究者が探したところ、問題の受容体は頭髪やヒゲの毛乳頭に存在することが確認されましたが、若ハゲかどうかにかかわらず皆同じ位に受容体があることがわかり、男性ホルモンはヒゲや体毛を濃くするのに対し、頭髪にはなぜか反対の働きをしています。受容体自体の感受性の高さによるものかも知れませんが、この辺はまだ解明されていません。

(4)頭の形とハゲの関係
 ベンジャミン・ドロシィ博士の説によると「卵型の頭」で、卵の尖っている方を下に、丸い方を上にした形の頭の場合は、サイドや額が張っているため血液の流れが悪くなり、栄養が充分に毛根部まで届きにくくなりハゲてくると言っています。またシャートン・ヤング博士は、猿の頭皮を長円形に切り取り、残った頭皮を両方から引っ張って縫い合わせたところ、しばらくしたら人間と似たタイプのハゲができたといいます。この実験でわかるように、頭骨が張っていてサイドが張りやすい丸い頭にハゲが多いということができます。身の回りの細長い頭と丸い頭の人の、どちらにハゲの人が多いか調べてみたら分かるでしょうが、「才槌頭」「ビリケン頭」「金柑頭」などと言われる丸い頭にハゲが多くみられます。

(5)ヘアスタイルと脱毛
 ほとんどの場合が女性ですが、まれには男性の場合でもブラシや櫛の材質や使い方などが間違っていると薄くなってくることがあります。静電気対策がしてあるブラシを使い、髪にスジ道をつけるように毛先をとかし、次に中間から、最後に根元からとかすようにしましょう。
 ヘアスタイルによる脱毛で有名なのはポニーテールという馬の尻尾のように髪を引きつめて後頭部でまとめたスタイルや、日本髪やシニヨンというフランスで流行した日本髪の丸まげに似たスタイルなどで、これらのスタイルを長期間していると前頭部や頭頂部が脱毛のために薄くなってきます。これらのヘアスタイルはいずれも髪を強く引っ張ることが原因していますので、これらは「牽引性脱毛症」と呼ばれています。  
 この牽引性脱毛症は、髪を引きつめている人の総てが脱毛してくるかというとそうではなく、父親や祖父などがハゲているというような遺伝傾向がある人の場合に、牽引性脱毛症になりやすいという調査報告があります。
 またこれらのスタイルをしたからといってすぐに脱毛してくるわけではなく、子供の頃にやっていると、大人になってから脱毛してくるというように10年以上も過ぎてから薄くなることがあります。 ポニーテールの場合は男性のH型脱毛のように髪際隅部と呼ばれる部分が薄くなり、日本髪などの場合は頭頂部が丸く回復しないハゲになってしまいます。

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