■□ゼロは神にも、冒されず。 <<noveltop
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「……やっぱり…オカシイよ、君」

向けられる紫の瞳は、円らに開かれ
いつもより幼く見せた。
だが、それはすぐ、通常の表情へと変わる。
頬は少し染まり、黒髪が汗で頬につく、艶が含まれているいるが。
「何が、」
「僕は、女の子みたいに胸があるワケじゃない、のに」
そもそも、セックスを同性であり、幼馴染であり、友人だった彼と
している事自体、オカシイのだけれど。
それが既に定義さえされない事に、敢えて気づかず
問いかけた。
彼は、自分の問いに、クツリと笑った。
「触り心地がいいし、此処、イイんだろ?」
指先で乳首を弾かれる。
唇を噛み締めて、上がる声を抑えて
いつのまに、このような弄り方を覚えたのだろうかと考える。
手は胸を揉むように動いているが、自分は間違いなく男である。
胸囲こそ、女性のモノと同じくらいかもしれないが、
「触り心地って、女の子の方が……いいと思うよ」
「その一瞬の間は、なんだ?」
意外に鈍感である彼も、気づいたようだ。
言外に含まれる意味を。
だが、気づいたという事は、気にしているという事だ。
「えっと、君が童貞だなんて思っていないよ」
フォローのつもりだろう言葉は、的確に彼を抉る。
「………どちらにせよ、お前しか触れられないし、触れない」
敢えて、指摘はせずに、鉾先を少しだけ逸らした。
「僕だけ、じゃないだろ?」
紫の瞳が細められた。
眉間に忌々しく皺が寄る。
「どうなるか、結果は解っているだろう?」
「最初は誰でも失敗するものだよ」
「そういう結果ではない」
吐息を震わせて、スザクは胸元にいるルルーシュの黒髪に指を絡める。
「……君の事、好きだろ?」
「――それを間違えても、本人に言うな。
そして、何か嫌がらせ受けると考えておけ」
冗談だろ、と笑い飛ばそうとしたが、真剣な顔つきにスザクは内心、
冷たい感覚を感じ取った。
「………でも、やっぱり、損をしていると思うな……
セックスなんて、心がなくても、できるし」
触れる手の動きに、体が痙攣しだす。
「お前が、それを言うか?」
今となっては、考えている事は筒抜けだ。
スザクは瞳を細める。
ニヤリとルルーシュは笑っている。
彼が、事実に満足しているのだ。
そんな、彼のプライドと観念を考えて喜ばしい事だろう事実が
とても気に入らない。
「だが、俺は知っていたよ。ずっと」
顔が近づく。

「俺だけ、だと」
「……自意識過剰じゃないか?」

触れる唇と、その紫の煌き。
頬が熱い。
「お前は、嘘が下手だからな。確定事項だ。
逆に、あの嘘は、俺を自惚れさせるのに十分だったが」
「意味の解らないコト、言わないでくれないかな」
細い指先が、体のラインを辿り、そして、最奥を触れる。
ビクついた身体を宥めるように、包み込まれた。
「まだ、痛むか?」
「君が、下手なだけだよ……僕は、慣れて」
「俺のに、か?」
言葉は、吐息に消した。
何を言っても、図に乗らせてしまうような気がして。
変わりに睨みつけて、その嘘ばかりを吐いていた唇に噛み付いた。
荒々しく、舌を突き入れれば
優しく絡み返され、目尻が熱くなった。

「君が、変わらなかったように、世界は――」
「だから、お前は永遠になったんだ……贖罪と共に」

クツリと彼は笑う。
言葉を奪い、最奥に入って、自身の心を侵略した。
「だったら、お前は、俺の前に現れてしまったら……」
「俺は『魔王』だ。そして、これは、スザクが、望んだ」
腕を伸ばす、掴まれ、手が絡む。
温もりは皮膚を浸透して、スザクを震わせた。
「……『枢木スザク』は死んだよ」
「一緒に、連れて行ってやった、だから」
唇が触れる。
「英雄ゼロ。お前は記号だが、人間でもある――欲は捨てられない」
「性欲処理の道具みたいな、モノかい? 君は」
「光栄に思え」
「君も、ね――」
抱きしめ、意識が消えれば、朝となる。
それを繰り返し、繰り返し、繰り返し。
最後は――世界もゼロとなるのだろう。

「……だったら、余計に童貞捨ててもらわないとな。
最低最悪の悪逆皇帝が、童貞皇帝なんて――彼女に頼み込んでごらんよ」
「――まず、空気を読めるようになれ。英雄ゼロ」

何もかも、知っている。知られてしまった。
だから、今は。
ルルーシュもスザクも、二人で存在が確定するのだろう。


払われた対価の、ささやかな幸福。




(終)
+++++++++
捏造。
スザクはコード持ち
ルルはレインみたいな存在になった感じ。
データーの集合体で、スザクとC.C.が基盤となって実体化していると。
だが、コードを持っている者しか見えないという。
自分の萌えを集めてみたぜ。

+++++++
これを最終的にバッドEDにみえるけど
ハッピーEDの方の補完の設定にしようと思っています。