常時接続時代における新世代ゲームを考える。

ここ1年で高速な常時接続タイプ(※1)のインターネットサービス(以下ブロードバンドと記す)が急速に普及した。 既存のケーブルテレビ、フレッツISDNに加え、安価なADSLが台頭してきたことが要因といえるだろう。 それにあわせる形でゲーム機も徐々にブロードバンドに対応する形となってきている。

(※1)一日中つなげていても追加料金がかからない完全定額制のサービスのこと。ちなみにダイヤルアップとは、 プロバイダーに「電話をかけて」ネットワークに接続する方式で、基本的には電話同様○分○円といった感じで通話料金がかかる。

現時点でブロードバンドに対応しているゲーム機はドリームキャスト(※2)とX−BOX(※3)の2機種。PS2、 ゲームキューブもブロードバンド対応の周辺機器が発売される予定である。

(※2)別売りのブロードバンドアダプターにて対応
(※3)標準でブロードバンドポートを装備しているが、ネットワークサービスは現時点では始まっていない。

では、ブロードバンド対応になることでゲームはどう変わるのか。一般的に言われているのは

・通話料金が固定のため時間を気にしないでオンラインゲームがプレイできる
・高速回線を使用することで、オフライン(※4)と遜色ないクオリティでオンラインゲームが楽しめる。
・発売後に不具合が発見されても、修正ファイルを配布できる。

といったところである。

(※4)オンラインの逆でオフライン。ネットに接続していないこと。オンラインゲームが当たり前になったら、いままでのゲームのことを「オフラインゲーム」と言うようになるのかも・・。ちなみにチャット仲間と実際に会う「オフ会」も語源はこれ。

しかしそれ以上に大きいのは、「ゲーム機を起動した状態ですでにネットにつながっているという環境が実現できる」 ということではないかと思う。
いままでのオンラインゲームは、当然ながらユーザーがネットに接続しなくてはならなかった(※5)
通信対戦にしろデータダウンロードにしろ、「これからネットに接続する」「今ネットにつながっている」という 意識のもとでプレイされていた。 ブロードバンドによりオフラインの感覚でオンラインゲームを楽しめるようになる。 これを使えばいろいろと新たな試みが出来るだろう。

(※5)現時点でのダイヤルアップによるネット接続は、原則としてユーザーが「接続する」という作業を行わなければいけない。 電話料金がかかる以上、ユーザーの同意なく勝手にネット接続するわけにはいかないからだ。 ブロードバンド接続対応のオンラインゲームも多く存在するが、基本的に「ダイヤルアップの代わり」というスタンスなので、 ダイヤルアップ同様に接続の作業が必要となっている。

では、最初からネットにつながっていることでどんなことができるか。例を挙げてみたい。
なお今回は、常にブロードバンドの回線がゲーム機に接続されていて、ハードディスク(またはそれに相当する大容量記憶メディアが搭載されている環境で想定している。

「季節限定、時期限定イベント」
起動時にサーバーから自動的にデータが送られてきて、プレイ中にいきなり季節限定のイベントや時間限定のイベントが発生する。サーバーで日時管理をしているので、ゲーム機の時計設定を変更してイベントを出すということは不可能。もともとソフトに入っていないイベントを追加することも可能であり時事ネタを入れるということもできる。シーマンが何気なく「昨日巨人勝ったなあ」とか「明日あたり台風が沖縄に上陸するらしいぞ」とか言い出したらより感情移入度が高まるのでは?(さすがに、そういうイベントが追加されたときに「追加イベントファイルをダウンロードしますか?」とか聞かれたら冷めちゃうしね)
オプションで、毎月いくら払うとネットワークによる追加イベントを随時配信してくれるという新サービスも考えられる。

「ソフトレンタルサービス」
ソフトレンタルサービスというと、ドリキャスのドリームライブラリーがあります。あれが失敗した理由は、毎回ダウンロードしなくてはならないという不便さがあったからです。なぜそういった方法をとらなくてはいけなかったか、というと「ドリキャスに大容量記憶メディアがなかった」 ということと、仮に大容量記憶メディアがあったとしても「ゲーム機内の時間を変更することでいつまでも遊び続けることが出来てしまう」という問題があったからです。 起動時にブロードバンド回線で認証が行えれば「このソフトはまだ○日レンタル期間が残っているのでプレイ可能」「このソフトはもうレンタル期間を終了したので、遊べないようにする(または記憶メディアから削除)」といった処理が可能。もちろん認証をしないと遊べないようにしておく。 発売前のタイトルの体験版を配信するサービスも可能(発売日以降遊べなくなるなどの制限もかけられる)であるし、ファンタシースターオンラインのトライアルテスト(※6)などはまさにこの方法が向いているのではないかと。

(※6)ドリキャス版とゲームキューブ版で発売前に行われたユーザー参加型ネットワークテスト。製品版予約者を対象に体験版を配布し、発売日までネットワークに接続できるようにしていた。不具合の軽減、完成度の向上が目的。

どうでしょうか?少し新しいゲームが生まれてきそう!って感じがしませんか?しかし現状ではブロードバンド回線の普及率もまだまだですし、国民機であるPS2でさえネット専用ファイナルファンタジーに併せてブロードバンドサービスをようやく始めた段階です(ブロードバンド用機器、ハードディスク両方とも別売りという状況のため、非常に敷居の高いものとなっているようですが・・・・)

標準でブロードバンドポートとハードディスクを備えたX−BOXも、純粋に台数が伸び悩んでいる上にネットワークサービスも始まっていない状況。ここがもうちょっとがんばってくれると、上に書いたようなゲームが出てくる時期も早まってくると思うのですが。

そう考えると、ダイヤルアップとはいえモデムを標準装備して発売当日からインターネット接続を可能としていたドリキャスってすごかったんだなあ、と改めて思います。贔屓ではなく本心から。

ソニーもネットワークに特化した新ハード(PS3とは別に、という話も・・)を開発しているようですしブロードバンド専用ゲームというのは、次世代ハードでもうちょっと具体的な形が見えてくるのではないでしょうか。

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