初めて実験編
デイスターフイルタでの太陽撮影・画像処理に悪戦苦闘!
というわけで、どんな風にしていったらよりきれいに撮影できるのか、処理できるのかを試行錯誤しています。その記録です。
平成11年 6,21記まで
東京で昼に購入して急いで帰り、ボール紙を切り抜き・・・と準備して太陽に望遠鏡を向けたのが4時過ぎ。西の空にはかなりの薄雲でした。しかし、さすがは太陽君、強烈な光でそんなハンディはけちらしました。
今のところは、ボール紙による口径の調節(今回は4センチ)や、接眼レンズ、ビデオカメラによる写り方の違いなどを実験の段階です。今後画像処理も含めていろいろとためしていきたいと思います。
その1「カラービデオカメラ実験」

コントラストの関係でしょうか、眼視での見え方よりもさらにのっぺりとした赤、という感じです。周辺のプロミネンスは、感度をいろいろ変えてみましたがほとんど写りませんでした。
あと、16ミリの左ななめ下にも残っていますが、何故か靴底のようなシマシマ模様がドーンとついてしまいます。
こちらはアイピースは使わず、直接アメリカンサイズでねじ込んで、という形です。
周辺付近ではカラーよりもはるかにはっきりと模様が写っています。
ただ、中心に向けようとすると感度を一番下げていても露出オーバーで白くとんでしまいました。(この周辺も実は薄雲がかかってくれたから写っています。最初は全体が真っ白でした。)
ここで、LRGB法でカラー化実験をしてみました。
こうしたモノクロ画像をLとして、同じサイズで赤く塗りつぶした画像をRGBとして合成してみました。結果はここに載せていないことからも御想像できるかと思いますがほとんど模様がつぶれて失敗でした。
その3「モノクロをLとしてプロミネンスカラー化編」
プロミネンスに合わせると、太陽本体は露出オーバーになって模様がわからなくなる分、こちらの方がまともにカラー画像になりました。(もともとこのフィルターはHアルファー線だけを通すものなので色は赤のみになっています。)

モノクロ画像をLとしてカラー化してみたのですが、そのままの方がガスの流れがわかっていいかもしれませんね。
子供達は「赤い色」がついていた方が太陽のイメージらしいかな、と思ったので着色してみたのですが・・・
今後はモノクロ主体で、大型のプロミネンスなどはカラー化、というのが今日のところの結論です。
朝、4枚加算平均で載せたものを16枚加算平均してみました。
手間はかかりますがだいぶ雰囲気が豊かになります。
これならば、と思ってゆうべうまくいかなかったLRGB応用に再挑戦。結構それらしい感じがでました。・・・ページの中で特にことわっていないカラー画像はこの方法でモノクロ画像を処理したものです。
この調子で昨日のプロミネンスを16枚加算平均でやってみました。ただ、プロミネンスに関してだけならば4枚程度の合成画像とそれほど大きな変化はありませんでした。
さらにそれをカラー化しようとしたのですが、本体とプロミネンスの部分の色合いがチグハグでダメでした。つなぎ目を塗ってぼかすという暴挙にもでたのですが、やればやるほど不自然で、結局一番きれいなのが16枚合成後レベルを調整した程度の画像でした
今日、新たな課題は「露出」です。オートでモノクロビデオの露出が変わってしまうので不安定です。この画像でも右下の黒点周辺は完全にとんでしまいました。
他の部分でも(特に表面の画像)モニターに写っていても、ほとんど白くとんでいて画像処理してもダメなものがけっこうありました。
実は昨日の課題「露出オーバー」対策にゆうべ近所のカメラ屋さんでNDフィルタ(3絞り分のごく普通のタイプです)を買ってきて、赤フイルタと一緒につけていました。多少薄雲を通してですが、モノクロビデオカメラの感度を一番下げた状態でNDフィルタをつけない場合、つけた場合を2カ所で試しました。
これは合成も何もしていない1コマ同士の比較です。左側がレベル補正前、右側がレベル補正で表面全体の模様を出そうとしたものです。
またこれは実験なので「機材のほこりによるニセ黒点」の消去はしていません。ほとんどは黒点でありません。

差は歴然でした。
薄雲で光が弱くなっていたにもかかわらずNDなしの状態では露出オーバーで白くとんでしまっているところがほとんどです。
NDをつけた方はきちんと模様が出ているので、これらを16コマ程度加算処理すれば自然な雰囲気に近づくと考えられます。
画像処理の結果は「最近の姿」の方に出ていますが、今日のところは露出オーバーの問題はありませんでした。あとは本当にカンカン照りのときにNDが一枚でもつかどうかです。
ビデオも同じですが普通のCCDを用いた画像は画角がかなり狭くなります。太陽の全景が撮りたくても撮れません。そこで月のモザイク合成のようなことができないかと思ってやってみました。何とかつながりそうです。ただ、今日は雲が多くて全景を作るほどの画像を撮れませんでした。
朝のうちは晴れていたので早速試しました。目印重視だったので7カ所にわけてそれぞれ8コマ加算平均したものをつなぎあわせました。
月と比べて大変だったのは座標となるべき目印がほとんどないことです。特に黒点のないあたりは位置あわせが大変でした。
それと、自動露出のため、カットによって画面の明るさなどが変わり、それを調整するのが完全にはできなかったことです。やや画面全体でムラがでてしまいました。例のLRGBの応用でカラー化した方がムラは目立たないかもしれません。

今日はプロミネンスは淡いものばかりだったので加えませんでしたがレベル調整を2段階にしてプロミネンスも写った合成もいつかはやってみたいと思っています。
ニセ黒点をうまく消すのに冷却CCDでのフラット補正を応用できないか、と考えました。対物レンズの内側にある細かいほこりが写ってしまっているので太陽表面をぼかすとニセ黒点だけが残っています。それを使ってフラット補正してみたのです。
実はこの実験は昨日も試したのですが、何故かぼかした時に斜めに縞模様が出てしまい、失敗でした。縞模様が画面のムラとしてはっきり出てしまったのです。
今朝は、その縞模様が多少しかでなかったのでぼかし具合をかえたものを合成してさらに目立たなくしてから使用しました。それを使った画像を8枚加算平均したものと、今まで通りの方法でやったものとを比べてみると、縞模様さえ出なければ、こちらの方がなめらかな雰囲気になります。
・・・・ページ上では画像の状態によって「レタッチで修正してゴミを消したもの」と「フラット補正で消したもの」を処理しわけています。
最初は苦労していた露出のことですが、だいぶ安定して撮影できるようになってきました。昨日からねらっているふち際の表面とプロミネンスを両立させた画像も、先日までは全く異なる露出の画面をつなごうとしていたのでどうしても境目が不自然になってしまいました。
昨日あたりからは元画像の段階でどちらも写っているものを素材にしているのでわずかにレベル調整を変えた2画面を使って合成ができます。
ちなみにこれが取り込んだ静止画を8コマ加算平均した段階のプロミネンス付近です。

一応表面もプロミネンスも同時に写っています。
テレビューの方から夕方、次のような助言をメールで頂いたのでさっそくすぐに試してみました。(許可を得て転載しています)
撮影のヒントになれば・・・
・ 太陽像全景を撮る方法
→ 焦点距離の短い(お使いのCCDで全景が入る)
望遠鏡を用意する。
対物レンズの前方にデイスターフィルターを取り付ける。
もちろん先端に赤フィルターをかぶせる。
光軸中心を外れるとHα帯域からずれる(ドップラー効果が顕著に判る)。
近くの家のかげに太陽が隠れてしまうまでわずかだたのであせりながらの準備でした。「焦点距離の短い望遠鏡?うちにないな・・・」と思ったところが目に付いたのはガイド用のものです。ものは試し、問題はどうやってこれの先端につけるかです。
結局このプラスチック製のフタにも穴があいていたのでその穴を包丁で少し広げてつっこみました。赤フィルターとNDフィルターはガムテープで固定です。
もう一歩というところでビデオに全景は入りませんでした。もっと短いとなると後は冷却CCDでも大きなもの狙いで使っている写真用レンズです。
次はそれで試してみます。
・ 拡大撮影
→ カメラ用のリアコンバーターがハレーションが少なくおすすめ。
望遠レンズ用がよい。接写リングとの併用で微妙な倍率変更が可能。
ただし、高価。アイピース拡大は散乱光が増える傾向あり。
また、難しく考えないで
お手持ちの機材でいろいろ実験していただく価値は大いにあります。
(結果オーライです)
#ホームページの太陽像、
極端なハイコントラスト像を見慣れた目には新鮮です。
この処理のおかげで
プロミネンスとダークフィラメントを一緒に表現できると納得しました。
また、黒点周りの詳細は、
少しコントラストを強調しても面白いかもしれません。
(特に、ペアになった黒点の中間はフレアの発生を要チェックです)
冷却CCDでアンドロメダなどを撮る時に使っていた 200ミリ望遠ズームレンズで昨日の方法をやってみました。
最初は対象確認アダプターにカメラを付けたのですが全くピントが合いませんでした。Cマウントとのアダプターで何とかピントが合いました。
画面3分の1程度に可愛らしくおさまりました。
それを切り抜いて並べました。

全体の様子を知るには今までの方法で合成して1枚にするのよりも、こちらの方が
コントラストがはっきりしているので良さそうです。
ただ、ご覧のように非常に不安定な機材の状態で、付け替えにガムテープも結構使うことから、何か安定して取り付けられる器具を自作する必要はありそうです。(落下してからでは泣くに泣けません)
レンズのフードを使わないで、何かピッタリとレンズ本体にはまる筒を家中探し、やっと見つけたのが「茶筒」でした。はめてみるとこれがピッタリ。これの底を指先を切りながらも丸く切り抜き、切り口にやすりをかけました。
フィルタは対象確認アダプターを先端に付けたので、これもまた非常に安定し、わずかのガムテープできちんと固定できました。
見た目にも模様を気にしなければ「茶筒」には見えません。これで先端のフィルタをガムテープでなくうまく固定できれば、もっと見栄えがいいんですがね。このままもし子供達とやったら、太陽よりもそっちにイメージが暴走しかねない・・・)
*この段階の機材で今のところ定着しています。「はじめに」の機材写真がそうです。
気をよくして試してみたのですが、日差しが強くなった分、今朝と同じ条件では明るい部分がとんでしまいます。
で、急いでカメラ屋へ行って2絞り分のNDフィルタを追加購入。これでバッチリでした。また、拡大用に今までの方への切り替えもそれほど手間はかかりませんでした。
ビデオのCCDに太陽が画面の半分弱で入るくらいなので、これに対象確認アダプターをつけて覗くと、12ミリ程度のアイピースで視野にほどよく広がります。解像度はともかくコントラストはくっきりしているので、目的別にこちらも併用したいと思っています。
全景のことで大騒ぎしていたのに、実際どの程度の大きさで写るようになったのかを紹介していませんでした。画面に対してこんな大きさです。

*中央に寄せていないのは、少しでもニセ黒点の少ない場所に太陽を調整しているためです。
H11,6,19
モノクロプロミネンス画像のガスの流れをもう少しはっきりとさせたいと思い、初めてプロミネンス画像にもウイーナーフィルタを試してみました。数値を3通りにした比較です。

ウイーナーをかけた後のレベル補正はまだ行っていない状態です。
今まではデイスターフィルタに平行に近い光線をいれるためにFSー102の口径100ミリを35ミリにまで絞っていました。当然その分解像度は悪くなっていたわけです。
それをテレビューの4倍POWERMATEを用いることで、口径が十分に生かせるようになりました。本当はフルに生かせるのですが、先端に付けなければならないRフィルタの通常手に入るサイズが82ミリだったのでとりあえずはそれで行ってみました。

ゆうべのうちにダンボールをくりぬいて赤フィルタを取り付けるものを自作。朝を待ちました。
結果は今までとは別世界の画像になりました。ただし、かなりの拡大になるので大気のゆらぎの影響はまともにでました。ビデオから取り込む時に良好画像を選ぶのにも、それを重ね合わせるのにも手間はかかりましたが、その手間以上のことはあったと思っています。
*今までだったら特に撮影しなかった小さなプロミネンスの微妙な味わいがはっきりとでるので観ていて楽しかったです。見所はずっと増えそうです。・・・逆に大きなプロミネンスや広範囲で黒点周辺がにぎやかになったらはみだしてしまって苦労しそうですが・・・・
(夜追加分)
昼頃、急に晴れたので、今朝載せた黒点周辺を従来の方法で撮って比べてみました。
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どちらもトリミングなしのオリジナル画角です。
*この撮影の時には、80ミリでは光量が多すぎてほぼ前面が白くとんでしまいました。現在どうしたらNDフィルタが丁度よく付けられるか検討中です。(82ミリを2枚というとかなりの金額になってしまうので・・・)
これは、モノクロビデオカメラの取り付け口(アメリカンサイズ)に既に持っていたムーンクラスを付け、さらにレデューサーと2インチアダプターの間に、小さいサイズのままの今までのフィルタを入れることで大きなものを買うことなく解決しました。