「せいりのしかた」平成6年度小2(算数)


この単元の大きな柱は「簡単な事柄をある観点にしたがって分類して捉えること」となっている。そこで『ある観点に従い同じにみる』ということを、どの程度日常的にしている仲間分けのイメージを切り離して捉えているのかを事前に調査した。


*たんぽぽとチューリップがさいています。かだんのなかに さいているのと、そとにさいているのとで なかまわけをしました。
たろう「わかった。なかにさいているなかまは( )本で、そとにさいているなかまは( )本だ。」

じろう「えっ?そんなのへんだよ。なかのかずは あっているけど そとのはおかしいんじゃない?」

たろう「どうして?」

じろう「だって、たんぽぽとチューリップはちがうはなだろ。おなじなかまじゃないとおもうよ。」

たろう「                          」

さあ、たろうくんはこのあと どんなことをしゃべったでしょう?


調査結果

25名中23名は始めの( )にそれぞれ6,8と数字を入れている。しかし太郎がどのようにこたえたか、は次のように分かれた。

観点の捉え方

人数

文例

自分のイメージと切り離し数学的に捉えている。 6人 ・でも外は外で、中は中だから外は8本、中は6本。
・いやちがうよ。外にさいているのと、中にさいているのどうしだよ。
・そとのなかまは、なかまだよ。
・うそ、外は8本じゃないか。
言葉の解釈を広げて納得しようとしている。 2人 ・春にさく花じゃないか。
・いや、たんぽぽとチューリップは花だからおなじなかまだよ。
自分のイメージにこだわる。 12人 ・そうかもしれない。そういえばちがうね。ごめんね。
・なるほど。ほんとうだ。ちがう。
その他。 4人 ・そうか、じろうはたんぽぽとチューリップをわけたんだね。
・うそだ。どうしてそんなことをかんがえるんだ?
 数学的に分類・整理する場合には、ある観点に着目したら他の要素は切り離して考えることがポイントとなるが、そうした「思考への構え」が言葉に対するイメージによって容易にゆれいでしまう段階から、あと一歩上がれない状態に半数程度の児童がいることがわかる。

 そこで算数(数学)での言葉は、日常的な言葉の意味とは違いが出ることもある、それを区別すればもっとわかるようになる、ということを導入ではっきりとさせてから課題に入った。


導入

 事前調査の結果を紹介すると、児童たちは口々に「私はぜったいじろうだな。」「ぼくは一緒にしていいと思うな。」とつぶやいていた。やがて「先生早く正解を教えて」という声が出てきた。

 そこでまず、どちらの分け方も日常の中では使い分けていることを実例を思い起こさせながらはっきりとさせた。こうしてどちらも間違いではない、との共通認識をもった上で、バラバラでは困るので「算数の時はきめられた事だけを気にして仲間分けをしよう。」とクラスの中で約束をした。 

 こうすることで、自分の言葉のイメージに固執していた児童も「そうか、じゃ算数の時は気にしない。」と納得し、同じ舞台の上にたって学習にはいった。


学習課題

 次のような小人さんを仲間分けする課題を行った。最初、めいめいにある観点を自分で決めて分類したものを黒板にはり、みんなで「何で小人さんをわけたのか」をあてっこしていった。

指導案からのコピー


 始めのうちは観点がしぼりきれずにいた児童もみられたが、あてっこ遊びをしながらみんなの分け方をみているうちに、そんなに複雑に考えなくてもよかったことに気がついていけた。