皆既月食
前回平成9年の中秋の名月の時は台風の影響でアウトでした。今回も週間予報ではかさマークがついていてやきもきしましたが、始まる前には月周辺の雲もとれてバッチリ見ることができました。個人的にはたぶん小学校の頃以来だと思います。
まず印象的だったのは、皆既の最中も微妙に色合いのバランスが変化していくことでした。ただこの画像ではシャッタースピードを変えているために特に皆既中の画像の色が実際よりどぎつくなってしまいました。
23時半頃の雰囲気は昨年の火星を連想しながらみていました。わざと遠景でも撮ったのですが(23:34の画像)、パッと見ると火星の画像に見間違えそうだと思いませんか?
私が最も美しく感じたのが、皆既が終わりフチが明るくなっていくところです。そこまでは高倍率の双眼鏡で見ていたのですが、ここからは低倍率の双眼鏡でじっとながめていました。ただ、あまりに明るさの違いがありすぎて画像ではその雰囲気がでないのが残念でした。苦し紛れに皆既終了近くの画像と明るい部分に露出を合わせた画像をレイヤー合成して眼視イメージに近づけました。
パーマドラえもん君と一緒に実感していたのが月に映った地球の影から全体の円周をイメージしての地球の大きさです。あまり正確ではないですが、「地球の影」と題した画像のようなことを頭に思い浮かべると大きさをしみじみ感じることができました。

この時間については多少ずれていると思います。
撮影データ
使用カメラ ソニーデジタルビデオカメラ VX1000に2倍レンズ
シャッタースピードや露出はマニュアル調節
(皆既中はシャッタースピードを30分の1や15分の1に)
23:51 14:03の画像は暗い部分と明るい部分のイメージを
眼視の状態に近づけるために皆既終了直前の画像と合成
時間が近づいて来たとき星が好きで何度か私と星をみにでかけている6年生のパーマドラえもん君もワクワク気分でうちの庭にやってきました。私はビデオ撮影、彼は双眼鏡(Nikon
18x70)です。
どんどん欠けていく様子に「すごい!すごい!」を連発します。「もうひとつ小さい双眼鏡もあったよね」と言われてカートンの7X50も持ち出してきました。「すごい!欠けてる!」と何度もつぶやきながらしきりに両者で見比べてみていました。
やがて彼が言ったことが「全国の人が見てるんだろうね・・・」いい感性をしてると思いませんか?一体何人くらいの人が同時に見ているのか想像が広がりました。お互いに顔も知らず、別々に見ていながらもある種の一体感を感じるというものこうした天体イベントの大きな意義ですね。
「どうして月食が起きるの?」と聞かれたので、ちょうど玄関先の明かりがあったのでそれを太陽に見立て、ビデオカメラの液晶モニターを彼に向けて「自分の顔を満月だと思って」と言いました。次に私の頭を「地球だと思って」と言ってから私の影を彼の顔に重ねていきました。モニターにちょうどその時の月と同じように半分隠れた顔が写ると「ああ、すごい!・・・・この影が過ぎていくんだ」と納得してくれました。
9時半頃になって野球中継を見終わった3年生の弟君がきました。双眼鏡をのぞいている弟君に一生懸命さっき私から聞いた事を教えています。「半月みたいに見えるけど一応あれも満月なんだよ」とも説明していました。
この兄弟、こうして交代交代に数分間双眼鏡をのぞきっぱなしでした。とかくこうして双眼鏡を覗いてもらってもそれこそ数秒もしないうちに目を離してしまう子って多いですよね。こちらとしてはもっと味わってもらいたいと思っても「もう見たからいい」とあっさりした子が多数派です。でもこの二人はさすがに昨年から何度も私と天体観望にでかけているだけあってじっくりとながめてくれます。
ためしにパーマドラえもん君に聞いてみました。「半月みたいになったけれど、半月とは違うんだよな。どこが違うかわかる?」するとあっさりと「なんか三日月っぽいっていうか(境目が)まわるいっぽくなってる」と答えました。
ここで家にいた中3ブルーベリージャムさんや3歳の弟君を呼んできました。現れるなり面倒くさそうに「なによ」とムッとした声をだしているので「そんな怒ったような声をだすなよ。まあ、のぞいてみな」と言いながら双眼鏡へ。のぞくなり「何で隠れているの?」と返してくれたのでホッとしました。

「地球の影なんだよ」と答えると「何で地球の影なの?」とたたみ返してきます。こうして自然につっこんでくるのもいいですね。何度も双眼鏡をのぞきながら「何で影で隠れるのよ!」・・・別に私のせいじゃない・・・そこでまたパーマドラえもん君に月になってもらって説明しました。
その間、3歳のタイムレンジャー君は「おちゅきちゃま、おちゅきちゃま」と盛んに指さしていました。そして「やりたいやりたい」と双眼鏡をのぞきたがります。(背が届かない)
お姉ちゃんはここで見たいテレビがあったらしく帰っていきました。(本当は皆既も見て欲しかったのですが、仕方ありません。私だってつい数年前まで天体に無関心だったのですから)
皆既までの間は兄弟3人が代わる代わる双眼鏡を覗きながらすごしました。タイムレンジャー君は私やパーマドラえもん君がもちあげて見せてあげました。「おちゅきちゃまが見えた」と満足そうでした。

パーマドラえもん君は時々ビデオをのぞきながら「暗い部分も写らないの?」と聞いてきます。欠けた部分も双眼鏡できれいにみえるからです。そこでビデオの感度を変えて暗い場所に絞りを合わせると明るい部分の色がとんでしまうことを実演しました。そして「だから人間の目ってすごいんだよ。どっちも一度に見えるだろ」と説明しました。
さすがに皆既が近づいた時間はタイムレンジャー君は眠そうです。「のどが乾いたからおうちに帰ろう」と言い出しました。でもパーマドラえもんはそれに気がつかないで双眼鏡を覗き続けて、地球の影から大きさをイメージするのに夢中でした。タイムレンジャー君は歌をうたいながら時間をつぶしていました。
3年生の弟が「2センチずつ消えていく」というとパーマドラえもん君は「実際はもっとすごいスピードでバーッと進んでるんだよね」と言っています。さすが6年生です。「影のスピードは時速1000キロかな・・・」なんてつぶやいていました。
いよいよ消えそうな時にはタイムレンジャー君も元気をとりもどして「タイムレンジャーみたいに消えちゃうんだよ」と盛んにイメージを広げていました。パーマドラえもん君は「やっぱりこうやってみると地球はでっかいんだな・・・」とつぶやいていました。それを聞いたからかタイムレンジャー君は何度も「これってタイムレンジャーの地球だよ」を連発。お兄ちゃんが「あと1分くらいかな」と言うと今度は「あと1分!あと1分」とお祭り騒ぎです。3年生の弟君は「あと2ミリで消える」
皆既になりました。パーマドラえもんは「何このオレンジ色のは・・・」と色について驚いていました。それから「これ、気にしていない人は全然気にしていないんだろうね。」「なんか本当に不気味な月だな」「消え始めた時にはあそこにあったのに、もうあそこまで来てる」などと次々言っていました。
10時10分頃になって、子どもたちはさすがにおねむになって帰りました。
10時40分くらいになってちょっとタイムレンジャー君たちの様子を見に行くと、お姉ちゃんはテレビ、お兄ちゃんたちは夢の国、そしてタイムレンジャー君は眠れないからと起きていました。もう一度「おちゅきちゃま見たい」というのでうちの庭につれていきました。双眼鏡で覗いている時に「どんな風に見える?」と聞いたら「赤く見える。タイムレンジャーの赤・・・これタイムレンジャーの地球だよ。

10分くらいながめていて「眠くなった」というので帰しました。あとは私一人でじっくりと最後までみた次第です。

スチル写真を加工(感度800 5秒)