平成2年文集
「3年1組の思い出」より


学年3クラスあった中で、最もおとなしい子が集まったと前学年の先生が話していたクラス。担任した中学年の中で子供っぽくくだけるまでに一番時間がかかってしまいました。最後も異色の終わり方になってしまいましたが、この学年とはその後もいろいろとおつきあいをさせてもらいました。

次の学校に移って2年目にも6年生のPTA行事での夏休み天体観測お泊り会におよばれになり、なつかしい時間を過ごすことができました。

たぬき先生こだわりのイメージということにはなかなか合わなかった学年でしたが今でも妙な愛着のある学年です。


1学期

コラム欄・作文(ドラマ感想以外は別記)

  *コラム「ドラマ感想の視点」  * ドラマ感想  いじめっ子NO1  がんばった  ごかい  いたずら  いじめっこ2  うるさいやつ  ごかい2


文集「始めの言葉」

 教室のふるさとコーナーにはってあったクラスの写真の下にあった言葉を思い出してください。

 みんながおうち気分になれて、大人になったらふるさとみたいななつかしい気分になれる、そんなクラスにしていこう。

 「していく」というのはもちろんみんな一人一人です。それを3月には「一人一人が主役」という言い方をしました。1年間終わってどうだったでしょう。みんなにとってふるさと気分になれるまでのクラスだったでしょうか。それとも6年間の小学校生活での6分の1にすぎなかったでしょうか。ただの1年間だったという人は「そんなクラス」にするために自分で何か努力できたでしょうか?しっかりと思い返してください。

 さておうち気分とはどういうことでしょうか。一言で言えば変に飾ることなく素直に本音を出し合える、ということです。ナマの姿が出せるということです。そうしてその中から自分としての勉強、自分としての生き方を3年生なりに見つけだして欲しいと願っていました。本当の気持ちをぶつけあったり、自分の頭を精一杯動かして勉強できた、そんなクラスだったら、きっと「ああ、あの頃がなつかしいな」と思い出せるようになったでしょうね。それがふるさと気分になれるクラスです。

1学期や2学期、みんなはどんどん変身しました。はじめはほとんどしゃべらなかったり、自分の気持ちを言ったり書いたりできなかった人もできるようになってきました。「2年生までは全然おとなしくてしゃべらなかったんだよ」という何人もの人が別人のように活発になれましたね。先生にとってそれはとってもうれしいことでした。

1学期は建て前しか出せなかったみんなが、2学期には自分なりの意見をだしてくれるようになって、やっと生きた授業になりました。音楽の時間にずっとしらけた態度をとっていた女の子たちも、汗をいっぱいかいて踊りながら男女仲良くうたえるようになりました。

 このままいけば楽しい思い出に残る一年間になったでしょうね。でも、先生はみんながもう一段高いところに登れるという期待を込めて、敢えて3月にはみんなに嫌われるように振舞いました。

何故でしょう?ぜひ考えてみてください。



4月6日始業式
*新校舎の3階から旧校舎の2階まで全員ヘトヘトになりながら先生の荷物運び。保健室で教科書の分類をしていた先生に
T子「先生はどれを運ぶんですか?みんなに運ばせて全然運ばないなんてダメですよ!」

*ロッカ−は自由がいいという希望が多い。
K君「男の子と女の子が分かれて適当がいい。」
 「一緒の方が面白いじゃない」と言うと
T君「うん、一緒の方が面白い。」
 「先生のクラスになったら男だ女だなんて言わせないよ」
K君「エ−!」
 「そんな嫌そうな顔するなよ。将来結婚するだろ?ずっと一人でいる?先生はまだ結婚してないけど寂しいもんだよ。わかる?」
K君「わかんない。」
I君「先生は結婚してくれる相手がいないんだ!」

4月10日
*体育でおんぶジャンケンや猫のケンカなどの後みんなが「疲れた」という中
Oさん「疲れない。そのかわり暑い。」

4月11日

*休み時間に肩車、通称「飛行機」「ぞうきん」を先生にやってもらうための行列。HKさんがぞうきんをやった時に天井近くまでいってみんな大騒ぎ。(写真はT君。写真が残っていないのですがHKさんはもっと上がりました。)


*体位測定で先生の体重あて。みんなの意見を板書した後
T子「その中に当たりありますか?(そのあとのつぶやき)そのおなかに何が入っているんだろう?エイリアンだったりして・・・」

4月18日
*やっていた時は写真のようにそれなりに夢中になってやっていたのですが、きのうのイメージ作文「手形占い」の作文からいくつか紹介するが、教室内はしらけムードでシーンとしている。そのうち
「先生、イメージの勉強はつまらないから早く普通の国語をやってください。」の声。何故イメージの勉強が大切なのかをいろいろと話すと
「それならやってください。」

☆他の年度の同じ授業については
授業記録「手形占い」へ

*この頃の給食の時もシーンとした中でところどころヒソヒソ声がするばかり。

4月20日
*音楽「ハロ−ハロ−」の替え歌作り。
「今日はS先生とお寿司を食べに行くんだ」から発展して「まぐろ−、いか−、エビ−、ハマチ−」この時はみんな笑い転げて大騒ぎ。

4月21日
*ある雑誌に先生の書いた文章が載っていることを紹介すると
I君「きたない字のまま載ってるの?」

4月23日
*家庭訪問に向けてネクタイをしていくと
N子「ア−、おしゃれなネクタイ!」

4月27日
*国語の時間が特に静まりかえっているので、よその学校の子が書いた過激なイメージ作文をいくつか紹介。今までのクラスなら間違いなく大爆笑になったものだったが、なんとドッチラケ!シーンとしてしまう。これにはさすがにア然。

5月8日
*給食中
I君「まだ3年生になってないよ、オレ」
F君「何で?」
I君「中学」

5月10日
*給食にうどん。
S君「先生食べ過ぎ、おなかポ−ン!」
 この言い方が何故かみんなの心をゆさぶって爆笑。
                        
5月16日  
*グループごとに制作したドラマの第1回作品「いじめっこNO1!」公開
・あんがい真面目なドラマができた。

・男の子たちは何で先生が「イメージを考えることはいい」と言っているのにイメージを信じなかったんだろう。

・Yさんは強かった。

・男子も悪いけれど女子も押したりして少し悪いと思う。でもみんな演技とかしゃべりかたが上手だった。

・最後Iさんが顔をあげた時に、泣いていたのに涙がなかったところがおもしろかった。

・KG君がいつもはやさしいのに、ドラマえはあんな不良みたいなことを言ってびっくりして面白かった。

・Iさんがあんな言葉を使うなんて知りませんでした。ふだんはあんなこわい声を出さないから。

*学級日記より「先生におこられた。あやまりたかったけれど、そんなふんいきじゃなかった。」

5月25日
*学級日記より「ドイツ語で歌をうたった。とても楽しかった」(カエルの合唱)

5月28日
*ドラマ「がんばった」公開
・やっぱりいっしょうけんめいがんばればだれだって出来るんだと思った。最後にSR君が勝ったかわりに僕がみんなに怒られたから今度は僕がトレーニングをするんじゃないのかな、と思った。

・Oさんが「校庭30週」って言ったところが面白かった。

・練習の時にボーリングのやつで練習していて面白かった。

・まだ1週もしていないのに校庭の砂の上にねたところが面白かった。負けて悪口を言われて教室で一人でいるところがかわいそうだった。

・SR君が言い訳をしていたから自分にさいみんじゅつをかけていると思った。

6月1日

*登校してくるなり
T君「先生、鼻血ブ−伝説をやってしまった。」

*花びらがおちているのを見て
F君「誰か死んだ。」

6月5日
*Iさんがくすぐったがりの先生に寄ってきて
「くすぐってあげる。1回10円だよ。」

6月6日
*しまふくろうの湖、絵コンテ作成の課題。自分の描いた絵をみて
K君「あ−あ、インコになっちゃったよ」
隣のKさんにやたらと受ける。

6月9日
*ドラマ「ごかい」の撮影中、最後の「もういいわよ」の場面で階段の方から隣のクラスの先生の声が入ってNG。それから何故か主演のKTさんが笑いがとまらなくなる。

6月11日
*ドラマ「ごかい」公開
・きんちょうして声が出なくて言葉をわすれてしまった。最後の場面でKTさんが「もういいわよ」と言ったらわらってしまった。やっとひとつできてよかった。早く2こめが作りたい。

・Yさんが「かして」も言わないで勝手にけしごむをおって悪いと思う。I君は何も知らないでKTさんのせいにして悪いと思う。最後KTさんがI君をすぐにゆるしていたから、やさしいなと思った。

・I君が強い言い方で言ったからやさしく言ってあげればいいのにと思った。

6月13日      
*先生と仲がよく尊敬もしていた同僚の先輩であるS先生が早朝に急死。そんな話を教室でしていた時に教室内にパチッと原因不明の音が響き渡る。みんな
「S先生じゃない?」

*命のことや運命のことについて真剣に話した一日。
学級日記には「体育でドッチボ−ルをやった。楽しかった。」

6月20日
*ドラマ「いたずら」公開
・とってもキザだった。僕はビデオを見てハッと気がついた。友達にもそんなやつがいることを。

・T君がなぐられているところをみてかわいそうすぎてなみだが出てきました。(先生より・・・あれはおしばいだから実際は大丈夫なんですよ)

・K君の目付きはとても「いたずらするぞ」という目付きだったから、僕だったらいくらドラマでもあんな目付きはできません。

・HKさんは小さいのに大きなTY君をひっぱたいたからすごいなと思った。

・はじまるところの音楽がいなかの音楽みたいだったから面白かった。
                                
・K君が王様みたいな顔をしたところが面白かった。

・T君が最後に笑ったところが面白かった。

・「ナニ−!」って言った顔が面白かった。

・T君は自分だけじゃなくてみんなの事を考えてくれていい人でした。

*親子用のおみこし担当のHM君。
作業が終わらない。友達に「早く帰ろう」と言われても
HM「帰るわけにはいかない。責任がある!」とキッパリ。

6月21日
*昨日のドラマでのK君の「ナニ−」が一部で流行。本人も「ナニ−」ト連発。
Oさん「やると思った・・・。」

6月22日
*ドラマ「いじめっこ2」公開(たぬき先生監督初のシネマスコープ作品)
・ぼくは始め男の子たちがいじめっこだと思ってたけどビデオをみたらどっちがいじめっこかわからなくなってしまった。

・KG君が「君達のやっていることはいけないことだよ」と言ったことばがキザだった。続きで男が女の子のことを泣かすところまであったらいいと思った。

・私も男がにくったらしい時もある。でもみんな友達だから男も女も仲良くしたいです。

・Mさんたちが男の子の悪口を書いたのも悪いけれど、くつをかくすなんてひどいな、と思った。男の子と女の子が仲良くなって終わりになればいいなと思う。

6月27日
*ドラマ「うるさいやつ」公開
・構えをみていたら心の中で「変なかっこ」と思ってしまった。途中から構えがかわって「あら、もっと変になった」と思った。

・このドラマは一応男子も負けたことになる。部屋の取り合いをしていたのに最後に部屋を出て行ってしまったからだ。

・SR君が変なかっこをしたところが楽しかった。OさんとKさんの目付きがこわかった。

・後からきた女の子たちはわけも知らないで入ってきて悪いと思う。けんかじゃないのに女の子たちはけんかにしちゃって、それも悪いと思う。

平成10年追加コラム 「ドラマ感想の視点」
 クラスドラマの感想をみると少しずつみんなの視点が広がっていくことがわかります。最初の頃は「作り事」と「現実」との違いが未分化というか、ドラマの中での出来事、演じている人物という意識が薄い感想文が目立ちました。

 それがだんだんと「状況設定の分析」「作り物の中の現実」という視点での感想にかわってきました。そして「いじめっ2」や「うるさいやつ」にはっきりと出ているように「気分や主観と切り離して客観的に物事を捉える」という人がぐっと増えてきました。

 ドラマ作成を教室で行うには実に様々な理由があります。それについても早くまとまったものを出したいと思っていますが、ここにみられるような「客観的自分や周囲をみつめる構え」への効き目は最も重要な理由のひとつと言えます。

 同様に自分やみんなの「態度(目付き、仕草、立居振舞い・・・)」への視点が意識的になってきたことも大切です。そうした意識の高まりが「生活感情への意識の高まり」そして豊かな日常生活へとつながっていくからです。そうしたこともみんなの感想文からはっきりと読み取れます。

6月30日
*みんなが「どうしても入りたい」「絶対大丈夫」というから条件がギリギリの中、プール。とんでもなく寒い。やせ我慢をする人、素直に「着替えていいですか」という人、いろいろでした。

*授業の後、先生に
S君「黒板消していいですか?」
するとKさんが
「黒板消すの?」とつっこむ。S君はポカン。わきでやりとりを聞いていたOKさん「それって、シャレって感じ。」

7月3日
*たなばた集会での「クラスのめあて」を話あっている時に「学年でどっちボールが一番強くなる」にするか「3年生で・・・」にするかもめる。その一部。
TY君「学年で、の方がかっこいいよ。3年ではかっこわるいよ」
Yさん「3学年ならいい」
K君「3学年なら第3学年の方がいいじゃん」

7月4日
*ローマ字でどう書くのかわからずKB君に教わったHKさん。
「ホント?絶対?」とすつこく念をおす。
「本当だよ。オレ、だって英語ならってんだから。」

7月10日
*ドラマ「ごかい2」公開
・僕も2人みたいにいたずらで友達をおとしいれるかもしれない。

・KHさんが「・・・君ってそんな男だったの」っていう時、大人っぽくて面白かった。あの後もあったらいいなと思いました。

・わたしはそういう人はゆるせません。そういう人が嫌いです。

・わたしだったら泣いていた。

・2人とも悪いな。だって自分のやったことを人のせいにするんだもん。でも僕もそういうことをしちゃうかもしれないな。見てもいないのに女の子たちはSZ君のことを犯人にしてしまって悪いと思う。
                
7月12日
*教育愛についての話。「そういうことから言うと、先生はクラスのみんなの事を愛してるっていえるね」というとクラス中「エ−!」「オエ−!」と大騒ぎ。

*この頃は「授業よりもテストをした方がいい」という声が多く、プリントやテストを大量にやりまくる。みんな熱心に取り組んだ。

7月20日
*終業式。初めての5段階の通知表にだいぶ緊張。


ここから先は工事中です