☆テスト直前対策のための応急処置的勉強法
と、年表のことを紹介しましたが、もしもテスト直前で他の教科の勉強もあるから丁寧に年表作りから出来ないという人のために、応急処置勉強法です。
あくまでも応急処置ですから、仮にそれで点数があがっても、夏休みなどにはきちんと年表を作ることはお勧めします。
学校から渡されているワークがあると思います。(なかったら教科書に添った基本的な問題集を購入しましょう。後々受験勉強の予定があるなら、学校のワークがあっても購入しましょう)
歴史の苦手な人ならその中の要点チェックや基本問題を、教科書や資料集や学校のノートやプリント、そして忘れがちなのですが地図帳を見ながら解いていきます。
ある程度得意な人だったら、一応自力で解いてから、解答をみる前にそうしたものを調べて答え合わせをします。
その時の注意は、答えだけを見つけようと思うのではなく、答えの前後の文にもきちんと目を通すことです。
そしてそこに地名などがあれば地図で確認するんです。
時間にゆとりがあれば、資料集で関係あるところをながめる。
コツとしては「決して暗記しようと自分を追いつめないことです」
それよりもだいたいのイメージをつかむことが大切です。
マア今は応急処置ですから、細かいところは気にしないで大胆に行きましょう。
その作業が一通り終わったら、別の問題で簡単そうなもの(たとえば選択肢があって記号で答えるようなタイプ)を中心にやってみます。
その時にも「答えられるかどうか」にはあまりこだわらない。
問題を読むことが、その項目の解説を読んでいる、というくらいの気持ちです。
つまり教科書以外の説明の仕方を知るためにこの作業をします。
ここでも、解けなかったものは解答をすぐに見ないで教科書等々を調べてみます。
要点チェックで解答がページのすぐ下に書いてあっても、すぐに解答欄をみないで常に教科書をめくるというのがポイントです。
覚えようと力まなくても、忘れたらまたそこを何度でも開けばいいんです。
むしろ何度も開いて、問題をやりながらでも「ああ、この答えは教科書のあの辺に書いてあったっけ」とすぐに探せるようになったらしめたものです。
ここまでくれば、テストで致命的なダメージを受けることはないくらいのレベルに達しているハズです。あとは他教科とのバランスを考えて余力があれば覚えられそうな事項から覚えたり、反復すればいいんです。
(反復しようという意欲が最初からあるなら、学校のワークは書き込んでしまう前にコピーをとっておくといいです。
あるいは一度目の調べながらの段階はノートにやって、テストが近づいたら模擬テストがわりに試験範囲を書き込んでいく、というのでもいいです)
実際にやってみると分かりますが、最初は教科書で解答を調べると時間がかかってムダじゃないかと思うかもしれませんが、トータルでは同じ時間勉強したならこちらの方が得点力ははるかにあがると思います。
(平成20年 6月9日 記)
等間隔年表
さて、今回は名物「等間隔年表」についてです。「年表」というと私もそうでしたが「年号の暗記」というイメージがこびりついていて、聞いただけで拒絶反応が起きやすいのですが、私がお勧めするくらいですから、そんな暗記のためのヤボな年表ではありません。そのかわり多少の手間はかかりますが・・・・
普通教科書に載っている年表などもそうですが、学ぶことの多い時代ほど間隔をたっぷりととっています。その結果、時代の流れのイメージがかなりおかしくなってしまい、それがまた混乱のもとになるわけです。
歴史が苦手な私が歴史が嫌いな中3たちと先ず着手したのが、この年表作りだったわけですがだいぶいろいろな思い違いをしていたことに気づかされました。
さて、まず準備するものは大き目の集計用紙です。私はB4サイズのを使っています。
あとはハサミ(カッター)と50センチ程度の定規に糊です。
*糊はあまりカチカチのスティックタイプだとつないだところがはがれやすくて長期使用に耐えません。かといって水分の多いものははみ出し易くてあちこちとくっついてしまい、これまらやりにくです。適度にベタベタしたスティック糊が使い易いです。
項目は例えばこんな風にします。もちろんこれでなくてはダメということではないのですが右の方に「文化」と「海外」について書き込む項目は必ず作った方がいいです。
「主な出来事」と「生活」は一つにまとめてしまってもかまいません。
ここでの文化は日本の文化で、海外の文化は「世界の様子」に書き込んでいました。
一番左の欄には「貴族の時代」「武士の時代」等々の言葉を入れます。2番目のことろが所謂「時代区分」です。欄外には西暦を100年区切りでいれました。間のマルで囲まれた数字は「世紀」です。
紀元にあたるところは横線を赤ラインにします。それより前の区切りの数字は「-100」「-200」となり、マルの中も「-1」「-2」となります。これで読み方は「紀元前1世紀」「紀元前2世紀」となるわけですね。
集計用紙は5行ごとにポチっとしるしがあります。これ二つ分が100年・・・つまり一行が10年です。一行10年だと正直言って時代によっては大切なことが書ききれない場合もでてくるのですが、まあこのあたりが適切です。
ちなみにかつて一行を5年にしたつわものもいましたが、相当な長さの巻物になっていました。
例えば室町時代のように、その時代の中に「南北朝時代」とか「戦国時代」などの通称の時代があったらそれも時代区分の中に書いておきます。
さて、この年表、一体どの時代から書いたらいいでしょう。
もしもこれを機会に歴史についてきちんとやってみようかと思うなら、ぜひ紀元前3000年くらいをスタートにしてみてください。だいたい中学校の歴史の教科書には世界の四大文明あたりから詳しく書いてあると思いますが、そうするとエジプト等々が盛り上がっていた頃を世界のところに書き込めます。
実際に作って平成まで糊でつなげてみると予想以上に長くなります。書き込む量を考えると「紙の無駄では?」と思われるかもしれません。でもぜひこのあたりからやってみてください。この時代のイメージを持っておくことは日本人の心や特性を考える上でも、そして自分をより深く知る上でもとっても大切ですから。それに高校に行って世界史をする時にも役立ちます。
それが等間隔年表をわざわざ作る意義なのです。
後はここに書き込むだけです。NHKの「その時歴史が動いた」ではないですが、歴史の流れに大きく影響したものを優先して書き込んでいきます。理想的に言えば、教科書などに載っている年表をみながらというのではなく、テスト直前対策欄に書いたように教科書の本文を読み、流れをつかみながら「これは年表に載せよう」「これは別にいいかな」と判断しながらやってみてください。
この作業はそんな厳密にでなくてもいいし、あとで自由に書き足すのも全くOKですから。
とりあえずは「各時代区分」と「ギリシャ文明」「お釈迦様」「イエス様」「アメリカ独立」などを書き込んで、全部並べた状態でながめてみましょう。今まで自分の中にあった歴史のイメージと比べてどうですか?
実はここに書いていく時に最も大切なのは「何を書くか」よりも「どういう意識を持って書くか」なのです。その点も含めて歴史勉強の細々したことについてはまた次に書きたいと思います。