COLUMN  No.5 (16/May/00)

■ 金融腐蝕列島 −呪縛− ■
1999年 日本  監督:原田眞人
 

 現実にも世間を騒がせている、銀行が舞台の金融パニック映画
原作・脚本:高杉良。 監督:鬼才、原田眞人。 久々に、興奮した邦画でした。
迫力に満ち、やけにリアルで、何よりも出演者が頑張っている。
魅力溢れる役者を挙げたら、キリが無い程。

 不正融資、強制捜査が入った銀行に勤める中堅社員、北野に、役所宏司
義理の父でもあり、その銀行で、暴君として君臨する相談役として、仲代達矢
妻役に、風吹じゅん。 彼を慕う若手に、椎名桔平。(すごくイイ感じ。)
銀行を追い詰める検察庁の検事、大野木に、遠藤憲一。(彼は渋すぎっ。)
フジのドラマ「モナリザの微笑み」等に出演。中国マフィアなど、何を考えてるのか
わからない人物が、ぴったりの俳優さんです。
 弁護士団の一人に意外なハマリ役、もたいまさこ。(彼女ならではの爆笑シーンも)
真相を追いかける、ブルームバーグ社(東京に実在する)のTVキャスターに、最近
見かけなかった、若村麻由美

 腐った体質を変え、何とか立て直そうと、正念場の朝日中央銀行では、警察よりも
早く真相を究明し、責任の所在を明確にする為、内部調査委員会が発足した。
メンバーは、北野を始めとする、広報部・企画部の社員数人。
不正融資に関係する重役たちをリスニングし、事実を一つ一つ確かめて行く。

 銀行再生の第一歩として、新頭取は、派閥を持たない若い重役(根津甚八)が
海外支店から呼び戻された。
その間にも、逮捕者13人、自殺者1人が出てしまう。
 総会屋など、闇社会との関わりを断ち切ろうとすれば、白昼、本社の玄関に銃弾を
打ち込まれ、同志の一人が、その流れ弾に倒れる。
子供の通学路をなぞった地図が、差出人不明のFAXで自宅へ届くなど、魔の手は
彼等の家族にまで及んだ。

 罪悪感が薄れるという、「呪縛」を解くべく動きまわる内、焦燥感の中にも、今までに
無かったやり甲斐を、そこに見出して行く中堅社員たち。
彼らは、「ミドルの獅子」と呼ばれた。

 株主総会は勿論の事だけど、そのリハーサルをしている場面や、銃弾を打ち込まれる
シーン(その場では、何も出来ないもんだナって思った。)も見所。
 「駅のホームは、真ん中歩けよ。」という、ドキッとするセリフ。
スローとストップ・モーションを交互に使った、効果的な手法。
結構生々しくて、こちらまでハラハラしちゃう。

 原作・脚本の高杉良本人も、激励する弁護士役で出演。
衣装協力ポール・スチュワートのスーツに身を包んだ、熱血ビジネスマンの心意気に
「そうか、悪い奴ばかりじゃないのね。」と、銀行の見方を変えた私でした。