COLUMN No.21 (08/Jun/02)
■ 男と女 ■
1966年 フランス 監督:クロード・ルルーシュ
| ラ〜ラ〜ラ〜 ダバダバダ ダバダバダ♪ ラ〜ラ〜ラ〜 ダバダバダ ダバダバダ♪ 延々とスキャットが続く、あの気だるいメロディー。 これは不朽の名作、「男と女」というフランス映画のテーマ曲である。 1960年代の映画だが、シーンの秀逸さや女性主人公の洗練されたファッション等が とても上質なので、敢えて紹介したい。 簡単に言うと、それぞれの過去を持つ子連れ男女の切ないラヴ・ストーリー。 舞台はパリ、男の職業はテスト・レーサー、女は映画のスクリプター。 もうこれだけで、お洒落〜な感じがするでしょう?(笑) 訳あって、ふたりとも今は独身。 共通点は、郊外にある全寮制の学校へそれぞれの子供を通わせている事だった。 週末は子供を迎えに行って家で過ごし、日曜の夜に学校まで連れて行く。 出逢いは、土砂降りの雨の夜。 子供を学校の門まで送り電車で帰ろうとする女を、車で来た男が送って行く事に。 恋に落ちたふたりは、それぞれの過去を抱えながらも何度かデートを重ねる。 しかし一線を越えようとした時、夫の死を未だに引き摺っている女は、どうしても男を 受け入れる事が出来なかった。 別れようとするふたり、しかし・・・。 パリの町並みや街外れのホテル、ドーヴィルの海岸を走るクラシック・マスタング。 二人の心がどんな風に揺れ動くのか、少し暗いけれどキンと張り詰めた冬の美しい 風景の中で表現されている。 若い人はどうかと思うがオトナが見ると、いやオトナだからこそ胸にグッと来る作品。 男が女にした話の中で、こんなセリフがあった。 「13は嫌な数と言うが、レーサーにとってはそれ以外に17も縁起の悪い数だ。」とか 「140q/hで走行中の急カーブ。141ではスピンし、139だと負ける。」とか。 へぇ、そうなんだ・・・程度の話なんだろうが、私の中では妙に残ったなぁ。 さてお待たせ、ワタシのお気に入りシーンをふたつ。 ラリーに参戦・入賞した男が、女からの電報(こういう所が古い)をゴール地である モンテカルロで読み、居ても経ってもいられなくなる場面。 祝賀会を抜け出し、その汚れたレース・カーでパリまで一晩中すっ飛ばして帰る。 朝方、浜辺で女を見つけて駆け寄ると、抱き上げてクルクル回す。(笑) 今どき笑っちゃう様なシーンだが、それが不思議と可笑しくない。 それは恐らく、台詞が無いからだと思う。 ふたりが思わず駆け寄る心情が痛い程わかる、それまでのシナリオが上手いから。 遠巻きのカメラ・ワーク、ずっと流れているフランシス・レイの名曲。 それだけでいいのだ。 そしてもうひとつ。 男と女が、ホテルのレストランで食事をしている。(ホテルの、という所がミソ) ウェイターを長々と待たせながら、やっと一つオーダーする。 ひとつだけ? と言いたげな顔をして、ウェイターは戻りかける。 女 「何だか悪いみたい。」 男 「それじゃあ、もうひとつ注文しよう。 ちょっと、君!」 ウェイター 「はい、何でしょうか。」 男 「追加注文だ・・・。 部屋をひとつ、取ってくれ。」 どうよ、コレ? 口説く時に使えるな・・・そう思った若造クン。 甘いっ、甘すぎる! オトナだからこそ、使える技なのだよ。 そうだな。 35歳になったら、マネするのを許そう。(笑) 結論。 この映画のラスト・シーンを「冷静と情熱のあいだ」は、絶対にパクっている!(笑) |