COLUMN  No.15 (5/Oct/01)

 13デイズ 
2000年 アメリカ  監督:ロジャー・ドナルドソン
 
 
 映画「13F」の後は、奇しくもまた「13」に纏わる話。
キューバ危機を扱った映画として、当時「20世紀最後のクライシス(危機)」とか
「アメリカが震えた13日間」などというコピーがついた。
大統領特別補佐官ケネス・オドネルを演じる、ご存知ケビン・コスナー(らぶ♪)。
J・F・ケネディー役は、ブルース・グリーンウッド
JFKの弟であり、司法長官だったロバート・ケネディー役にスティーブン・カルプ
 しかし何しろ上映時間が長い。(笑)
政治に興味があり(いや無くても面白いし、わかる様に作られている)、2時間半の
長丁場を乗り越える気力のある人は、是非見て欲しい。

 時は1962年アメリカ。
物語は、空軍の偵察機が空撮したキューバの写真に、中距離弾道ミサイル
写っていた事から始まる。
配備したのはもちろん、当時、反米のキューバを支援していたソ連(現ロシア)。
アメリカ主要都市を射程距離におくミサイルに怯えたのは、国民だけではなかった。
全世界が、核戦争へ発展する恐怖に固唾を呑んでいたのだ。
 当のソ連は知らぬ存ぜぬ。
第35代アメリカ大統領ジョン・フィッツジェラルド・ケネディーは、第3次世界大戦への
突入を、どんな事をしても避けなければならないと考える。
それには、幸いまだ建設途中だったミサイル発射台完成までの1〜2週間以内
ソ連のTOPフルシチョフ書記長と、何らかの交渉が必要なのだ。
今ほど発達していない当時の通信事情が、期限付きの歯痒さを際立たせている。

 核弾頭を搭載したミサイルは、発射されればたった5分で目標に到達するという。
「やられる前に空爆だ!」と息巻くペンタゴン連中。
見どころはやはりそこ。
何とか戦争を回避したいが為に政治的配慮を考える首脳側と、敵にきっかけを作らせ
あくまでも戦争にもち込みたいドンパチ好き軍部側の対立の一部始終だ。
 JFKを始め、知恵を絞るケニーやボビー(ロバート)の苦労をよそに起こるトラブル。
何とかおさまるかと思う時に、攻撃と取られかねない軍事演習や水爆実験。
緊張状態の中でわざわざ行うミサイルのテストや、ソ連への領空侵犯。
こういった軍側の確信犯的スタンドプレイに、「何なんだ!」と思わず声が出てしまう。
 マスコミへの対応と情報操作、対立国との駆け引きや裏工作は、当事者達の胃を
さぞかし痛めた事だろう。
それを見て強く感じた事がひとつ、それは「TOPの苦悩」
どんな職業でも、トップに立つ人間は大変なのだ。
国家だけでなく市井の会社だって同じ、社長というものは大抵の場合、孤独である。
彼らに必要なのは、決断と胃薬だ。

 そう言えば、未だに解からない事がある。
所々のシーンで、画面がモノトーンに切り替わるのだ。
「公」と「オフレコ」を表現しているのかと思ったが、それはどうやら違うらしい。
ご存知の方は是非、BBSで教えてちょ。

 この時代の敵は、相手国のトップを一部では評価し話合いに応じようとする国だが
21世紀は、9月11日アメリカで起きた同時多発テロに代表される様なテロリスト。
話せば解かる様な相手ではないのが恐ろしい。
「人間は必ず何処かで繋がっている。
 誰もが同じ地球に住み、同じ空気を吸い、子供の未来を思いながら、命を終える。」
といった内容の、J・F・ケネディーの肉声(らしきもの)が流れるエンディング。
一時的な平和ではなく永遠の平和を願うと言い切る大統領は、この翌年ダラスの街
パレードの最中、TV中継カメラの目の前でオズワルドの凶弾に倒れる。
そして彼の弟ロバート・ケネディーもまたその後、同じ様に何者かに暗殺されるのだ。

 人類の願いはひとつのはず。 LOVE & PEACE!