「星座」と「黄道十二宮」、この二つは違う事柄を指しています。英語では星座がconstellation、黄道十二宮がzodiac(それぞれの宮はsign)であり、両者をはっきりと区別しています。ただし日本語においてはこの二つがはっきりと区別されているとはいえません。「星座」という言葉は実際に目で見ることの出来る夜空に輝く星の集合を表します。対して「黄道十二宮」は黄道を12に区分した想像上のもの。星占いなどで使われる「おひつじ座」「おうし座」などという言い方は、本来星座を表す言葉。正確にはそれらは「白羊宮」や「金牛宮」などの黄道十二宮を表す言葉に言い換えられねばならないのです。「星座」は日々その位置や形が変化していきますが、「黄道十二宮」は春分点を0度としそこから黄道を30度づつ区分します。すなわちこの原則は変化しません。そして占星術とは、黄道十二宮という想像上の区分に実際の星々の位置を当てはめる、つまり想像力と現実世界の事実とを組み合わせる作業なのです。(しかしながらこの想像力という要素を切り捨ててしまっているのが13星座。星座と黄道十二宮を混同してしまった例といえましょう)。