21−Two one−




ゲーム情報
ゲーム情報システム
タイトル21−Two one−原画西又 葵、こつえー、里海 ひなこ
メーカーBasiLシナリオあごバリア、王 雀孫
発売日2001/05/25サウンドアッチョリケ、KING、内藤 侑史、coldhand
ジャンルアドベンチャーゲーム名前変更可
メディアCD−ROM2枚セーブ箇所10箇所+拡張セーブいくらでも
HDD容量480MB以上スキップあり
音源CD−DAオートモードあり
画面Full/Windowバックログあり
起動CD挿入必要あり既読判定あり
使用曲数21曲(うちヴォーカル2曲)メッセージ速度6段階
CG枚数136枚フォント変更可
回想シーン数21個(シーン回想11、ED回想10)音声なし

ヴォーカル曲
OPタイトルTRUTH and FATEEDタイトルDAYBREAK
作詞非公開作詞非公開
作曲内藤侑史作曲内藤侑史
VocalカツタマイコVocalNori

採点
0 10  20  30  40  50  60  70  80  90  100
システム85点
グラフィック80点
キャラクター77点
サウンド66点
シナリオ48点
総合65点

コメント

あらすじ(マニュアルより)
 母親を病気で失ったその時、主人公(霧島拓哉)は医者になることを決めた。
どんな病気にも打ち勝つことの出来る、苦しんでいる人たちを助けることの出来る医者になることを。
そして、その目標どおりに彼は医者になった。それも優秀な医者に。

 しかし、自分がどれだけ頑張ろうとも、どれだけ努力をしようとも、全ての患者を救うことは出来ない、という現実。
『死』という概念を消し去ることは出来ないという現実。

 医師としての存在意義に疑問を感じ、自信を失っていく毎日。

 だが、そんな日々の中で起こった一つの殺人事件。
 余りにもあっけない『生』の終わり。

 死ぬという事。生きるという事。限りがあるという事。永遠という事。
 彼は医師としての自分と対面しながら、そして答えを求めながらその先に待つ真実を、何一つ知らずに・・・。

 『人が人として生きる』事の価値を。

システム:85点
 おそらくゲームをする際にこの機能は欲しいと言うありとあらゆる機能が完備されていると思われます。
スクリーンモード選択、、フォントの変更(文字色の変更も可)、オートモード(速度調整可能)、文章表示スピード調整、 キーボード操作などは一通りついています。また、CG鑑賞モードはイベントCGのみならずシーン回想モードと ED回想モードもついており、さらにセーブ箇所については基本的には10箇所のみであるものの拡張セーブを使用することで 無限にセーブ箇所を作ることが可能。あとはクイックセーブがあるのもうれしい設定か。システム面についてはほぼ文句なし。

その他にこのゲームの特徴とも言うべき3つのシステムがあるので以下紹介。
1、クイックバー
 多くのゲームにある右クリックで出てくるシステムバーがゲーム画面に出てきているものと思っていただければ良いかと。
この中にあるのがセーブ&ロード、Qセーブ、システム、スキップ、バックログ、チャート、相関図、オートモード。
結構使い勝手が良い。

2、フローチャート
 どういうルートを辿っているか一目でわかる。特に分岐時は使うことがあろうかと思われる。
印のところにカーソルを合わせるとキャラの顔が出てきて誰のイベントがあったかわかるようになっている。

3、相関図・信頼図
 各キャラクターの関係を図式に表したのが相関図。シナリオが進んでいくうちにその関係も変わっていくように なっている。信頼図では主人公がどのキャラを信用するかを選べるようになっていて、各キャラクターに対して 「信頼」「平常」「疑惑」の3種類から選択する。どのキャラを信用するかによってゲームの進行に影響がある。 ということになっているが、これに関してはいじらなくても影響はなかった記憶が・・・。せっかくこういうのを つけたのだからもっとこれは活かして欲しかったか。これが一つの減点ポイントか。

あと惜しまれるのは、ゲームがフリーズしやすかったこと。PCを新しくしたあと改めてやったときも強制終了に なったことが多かった・・・。そこがこのゲームのシステムの最大の難点かも。

グラフィック:80点
 背景等は自社スタッフ、キャラがらみのCGは原画3人でやっているというところでしょうか。背景も綺麗に描き こまれているし、各キャラのイベントCGとかも上々の出来。これぐらい出来ていれば文句をつける人は少ないかと 思われる。惜しいのは立ち絵が今ひとつであること。立ち絵パターンが幾つもあるのはいいことであるが、どれもなん というかイベントCGと比べると雑というか粗いというか、ちょっと1枚落ちな感がありそれが惜しまれる。

キャラクター:77点
 登場するヒロインが全部で7名。に加えておまけシナリオで1名いるので計8名。
前作同様、複数原画制である。一番多くのキャラクターを描いているのは西又氏であるが、事件の核心を握る 重要キャラクターはこつえー氏と里見ひなこ氏が書いている。ちなみにこつえー氏が紅葉・木葉、里見氏が香澄の 原画を書いており、それ以外が西又氏。どのヒロインも魅力的に描かれていて相変わらず「萌え」が感じられる絵に 仕上がっている。キャラクターの性格付けのほうに関しては一応マニュアルのほうにはいろいろと書いてはあるが いざゲームに入ってみると、シナリオの展開のせいかそれぞれのキャラクターの色があまり出てこない。

一応ヒロインの紹介。

榊 芹
一応本作のメインヒロイン。主人公の幼馴染で彼を助けるために自らも看護婦となる。
彼の一番近くにいる女性で彼の一番の理解者。明るく前向きな性格で病院内でも人気がある。

橘 唯奈
幼い頃に弟を失い、それがきっかけで医師を目指すようになる。
が自らの夢は叶えることは出来なかった。そのため、自らの夢を託せる人を探し求めている。

汽京紅葉
芹以上のお気楽人間であるものの人当たりが良く患者からの信頼も厚い。
まぁ、彼女自身の腕が優秀という事もあるのだが。

二見真魚:無口で無愛想であるが本当は誰よりも妹のことを心配している心優しい少女。
二見美魚:以前主人公が勤める病院に入院していたが、今は退院して、通院のみしている。
一ノ瀬木葉:長いこと病院に入院している少女だがその理由は謎。かなりいたずら好きでそれが随所で発揮される。
三原香澄:木葉の友人でよく見舞いにやってくる。とても元気な少女でつねにドタバタ。双子の兄のことを敬愛している。
狭川 翠:おまけシナリオのヒロイン。病院内の喫茶店のウエイトレスをしている。

サウンド:66点
 前作に比べてかなりの向上が見られる。OPに関しては名曲とまではいえないものの良曲に仕上がっており、 BGMに関しても雰囲気に合った曲が使われている。全体的に見れば可もなく不可もない出来ではあるが、OP は個人的には好きなので若干色をつけた採点にさせてもらっている。

お気に入りの曲:「RUSH!DUSH!」「寂しさに包まれて」「REDMOON」「TRUTHandFATE」

シナリオ:48点
 実はここが一番の問題点。マニュアル等にもあるとおりこの作品のテーマは「生と死」、そこから導き出される 「人として生きるということ」ということになるはずであるが・・・。そのテーマを語る舞台として病院を選び そこに殺人事件という要素を折り込み、さらに主人公の願いを叶えるアイテムとして存在する「人魚の肉」を加えることで 「人が人として生きること」というテーマについて語ることになるのではあるが、だいぶ消化不良の感があり、 このテーマが読み手に十分に伝わらないまま終わってしまった感がある。
「生と死」というネタを扱った作品の代表格としては「加奈〜いもうと〜」が挙げられる。あれは舞台をこの作品と同様 病院に選んでいるが、同じ舞台を設定してもテキストのつくりでこの程度の作品で終わってしまう・・・・。
同じテーマで同じ舞台設定でもテキストの差でこうも変わってしまうんだということを改めて感じさせられた。

 原因として考えられることはいくつもありそうではあるが、その最たる原因は各キャラクターの心理描写の不足か。
どうも事件の展開を追うシナリオ展開に目を取られ、各キャラクターの描写がおろそかになってしまっている。 こういうテーマを扱うとき重要なのは各キャラクターの考え方・生き様をどうシナリオに展開させていくかという点になるはず であるが、肝心であるはずのその部分が抜け落ちてしまっているのだ。それを助長しているのが共通シナリオの多さ。 各ヒロインの色が出るはずのヒロイン別のシナリオが非常に少ないためにヒロイン達も活きてこない。共通部分は主に 事件を追うシーンが中心となるだけにその枝葉の部分をしっかりしないとただのサスペンスもので終わってしまう。 この作品は正しくそういう作品だ。テーマは悪いものでないだけにシナリオはもっと練りこんで欲しかった。

総合:65点
 キャラゲーとしてやるならやってもいいかもしれないが、シナリオを期待してやるのであればお勧めはしない。
総合点では一応この点数となってはいるが、この作品がこの評価に収まったのはひとえにシステム・グラフィックの 良さに救われただけでシナリオ重視の人からすればせいぜい普通、下手すれば赤点とも言える出来である。
シナリオ面以外はそこそこの出来であっただけに非常に惜しまれる一作ではあったと思う。