SHUFFLE!




ゲーム情報
ゲーム情報スタッフ・システム
タイトルSHUFFLE!原画西又葵、鈴平ひろ
メーカーNavelシナリオあごバリア、Long Cube
発売日2004/01/30サウンドアッチョリケ、内藤侑史、coldhand、山田和裕
ジャンルアドベンチャーゲーム名前変更不可
メディアCD−ROM3枚セーブ箇所32箇所+QS3箇所+拡張セーブいくらでも
HDD容量2GBスキップあり
音源PCMオートモードあり(5段階の速度変更可)
画面Full/800×600バックログあり
起動CD挿入必要あり既読判定あり
使用曲数23曲(うちヴォーカル3曲)メッセージ速度6段階
CG枚数109枚(パターン違い含めると213枚)+背景30枚フォント変更可
回想シーン数15個音声あり

ヴォーカル曲
OPタイトルMirage LullabyEDタイトルSCRAMBLE!挿入歌タイトルIn The Sky
作詞AlAi作詞AlAi作詞AlAi
作曲アッチョリケ作曲山田和裕作曲内藤侑史
VocalYURIAVocalYURIAVocal橋本みゆき

採点
0 10  20  30  40  50  60  70  80  90  100
システム84点
グラフィック79点
キャラクター82点
サウンド70点
シナリオ44点
総合64点

コメント

あらすじ(OHPの製品紹介より)
とある遺跡で発見され、開いてしまった二つの扉。
その先には神族の住む神界、魔族の住む魔界がありました。
三つの世界は繋がり、人間界に大きな変化をもたらします。

物語の舞台は、とある国のとある街。
平和に暮らしていたある少年の家の隣に、二つの家族が引っ越してきました。
その家族こそ、神界の王『神』と、魔界の王『魔王』の家族。
どちらも一人娘の願いを受けて、少女達が幼い頃より恋慕してきた
少年の家の隣へと引っ越してきたのです。

幼い頃、わずかな時間での一人の少年との遭遇。
けれど少女達はその時の想いを忘れることなく、
その胸にずっと抱き続けていたのでした。

少年と同居している幼馴染や、その他多くのものを捲きこんで、
波瀾と絶望と、ちょっぴりの希望に満ちた生活が、今始まります。

「神にも、悪魔にも、凡人にもなれる男」
友人達から皮肉と羨望のもとに、こう呼ばれる少年を中心として。

システム:84点
BasiL時代のシステムそのまんま・・・。
と言ってはは身も蓋もないので一応ちゃんと書くことにしましょうか、

おそらく、今出ているゲームの中ではかなりまともなシステムの部類に属すると思う。
BasiL時代からのユーザーにはおなじみのクイックバーは今回も健在。
基本的な操作はクイックバーから可能。また、バックログに関してはホイール対応となっているので
そちらからでも操作が出来る。セーブに関しても同じで通常のセーブ数32とクイックセーブ3箇所のほかに
いくらでも拡張可能な拡張セーブが存在するが、今回は使うかどうか・・・。

あ、一応新規ブランドということなのでこの作品からという方のためにちゃんと説明しておきましょう。

前身ともいえるBasiL時代の作品から継承されているものの一つとしてクイックバーがあります。
画面、右上にあるボックスがそれ。ここからできるのはメッセージウインドの固定&消去、セーブ&ロード
メッセージスキップ、バックログ閲覧、オートモード切替。基本的な操作はこれだけでできるはず。

その他の昨日は上の設定のところから。設定からでできるものは画面切り替え(Full/Window)、オートモード、
メッセージスキップ、音量調整。コンフィグからメッセージスピードとオート時のスピード切り替え、フォント、
サウンド、演出等の設定が出来る。

あと、注文をつけるとすればスキップした時のスピードが速くなってほしいなぁということと、
下のメッセージウインドウのカラー調整が出来ればよいかもというところでしょうか。
(ま、右クリックでウインドウを消せるので問題ないといえばないが・・・)

概ね不満はないというところでしょう。

グラフィック:79点
原画は西又葵氏と鈴平ひろ氏の2名。ブランドが替わってよくなったことの一つは原画が増えたことで、 絵がワンパターンでなくなったこと。ぶっちゃけ言えば今回唯一よくなったところというところです。

背景とかもどうも自社のスタッフでやっている模様。背景画については概ね問題もなく、 イベントCGについては十分見せるものがあると思います。また、同じ原画家つながりで言えば、 立ち絵とイベントCGの格差についても以前に比べれば多少はまともになったかと思えるところもあり、 その点でもプラスしてもよいかなぁと。ただ、次回への期待を込めて今回はあえて80点をちょっと 下回るところでとどめておくことにしたい。

キャラクター:82点
私がキャラクターを採点する際の重要な項目の一つとして「サブキャラ」に魅力的なキャラ(味のあるキャラ)が いるかどうかというものがあります。それは、ヒロインの友人という形であることもあれば、それ以外の場合もあり。 (SNOWの「橘芽衣子」やWithYouの「伊藤乃絵美」みたいな攻略できないけどイイ!!という感じのキャラや Windの「橘勤」&「紫光院霞」コンビやアキガクの「ネコミミ」「ジェット」のコンビみたいなキャラがこれに該当)

もちろん、ヒロインも重要ではありますけどね。

今回の作品でもっともイケていたのが「神ちゃん」と「まー坊」こと「神王様」と「魔王様」の2人。
いろんな意味で味があります。というか、美味しいところはこの2人でほとんど持っていっているのでは??
彼らの見事なまでの親バカっぷりと行動に感動(!?)です♪
キャラクター部門の評価はこのコンビによる点数といっても過言ではなく、ヒロインだけで見たら減点が必要。

以下登場人物紹介。

○主人公(土見 稟)
何か特別なことが出来るわけでもないごく普通の人間。
取り柄は「我慢強さ」。幼い頃に両親を亡くし、以後芙蓉家の居候として
楓と一緒に暮らしている。

○リシアンサス(通称シア)
神王の一人娘。8年前に主人公(以下稟と呼ぶ)に出会ってからずっと彼のことを想い続け
人間界に降り立つ。家事、料理等はこなせるのだが、勉強は苦手らしい。

○ネリネ(通称リン)
魔王の一人娘。シアと同じく8年前に稟と出会っており、そのときに抱いた恋心を胸に
シアと時を同じくして人間界にやって来る。勉強は得意だが、料理は大の苦手。
作ると食べ物でない食べ物が出来るとか・・・・。

○芙蓉 楓(通称カエ?)
リンが居候になっている家の一人娘で稟の幼馴染。
幼い頃は稟と何かあったらしいが、今は稟の事を一途に愛し続け、尽くし続けている。
勉強もスポーツも家事も何でもこなせるスーパー幼馴染というところか。
麻弓曰く「全自動万能奥様」

○時雨亜沙
稟の学園での先輩かつ友人。知り合ったきっかけは楓が中学時代に入った料理部の
先輩として亜沙がいたこと。それ以来の楓も含めての付き合いとなっている。
元気で明るく、いかにも体育会系っぽいノリだがなぜか料理部所属ということで
ついたあだ名が「驚愕の時雨」。

○プリムラ
突然、魔界からやってきた人形のような少女。
その実は魔界と神界共同の研究で生み出された人工生命体。
彼女もやはり稟と会う為に人間界にやってきた。

○神王
リシアンサスの父親にして神界の王。

○魔王
ネリネの父親にして魔界の王

「お気に入り」のヒロイン
やっぱり「亜沙」先輩かな?、あとは「カレハ」のシナリオがあれば・・・。

サウンド:70点
まぁ、当たり前といえば当たり前だがサウンドのカラーがBasiLの頃と似ているんですよねぇ・・・。
OPの「Mirage Lullaby」の出だしを聞いたときに不覚にも「days(それ散るOP)」を
思い浮かべてしまいました。各ヒロインのテーマ曲にしてもなんかどこかで聞いたことのあるようなカラー・・・。
ま、同じ人が作るから仕方ないといえば仕方ないのであろうが。一言で言うならば可もなく不可もなく。

EDはノリのよい曲でまぁ悪くはなかったかと。

お気に入りの曲
「Don’t be afraid」「Mirage Lullaby」

シナリオ:44点
この作品の問題は間違いなくここになるであろう。まず第一にシナリオが短い。
長ければいいというものでもないが、短すぎるのは問題でしょう。短い時間でも話がちゃんと纏まっていれば それもありかもしれませんが、この作品の場合は単にボリューム不足なだけになんとも言えません。

総プレイ時間はおそらく10時間を下回ることでしょう。しかもそのうちの半分は1週目に費やされる わけですから2周目以降はかなりあっさりという事になります。なぜここまで短いかといえばそれは 共通シナリオが多いから。ついでに言うと各ヒロインのパートに入っても文章が似通っている部分も ありさらに時間が短くなると。

ストーリーの展開としては「とある出会いをきっかけに恋する」に始まり、そこに「障害となる過去や出来事」が起こり それを乗り越えてハッピーエンド、というよくある学園もののストーリーそのものと言えます。
よく言えば王道物、悪く言えばありきたりとでも言えば良いのでしょうか。
このような展開で話を作る場合、途中で話が盛り上がるよう伏線を張るなり、過去にスポットライトを当てて 話を膨らませるなりしないとペライままでおわってしまうのですが、本当にペライままで終わってしまいました。 設定を人間界、神界、魔界と3界の少女を巡ってのドタバタものとしているのだからこの設定を生かして話を 膨らませる方向でやってほしかった。ましてや過去にも触れるのであればそこから話を膨らませることも可能だったのでは ないかとも思われるわけで。せっかくの設定をまったくといっていいほど生かせてないのが残念です。

あとテキスト面でも、所々に笑いの要素を織り込んで入るものの「それ散る」をやったユーザーからいえば パンチ力で劣るのは否めないことかと思われます。全体的なイメージとして「絵」が頼りになりすぎかなぁ。 というイメージがありました。ま、たしかに絵は重要ではありますが、それも話が伴ってのこと。
次回作に期待します。

総合:69点
シナリオを除けば、そこそこのラインにはあると思うのですが、非常に薄いシナリオがそれを全て台無しに しているような気がします。まぁ、この作品自体が新ブランドとしての顔見せ的な要素(特に絵的な部分で)が 大いにありそうな作品なだけにシナリオ面に期待はしてはおりませんでしたが、まさか・・・。ねぇ。
一応「その他」の部分を評価してこの点数としましたが、実際の評価はもう少し下げてみるべきでしょう。