私立アキハバラ学園

ギャグとシチェえちに期待するならば・・・




ゲーム情報
ゲーム情報システム
タイトル私立アキハバラ学園原画しんたろー
メーカーFront Wingシナリオヤマグチノボル、桑島由一
発売日2003/08/30サウンド株式会社ランティスに外注
ジャンルアドベンチャーゲーム名前変更不可
メディアDVD−ROM1枚セーブ箇所49箇所(Q.SAVE1箇所)
HDD容量1.6GB以上スキップあり
音源PCMオートモードあり
画面Full/Windowバックログあり
起動CD挿入必要あり既読判定あり
使用曲数25曲(うちヴォーカル3曲)メッセージ速度5段階
CG枚数84枚フォント変更可能
回想シーン数34個音声あり(主人公以外)

ヴォーカル曲
OPタイトルアキバで抱きしめて
〜HOLD ON ME @AKIHABARA〜
EDタイトルLINK挿入歌タイトル妹でもいいの
作詞桑島 由一作詞桑島 由一作詞桑島 由一
作曲Bun Yoshida
Yoshito Hata
作曲景家 淳作曲平 綾
編曲Blasterhead編曲景家 淳編曲平 綾
Vocal大野まりなVocal橋本みゆきVocalフロン

採点
0 10  20  30  40  50  60  70  80  90  100
システム80点
グラフィック72点
キャラクター82点
サウンド60点
シナリオ56点
総合67点

コメント

あらすじ
 転校を期にオタクを卒業しようとしていた主人公(冬馬壮一郎)だが、義理の妹琴未の策略でアキハバラにある 私立アキハバラ学園に転校することとなる。その学園長は某映画に出てくる「カオ○シ」のような格好をしている。

いざ、学園に入るとこれまた子供のようなちっこい先生、こんな格好してたら絶対つかまっちゃうぞって感じの先生、 オタクな学園なのにオタク嫌いの学生、何のオタクだかわからん学生、その他主人公よりも遙かに濃ゆいオタクたち。

この私立アキハバラ学園で主人公はオタクを卒業できるのか??それともオタクな彼女を見つけてハッピーライフ(?) を送るのか・・・オタクの恋愛、始まるよっ??

システム:80点
 ほぼ問題なしかと思います。オートモードのメッセージスピードの変化は速度を2つの点から調整が出来るため細かな 速度設定が可能。メッセージ履歴の方も全てボイス再生可能。もちろんマウスホイール対応もしていて、ホイールを上に 転がせば履歴になり、下に転がせばメッセージ送りになる。クイックセーブ&クイックロードつきですぐにプレイを再開 するときなどは便利かと。
 システムについては右クリックで呼び出し可能、履歴、オートモードとかは画面下にバーがあるのでそこをクリックしても 選択できる。余計なものはついてなくて、必要なものはそろっているのでなかなかの出来だと思います。

グラフィック:72点
 キャラクターの原画はしんたろー氏。上手い絵かどうかは別としてかわいい絵ではあろうかと。 あの絵であれば背景的にもアレぐらいのもので充分マッチしているかと思う。全体的に見ればまぁまぁよりは ちょっと上ぐらい。ポイントが高いのはキャラクターの表情の一つに目が「うるうる」するものがあること。 あれはちょっとポイント高かったか。

キャラクター:82点
 先にはっきりといってしまうと、ヒロインだけでしたらせいぜい60点がいいところです。
個人的にぐっと魅かれる魅力的なキャラクターがいなかったこともあるし。設定的にはおいしい存在もあるのですが なんかねぇ・・・。それでもキャラクターで高評価をつけたのはその周りのサブキャラがかなりイカしていたため。 ジェット、ネコミミ、ヒメのトリオはヒロインの魅力とやらを1万光年の彼方へぶっ飛ばしてしまうほどアク(?)も 存在感も強くあります。この3人がいるが故にこのゲームがギャグゲーといえる部分もあるのではないでしょうか。 特にジェット。言動ともにかなり笑わせてくれます。
逆に言うと彼らの存在がヒロインの魅力を大幅に弱めた感もあるような気もします。彼らのキャラクター性に対抗できる だけのヒロインがいなかったのが不幸だったと言うべきでしょうか。
ついでに言うと主人公の存在感もかなり薄い。なんと言うべきでしょうか、特に光るところもないのになぜかモテモテ?
なぜこんなのが・・・??と思ってしまうようなペラいキャラな気がします。

以下登場キャラクターの紹介

冬馬琴未:主人公の義妹。外面はかなり良いようだが・・・??
村井真理子:オタクが嫌いな普通の女の子。ただ、叔父が学園長であるためにここに通わされている。
神凪 文:かなり濃いオタクらしいが、何のオタクだかは誰も知らない。長い髪と巨乳がトレードマーク。
里中なみ:主人公のクラスの担任の先生。すごくちっこく誰もが子供と間違えてしまったり・・・。
綾小路シンシア:フィンランド人と大阪人とのハーフ。自分のことをエルフと言い張る不思議少女。

ジェット:本名はジョージ・ブッシュ。「ジャパニメーション」が口癖。
ネコミミ:名字は代々木。なぜかリアルの女性を異様に嫌っている。その理由は??
ヒメ:名字は日本橋。なんでこれがヒメ・・・??

サウンド:60点
 あのファミコン時代を思い起こさせるピコピコ音なBGMをどう取るかで評価が多いに変わると思われ。 アキハバラ学園らしさを出すためBGMがそのようなものになったのだろうとは思うのだが、個人的には あまり受け入れられなかった。これぞと聞き入るような曲もなかったし。インパクトがあるのはOPか?
曲中の「アキバ、ラバラバ♪アキバ、萌え萌え♪」がとても印象的。サウンドそのものは50点だがこの オープニングで10点プラス。OP曲の印象度的には「巫女みこナース」「DA!パンツ(タイトル、だってパンツだもんっ!)」 に次ぐものがある気がする。ちなみにBGM全般は外注。(株)ランティスが製作している。

シナリオ:56点
 シナリオだけで評価するならば点数はもっと下がるのだが・・・。(点数をつけるならば40〜45点か?)
評価項目に「テキスト」という項目を設けていないためテキスト面のプラス点を加点して評価している。純粋に シナリオだけならば赤点かも。シナリオの大筋は「ヒロインたちとの日常→いい雰囲気に→仲違い→仲直りして恋人へ」 といういわば王道ともいえるパターン。それにオタク学園という舞台設定を加えることでどういう味付けになるかと 言うところが注目なのだが、この舞台設定を活かしきったシナリオになっていないところが非常に残念。本当に この学園を舞台にしなければならないと言えるだけのものはなく、別にアキガクででもいいんじゃない??的なストーリーでも ある部分が多く見受けられた。様々なシュチェーションでのえちシーンはこういう設定だからこそ、というのはあるとは 思うのだが・・・。個別のシナリオに入るとギャグ路線からシリアスな方向へと変わるものもあるのだが、ギャグのパンチ力が あまりに強すぎるだけにシリアスな方向で進めるのならばよほど練りこんだものでない限りは前半のギャグの勢いに かき消されてしまう。実際このゲームでもその傾向が見られ、個別ヒロインに入ってから急速にこのゲームの魅力が 失せて行く感じがした。どうせギャグで始まるのならば最後までその勢いを保つか、もっとメリハリをつけたシナリオ&テキストの 転換が必要かと思われる。この空気は去年でた「それは舞い散る桜のように」的な空気を感じるが、怪現象が起き 分けわからんEDになる「それ散る」よりは無難な終わり方である分まだましか・・・。

前半の勢いがものすごいだけに後半のシナリオの薄さが非常に惜しまれる一作だと思う。

総合:67点
 一言で言えば「テキスト最高、シナリオ最悪」なゲーム。実際はそこまで最高でも最低でもないが極端に言えばこうなる。 テキストが良いだけにシナリオをもっと練りこんだものにすればもっと良い作品になったと思われる。サウンドは上記の通り ピコピコ音からアキガクらしさを感じられるかどうかが評価の分かれ目。その他の面ではそこそこの出来かと。
 このゲームのウリはと聞かれたら「ジェット、ネコミミ、ヒメ」のタクトリオの織り成すギャグと様々なシチェえちシーン と答えることであろう。逆に言うとそれ以外にアピールできるところもないのも事実。この2つに期待するならばプレイするのも 一興か。