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10/25 tue  26 wed  T−M  甲子園

10/26 
M 3−2 T セラフィニ−杉山。2回、スンヨプが先制の2ランを放つと、4回にも一死二塁からスンヨプの左中間二塁打で1点を追加。好投のセラフィニは6回一死一二塁で降板。代わった小野が今岡に阪神にとって今シーズン初となるタイムリーを浴びると、代打桧山にもタイムリー。1点差に詰め寄られたが、矢野を遊ゴロ併殺。7回は藤田が三者凡退。8回は薮田が先頭・鳥谷に四球も、シーツ犠打失敗から金本・今岡を連続三振。最終回は小林雅。片岡にストレートの四球を与えたが、矢野のバントが三飛となりダブルプレー。最後は藤本を三振に斬り、31年ぶりの日本一を達成。ボビーが敵地、甲子園に舞った。

10/25 
M 10−1 T 小林宏−下柳。2回、ベニーの犠飛でマリーンズが先制。しかしそのウラ、一死二三塁から関本の三ゴロの間に同点に。4回は一死満塁から里崎の遊ゴロが併殺打崩れとなり勝ち越し。続く今江の内野安打でもう1点を追加。7回は無死満塁とし、橋本の2点タイムリーで下柳をKO。西岡のタイムリーの後、堀四球で再び満塁とし、試合を決める福浦の満塁HR。これで計10得点。7回以降は小野・藤田・薮田がきっちり抑え3連勝。無傷で日本シリーズ制覇に王手をかけた。

26日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「I feel Wonderful!最高の気分だ。1時間くらい宙に舞っている気がしたよ。シーズン最後の試合に勝つことが夢だった。選手は、気持ちを前面に出して戦ってくれた。全力を尽くしてくれたみんなに感謝したい。ウチらしさが最後の最後まで出た。素晴らしい守備、素晴らしい打撃、素晴らしい投手陣。本当にマリーンズらしい野球だった。息子が生まれたときくらい幸せだよ。グレートな年になった。この日の喜びを毎日かみ締めていきたい」

阪神・岡田監督:「一番悔しいのは万全の状態でシリーズに入れんかったことやね。打つ方が心配やったけどその通りになってしまった。4試合とも1回も勝ち越せんかったしね。ロッテは勝ち上がってきた勢いがあった。短期決戦は止めなアカンけど止められんかった」

★優勝後、選手のコメント

セラフィニ:「大事な試合。今年の集大成だと思って投げた。勝てて本当にうれしい。僕にとって今年は最高の1年になったよ」
小林雅:「集中していました。いい気持ちで投げることができた。三振は狙いました。めったに取れないんですけどね」
里崎:「第1戦で内角を攻めたのが、相手に力強さを印象づけたと思う。いいリードができて、投手陣も応えてくれた。雅さんと抱き合えて本当によかった。最高です。アジアシリーズも頑張りたい」
今江:「もう最高の気分。でも、みんながMVPだと思っています。楽しかった。本当に楽しんで野球をできました。監督に会えて幸せ。悪いときも使い続けてくれて、こうやって結果が出た。今は野球ができる喜びでいっぱい」
初芝:「最後に日本一になれて本当に良かった。若い選手の勢いといわれるけど、勢いだけじゃない。若いヤツもベテランも、みんな全力でプレーした結果だよ」
:「長かったです。一生忘れられない日になりました。足が痛くて(胴上げでは)監督に触れられなかったけど…。今のロッテのファンは日本一だよ。選手もあれだけの声援の中でプレーできるんだから幸せに感じないと」
スンヨプ:「この2年間は期待に応えられないときもあったけど、今日、すべて返すことができたと思う。アジアシリーズでは勝ちにこだわる。2年前より実力をつけた姿を、三星や韓国のファンにみせたい」
西岡:「チームのみなさんに感謝です。周りに支えられて野球ができた」
サブロー:「自分は4番であって、4番でないようなもの。個人的にも、チーム的にも、いいシーズンでした」

25日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「いい試合ができたと思う。しかし、もうひとつ勝たなくては終わりにはなりません。(3試合連続の猛打爆発に)みんなよく打てていて、集中できていた。小林宏は、試合前に腰に張りがあって、投げられるか不安だったんだけど、バッター同様すばらしいガッツで6回まで抑えてくれた。みんな楽しみながら、いい野球をやっている。(王手をかけたが)まだまだ先は長い。明日の試合でベストをつくすだけだ」

小林宏:「序盤はバランスが悪く、構えているところと逆にいっていた。それでも(二回の)ピンチを最少失点で切り抜けたのが大きかった。十分満足です。憧れの甲子園。すごく気持ちよかった。明日もセラフィニがやってくれますよ。阪神はクリーンアップは長打力があるし、怖い打線です」
小野:「慣れないマウンドで球が抜けた。シュートで仕留めるのが僕の持ち味」
藤田:「赤星に(調子に)乗られたら困るからね」
薮田:「明日も普段通りに気負いなく投げたい」
福浦:「狙っていた。結果的に本塁打だったが、みんながつなぎ役になっていたからだよ」
西岡:「打ったのは直球。(桟原は)高校の先輩なので、負けたくないという思いがあった」
橋本:「藤川は明日も出てくる可能性のある投手だし、少しでも苦手意識を植え付けないと。短期決戦で打たないといけない投手ですから。油断せずにあとひとつ勝ちたい」

阪神・岡田監督:「(投手陣の崩壊は)見ての通り。得点もタイムリーじゃないし、もっとチャンスを作らないと。1年間をこういう形で終わっては何のためにやってきたのか分からない。明日は開き直ってやるしかない」

■27日 第4戦の平均視聴率、関東地区で20.0% TBS系で26日放送されたプロ野球日本シリーズ第4戦、阪神対ロッテの平均視聴率(ビデオリサーチ調べ)は、関東地区で20.0%と全4試合で最も高かった。関西地区は30.1%だった。ビデオリサーチによると瞬間最高視聴率は、関東地区で優勝が決まった直後の午後9時37分の35.2%。関西地区で7回裏の阪神攻撃中の午後8時56分の49.2%だった。

■26日 日本一の美酒に酔った“バレンタイン”260本! 31年ぶりの日本一に、祝勝会も沸きに沸いた。ビールかけの会場となった神戸市内のホテル10階の特設会場には、中瓶ビールがリーグ優勝時より900本多い4000本、監督と同じ名前のシャンパン、“バレンタイン”が260本、樽酒が3樽用意された。午後11時45分、重光昭夫オーナー代行の「1年間応援してくださったファンのみなさん、ありがとうございました。監督、選手、ご苦労さまでした」のあいさつのあと、バレンタイン監督が登場。「みなさんも選手も、ありがとうございましたと、おめでとう!」と絶叫すると、もう爆発寸前。フライングで始まってしまう一幕もあったが、その後、小林雅選手会長の「日本一最高です! ありがとうございました!」の音頭であらためてビールかけがスタート。ビールタンクを背負った今江、三つ編みのお面をかぶった諸積らを中心に大はしゃぎで、日本一の美酒に酔いしれた。

■26日 今江、MVP獲得! 8打席連続安打のシリーズ記録を打ち立てた今江敏晃三塁手が、最高殊勲選手(MVP)に選ばれた。三塁手としては、昭和45年の長嶋茂雄氏(巨人、4度受賞)に次いで史上2人目の栄誉となった。
 今江は22歳2カ月でMVPを受賞。これは野手では1956年の豊田泰光(西鉄)の21歳8カ月に次ぐ史上2番目の年少記録。さらに4試合で個人最多安打の10安打(15打数)に、個人最高打率となる.667も記録した。

■26日 堀、足首を捻挫 内野手は26日、日本シリーズ第4戦(甲子園)の5回の走塁中に左足首をねんざし、退いた。病院へは行かず、アイシング処置を受けた。

■26日 31年ぶりの日本一!! ロッテが4連勝で昭和49年以来31年ぶりの日本一を決めた。負けなしでの日本一は史上7度目で、4戦4勝で決めたのは5度目。ともに平成14年の巨人(対西武)以来3年ぶり。1度もリードを許さなかったのはロッテが初めて。

 30年のブランクは確かに長かったが、新規参入の楽天を除く現11球団で最も日本一から遠ざかっているのは中日。リーグ優勝こそ昨年だが、日本一となると唯一度、昭和29年。これ以降半世紀以上、51年間シリーズ制覇がない。最近でも平成11年日本一のダイエー(現ソフトバンク)が南海時代の昭和39年Vから34年のブランクを経て日本一。平成10年の横浜も大洋時代の昭和35年Vから37年間のブランクがあった。ロッテが優勝したことにより、「リーグ優勝」から最も遠ざかっているのは日本ハムで、昭和56年を最後に今年でブランクは24年。

◆金田正一氏(31年前のロッテ監督) 「ロッテの力はすごかった。先発は駒がそろって、打線も阪神の投手の速い球をぶったたいていた。阪神は待つ時間が長く、コンディションに悩んでいたと思う。勢いは恐ろしい。米大リーグのように(制度を)セ、パ共通にすべきという課題は残ったが、今は喜ぶ時。素直におめでとうと言いたい」

◆31年前にロッテ日本一の記事を書いたサンケイスポーツ・長谷川吉幸記者 「バレンタイン野球は当時の金田野球と非常によく似ている。金田監督が勝つために一番考えたことは『お客さんを呼ぶ』こと。キャンプでは球場に来ている新婚さんと写真を撮ったり、チャンスの時には三塁コーチとして四股を踏んだりして、お客さんを呼ばせた。それが選手を奮い立たせることにつながった。今、見ていると、ボビーもファンを大事にしている。31年前のロッテと同じだね」

◆根来泰周コミッショナー 「プロ野球の将来展望を示す快挙。長年球団を支えた経営陣やオーナー、先頭に立って努力されたバレンタイン監督、精進を重ねた選手。この三位一体の結果に深い敬意を表します」

◆小池唯夫パ・リーグ会長 「シリーズを通して戦力の充実ぶりは際立ち、ここぞという場面での勝負強さは歴史に残る素晴らしいもの。選手全員の力が結集した優勝をたたえます」

◆バレンタイン監督の夫人のメアリーさん 「とてもエキサイティングだった。全ての感情のなかで、最高の気分です」

◆監督の長男・ロバート・ジョン・ジュニアさん 「自分は野球経験がないけど興奮したよ。ワンダフル!!」

◆優勝決定日から日本シリーズまでの間隔と結果
 83年以降、リーグ優勝決定日からシリーズ開幕まで20日以上間隔の空いたチームはセ、パともに8、計16チームある。うち9チームがシリーズ優勝を逃がしているが、勝ったのも7チームあり、一概に不利ともいえない。
 ▼阪神の得点は第1戦から1点、0点、1点、2点。シリーズ4得点は51年南海(5試合)60年大毎(4試合)の7得点を下回るシリーズ最少得点となった。第4戦目でようやく適時安打が2本出たものの、本塁打はなし。シリーズ最少本塁打は1本(過去6チーム)で、本塁打0はシリーズ史上初めてになる。一方、チーム防御率は8.63で、こちらは02年西武の7.41を抜くシリーズワースト記録。

■25日 今江、記録止まるも2安打 2回の第1打席で空振り三振に倒れ、シリーズの連続打席安打記録が8で止まった今江だが、「ラッキーボーイ」ぶりはとどまらなかった。「記録は止まったけれど、とにかく状況に応じてしっかり仕事をしよう」と気持ちを切り替えたことが功を奏した。4回二死一、三塁で迎えた第2打席は、三塁へのボテボテの当たりだったが、全力疾走して適時内野安打とした。7回の第3打席では藤川から右中間二塁打を放ち、ビッグイニングのおぜん立て。これでシリーズ通算12打数10安打。最高殊勲選手賞候補の最右翼だ。

■24日 福浦と堀が強行出場 福浦が第3戦に強行出場する。ともに腰痛で福浦はシリーズ2戦目、堀は全2試合を欠場しているが、この日は2人ともチーム練習に参加。フリー打撃では快音を響かせた。プレーオフ第2ステージで持病が再発したベテランの堀は「腰はもう普通に戻りました」と笑顔。福浦も「腰は大丈夫。行け(出場しろ)と言われれば行く」と鼻息は荒かった。

■24日 今江“魔の甲子園”克服だ! ロッテ連勝で幕を開けた日本シリーズは舞台を阪神の本拠地・甲子園に移し25日、第3戦を迎える。8打席連続安打更新の期待がかかる今江敏晃内野手は甲子園での苦い思い出の一掃を誓った。

 絶好調の今こそ魔物は振り払う。8打席連続安打とシリーズ記録を更新中の今江はリラックスした表情で練習に励んだ。

 「昔から甲子園に魔物がいるというけど、1度やらかしているから、もう大丈夫でしょう」。阪神との交流戦では12打数5安打と気を吐いたが、6月3、4日の試合では2日連続で失点につながる失策を犯している。

 PL学園の主将を務めた高校時代も3年夏には部内暴力が発覚し大阪府大会から出場できなかった。2年夏は「4番・遊撃」で出場も3回戦で智弁和歌山に7-11と敗退。5打数無安打に終わると「1人で打つのではなく、全員で打っていくチームになって帰ってきたい」と号泣した。

 あれから5年。ロッテで大きく成長し、聖地に戻ってきた。「ソフトバンク戦も圧倒的にアウエーだし、ドームの分だけ応援が響いていた。甲子園はそんなに凄いとは感じなかった」。帽子のツバには「頂点」の2文字。「(連続打席安打は)いけるところまでいって、できれば甲子園で優勝を決めたい」。かつての悪夢を振り払い、自らのバットで日本一をつかみ取る。

■24日 阪神、ロッテが入念な調整 プロ野球日本シリーズは、舞台を阪神の本拠地・甲子園球場に移し、25日に第3戦が行われる。先発投手は阪神が下柳、ロッテが小林宏。両チームとも24日に関西入りし、同球場で入念に調整した。

 敵地で連敗した阪神は午後2時半から約2時間、フリー打撃を中心に練習。下柳はキャッチボール、ランニングなど、軽めの内容で切り上げた。ロッテは5時半からナイター練習。シートノック、フリー打撃のほか、投手陣も試合に備えて室内で打撃練習を行った。同球場で開催する第5戦まで、指名打者制はない。

■24日 ジャンプ応援自粛を要請 甲子園球場がロッテの私設応援団に“集団ジャンプ”の自粛を要請した。ロッテファンのジャンプ応援は千葉マリンの名物だが、80歳を迎えた甲子園は老朽化が進んでいる上、座席幅が狭く将棋倒しの危険性もあるからだ。先週中に自粛を申し入れた球場関係者は「まずは事故防止。千葉マリンも揺れていたと聞いた。ああいう新しい建物でも揺れるのであれば、甲子園は80年ですから」と説明していた。

 

10/22 sat 23 sun  M−T  千葉マリン

10/23 
M 10−0 T 渡辺俊−安藤。初回、二死三塁から三ゴロ悪送球で1点を先制。2回は無死一三塁から橋本の併殺打の間に1点を追加。渡辺俊が3、6回のピンチを抑えると、打線がそれに応えるように6回ウラに爆発。サブロー2ラン、フランコソロの連続アーチの後、続くベニーの二塁打で安藤をKO。代わった江草からスンヨプの2ランで7点目。8回はヒットの大塚が3暴投で生還。さらに今江のタイムリー、橋本の適時三塁打で計3点。渡辺俊は高低を巧く使い、4安打無四球完封。連夜の二ケタ得点を奪い、投打に圧勝。

10/22 
M 10x−1 T 清水直−井川。初回、今江のHRで先制。5回に犠飛で同点とされたが、そのウラに無死一二塁から今江の二塁打で勝ち越し。さらにサブローの2点二塁打で突き放した。6回にはスンヨプのソロHR。7回は代わった橋本を攻め、里崎3ラン&ベニー2ラン。ここで濃霧のため中断し、そのままコールドゲームに。大事な初戦をモノにした。

23日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「(2連勝で甲子園へ行くことについて)素晴らしい球場で素晴らしいチームと素晴らしいファンに囲まれて試合が出来るのだから、とても楽しみだ」

渡辺俊:「シーズンと変わらず、平常心で投げることを心がけた。(相手が)慣れていない分、高めの球に手を出してくれたので助かった。打線も点を取ってくれて、気持ちよく投げることができました。できるだけ点を取られない方が甲子園で(みんなが)やりやすいから。起こしたくない打者もいますからね。緊張?ほどよくかな。(プレーオフ)第1Sが一番緊張感があった。第2Sで慣れて舞台を楽しめるようになった。1球1球スタンドが盛り上がるしTVでやらないパ(の試合)をやっと地上波でやってくれたから集中しましたよ」
今江:「(打順が変わって)ホッとしたというか…。陸斗、やったよ!記録は少し意識していました。でも、無理やろなって。すごくうれしいです。シリーズ男には誰かが出るやろなと思ってたけど、まさかボクがこういう形に出るとは思わなかった。甲子園はね、ボクはあまりいいイメージがないんでね。2連勝で10−0なんて、後が怖いですね」
サブロー:「うまいこと打てました。自然とガッツポーズが出てしまいました。ウチは5、6、7番がクリーンアップ。本当の主軸につなげました」
フランコ:「うまく打つことができたね。サブローがいい仕事をしたから、何とか続きたかったよ。チームは非常にいい雰囲気です」
スンヨプ:「自らテンションを上げて打席に入りました。集中することができた。もっと四球で塁に出ることができた。修正して次の試合に臨みたい
塀内:「緊張したに決まってるじゃないですか」

阪神・岡田監督:「(ロッテとは)もう、勢いが違う。先取点がどうしても取れない。渡辺俊に自分たちのスイングをさせてもらえなかった。向こうはつながるのに、こっちは(打線が)切れてしまう。後手、後手に回ってしまう。甲子園に戻ってからやな。またJFKが投入できなかった?なるかいな、こんな展開で!」

22日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「メジャーでは雪や雨はあったけど霧は初めて。マイナーでは砂嵐での中止はあったけどね。清水直はチャンピオンといえる投球だった。初戦勝利?あと3勝しないとならないということ。また明日、ガンバリマス」
清水直:「阪神打線は切れ目がなく、油断できなかった。力尽きたけどしっかり投げられた。これだけお客さんが入ってくれて、緊張感が勇気に変わりました。これで向こうが危機感を持ってくれたらこっちのペース」
今江:「(先制アーチは)思い切って振った結果。やっぱりプレーオフを戦ってきたのが大きかった。阪神ファンも凄いけど、ロッテファンが一番凄かった。今日の勢いのままずっと勝って、4連勝で日本一になります」
サブロー:「(監督の)気持ちに応えたかった。今日、打った後も『アナタ、イチバンデス』とか言ってもらいましたから。今日のヒットで生き返ったと思います。気を引き締めて、そして勝ちます。変な重圧はプレーオフで既に味わったんで。楽しくできてますよ」
西岡:「井川さんは球界を代表する投手ですから、何とか粘って、少しでも投げさせようと思いました。ファウルは狙って打てません。ボールに食らいついた結果です。(プッシュバントは)打てのサインだったが、自分のできることをしようと思った。2番に今江さんが入って、面白くなるだろうなと思った。うまくハマりましたね。今江さん、すごいですね」
渡辺正:「スタメンはあるかなと思っていた。打ててよかった。ラッキーボーイ?これからです」
里崎:「打った瞬間に入るとは思ったけど、(霧で)打球は見えなかったです。今日も風が吹いた?まだ早い。3勝してから強くなるんです」
ベニー:「感触は完ぺきだったけど、霧で見えなかったから、ホームランと分かって興奮したよ」
フランコ:「ワールドシリーズと同じような雰囲気だった。こういう試合は1戦目を取ることが大切だからね」
スンヨプ:「自信になる。優勝に貢献できるように頑張りたい」

阪神・岡田監督:「井川か。先の登板のことは分からん。頭にあるのは明日のことだけよ。引きずらないで、気持ちを切り替えてやるしかない。何とか先制してな」

■24日 視聴率、関西で33.2% ビデオリサーチは24日、プロ野球日本シリーズ第1、2戦(ロッテ−阪神)のテレビ視聴率(番組平均世帯視聴率)を発表した。第1戦は関東地区で19.7%、関西地区で33.2%。第2戦は関東で15.8、関西では10.8%だった。

 西武と中日が対戦した昨年の第1戦は関東で17.1%、名古屋が31.4%。ダイエーと阪神が対戦した2003年の第1戦は関東25.9%、関西36.3%、北部九州37.6%だった。

■24日 サッカー協会の川淵キャプテンが苦言 日本サッカー協会の川淵キャプテンがラジオ収録の中で、千葉市民として日本野球機構に苦言を呈した。日本シリーズ第2戦で、観客席の約半分を阪神ファンが占め、球場外に入場できなかったロッテのファンが集ったことを問題視。主催する日本野球機構に対し「ロッテを支えてきたのは地元のファンなのに。地元ファンを大事にしない機構は何を考えているんだ。千葉市民として納得がいかない」と話した。

■23日 今江、8打席連続安打! 第1戦で4安打と大活躍した今江は、この日も4打席連続安打を放ち、シリーズ記録(6打席連続安打)をあっさり塗り替える8打席連続安打を樹立。試合前は「僕がラッキーボーイになるなんて」と興奮が覚めやらない様子の今江だったが、その勢いは一夜明けても失われていなかった。今江の好調ぶりに打線全体も刺激された。2点リードで迎えた6回一死から、サブロー、フランコ、イ・スンヨプの3本塁打を含む1イニング6者連続安打のシリーズタイ記録もマークした。

 また、先発の渡辺俊は持ち前の緩急がさえ、初登板完封(シリーズ11人目)を達成。初登板無四球完封は3人目。チームはシリーズ史上初の2試合連続2けた得点を記録した。

 ≪第2戦の主な記録≫
▽個人最多連続打席安打、個人最多連続打数安打 今江(ロッテ)8
▽個人ゲーム最多暴投、個人イニング最多暴投 江草(阪神)3
▽チームイニング最多連続打数、連続打席安打タイ ロッテ6=3回目
▽個人ゲーム最多安打 今江4=23回目、1シリーズで2度達成は3人目、2試合連続は初
▽初登板完封 渡辺俊(ロッテ)=11人目、初登板無四球完封は3人目
▽2試合連続2ケタ得点 ロッテ=初

■23日 福浦が腰痛でベンチ外れる 福浦和也内野手が腰痛のため、日本シリーズ第2戦(千葉マリン)のベンチ入りメンバーから外れた。病院には行かず、今後の出場は当日の様子を見て決める。

■22日 第1戦大勝 史上初の濃霧コールド 日本シリーズ、ロッテ−阪神の第1戦は7回、ロッテの攻撃中に霧で視界が悪化したため午後8時31分から試合が中断、そのまま34分後の同9時5分にコールドゲームとなった。

 日本シリーズでのコールドゲームは、1962年の東映−阪神第3戦(神宮)が2−2の延長14回に日没のため引き分け、コールドとなって以来43年ぶり4試合目。過去3試合は降雨1試合、日没2試合で、霧によるコールドは史上初めて。

 中村球審は「線審からボールが見えないとアピールされた。2時間待っても(濃霧が)回復しないとのことだったので、コールドゲームとした」と説明した。

 ▼コミッショナー事務局丸山規則委員 降雨の場合は雨がやんだらやりますが、霧の場合は専門の会社の報告を参考にする。午後9時の段階でこの状態が2時間続くという報告だった。審判団には“中断したときに午後9時の情報を用意しておいてください”と言われた。あくまでも決断は審判団。セ・リーグの公式戦は記憶にあるが、日本シリーズはない。

 ≪9回未満コールドは初≫ シリーズで中断を経てコールドになったのは、53年巨人−南海第3戦(降雨)に次ぎシリーズ2度目になる。コールドゲーム過去3試合のスコアを見るといずれも引き分けで、決着がついたのは初めてだ。また、これまでコールド試合の最短終了イニングは前記巨人−南海戦の9回途中。9イニングをフルに戦わないで勝利を挙げたのはこの日のロッテが初めてだ。

 ≪公式戦では4度≫ レギュラーシーズンでは濃霧による中止、中断が何度かあり、濃霧でコールドゲームとなったのはセ、パ合わせて4試合。最近では00年5月9日オリックス−近鉄戦(米子)が5回裏無死から1時間1分中断した後、コールドゲームとなっている。また、千葉マリンでは95年9月24日のロッテ−近鉄戦でグラウンドからの水蒸気が原因で11分中断というのはあるが、濃霧による中止、中断は1度もなかった。

 ≪初のシリーズ2ケタ得点≫ ロッテは4本塁打を含む毎回の15安打10点で阪神に大勝。シリーズの2ケタ得点試合は04年第3戦の西武(10-8=対中日)以来16度目。ロッテでは50年第6戦(当時毎日)74年第2戦の8点を抜く最多得点になった。また、シリーズの1試合最多本塁打は巨人が63年第7戦で放った5本だが、初戦4ホーマーは91年西武(清原、秋山、デストラーデ、石毛)以来14年ぶり2度目。

 ≪連続安打記録いける≫ 今江が初打席本塁打を含む4安打。シリーズ初打席初本塁打は97年第2戦の河田(西)以来13人目だ。今江は現在22歳。初打席本塁打をマークした打者では85年第3戦嶋田宗(神)の23歳を下回る最年少記録になった。また、シリーズ1試合4安打は04年第2戦の井端(中)以来20人、22度目になるが、初試合でいきなりは今江が初めて。犠打、四死球を挟まないシリーズの連続打席安打は98年大塚(西)の6打席。第2戦でシリーズ記録に挑戦する。

 ≪33年ぶり驚異の粘り≫ 
西岡が初打席で11球粘って三振。第2打席は10球粘って四球で出塁した。シリーズで2打席連続で10球以上投げさせたのは、72年第3戦で加藤(阪急)が堀内(巨)から第1打席10球(結果三塁内野安打)第2打席11球(左本塁打)と記録したのに次いで33年ぶり2人目。シリーズ初打席からでは西岡が初めてだ。ちなみに今季公式戦で10球以上粘ったのは2度しかなく2打数1安打、1三振だった。

 ≪球場周辺は大渋滞≫ 球場横にある600台収容の駐車場は、午後1時には満車に。隣接する幕張メッセでは「第39回東京モーターショー」も開催中で、駐車場を求めて一時はJR海浜幕張駅から球場まで約1キロにわたって、車が渋滞した。駐車場の整理係は「こんなに車があふれているのは、今年初めてです」と大忙しだった。

 

10/18〜21  日本シリーズにむけて

■21日 
第1戦先発は清水直、決意の沈黙 パ・リーグの覇者ロッテと、セ・リーグの王者阪神が初対決する日本シリーズ開幕戦が22日、ロッテの本拠地・千葉マリンで開幕する。監督会議で予告先発が合意され、第1戦はロッテ清水直行(29)、阪神井川慶(26)と公表された。

 清水直は決戦前日に、早くも臨戦モードに入っていた。強めのキャッチボール、ランニングなどを終えロッカー室へ戻る時、報道陣の質問に答えようとはしない。固く閉ざした口が、決意の表れだった。練習前は、言葉を残していた。アップへ向かう途中、阪神の印象に「つなぎの打線ですね。まず、赤星を出さないようにして、1、2、3番が動いてくるので、そこをしっかり対策したい」と答えた。

 バレンタイン監督は「たくさんの大事な試合に彼は投げてきた。当然、彼が出るべき試合だと思う。偉大な投手だし、シリーズの開幕という栄誉を与えてもおかしくない。開幕も交流戦の初戦も彼だった。明日投げない理由はない」と、全幅の信頼を口にした。


 また、ボビーはシリーズにむけて、「日本シリーズは究極のエンジョイ。シーズンをジェットコースターに例えるならば上がったり、下がったりしていたけれど、今一番楽しいところに向かっている」とコメント。この日の練習開始前には、選手を右翼定位置付近に集めて円陣。そこでも「明日はみんなで楽しもう」と、ボビー流の“ゲキ”を飛ばした。

 心の中では、2000年のワールドシリーズを思い浮かべていた。メッツを率いて、ワイルドカードから勝ち上がり、ヤンキースと対戦。世界一は逃したが、ミラクル・メッツと全米を沸かせた。「あのときの前日の気持ちと似ている。同じエキサイティングな気持ちだ」

★薮田、交流戦に続き虎狩りだ

 リリーフトリオ『YFK』の一角を担う薮田が阪神打線の印象について「すごい打者ばかり。とにかく先頭打者を出さないようにしないと」。とはいえ交流戦では阪神の打者18人に対して、9三振を奪った右腕。初の日本シリーズの大舞台にも「ボクの出るのは緊迫した場面だけど、雰囲気を楽しみたい」と頼もしかった。

★「もう炎上はしない」小林雅が気合

 小林雅はプレーオフ終了後は投球練習を行わず、日本シリーズに臨むことになった。「状態はいい。もう炎上はしない」と活躍を誓った。プレーオフ第2ステージ第3戦では4点リードの9回に登板しながら追いつかれた。それでもチームの信頼は変わらず、第5戦の最後を締めて優勝を決めた。阪神も強力な救援陣を誇るが「興味はない。ぼくは打者一人一人を抑えるだけ」と意に介さなかった。

■21日 堀、小坂の起用は見送りへ 腰痛を抱えるベテランの開幕起用は見送られることが濃厚となった。この日から練習を再開したが、フリー打撃は行わずマッサージに専念。「出場?分かりません。頑張るだけ」と話したが、コンディションを重視するバレンタイン監督は無理をさせずに25日の第3戦(甲子園)以降で先発起用するもよう。また右太腿裏痛の小坂はシリーズを通して出場が微妙な状態だ。

■21日 「予告先発」実施で合意 日本シリーズ開幕を翌日に控えた21日、千葉マリンスタジアムでロッテのバレンタイン監督、阪神の岡田監督らが出席して監督会議が開かれ、パ・リーグの公式戦で採用されている次戦投手の予告先発を実施することで合意した。第1戦の先発はロッテが清水直、阪神は井川と発表された。

 予告先発はバレンタイン監督が実施を強く希望してきた。岡田監督もこの日、「ファンの期待もあるし、やってもいいと判断した」と受け入れを表明。試合中に発表するパ・リーグとは異なり、試合後にそれぞれの監督が発表することにした。

 日本シリーズでの予告先発は1998年の横浜−西武でも、当時の権藤監督(横浜)、東尾監督(西武)が合意して実施された例がある。

■20日 ロッテ全体練習、阪神上京 プレーボールを2日後に控えた20日、ロッテは午後から千葉で全体練習を実施。リラックスムードの中、アップや打撃練習で体をほぐし、渡辺俊ら先発投手はバント練習もこなした。清水直はブルペンで約90球の投球。阪神は井川、福原、安藤、杉山の先発4投手が甲子園で練習。チームは夕方、空路上京し千葉市内の宿舎に入った。

 31年ぶりにリーグ優勝したロッテと、2年ぶりにリーグ制覇した阪神がシリーズで顔を合わせるのは初めて。今季から導入された交流戦ではロッテが3勝2敗1分けと勝ち越している。

■20日 秘密兵器は早坂!21歳快足スイッチ ロッテが秘密兵器を投入する。リーグ優勝を決めた17日のソフトバンク戦で、今季初出場で活躍した早坂圭介内野手(21)を抜てき。堀、小坂の状態が良くないため、スタメンの可能性も含めて早坂を9番セカンドで起用し、1番・西岡との快足スイッチ打者コンビで阪神を揺さぶる構えだ。

 20日、千葉マリンで行われたケース打撃でも黒木から右前打、小宮山から左前打と広角に打ち分けた。バントをからめた攻撃では二塁、三塁へ滑り込んだ。バレンタイン監督の標ぼうするスピード野球をアピール。「状態はいいですね。試合に出してもらえたら、足を見せたい。相手は阪神?どんどん走りたいですね」と貪欲に語った。

 プレーオフ第5戦では、まさにラッキーボーイとなった。ベテラン堀が腰を痛め、早坂が2回の二塁守備から緊急で途中出場した。プレーオフ直前に2軍から昇格した21歳は、今季1軍初体験ながら大一番の試合でおくせずにプレーした。「緊張はしていた」というが、4回に杉内から俊足を生かしてプロ初安打となる三塁内野安打。7回の守備では
死二塁で一、二塁間を抜けようかというゴロを横っ跳びでつかむ美技。相手の追加点を阻止するビッグプレーとなった。

 プロ3年目で、1軍出場は一昨年の14試合だけ。阪神にもデータは少ないとみられる。だが50メートル走は5秒6と、チームでは盗塁王の西岡らと並ぶ俊足の持ち主だ。「子どもの時からずっと、リレーではアンカーだった」という。

 今季のロッテの盗塁数は101とリーグ最多。早坂が加われば、さらに機動力が増す。バレンタイン監督は「いい内容で練習がこなせた。早坂?一生懸命やっている。彼の見せているものは非常にいい」と目を細めた。早坂は昨秋、くしくもバレンタイン監督に「やってみてはどうか」と勧められて右打席に挑戦。両打ちに転向した。阪神の井川、下柳ら左腕相手にも出場のチャンスが広がる。「プレーオフで満足してはいない。もっと活躍してビールかけをもう1度、やりたい」と、秘密兵器は大舞台を前にどこまでも前向きに話した。

■20日 「ボビー」に千葉県民栄誉賞 千葉県の堂本暁子知事(73)が20日の定例会見で、31年ぶりのリーグ優勝を飾った千葉ロッテのボビー・バレンタイン監督に県民栄誉賞を与える考えがあることを明らかにした。

 堂本知事は「今すぐお答えはできないが」と前置きした上で、「(表彰という)そういう声はあちこちから上がっています」とし、千葉の街を大いに盛り上げた球団もしくは指揮官に対し、何らかの形で報いることを示唆した。また、昨年のバレンタイン監督就任時に「絶対優勝して、オープンカーに乗せてもらう約束をした」と明かした堂本知事。優勝パレードについては「勝ってから具体的なことを考えたい」と話し、「一生懸命応援するから、ぜひ勝ってほしい」と日本一に期待。リーグ優勝の際、ユニホーム姿でほほえんだ“勝利の女神”は、22日の日本シリーズ第1戦もマリンスタジアムで声援を送るという。

■20日 第5戦先発は黒木? 最後の“甲子園チケット”はジョニーの手に?日本シリーズ第5戦(甲子園)の先発の座をかけて、黒木知宏投手が20日、本拠地・千葉マリンで行われたシート打撃に登板。打者21人を相手に5安打に封じた一方、もう一人の先発候補だった久保康友投手はフェニックス・リーグ、対中日戦(清武)に登板したが6回2/3を投げて8失点と炎上した。

 静まり返ったスタジアムに、黒木のうなり声が響いた。先頭・諸積をカーブで見逃し三振を奪うと、後は連打を一度も浴びない安定した投球で、凡打の山を築く。貫録の67球で、悠然とマウンドを降りた。

 一方で“ライバル”の久保は変化球のキレが悪く、13被安打で8失点を喫した。「間隔があいていたので厳しかった」。9月24日の楽天戦(フルキャスト宮城)以来の実戦登板。空白期間の長さを嘆いたが、黒木は同23日以来のマウンドにもかかわらず、きっちり照準を合わせて結果を残した。

 ロッテはすでに第1戦から清水直、渡辺俊、小林宏、セラフィニの順で確定。第5のイスをかけて、久保と黒木が争っていたが、かつてのエースが急浮上した。

■19日 日本シリーズのローテ確定 首脳陣は第1戦を清水直、第2戦に渡辺俊を先発させる方針を決定。第3戦以降は、小林宏セラフィニ久保を投入する。井上投手コーチは「予告先発じゃないから、名前は言えない」と話すにとどめたが、すでに先発陣には登板日を伝えた模様だ。

 “開幕戦”を任されるのはエース・清水。プレーオフでの好投が決め手となった。後半戦は不調に苦しんだ右腕は、第2ステージ第2戦で復活。ソフトバンク打線をソロ2発だけの7回2失点に抑えた。6月3日の阪神戦では4回6失点(自責2)と崩れたが、復調した今なら不安はない。「球は走っていた。今度はシリーズに向けて、しっかり調整したい」と中8日、万全の状態で初戦に挑み、第6戦にも備える。

 第2戦は満を持して渡辺俊を送り込む。今季は途中KOなしの安定感を誇るが、打撃は不得意。幕張の風を熟知していることも考慮し、千葉マリンでの第2戦と第7戦に起用する。サブマリンは「無駄な走者を出さないようにしたい」と警戒の色を強めた。

 甲子園のマウンドには“最強の9番打者”として期待される小林宏、セラフィニ、久保を起用する。交流戦で打率3割を残した小林宏が第3戦に先発。プレーオフ登板なしの久保は、20日のフェニックス・リーグ中日戦(清武)で調整登板して第5戦に臨む。「久保の先発は試合を見てから」と井上投手コーチ。20日の内容次第では
黒木の第5戦先発も検討している

 最強ローテは完成した。6人の2ケタ勝利投手のうち、5人を並べ猛虎封じを狙う。「交流戦で戦ったが、阪神は素晴らしいチーム。最後に対戦すると思っていた」とボビー。準備は整った。最強投手陣が猛虎の息の根を止める。

■19日 応援ポスター完成 ロッテが日本シリーズへ向け、応援ポスターを完成させた。今季、ロッテのポスターは開幕前や交流戦、プレーオフと節目ごとに製作され恒例となっていた。今回は計7種類で、千葉マリン最寄りの海浜幕張駅などに早ければ20日から張りだされる。

 今季最後となるポスターは、ファンへのメッセージが込められたもので、「あと4勝。ノドを潰す覚悟でスタジアムに来てくれ。すべてのプレーを僕たちと一緒に戦ってくれ」などと、26番目の戦士たちへ呼びかけている。荒木企画広報部長は「ここまで来られたのはファンの力あってこそ。一緒に戦ってほしいという願いで作りました」と説明。現場と営業が一体となり、シリーズへ向け着々と準備を整えている。

■19日 渡辺俊、バッテリー賞弾みに虎討ち スポーツニッポン新聞社と社団法人・電池工業会が共催する「2005年度プロ野球最優秀バッテリー賞」の選考委員会が19日、東京・越中島のスポーツニッポン新聞社で開かれ、セは阪神の藤川球児投手(25)―矢野輝弘捕手(36)、パはロッテの渡辺俊介投手(29)―里崎智也捕手(29)がそれぞれ選ばれた。各選手には賞金100万円がそれぞれ贈られる。表彰式は12月6日に東京・芝の東京プリンスホテルで行われる。初受賞の渡辺俊は22日の日本シリーズ第1戦(千葉マリン)の先発へ弾みをつけた。

 日本シリーズへ向けた本拠地での練習中に吉報を受けた渡辺俊は、複雑な表情を浮かべた。「うちは捕手が2人ですから…」。今季は里崎と橋本が捕手で併用された。そして女房役で受賞したのは里崎。チームメートを思いやる渡辺らしい第一声だったが名誉あるバッテリー賞に「選ばれると思ってなかったのでうれしい」と素直に喜んだ。

■19日 ロッテがシリーズ練習開始 パ・リーグの覇者、ロッテが千葉マリンスタジアムで日本シリーズに向けた練習を開始。自主練習だったが、主力選手の多くが参加した。福浦は「残り7試合だし、昨日汗をかいていなかったから」と打撃練習後、心地よさそうに汗をぬぐった。投手陣では黒木がバント練習や走塁練習を行うなど、指名打者制が採用されない甲子園球場の試合に備えた。
 バレンタイン監督は阪神について「うちと似ているチーム。パワーのある外国人選手に頼らず、試合を勝つスタイルだ。素晴らしい日本選手が多く在籍し、力を発揮している。岡田監督は世界有数の監督だ」と話した。

■19日 ボビー、シリーズ予告先発を提案 野球ファンを大事するバレンタイン監督らしい言葉だった。予告先発について「ファンのことを考えたらやるべき。それによってどんな対戦が生まれるか、ファンも(前もって)分かる」と発言。パ・リーグはシーズン、プレーオフを通じて同制度を採用しているだけに「うちは不利、有利を考えないでいいからやってもいい」と続けた。もちろん、強要するつもりはない。「ルールならば従う」と、予告先発が実現しない場合は直前まで先発投手を隠し通すことも検討。シリーズの開幕投手については「投手陣全員を信頼してるからね」と明言を避けた。

 決戦前日の21日には千葉マリンで監督会議を開催予定。岡田監督に直接、制度導入を迫る可能性もある。昨年は西武・伊東監督が予告先発導入を訴えたが、中日・落合監督が「予想するのも試合の一部」と退けた。

 この提案に、阪神・岡田監督は「どっちでもええよ」と余裕。ロッテは相手投手などに合わせて日替わりオーダーでリーグ優勝を果たしたが「向こうは打順を変えなあかんからな。うちは(相手先発の)右左に関係ない」とペナントレース同様のスタイルで臨む構え。「監督会議までに考えるわ」と話していた。

 また、セ・リーグも再来年からのプレーオフ導入が検討されているが、ボビーは「セの関係者はこのエキサイティングなゲームを見てプレーオフの楽しみが分かっただろう。そういう意味でもセもするべきだ」と両リーグでのプレーオフ開催を訴えた。

■19日 セパV記念貨幣セットの通信販売を開始 造幣局は、阪神とロッテのリーグ優勝を記念した貨幣セットの通信販売を始めた。はがきで申し込みを受け付ける。1円から500円の未使用硬貨6種類と各チームのロゴをデザインした銅製年銘板を収納。各セット2200円で、それぞれ先着順で5万セットを販売。申し込みは1チームにつき1人5セットまで。申込先は阪神貨幣セットは〒539−0016、大阪中央郵便局造幣局セリーグセット係▽ロッテ貨幣セットは〒539−0025、同パリーグセット係。いずれも申し込みは11月4日消印有効。問い合わせはハローダイヤル(0570)008886。

■18日 第5の男は黒木 バレンタイン監督が日本シリーズで黒木知宏投手を先発で起用する方針を固めたことが分かった。同シリーズでは先発を5人使う予定で「第5の男」として黒木を指名。第5戦(27日、甲子園)の先発が有力視される。

 プレーオフで黒木は第2ステージ2戦目の先発が予定されていた。しかし、西武との第1ステージは連勝で2試合で終了。第3戦の先発だったセラフィニが第2ステージ初戦に回ったために黒木の先発は幻と消えた。それでもバレンタイン監督は黒木先発を最後まで検討。第2ステージの3戦目以降の先発投手には登板前日に伝えていたという。

 結局、渡辺俊、小林宏、清水、セラフィニの4人で回したが、7試合制の日本シリーズでは違う。初戦は22日。開幕投手が確実な渡辺俊が27日の第5戦に投げるには中4日になってしまう。シーズン中でも中5日以上間隔を空けており、選手のコンディションを重視するバレンタイン流ではあり得ない。

 「先発を5人で回すのか?」という質問には「あるかもしれない」と答えた指揮官は、黒木先発の可能性については「まあ見ててくれ」。井上投手コーチに至っては「プレーオフで黒木は投げる機会がなかったけど、先発候補の1人であることには間違いない。日本シリーズでも同じ」と“第5の男”として第5戦の先発を強く示唆した。

 黒木は昨オフの右ひじ手術を乗り越え、今季初登板した8月28日オリックス戦(千葉マリン)で復活勝利。2勝を挙げ、右ひじへの不安はない。甲子園のマウンドがジョニーを待つ。

▼19日、黒木知宏投手は、第2子(二女)の名前を「花菜(はな)」と命名した。

■18日 堀、腰痛ひかず内野陣に不安 頂上決戦に向けて暗雲が垂れ込めた。右太もも裏痛の小坂に続き、17日の試合で、腰痛のためにも2回の守備から途中交代。一夜明けたこの日も、おぼつかない足取りで「痛み?痛いです。日本シリーズ?分からないね」とトーンは上がらない。19日には病院で検査を受ける予定。田村トレーナーも「シリーズに出場できるかは分からない」と言葉を濁した。アクシデントの影響で、前夜は8回から不慣れな二塁についた今江も「セカンドは無理です。連係プレーにかなり不安があります」

■18日 岡田監督、「ロッテは似たチーム」 阪神は18日、甲子園球場で、日本シリーズに向けて約3時間の練習を行った。前日ようやくシリーズの相手がロッテに決まったこともあり、選手はこれまで以上に気合が入った様子。シート打撃に登板した藤川、ウィリアムスがともに5人と対戦して無安打、久保田も1安打と順調な調整を見せた。ウィリアムスは「3週間待ったので、楽しみ。ロッテは足を使ってくるという印象があるが、準備はできている」と話した。
 岡田監督は「(救援投手が安定し)5、6回までリードしていれば…という似たチーム同士。気持ちが高ぶってくるのは向こう(千葉)に行ってからだな」と話した。

■18日 ボビー、「これから阪神を研究」 バレンタイン監督は優勝から一夜明けた18日午前、福岡空港で「通常、優勝を実感するのは冷たいビールを飲んだ時だが、昨夜は飲めなかった。実感するのは今夜だと思う」とうれしさをにじませた。
 前夜は午前2時までテレビ出演をこなしたバレンタイン監督は、寝不足気味の表情。阪神と争う22日からの日本シリーズについては「非常にタフな戦いになるだろう。6試合(交流戦・3勝2敗1分け)では本当の強さは分からない。これから2、3日かけて阪神のことをよく知ろうと思う」と話すにとどめたが「ファンが満足する野球ができるだろう」と日本一に自信ものぞかせた。

■18日 ロッテ優勝 視聴率17% テレビ東京は、前夜に放送したパ・リーグプレーオフ最終戦の視聴率が平均17.0%、瞬間最大で28.5%(ビデオリサーチ調べ)を記録したと発表した。今年のプロ野球中継では、5月6日の交流戦、巨人対楽天(TBS、17.3%)に次ぐ2番目の数字。TVQ九州放送では視聴率が平均36.7%、瞬間最大が52.0%に達した。

■18日 球団事務所はうれしい悲鳴 31年ぶりの優勝とあって、球団事務所にはたくさんのお祝いが届いた。花束やビール、酒だるなどが並び、事務所は足の踏み場もないほど。球団関係者は「すごいね。こんなにたくさん来るんだね」と驚きを隠せなかった。また、午前中から日本シリーズのチケットに関する問い合わせが殺到。電話が鳴り止まず、うれしい悲鳴となった。

■18日 18日からVセール! ロッテの優勝が決まり、デパート、コンビニで優勝セールが始まる。実施するのはセブンイレブン、ファミリーマート、イオン、イトーヨーカドー、東武百貨店、そごう、パルコ。開催店舗は千葉県内が中心となる見込みだが、イトーヨーカドーは1都4県での広域開催。また、ロッテリアは”優勝バク進セール”を実施中。一部ハンバーガーが半額。

■17日 バレンタイン監督がド軍の監督面談へ 31年ぶりリーグ優勝を決めた17日、バレンタイン監督(55)が米大リーグ・ドジャース監督の面接を受ける可能性が有力となった。

 米国では監督を決定する前にGMやフロント幹部が面接して、適正を判断する。ド軍では今季終了後、ジム・トレーシー監督を解任。その後、すでにブレーブスのテリー・ペンドルトン打撃コーチ、元ドジャース監督のテリー・コリンズ氏、今季までタイガースの指揮を執ったアラン・トランメル氏など6人と面談したが、ド軍のトミー・ラソーダ特別顧問(78)がバレンタイン氏の手腕を買っており、現時点では結論を出していない。バレンタイン氏は日本シリーズ後にも渡米し、面接を受けることが有力。ロッテでは重光オーナー代行が契約延長を望んでいるが、ド軍の契約条件次第では、予断を許さない状況だ。

 

10/12 wed13 thu15 sat16 sun17 mon  H−M  福岡ヤフードーム

10/17 
M 3−2 H セラフィニ−杉内。2回、一死二三塁から鳥越の犠飛でホークスが先制。3回は二死二塁から松中のシリーズ初安打となるタイムリーで2点差に。ここまで拙攻が続き無得点だったマリーンズ打線は6回、一死二塁から福浦の二塁打で1点を返す。そして8回、一死一二塁から五番里崎が左中間フェンス直撃の二塁打。初芝、そして福浦が生還しついに逆転。8回を薮田、9回を小林雅が締めて試合終了。31年ぶりのリーグ優勝を決めた。

10/16 
M 2−3 H 小林宏−和田。初回、二死一三塁からベニーのセンター前で1点を先制。2回にズレータの一発で同点とされるが、4回に里崎のHRで1点をリード。が、そのウラ、松中四球の後、ズレータの2打席連続2ランで逆転を許した。早くも5回に代わった高橋秀から無死一二塁のチャンスを得たが、吉武から大塚が犠打失敗。後続も打ち取られ反撃の機会を逸した。小林宏は4回の本塁打の後は、打者15人を完全に抑え、102球、被安打5、6奪三振で完投したが、打線がホークスの小刻みな継投にかわされた。対戦成績は2勝2敗のタイとなり、明日の最終決戦に全てを賭ける。

10/15 
M 4−5x H 渡辺俊−新垣。3回、無死一三塁から橋本の二ゴロの間に1点を先制。さらに福浦のタイムリーで2点目。8回には一死一二塁から福浦の二塁打でダメ押しの2点。渡辺俊は7回を投げ、無失点の好投。8回を薮田がきっちりと抑え、4-0で最終回は小林雅。が、自らの守備の乱れでピンチを招き、大村のタイムリーで1点を失うと、一死満塁から代打荒金に痛恨の2点打。松中敬遠で二死満塁とし、勝負したズレータにストレートの四球で押しだし。これで同点に。延長10回、一死二塁で小野から藤田へ。大村安打から川崎にサヨナラ打。まさかの逆転負け。

10/13 
M 3−2 H 清水直−斉藤。序盤は両先発の投手戦。5回にカブレラのHRで先制された直後の6回、西岡の二塁打から堀・サブローが四球を選び一死満塁。フランコが左中間を破る2点二塁打を放ち逆転。さらにベニーの三ゴロの間に1点を加え突き放した。6回ウラ先頭の川崎に一発を浴びたが、清水直は7回を投げ4安打の好投。8,9回を薮田、小林雅とつなぎ1点差を守りきった。連勝で31年ぶりのリーグ制覇に王手をかけた。

10/12 
M 4−2 H セラフィニ−杉内。2回、カブレラのHRでホークスが先制。4回にサブローの二塁打で追いつき、7回、里崎のHRで勝ち越し。そのウラに的場のタイムリーで同点とされたが、8回に連打で杉内を降ろすと、一死二三塁からベニーが殊勲の2点二塁打。救援陣にもろさがのぞくソフトバンクの泣きどころを突いた攻撃だった。その後は薮田・小林雅で抑え、敵地で戦う重圧をはねのけ、大事な初戦の勝利をもぎ取った。

17日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「みなさんありがとう。今年はどちらのチームも負けるべきではなかったかもしれないが、マリーンズも力を出し切った。ガッツが全面に出た。誇りに思っている。全員に感謝したい。第3戦で一番つらい思いをした小林雅が、今日はすばらしい投球をしてくれた。皆の手で胴上げをされ、一生忘れられない思い出になる。全員が最後まであきらめなかった。こんな集団を見たことがない。バレンタインマジックなどない。選手が夢を信じたことが、優勝を呼び込んだんだと思う。千葉のファンには『必ずマリンスタジアムに戻る』と言った。世界最高のファンの前で日本シリーズを戦いたい」

王監督:「いいプレーオフを戦えたが、うちの打線がシーズン中と違って得点力が落ちた。中押しがなくて守勢に回った。ロッテはシーズン以上の戦いをした。選手は完全燃焼したと思う。勝負は紙一重だからしようがない」

★優勝後、選手のコメント

渡辺俊:「自然と涙が出てきました。まさか、球場で泣くとは…。興奮しています!日本一になりたい」
小林宏:「俊ちゃん(渡辺)が勝てば、がんばろうと思うし、直さん(清水)が好投すれば励みになる。刺激されました」
セラフィニ:「ブルペン(救援投手)がいいから飛ばしたんだ。シリーズも勝つチャンスはある。いいピッチングができて、うれしいよ。エキサイティングだ。早くビールを飲みに行こう!」◎清水直:「本当にうれしい。絶対に勝てると信じていた。本当にいいチームです」
小野:「サイコー以外、何もない。(13勝した)平成14年より、ずっとうれしい。優勝に貢献することができたんですから」
久保:「やりましたよ。我が人生に悔いなしです。感無量です。じゃ、騒いできます!」
薮田:「四球を出しても気持ちは負けていなかった。シリーズも全力でいくよ」
小林雅:「何も言うことはないです。もう取り返すのは、この場所しかないと思っていました。気持ちもパフォーマンスも充実していた。ここでやらないと、一生後悔する。みんなに感謝したいですね。娘の言葉で気持ちを切り替えられた。変に同情されるより僕には良い言葉だった。マリーンズのユニホームを着て優勝出来てよかった」
黒木:「優勝がこんなにいいものだと思わなかった。日本シリーズではもちろん投げるつもりでいる。そのための準備もしてきた。調子もいいですから」
福浦:「やりましたね。感動しました」
ベニー:「みんながファイティングスピリットを持ってやっていた。優勝はとても幸せ。マリーンズはみんなが家族」
井上:「(ウイニングボールが)こっちに飛んできて、本当にドキドキしたよ」
里崎:「試合前に(小林)雅さんと抱き合っている姿を瞑想した。そのままになった。最後に打ったのは僕だけど、みんなの力でつないでくれた。僕に追い風が吹いてくれました。うちは交流戦の初代チャンピオン。ここまできたら日本シリーズ、アジアシリーズも勝ちたい」

16日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「プレーオフらしいエキサイティングな試合だった。小林宏は本当に気持ちを強く持って投げてくれた。誇りに思う。ズレータに対してもいい球を投げていたが、本当にいい打者だ。後がなくなったとは思わない。2勝2敗の五分になっただけ。春のキャンプから“野球は楽しむもの”と言ってきた。この時期に野球ができることは素晴らしいこと。それが分からないものはほかの仕事を探した方がいい。ナインは全身でその楽しさを味わってくれるはず。選手は明日は最高に楽しい気分を体で味わうはずだ」

小林宏:「(ズレータには)打たれた球というより、そこまでの球が…。ストライク先行で攻めないと、駄目なのに…悔しい」
小林雅:「昨日は、幼稚園に通う娘に“ばか”と怒鳴られた。6歳なのに厳しい。甲子園は歓声が空に抜けるが、ヤフードームは声が落ちてきた。免疫がついたのでもう大丈夫です」
大塚:「何とも言いようがない。自分の責任。すべては明日。砕け散ってもいい」
里崎:「無我夢中で打った。今日やった感じではまだそんなに相手に流れはいってないと思うし、勝利の女神はまだどっちにほほえむか決めていないでしょう。明日は甲子園の決勝みたい。面白くなってきた」
ベニー:「コンパクトに徹して打つことができた。もう明日しかない。勝利に向かってチームが1つになるだけ」
福浦:「明日は絶対に投手を援護します」
サブロー:「明日はこの1年間やってきたことが出る試合になる。集大成ですよ」

王監督:「1点差でしんどかった。ズレータの本塁打は値千金だった。吉武がよく投げたし、リリーフ陣は完ぺきだった。この2試合でうちは目覚めた。明日は総力戦だ」

15日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「どのチームでも負けることは必ずある。(9回は)相手がやるべきことをした。いい打球でなくても安打になったり、必要なところで四球もあった。小林雅には故障、病気がない限り、次も同じ仕事をしてもらう。もう1つ勝つという目標がある。明日、全力を尽くす」

渡辺俊:「こんなことがあるんですね。簡単には優勝できないんですね。でもこれで終わりではないし、(逆転負けは)恥ずかしくない。今日勝って優勝したらすんなり行き過ぎ。少しは苦労したほうがいいのかもしれない。監督が必要というなら、いつでも(中継ぎでも)投げる」
小林雅:「普通に投げればアウトだった。力んでしまった。中断?関係ない。やられたら、やり返すのが僕のやり方。これぐらいでひきずっているようじゃやってられない」
福浦:「打席では集中できている。貴重なヒットを打てたと思ったが…」

王監督:「相手は絶対勝ったと思っていただろうし、こっちは元気のつく勝ち方だよ。あのまま4-0で終わってたら、来年にもつながらなかった。みなさん、明日もう1日おつきあいください。あっ、あさってもね」

13日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「素晴らしい試合。自分の力を信じて最後まであきらめない野球ができている。清水直は一番大事な試合で持ち味を出した。あと1勝しなければ優勝できないので気持ちを引き締めたい」

清水直:「いろいろ悩んで、苦しんで、試した。結局どんなに不格好でもいい、と開き直った。クイックの方が球が走ることに気がついて、一番近いフォームがこれだ、とわかった。大事な試合に勝てて、本当にホッとした。監督、コーチ、ファン、そしてチームメートに感謝したい。第1ステージで負けていたら、投げられなかったわけですから…。僕のことを信じてくれるファンがいる限り投げ続けます」
薮田:「次回も油断することなく投げる」
小林雅:「悔いを残さないように自信を持って投げている」
西岡:「手本にしている小坂さんと一緒に日本シリーズに出たい。だから、優勝するまで喜びはない。出塁して、走って、しっかり守るということ。シーズンからずっとやってきたことをやるだけです」
フランコ:「大きな夢をつかむために、1球1球に集中している。負けるわけにはいかない」

王監督:「(6回の)2つの四球がな。1点をやるまいとしたのが3点になった。松中は力が入っている。それが逆に出ている。ズレータにも言えるが、あの2人が打たないと勝てない。(中軸の3人で2試合合計23打数1安打)王手をかけられようが何だろうが、ゲームセットになるまでは分からない。腹を据えてやる」
ソフトバンク・松中:「あそこ(9回)で打てない自分が情けない。声援のすごさがつらい」

12日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「今日は二死から同点に追いつけたことが大きかった。敵地で勝つのは非常に大変なことだが、相手のいい先発投手から勝てたことが大きい。みんながチャンスをしっかりと生かしてくれた。明日も初戦同様にいい投手。このまま素晴らしい戦いをしたい」

セラフィニ:「タフな打線だから可能な限り出塁させないようにした。大事な一戦を任されたので、何よりチームが勝利したことが本当にうれしい。リリーフ陣も抑えてくれてチーム一丸の勝利だね」
小林雅:「相手に負けない集中力と気合で投げる。先発、中継ぎがよく投げて、野手が9回までに勝ち越してくれている。たまたま僕は9回に出る役目だというだけ。みんな乗っているので、乗り遅れないようにしないとね」
:「(先制)点を取られて、うちが暗くなることはない」
サブロー:「初戦は何としても勝ちたかった。最初のチャンスを生かせてよかった」
里崎:「(第1ステージでは)チームに貢献できなかったので何とか頑張りたかった。大事な場面で本塁打を打つことができて良かった。(ヒーローインタビューは)絶対オレだと思いましたけどね。でも、追いつかれてもいける雰囲気はあった。勝てて良かったですよ。コメントは色々考えていたんですけどね。また、明日以降、頑張ります」
大塚:「杉内は登板間隔があいていたのか、キレがなかった。1番なんてまさかね。ボビーマジックだね。変なことをせず、いつも通りを心がけた。塁に出ることだけを考えた。負けられなかった第1ステージの方がつらかった。今度は逆に負けてもともと。勝ったらラッキー、と思ってやった」
ベニー:「とにかく遠くに飛ばそうと考えた。そうすれば三塁走者は戻ってこられる。フェンスに直接ぶつかったのは見たよ。ボビーは船長さん。みんなを引っ張っていってくれる。僕らは強い。最大の目標は優勝だよ。監督を日本シリーズに連れていきたいね」

王監督:「負けた方はもうちょっと、というのがあるけどね。言ってもきりがない。ひとつ負けたからといってどうってことはない。明日の新聞はすごいことを書くだろうけど。勝つ方があれば負ける方もある。明日は勝つ方になればいい。打撃で本来のうちの力を出せなかった。2週間(試合を)やっていなかったからね。杉内はよく放ったけどね。明日はカズミ(斉藤)に頑張ってもらいましょう」


■17日 
ロッテ逆転で31年ぶりリーグ優勝 パ・リーグのプレーオフ第2ステージ第5戦でロッテが3-2でソフトバンクに逆転勝ちし、対戦成績3勝2敗で31年ぶりのリーグ優勝を果たした。ロッテの優勝は千葉移転後初で、毎日、大毎時代を含めると5度目。

 1995年にロッテを2位に導いたバレンタイン監督は、2004年からチームに復帰して2年目で悲願を達成。史上初めて日本でプレー経験のない外国人の優勝監督となった。また、バレンタイン監督は2000年、米大リーグのメッツを率いてナ・リーグを制しており、史上初めて日米両リーグでの優勝監督にもなった。

 これまではロッテの前身である毎日、大毎時代にそれぞれリーグ制覇を成し遂げ、ロッテとしては70、74年の2度栄冠を手にした。しかし、その後は長い低迷期が続き、12球団の中では最もリーグ優勝から遠ざかっていた。

◆西武・伊東監督 今年のロッテは強かった。第2ステージも好ゲームが続き、ソフトバンクとともにパの野球をアピールしてくれた。

◆日本ハム・ヒルマン監督 もともと先発、中継ぎ、抑えとも屈指の投手力を誇っていた。今年はさらに野手で西岡、今江ら若手が成長し、投打がかみ合っていた。

◆オリックス・仰木前監督 選手全員が力を発揮した優勝だ。安定した投手陣、若手の成長、ベテランの復活、外国人の個性と、どれを取っても素晴らしいシーズンだった。

◆楽天・田尾前監督 投打のバランスがよく、足も絡めていろいろな戦い方ができる。10勝投手が6人もいる安定した投手陣の支えが攻撃につながっていた。

◆ロッテ・重光昭夫オーナー代行の話 マリーンズは順調なスタートを切り、初めてのセ、パ交流戦でも見事に優勝することができました。シーズンを通じ、勝ち進むことができたのは、バレンタイン監督の采配と、それに見事に応えたコーチ陣や選手たち、そして“背番号26”のファンの12球団随一の声援があったからです。優勝に満足することなく、日本一を目指して全力を尽くします。

◆小池唯夫パ・リーグ会長の話 ベンチワークにたけたバレンタイン監督の下、ベテランと若手の力がうまく融合した戦いぶりはお見事のひと言に尽きます。プロ野球史上初めてとなる千葉県での日本シリーズ。熱い応援の前で日本一の栄光を勝ち取ってくれることを心から期待しています。最後にソフトバンクの最後まであきらめずに戦い抜いた姿勢をたたえます

◆阪神・岡田彰布監督の話 ロッテはピッチャーがしっかりしているし、しつこい野球をやる印象がある。(勝率1位の)ソフトバンクが敗れたのは複雑だけど、ここまできたら相手はどこでも一緒。頑張るしかない。

■17日 やっと花開いた−ロッテOB祝福コメント 31年前にリーグ制覇した時の金田監督をはじめ主力選手が祝福のコメントを寄せた。

◆金田正一氏(監督)の話 おめでとう。重光オーナーが31年間も泣き言言わず、こつこつと戦力を集めたのがやっと花開いた。勝ったとはいえ(レギュラー・シーズンで)ソフトバンクに4.5ゲーム差をつけられたのは事実。謙虚な気持ちを忘れずに日本シリーズに臨んでほしい。

◆有藤通世氏(内野手)の話 感激している。31年前と今年に共通しているのは、ともに挑戦者精神、勝ちたいという思いにあふれている点だ。しかし、前回優勝したチームは野武士の集団のような個人技の野球。今年は組織力の勝利だと思う。31年間も優勝から遠ざかったということで、苦労も多かったと思うが、それもようやく報われた。

◆木樽正明氏(投手)の話 思わず涙が出そうになった。31年ぶりの優勝はもちろんうれしいし、チームの中心選手は自分がスカウト部長時代に獲得した選手ばかり。自分の息子みたいなもので、最高のプレゼントを送ってくれた。

◆弘田澄男氏(外野手)の話 出身チームなのでうれしい。投手陣が整備されていたし、打線はどこからでも点が取れていた。阪神でもプレーしたので日本シリーズは複雑だが、どちらも投手力がしっかりしており、面白い戦いになる。

◆村田兆治氏(投手)の話 今年は若手とベテラン、投手と打者というようにすべてにバランスが取れていた。シーズン最後まで1位になることをあきらめずに戦ってきたのも大きかった。ぜひ日本一になってほしい。

■17日 悲願の祝勝会! 31年ぶりのリーグ優勝を果たしたロッテが、ヤフードームに隣接するホテルで祝勝会を開いた。バレンタイン監督が「本当によくやってくれた」とあいさつしたが、話が終わる前に「ビール掛け」が始まり、壇上の指揮官も隣の小林雅とシャンパンを掛け合った。

 チーム勝ち頭の渡辺俊は、建築業を営む実家から取り寄せた社名入りのヘルメットをかぶり、ここでも奮戦。31年ぶりの優勝にかけて3100本用意されたビールは約20分で泡と消えた。

■17日 里崎、思い入れのある福岡でV 悲鳴と歓声が交錯する中、里崎が振り抜いた打球は左中間に伸びた。フェンス直撃。二塁走者が駆け、一塁走者が本塁に滑り込む。球審が両手を横に広げた。逆転の2点二塁打。里崎は両腕を何度も宙に突き上げた。

 1点を追う8回一死一二塁。「おれに風が吹いてきた」。チャンスに胸躍らせる勝負度胸が29歳の何よりの魅力だ。「楽しもうとすればプレッシャーなんて感じなかった」。馬原の投げた初球の直球を思い切りよくフルスイングした。第3戦で小林雅の乱調でサヨナラ負けを喫した試合後、同僚が表情をこわばらせる中、不敵に笑った。「あのまま終わっていたら僕の出番は初戦だけ。こんな楽しい雰囲気は味わえないでしょ」

 福岡には思い入れがある。「プロ野球人生はここで始まった」。2003年5月4日のダイエー戦。5年目のシーズンも開幕から無安打が続き、自信を失っていた。さらに前日、プロ入りを誰よりも喜んでくれた祖母を亡くしていた。

 「おばあちゃんに打たせてくれと願った」。延長11回、代打で試合を決めるヒットを放ち、号泣した。「どんなにつらくても上を向く」。その時から心に決めた。

 2005年10月17日。里崎に忘れられない記念日が増えた。

■17日 バレンタイン監督の夫人が観戦 バレンタイン監督のメアリー夫人が優勝の瞬間を見届けた。

 米国在住だが、頻繁に来日しては観戦しており「今季、見た試合はほとんど勝っているわね」と、“勝利の女神”を自認している様子。第2ステージは優勝に王手をかけてから2敗したが、「ボビーは負けが続いても自信を失っていなかった。もう1度優勝を主人に味わってもらえたら最高」と日本一にも期待を寄せていた。

■17日 堀が腰痛で交代 「2番・二塁」で先発出場したが、プレー中に腰を痛めたため、2回の守備から早坂と交代した。

■17日 黒木、残念ながら出番なし 黒木に出番は回ってこなかった。第3戦から出場選手登録されたが、3試合ともベンチ入りメンバーから漏れた。

 右ひじ手術から8月末に1軍復帰した右腕は「1年間やってきた人間が試合に出るべきだ」と潔かった。ロッテの低迷期を支え、1998年は悪夢の18連敗を経験。連敗中に9回二死から同点本塁打を浴び、マウンドで泣き崩れたシーンはファンの涙を誘った。

 数々の苦難を克服してきた31歳は「この雰囲気を経験したことは次に生きる」と前を向いた。

■17日 7試合で約22万人動員 パ・リーグは、今季のプレーオフ第1、第2両ステージの計7試合の観客動員数が22万6119人(1試合平均3万2303人)だったと発表した。

 ロッテ−西武が戦った第1ステージは2試合で5万7975人(同2万8988人)、5試合目までもつれたソフトバンクとロッテによる第2ステージは16万8144人(同3万3629人)。

■17日 スリルあったシリーズ−1位の重みに疑問も 緊迫感に満ちていて、スリルがあって楽しさが充満したシリーズだった。5試合とも先行したチームが敗れた足跡は、そのまま接戦を示すものだったし、第2戦からは4試合続けて1点差で結末を迎えている。

 確かに、これほど面白い野球はそうは拝見できない。テレビ局には「なぜ放映しない」という苦情が殺到していたと聞くし、熱烈なソフトバンクのファンで占められたスタンドからは、ロッテを祝福する拍手がわき起こっている。多くの人たちが両チームの健闘を認めたからの出来事だろう。

 でもソフトバンクの無念さを忘れてはならない。2年続きでレギュラーシーズンを1位で通過しながら、日本シリーズへの道を閉ざされた。136試合を制した重みはどうなる?という疑問がまた残った。王監督の、もどかしさと切なさが伝わってくる。

 来季もプレーオフの実施は決まっている。「首位」が単なる表現で終わるのか、新たに優位性を強める制度が打ち出されるのか。シリーズは面白かっただけでは済まされない。

■17日 パリーグ会長、PO見直し示唆 パ・リーグの小池唯夫会長は、ロッテが31年ぶりのリーグ優勝を決めた17日、ヤフードームで、プレーオフについて「5ゲーム差(で1勝)のアドバンテージが厚い壁になっている。理事会では1年ですぐに変えるのはまずい、ということで2年やったが、議論の余地はある」と語り、制度を見直す可能性を示唆した。

■16日 重光オーナー代行、スーツ替えて勝つ! 連日の観戦も連敗に、ロッテ・重光昭夫オーナー代行は「これで五分に戻ったということです」と31年ぶりのリーグ制覇に静かな闘志を燃やした。17日に帰京する予定だったが、航空機のチケットをキャンセル。同じスーツを着ていて連敗したため「明日はスーツを替えないといけません」

■15日 ビール3100本撤収 まさかの逆転負けに、ビールかけの準備をしていた球団関係者はガックリ。選手宿舎の駐車場に作られた特設会場のテーブルには、31年ぶりの優勝にちなんで3100本のビールが並んでいたのだが…。残念ながら撤収作業に取り掛かることになった。同関係者は「また明日ですね」。今度こそ栓を抜きたいところだ。

■15日 本拠地・千葉マリンは“涙雨” 31年ぶりの優勝を見届け、喜びを分かち合おうと集まったファンは、徹夜組を含めてなんと2万人。初戦の5000人、2戦目の7000人を大きく上回った。スタジアム周辺には午後4時半の開場を待ちきれないファンが詰めかけ、球場を取り囲むように列を作った。午後6時の試合開始までに1階内野席はファンで埋まった。

 1000キロ離れた福岡に熱い声援を送った。8回まではロッテの一方的な攻勢に沸いた。祝杯のビールを手にするものもいた。しかし9回、この日初めて悲鳴が歓声を上回る。同点とされ、10回にサヨナラ負け…。スタンド全体からは一斉にため息が漏れた。9回表まで4-0の展開に球場では割引された「優勝カウントダウンビール」が告知されたが、まさかの逆転負けで発売中止。それでも下を向く者は誰もいない。「まだ明日がある。歓喜の瞬間が少し延びただけさ」。16日こそロッテ・ファンの歓喜の雄たけびが上がる。

■15日、清水直行が登録抹消され、黒木知宏が登録された。

■14日 祝勝会はメジャー流・シャンパン・ファイトで 31年ぶりの祝勝会はメジャー流のシャンパン・ファイトで始まることが決まった。球団関係者は「バレンタイン監督にはシャンパンが一番似合う」と説明。しかも“26番目の戦士”であるファンへの感謝の気持ちを込めて260本を用意した。さらにビールも31年ぶりにちなんで3100本を用意。当日は重光昭夫オーナー代行も駆けつけ、ナインを祝福する。ヤフードームに隣接するチーム宿舎「JALリゾート シーホークホテル福岡」内の団体バス用の通路に特設会場が設置される。

■14日 今江、パパは頑張るぞ!! この日午前9時3分、今江の夫人、幸子さん(31)が都内の病院で3516グラムの長男(第1子)を出産。パパになった今江は練習を休み、急きょ福岡から帰京。出産の瞬間には間に合わなかったが、わが子を抱いて「感動した。涙が出た」と感激。「頑張った妻の顔を見たらジーンときた」と感慨深げだった。「31年ぶりの優勝をするかもしれないというときに生まれた。明日はこの子のためにも頑張ります」とコメント。バレンタイン監督も「チームにも吉報になってほしい」と祝福していた。

■13日 テレビはソッポ?全国中継は第4、5戦のみ 第2ステージは、福岡では民放局が全試合を生中継するが、地上波の全国中継はテレビ東京系が放送権を得た第4、5戦のみ。10月は各局とも番組改編期で、特別番組を編成しており、差し替えが不可能な状況という。

 第1ステージも全国中継はなく、ある在京キー局幹部は「全国ネットに乗せるほどのニーズがない」と冷ややか。昨年はテレビ朝日系が第2ステージの第3、4戦を全国中継したが、視聴率は1けた台と惨敗。昨年の反省から各局とも全国中継を見送ったと思われる。それでもパ・リーグの小池唯夫会長は「試合内容が良ければ相乗効果はある。悲観はしていない」と強気だった。

■13日 阪神・岡田監督、矢野が偵察 セ・リーグを制して日本シリーズに出場する阪神の岡田彰布監督がプレーオフ第2ステージ、ソフトバンク−ロッテ第2戦を偵察した。

 ロッテの強さばかりが目立つ第2ステージ。岡田監督は、ソフトバンクの中軸打者を封じたロッテ投手陣について「交流戦とは攻め方も配球パターンも違った」と分析。「収穫があったか」との問い掛けに「おう」と短く答えただけで、帰りの車に乗り込んだ。

 選手でただ一人観戦した矢野捕手は、ロッテ打線について「派手さはソフトバンクだが、ロッテの方がつなぎがうまい。作戦の立て方も、いろんな打順からできる」と警戒した。

 岡田監督は14日に宮崎入りし、教育リーグに参加している主力選手の調整ぶりを視察する。

■13日、小坂誠が登録抹消され、辻俊哉が登録された。

■12日 小林雅 3戦連続セーブ 勝利の瞬間のマウンドはやはり小林雅のものだ。プレーオフ第1Sから3試合連続セーブ。3回を投げて防御率は0.00。ここ一番での集中力はやはり本物だ。試合直後、「結果が出ているうちは調子はいいんだと思います」と自信にあふれた表情で振り返った。

 2点リードの9回から登板。先頭の松中を148キロのシュートで空振り三振に斬り、MAX151キロの直球を武器にズレータ、カブレラにも出塁を許さず、中軸をあっさり3人で片づけた。「集中出来る試合を皆がやってくれるので、乗り遅れないようにするだけ。前の投手のおかげで投げられています」とチームメートを褒めたたえた。

 仲間への思いを形にしている。今季はウイニングボールをナインにささげている。9月19日のソフトバンク戦は引退を発表した初芝に、8日のプレーオフ第2戦は、その日に二女が生まれた黒木に渡した。「僕一人で勝てるようなことはないですから」チームリーダーとしての細やかな気遣いは、ただチーム全員で優勝を目指すためだ。

 念願のパ・リーグ制覇まであと2勝。「あと2つ、勝って千葉マリンに帰りたいです」小林雅が、自らの右腕で夢を現実にたぐり寄せる。

■12日 マリンで5000人PV 福岡で戦う選手たちに届けとばかりに、パブリックビューイング(PV)が行われた千葉マリンでは、ロッテファン5000人が声を枯らした。試合終了の瞬間には、ヤフードームの左翼席だけでなく、幕張にも「マリーンズ・コール」が響き渡った。

 開場時には約300人のファンが列をなしたが、平日ということもあり、序盤は客足が不調だった。それでも試合中盤から、仕事帰りの会社員を中心に続々とファンが入場。最終的には5000人が集まり、内野1階席の7割以上を埋めた。

 球団も最高の演出で盛り上げた。イニングの間には、チアパフォーマー・M☆Splashがダンスを披露。スタジアムDJも打席ごとに選手名を絶叫し、球場の一体感を作り出した。31年ぶりの日本一へ向けて、ファンの戦いも続く。

■12日、代田建紀が登録抹消され、早坂圭介が登録された。


■11日 
プレーオフ第2ステージ直前情報 昨年の雪辱に燃えるソフトバンクか、それともロッテが31年ぶりの栄冠を手にするのか。パ・リーグ優勝を懸けたプレーオフ第2ステージを前に、11日には両チームがヤフードームで最後の調整を行った。

▽ロッテ 10日に福岡入りしていたチームは午後2時すぎからミーティング。その後、ヤフードームに移動して2時間半の全体練習を行った。

 内容は普段の試合前とほぼ同じで、野手はフリー打撃に守備練習、投手陣はキャッチボールなどをこなした。バレンタイン監督は「練習は順調だし、選手の動きもいい。いい状態で第2ステージを迎えられるだろう」と明るい表情だった。

 サブローは「第1ステージを経験し、変な緊張感がなくなった。第2ステージは戦う場所と相手が違うだけ。第1ステージの初戦前より(チームの)雰囲気がいいと思う」と話した。

 第1戦先発の左腕セラフィニは、キャッチボールとジョギングだけの調整。第1ステージの3戦目に先発予定だったため少し登板間隔が空いた格好だが、「まったく問題ない。とにかく投げられるところまでしっかり投げて、中継ぎ陣に引き渡したい。1戦必勝です。初戦に勝つと2戦、3戦につながるので大事な試合だと思っている。リーグトップのチーム防御率を証明したい」と意気込んでいた。

 選手会長の小林雅は「決起集会はやらないです。今のチームには必要ない」と言い切る。昨年までは、節目の試合の前や連敗中には、選手会で食事会を開いていた。だが、開幕から快進撃を続けた今季は一度もない。「このチームは本当に仲がいいし、みんな何をやるべきか気持ちはひとつになっている」(小林雅)

▽ソフトバンク 正午から約2時間半の全体練習。リラックスした雰囲気の中、ランニング、打撃練習など普段通りのメニューをこなした。

 投手陣はランニングやノックで軽めの最終調整。練習後は資料室に約1時間半こもり、配球などを最終確認した。初戦先発の杉内は「今はまだ緊張していません。ミーティングでは配球について確認した」。課題の立ち上がりについて「いつも悪いから、明日は頑張りたい。とにかく余分な走者を出さずに3人ずつ抑えること。それだけです」。また城島に代わって捕手を務める的場は「短期決戦は必ず、ラッキーボーイが出てくる。打者の調子を見極めたい。機動力を封じたい」。

 野手陣では、ズレータがスタンドインを連発。一方、昨年のプレーオフで19打数2安打と不振を極めた松中はミートを心掛けていた。「昨年負けたのは自分の責任。がむしゃらに頑張りたい」と松中。

 全体練習終了後、ナインは福岡市内の焼肉店で決起集会に繰り出した。「相手が決まって、みんなも準備できていると思う。力いっぱいやるだけだ」と王監督。

◆ロッテ・バレンタイン監督 「ここまで来れば全力を尽くすだけ。プレーオフを知らなかった選手も、第1ステージで経験を積めた。ここまで順調にやってきたし、選手たちの状態もよい。リーグで1番勝利を挙げたチームと、2番目に勝利を挙げたチームの対決だから、非常に楽しめる試合になるだろう。ファンに最高の野球を見てもらいたい」

◆ソフトバンク・王監督 「気持ちの高ぶりを感じる。ロッテは投手力がよかったが、今年は打撃と守備もよくなった。2位だったけど、優勝できるだけの勝ち数で、うちとも10勝10敗。本当の意味でパのトップを決める戦いになる。短期決戦はミスが出た方の負けだが、ミスを恐れても駄目だ。この1年戦ったスタイルでやれれば勝てると思う。3つ勝つというより、2つ負けられると考えればいいんだ。ひとつ負けたからといって慌てることはない。第1ステージだったら1つ負けても大変だけどね。3勝2敗でいいんだ。最後に笑えばいい」


■11日 
優勝決定戦の展望 

★打線充実のロッテ有利か−城島欠き苦しいソフトバンク

 日本シリーズ出場権を懸けたパ・リーグのプレーオフ第2ステージ(5試合制)は12日からヤフードームで開幕する。今季の対戦成績は10勝10敗、ヤフードームでも5勝5敗と互角。ソフトバンクは大黒柱の城島が左すね骨折のため不在で、31年ぶりのリーグ制覇に向けて勢いづくロッテが有利か。

 打線の充実度ではロッテが上回る。4番・サブローはこのカードは打率.455。福浦とフランコ、今江の勝負強さが健在で、ベニーも復帰した。西岡の堅守と俊足も武器だ。第1ステージ終了から2日間という適度な間隔で決戦に臨める。

 ソフトバンクは杉内に先陣を託す。今季18勝で最多勝に輝いた左腕はロッテ戦に2戦2勝、防御率1.32と絶対の自信を持つ。プロ通算でも32勝のうち、9勝がロッテ戦と苦手意識はない。第2戦先発予定の斉藤も3勝無敗。相性のいい2人の先発でシリーズの流れをつかめるか。

 打線は打撃2冠に輝いた4番・松中に注目。昨年の第2ステージ(対西武)で5試合で2安打に沈んだ雪辱に燃える。脇を固める43本塁打のズレータも鍵を握る。

 ソフトバンクの先発ローテーションは、杉内、斉藤、和田、新垣の順で4本柱を投入し、たとえ2勝2敗でもつれても、第5戦の大一番には中4日の杉内ではなく、ルーキー右腕・高橋秀が濃厚。直接対決3連敗で迎えた9月22日のロッテ戦(千葉マリン)、5回2/3を4安打1失点でプロ初勝利を挙げたことで評価が急上昇。杉内は中9日で22日の日本シリーズ開幕戦という考えだ。

 ロッテの先発ローテーションは第3戦以降は流動的ながらも、セラフィニ、清水直、黒木、渡辺俊、小林宏。久保は中継ぎにまわる。

 終盤勝負となれば、薮田や小野ら救援陣が強固なロッテに分があり、ソフトバンクは、不調の三瀬らは“方程式”には組み込まず、調子の上向いている吉武、馬原とつなぐ方針だ。

★松中がロッテ戦に向けて「意地でも勝ちたい!」

 主砲松中の意気込みがさらに強まった。「プレーオフを勝つために気持ちを切らさずやってきた。ロッテは強いと感じているが、それより上だと思っている」と鋭いまなざしで言った。

 昨年は3冠王に輝きながらも、プレーオフでは19打数2安打の不振に終わり、優勝を逃した責任を1人で背負い込んだ。「準備は万全です。借りを返して悔しさを晴らす。意地でも勝ちたいという気持ち」と雪辱を誓っていた。

★緊張気味の的場

 左すね骨折で離脱した城島に代わってマスクをかぶる的場は、やや緊張気味。この日はバッテリーミーティングも行われ「ロッテは二死からでも点を取れるチーム。3つアウトを取るまで気を抜かないようにしたい」と警戒した。

 大舞台でのリードは初めてとなるが、「投手のいいところを引き出したい。戦っていく中で、相手打者の調子を見極めたい」と真剣なまなざしだった。

★決戦に胸躍らせる西岡

 ロッテは小坂が右太もも裏を痛めたため、21歳の西岡に期待がかかる。本人も「ビールかけは絶対にやってみたいですからね」と意欲を燃やしている。

 3年目の今季は盗塁王に輝き、今江と並び“新生ロッテ”の象徴的存在として、チーム躍進の原動力になった。第1ステージは無安打だったが、華麗なグラブさばきと強肩でピンチの芽を摘んだ。「守備と打撃は連動しているので、いい方向にいけばいい」と決戦に胸躍らせていた。

★清水直はリベンジに燃える

 第2戦での先発の可能性が高い清水直は、静かに闘志を燃やしている。シーズン終盤のソフトバンク4連戦。3連勝でむかえ、勝てば1ゲーム差にせまる試合で3被弾し、負け投手となった。「チームのいい流れを壊して、申し訳ない」と悔やんだだけに、リベンジの機会を待ち望んでいる。今月3日にはファームで調整登板をこなすなど準備万端。「結果は後からついてくる。自分の投球をするだけです」と意気込みを語った。

■11日 日本シリーズの千葉入場券販売日程 日本シリーズ運営委員会は、ロッテがプレーオフを制して優勝した場合の本拠地、千葉マリンスタジアムでの日本シリーズ入場券販売日程を発表した。

 10月22日から始まる日本シリーズの第1、2戦と第6、7戦が対象で、先行発売が12日午前10時から、一般発売は20日午前10時から開始する。問い合わせは千葉マリンスタジアム、電話は043(296)1189まで。

■10日 黒木、第3戦に先発も 黒木知宏投手がプレーオフ第2ステージで先発登板する可能性が出てきた。1、2戦のセラフィニ、清水直の先発で2連勝、または1勝1敗で第3戦を迎えた場合に先発する可能性が高い。31年ぶりとなるリーグ制覇に向け、福岡に燃える男・黒木の雄叫びが響き渡る。

 打倒ソフトバンクの秘策は、黒木の先発起用だった。プレーオフ第1ステージ終了時点でバレンタイン監督は、第2ステージでの先発をセラフィニ、清水直、渡辺俊、小林宏、久保の「A案」で固めていた。だが、この日になって第5戦予定だった久保を第1ステージ同様に中継ぎ待機させる方針に変更。その第5戦に中4日でセラフィニを登板させる案も検討したが、最終的に浮上したのが第3戦に黒木を割り込ませる「B案」だった。

 井上投手コーチは「1、2戦以外はまだ何も決まっていません。そこまでの勝敗によっても変わってくるかもしれない。いろんな可能性がある」と説明。実際、黒木の第3戦先発も流動的で、1、2戦でチームが連勝または1勝1敗の場合は予定通り黒木を投入するが、逆に2連敗の場合には黒木起用を断念し、渡辺俊を第3戦に繰り上げる方針も確認されている。

 00年にメッツを率いてワールドシリーズまで進出するなど、ポストシーズンを熟知した指揮官は「5戦の中で3試合を勝利すればいい」。黒木は入団1年目の95年からダイエー(現ソフトバンク)戦で通算35試合に登板し、18勝10敗、防御率2.66。昨年の3年ぶりの白星もダイエー戦で挙げた。2ケタ勝利投手を6人も抱えながら、あえて黒木を抜てきした理由はこの相性の良さにある。

 昨年オフの右ひじ手術を乗り越え、8月28日のオリックス戦で今季初登板初勝利。結局、3試合で2勝1敗、防御率4.58に終わったが、右ひじへの不安はもうない。黒木は「シーズン終了後も定期的にブルペンに入ってきた。僕が投げる可能性は十分ある。先発できるという期待を持って頑張るだけ」と気合十分。8日には愛妻・裕子さんが待望の二女を出産。新たなパワーも手にした。右ひじ、右肩の故障から復活したジョニーが、悲願への懸け橋となる。

■10日 清水直、フォーム改造に着手 第2戦の先発が有力視される清水直行が本番を目前にフォーム改造に乗り出した。「ブルペンで投げてみてしっくりくればセットポジションから投げるかもしれない。こちらの方がバランスがいいしね」と中継ぎだった2年目以来の投法に戻すことも検討中だ。今季は4年連続2ケタ勝利をマークしながら10勝11敗。試行錯誤を繰り返すが「試合では最初から飛ばして、できる限り0を重ねるだけ」と話した。

■10日 バレンタイン監督はリラックス バレンタイン監督をはじめとしたナインが空路で福岡入りした。プレーオフ第1ステージでは西武との接戦を制して2連勝。指揮官はさぞ疲労を残しているかと思いきや「アストロズは凄かったね。延長18回でサヨナラ本塁打だろ。テレビを見るために朝4時には起きたよ」とタフネスぶりを発揮。空港に訪れたファンにも気軽に手を振るなど終始、リラックスムードだった。

 

10/8 sat  9 sun   <<プレーオフ第1ステージ>>  M−L  千葉マリン

10/9 
M 3−1 L 小林宏−西口。初回、先頭小坂の三塁打と堀の中犠飛でマリーンズが先制。6回にはベニー、今江の適時打など4安打を集めて効果的な2点を奪った。小林宏は7回まで2安打無失点。8回に中村に1発を浴びたが、変化球がさえた好投だった。藤田、小林雅の継投も決まり快勝。連勝でプレーオフ第1ステージを制した。

10/8 
M 2−1 L 渡辺俊−松坂。初回、西武が栗山の先頭打者HRで先制。マリーンズは5回に堀の犠飛で追いつく。直後の6回、西岡が好守を連発し流れを手繰り寄せると、8回にフランコの適時打で勝ち越し。先発渡辺俊は我慢強い投球で7回1失点と好投。最後は小林雅が反撃を断ちマリーンズがまず1勝。

9日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「素晴らしい守備、投球、打撃。大事な場面で全力を発揮してくれた選手を誇りに思う。すばらしいシリーズを戦うことができた。自信過剰になれる相手ではなかったが、打ち破れると確信していたよ。ホークスはタフでパワフルな相手だが、準備はできている。世界最高のファンに集まってもらった。(日本シリーズで)再び千葉に戻って最高のショーをお見せしたい。福岡へ行きましょう!!」
小林宏:「凄い気持ちがいい。今までにない緊張感があったけど、マウンドに上がったら落ち着けた。先に点を与えないことだけを考えました。後ろにはいい投手がいるので、最初から全力で飛ばしたんです。1球1球魂を込めて投げました。福岡で勝って絶対にマリンに戻ってきます」
小林雅:「たまには仕事をしないとね。(シーズン中と)気持ちは一緒。(第2ステージは)あと3つ勝てばいい試合なので、3連勝するつもりでいく」
ベニー:「あそこはヒットを打って(二走の)サブローを迎えようと思っていたんだ。西口の決め球は知っていたからね。スライダーが4球続けてきたんだ」

西武・伊東監督:「相手の方が力が上だったことは素直に認める。選手はよく頑張ってくれた。試合後、今日からまたスタートだと伝えた。それぞれが悔しさを胸に頑張ってほしい」
ソフトバンク・王監督:「相手も決まり、いやが応にも気持ちが盛り上がる。シーズン1位と2位で、雌雄を決することになるが、まっすぐ突き進むのみ」

8日、試合後のコメント

バレンタイン監督:「相手は松坂を完投させようとしていたので、多く投げさせることを考えた。それぞれが簡単に凡打するのではなく、しっかりと球を見極めてくれた。だから打線の中軸から3連打が生まれたんだ。フランコは打ってくれる確信があった。今年一番の安打。最後まで力を抜かずに戦う。そんなウチの野球を表現することができたと思う。それぞれの選手がガッツのあるプレーを見せてくれた」
渡辺俊:「1球で1点ですから正直、面食らった。でも何とか1点で切り抜けられればいけると思った。みんなもよく守ってくれた」
小林雅:「勝てばいいんです。併殺打はシュート。プレーオフといってもいつもと同じ気持ちですよ」
サブロー:「(8回は)何とかして走者を進めたかった。くさい当たりでもよかった。(バットメーカーの)SSKのおかげです」。
フランコ:「(8回は)どうしても安打が欲しかった。短期決戦は1球で明暗が分かれる。集中力の勝負なんだ。だからこの球場で試合ができて良かった。今年は何が何でも優勝したいんだ」

西武・伊東監督:「いい試合したから。緊張感があっていい試合だったけどミスが出た方が負けるということ」
西武・松坂:「風のことは頭に入ってました。あれを利用しない手はないですから。ただ、風が強いと(体の)余計なところが張ってくることもある。そこでベンチが(交代を)判断したんだと思います。明日は西口さんがビシッとやってくれる。まだこれから?もちろんです」

■9日 ボビー、続投決定! バレンタイン監督は9日、3年契約の最終年となる来季について「来年もここにいるつもりだ」と話し、続投に意欲を見せた。まだ正式にサインを済ませていないが、すでに球団は重光昭夫オーナー代行が同監督の続投を希望しており、来季も指揮を執ることが事実上決まった。

 同監督は、これまでに米大リーグのドジャース、デビルレイズの新監督候補として米国で報道され、去就が注目されていたが「来季は大リーグの監督ポストがいくつか空くようなので、名前が取り上げられるのだろう」と、冷静に対応。重光オーナー代行も「監督との契約は、3年契約と球団の2年オプション。この間は(他球団の誘いから)プロテクトできる」とし、長期政権の構想を持っている。

■9日 小坂が途中交代 小坂誠内野手が5回、死球で出塁した後の走塁中に右太ももに違和感を覚え、6回の守備からベンチに退いた。病院へは行かずに様子を見るという。

■9日、ロッテは、曽我部直樹外野手(33)に戦力外通告したことを発表した。

■9日 西武応援団の座席確保でトラブル 千葉マリンスタジアムで8日に行われたプレーオフ第1ステージ、ロッテ-西武第1戦で、西武応援団の一部が左翼席の座席を人数以上に確保したため、チケットを持った一般客が座りきれなかったことが9日、分かった。
 球場側によると、球場管理者が応援団に席をつめるように要請したが、聞き入れられなかったという。管理者側はあふれた客を三塁側内野席などに誘導し観戦してもらったという。
 球場側は試合終了後、西武応援団の責任者と会談し、第2戦以降は決められたスペース以上を占拠しないと約束。第2戦でトラブルはなかった。球場側は「混乱が生じ、お客様に迷惑をかけた」と話している。

■8日 黒木、第2子誕生 黒木知宏投手(31)夫人の裕子さん(32)が千葉県内の病院で第2子(二女)を出産。3222グラムで母子ともに健康。

■8日 ”弟”マリーンズ、お先に日本一! (ファーム日本選手権、8日、スカイマーク) イースタン・リーグ優勝のロッテがウエスタン・リーグ優勝の阪神に7-5で逆転勝ち。初優勝を決めた。MVP(賞金50万円)は勝ち越し打の辻俊哉捕手(26)。ロッテは4-5の7回二死三塁から竹原の二塁打で同点、さらに辻の右前打で勝ち越し、逃げ切った。阪神は投手陣が踏ん張り切れず、九回一死満塁と粘ったが後続を絶たれた。

 初の2軍日本一に吉報が重なった。古賀2軍監督は「66歳で初めての日本一だよ」と目を潤ませたが、プレーオフで1軍が逆転したことを知ると「1軍の方が大事だよ」と大声を出して喜んだ。指揮官の声に反応したのが、最優秀選手に選ばれた辻だ。「自分らはここ(2軍)でやるためにプレーしているわけではない」と賞金50万円に一度は緩んだ顔を引き締め直していた。

   R
阪 神  5
ロッテ  7

9574人 ○成瀬 S川井 ●前川  【本】 大松1号、喜田1号、林1号

■8日 千葉マリンスタジアム 球団が「指定管理者」に 千葉市が「指定管理者制度」を適用して、年内にもロッテを千葉マリンスタジアムの管理者に決定する見通しであることが、明らかになった。この日、千葉マリンを訪れた重光昭夫オーナー代行は「ほぼいけそうというメドがついています。来年はきっと(赤字が)改善できそうです」と話した。同制度は地方公共団体の指定を受けた者が、指定管理者として施設管理を代行する制度で、正式に適用されれば、球界初の試みとなる。

 千葉マリンは所有者が千葉市、運営は第3セクター(株式会社千葉マリンスタジアム)という特殊な形態をとっている。そのため、今季から看板広告の利益は球団に入るようになったものの、飲食店収入が入らないなどの不利があった。

 ロッテ球団が指定管理者となれば、一元的な管理運営が実現できるようになる。運営の効率が増すだけでなく、飲食店の売り上げ収入も球団に入るため、メリットは大きい。千葉市はすでに、ロッテ球団か第3セクターのいずれかに指定管理者制度を適用することを表明。ロッテへの制度適用となった場合は、第3セクターに勤める職員の雇用問題が浮上するため、今後も慎重に協議を重ねていく。

■8日、神田義英田中雅彦渡辺正人パスクチが登録抹消され、久保康友清水直行代田建紀ベニーが登録された。

 

10/1 sat 〜 7 fri   プレーオフ第1ステージ直前情報 etc.

■7日 
前夜祭&決起集会に8000人 小雨が落ちる幕張の夜空に、大歓声が響いた。球界史上初の決起集会。ファン約8000人を集めたイベントは開始から1時間経過した時、最高潮となった。

 午後8時、スペシャルゲストの登場だ。白煙が立ち上るステージに、バレンタイン監督が両手を上げて駆け上がり「ロッテの応援がイチバンデ〜ス!!明日から一緒にガンバリマショ〜!!」と日本語で絶叫し、拳を振り上げた。そして「皆さん、球場に来てください。球場に入れない人は、ここのスクリーンに来て見てください。一緒にプレーオフ、頑張りましょう」と日本語で呼びかけた。

 「26番目の戦士」と称されるロッテ・ファンとの共闘宣言だ。この日のために球場正面広場に設置された200インチの特別スクリーンは、第1ステージの全試合放映が決定。3万人を収容するスタンドだけでなく、球場周辺も約5000人のファンで埋め尽くし、打倒西武を実現させるのだ。

 このイベントでは、ファンが選ぶ「今季の千葉マリンベストゲーム10傑」も発表された。第1位は3月27日の開幕2戦目の楽天戦(千葉マリン)。ファンの背番号と同じ「26」得点をたたき出した大圧勝劇で、ファンもまた、ロッテの大躍進を確信した。

 当初は参加予定のなかったベニー、諸積、そして今季限りで引退する初芝が飛び入り参加。「僕にとって最初で最後のチャンス。皆で(優勝を)勝ち取って、花道を飾らせて下さい」。真剣なまなざしで語る17年目のベテランに拍手と初芝コールが起きた。
 プレーオフで1軍に帯同する34選手も紹介され、8日の予告先発も発表。「西武・松坂」に対しては強烈なブーイングが沸き起こり、「渡辺俊」のアナウンスには盛大な「俊介」コール。“26番目の選手”たちが1つになって声援を送った。

 「ベンチ、フロント、ファンが三位一体となってプレーオフへなだれ込みたい」(荒木企画部長)との狙いは大成功だ。唯一の心配は決戦前夜という指揮官の“体調”だったが、参加選手らとともに球団応援歌「We Love Marines」をファンと大合唱。一体となった心に舞台を下りても「アンビリーバブル!」を何度も繰り返して喜んだ。

 最後は打ち上げ花火で締めくくられた大集会。景気づけは終わった。あとは、声をからし続ける26番目の戦士たちへ、31年ぶりの優勝で報いるだけだ。

■7日 渡辺俊vs松坂 PO第1S明日開幕 プレーオフ第1ステージ開幕を控え、ロッテと西武はそれぞれの本拠地球場で約2時間の練習を行い、決戦に備えた。第1戦の先発投手はロッテが渡辺俊、西武は松坂。

 ▽ロッテ シーズン中の試合前と同様の練習メニューを行い、野手はフリー打撃や守備、投手陣はキャッチボールなどを淡々とこなした。バレンタイン監督は
「チームのコンディションは完ぺき。いい気分で明日を迎えられる。これからは野球を楽しむ段階だ。ほとんどの選手はポストシーズンを戦ったことがないが、いい仕事をしてほしい」とリラックスを強調した。

 第1戦先発の
渡辺俊は、ジョギングやキャッチボールで切り上げる軽めの調整。今季西武に3戦3勝の右腕は「大事な試合で大輔と投げ合えるのはうれしいし、光栄に思う。特別なことは考えず、いつも通りに投げたい。普通の3連戦の初戦という気持ちで臨む。西武はスキのない野球をするので、しっかり投げたい」と気負いなく話した。

 ▽西武 午前中に野手と投手に分かれて軽めの練習をこなし、各自で千葉マリン近くのホテルへ移動。第1戦を任された松坂はブルペンに入らず、捕手を座らせて変化球を交えたキャッチボールで調整。「試合前なので」と話しただけで、意気込みを口にすることはなかった。

 左手首の骨折で欠場するカブレラが球場に姿を見せ、選手らを激励。カブレラに代わり、4番は首位打者に輝いた和田が務める。

 昨年第1ステージから勝ち抜き、日本一になった伊東監督は
「まだ第1ステージ。かしこまってやることはない。特別な意識はなく、今まで通り前を向いてやるだけ。(雨天中止で)ダブルヘッダーになったりすると、やりくりが大変」と話し、空模様を心配していた。

■7日 ボビーファミリー来日 プレーオフを観戦するため、バレンタイン監督の家族が来日した。中でも義父のラルフ・ブランカ氏(79)は米大リーグ・ドジャースの元投手で、1951年のナ・リーグプレーオフ最終戦で、サヨナラ弾を浴びたことで、米国ではよく知られている。「彼はプレーオフの恐さをよく知っているよ」(バレンタイン監督)。義父が味わった“呪い”を振り払うためにも、快勝を披露したいところだ。

■7日 ファーム日本選手権の先発選手発表 日本プロ野球組織コミッショナー事務局は、ファーム日本選手権の先発オーダーを発表した。先発投手は、イースタン・リーグで初優勝のロッテが加藤康介投手、ウエスタン・リーグ優勝の阪神は能見篤史投手に決まった。同選手権は8日午後1時、スカイマークスタジアムで開催される。

■6日 先発ローテ決定! 西武との第1Sの先発ローテが渡辺俊小林宏セラフィニの順番に決まった。セラフィニは「第3戦で投げるといわれている。でも、2連勝したら福岡かな」。18.5ゲーム引き離した3位・西武との短期決戦。絶対に負けられない試合で、10勝投手6人の強力投手陣から、この3投手が指名された。

 また、
里崎智也捕手が発熱の症状を訴え、6日の全体練習(千葉マリン)には参加せず、休養した。7日の練習は、当日の様子を見て決める。

■6日 ボビー「瞑想トレ」全員で自然体 千葉マリンで西武を迎え撃つロッテは6日、「めい想トレーニング」を実施した。勝利へ、全選手が目を閉じて精神を集中させた。
 午後1時、練習開始直前だった。バレンタイン監督は外野に全選手を集合させた。「15秒間、目を閉じて今シーズン、考えてきたことを思い出してほしい」。決戦の舞台、千葉マリンを沈黙が包んだ。輪が解けると、普段と同じ練習を続けた。
 バレンタイン監督はチームの様子に「落ち着いていて自信にあふれていた。良い心構えだと思う」と手応えを口にした。今春キャンプでも選手に先になにもない「空イヤホン」をつけさせた。「聞こうという姿勢があれば、やがて聞こえてきます」と。シーズンの最初も最後も「心の中」をのぞくことを望んだ。
 4番が濃厚なサブローは「松坂、西口さんからヒットを打つイメージをつくった」と気持ちを高めた。。「ビールかけで音頭をとっていることが思い浮かんだよ」とは小林雅。バレンタイン監督は「プレーオフも同じ気持ちで戦ってくれればいい」。自然体で短期決戦に挑む。

■6日 西武、ロッテファン歓迎 西武・伊東勤監督は、ロッテ側にプレッシャーがかかるという期待から、ロッテファンの熱烈な応援を歓迎。
 「今回は三塁側席もロッテファンで埋まるだろう。どのくらい盛り上がるか、楽しみにしてるよ」。伊東監督は不敵な笑みを浮かべた。プレーオフ第1ステージ3試合(すべて千葉マリン)の前売り入場券が即日完売したことを聞いた時だ。
 普通なら敵地で、しかも熱烈な応援を繰り広げるロッテファンの中での試合はやりにくいはず。しかし伊東監督の期待は、大一番独特の雰囲気でロッテナインが本来の力を出せないところにある。ロッテの戦力を「投手はそろっているし、これといった穴がない」と分析した上で、「向こうは大きな試合を経験していない選手が多い」と“場数の差”に活路を求めた。ただでさえ、普段の公式戦とは空気が違うプレーオフ。ファンがいつも以上に熱狂すれば、緊張感はさらに増す。
 西武は昨年プレーオフ第2ステージは福岡、日本シリーズでは名古屋と、いずれも敵地で、敵ファンのため息の中で優勝を決めた。大一番も、アウエーでの戦いも慣れたものだ。ロッテファンが盛り上がれば盛り上がるほど、西武がそれを力にする?

■6日 “つなぐ4番”サブローが引っ張る プレーオフ第1ステージで、ロッテ打線のカギを握る4番・サブロー外野手(29)がシーズン同様、つなぎ役に徹する。4番でも右打ちをすれば、送りバントもこなす“ニュータイプ”の4番。この日の打撃練習ではいつも通り中堅から右方向へ、鋭い打球を連発した。

 「打順に意識はない。3番からの流れをつなげていくだけだから…」と42スイングで安打性の打球は17本。右翼ポールを直撃したのが、唯一のサク越えだった。

 今季は8月13日のオリックス戦(スカイマーク)から4番に抜てきされると31試合で“大役”を務め、打率.388、8本塁打、22打点。それまでの76試合でマークした打率.274、6本、28打点をしのぐ成績を残した。今季73試合で4番を務めたベニーが5日から1軍に合流。右太腿痛も癒えての復帰だが、ロブソン打撃コーチは「プレーオフでもサブローが4番として活躍してくれることに疑いはない」と信頼は厚く、サブローは「最も大事なのは第1試合。1打席目の初球から集中していく」と、初戦先発の松坂攻略を誓った。

■6日 松坂、ノースロー本番 西武・松坂大輔投手(24)がノースローでプレーオフ第1ステージ初戦に臨む。6日、インボイス西武での練習に参加したエースは、ブルペンに入らず強めのキャッチボールで調整。「昨日も入ろうかどうか迷いましたが(ブルペンで)投げない調整を選びました。明日?入りません」と、松坂流の調整でマウンドに上がる決意を話した。

■5日 小林雅、パーフェクトな仕上がり 守護神・小林雅がプレーオフへ向けて“パーフェクト”の仕上げを見せた。千葉市内の室内練習場でシート打撃に登板。打者8人に対して安打性の打球はなしだった。29セーブで初タイトルを獲得した右腕は「投げるのはきょうが最後。あとはランニングやウエートトレーニングで調整する。この1週間で疲れは完全にとれた」という。投球を見守ったバレンタイン監督も「変化球は切れていたし、直球は体重が乗っていた」と納得顔だった。

■5日 西武がプレーオフに備え紅白戦 西武がプレーオフ第1ステージに備え、紅白戦を行った。レギュラーシーズン終了後、実戦形式での練習は初めてで、豊田ら9投手が6回を0点に抑えた。伊東監督は「4番のカブレラと、二塁の高木浩をけがで欠くのは痛いが、みんなで束になっていくしかない」と話した。

■5日 パリーグ東西対抗の出場選手発表 パ・リーグは、東西対抗(11月3日、静岡・草薙)の出場選手を発表した。
 楽天の新規加入で、前回と東西のチーム数が変わったため、西武を西軍に入れて実施する。外国人選手を除いた編成で、東軍にはダルビッシュ(日本ハム)、一場(楽天)、
久保(ロッテ)の3新人投手が選ばれた。

■4日 澤井など8選手に戦力外通告 ロッテは前田浩継投手(29)、長崎伸一投手(25)、杉山俊介捕手(28)、於保浩己外野手(30)、澤井良輔内野手(27)、原井和也内野手(37)、ユウゴー(天野勇剛)内野手(27)、富永旭内野手(22)に戦力外通告した。

■4日 王監督が異例の指示 ソフトバンクの王貞治監督が、プレーオフ第1ステージ(ロッテ−西武)について、チーム全体に「(テレビ)観戦するな」という異例の指示を出した。

 「もう見る必要ないでしょう。過大評価してしまうところもあるし。シーズンでも戦ったわけだからね。傾向くらいを頭に入れるだけでいい」

 また、ロッテ−西武戦にスコアラーを派遣しないことも明言。ポストシーズンまで約2週間の調整を余儀なくされているが、あくまでもレギュラーシーズンの延長として、平常心を装う。

■4日 プレーオフ開幕投手は渡辺俊が濃厚 渡辺俊がプレーオフ第1ステージ開幕投手を“フライング”宣言した。チーム最多の15勝を挙げたサブマリンには、エースの自覚が芽生え始めている。この日、報道陣に対して「開幕?多分、間違いないんじゃないですか。(紙面に)書いてもいいですよ」と大胆に言い放った。

 バレンタイン監督から登板日について何も伝えられていないというが「『あれっ、まだ言ってなかったけ』という感じじゃないですか」と第1戦の登板を信じて疑わない渡辺俊。大一番への過剰な意識もなく「開幕とか意識せず、連戦のアタマという気持ちで臨みたい。超満員?ずっとお客さんが入っていた試合で投げてきましたから」と淡々と話した。

 第1戦の相手先発は松坂。だが、バレンタイン監督はあえてエースをぶつけ、一気にたたく作戦に出た。今季、渡辺俊は西武相手に3戦3勝と相性抜群。9月28日の日本ハム戦から中9日と間隔があくが、「レギュラーシーズンで何度か経験しているし、問題ない。こっちがしっかり抑えれば」と気後れはない。

 野手陣はこの日の練習で、バッティングマシンを3メートル前に出し、バント練習を行った。松坂相手ということもあり、接戦を予想してのものだ。指揮官は「きちんと準備は整えていくよ」と松坂撃破へ抜かりはない。

■4日 プレーオフチケット、9万枚完売 プレーオフ第1ステージを主催するロッテは4日、前日(3日)10時から前売り販売した3試合、約9万人分のチケットが、わずか数時間で即日完売したと発表した。この大盛況を受けて、8日からの西武戦は、千葉マリンの正面広場に設置される大型スクリーンを通じて試合観戦が可能になった。

 前代未聞のハプニングに揺れた高校生ドラフトの裏では、し烈なプレーオフチケット争奪戦がぼっ発していた。インターネット販売、予約、「チケットぴあ」などの店舗販売に加えて、JR海浜幕張駅内に用意した特設ブースでも入場券を販売。3試合計4500枚のチケットを求めて、絶えずファンが駅周辺を囲むようにして並び続けたという。「朝から100人は並んでいました。しばらくは300人以上が列を作っていたと思います」と球団関係者は証言する。

 バックネット裏を含めた内野指定席を3000円、内野2階席と外野席を1500円の激安価格に設定した“ファン総動員作戦”は奏功した。千葉市内の球団事務所にはチケットを巡る問い合わせの電話が殺到。入場券のソールドアウトを伝え聞いたバレンタイン監督も「熱心な方々が再度、応援してくれることは我々の大きな力になってくれる」と話した。

 一方で、貴重なチケットを逃して悔し涙を流すファンへのフォローも忘れない。ロッテはこの日、7日に行われる前夜祭&決起集会のために設置する200インチの特設スクリーンを8日以降も残し、プレーオフの試合の中継を行うことも決めた。「少しでも近い距離で応援していただければ」(同関係者)という粋な計らいをファンに用意したのだ。

 決戦当日は、球場で3万人、外の正面広場で7000人が観戦予定。3戦目までもつれれば、最大11万人が千葉マリンに集結する計算だ。球場内外でこだまする熱烈な応援を味方に、ロッテがディフェンディングチャンピオンを圧倒する。

■2日 ロッテなら杉内、西武なら斉藤 ソフトバンクの尾花投手コーチは、プレーオフ第2ステージの開幕投手に、相手がロッテなら最多勝左腕・杉内、西武ならエース斉藤を起用する考えを明かした。「ロッテなら(最大)5試合、西武なら4試合(アドバンテージの1勝分含む)やることになる。相手によって戦い方も変わるからね」と同コーチ。両投手は6日の広島戦(練習試合)に登板後、杉内なら第1、第5戦に中4日で先発できる。右肩痛の不安を抱く斉藤は第2戦に先発後、22日の日本シリーズ開幕戦に先発予定。

■30日 ロッテ・西武が練習開始 パ・リーグ、レギュラーシーズン2位のロッテと同3位の西武が、プレーオフ第1ステージ(10月8日開幕、千葉マリン)に向けてそれぞれの本拠地などで練習を開始した。29日にセ・リーグで阪神が2年ぶり5度目の優勝を決めたが、プレーオフ制度2年目のパはこれから日本シリーズ出場権を懸けた戦いの最終局面に入る。
 レギュラーシーズン1位で、第2ステージ(12日開幕、福岡ヤフードーム)からの登場となるソフトバンクは10月2日に始動する。

 

10/1 sat 〜 7 fri   高校生ドラフト

■3日
 高校生ドラフト、4名を指名 高校生を対象としたプロ野球の05年度新人選手選択(ドラフト)会議が3日、東京都港区の新高輪プリンスホテルで開かれた。ドラフト会議は今年から高校生と大学・社会人を分離した新方式を採用。社会人・大学生の希望選手枠を使わないロッテは2巡目も指名。4巡目まで指名を指名し、以下4名の交渉権を獲得した。
             
1巡目  柳田 将利 (やなぎだ まさとし)  投 手  176cm  99kg  左左  青森山田
2巡目 林  啓介 (はやし けいすけ) 投 手 184cm 78kg 右右 福井商
3巡目 末永 仁志 (すえなが まさし) 投 手 188cm 83kg 右右 南京都
4巡目 細谷  圭 (ほそや けい) 内野手 182cm 84kg 右右 太田市商

 1巡目指名を受けた柳田は笑顔も一瞬、「まだプロのレベルではない。少しでも早く追いつきたいです」とすぐに表情を引き締めた。青森県球児では昭和44年に近鉄から指名された太田幸司(三沢)以来、実に36年ぶりの“ドラ1選手”だ。

 公称99キロの巨漢左腕は、そのイメージにたがわぬお菓子好き。特にロッテの「パイの実」が大好物で、「いつかはCMに出られるくらい活躍したい」。まずは本職で結果を残し、ロッテ製品PR役を志願する。

 球団側も独自の育成プランを描いている。バレンタイン監督は「1人を獲得して、まるで2人を獲った気分だ。投手としても、打者としても両面で育てていきたい。2軍では打撃練習もさせる」と最速149キロの本格派左腕としてだけでなく、高校通算36発の長打力にも目をつけ“二刀流”として期待。柳田も「球団が野手でと言うならいつでも」と、起用・育成法は球団に一任するつもりだ。

 甲子園を沸かせた球速MAX149キロ、体重MAX105キロのヘビー級左腕は、「期待に応えられるように、一生懸命やっていきたい。投手なら来年には150キロを目指す。どんな打者にもストレートで勝負できる投手になりたい」と力強く抱負を話した。

■3日 青森山田・柳田の一本釣り狙い 高校生ドラフトは3日、東京・港区の新高輪プリンスホテルで行われる。豊作と言われる今年の高校生の獲得をめぐり各球団は最終的な戦略を煮詰めたが、ロッテが直前で方向転換することが分かった。抽選が確実となっている大阪桐蔭・辻内崇伸投手(17)の1巡目入札を回避し、青森山田・柳田将利投手(18)の一本釣りを狙う。

 大胆な選手起用でリーグを盛り上げたバレンタイン監督が、ドラフトでは「みちのくの剛腕」を一本釣りすることになった。この日、指揮官を含めたスカウト会議で検討した結果、149キロ左腕・柳田を1巡目指名する方針に切り替えた。

 当初は156キロ左腕・辻内の1巡目指名を予定し、柳田は外れ1巡目の最有力候補だった。だが辻内は巨人、西武、オリックスとの競合は必至。抽選で外れた場合、パ・リーグ2位のロッテはウエーバー順が10番目のため、柳田を含め上位にリストアップしている投手はすべて消える可能性が高い。会議を終えたバレンタイン監督は「このギャンブルは球団の未来がかかってくるもの。(自分の)性格上、いかにリスクが低くなるかを考える」と辻内回避を示唆。エースの可能性を秘める柳田の素質に懸けた。

 柳田は2年夏から3季連続で甲子園に出場。今夏は2回戦の国士舘戦で3安打完封、打ってはバックスクリーンに特大の一発を放ち、辻内にも負けない潜在能力の高さをアピールした。

 「戦略上のメリットがないから、今回のドラフトは名前を一切明かさない」と“隠密ドラフト”を公言してきた宮田編成部長はこの日も「ここまできたら最後まで…」と口を閉ざした。しかし、関係者の話を総合すると柳田指名は確実な情勢。シーズン同様、ドラフトにも臨機応変のスタイルで臨む。

■2日 高校生ドラフト 辻内4球団競合か プロ野球の新人選択会議(ドラフト会議)は今年から年2回の分離開催となり、まず高校生対象のドラフトが3日午後2時から東京都内のホテルで行われる。150キロを超す剛球左腕の辻内崇伸投手(大阪・大阪桐蔭)ら高校生に逸材が多く、3年ぶりの「くじ引きドラフト」は必至だ。

 1巡目は入札抽選方式が採用され、辻内には巨人、ロッテ、西武、オリックスの4球団が競合しそう。長身左腕の
片山博視投手(兵庫・報徳学園)の評価も高く阪神、広島、楽天の指名が予想される。

 野手では台湾人留学生の
陽仲寿内野手(福岡・福岡一)にソフトバンクと日本ハムが名乗りを上げ、夏の甲子園大会で1試合3本塁打した平田良介外野手(大阪・大阪桐蔭)には中日が1巡目指名を表明。このほか、山口俊投手(大分・柳ケ浦)、鶴直人投手(大阪・近大付)らも1巡目候補に挙がっている。

 1巡目の抽選に外れた球団は下位チームからウエーバー順で指名し、2巡目は大学・社会人ドラフト(11月18日)の希望入団枠(昨年までは自由獲得枠)の使用を回避した広島とロッテだけが参加。3巡目からはウエーバー順で指名していく。日本高校野球連盟に、プロ野球志望届を提出した112人が対象となる。

 

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