不完全ジャーロ年表
(80〜90年代)

80年代に入ると、ジャーロは完全に時代遅れの産物と化し、
たまにアルジェントが思い出したようにこのジャンルの映画を撮る以外には
殆ど作られなくなった。・・・が、最近本国では復活の兆しが見えてきている模様。
今後の新展開に期待したい。



−80年代−

FOLLIA OMICIDA (未)」(80)
aka:Unconscious/Fear,The Wailing/ L'Ossessione che Uccide

●50年代イタリアン・ホラーの巨星、リカルド・フレーダが撮った
ホラーとオカルト、ジャーロがごちゃ混ぜになったトラッシュ映画。
幼い頃に見た殺人現場の光景をトラウマに持つ俳優のマイケル
(ステファーノ・パトリッツィ)は殺人シーンの撮影中に、共演女優ベリル
(黒いエマニュエルことラウラ・ジェムサー)の首を本気で絞めてしまった。
しばらく静養することに決めたマイケルは、田舎にある生家にGFのデボラ
(ルジェロ・デオダートの元奥さん
シルヴィア・ディオニッシーオ)を
連れて帰ってくる。彼を迎えた母親のグレンダ(「幻想殺人」のアニタ・
ストリンドベルイ)や、執事のオリヴァー(「血塗られた墓標」の
ジョン・リチャードソン、禿げた!)の怪しげな態度、
気味悪い屋敷の佇まいに影響を受けたのか、デボラは毎晩のように
不気味な悪夢にうなされる。数日後、ベリルと一緒に映画の
クルーでもある
シェリー
(マルティーヌ・ブロンチャード)、ハンス(ヘンリー・ガーチン)らが到着、
その時から燻っていた恐怖が実体化し、血しぶく連続殺人の幕が開く!

斧が脳天をかち割り、チェーンソーが女の首を切り落とす!
クラシックなピアノスコアをバックに80年代調の血みどろ場面もタップリ登場。
豪華なキャストと、アンバランスな構成が魅力の1本。

日本ではエンパイアからリリースされたゾンビのアンソロジー・ビデオ
「生ける屍の群れゾンビーズ」でこの作品のハイライトを見ることが出来る。
(因みにタイトルは英語版の「Fear」とクレジットされている。・・・が、
解説には<正体不明の映画>としか書かれていない。それ以前に
そもそもこの映画にゾンビなんか出てきたっけ・・・??
(オッソーリオ系のフードを被った骸骨ゾンビが悪夢の場面で出てきます)

 

ブラッド・ピーセス〜悪魔のチェーンソー(V)」(81)
PIECES
aka:Mil Gritos Tiene la Noche/1000 Cries Has the Night

アメリカ映画(実際はスペイン映画?)/カラー・89分
日本劇場未公開(ビデオ/LD:ヴェストロン)

製作:スティーヴ・マイナシアン/ディック・ランドール
監督:ファン・ピークェル・サイモン
脚本:ディック・ランドル/ジョン・シャドー
撮影:ジョン・マリーン
出演:クリストファー・ジョージ
/エドモンド・パルダム
リンダ・デイ・ジョージ/ポール・スミス
フランク・ブラナ/イアン・セラ/ジェラルド・ティシー


●スペインの娯楽系映画監督ジャン・ピッカー・サイモンが撮った血みどろスリラー。
子供の頃、ヒステリックな母親を斧で殴り殺し、バラバラに切り刻んだ過去を持つ少年が
罪を隠したまま大人に成長、大学のキャンパスを徘徊し女子大生達を殺害、
その体の一部を持ち帰って<人間ジグソー・パズル>を始めるという凄い内容。
犯人がチェーンソーを持ち歩く設定も相当おかしいが、余りに大量の血が流れるので、
その辺は笑って見逃せるかも。さすがスペイン、ひと味違うぜ!って感じ。
出演は「地獄の門」のクリストファー・ジョージと、彼の奥様リンダ・デイ・ジョージ。
脇にイギリスの怪優エドモンド・パルダムと、アマンド・オッソーリオの映画で知られる
ジャック・テイラー、「XYZマーダーズ」「ポパイ」のポール・スミスと結構豪華。
製作のディック・ランドールも筋金入りのトラッシュ・メイカー。
特にキャロライン・マンローが主演した「ブラッド・エイプリル・フール」では
劇中でイジメられっ子として登場する少年役の俳優が、映画の公開後に
自殺をしたことでも有名。ランドールはC・マンローにポルノ映画の出演を
オファーしてくる製作者役で「〜エイプリル・フール」の画面に登場している。

 

ザ・リッパー (V)」(82)
NEWYORK RIPPER
aka:Lo Squartatore di New York


●ゾンビ映画に傾倒していたフルチが一転、NYに赴いて撮った残虐ジャーロ映画。
女性ばかりを狙い鋭利なナイフでメッタ切りにして回る異常者の犯行を、
フルチお得意のゴアリーな描写満載で描いている。
出演は「地獄の門」のアントネラ・インテルレンギ(アルマンテ・ケラー)、
「SF/コンクエスト:魔界の制圧」「暗闇の殺意」のアンドレア・オッチピンティ、
「作家マゾッホ:愛の日々」「キャロルは真夜中に殺される」のパオロ・マルコ、
ジャック・ヘドリーら。フルチもヘドリー扮する警部の上司役で特別出演。
殺される犠牲者の女性役には「死神ジョーズ」のシンシア・デ・ポンティ、
「人喰族」「尼僧の背徳」「猟奇!食人鬼の島」のゾラ・ケローヴァ、
「人間解剖島:ドクター・ブッチャー」のアレッサンドラ・デラ・コッリなど
濃い面々が揃えられていて、好きな人は必見。オランダで発売されたLDは
日本で修正されていたボカシが消えているだけで、内容的には一緒。
サズマのDVDは縦長の別マスターだとか。

 

シャドー」(82)
 TENEBR(A)E
aka:Shadow/Sotto gli occhi dell'Assassino/Unsane


●「インフェルノ」の失敗から立ち直ろうと、アルジェントが撮り慣れた
ジャーロ映画のフィールドに戻って来て発表した、流行の血みどろ描写を
タップリ取り入れたサイコ・スラッシャーもの。
(詳しくはタイトルをクリック!
キャンペーンの為ローマにやって来た、アメリカの人気推理小説作家
ピーター・ニール(「悪魔の少女ジュリー」のアンソニー・フランシオサ)が
グラマーな美女ばかりを狙って剃刀で首を引き裂く殺人鬼からつけ狙われる。

怪しげな人物が次々に登場しては、残虐な方法で殺害される
アルジェント映画定番のきらびやかなストーリー構成。
ダリア・ニコロディ等の常連俳優に加え、ジュリアーノ・ジェンマ、
ジョン・サクソンら有名俳優、ララ・ウェンデル、ヴェロニカ・ラリーロ、
アニア・ピエロニ、エヴァ・ロビンズ、ミレーラ・ダランジェロ、ミレイユ・バンディら
一風変わった芸歴を持つ俳優達を混合してキャスティングしている点も面白い。
筆者はこの映画の女優さんをボンヤリ見ているだけで
アッという間に2時間が過ぎた経験アリ。

 

暗闇の殺意」(82)


A BLADE IN THE DARK
aka:La Casa con la scala nel buio/House of the dark stairway


イタリア映画/カラー・95分/ヴィスタサイズ
日本劇場未公開(限定公開)/ビデオ(日本コロムビア)

製作:ロベルト・デ・ラウレンティス
監督:ランベルト・バーヴァ
脚本:ダルダノ・サケッティ/エリザ・ブリガンティ
撮影:ジャンロレンツォ・バタグリア
音楽:グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス

出演:アンドレア・オッチピンティ(ブルーノ)/
ララ・ナツィンスキー(ジュリア)/アニー・パパ/
ミケーレ・ソアヴィ(トニー)/ファビオラ・トレード(アンジェラ)/
スタンコ・モルナー(庭師)/ジョヴァンニ・フレッザ(劇中映画の少年)

●「首だけの情事」で監督でビューしたランベルト・バーヴァの2作目。
撮影は16oで行われ、予算の無さに泣かされる事もしばしばだったとか。
どことなくアルジェントの「シャドー」からの影響が見られる作品。

女流ホラー映画監督(アニー・パパ)の依頼で、スコア音楽をかく為に
不動産屋の友人トニー(ミケーレ・ソアヴィ)から郊外の大邸宅を借りた
新進作曲家ブルーノ(アンドレア・オッチピンティ)の周りで
次々ミステリアスな殺人事件が起きていく。犯人と犯行動機は
彼が曲をつけている映画の中にあるようなのだが・・・。
美女の首を突き刺すカッターナイフ、掌を貫通する肉切り包丁など
バーヴァの映画にしてはかなり血みどろ系描写が多いジャーロ映画。

「アクエリアス」の監督ミケーレ・ソアヴィが助監督以外に
不動産屋の青年役で登場。セルジョ・マルティーノの
「グレート・アリゲーター」のアニー・パパが腕利き女流ホラー監督に、
知恵遅れ系の庭師に「首だけの情事」で出演と脚本を担当した
スタンコ・モルナーらがクレジットされている。
物語の重要な鍵となる劇中のホラー映画には「墓地裏の家」「デモンズ」の
子役ジョヴァンニ・フレッザが出演(しかも女装)、バスルームで殺される
犠牲者となるファビオラ・トレードは「デモンズ」でスクリーンから
飛び出してきた濃い顔のスペイン女優。
やたら怪しげな行動を取るヒロイン役のララ・ナスティンスキーは
ナスターシャ・キンスキーの従姉妹で「怒霊界エニグマ」に出ていた人。
執拗に同じメロディを繰り返すG&M・デ・アンジェリスの音楽も効果的。
撮影は「フェノミナ」「
デモンズ」のジャン・ロレンゾ・バッタグリア。
最近、スウェーデンのECエンターテインメントからニュープリのLDが発売された。
日本のビデオ版とは比べものにならない高品質なので好きな人は要チェック!

 

黄色い悪夢 (V)(8283)
LA CASA DEL TAPPETO GIALLO
aka:The House with yellow carpet

●監督:カルロ・リッザーニ。出演:エルランド・ジョゼフソン、
ベアトリース・ロマンド。音楽はステルヴィオ・チプリアーニ。
悪夢に悩まされる若妻の部屋に異常者が侵入。しかしそれは彼女の悪夢を
直すために夫が仕組んだショック療法だった。しかし・・・。
アルド・セレーリの「Teatro a Domicilio(劇場の名前か?)」で上演された
コメディ劇の幾つかを元にして作られているらしい。筆者は何度となくこの映画を
ビデオで見ているが、必ず途中で眠ってしまい一番最後まで見切ったことがない・・・。

 

ブラッド・リンク (V)」(83)
BLOOD LINK

●アルベルト・デ・マルティーノが監督した、シャム双生児の兄弟を巡る
サイキック・ジャーロ。心理学者のクレイグ(マイケル・モリアティー)には
双子の弟キース(モリアティー2役)がいたが、彼は子供の頃に死んでしまっていた。
しかし、ふとしたことでクレイグはキースが生きており、
しかも巷を騒がす連続殺人魔になっている事を直感的に知る。
残虐描写は少な目だが一風変わったストーリー展開と、
「インフェルノ」のロマーノ・アルバーニが担当したウエットな雰囲気の
キャメラが秀逸で、ついつい引き込まれてしまう佳作。
共演はペネラピー・ミルフォード、キャメロン・ミッチェル、ジュラルディン・フィッツジラルド、
バージニア・マッケンナら。音楽は御大エンニオ・モリコーネ。

 

アバンチュールはデュエットで (V)」(83)
MYSTERE
aka:Dagger Eyes


●イタリアを代表する喜劇監督ステーノことステファーノ・ヴァンジーナの息子、
カルロ・ヴァンジーナ(「ドレスの下はからっぽ」)が監督したおシャレな犯罪サスペンス。
ミステーレ<謎>という名の美しいフランス人娼婦(キャロル・ブーケ)が
ある晩ベッドを元にした客は、スキャンダラスな暗殺現場の証拠写真を撮影していた。
客はマイクロフィルムをライターに隠していたが、ミステーレと一緒に仕事をしていた
同僚の娼婦パメラ(ジャネット・アグレン)がこっそり彼のライターを盗んだ現場を
見つかり、思わずミステーレのバッグに隠してしまった。
客もパメラもライターを捜す殺人者によって殺されてしまい、ミステーレにも危険が迫る。
事件を調査するアメリカ人刑事コルト(ドゥリオ・デル・プレーテ)はミステーレの
身辺警備に付くが、殺人者は何と彼の上司だった。2人は知恵を絞り、
組織から金だけを奪って高飛びをする計画を練る。果して彼らの策略は上手く行くのか?
殺人シーンは杖の先についた鋭いナイフで行われ、血みどろを期待する向きは
欲求不満の残る仕上がり。その分、美人女優がサーヴィスしてくれるが・・・。
音楽は大御所アルマンド・トロヴァヨーリ。共演にガブリエレ・ティンティと
ジョン・シュタイナー(暗殺者役。大した活躍もせず、シュタイナーの代わりに
ダミー人形が屋根から落ちて出番は終わり。期待しないように)。

TRHAUMA ()(79/83 )
●「悪魔の教団:レッド・モンクス」を撮ったジャンニ・アントニオ・マルトゥイッチが
監督したジャーロ映画。前年に大ヒットしたJ・カーペンターの「ハロウィン」を
意識した<家の中に殺人犯がいる>系の作品で、真新しいのは若干お下劣な
要素が加味されている点だとか。
出演はロニー・ラッシュ、ダフネ・プライス(ドミッティラ・カヴァッザ)、
ロベルト・ポッセ、ティモシー・ウッドら。

マーダー・ロック(デビルズ・ダンシング) (V)(8384)
MURDEROCK, DANCING DEATH
aka:Murderock: Uccide a Passo dei danza

●「ザ・リッパー」に続いてフルチがNYロケを敢行したジャーロ映画。
「フラッシュ・ダンス」+ジャーロという内容は、当時も相当悪評を浴びたようだが、
今見返すと結構手堅く作ってあって面白い仕上がりだ。
ダンス・スクールで講師をしているキャンディス(オルガ・カルラトス)の生徒達が
ハットピン(鋭利な長い針)を手にした何者かによって心臓を突き通されて惨殺される。
捜査が難航する中、キャンディスは夢で犯人の姿(レイモンド・ラブロック)を見るが・・・。
共演にクラウディオ・カッシネリ、コズモ・シニエーリ、ロベルト・グリゴロフ、
クリスチャン・バーロメオ等。キース・エマーソンの音楽はダサくて有名だが、
やっぱり味があってグッド!「サンゲリア」のアル・クリヴァーと
フルチのカメオ(何と美人の娘がいる辣腕CMエージェント役)もあり。

 

「新・サスペリア (V)」(85)
L'ASSASSINO E ANCORA TRA NOI
aka:The Murderer is still among us


●タイトルをクリックすると、「ミッドナイトリッパー」と一緒に
作品を解説したページに行けます。

「ミッドナイト・リッパー (V)」(85)
IL MOSTRO DI FIRENZE
aka: The Monster of Florence/Night Ripper

●タイトルをクリックすると、「新・サスペリア」と一緒に
作品を解説したページに行けます。

殺しの方程式:サイコキラー」(85)
FORMULA FOR A MURDER
aka:Seven hyden park/La Casa maldetta


●アルベルト・デ・マルティーノが撮った手堅いタッチの犯罪スリラー。
幼い頃に神父の格好をした暴漢からレイプされ(凄い設定!)、
以来足が不自由になってしまった美しい大富豪ジョアンナ
(クリスティナ・ナギー)の遺産を狙って、スポーツ施設のインストラクター、
クレイグ(デイビッド・ウォーベック)と家政婦がジョアンナを自殺に追いやろうと
様々な手を用いて彼女を脅すストーリー。
この種のお話は「デンジャラス・ウーマン」や「ダブル・レイプ」など、
他にも何度となく映画化されているが、
ジョアンナの悪夢の象徴となっている神父の姿や、
血みどろの人形などの小道具が冴えているのがさすが。
ラストは結構見応えのある大乱闘が展開する。
共演キャロル・ブルーメンバーグ、
「サスペリア2000」のロッサノ・ブラッツィ(精神分析医役)。
音楽は「ザ・リッパー」のフランチェスコ・デ・マージ。

 

ドレスの下はからっぽ」(85)
NOTHING UNDERNESS
aka:Sotto Il Vestito Niente


イタリア映画/カラー・95分/ヴィスタサイズ/ステレオ(ドルビーサラウンド)
日本劇場未公開(ビデオ/LD:日本クラウン:87年6月21日発売)

製作会社
ファーゾ・フィルム
監督・脚本:カルロ・ヴァンツィーナ
原作:マルコ・パルマ(千種樫・訳/集英社文庫)
脚本:エンリコ・ヴァンツィーナ/フランコ・フェリーニ
撮影:ジュゼッペ・マッカリ
編集:レイモンド・クロチャーニ
音楽:ピノ・ドナッジョ

出演:トム・シャネリー(ボブ・クレーン)/ドナルド・プレゼンス(ダネージ警部)/
ソニア・ラウレ(クリスティーナ・ランドルフ)/ルネ・シモンセン(バーバラ)/
ビッグ・ラウラ/ニッキー[ニコラ]・ペラン(ジェシカ・クレーン)/ミッモ・セーペ
(リッゾ刑事)/サイラス・エリアス(宝石商ジョルジョ・ザノーニ)/
アンナ・ガリエーナ(ディアナ)/
マリー・マクドナルド(マルゴ・ウィルソン)/
マリー・マッギーレ(モデル)/カトリーヌ・ネイ(ケリー・ブリン)/パオロ・トメイ

●発表当時、一大センセーショナルを巻き起こした?マルコ・パルマの原作を元に
ミケランジェロ・アントニオーニが映画化を企画するも、ファッション界の圧力により断念!
80年の終わりになって、ようやく(喜劇が得意だったステーノの息子)、
カルロ・ヴァンジーナの手によって完成された曰く付きの1本。
洗練され過ぎていてかつてのジャーロ映画っぽさはないが、「ボディダブル」を
彷彿させるP・ドナッジョの音楽や、一人称を使ったカメラワークはなかなか。

アメリカ、ワイオミング州の国立公園で森林警備員をしているボブ(シャーレイ)は、
ミラノで売れっ子ファッションモデルになった双子の妹ジェシカ(ペラン)が、宿泊中の
ホテルで謎の人物が手にしたハサミで殺される不気味なフラッシュバックを見る。
不安になった彼がイタリアに飛ぶと、やはり妹は行方不明になっていた。

確固たる手がかりもない事件に興味を抱いたダネージ警部(プレザンス)は
ボブに協力、行方不明になったジェシカの捜査を始める。ボブはモデル事務所や、
妹が仕事をしていた有名な日本人カメラマンらに聞き込みを続けるが、
やはりジェシカの行方は掴めなかった。そんな時、ボブに近づいてきた
ジェシカのモデル仲間で、何か秘密を知っていそうなケリー(ネイ)が殺される。
ダネージ警部はコンピューターから、ジェシカの前にもう一人、
行方不明になったままのモデル、クリスティーナ(ラウレ)がいることを突きとめ、
彼女の友人であり、事件が起きた当時同じホテルに宿泊していた黒人モデル、
マルゴ(マクドナルド)に接触しようとするが、彼女もショーの最中、
楽屋に侵入した何者かによってハサミで殺害されてしまう。

事件の容疑者として挙がったのが、金に物を言わせてモデル達を手玉に
取っていたやり手の宝石商ジョルジョ・ザノーニだったが、彼にはアリバイがあり
シロと判明。いつしか恋に落ちたモデルのバーバラ(シモンセン)を残し、
失意のうちにアメリカに帰ろうとしたボブは再びフラッシュバックに襲われる。
幻影に導かれるように古びたアパートに辿り着いたボブの前に
意外な犯人が姿を現した。それはジェシカを心から愛していたバーバラだったのだ。
ジェシカはケリーやマルゴと一緒にザノーニの乱交パーティーに出席、
そこで実弾を込めたロシアン・ルーレット・ゲームで、クリスティーナが自ら
頭を撃ち抜いて死んだスキャンダルを黙っている代わりに、
ザノーニから口止め料として、高価なダイヤを貰っていたのだ。
バーバラは自分と肉体関係のあったジェシカが、事件以来心変わりをしたのが
許せずに殺害。一連の犯行の罪を行方不明のジェシカに着せるため、
彼女のトレードマークであるプラチナブロンドの扮装をして行っていた。
ボブは危ういところを警察に助けられるが、バーバラは車椅子に座らせた
ジェシカの死体と共に窓から飛び降りて死亡する。

描写的な面でアルジェントとデ・パルマからの影響大。
音楽もP・ドナジオ(少しは映画を選べ!)
他の出演者はレーネ・シモンセン、ドナルド・プレザンス(事件を調査する警部役)。

 

アクエリアス(85)
AQUARIUS
aka:Deliria/Bloody Bird/StageFright


「情事の目撃者 (V)」(85〜86)
LE COUTEAU SOUS LA GORGE
aka:Le Couteu sns Gorge(全洋画オンラインの仏題/間違い?)
フランス映画/カラー83分/ヴィスタサイズ(1.66:1)/日本劇場未公開/
ビデオ(仏語版/発売:日本コロムビア(クレジットはセレクト・イマージュ?)/
提供:アルバトロス・フィルム)

製作会社:ジャフィラ・プロダクション
監督・脚本:クロード・ムーロ

撮影:ブルーノ・アフレット
音楽:アラン・ジュエリス

出演:フローレンス・ゲラン(カトリーヌ)/
アレクサンドル・ステルリング/ナターシャ・デラン/
ブリジット・ラーエ/ジャン・ピエール・モーリン/
ピエール・ロンディッシェ/フランシス・レモニエール/
エマニュエル・カーセン/マリヴィーナ・ジェルマーニ/
キャロライン・ファブレ/ジェラルド・デゥボス/
シルヴィー・ロッティ/マルコ・ファビオ/
ラファエル・ゴッツァルボ/ロジェ・サンスール

美しいモデルのカトリーヌは墓地でエロティックな下着姿になり、
セクシーなポーズの写真を撮った。その作品が発表されると、
彼女に何度も怪電話がかかり、ストーカーの影がチラつき始める。
カトリーヌは自分の窮地を救ってくれた同じフラットに住む青年
ニコラと仲良くなるが、彼は何者かに殴られて大怪我を負い、
やがて写真を撮った関係者が血なまぐさい手口で殺害されていく。
いつも陰気で自分より美しいカトリーヌを妬んでいる義妹のアニー、
カトリーヌが娼婦をしていた頃の暴力的なヒモ男、
変態カメラマン、冷酷なやり手の女社長、ルームメイトでモデル仲間の
フロレンス(名字はゲラン。ギャグのつもり?:笑)・・・犯人は
カトリーヌの身近にいる人間なのか?

身の危険を感じたカトリーヌはニコラと共に街を離れようとするが、
実は彼こそが殺人犯だった。ニコラの父親は議員をしており、
問題の墓地の撮影時に現場にいるところを写真に撮られてしまったのだ。
怒りに狂った父親は衝動的にカトリーヌに良く似た女を襲い、
殺人を犯した後にトラックに身を投げ、跳ねられて死亡していた。
命からがら警察署に逃げ込んだカトリーヌだが、日頃から騒動を起こしている
彼女は事情を話しても信じて貰えず(この辺のサスペンスはまぁまぁ)、
後を追ってきたニコラに捕まり、危うく刺し殺されそうになる。

結局ニコラは警察官の放った銃弾に倒れ、カトリーヌは一人虚しく
自宅の部屋に戻ってくるが、その時不気味な電話がかかってくる。
犯人はニコラではなかったのか・・・??

「色情日記」の脚本を書いていたクロード・ムーロの監督作。
彼はこの作品の主演女優F・ゲランと組んで「プレイボーイ・コレクション
PART1・フランシス/PART2・ビーナス」(84)を監督。
他にも「インモラル・獲物」(86:監督・脚本)などの作品を発表している。

ヒロインに扮するのは「レディ・ドール」シリーズでお馴染みの
F・ゲラン。
他に「ラ・ブーム」のA・ステルリング、ゲランとはフランコの「フェイスレス」でも
チラッと顔合わせしていた「ディーバ」のB・ラーエがモデル事務所の
社長に扮している。彼女は「猟奇殺人の夜」「ゾンビクイーン」など
ジャン・ローラン作品には欠かせない女優さん。

パッケージを見る限り、単なるエロティック物のようだが、
中身は黒衣の殺人鬼が暗躍するミステリー色が濃厚。
ジャンル映画風のサスペンスフルな音楽が画面を彩るなか、
冒頭からレイプされかけた半裸のフローレンス・ゲランが
夜の街を疾走し、暗室のカメラマンがナイフでメッタ刺しにされ、
入浴中のブリジット・ラーエはシャワーヘッドで殴られて溺死させられる。
所詮は割れ鍋に綴じ蓋といった雰囲気の物語が展開する、
フレンチ風味の洒落たミステリーだが、全編を通じて
怯える表情が印象的なゲランと、毎度ながら妙な貫禄を漂わすラーエ、
2大ユーロ女優共演は嬉しいかも。

 

DELITTI(未)」(86)
aka:Crimes/Murders

●シルヴァ・コシナが主演した「悪魔の性/全裸美女惨殺の謎」(72)を
監督したセルジョ・パストーレの奥さんで、「悪魔の性」にも出演していた
ジャネット・レンこと、ジョヴァンナ・レンツィが監督した
セックス描写満載のスリラー・ホラー。
しかし素人さんが映画を撮るのは難しい(当然)ようで、
映画の出来は史上最悪のジャーロ、と評されるほど。
ちょうどH・G・ルイスの映画を思い出して頂ければ、何となく
仕上がりがイメージできるかというもの。但し血まみれ場面は抜きで。
お話は顔をマスクで隠した殺人鬼が次々残虐な殺人を繰り広げる内容で、
若い探偵が周囲の予想を裏切って犯人が二人いたことを突き止める
(でも何が起きているのかすら良く分からないので、犯人が捕まっても・・・?)。
「Giallo A Venezia」のジャンニ・デーイが主演で、共演は
「猟奇!食人鬼の島」のサヴェリーオ・バローネ、「Strip Nude for Killer」の
ソルヴィ・スタビング、「タッチ・オブ・デス」のサッシャ・ダーウィン、
ミケーラ・ミッティら。ビデオは伊語のバージョンのみ?
海賊屋ミッドナイトビデオのバージョンには「新・サスペリア」からの
残虐ハイライト場面が(お口直しに)収録されていてお得感が大。

 

LA CASA DEL BUON RITORNO ()(86)

●監督:ベッペ・チーノ。出演:アマンダ・サンドレッリ、ステファーノ・ガブリーニ、
ローラ・レッダ、フィアメッタ・カレーナ。音楽:カルロ・シリオット。
田舎にある両親の家に帰ってきた若い青年。屋敷についてすぐ、彼は幼い頃の
異常で恐ろしい記憶の断片に悩まされる。彼は子供の頃、自分と同じ年の少女を
冗談半分にテラスから突き飛ばして殺してしまっていたのだ。
奇妙な隣人達も彼に過去を思い起こさせ、遂には少女の幻影が彼の前に現れる・・・。
イタリア語マスターのビデオがハッシュ・ムーヴィーズというレーベルから出ているが
自主映画レベルの画質がちょっと信じられない1本。

 

キャロルは真夜中に殺される(86)
YOU'LL DIE AT MIDNIGHT

aka:Morirai a Mezzanotte/Midnight killer

●ランベルト・バーヴァがTVの為に撮った?ジャーロ・サスペンス。
数年前に焼死したとされる性犯罪者の犯行をなぞった異常な殺人事件が発生。
事件を捜査する警部(パオロ・マルコ)の娘キャロル(ララ・ウェンデル)と、
彼女の女友達らにも殺人者の魔手が迫るが・・・。クラウディオ・シモネッティが
担当した音楽が冴える1本。まぁ内容はランベルト氏ですからねぇ・・・。
他の出演者はバレリア・トレビリオ、エレアナ・ホッペ、ジャンパウロ・サッカローラ、
ディノ・コンティ、リア・マルティーノ(ルチアーノ・マルティーノの一人娘)ら。
(詳しくはタイトルをクリック!)

 

白い肌にひそむ罠 (V)(8687)
CARAMELLE DA UNO SCONOSCIUTO
aka:Sweets for a Stranger


●アルジェント映画などの脚本で知られるフランコ・フェリーニが監督を担当した
社会派ジャーロ。売春婦ばかりを狙った残虐な剃刀殺人が横行。いつもは
被害者になって命を落とす彼女たちは、一致団結して犯人を捕まえようとする。
さすが脚本家だけあって、面白いアイデアが満載。エロティック映画に分類されて
しまっているが、このジャンルのファンは必見の1本である。
出演は「バンパイア・イン・ベニス」のバルバラ・デ・ロッシ、パゾリーニ映画の
常連女優で「血みどろの入江」等にも出ていたラウラ・ベッティ、
「暗闇の殺意」「パニック・アリゲータ」のアニー・パパ、
「デモンズ2」「タイム・スプラッシュ・ガール」のナンシー・ブリリら。
豪華な?女優陣を見るだけでも楽しい作品。

オペラ座:血の喝采」(87)
OPERA
aka:Terror at the Opera


●アルジェントの分身のようなホラー映画監督マーク
(イアン・チャールソン)が演出を務めるオペラ劇、マクベスの
主役に抜擢された若い歌手ベティ(クリスティーナ・マルシラック)の周りで
次々に異常な殺人事件が起こる。黒マスクの犯人は
ベティを縛って身動きできなくしたうえ、目の下にセロテープで針を固定し、
目の前で行われる残虐な殺人をどうしても
見なくてはいけない状態にして犯行に及ぶ。
警察から派遣されたアラン警部(ウルバノ・バルベリーニ)が
事件の調査に当たるが、犯人は衣装係のジュリア
(コラリナ・カタルディア・タッソーニ)や、エージェントのミラ
(ダリア・ニコロディ)を残虐な手口で血祭りに上げていく。
一連の事件はベティの死んだ母親と犯人の間にあった確執に
端を発していたことがラストで判明する。
アルジェントが自作中、最大の制作費を得て様々なフェティシズムや、
倒錯的な映像美、流麗なキャメラワークなどに徹底的に拘った異常な傑作。
日本で観れるバージョンからはオリジナルにあった、
作品の意味を決定付ける印象的なラスト・シーンが欠落してしまっており、
あのバージョンで評価を定めることは無意味である。
脚本段階で落ちた要素にも、捨てがたい内容のシーンが
数多くあったことでも知られている。詳しくは
ココ
待ちに待ったアンカー・ベイのDVDは英語版・シネスコ・完全版。
ファンならずとも、マスト・アイテム!

 

デモンズ・キラー:美人モデル猟奇連続殺人事件 (V)(87)
PHOTO OF DELIRIUM
aka:Le Foto Di Gioia/Photo of Gioia


●ランベルト・バーヴァ版「モデル連続殺人!(考えたくない・・・)」。
売り上げNo1を誇るセクシー系男性誌「プッシー・キャット」のオーナー、
グロリア(セレナ・グランディ)の周りで、売れっ子モデル達が次々行方不明に。
そして惨殺された彼女たちの死体は、グロリアのモデル時代の
大型写真の前で無惨なポーズを取った写真としてグロリアの元に送りつけられる。
異常な連続殺人の犯人は誰なのか?その動機は?
バーヴァの映画らしく、出演者がオールスター揃い。
途中で(文字通り)消える経営アドバーザーがダリア・ニコロディ、
グランディの元恋人が「猟奇!食人鬼の島」のジョージ・イーストマン、
雑誌のキャメラマンが「アクエリアス」「カリギュラ2」のデビッド・ブランドン、
グロリアの窮地を救う隣の少年が「デモンズ」のカール・ジニー。
モデル役でサブリナ・サレルノも出演!音楽はお馴染みS・ボスウェル。

 

ブラッディキャンプ/皆殺しの森 (V)」(87)
BODY COUNT
aka:Camping del Terrore



ブラック・エンジェル:黒衣の天使 (V)(8788)
BLACK ANGEL
aka:Arabella L’Angelo Nero/Angera, The Black Angel

●「フェラーリの鷹」など、アクション映画を得意とする
ステルヴィオ・マッシが、イタリアン・ポルノ界の大物
ティーニ・カッシーノを起用して撮り上げた猟奇スリラー。

新婚旅行に向かう車の中でフェラチオをしていて事故に遭い、
下半身が不自由になってしまったフランク(フランチェスコ・カッサーレ)。
車椅子で作家活動を続ける彼に献身的に仕える若妻デボラ
(ティーニ・カッシーノ/伊版ではアナベラという役名になっている)には
実は裏の顔があった。毎晩セックスの相手を求めて、郊外にある
娼婦の館や、いかがわしいバーに出入りする日々を送っていたのだ。
そんなある日、秘密のSMクラブに出かけた彼女は警察の手入れに会い、
悪徳刑事からレイプまがいの暴行を受けた。しかも彼女は現場に
ハンドバックを忘れたことから、刑事は自宅まで押し掛けて来た。
仕方なく?再び体を与えるデボラ。だがその現場を夫に見られてしまい、
彼女は発作的に刑事を殴り殺してしまった。
夫の協力で死体を隠したデボラは、小説の題材になるからと、
よりエロティックで危険な盛り場へと出入りするようになった。

やがてデボラの痴態を写真に撮っていた私立探偵(ジョセ・ダヴィ)が
何者かに刺殺され、デボラと一夜を共にした男娼もハサミで刺されたうえに
男根を切り取られるという異常な手口で惨殺される。
事件の調査に当ることになった腕利き女警部ジーナ・フローアー
(ヴァレンタイン・デミー)は、信頼していた筈の助手(レナ・ニエハウス)に
自分の家庭で起きた猟奇殺人の過去をバラされ、そのうえ
レズビアンであることも暴露されてしまう。同僚たちの冷ややかな視線を
浴びながら、彼女は必死で犯人を捜していく。

殺人は続き、ジーナを差し置いて手柄を物にしようとした助手も
犠牲者になってしまった。ジーナはデボラ達の周囲が怪しいとにらみ、
フランクの母親マーサ(イヴリン・スチュアート)を訪ねる。
ある晩もデボラは情事の相手を求めて男娼がたむろする
路地裏へ車を走らせていた。セックスを終えて、森から帰ろうとした
デボラの前に現れたのは自由に歩き回るフランクだった!
彼は小説の題材を得るために、不自由な体を装っていたのだ。
異常興奮したフランクがデボラに襲いかかる!しかし、そこに
ハサミを手にした人物が・・・鋭利な刃先がフランクの背中に突き立てられる。
暗闇の中で待ちかまえていたのは、義理の母マーサだった。
彼女は倒錯した性を憎み、殺人を続けていたのだ。
更にフランクとジーナは異母兄弟で、ジーナの夫が殺された事件も
マーサが犯人だったのだ。ショックから立ち直ったデボラを
ジーナは優しく抱きしめる。だがデボラの手には夫が書き残した
倒錯小説「黒衣の天使」が握られていた。
今夜もデボラは性の歓びを求めて夜の街へと彷徨い出ていく・・・。

50'sセクシー、ベティ・ページに似た髪型で登場する
ティーニ・カンシーノは「思春期のオマージュ/萌え盛る熱き憶い」(87)、
「トンチキ・ポリス・アカデミー」(85)が知られるイタリアン・グラマー。
ボリュームたっぷりな肉体の持ち主だが、余りに濃い雰囲気が
日本人には受け入れがたいタイプの女優かも。
相手役のF・カーセルは「背徳小説」(94)の出演者。
他に「聖少女アンジェラ」や「ブリッジ・トゥ・ヘル」のベテラン俳優
カルロ・ムカーリ、昔は清純派風のルックスだったジャーロ映画の
常連女優イヴリン・スチュアートが、さすがに老けた印象
(何たって母親役!)で顔を出している。
また「Nero Veneziano」のレナ・ニエハウスがお慰み程度に
ヌードを披露。およそ90分の収録時間がある日本版は
JAVN/松竹のレーベル「ペントハウス」から出ている
英語音声のキレイなマスター。ボカシは入ってますが、
お話を追う分には十分お勧め出来るバージョンです。

 

PATHOS-SEGRETA INQUIETUDINE (未)」(87)
aka:Obsession-A Taste for Fear

 

華麗なる殺人:死ぬには美しすぎて 」(8889)
TOO BEAUTIFUL TO DIE
aka:Sotto Il Vestito Niente 2

イタリア映画/カラー90分/ヴィスタサイズ/
日本劇場公開89年10月(配給:ヒューマックス)
ビデオ(東芝映像ソフト)

製作会社:グルッポ・ベマ/レテイタリア
製作:アキーレ・マンゾッティ
監督・脚本:ダリオ・ピアーナ
共同脚本:クラウディオ・マンシーニ/アキーレ・マンゾッティ
撮影:アラン・ジョーンズ
音楽:ロベルト・カッチアハグリ

出演:フランシス=エリック・グエンドロン/
フローレンス・ゲラン/ランディ・インゲルマン/
ダリオ・パリシーニ/ジョイア(・マリア)・スコラ
ジョヴァンニ・タンベリ(アレックス)

●ダリオ・ピアーナによるいかにも80年代風のお洒落なジャーロ映画。
同じミラノを舞台にした「
ドレスの下はからっぽ」の数字上の続編である。
89年のイタリア国内チャートで「ロジャー・ラビット」に次ぐ
第2位のヒットを記録したという。(あまり自慢にならないけど)
監督ピアーナの演出は徹底的に派手、かつきらびやかで、
まずは90分を見せ切ってくれる。
出演は「レディドール」シリーズでエロティックな演技はお手のものな
フローレンス・グェラン(「デモンズ6」「若妻の匂い」)と、
「アンティル・デス」のジョイア・マリア・スコーラ。

華やかなモデル業界。業界の大物が主催したパーティーで
レイプの標的にされた美人CFモデル、シルヴィアが謎の事故死を遂げた。
しかし自動車事故で焼死した筈の彼女の頭蓋骨には弾痕が。
モデル友達と一緒にパーティーに参加したシルヴィアは、
レイプの一件で錯乱したまま金持ちの屋敷を飛び出していた。
やがて、彼女の死に荷担したモデル達が、一人ずつ謎の殺人魔によって
酷たらしく惨殺されていく。シルヴィアの
妹メラニーは犯人を探そうと、
CMディレクターのデヴィッドに助けを求めるが・・・。
そして遂に判明した犯人は思いもよらぬ人物だった・・・。

 

ナイトメア・コンサート (V)(89)
NIGHTMARE CONCERT
aka:Un Gatto nel Cervello/A Cat in the Brain


●ルチオ・フルチが自ら彼自身として登場する異色作。
ゴア映画を撮り続けたせいで、現実と血みどろワールドの境界線が
つかなくなってしまった老ルチオ・フルチが、口煩い妻を殺害しようとする
精神分析医の画策によって、スプラッター殺人事件の犯人にされてしまう。
何だか良く分からないお話だが、フルチがプロデュースした作品2本と
フルチ自身の「タッチ・オブ・デス」「ゴースト・キラー」等からの引用される
大量のゴア・フッテージのインパクトだけは相当強烈で、これ1本で
満腹間違いなし。

 

偽りのジェラシー (V)(89)
FASHION CRIMES
aka:La Morte e di Moda

イタリア映画/カラー・91分/日本劇場未公開(ビデオ:ヘラルド)

製作:ルチアーノ・アビグナーニ
監督:ジョー・ブレナー(ブルーノ・ガブッロ)
撮影:セルジョ・ルビーニ
音楽:フィリッポ・トレッカ
出演:アンソニー・フランシオサ(リッツォ署長)/
マイルズ・オキーフ(精神科医:マルコ)/
テレサ・レオパルディ(グロリア)

●これ以上狂わせないで!トップモデルのグロリアを襲う奇怪な事件。
彼女が目撃した殺人現場の豪邸が、1日後には廃墟になっていた。
本当に殺人はあったのか?グロリアの周りで再び連続殺人が起きていく・・・。
ドレスの下はからっぽ」以来、ちょっとした流行になった
ファッション界を舞台にしたスリラー映画第3弾。

今回は車が郊外で故障してしまった為に、電話を借りにある屋敷に
足を踏み入れた若いヒロインが、女性が殺される所を目撃してしまうが、
警察と一緒に再び屋敷を訪れると、そこは完全に廃屋になっているという
オープニングから始まる。狐につままれたような彼女の周囲に
謎の殺人者が暗躍、事件の真相を知る人間達が殺されていく。
やはり最後は(悪い方に)ビックリのエンディング。
主演は「シャドー」のアンソニー・フランシオサ。
監督のジョー・ブレナーは
ブルーノ・ガブッロの変名
(アレックス・ロマーノという名前も使っているようす)で、
他の監督作品として「秘められた好奇心/テーブルの下の誘惑(V)」(74)、
「エロチック・ゲーム(V)
」(83)と、翌年の続編、「ローラの秘め事(V)」
「聖女(シスター)のもだえ(V)」(共に87年)があり、
本作の後は、ダリラ・ディ・ラッザーロと組んで「裏窓の女
(V)」(89)や
「NEWレディ・ドール(V)」(90)というエロティック・サスペンスを作っている。


−90年代−

NEW レディ・ドールU (V) 」(91)
OMICIDIO A LUCI BLU
aka:Homicide in Blue Light/Murder in Blue Light

●ジェーン・フォンダとドナルド・サァーランドが共演した「コールガール
/Klute」からプロットを拝借した、アル・ブラッドレー(アル・ブレッシア)の
ジャーロ映画。J・フォンダの演じた娼婦とモデル、2つの顔を持つ女に
「華麗なる殺人:死ぬには美しすぎて」のフローレンス・グェラン。
彼女が出ているせいで邦題が<レディドール>シリーズになっているが、
中身は原色照明に埋め尽くされた、アルジェント・タッチのジャーロ映画。
「コールガール」ではサザーランドが演じた警官役に、
「ヒッチハイク」「鮮血の美学」のデイビッド(・A)・ヘス。
彼が女装して犯人を射殺するシーンは「ナイトホークス」からのパクリ?
原題はブライアン・デ・パルマの「ボディ・ダブル(イタリア題は
「Murder in Red Light」!)」からの引用らしい。全てが借り物の凄い映画。
共演にブライアン・ピーターソン、ジョセフ・ミスティ、リック・バッタグリア、
ウェンディ・ウインドマンら。

トラウマ:鮮血の叫び」(92)
TRAUMA

●ダリオ・アルジェントが愛娘アーシアを起用して作ったスラッシャー・
ミステリー。母親の霊能力を用いて降霊会に熱中する両親を殺された
拒食症の少女アウラが、TV局の青年デイビッドと手を組んで真犯人を発見するまで。
アルジェント曰く「これは愛が心の痛みを癒す物語」だとかで、残虐描写の方は
今までよりも控えめだが、それでもアルジェントとT・サヴィーニが考案した
<首切りマシーン>が登場、ユニークなヴィジュアルを展開している。
音楽は「殺しのドレス」などブライアン・デ・パルマ映画で有名なピノ・ドナッジョ。
英語版より長いイタリアン・バージョンについては
ココを。

 

ボディ・パズル (V)(92)
BODY PUZZLE
aka:Corpo Perplessita/Misteria


●ランベルト・バーヴァが「サスペリア2」「ザ・リッパー」の
キャメラマン、ルイジ・クヴェイレルと組んで久々に発表したジャーロ。
交通事故で夫を亡くした美貌の大富豪夫人(「金曜日の別荘で」の
ジョアンナ・パクラ)が、バイク事故で死んだ夫の臓器を移植した
人間達を殺し、その一部を切り取って送りつけるマニアックに
つけ狙われる内容。「サスペリア」のスザンヌ・ジャンブコリーが
デパートのトイレで殺される2番目の犠牲者役で登場。
その他にも「死霊の七人」のエリカ・ブラン(精神分析医)、
「ザ・サイキック」のジャンニ・ガルコ(主人公の警部の上司)、
「地獄の門」のジョン・モーゲン(ホモの乗馬スクール経営者)ら
豪華な?ゲストスターが集結。通好みキャスティングはさすが
L・バーヴァ、ソツなくこなしているって感じか。
前述のクヴェイレルが担当したゴージャスな画面作りと、
フルチやダマートの映画を良く手掛けていた
カルロ・マリア・コルディーオの音楽のサポートもあり、
一見した感じは一級映画のような出来。ラストのオチは
相変わらず壮絶だが・・・。他にも妙なコマ落とし効果や、
ナイフを持った殺人鬼が水中から襲いかかるプールでの
殺人シーンなど、笑える場面もいくつか。
事件を調査する警部には「デモンズ3」のトーマス・アラナ。

 

AGENZIA CINEMATOGRAFICA ()(93)

●監督/原案・脚本/音楽:ニーニ・グラッシア。
ジェームズとジョージは映画製作スタジオの所有者だが、ある朝
清掃婦がスタジオでメッセージ・ボーイの死体を発見する。
ジョージは美人女優のグロリアにスクリーン・テストを受けさせるため
彼女と会い、やがてベッドを共にするが、グロリアこそ殺人事件の犯人だった。
彼女は自分を殺そうとしたメッセージ・ボーイを逆に殺害したのだ。
全てはビデオに残されていた・・・。

 

WASHING MACHINE ()(93)

●ルジェロ・デオダートが90年に入って発表したゴアリーなスラッシャー映画。
洗濯機の中に殺した人間を入れて立ち去る(血のバレンタイン!)殺人者が登場する。
退廃的な生活を送るヴァイダと彼女の3人のロシア人姉妹は、一緒に大邸宅に住んでいた。
彼女らはユーリというプレイボーイの注意を引こうと、お互いに激しく争い会うが、
ある朝、彼はバラバラに切断された死体となって洗濯機の中で発見された。
事件を捜査する警部は、姉妹の間に張り巡らされた様々な愛憎や、縺れた思惑の
糸を解いて犯人を発見する。P・ナッシーの「女の館」タイプのスリラー映画で、
ヌードやゴア描写がタップリとの売り。出演はフィリッペ・カロート、イラリア・ボレーリ、
カシア・フィグーラ、バルバラ・リッチ、ヨルゴ・ヴォヤージズら。
音楽を担当したのは元ゴブリンのクラウディオ・シモネッティ。
いかにもキーボード担当のシモネッティらしい、ド派手なスコアはまぁまぁ。

 

サスペリア2000(V) 」(96)
FATAL FRAMES
aka:Fotogrammi mortali

●ミュージック・クリップの監督や、作曲の仕事をしていたアル・フェスタが
自費で撮り上げたジャーロ映画。様々な困難を乗り越えて製作された映画だが
出来が悪く、<エド・ウッドの再来>などと評価されていたが、実際の作品は
若干間延びしているものの、ユーロ・トラッシュの王道を行くような仕上がり。

<物語>
アメリカの売れっ子MTV監督、アレックス・リット(リック・ジェナージ)は
イタリア人の同業者で友人のダン・アントヌーチ(レオ・ダニエル)から、
彼の恋人でイタリアの人気歌手ステファニア・ステラ(ステラ自身)の新曲、
「永遠の都」のビデオクリップをイタリアで撮ってくれないかと依頼される。
アレックスの妻でモデルのイザベラ(ジョージア・ボンジアーニ)は
数ヶ月前にNY市民を恐怖に陥れた連続殺人魔<ビデオキラー>の
犠牲になっていた。<ビデオキラー>は若い美人ばかりを狙って
蛮刀を振るい、その肉体をメッタ切りにして死体をビデオに撮影し、
警察に送りつけていた。犯人は捕まらないままで事件の調査は難航していた。

アレックスは生活を一新させるため、そして破格のギャラにも惹かれて
イタリア行きを引き受ける。ダンの出迎えで空港に降り立ったアレックスは
乞食(チッチョ・イングレッシア)から物乞いを受ける。
しかしアレックスが乞食に札を渡すと奇妙な事が起こった。
乞食は怯えたような表情をして渡された札を返し、
忌まわしい物を見るかのような視線でアレックスを見ながら立ち去った。

ダンの案内でステファニアを始めとするビデオの関係者に紹介された
アレックスは、ダンサーのグレタ(カルメリンダ・プレステル)や、
アメリカから仕事に来ているというレベッカ(ヴェロニカ・ローガン)らと出会う。
その夜、レベッカに呼び出されてクリップのロケ地になっている
深夜のサンタンジェロ城に出向いたアレックスの目の前で、
彼女は奇妙な仮面を付けた人物に蛮刀で顔面を叩き割られて惨殺される。
しかしアレックスが警察を呼んで現場に戻ると、殺害現場となった庭園に
彼女の死体はなかった。事件を調査するポネーリ警視正(デイビッド・
ウォーベック)らは、曖昧な証言をするアレックスを容疑者にして捜査を始めた。

その翌朝、警察にビンチョ広場に死体を撮った8oビデオを置いたという
謎の女からの怪電話がかかってくる。アレックスはダンや、彼の弟のルーカ
(マルチェル・マルコウン)に手伝われながら、ステファニアのクリップを撮影する。
その夜、アレックスらは文明を嫌って隠居生活を送っている、不気味な
盲目の伯爵夫人、ミラフィオーリ(アリダ・ヴァリ)の広大な屋敷を訪ね、
腕利き占い師タマラ(ニーナ・ソルダーノ)の提案で降霊会を行った。

そこに現れた血だらけのレベッカの霊はアレックスを指すと、
「お前が私を殺した!」と叫んでかき消えた。
逆上してその場を立ち去ったアレックスの元にタマラから電話がかかり、
大事な話をしたいからコロッセオに来てくれと言われる。
しかし、コロッセオに着いたアレックスの携帯電話に謎めいた女から
電話がかかり、タマラを殺すとだけ告げると切れた。建物の影にタマラの姿を見た
アレックスは彼女を追うが、再び彼の目の前でタマラは謎の殺人魔によって
メッタ切りにされてしまった。

警察はNYの<ビデオキラー>の被害者リストから、事件の3番目の
被害者がアレックスの妻であることを突きとめ、腕利きのルチディ判事
(ロッサノ・ブラッツィ)が事件に関わる事になる。
またアメリカから<ビデオキラー>を追っているFBIの
ロビンソン博士(ドナルド・プレザンス)がローマにやって来る。

トレビの泉で撮影中、ルチディ判事の訪問を受けたアレックスは
判事から、彼が妻との離婚を控えた中で殺人が起きたことを指摘される。
殺人犯に狙われていると感じたアレックスはアメリカに帰ろうとするが、
ステファニアやダンから止めた方が良いと諭される。
バーで出会ったダンの友人の超心理学者ウェンディ・ウィリアムズ
(リネア・クイグリー)から、タマラが行った降霊会のトリックを解明すると
協力を申し出られたアレックスだったが、ウェンディはどこか怪しげな
素性の女だった、ダンは半信半疑のままバーを立ち去る。

ロビンソン博士が持参したテープから、NYの殺人者の犠牲者となったのは
バレーダンサーのジーナ、クロアチア人のジプシーで万引き歴があったリタ、
そしてアレックスの妻でモデルのイザベル・フェアブレイン、
当時
19才のレズビアンの愛人がいた売れっ子売春婦ジェシカ、
そしてドイツ人の若い旅行者インガらであることが分かる。

ローマを去ることを決心したアレックスはステファニアとのディナーを楽しみ、
そこで彼女がまだ少女だった頃にCMに一緒に出ていたこと、
そしてたまにNYを訪れていたことを知る。心を通わせた2人は
ベッドを共にする。

警察はロビンソン博士のプロファイリングから、犯人がクリップ撮影現場の
予定表に従って殺人事件を起こしていることを掴む。
そして呼び出されたプロデューサーのマリーニ(アンドレア・フェスタ)の口から、
実はトレビの泉の撮影はカンピドーリオだった事を
聞き出す。
そして問題のカンピドーリオではジョギング中のダンサー、
グレタが襲われ、その首を切断されてビデオに撮影されていた。
警察が駆けつけたとき、現場から不審なワゴン車が走り去っていった。

やがてローマ空港にイザベラの父親で、ブロードウェイの有名な演出家である
リチャード・フェアブレイン氏(ジェフリー・
コプレストン)が到着する。
彼は博士ですら知らない、ある情報を警視に伝えようとやって来たのだった。
一方警察に呼び出されたアレックスは、自分を疑っているロビンソン博士と
オフィスで鉢合わせし、危うく殴りかかる寸前の口論になってしまう。
アレックスは自分の見た犯人の姿や殺人事件について
ウェンディに分析してもらうが、心のモヤは晴れない。
アレックスは更にウェンディから、殺人魔の姿と良く似た人物が
描かれた絵画を見せられる。それはかつて悪霊に取り憑かれて妻を殺害した
呪われた画家、アンドレア・ピサーニの描いた物だった。
郊外にある画家の墓を訪ねたアレックスは、その墓前で不気味な男
(アンガス・スクリム)と出会う。男は妻殺しの画家の話は単なる伝説で、
実際は娼婦を殺して絵を描いていたのだと話すと一瞬にして姿を消した。

一方、フェアブレイン氏はステファニアと会い、何か秘密の計画があることを話す。
ステファニアには恋人のダンにも言えない恋心をアレックスに抱いていた。
ステファニアの留守中に彼女の部屋を訪れたアレックスは墓場で出会った画家、
ピザーニの肖像画が飾られているのを見つけ愕然となる。
そして悪夢の中で彼を切りつけた殺人者の仮面の下にはステファニアの顔があった・・・。
目覚めた彼の耳に、ステファニアの留守電にメッセージを残すウェンディの声が
聞こえている。「カタをつけるために伯爵夫人のところに向かうわ」
彼等は全てグルなのだろうか?
問題の画家ピサーニの絵画が伯爵夫人の屋敷にあった事を思い出し、
手がかりを求めて夫人の屋敷を訪れたアレックスは、
地下室で首筋に蛮刀を突き立てられたウェンディの死体を発見する。

警察の元にウェンディの虐殺ビデオが届き、留守中の伯爵夫人の屋敷を
再調査することになる。ボネーリ警視正の部下カルツェッタ刑事
(マッシモ・ピタレーロ)は、そこで殺人魔のビデオカメラや凶器を発見、
そこに偶然現れたダンが髪を束ね、カメラを回
すと、ビデオ画面に映っていた
犯人の影にそっくりなのを発見、とっさに拳銃でダンの胸を撃ち抜き窮地を脱する。
病院に収容されたダンは命だけは取りとめ、これで事件は解決したと見なされた。
ロビンソン博士は宿願のハロウィン事件を解決しにアメリカへ帰っていった。

しかし、なぜか釈然としない物を感じたボネーリ警視正は
ステファニアのビデオ撮影の現場を再び訪れ、衣装スタッフから
ジーナがかつて出演していたCMの写真を見せられて愕然とする。
そこに映っていたのは若かりし頃のステファニアの姿だった。
事件の真犯人はダンではない!再び警視正の元
にフェアブレイン氏が現れ、全ての真相を話すと告げる。
一方ルーカやステファニアと話し合った後、編集室に向かったアレックスは、
ビデオに残された人影がステファニアであることに気付く。
その時、彼の背後に血塗られた蛮刀を持ったステファニアが!
殺された守衛の握っていた拳銃で彼女を撃ち殺したアレックスの前に
事件の被害者達がおぞましいゾンビとなって現れる。

血みどろの彼女たちは一様にアレックスに向かって「殺人者!」と叫ぶ。
混乱した精神状態の中でアレックスは、自分こそがNYの<ビデオキラー>
だったことを告白する。アレックスは離婚を申し出て自分を捨てようとした
妻のイザベルを殺害した罪を逃れるために、事件を連続殺人と見せかけて
他の関係のない女たちをカムフラージュに殺害していたのだった。
実はダンサーのグレタは、ドイツ人旅行者インガの親友、
超心理学者ウェンディは、殺された娼婦ジェシカの愛人、
アメリカ人ダンサー、レベッカの従姉妹に当たるのがアレックスの妻イザベル、
タマラの母親はジプシーのリタだった。
そして最初にアレックスが殺したジーナこそ、ステファニアの実姉だったのだ。
この茶番とも呼べる<殺人劇>の筋書きを仕組んだ、全ての作者は
イザベルの父で有名な劇作家である
フェアブレイン氏、その人だった。

全ての罪を告白したアレックスに拳銃を突きつける
ステファニア。
しかし、ボネーリ警視正の説得によって彼女は拳銃を離し、
幼児退行の症状を起こした
アレックスは警察によって逮捕された。
彼の中で幼い頃の記憶が甦る。凄まじい雷鳴が轟く中、
豪邸に住むアレックスの父(ジョルジョ・アベルタッツィ)が密かに愉しんでいた
スナッフ・フィルムを覗き見てしまった忌まわしい記憶。
彼の父は嫌がるアレックスを膝に乗せ、無理矢理画面を見せつけた。
映画の中では蛮刀を手にした殺人者(アンドレア・ペロージ)が、
全裸の黒人女性(スプウィー・シバンダ)の体を切り刻み、
腹を引き裂いていた。最初は怖がっていたアレックス少年だが、
次第に画面に惹きつけられ、最後には女性の断末魔を見て笑いだす。
アレックスの中の狂気が芽生えたのは、まさにこの瞬間
だったのだ。
その頃、父親の豪邸では何者かが次なる殺人を予告するかのように
ビデオカメラに8oテープをセットしていた・・・。

<解説>

思いも寄らない形で99年のクリスマスに日本でビデオが発売された
伝説の?ジャーロ映画。ローマ観光案内のごとく、名所を次々に
赤や青の原色画面に写し出していくサービス精神が嬉しい作品。
またもう一つの見どころとして、有名人のカメオや特別出演が用意され、
お客が退屈しかけたタイミングを見計らったように彼等が登場してくるのは
なかなか面白い。アメリカ側からは「ファンタズム」のアンガス・スクリム、
スクリーム・クイーンのリネア・クイグリー、「ハロウィン」のドナルド・
プレザンスらが登場。何より主演のリュック・ジェナージ自身が
トロマの「カブキマン」等のB級怪作に数多く出演していた俳優で、
監督のアル・フェスタのマニアックぶりが伺える。またイタリア側からは
「サスペリア」のアリダ・ヴァリ(すっかりお婆さん!)、日本ではイマイチ
馴染みが薄いがイタリアを代表する喜劇俳優のチッチョ・イングラッシア、
ウーゴ・バグリアイ、ジョルジョ・アヴェルタッツィら、有名俳優が続々登場。

撮影中に特別出演していた「旅情」の名優ロッサノ・ブラッツィと、
ドナルド・プレザンスが死去してしまい、ブラッツィの後を埋める形で
「ビヨンド」のデイビッド・ウォーベックが登場、思わぬ活躍ぶりを見せてくれる。
プレザンスの方は仕方なく別の役者にマスクを被せ、逆光で撮影するなど
(しかもそこに「ハロウィン」のテーマをかける低俗ぶり)、
痛々しい穴埋め作業がそこかしこに見られる。
(更に何と作品完成後にウォーベックまでもが死去!不幸にもこの作品は
数多くの役者にとって<遺作>となってしまった。

日本でリリースされた際には「サスペリア」の邦題をパクッたが、
もちろん内容的には無関係。資料によっては140分とされる本編だが
日本版は2時間ちょうどだった(アメリカでシナプスからリリースされた
DVDは日本版よりも若干台詞などが長いバージョン。S・ステラの爆笑
ビデオ・クリップ、メイキング・ドキュメントなど映像特典も満載。
但し、全長版は更に長く、こちらは海賊市場で出まわっているテープで
チェックできる)。こうしたロング・バージョンの中身はS・ステラが
踊り唄う場面と、枝葉のシーンが中心。もうすこし刈り込めば
タイトな印象になったはず。それでも捨てがたい1本だ。


↑今回も殺され役のリネア・クイグリー。だいぶオバさん入ってます。

 

タンダール・シンドローム」(96)
THE STENDDHAL SYNDROME

「シザーズ (V)」(00)

●久々のイタリアン・スリラー最新作。しかも舞台はファッション業界!
「シビルの部屋」で一世を風靡したアン・ザカリアスの娘、サッシャが
連続殺人鬼に狙われる新進モデルに扮する。共演に
「地獄の門」の少年から
すっかり成長したルカ・ヴェナンティーニ、
サッシャの父親役で
こちらもすっかりご無沙汰のレイモンド・ラブロックも顔を出す豪華キャスト。

 

スリープレス」(00)
Non Ho Sonno
aka:I can't sleep


●ダリオ・アルジェント必殺の新作。しかも内容はジャーロ系。
数十年前に起きた連続殺人事件を追い続ける老刑事と、
その被害者となった母親を亡くした若い刑事のコンビが
再び殺人を始めたシリアル・キラーを追いつめていく内容だとか。
タイトルの「I can't Sleep」とは殺人鬼が殺しの手口を考えるのに熱中、
夜も寝られないというところから持ってきた題名らしい。
首が切り取られ、鮮血がまき散らされる、往年のアルジェント・タッチが
復活していると評判の作品だが、実際の仕上がりはいかに?!


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