不完全ジャーロ年表
(1974〜1979年まで)
(取り敢えず現在は簡単に見られる物と、それなりの知名度がある物を中心に
リストアップしました。今後も知名度の低い物などを随時アップします。)
「THE
KILLER RESERVES NINE SEATS(未)」(74)
aka:L'Assassino
ha Riservato nove poltrone
●ジュセッペ・ベナンディが撮ったジャーロ映画。演出家のパトリックは
新作演劇の為にリハーサルを行おうと、仲間の役者達を連れて、
古びてうち捨てられた劇場に集まるが、彼らは亡霊の?管理人によって
一人ずつ無惨に殺されていく。ちょっと「アクエリアス」に似た感じのジャーロ。
見物は豪華なキャストで、最後まで生き残るロザンナ・シャッフィーノを筆頭に、
演出家役のクリス・アヴラム、ルクレチア・ラヴ、アンドレア・スコッティ、
ポルノ映画スターのパオラ・セナトーレ、ハワード・ロス、そして最初の
犠牲者役でジャネット・アグレン。音楽はカルロ・サヴィーナ。
「5人の女と殺人者 (未)」(74)
5 DONNE
PER L'ASSASSINO
aka:Five Women for the Murderer
●B級アクションの旗手、ステルヴィオ・マッシも一応ジャーロを
撮ってみました、という雰囲気が濃厚な1本。
出張から帰って来た主人公が、妊娠中の妻が死亡したことを知り、
更に女医のカルテから自分が無精子症で、子供が出来ないことを
知ってしまう。やがて主人公の周りで妊婦ばかりを狙った残虐な
連続殺人事件が発生、その死体には<生殖>を示す謎の記号が
残されていた。魔の手は主人公にも迫り、ついに彼の留守中に
幼い赤ん坊と若いベビーシッターが襲われるが、すんでのところで
彼が駆けつけ、犯人は彼に横恋慕した女医だと判明する。
彼女は不妊症で、主人公のカルテを無精子症の患者のそれと
入れ替えていたのだった。だが警察が更に調査を進めると、
犠牲者の一人は妊娠しておらず、その事件だけは病院の院長が
連続殺人に紛れて邪魔な愛人を殺してしまう計画を実行した
結果だったのだ。
原題はマリオ・バーヴァの「モデル連続殺人!」からだが、
内容は妊婦を狙った猟奇的な殺人事件をグラフィックに描いたもの。
印象的な音楽は「サスペリア2」のジョルジョ・ガズリーニ。
日本ではCDが発売済み。
「WIDE
EYED IN THE DARK(未)」(74)
aka:Gatti
Rossi In Un Labirinto Di Vetro/Eyeball/Secret Killer
●ウンベルト・レンツィがスペインのプロダクションと組んで撮り上げた
<観光地>ジャーロ。悲しいくらいに低予算なのが分かる画面作りと、
ブルーノ・ニコライの即物的なスコアが妙にマッチした捨てがたい1本である。
バスでスペインの観光スポットを回るツアーに参加した女性客達が、
次々に何者かに襲われ、左目の眼球をえぐり取られる事件が発生。
事件の調査が進むうち、犯人は一行の中にいた義眼の女性だったと分かる。
マルティーヌ・ブロンシャール、ジョン・リチャードソン、ホルヘ・リガウドらが出演。
「SPASMO(未)」(74)
●ジャーロ映画ブームの末期にレンツィが発表した、奇妙な持ち味の
ドライなジャーロ映画。ロベルト・ホフマン扮する主人公と、
犬猿の仲にある企業家の兄(アイヴァン・ラシモフ)の長年に渡る確執を、
スージー・ケンドール扮するヒロインへの愛憎劇と絡めて描いた内容で、
エンニオ・モリコーネの書いた悲哀タップリの音楽(「ソランジ?」と
カップリングでCDが出た!)が、皮肉な結末を盛り上げる。
共演にマリア・ピア・コンテ。

「WHAT
HAVE THEY DONE TO YOUR DAUGHTERS ?(未)」(74)
aka:La
Polizia Chiede Aiuto/The Co-Ed Murders
●マッシモ・ダラマーノが「Sorange?」に続いて発表した女子寮ジャーロ。
下宿の天井からロープを下げて首をくくった女学生の死体が発見され、
検視の結果、どこかで殺されてから自殺に見せかけれられていたことが判明する。
警察の調査は進み、女学生達の間で売春行為が横行していた事実が明るみに出るが、
事件の関係者を狙ってヘルメット姿の殺人魔が暗躍、血みどろの殺人を繰り広げる。
出演はジョヴァンニ・バッリ、クラウディオ・カッシネリ、フランコ・ファブリッツィ。
記憶に残るスコアはスティルヴィオ・チプリアーニ。
「炎のいけにえ/THE VICTIM」(74)
aka:Autopsy/Macchie
Solari
●ローマの死体安置所で解剖医助手として働く美女シモーナ(ミムジー・ファーマー)は
真夏の太陽光線を浴びて、死神に誘われるかのように死を選ぶ自殺者の遺体を解剖するうち
異常なストレスが溜まり不気味な幻想を見るようになる。時を同じくして、彼女の周りで
謎の殺人者による残虐な連続殺人が発生、シモーナのノイローゼに拍車をかける。
エンニオ・モリコーネの前衛的なスコアが、ヒロインの精神状態を非常に上手く
表現していて秀逸。監督は「地獄の戦場:コマンドス」を撮ったアルマンド・クリスピーノ。
共演レイモンド・ラブロック、バリー・プリマス、アンジェラ・グッドウィン。
「殺人迷路(TV)/PUZZLE」(74〜75)
aka:L'Uomo
Senza Memoria/Man Without a Memory
イタリア映画/カラー・98分
劇場未公開/TV放映(ANBで放映)/ビデオ未発売
製作:ルチアーノ・マルティーノ・プロ(ダニア・フィルム)
監督:ドゥッチョ・テッサリ
脚本:エルネスト・ガスタルディ
音楽:ジャンニ・フェリオ
出演:センタ・バーガー(サラ・グリマルディ)/リュック・メランダ(テッド/ピーター)
ウンベルト・オルシーニ(ダニエル)/アニタ・ストリンドベルイ(メアリー・ケイン)/
ブルーノ・コラッツァーリ(ジョージ)/ロザリオ・ボレッリ(警官)/
マンフレッド・フレイベルガー(フィリップ)/トム・フェレギー(精神分析医)/
カルラ・マンシーニ/ヴィットリオ・ファンフォーリ/ドュリオ・キュルシアーニ(ルカ)
●アクション映画を得意としていたドッチョ・テッサリ監督の手による
ミステリー・アクション。記憶を失った男とその妻が謎の組織の魔手に
脅かされながら、断片的に散らばった謎を解こうとする筋立て。
適当なユーモアも交ぜながら、次第に事件の全貌が明らかになる
展開は結構面白い。ジャーロ映画に定番のエロティックな
殺人シーンは皆無だが、その分、国際派女優として活躍していた
センター・バーガーを全面的にフィーチャー。
彼女のセクシーでいながら、可憐な美しさはタップリ楽しめる。
もう一人、謎のアメリカ女役で登場するのは「幻想殺人」の
アニータ・ストリンドベルイ。
ヒロインに優しく接する(その態度が逆に怪しい)医者役の
ウンベルト・オルシーニは「続エマニエル夫人」(75)、
「さよならエマニエル夫人」(77)の他、「地獄に堕ちた勇者ども」(69)や
「レディ・イポリタの恋人/夢魔」(74)などに顔を出している俳優。
見た目が凶悪そうなブルーノ・コラッツァーリもイタリア映画の名脇役で、
フルチの「荒野の処刑」(75)、アントニオ・クリマーティのジャングル物
「アマゾン・アドベンチャー/グリーン・インフェルノ」(88)、ランベルト・
バーヴァのオールスター・ジャーロ「ボディ・パズル」(94)などに出演している。
<物語>
交通事故で記憶を全て失ってしまったピーター・スミス(メランダ)。
辛うじて所有していたパスポートで名前だけは分かったが、
精神分析医に診断して貰っても自分の素性が分からない苛立ちは
募るばかり。そんな折りピーターの前にフィリップと名乗る男が現れ、
彼が実はエドワード・ウォーレン、通称テッドという名のイギリス人だと告げる。
更に彼にはサラという妻がおり、彼女がイタリアで待っていると告げると、
突然フリップは何者かに射殺されてしまった。
急転する事態が飲み込めず、混乱するテッドにサラからの電報が届き、
彼は一路イタリアの山間の町パルミノを目指す。
その頃、水泳のインストラクターをしているサラ(バーガー)は
近所に住む教え子のルカ(キュルシアーニ)と一緒に
ジムの医者ラインハルト(オルシーニ)の運転する車で帰宅。
その晩、屋敷に侵入した何者かが彼女を襲った。
サラは気絶してしまったが、彼女の屋敷は1ヶ月前にも
今回と同様にメチャメチャに荒らされていたという。
翌日、サラの元に電報が届き、1年ぶりに音信不通だった夫が駅へと到着。
2人は久しぶりの再会を果たす。妻の顔も思い出せないテッドに
駅にいた謎の男(コラッツァーリ)が「妻はそこにいる」と囁いて消えた。
テッドはサラの屋敷に赴き、彼女から結婚当初の経緯を教えられる。
二人はNYの美術館で出会い、激しい恋に落ちて結婚。
テッドはロンドンで美術関連の仕事をする傍ら、サラの女友達ペギーから
パルミノの屋敷を借り、妻にそこで待つように告げて消息を絶ったと言う。
翌日、プールで駅にいた男の姿を見たテッドは、その後を追い、
自分の素性を聞き出す。どうやら1年前の自分は100万ドルの取引に
関わっており、自分を殺しに来たフィリップをその男ジョージが射殺したらしい。
やがてサラの愛犬が自宅で殺され、その血みどろの死骸を見た
テッドは壁にかけられた鏡の中に、喉を剃刀で切り裂かれる男の幻影を見る。
犬の埋葬中、再びジョージの姿を見たテッドはその後を追うが、
意外にもジョージは自宅に戻ったサラの前に現れる。
彼はテッドの記憶に葬られた100万ドルの行方を追っており、
1週間のうちに金が取り戻せなければ、テッドも自分も命が危ないと言う。
テッドとサラにそれぞれの居場所を教える電報を打ったのもジョージの仕業だった。
一方テッドは船着き場で謎の女(ストリンドベルイ)と出会う。
彼女はテッドにキスをすると親しげにその体を抱きしめるのだった。
屋敷に戻ったテッドにサラは2人で逃げましょうと提案、彼も賛成する。
翌朝、プールから帰ろうとしたサラをバックして来た車が跳ねた。
メアリーと名乗る、そのアメリカ人こそ船着き場でテッドに抱きついてきた女だった。
軽傷で済んだサラの為に薬局にテッド出かけた留守中に、
再びジョージが屋敷を訪れ、翌日の正午に100万ドル分のヘロインを
持って丘の上の空き家に来るように告げる。(以下ネタバレ。反転させてご覧下さい)
愛する妻のためにも、全てを清算しようと約束の場所に向かうテッド。
激しい格闘の末、ジョージは崖から落ちて死亡するが、
テッドは何者かに襲われ、廃墟の中に監禁されてしまう。
その頃サラは写真を趣味にしているルカが持ち込んだアルバムを
手にしていた。ルカが偶然盗み撮りした写真には、彼女が事故に遭う前に
撮られた奇妙な写真が紛れ込んでいた。その写真こそメアリーと
ラインハルトが密会している現場を写したものだったのだ!
サラはラインハルトの診断を疑い、骨折した足を固めたギプスを叩き割る。
案の定、彼女の足は折れたりしていなかったのだ。更にラインハルトが
保険会社に問い合わせたという事実も、アメリカ女の素性も不明だった。
ジョージを裏で操っていたのはラインハルトだった!
置き時計の台座に隠されたヘロインを発見したサラは、
それをルカの玩具に移し替える。そこにラインハルトが現れ、
サラの態度から全てを察し、剃刀を手に彼女に襲いかかった。
傷だらけになりながら、庭いじり用のチェーンソーを振るい
懸命に彼に抵抗するサラ。軟禁状態を抜け出したテッドが屋敷に飛び込み、
ラインハルトは床に転がったチェーンソーの上に倒れて、
その体を切り刻まれて絶命した。ルカの通報を受けて駆けつけた警察官に
サラは全てはラインハルトの犯行だと訴える。しかし記憶を取り戻したテッドは
「隠された事情を全部話します」と警官に呟くのだった。
(Special
thanks to Mr.hideto3.0)
映画の画面はhideto3.0さんのサイトでチェック!
「サスペリア
PART2/
DEEP RED 」(75)
aka:Profondo
rosso/Suspiria part 2
Dripping
Deep Red/The Hatchet Murders/
The Sabre-Tooth Tiger
●動物の名前ジャーロの氾濫に辟易したアルジェントが、ジャーロの
決定版を放とうと、様々な要素を全て投入したこのジャンルの傑作。
それでも当初は「サーベルの牙を持つ虎」なる題名が付けられていたという。
内容のハイクォリティさは今更ここで書くまでもないが、脚本に参加した
「世にも怪奇な物語」のベルナルディーノ・ザッポーニ、原案と助演で
アルジェントを助けたダリア・ニコロディらの功績も大きい。
日本ではつい最近、幻とされていたイタリア語全長版がリリースされ話題を呼んだ。
ローマを訪れているイギリス人ピアニストのマーク(「欲望」のD・ヘミングス)は、
自宅のアパートがある広場で、階下に住むドイツ人女性。ヘルガ(「暴行列車」の
マーシャ・メリル)が肉切り包丁で酷たらしく惨殺される現場を目撃してしまう。
ヘルガは超能力者であり、殺される直前に開かれた講演会で、かつて起きた
殺人事件の犯人が会場にいると透視していた。
マークはチャーミングな女性新聞記者のジャンナ(D・ニコロディ)と協力して
独自の調査を進めるが、彼等の行く手を遮るように次々と無惨な連続殺人が続く。
やがて判明した犯人は、マークの友人であるカルロ(G・ラヴィア)の母で、
かつて女優をしていたマーサ(「郵便配達は2度ベルを鳴らす」のC・カーラマイ)
だった。マーサをかばったカルロはトラックに轢かれて死に、マーサも
マークを襲おうとして誤ってエレベーターで首を切断される。
アルジェント絶頂期の最高傑作。冒頭で殺人現場にかかっている絵画の中に
真犯人の顔が写っている斬新な演出も話題になった。
「SO
YOUNG, SO LOVELY, SO VICIOUS (未)」(75)
aka:Peccati
di gioventu
●ヴェテラン監督、シルヴィオ・アマドが撮り上げた青春?犯罪もの。
魅力的なティーンエイジャー、アンジェラ(グロリア・グイダ)は、
医者をしている父親(シルヴァーノ・トランクイーリ)が、結婚相手に選んだ
美女イレーネ(ダグマー・ラッセンダール)を嫌っていた。
アンジェラはBFを使って様々な嫌がらせや脅迫をイレーネに続けるが、
彼女は突然、交通事故で死んでしまう。
今更のように自分の非を悟ったアンジェラは(お誂え向きに振ってきた)
大雨の中で号泣するのだった。
かつてはレズビアンだったダグマール・ラッセンダール(後年ルチオ・フルチの
ホラー映画や、ダマートのポルノに出演した)の演じるイレーネが、
味わい深いキャラクターで、それまでお色気要員や、殺され役として
ラフな扱われ方をしてきた彼女にとっては美味しい役柄。
「NUDE
PER L'ASSASSINO (未)」(75)
aka:Strip Nude For Your
Killer/
Der
Geheimnis volle Killer/Desnuda ante el Aswsino
nacked Women for the Killer
イタリア映画/カラー・97分/日本劇場未公開
(TV未放映/ソフト未発売)/シネマスコープ
製作会社:フラル・チネマトグラフィカ
監督・原案:アンドレア・ビアンキ
製作スーパーヴァイズ:シルヴェストロ・デ・ロッシ
脚本:マッシモ・フェリサッティ
撮影:フランコ・デリ・コッリ
編集:フランチェスコ・ベルトッチオーリ
音楽:ベルト・ピサーノ
出演:エドウィージュ・フェネシュ(マグダ)/ニーノ・カステルヌーヴォ
(カルロ)/フェミ・ベニュッシ(ルチア)/ソルヴィ・スタビンヴ(パトリツィア)
アマンダ[ジュリアーナ・チェッツィーニ](ジゼラ・メイヤー)/
エンマ・シューラー[エンマ・コスタンティーノ](ドリス)/フランコ・ディオジェーネ
(マウリッツィオ)/ルチオ・コーモ/ジャンニ・アイーロ/シルヴァーナ・デプレ
●「ゾンビ3(V)」で知られるアンドレア・ビアンキが、E・フェネシュを起用して
70年代に撮っていた隠れたジャーロ映画。
物語は不法堕胎手術を受けていた若いファッションモデルのイヴリンが
突然心臓発作に襲われて死去、トラブルを恐れたモグリの医者は
依頼主の男と一緒にイヴリンの死体を彼女の自宅まで運び、
水を張ったバスタブに漬けて証拠を隠滅した。
しかし帰宅した医者は、玄関先で突如ヘルメットに黒い皮ツナギを着た
殺人鬼にメッタ刺しにされて惨殺される。
それから1ヶ月後、セクシー誌の売れっ子カメラマンであるカルロ
(カステルヌーヴォ)は、プールサイドで見つけた飛びきりのグラマー美女
ルチア(ベニュッシ)をナンパ、仕事をやるからとスタジオに連れてくる。
やり手の中年女性ジゼラ(アマンダ)が経営するアルバトロス・フォト・
スタジオには、彼女の夫でスケベなくせにインポテンツの巨漢デブ、
マウリッツィオ(ディオジェーネ)、彼の愛人であるモデルのパトリツィア
(スタビング)、グラマーな金髪モデルのドリス(シューラー)、
そしてカルロの有能な助手で美人のマグダ(フェネシュ)らが働いていた。
ある日、スタジオに出入りしていたカメラマンが自宅で何者かに
殺害される事件が起き、続いてジゼラのレズビアンの愛人になった
ルチアが、郊外にあるジゼラの別荘に一人で居るところを襲われて
ナイフでメッタ刺しにされた。犯人はルチアを殺す前に水道の蛇口を捻り、
イヴリンの事件を思わせるような手口で犯行に及んでいた。
そしてパトリシアに袖にされ、今度はドリスを別荘に誘い込んだ好色男
マウリッツィオが襲われ、やはりバスルームで刺し殺される。
警察の捜査はスタジオの関係者に伸びるが、犯人が誰なのかは
全く分からない。脅迫電話に応じて人気のない町外れに大金を持って行った
ジゼラが第5の犠牲者となり、現場に張り込んで犯人の姿を写真に収めた
カルロまでもが、スタジオ前で待ち伏せしていた犯人の車に跳ねられ
重傷を負った。手当を受けたカルロは、いつの間にかいい仲になっていた
マグダに電話して、とっさにゴミ箱に隠した証拠のフィルムを焼くように告げる。
一人スタジオにやって来たマグダも犯人に襲われ、ネガは焼かれてしまうが
1枚だけプリント済みの写真が残されていた。そこに写っていたのは
助手のステファノの顔だったが、彼も恋人のドリスといるところを襲撃され、
2人ともナイフでメッタ刺しにされて絶命してしまう。
現場に駆けつけたカルロは、気を失っていたドリスを救出する。
犯人は妹のイヴリンを殺された、姉のパトリツィアだった。
黒ずくめの格好で町を逃げ回るパトリツィアだったが、カルロに追いつかれ
もみ合ううちに足を滑らせて石の階段から転落してしまう。
虫の息でカルロに犯行動機を話すパトリツィア。イヴリンの遺体を偽装するのを
手伝った男とは、実はカルロだったのだ。
こうして事件は解決し、カルロとマグダはめでたく結ばれるのだった。
この映画最大の弱点は、ラストになるまで人間関係が描かれず、
犯行動機やその過程が一切明かされないところ。
故に唐突な感じが否めないし、種明かしをされても素直に頷けない。
また、登場人物が2人きりで会話をする場面がやたらと多く、
お話の展開に一貫性があまり感じられないのも、キャスティングが豪華なだけに
(特に水着で美味しく登場したベニュッシが、ロクな使われ方をしないうちに
殺されてしまうのはズッコケた。)ひたすら勿体ない。
もしかしたらアンドレア・ビアンキ氏はジャーロ映画(そしてゾンビ映画も)が
好きではないのかもしれない。むむむ。
全編に流れるベルト・ピサーノの音楽は、最高にイイ感じ。
また、いつもはお高い美人役が多いE・フェネシュが、ひたすら可愛らしく
カステルヌーヴォに尽くす助手の役を(コメディ調の演技も交えて)
演じているのも魅力的。殺人シーンを除けばお色気コメディのような雰囲気で
(なにせ、ラストで主役の2人がイチャつくシーンで、カステルヌーヴォが
フェネシュに「妊娠しないように」とアナルセックスを迫る(ように思えた)場面すらある!)
このバランスの崩れっぷりが、この映画の一番の味かもしれない。
「IL
RAGNO(未)」(75)

aka:THE DARK IS DEATH’S
FRIEND/L’Assassino E Costretto
Ad Uccidere Ancora/The Killer Strikes Again
●悪名高いヘボ監督ルイジ・コッツィが発表した唯一の傑作サスペンス。
金持ちの妻殺しを夫(ジョージ・ヒルトン)から依頼された殺し屋が、
死体を隠した車を若いカップル(アレッシオ・オラーノと
クリスティーナ・ガルボ)に奪われてしまう。逆上した殺し屋は彼らの後をつけ、
海辺の廃屋で始末しにかかるが・・・。
共演にフェミ・ベニュッシ、マイケル・アントニー、テレサ・ベラズゲズ。
「笑む窓のある家
(未)」(76)
LA CASA
DALLE FINESTRE CHE RIDONO
aka:House
with the Windows that Laugh
●「ゼダー:死霊の復活祭」などのホラーに留まらず、一般作のフィールドでも
佳作を発表、最近も新作「オーメン:黙示録」を監督したプーピ・アヴァーティの傑作。
日本では一度、イタリア文化会館経由で「血塗られた墓標」「ヒッチコック博士の
恐ろしい秘密」などと一緒に、伊語版プリントが特別上映されたらしい。
ポー川沿いの小さな村で、古い教会にある「聖セバスチャンの殉教」という
フラスコ画を修復する仕事を請け負った若い画家ステファノ(リーノ・カプリッチョ)が
フレスコ画に纏わる謎めいた殺人事件の因縁を解き明かしていくストーリー。
絵の作者は芸術に取り憑かれたサディストによって殺害され、狂人はその後、
自殺していた。ステファノに事件の話をしようとした村人達は次々と殺され、
その背後には狂人の2人の姉妹が存在している事が分かってくる。
ステファノの恋人も画家同様の手口で生贄にされて殺され、彼は絵に隠された
謎を解いて事件を解決する。
ジョヴァンニ・コリドリが担当した強烈なヴィジュアル・イメージと、
最後に出てくるサプライズな人間(見てのお楽しみ!)は、並みのホラー映画より
ずっとインパクトが強い。
共演はフランシスカ・マルチアーノ、ジャンニ・カヴーナ、ヴァンア・ブッソーニ。
「DEATH
STEPS IN THE DARK」(76)
aka:Passi
di morte perduti nel buio
●「柔肌の狩人:美人ダンサー連続殺人」のM・プラデューが撮ったジャーロ。
出演はレオナルド・マン、ロバート・ウェッバー、ヴェラ・クルスカ、
ニーノ・マイモーネ、バーバラ・セイデル、イメルデ・マラーニら。
イスタンブールからアテネを旅行している、イタリア人のジャーナリストが
トンネルを通過中に起きた若い女性の殺人事件に出くわす。
凶器は彼のペーパーナイフで、当然彼は第1容疑者になってしまう。
彼は自分の無実を晴らすためスェーデン人のGF、ケチな犯罪者と組んで
真犯人を捜す。剃刀殺人とレズ・シーンが用意されているが、全体的には
軽いタッチの犯人探しミステリーのようだ。
「濡れたダイヤ(V)」(76)
PLOT
OF FEAR
aka:E
Tanta Paura
●「タランチュラ」を監督したパオロ・カヴァーラのもう1本のジャーロ映画。
ミラノで起きた連続殺人。金持ちのマゾ男マッティが娼婦に絞殺され、
バスに乗り合わせた中年女ラウラが撲殺された。一見無関係に見える
2人の被害者には、野生動物の保護を訴える「野獣友の会」の一員という関連が。
続いてマッティを絞殺した娼婦エルヴァイラが何者かに生きたまま焼き殺され、
TV番組に出演中の男がオンエア中に射殺される。いずれの現場にも有名な
絵本からの切り抜きが残されており、絵本の作者はホフマンという名前だった。
辣腕刑事ロメンツォ(ミケーレ・プラチド)が捜査に乗り出し、かつてホフマン荘と
呼ばれる屋敷で、奇妙な死に方をしたローザという若い売春婦がいたことを突きとめる。
ホフマン荘でのパーティーに出席した事のある美人モデルのジャンヌ
(コリンヌ・クレリー)は、ローザが悪ふざけした出席者達に虎の檻に入れられそうになり、
心臓発作で死亡したことを打ち明ける。ロメンツォはローザのヒモをしていた
前科者アゴスティーノを捕らえ、厳しく取り調べるが、彼は犯人ではなかった。
その間にもホフマン荘事件の関係者が殺され、ある男は人気のない道路で
暴走してきたトラックに跳ね飛ばされて死亡。別の男は食肉工場で殺害され、
その遺体は生肉に混じって無残にもフックに吊るされているのを発見された。
ジャンヌは自分が殺人魔の標的に狙われているのではないかと怯え、
ロメンツォ刑事に接近してくる。2人は調査を進め、実は野獣友の会が
動物の輸入を隠れ蓑に、ダイヤの密輸をしていた事実を掴む。
ローザはその事実を知ってしまい、パーティーの参加者に殺されたのだった。
やがてロメンツォは、一連の殺人事件に隠された恐るべき真実を知ることになる。
西部劇で名を売ったイーライ・ウォラックが非常に重要な役柄で登場、
貫禄の演技を見せるほか、イタリアのジャンル映画に欠かせない
ジョン・シュタイナーが小悪党のホフマン氏を、「エイリアン」のトム・スケリットが
主人公を叱咤する警察の上司役で顔を見せる(好青年役が多い彼としては、
ちょっと珍しい配役)する。週末にアルコール片手にビデオで鑑賞するには
やや複雑過ぎる脚本を書いたのは、「サスペリア2」のヴェルナルディーノ・
ザッポーニ。物語を把握するのが少々困難で、あまりと言えばあんまりな
謎の種明かしも衝撃的。2度以上見ないと全てを理解するのは難しいかも。
因みに松竹から出ている日本版ビデオは、レンタル屋では
洋ピン・コーナーに置いてあることが多いが、性描写はいたってノーマルで、
ポルノだと思ってみると大ハズレ。このビデオは世界的にも珍しい
英語音声のバージョンだが、本来は最初の殺人と2番目のバス殺人の間に
挟まれるクレジットがなく、(日本版はなぜだか冒頭に黒バックに白文字で
タイトル&クレジットが出る編集になっていて、スコア音楽もカットされている)
そのせいで、2番目のバス殺人の大半(走るバスから乗客が降り、
一人残された女性客が恐怖に怯え、そしてスパナで撲殺される)が
そっくり抜け落ちてしまった奇妙な編集になってしまっている。
「E Tanta Paura」という題名のオリジナル・プリントは、一連のシーンを
完全収録しているが、音声はイタリア語。ところで筆者が上の場面を
チェックしたのはスウェーデン版の「Bloody peanuts」と改題されたテープ。
うーん、スゴイ題名だ。
「BLOOD
DELIRIUM (未)」(77)
aka:
L'Occhio Dietro la Parete
「美人ダンサー襲撃
(TV)」(77)
IL
GATTO DAGLI OCCHI DI GIADA
aka:The Cat's victims/Watch me when I kill
Kattens Ofre/Die Stimme des Todes/Katten med Stengat
The Cat with the Jade Eyes(伊語原題の直訳)
「ザ・サイキック
(V)」(77)
THE
PSYCHIC
aka:Sette note in nero/Murder to the tune of the seven black
note
●ルチオ・フルチが「サンゲリア」以前に発表していた傑作ジャーロ。
この時期に作られた映画の中でも、間違いなく高ランクの出来を誇る1本だ。
イタリア人と結婚することになったイギリス人の女性建築家(ジェニファー・オニール)が
夫の生家を訪れる前に、美しい女性が殺害され壁に塗り込められるという
奇妙な夢を見る。夫の生家に問題の壁があり、そこを壊すと彼女の夢通り
死体が発見される。嫌疑を掛けられた夫を救うために、彼女は過去の殺人に
纏わる謎を自分の見た夢を頼りに一つずつ解き明かしていく。
地味だが非常にタイトな演出と、J・オニールの美貌が忘れがたい作品。
共演はガブリエレ・フェルゼッティ、マルク・ポレル、イヴリン・スチュアート、
ジャンニ・ガルコら。音楽を、ビクシオ=フィリッツィ=テンペラが、
撮影をS・サルヴァーティが担当しているのも心強い。
「黄色いパジャマの少女(事件)
(未)」(77〜78)
LA
RAGAZZA DAL PIGIAMA GIALLO
aka:The
Pyjama girl case

●「悪魔のはらわた」の女人造人間こと、ダリラ・ディ・ラッザーロが
主演したジャーロ映画。オーストラリアの美しい海岸沿いの町で
顔を身元が判別できないようにメチャメチャに潰された少女の死体が発見された。
警察は犯人が誰なのかを調べつつ、被害者が誰なのかも同時に調べていく。
共演にレイ・ミランド、ミケーレ・プラチド、メル・フェレール、ハワード・ロスら。
監督はファルヴィオ・モグネリーニ。海外での評価は結構高い。
「濡れたウィークエンド:女子学生寮半裸惨殺死体の謎/
ビー玉殺人(ビー玉は知っている)(TV)」(78)
ENIGMA
ROSSO
aka:Red Rings of Fear/Trauma/Virgin Terror
イタリア=スペイン=西ドイツ合作/カラー・89分
日本劇場未公開(TV放映/ビデオ未発売)
製作会社 ダイモ・チネマトグラフィカ=CIPI=CCC
監督:アルベルト・ネグリン
製作:アルトゥール・ブラウナー
アントニオ・タグリアフェッリ
脚本:ピーター・ベルリング/マルチェロ・コスチア
マッシモ・ダラマーノ/フランコ・フェリーニ
アルベルト・ネグリン/ステファノ・ウベツィオ
撮影:カルロ・カルリーニ
音楽:リズ・オルトラーニ
出演:ファビオ・テスティ/ジョン・テイラー
クリスティーネ・カウフマン/イヴァン・デズネー
ヘルガ・リーネ
●企画を進行中に突然死んでしまったマッシモ・ダラマーノの後を
ほぼ新人監督に近かったアルベルト・ネグリン(「サハラの秘宝」)が引き継ぎ、
完成させた女子寮ジャーロ3部作の最終篇。
町外れのダムから発見された17歳の女学生の死体に端を発し、次々に残虐な
連続殺人を引き起こしていく殺人魔の正体は?そして殺された女学生を含む
学生達が参加していた金持ちオヤジを対象にしたセックス・パーティーの
内容とは?クライマックスでは色とりどりのビー玉が階段を転がり、
事件の真相を知る女学生を襲う。疲れた感じの警部に扮するファビオ・テスティの
独特の魅力が捨てがたい小傑作。「マッキラー」「カサンドラクロス」の少女
ファウスタ・アヴェリが恐るべき復讐を計画する少女の役で出演。
「ツインピークス」を思わせるビニールに全身を包まれた女学生の全裸死体も登場、
ヴィジュアル的には文句なく猟奇的な雰囲気タップリのトラウマ映画だ。
それ以外にもジャック・テイラー、クリスティーネ・カウフマン、ヘルガ・レーネ、
イアン・デスネィーらアクの強い面々が揃っている。
アルベルト・ネグリンはTV映画の監督が多く、83年に「ムッソリーニと私」、
「サハラの秘宝」(87)、「恐怖の航海/アキレ・ラウロ号事件」(90)等
を発表している。
「LA
SORELLA DI URSULA(未)」(78)
aka:Sister
of Ursula/Curse of Ursula
●エンゾ・ミリオーニが監督したスリージーなジャーロ映画。
ダグマール(ステファーニャ・ダマーリオ)と、ウルスラ(バーバラ・マグノルフィ)の
美人姉妹が、海岸沿いに建つ瀟洒なホテルにやって来る。
社交的な姉とは正反対のウルスラは、開放的なビーチの雰囲気に馴染めず
ストレスの余り、異常な幻影に取り憑かれていく。程なくしてビーチで
残忍な殺人事件が起こり、殺人魔の魔手はやがてホテルの観光客にも伸びてくる。
奔放なセックスを満喫する女性の秘部を、ディルドの形をした木片?でえぐって回る
異常な殺人シーンと、B・マグノルフィの神秘的な美貌が交錯、
意外と美人だったS・ダマーリオの素顔も含め、ファンにはお勧めの1本。
「マッキラー」の神父マルク・ポレル(この人もとっくに死んでいたいんですね・・・合掌)が
が70年代後半っぽい風俗で登場。笑えます。
「SOLAMENTE
NERO (未)」(78)
●アルジェントの後継者として一部で有名だったアントニオ・ビドーが
ヴェニスを舞台に監督した、ジャーロ映画の王道をいく1本。
幼い頃に見た少女の殺人事件の記憶をぬぐい去れない青年が
電車の中で出会った美女と共に、生まれ故郷ヴェニスの近くで起きた
奇妙な連続殺人の謎を解く。出演は「笑む窓のある家」のリーノ・カッポーニと
「サスペリア」のステファニア・カッシーニ。監督のビドーが是非にと
頼み込んで、音楽をアルジェント映画でお馴染みのゴブリンが担当している。
(権利問題からクレジットはステルヴィオ・チプリアーノ名義)
「TRHAUMA
(未)」(79)
●「悪魔の教団:レッド・モンクス」を撮ったジャンニ・アントニオ・マルトゥイッチが
監督したジャーロ映画。前年に大ヒットしたJ・カーペンターの「ハロウィン」を
意識した<家の中に殺人犯がいる>系の作品で、真新しいのは若干お下劣な
要素が加味されている点だとか。
出演はロニー・ラッシュ、ダフネ・プライス(ドミッティラ・カヴァッザ)、
ロベルト・ポッセ、ティモシー・ウッドら。
「GIALLO
A VENEZIA(未)」(79)
aka:Murder
in Venice/Thrilling in Venice
●70年代を締めくくるに相応しい?最悪の血みどろ/お下劣ジャーロ。
監督はやはり問題作「パトリック2(Patrick Vive
Ancora)」を監督したマリオ・ランディ。
運河の近くの水門でフラヴィア(レオノーラ・ファニ!)の水死体が発見される。
現場の近くには彼女の夫がメッタ刺しにされて死亡しており、事件を調査する警察は
フラヴィアの親友マルツィア(マリアンジェラ・ジョルダーノ)を詰問するが、
謎の殺人魔は次々と信じられないような方法で殺戮を重ねていく。
この映画最大のハイライトは、台所のテーブルに全裸で縛られたM・ジョルダーノが
片足を肉切り包丁で切り取られるショック・シーンだろう。さすがにコレは日本でも出せない!
他にも生きたままガソリンをかけられて焼死する男や、売春婦の秘部にハサミを
何度も突き刺すシーンが続々登場。この種の映画が好きな人は必見!
グロ以外にエロの方でも、「デモンズ4」「ゾンビ3」の頑張り屋さんM・ジョルダーノと
「エデンの園」「湖の魔女キラ(未)」の薄幸系美少女レオノーラ・ファニがフル回転で
大サービス。共演に同じマリオ・ランディのウルトラ・お下劣ゴア映画「パトリック2(未:
M・ジョルダーノも出演!)」に出ていたジャンニ・デーイ、マリア・マンチーニ。
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