不完全ジャーロ年表
(1970〜1974年)
この頃はジャーロのジャンルが一番盛り上がっていた時代。
アルジェントが発表した動物の名前をタイトルに組み込んだアニマル・
トリロジーに触発された<動物・昆虫題名ジャーロ>や、題名の最後を
疑問符で終える<?印ジャーロ>が量産され、マーケットを賑わしました。
−70年代−

「ファイブ・バンボーレ(未)」(70)
FIVE DOLLS FOR AN
AUGUST MOON
aka:Cinque
Bambole Per La LunaD’Agosto/Island of Terror
●70年に入ってマリオ・バーヴァが発表したヒップな雰囲気が炸裂するジャーロ映画。
バーヴァ自身は映画の出来を恥じて(さすが!)おり、イタリア国内でも
縮小公開だったようだが、バーヴァ版「そして誰もいなくなった」とでも呼ぶべき内容と、
一風変わった作風には隠れファンも多い(・・・が、ポスターのような血みどろ場面はない)。
世の中が一変してしまうような発明品を開発した科学者ファレル博士(W・バーガー)ら
数人の上流階級の紳士淑女が、大金持ちの青年ジョージが所有する海に囲まれた
豪華な邸宅に招待され、週末のパーティーが開かれる。しかし発明品の権利を
我が物にしようと画策する人間達の欲望のせいで、登場人物達は一人ずつ命を
落としていく。生き残った博士は逮捕され監獄に入れられるが、実は思わぬ人物が
彼の発明品の利益で巨万の富を得ていた・・・。
出演はこの映画でジャンル・ムーヴィーにブレイクしたエドウィ−ジュ・フェネシュ、
ウィリアム・バーガー、イラ・フュルステンベルグ、レナート・ロッシーニ(ハワード・ロス)ら。
日本ではP・ウミリアーニのスコアCDが唯一発売されており、邦題はそこから拝借した。

「殺意の海」(70)
UNA
DROGA LLAMA HELEN
aka:QUiet place to kill/ Paranoia
●陽光溢れるサントロペの海を舞台にU・レンツィが
監督したエロティック・スリラー。
セクシー版「太陽がいっぱい」という趣きの作品だとか。
女レーサーのヘレン(C・ベイカー)が前夫モーリス(J・ソレル)の
現在の妻コンスタンテ(M・コファ)から持ちかけられた
殺人計画に荷担するが、前夫は今の妻を殺してしまう。
ヘレンは彼を手伝って証拠を隠滅するが、
全ては夫とその若い愛人によって仕組まれた罠だったのだ・・・。
出演はお馴染みキャロル・ベイカーと、
「痴情の森」「昼顔」「熊座の淡き星影」の
フランス俳優ジャン・ソレル(この時代には
ジャーロの出演作も多数ある)、アンナ・プロクレマー、
ルイス・タビラ、マリア・コファら。
原題の一つ「PARANOIA」は(ちょっとややこしいが)
この作品同様、ウンベルト・レンツィが監督し、
キャロル・ベイカーが主演したジャーロ映画である
「狂った道蜂」ではなく、「殺意の海」のアメリカ公開用の別タイトル。
ムードとしてはTVの「刑事コロンボ」風でヌードや血みどろは少ないとか。残念。
詳しい物語に関しては<監督で見る>のU・レンツィのページもチェック!
「地獄のシャイニング
(V)」(70)
SOMETHING
IS CREEPING IN THE DARK
aka:Qualcosa
Striscia nel Buio

( Special Thanks to
HOlO-KO for Video Source )
1970〜71年 イタリア映画 カラー 96分
製作総指揮:ディーノ・ファッジオ
監督・脚本:マリオ・コルッチ
撮影:ジュセッペ・アクアーリ
編集:エンゾ・ミカレッリ
プロダクション・マネージャー:マリオ・コランバーシ
美術:シルヴァーノ・パニ
音楽:アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ
出演
ファーリー・グレンジャー(スパイク)/ルチア・ボゼー(シルヴィア・フォレス)/
ジョン・ハミルトン(ジョー)/スタン・クーパー[スティルヴィオ・ロージ]
(ウィリアムズ医師)/ミア・ゲンバーグ(スーザン・ウェスト)/
ディーノ・ファジオ(ライト警部)/フランコ・ベルトラメ(サム刑事)/
ジャコモ・ロッシ=スチュアート(ドナルド・フォレス)/
ロレッダーナ・ヌシアック(シーラ・マーロゥ夫人)/ジュリオ・ロヴァイ(ジョーのGF)/
(アンジェロ?・)フランチェスコ・ラヴァニーノ(ローレンス博士)
<物語>
整形手術をした妻の友人宅に招かれ、豪雨の中を
田舎の邸宅に向けて車を走らせるドナルド(ロッシ=スチュアルト)と
シルヴィア(ボゼー)のフォレス夫婦。そのすぐ背後を殺人者の
スパイク(グレンジャー)が運転する車が、ライト警部(ファンジオ)らの
追跡から逃れるように、猛スピードで飛ばしていた。
しかし、折からの雨で増水した川は洪水となり、橋が落ちてしまっていた。
逃げ場を失ったスパイクは警部の車に移されるが、
他に川を渡れる道もなく、彼らは仕方なく元来た道を引き返す。
川の近くにある丘に建つ屋敷に明かりがともっているのを見た
フォレス夫妻の提案で、道中知り合ったウイリアムズ医師
(クーパー)とその助手のスーザン(ゲーンバーグ)、
それに車が故障してウィリアムズ医師らに同行していた初老の
ローレンス教授(ラヴァニーノ)らが瀟洒な館の扉を叩いた。
中にいたのはジョーと名乗る不気味な男(ヘイドン)と、彼のGF
(ロヴァイ)で、7人の招かざる客はこの屋敷に一晩泊まることになる。
退屈なひとときを過ごすうち、リッチで騒ぎ好きなシルヴィアは
真面目で仕事に対して真摯なウィリアム医師や、
殺人鬼でありながらどこかカリスマ的な魅力を秘めたスパイクに
惹かれていく。それを見ながら彼女の夫ドナルドは激しい嫉妬に
かられるのだった。やがて一向に不思議な緊張感が張りつめた頃、
この屋敷が夫殺しの疑いをかけられて自殺してしまった黒魔術師、
シーラ・マーロゥ(ロレッダーナ・ヌシアック)夫人の住んでいた
家だということが判明。ジョーはこの館の召使いで、彼女が生前
降霊術に使っていたテーブルがあると知ったシルヴィアは
マーロゥ夫人の霊を呼び出すことを提案。夫のドナルドを霊媒役に
シルヴィアとウィリアム医師、ローレンス教授らが参加して
一行が見守る中、降霊が行われる。彼女の霊はドナルドに取り憑き、
霊界からのメッセージを話させる。一行の恐怖が頂点に達したとき、
突如、窓が大きく開き、部屋の明かりが全て消えてしまった。
パニックに陥る人々。そんな中、ライト警部はスパイクの姿が
消えている事に気付き、慌てて庭に飛び出す。
物陰に隠れていたスパイクに襲われたライト警部だったが、
駆けつけた部下のサムによって危ういところを助けられた。
しかし洪水によって増水した水は館のすぐ近くまで流れ込んでおり、
脱出は無理であることを再確認させられることになった。
スパイクを地下にある物置に閉じこめたライト警部らは
良くこの館にやって来るというローレンス教授の話を聞く。
彼は心霊現象の研究家でもあったのだ。一方、割り当てられた
部屋に引き取ったシルヴィアは、部屋の様子が自分が
今で見た幻想とまるで一緒なのに驚く。彼女はそこでスパイクに
乱暴され、彼をナイフで突き刺すシーンを見ていたのだ。
部屋で思い思いの時を過ごしていた一行が異変に気付いたのは
居間の壁いっぱいに飾られた時計が一斉に時を刻むのを止めたのだ。
確実に異様な気配が館に漂い始めていた。
ウィリアム医師の元に美しく化粧して髪をほどいた
下着姿のスーザンがやって来て、医師と愛のひとときを過ごす。
しかし、我に返った彼女には自分が何をしていたか記憶が
一切欠落していたのだ。一方、妻の傲慢な態度に嫌気が差した
ドナルドは地下室からスパイクを開放、彼女を殺させようとするが、
マーロゥ夫人の霊がドナルドに取り憑き、妻の首を折って
殺してしまう。しかも彼は屋根裏部屋で拳銃自殺を図り、絶命。
自殺に使われた拳銃はマーロゥ夫人の物で、夫殺しの
裁判の時にも発見されなかった曰く付きの拳銃だった。
惨劇が悪霊のせいだとは信じられないライト警部は
スパイクを探すために単身、館の内部を調べるが
地下室で恐ろしいポルターガイスト現象に遭遇してしまう。
唖然とする警部の耳に響きわたる不気味な女の笑い声。
更に彼の目にマーロゥ夫人の幻影が飛び込んでくる。
命からがら居間に戻った警部が聞きつけたのは部下である
サム刑事の断末魔だった。庭でスパイクを追っていたサム刑事は
スパイクに石で何度も殴られて絶命していた。
庭を逃げ回るスパイクは行く手を遮るかのように
吹き荒れる暴風に追われ、館の内部に戻ってくる。
その時、館の内部に立ちこめていた霊気が一気に高まり、
居間に集まった一行に迫ってきた。地を揺るがすような
何者かの存在。やがて居間の片隅に黒い影が盛り上がり始めた。
恐怖にかられたウィリアム医師がライト警部から手渡された
拳銃でその影を撃つが、恐る恐る近づいた彼らが見た物は
胸を撃ち抜かれたスパイクの死体だった。
夜が明け、一行を救出するためにヘリコプターが近づいてくる。
全ては恐怖心が見せた幻だったのか?
部屋を出るとき、ライト警部は居間に飾られたマーロゥ夫人の写真に
真新しい弾痕が付いているのを発見する。もしかしたら・・・。
全員が出ていって、誰もいなくなった部屋の中に、不気味な女の
笑い声が響きわたる・・・。
<解説>
イタリアン・ホラーの中で一つジャンルとして確立された
<まったり系>オカルト映画の代表作。
上映時間はおよそ90分強あるが、何が起こるわけでもなく
不気味な雰囲気を描写したシーンが延々と続く内容。
ひとつひとつのオカルト描写はそれなりに怖いが、
前後の展開との脈絡がなく、何かの伏線にもなっていないので、
無造作に投げ出された印象になっている。
監督・脚本のマリオ・コルッチは、ピエロ・レニョーリの
「グラマーと吸血鬼」で助監督をしていた人。
ジャーロというなら、そうも言えなくない作りではあるが、
やはり分類するならまったり・ホラーの範疇だろう。
キャストもそれなりに豪華だが、結局は散漫な作りのため、
それぞれが生かしきれていない感じだ。
「WEEKEND MURDERS
(未)」(70)
aka:Concerto
per pistola solista
●遺産相続を巡って巻き起こる様々な連続殺人事件。
イタリア物、というよりはイギリス映画に近いタッチで、
ブラックな笑いを含めた演出が楽しめるとか。
出演はアンナ・モッフォ、ランス・パーシヴァル、
エヴリン・スチュアート、ランス・バルドウィン、
ジャコモ・ロッシ・スチュアートら。
監督はミケーレ・ルーポ。ゴルフ場のバンカーに
死体が埋められていたりと、予告編を観る限り
なかなか面白そうな映画である。
「どしゃ降り」(70)
QUI?
aka:Il Cadvere Dagli Artigli D'Acciano/
The Sensous Assassin
フランス映画/ カラー・79分(ビデオ版77分)
日本劇場公開:72年3月(配給:東京第一)
ビデオ:発売:セレクトイマージュ/販売:日本コロムビア
製作会社:リラ・フィルム
監督:レオナール・ケーゲル
製作:エドモンド・アマティ/レイモン・ダノン
脚本:レオナール・ケーゲル
撮影:ジャン・ブルゴワン
音楽:クロード・ボラン
出演:モーリス・ロネ/ロミー・シュナイダー/
シモーネ・バッシュ/ガブリエル・ティンティ
●「太陽は知っている」でも共演したM・ロネと
R・シュナイダーの顔合わせで描く犯罪スリラー。
製作はアラン・ドロンの映画を多数手がけたR・ダノンと、
我らが辣腕ゲテモノ映画プロデューサーのE・アマティ。
監督のL・ケーゲルはイギリス出身で、主にフランスで
活躍したディレクターのようす(本作に続く、77年の未公開作
「Women One Day」では、「どしゃ降り」にも出ている女優の
S・バッシュが台詞を担当。もしかして監督のGFだったりして・・・死)。
週末のドライブ旅行をしていたクロード(G・ティンティ)と
マリーナ(シュナイダー)のカップルを乗せた車が海沿いの断崖から転落。
転落寸前に車から飛び降りたマリーナだけが奇跡的に一命を取り留めた。
現場に駆けつけたクロードの兄セルジュ(ロネ)は、何かに怯えたように
不審な行動を見せるマリーナを疑うが、同時にその美しさに心惹かれる。
パリに戻ったマリーナは、セルジュを頼って彼の自宅で暮らすようになり、
2人には恋が芽生える。しかしセルジュはどうしても弟の死に纏わる
疑惑を解きたい欲望を禁じ得ず、マリーナを伴って彼らが宿泊した
海辺のコテージを訪れた。マリーナの制止を振り払い、単身海中に沈んだ
弟の車を調査するセルジュ。彼はそこで座席の下に転がった拳銃を発見する。
やはり弟を殺したのはマリーナなのか?彼女によれば2人の間に愛はなく、
異常に嫉妬深いクロードは度々、自分に暴力を振るっていたという。
そんな折り、現場から遺体が上がり、セルジュは損傷の激しい
その遺体を弟だと確認した。だが同じ頃、マリーナの前に不気味な
微笑を浮かべたクロードが現れ・・・。
「げす!」とR・シュナイダーが絶叫する痴話喧嘩シーンで始る本作、
突如ピストルを空に向けてブッ放したG・ティンティがシュナイダーを
乗せたまま断崖を暴走、突如海中に墜落していくオープニングは
不必要なまでに荒々しいタッチで、思わず膝を乗り出してしまう出来。
バックに流れるC・ボリングのグルーヴィーなスコアと相俟って、
これは思わぬ拾い物?と嬉しくなってしまった・・・が、しかし。
監督L・ケーゲルの演出は、視覚的に面白いショットを
多数提示するものの、ストーリー面の不備がやたらと目立ってしまい、
結果的に興味が殺がれることに。例えば冒頭で意味ありげに登場する拳銃が
海中に潜ったM・ロネによって発見され、弟殺しへ繋がる証拠になるかと
期待すればそれっきりだし、ロネの先妻役のS・バッシュを始め、
せっかく登場してきた脇役も、大した役割を果たさないまま画面から消えてしまう。
これって、ミステリー映画の筈なのに、この無謀な行き当たりばったり感は何?
まさに原題の"Qui?(英語で言うWhantの意味)"を地でいく展開。
クライマックスで正体を現したG・ティンティがデパートで
シュナイダーを襲うサスペンス(ランベルト・バーヴァの
「デモンズキラー」で同趣向のシーンが登場。パクリ疑惑濃厚)は
ちょっと面白いが、結局ティンティは呆気なく殺害されて、
全ては丸く収まったかのように見せておきながら、
庭に埋められた彼の死体が豪雨(邦題)によって土中から出現、
バカンス中の主人公達に警察が迫る場面で幕、というのは
あまりにストレートな「太陽がいっぱい」風のオチで正直腰砕けの感。
本作のキモはミステリーよりも、主演2人のロマンス描写にあるのかも。
確かにクールな美貌の裏で恐るべき犯罪を企んでいそうな
R・シュナイダーの存在感はまさに犯罪映画にうってつけ、ではあるし。
「禁じられた貴婦人の写真(未)」(70)
THE
FORBIDDEN PHOTOS OF A LADY ABOVE SUSPICION
aka:Le Foto proibite di una signora per bene
●ミノー(ダグマール・ラッセンダール)は彼女の夫ピーターが
仕事関係で殺人を犯してしまったのではないかと疑っていた。
疑心暗鬼になりながらも、彼女は夫を守る為に脅迫者と
ベッドを共にしてしまう。一方夫は妻の親友ドミニク(スーザン・
スコット)と情事を重ねていたのだった・・・。
ノーマルな仕上がりのスリラー映画。共演はサイモン・アンドリューと
ピエール・パオロ・カッポーニ。監督は後に似た内容の
スリラー映画を撮っているルチアーノ・エルコリ。
「死は二回訪れる
(未)」(70)
LA
MORTE BUSSA DUE VOLTE
aka:La Mort sonne toujours deux fois
●謎の監督ハラルド・フィリップ(誰かの変名?)が撮った、
精神異常者を巡るジャーロ映画。
出演陣はディーン・リード、ファビオ・テスティ、レオン・アスキン、
アニタ・エクバーグ、アドルフォ・チェリと結構?国際的。
CDが日本で出ているのでここに分類したが、実際の作風は
アクション・スリラーに近い。よってジャーロ関連の研究本でも
無視されていることがしばしばある作品。
「DEATH
OCCURED LAST NIGHT(未)」(70)
aka:La
Morte Risale a Ieri Sera
●アクション映画を得意とするイタリアの中堅娯楽映画監督、
ドッチョ・テッサリが撮ったお下劣な内容のジャーロ映画。
出演は名優ラフ・バローネ、フランク・ウルフ、ガブリエレ・ティンティ。
男ばっかり?と思ったら、「歓びの毒牙」の犯人、エヴァ・レンツィも出てました。
バローネ扮する神父の娘は精神障害を持っている為、彼は娘を
アパートに閉じこめる日々を送っていた。しかし娘は発情してしまい
地元のチンピラに誘拐された挙げ句、無惨にも殺害されてしまう。
復讐を誓う神父は、事件を捜査する警部(F・ウルフ)より先に
チンピラを探し出し、彼らをなぶり殺しにして復讐を果たすのだった。
テッサリは西部劇でも良く知られた監督だが、「血の羽を持つ蝶」や
この作品など、ジャーロでも良くできた作品を残している。
「(IN THE )FOLDS
OF THE FLESH (未)」(70)
aka:Nella Pieghe Della
Carne/Las Endemoniadas
●セルジョ・ベルゴンゼリが監督したホラー/ジャーロ映画。
人里離れた大邸宅に住む異常者揃いの一家が、彼らの秘密を
知ろうとする人間を次々と殺害、被害者の死体は犯行を隠蔽するために
バラバラにされて薬品で溶かされた後に地面に埋められる。
複雑な人間関係と、キッチュな演出、異様な展開と3拍子揃った怪作で、
この世の地獄図が見られる。そういう映画が好きな人にはお勧めの1本。
フェルナンド・サンチョの醜い入浴シーンもオマケで付く出血大サービス。
出演はレオノーラ・ロッシ・ドラゴ、アンナ・マリア・ピエランジェリ、
アルフレード・メイヨ。
「冷酷なる瞳/THE
COLD EYES OF FEAR (未)」(70)
aka:Gli
occhi freddi della paura/Los frios ojos del miedo
●最近イギリスのレデンプションからLD/DVDが発売された
エンゾ・G・カスレラーリ(「最後のジョーズ(TV)」)のジャーロ映画。
出演はジョヴァンニ・ラリ、フランク・ウルフ、フェルナンド・レイ、
ジャンニ・ガルコ、ジュリアン・マテウスら。音楽はE・モリコーネ。
2人組の強盗が、判事の息子とそのGFを人質に取り、判事の命を奪おうと
彼が帰ってくるのを待つ。若い2人は何とか屋敷から脱出しようとするが失敗、
最後には狂乱した息子が暗闇の中で大暴れし、ただ一人生き残るというお話。
「未亡人館の惨劇 (V)」(70)
BLOOD AND LACE
●かつて作られた<PG>レート作品の中で最も病的な映画、と称された
フィリップ・ギルバート監督のホラー/スラッシャー映画(一応アメリカ産)。
殺人事件の被害者になった売春婦の孤児(金髪お色気ギャル)が、
サディスティックな未亡人の経営する未成年者収容施設に引き取られる。
未亡人は福祉施設に配給される援助金目当てに、孤児院から逃げ出そうとする
子供達を殺害し、その死体をバラバラにして冷蔵庫に保存していた。
数々のグラフィックな残酷描写、インモラルな設定が山盛りで、海外ではちょっとした
カルト映画になっている1本。出演はグロリア・グラハム、ヴィック・テイバック、
メロディ・パターソン、ミルトン・セルッツァー、レン・レッサーら。
「LO
STRANO VIZIO DELLA SIGNORA WARDH (未)」(70)
aka:Next
!/Blade of the ripper/The Next victim,etc
●セルジョ・マルティーノが従兄弟のジョージ・ヒルトン、
兄ルチアーノのGF、エドウィージュ・フェネシュを
起用して初めて作った記念すべきジャーロ映画。
他にもアルベルト・デ・メンドーザや、イヴァン・ラシモフ、
ブルーノ・コラッツァーリら知った顔が出演陣に並んでいる。
愛に飢えた美しいヒロイン(フェネシュ)が、彼女の周りに群がる
男達の引き起こす問題(殺人など)に悩まされる内容。
「サイコ」を彷彿させるシャワー室の血みどろ剃刀殺人シーンも登場する。
「THE
MAN WITH ICY EYES (未)」(70)
aka:L'Uomo
dagli occhi di ghiaccio
●アルベルト・デ・マルティーノが監督したジャーロ。
出演はアントニオ・サバド、バーバラ・ブーシェ。
「ザ・ブッチャ−」のヴィクター・ブオノ、60'sのSF映画で
有名なフェイス・ドマーグも出演している。
フルチの「女の秘め事(未)」と良く似た内容のスリラー映画らしい。
「血みどろの入江
/BAY OF BLOOD (V)」(70〜73)
aka:Ecologia
Del Delitto/Last House on the Left Part II
/ Twitch of the Death Nerve/Carnage/Bloodbath/
Before the Fact/Ecology of a Crime/Antefatto/Reazione a Catena
●人里離れた美しい入江に住む老婦人が謎の自殺を遂げ、
土地の所有権を巡って彼女の遺族の間で巻き起こる凄惨な連続殺人事件を、
数々のゴアリーな特殊効果で描いたスラッシャー/ジャーロ映画。
後に「13日の金曜日」に流用されるような様々な趣向を凝らした殺人テクニックが
一番の見物だが、話のアウトラインは驚くほど同監督(M・バーヴァ)の
「ファイブ・バンボーレ」に似ている。
出演はクローディーヌ・オージェ、ルイジ・ピスティレリ、アンナ・マリア・ロザッティ、
ラウラ・ベッティ、クリス・アヴラム、ブリジェッテ・スカイら。
「わたしは目撃者」(71)
THE CAT
O'NINE TAILS
aka:Il Gatto a nove code
●「歓びの毒牙」のヒットにより、ドイツの製作会社テラ・フィルムクンストが
アルジェントに「似たような映画を撮ってくれ」と依頼、彼らのリクエストに
沿うようにアルジェントが撮り上げたためか、イマイチ面白味に欠ける作品。
盲目の元新聞記者(カール・マルデン)と、若い記者(ジェームズ・フランシスカス)が
コンビを組んで染色体異常の為に生まれつき凶暴な性格を持った殺人者を追う。
ヒロインにフランスの名花カトリーヌ・スパークが出ているが、いささかトウが
立ちすぎて魅力は半減。フランシスカスとのラブ・シーンも全然お色気が感じられない。
E・モリコーネのテーマ曲はいつも通り印象的だが、映画全体の出来は
色々な要素を詰め込みすぎて、それぞれが足を引っ張り合っている感じだ。
「四匹の蠅」(71)
FOUR FLIES ON GREY
VELVET
aka:Quattro Mosche di Velluto Grigio
●いつまでたっても、ちっとも権利問題がクリアにならない、御大アルジェント監督の
イタリアン・ヒッチコック時代の野心作。ロック・ドラマーのロベルト(マイケル・ブランドン)は
ある晩、自分をつけ回す謎の男を人気のない劇場で誤って刺し殺してしまう。
その現場を、2階の客席に現れた奇妙なマスクを被った人影が撮影、その写真が後日
ロベルトの自宅から見つかる。ロベルトは妻ニーナ(ミムジー・ファーマー)に
自分が巻き込まれている状況を説明するが、日頃からエキセントリックな彼女は
屋敷を出ていってしまう。ロベルト家の家政婦、ロベルトが事件の調査を依頼した探偵、
ニーナの従姉妹らが相次いで殺害され、従姉妹の網膜に残った死の直前の映像を
レイザー光線で判別すると、それは妻ニーナがかけている蠅を閉じこめたペンダントが
揺れて4つに見えた残像だった。ニーナは父に虐待されて育ち、父なき後は
その面影を宿したロベルトを苦しめようとしていたのだった。
危ういところを浮浪者の友人(バッド・スペンサー)に救われたロベルトだったが、
ニーナは錯乱したまま車を走らせて逃亡、トラック事故に遭い首を切断されて死亡する。
実験的な描写の数々、(アルジェントは嫌がったが)モリコーネの素晴らしいスコア、
スペンサーを主軸にしたコメディ調のシーンなど、見どころが一杯。
海賊ビデオが多数出ているので、興味のある人は是非!

「新・殺しのテクニック:次はお前だ!」(71)
FIFTH CORD
aka:Giornata
Nera Per L’Ariete/Evil Fingers
●「裏切りの荒野」を監督したルイジ・バッゾーニが発表した典型的なジャーロ映画。
やさぐれ新聞記者アントニオ・ビルド(フランコ・ネロ)が、現場に指の切り取られた
手袋を残す奇妙な連続殺人事件に巻き込まれる。
ネロとバッゾーニは映画学校時代の級友だとか。映画自体は撮影に
ヴィットリオ・ストラーロ、音楽にエンニオ・モリコーネを起用したりと、
かなりアルジェントを意識した節が見受けられるが、出来は普通レベルらしい。
共演にネロと噂のあったパメラ・ティフティン、シルヴィア・モンティ、
イラ・フュルステンベルグ、エドモンド・パルダムら豪華なキャスティングが組まれている。

「幻想殺人 (TV)」(71)
A LIZARD
IN A WOMAN'S SKIN
aka:Una Lucertola con la Pelle di Donna
●ルチオ・フルチが70年代に入ってすぐ発表した野心的なサイコ・スリラー映画。
ラストのどんでん返しは、やや強引な感じもするが、原題になっている
<トカゲの肌を持つ女>が何を意味しているのかが判明するシーンを含め、
フルチの監督としての技量が冴えた1本。
ロンドンに住み裕福な生活を送るキャロル(フロリンダ・ボルカン)は、毎晩のように
隣のフラットに住む金髪美女(アニタ・ストリンドベルグ)が出てくるエロティックな
悪夢を見ていた。ある晩、思いあまったキャロルは夢の中で彼女を刺し殺すが、
翌朝、隣室の美女は本当に死体となって発見された。
謎が謎を呼び、次々に殺される登場人物。一体犯人は誰なのか?
共演にジャーロではお馴染みになったジャン・ソレル、シルヴィア・モンティ、
スタンリー・ベイカー、アルベルト・デ・メンドーザ、レオ・ゲーンら。
E・モリコーネのスコア音楽はなかなかの出来。
カルロ・ランバルディが担当した、腹を切り裂かれてクンクン鼻を鳴らす解剖用の犬、
クライマックスで登場するコウモリの大群も結構凄い。撮影はフルチとは「ザ・リッパー」で
再び組むことになるルイジ・クヴェイレル。
「タランチュラ」(71)
BLACK BELLY OF THE
TARANTULA」(71)
aka:Tarantola dal
Ventre Nero
●「野生の眼」で監督デビューしたパオロ・カヴァーラのジャーロ映画。
クローディーヌ・オージェが経営する高級ビューティー・サロンの顧客である
有閑マダム達(バーバラ・ブーシェ、アナベラ・インコントネラ)が次々に
奇妙な手口の殺人魔に殺される。死体の首には長い針が突き刺さり、下腹が
鋭利な刃物で引き裂かれていた。それはあたかも毒蜘蛛タランチュラを襲って
腹を引き裂くスズメバチの手口のようだった。
腕利きの警部(ジャンカルロ・ジャンニーニ)が事件を調査するが、
犯人が掴めないうちに、サロンの受付嬢(バーバラ・バック)やC・オージェも
犠牲になり、とうとう犯人の魔手は警部の妻(ステファニア・サンドレッリ)にも
伸びてくる。典型的なイタリアン・スリラーだが、E・モリコーネのテーマ音楽は
相変わらず素晴らしい出来。
「ガラスの旅」(71)
UN POSTO
IDEALE PER UCCIDERE
aka:Dirty pictures/Meurte par interim/Love stress
●レイモンド・ラブロック、オルネラ・ムッティを主演に起用したため、
影がかすんでしまったが、監督はウンベルト・レンツィ。
無軌道なカップルがアメリカ人妻(イレーネ・パパス)の犯した
殺人の罪を被せられる。後にレンツィは人妻役はC・ベイカーに
依頼すべきだったと回述している(ベイカーマニア!)。
他の出演者はジャック・スタンリー、ウンベルト・オルシーニ、
カルラ・マンシーニ、ウンベルト・ラホなど。
詳しい物語に関しては<監督で見る>のU・レンツィのページもチェック!
「イヴリンが墓場から這い出てきた夜
(未)」(71)
La Notte
Che Evelyn Usci La dalla Tomba
aka:The Night Evelyn Came Out of the Grave
●エミリオ・P・ミラグリアが監督したお下劣ジャーロの代表作。
イギリス人の気狂い建築家(アンソニー・ステファン!)が、殺した筈の
妻の亡霊に悩まされる。盛り場から拾ってきた女(エリカ・ブランク)を
ステファンが鞭打つシーンが有名。オカルト物と思わせておいて、
ラストでとんでもないドンデン返しを用意している辺りが、
「バスケット・ケース」の監督であるフランク・ヘネンロッターを始めとする
トラッシュ映画ファンに持て囃やされている理由なのかも。
共演は同監督の「THE RED QUEEN KILLS 7 TIMES」にも出ていた
マリーナ・マルファッティ、ジャコモ・ロッシ・スチュアート、ウンベルト・ラホら。
音楽はブルーノ・ニコライ。
「L'OCCHIO NEL LABIRINTO
(未)」(71)
aka:Blood
「”MIO
CARO ASSASSINO” (未)」(71)
aka:My
Dear Killer/Sumario Sangriento De La Pequena Estefania
●アクション映画を得意とするトニーノ・ヴァレリが手掛けたジャーロ映画。
ジョージ・ヒルトン扮するルカ・ペレッティ警部が、電気ノコギリや、電動ドリルを
使った残虐な連続殺人の調査を進めるうち、幼児誘拐殺人事件犯が事件に
関与していることを突きとめる。共演はサルヴォ・ランドーネ、ウィリアム・バーガー、
パティ・シェパード、メリル・トーロ、モニカ・ランドールら。
最初の方で絞殺される女性役でヘルガ・レーネが特別出演。
宣伝ほど残虐描写は凄くないが、全体的には手堅い仕上がり。
「THE
IGUANA WITH THE TONGUE OF FIRE (未)」(71)
aka:L’Iguana
Dalla Lingua Di Fuoco
●50年代から活躍を続けるイタリアン・ホラーの巨匠リカルド・フレーダが、
折から流行していた<動物の名前>ジャーロに乗って発表した血みどろスリラー。
実際のクレジットでは変名ウィリー・パレートが用いられている。
ダブリンを舞台に、アイルランド大使の恋人、友人、運転手らが
次々に剃刀を凶器に使う残虐な殺人魔の手に掛かって惨殺されていく内容で、
剃刀が喉笛を切り裂くアップが多用されており、後味の悪いチープな仕上がりだとか。
出演者はルイジ・ピスティレリ、ダグマー・ラッセンダール、アントン・ディファリング、
ヴァレンティナ・コルテース、ウェルナー・ポチェイスなど。
「血の羽を持つ蝶 (未)」(71)
BLOODSTAINED
BUTTERFLY
aka:Una Farfalla con le ali insanguinate

●ドッチョ・テッサリが監督したハイクォリティな1本。血みどろ描写に頼らず、
恋人(キャロル・アンドレ)を殺された青年(ヘルムート・ベルガー)の
復讐を描いた内容は、研究誌で高い評価を得る一方で、トラッシュ・映画ファンには
だいぶ物足りない内容になっているのも確か。
他の出演者はジャンカルロ・スブラッジア、イヴリン・スチュアート、
シルヴァーノ・トランクイーリ等々。ジャンニ・フェリオが担当した
スコア音楽は最近イージー・リスニング・シリーズとしてCD化された。
「COSA
AVETE FATTO A SOLANGE ? (未)」(71)
aka: WHAT
HAVE YOU DONE TO SOLANGE?
●「毛皮のヴィーナス」を当てたマッシモ・ダラマーノが発表したジャーロ映画の古典。
女学生ばかりを狙って、性器にナイフを突き刺す異常な連続殺人が発生、
殺人現場で女生徒の一人と逢い引きをしていた教師(ファビオ・テスティ)が
第1容疑者に挙げられる。事件は続き、とうとう彼の愛人の女生徒(C・ガルボ)
までもが自室の浴槽で溺死させられた。教師は妻(カリン・ウェル)と共に捜査を進め、
行方不明になったままのソランジ(「悪魔のえじき」のカミール・キートン!)が、
被害者の女生徒達にそそのかされて不法な堕胎手術をして以来、
精神を病んでしまっていた事実を突き止める。犯人は彼女の復讐を果たした
父親だったのだ・・・。
ジャーロ映画が度々ベースに敷いているドイツのパルプ小説家、エドガー・
ウァラスの「The Secret of the Green Pin」を原作にしているらしい。
ジョー・ダマート(警官としてカメオ出演も果たしている!)の素晴らしいキャメラ、
エンニオ・モリコーネの印象的なスコア音楽も一聴の価値あり。傑作!!
「AMUCK
(未)」(71〜72)
aka:Alla
Ricera Del Piacere/Replica Di Un/Delitto/Hot Bed of Sex
●シルヴィオ・アマドが監督した、ジャーロ映画のジャンルを代表する1本。
売れっ子作家リチャード(フェアリー・グレンジャー)が、妻エレノア(ロザルバ・ネリ)と
住んでいる豪邸で、秘書をすることになったグレタ(バーバラ・ブーシェ)は、
彼女の前に秘書をしていた友人の女性が原因不明の失踪を遂げていることを知る。
グレタは程なくしてリチャードと妻が奇妙で異常なセックス・ゲームに興じている事実を
目の当たりにし、自分もそれに巻き込まれていってしまう。
共演にウンベルト・ラホ、パトリッツィア・ヴィオッティ。
「SLAUGHTER
HOTEL (未)」(71)
aka:The
Cold blooded beast/La Bestia Uccide a Sangue Freddo
●クラウス・キンスキーが医者として勤務するサナトリウムで
謎の連続殺人が発生。一番怪しいのはキンスキーだが果たして犯人は?
ジャンル映画の顔、ロザルバ・ネリがニンフォマニアの女役で出演。
ゴージャスな魅力を振りまきつつ、斧で惨殺されてます。
ラスト近く、凶器(中世の騎士が振り回して敵を殴り殺した武器!)を手に、
精神が錯乱したまま女性患者の大部屋に侵入した殺人鬼が
患者をバッタバッタと殴り殺すシーンには唖然!!延々と意味のないヌード・
ダンスを披露するレズビアン患者と看護婦の場面も強烈。
世の中にはこんな凄い映画もあるんですねぇ。
監督は「ナホバ・ジョー」や「真昼の用心棒」の脚本を担当していた
フェルナンド・ディ・レオ。その後は犯罪アクションを作ることが多かった
ようだが、この未公開作はカルトとして名高い1本。
「LA
CODA DELLO SCORPIONE (未)」(71)
aka:CASE
OF THE SCORPION’S TAIL/Tail of the Scorpion
●S・マルティーノが監督した連続殺人物。
最大の見どころは血みどろの特殊効果を駆使した残虐な手口。
豪華な出演陣、ブルーノ・ニコライの洒落た音楽もイイ感じ。
詳しくはタイトルをクリック!
「DEATH WALKS IN HIGHT-HEELED
SHOES」(71)
aka:La Morte cammina con i tacchi alti
●「禁じられた貴婦人の写真」を撮り上げたルチアーノ・エルコリ監督が、
再び同じようなキャスティングで発表したジャーロ映画。
出演はフランク・ウルフ、スーザン・スコット、サイモン・アンドリュー、
カルロ・ジェンティーリ、ジョージ・リガウド、ルチアーノ・ロッシら。
音楽はスティルヴィオ・チプライアーニ(&ノラ・オルランディ)。
原案・脚本にエルネスト・ガスタルディも名前を連ねているこの映画の内容は・・・
ダイヤ泥棒の父を持つダンサーが、彼が死ぬ前に隠したダイヤの在処を探ろうとする
殺人者によって脅かされる。彼女はイギリスに逃げるが、そこで殺害される。
彼女のフィアンセが第1容疑者になるが、彼は犯人ではなかった。
さて、真犯人は誰なのか?
「ザ・ブッチャー」(71)
LO
STRANGOLATORE DI VIENNA
aka:The Mad butcher
●グイド・ズーリが監督、ヴィクター・ブオノが主演した軽いコメディ・タッチの
連続殺人鬼物。ウィーンを舞台にしているためか、「第3の男」の有名な主題曲が
使われているのも笑える。他の出演者はブラッド・ハリス、カレン・フィールドら。
「青ひげ
(V)」(72)
BARBABLU
●有名な原作を豪華な女優陣で映画化した見応えのある1本。
日本では惜しまれつつ未公開に終わった曰く付きの作品である。
主演の青ひげにはリチャード・バートン。
彼を取り巻く女たちには、カリン・シューヴェルト、ヴィルナ・リージ、
ラクウェル・ウェルチ(尼さん役!)、ナタリー・ドロン、シヴィル・ダニング、
アゴスティーナ・ヴェリ、メリル・トーロ(アルジェントの元GF)、
ジョーイ・ヘザートンなどなど!音楽はエンニオ・モリコーネ、
監督はルチアーノ・サクリパンティ。表向きにはもっと有名な
エドワード・ディミトリの名前が共同監督としてクレジットされている。
「ABUSO DI POTERE (未)」(72)
aka:Shadow
Unseen
●男性ジャーナリストの暴行致死事件を担当する
熱血警部(「トパーズ」「狼女の伝説」のフレデリック・スタフォード)。
逮捕された容疑者の単独犯説が腑に落ちず、
独自の調査を続けるが為に、警察上層部と犯罪組織の
双方から圧力を加えられるという内容。
ジャッロというよりは上質の硬派刑事ドラマという内容。
リズ・オルトラーニのテーマ曲も印象的。
(情報提供:)
「A.A.A. MASSAGGIATRICE BELLA
PRESENZA OFFRESI (未)」(72)
●監督:マイルス・ディーム(デモフィリオ・フィダーニ)。
出演:エットーレ・マンニ、シモーネ・ブロンデル、それに「食人帝国」や
「エロティック・ゲーム2」のポルノ女優、パオラ・セナトーレ、
ジェリー・コールマン。混乱した内容のスリラー映画だとか。
「欲情の血族 (V)」(72)
DEATH SMILES AT
MURDER
aka:La
Morte a Sorriso All Assassino/
Death Smiles on a Murderer

イタリア映画/カラー・88分/シネスコ(日本版ビデオ:ヴィスタ)
日本劇場未公開(ビデオ:マウントライト)
製作会社:ダニー・フィルム
製作:フランコ・ガウデンツィ
監督・原案・撮影:アリスティーデ・マサチェッシ(ジョー・ダマート)
脚本:アリスティーデ・マサチェッシ
ロマーノ・スカンダリート
クラウディオ・ベルナルディ
編集:ピエラ・ブルーニ
ジャンフランコ・シモネッチェリ
音楽:ベルト・ピサーノ
美術:グラッツィア・ナルディ
出演:エヴァ・オーリン(グレタ)/クラウス・キスキー(スタージェス医師)
アンジェラ・ボゥ/セルジオ・ドリア/アッティーリオ・ドッテシーオ/
マルコ・マリアーニ/ルチアーノ・ロッシ/
ジャコモ・ロッシ・スチュアート(ウォルター/ハーバード)/
フランコ・セルーリ/カルラ・マンチーニ/ジョルジョ・ドルフィ
<物語>
1900年代の初め。若い貴族ウォルター(G・ロッシ・スチュアート)と
その妻イヴリン、執事のシメオン、家政婦のゲートルードらが静かに暮らす、
田舎の邸宅の近くで暴走した馬車の横転事故が起こる。
御者は腹に深々と木片を突き刺して絶命したが、
馬車に乗っていた金髪の美女は何とか命を取り留めた。
駆けつけたスタージェス医師(キンスキー)は彼女の胸に奇妙なメダリオンが
かけられているのを発見、そこには3年前の日付とグレタという名前が刻まれていた。
記憶が回復しないまま、屋敷で暮らすことになったグレタ(オーリン)の
不思議な魅力に、ウォルターは惹きつけられ始めるが、
グレタを診察したスタージェス医師は恐ろしい秘密を知ってしまっていた。
グレタの心臓は全く動いていなかったのだ。我が目を疑った医師は
グレタの眼球にタイピンを突き刺してみるが、彼女は全く無反応のままだった。
驚きを隠せないまま、死亡診断書を書くために、シメオンに案内されて
御者の死体を検死したスタージェス医師は、その死体が
異常に早く腐敗し始めているのを目の当たりにする。
グレタの診察を物陰から盗み見ていた家政婦、ゲートルードは数年前に起きた
ある事件を思い出し、恐ろしくなって屋敷から逃げ出してしまう。
しかし森を抜けた彼女の前に、猟銃を構えた何者かが立ちはだかった。
誰にもいわないから、と懇願する彼女の顔面を突然、その人物は撃ち抜いた。
血みどろになって地面に倒れ込むゲートルード。
グレタの歓迎パーティーの翌日、一行は狩りに出るが、森の中で初めて
グレタとウォルターはキスを交わしお互いが愛し合っていることを知るのだった。
一方、スタージェス医師は自分の研究室で実験を続け、とうとう一度死んだ
死体を甦らせる事に成功する。彼はグレタから死体蘇生術のヒントを得たのだった。
成功に喜ぶスタージェス医師の背後に何者かが忍び寄り、
突然、彼の首を締め上げた。暫く抵抗した後、医師は力つきて絶命、
何も知らずに片づけをしていた助手も、甦った死体もろとも殺人者に惨殺されてしまう。
入浴中のグレタが何者かに襲われ、バスタブに顔を漬けられ溺死しそうになる。
意外なことに犯人はウォルターの妻、イヴリンだった。バスタブから顔を上げたグレタは、
イヴの顔を見ると、不思議な笑顔を浮かべる。イヴはグレタに「愛しているわ」と言い、
2人はキスを交わすのだった・・・。
グレタを相手に、ウォルターとイヴはそれぞれ愛欲の日々を送るが、
ある日、納屋でウォルターとグレタが情事を重ねるのを目撃してしまった
イヴは嫉妬に狂い、逆上してグレタを地下室に閉じこめて、扉をレンガで
塞いでしまった。帰宅して妻からグレタは突然出て行ってしまったと告げられた
ウォルターは、地元のダンノック警部に連絡するが、グレタの行方は一向に
掴めなかった。
それから2週間が過ぎ、館では再びパーティーが行われた。
カゴメカゴメ遊び(のようなもの)ではしゃいでいたイヴは、何度目かに
自分の後ろに立った謎の女性にショックを受ける。
それは地下室に閉じこめたはずのグレタだったのだ!
悲鳴を上げて広間から逃げ出した彼女は、地下室を調べに行くが、
そこに真っ赤なドレスを着たグレタが現れる。
追いつめられた彼女は、グレタの顔が腐り果てたおぞましい死人の顔に
なっているのを目て絶叫、謎の死を遂げてしまう。
パーティーの出席者の中から、グレタの姿を見たという人間が何人か出て、
ダンノック警部はウォルターを問いつめるが、彼自身は何も知らないと言い張る。
不気味な雰囲気の中、イヴの葬儀が行われ、3年前に館を出ていった
ウォルターの父が久しぶりに帰ってくる。しめやかに行われる葬儀の席で、
ウォルターの父は、墓石の影に立っているグレタの姿を目撃する。
ただ一人墓地に残った父は、グレタの墓を尋ねる。そんな彼の前にグレタが現れた。
実はグレタと彼は恋愛関係にあり、彼の子供を宿したグレタは出産に失敗し、
赤ん坊と共に死亡したのだった。信じられない表情のまま凍り付いた父親の前で
突如、グレタの顔は、腐った死人のそれに変化する。
恐怖の余り墓地を逃げ回る父親の背後に、音もなく現れるグレタ。
恐れをなして安置所に隠れた父親に今度は甦った青白い顔のイヴリンが襲いかかった。
墓地に父親の絶叫がこだまする・・・。
その夜、ウォルターの前にもグレタが現れ、2人はベッドを共にするが、
やはり彼の前でもグレタの顔が腐った死人の顔に変わった・・・。
中庭に出てきたグレタは執事のシメオンの名を呼ぶ。
グレタを密かに愛していたシメオンは、全ての事件を目撃していながら、
誰にも言うことなく黙っていたのだ。そんな彼に突然グレタは鋭い短剣を振り下ろした。
体中をメッタ刺しにされたシメオンは、悲鳴を上げるまもなく
石畳みを真っ赤な血で濡らしながら絶命した。
翌日、現場に駆けつけたダンノック警部は納屋の壁に釘付けにされた
ウォルターの死体の掌に、グレタのしていたメダリオンが握られているのを発見、
そこに刻まれていた奇妙な模様を大学のケンプティ教授に調べて貰う。
教授の話では、その記号は古代インカ文明時代の物で、復活を表す
シンボルなのだという。インカ文明では死者を蘇らせる魔術が執り行われ、
大学でも熱心な学生の一人がその研究に成功した実績があるという。
その学生フランツは3年前に妹を亡くしてから研究を止めてしまっていた。
メダリオンの日付はちょうど3年前、そして妹の名前はグレタだ!
ダンノック警部はフランツの部屋に急ぐが、彼は既に
妹グレタによって惨殺されてしまった後だった。
自宅に戻ってきた警部は、妻に事件の顛末を話す。
しかし、死者が犯人では何一つ証拠は残されていないのだ。
話し終えた警部の目に、こちらを振り向いた妻の姿が
飛び込んできた。その顔は見覚えのある若い女の顔だった・・・。
<解説>
●ジョー・ダマートが自分自身で監督デビュー作と認めた最初の作品。
この映画の前にも数本に関わっていたらしいが、出来が悪かったので、
自分では監督作とは見なしていないとか。
後に問答無用の残虐描写で一躍有名になるダマートだが、
この映画はドロドロした愛憎劇はあるものの、血しぶきシーンは殆どなし。
また「キャンディ」や「殺しを呼ぶ卵」のE・オーリンが、暴走する馬車に乗って
一家の前に現れる場面はレ・ファニュの「吸血鬼カーミラ」からの引用か。
ちょっと異色な雰囲気の作品だ。
「THE KILLER IS ON THE PHONE」(72)
aka:L'Assassino...E'al
telefono
●撮影にジョー・ダマート、監督にアルベルト・デ・マルティーノという
「夢魔」のコンビが放つジャーロ映画。主演はアン・ヘイウッド、テリー・サヴァラス、
ロッセラ・ファルク、ジョルジョ・ピアーザなど。
ヘイウッドが演じるのは、精神衰弱と記憶喪失に悩むヒロイン。
ベルギーでロケ撮影しているが、あまり効果を上げていないようだ。
音楽はステルヴィオ・チプリアーニ。
「NEL
BUIO DEL TERRORE」(72)
aka:Carla
E Lola / Historia de una Traicion
●64年に見えない恐竜が襲ってくるZ級ホラー映画「SOUND OF HORROR」を
監督した J.A. (ホセ・アントニオ)・ニーヴェス・コンデの作品。
スティーブン・ボイドとマリサ・メルを起用した典型的なイタリアン・スリラー
「MARTA(ボイドが狂気の殺人鬼を演じた以外は見どころなし)」(71)に続いて
発表されたのがこの作品。共演にフェルナンド・レイ、シルヴァ・コシナ、
マッシモ・セラート、ハワード・ロス、サイモン・アンドリュー、マリア・マルティンら。
資料によってはスリラー映画に分類される「NEL BUIO DEL
TERRORE」だが、
実際の印象はメルとコシナのヌード描写を満載した暴力的なソープ・オペラ
という印象だとか。
海を望む断崖を歩きながら自殺を企てようとするカルラ(M・メル)を、偶然ジープで
通りかかった芸術家のアントン(S・ボイド)が発見。自殺を思いとどまった
カルラはアントンと情事を重ねる。しかしアントンとセックスをすればするほど、
カルラは彼女のレズビアンの恋人ローラ(S・コシナ)を自分から奪って
去っていった金持ちのBFルイス(F・レイ)が忘れられない。
恋の鞘当てが繰り返された後、カルラとローラは自分たちを傷つけた男達を
殺害し、ルイスの財産で幸せに暮らすことになる。
70年代を象徴するかのようなド派手で奇抜な衣装を、
最短1分でチェンジしてみせる女優陣と、過剰なツケまつげが
楽しい作品。
「AL
TROPICO DEL CANCRO (未)」(72)
aka:Tropic
of Cancer/Death in Haiti
●監督:エドガー・G・ウルマー[エドアルド・ミュラッジア]、
出演:ガブリエレ・ティンティ、アニタ・ストリンドベルイ、ウンベルト・ラホ。
ビジネスマンが奇妙な方法で顔を隠した殺人者に殺害されるスリラー。
連続殺人の真相を知った医師(アントニオ・デ・テッフェ)が犯人を追い、
その追跡から逃れる途中、犯人は現地人を盲目的に射殺してしまい、
憤怒した群集に焼き討ちされて死亡する。
ヴードゥー教の本場ハイチを舞台にしたエロティック・スリラー。
音楽はピエロ・ウミリアーニ。
「PARIS
SEX MURDERS (未)」(72)
aka:La Casa
d'appuntamento
●フェルナンド・メリギーがF・L・モリス名義で撮った一風変わった映画。
アニタ・エクバーグ、ロザルバ・ネリ、エヴェリン・クラフト、バーバラ・ブーシェら
豪華な女優陣に加え、フランコ映画の常連、ハワード・ヴェルノン、
ペーター・マーテル、ロベルト・サッキらが出演している。
エクバーグ扮するマダム・コレットが経営する娼館の売春婦
(B・ブーシェ)が客の男に殺害され、警察に追われた男はエッフェル塔から
墜落死した。しかし謎の殺人事件は続き、意外な真犯人が出現する。
相当変な映画だったことは覚えているが、細部は失念。
いつもよりカールを多くし、ヘアスタイルに凝ったロザルバ・ネリが
斧で首チョンパになってしまったことだけは妙に覚えている。
音楽はブルーノ・ニコライ。
「THE SHORT NIGHT OF THE GLASS
DOLLS (未)」(72)
aka:La
Corta notte delle bambole di vetro/Paralyzed
●「家庭教師」のアルド・ラドが発表したこの時期の傑作サスペンスの1本。
公園でジャーナリスト青年(ジャン・ソレル)の死体が
発見される場面からスタート。映画の残りは、彼が回想する
体験談で占められる構成になっていて、行方不明になったGF
(バーバラ・バック)を探す青年は、政治的な弾圧に反抗する
団体を隠れ蓑にして、若者達を殺害していく不気味なコミュニティの
存在を知る。ラストで彼が緊張病にかかり、実は生きていることが
判明するのだが、結局体を動かすことが出来ず、生きたまま司法解剖されていく。
クールな演出タッチと、皮肉な結末がやるせない印象を残す。
共演はイングリッド・チューリン、マリオ・アドルフら。
音楽にいつもながら手堅い仕事を見せるエンニオ・モリコーネ。
「UN BIANCO VESTITO PER MARIALE
(未)」(72)
aka:Spirits
of Death
●「ナイトメア」のR・スカヴォリーニが撮ったストレンジ・ジャーロ。
子供の頃に、愛人(ジャンニ・デーイ)と森で密会していた母親
(イヴリン・スチュアート)が逆上した父親に射殺されるのを目撃してしまった少女。
美しく成長した彼女(スチュアート2役)は、暴君のような夫と結婚し、
深い森に囲まれた城に住んでいた。ある日、屋敷でパーティーが開かれ、
数人の男女が閉ざされた城を訪れる。やがて仮面をつけた謎の人物が暗躍、
酒に酔う人々を一人ずつ殺害して行く。一行の中に「食人帝国」の
アイヴァン・ラシモフがおり、彼とスチュアートが館を出て行こうとするのを
目撃した亭主は、2人を射殺する。かつての森の惨劇のように・・・。
ちょっと分かり難い展開が多い、凡作という印象。
「WHO
SAW HER DIE ?(未)」(72)
aka:Chi
L'ha vista morire ?/Verta Venetsiassa
●007俳優ジョージ・レイゼンビーを主役に起用、ヴェニスを舞台に
少女連続殺人を描いた、「暴行列車」のアルド・ラドのジャーロ映画。
レイゼンビー扮する彫刻家フランコを訪ねて、幼い娘ロベルタ(ニコレッタ・エルミ)が
ロンドンからヴェニスへやって来る。その夜、フランコがGFとセックスしている間に
ロベルタが誘拐され行方不明になったまま、ヴェニスの運河から他殺体で発見された。
罪の意識にかられたフランコは離婚した妻エリザベス(A・ストリンドベルイ)と協力して、
自らこの事件を捜査し始める。フランコの捜査上に浮かんできた有力な容疑者は、
地位はあるが非人間的なビジネスマンのステファン(アドルフォ・チェリ)、
幼児愛好症の過去を持つ弁護士(ペーター・チャンテル)の二人。
フランコは彼らが供述しているよりもずっと深くロベルタの殺害事件に関して
何かを知っていると睨む。しかし殺人鬼は常にフランコの一歩先を歩いており、
彼に協力しようとする人間達を次々と毒牙にかけていく。
黒のヴェールを纏って少女たちを狙う謎の女は誰なのか?
フランコはロベルタの前にも、別の少女が同じような手口で殺害された
事実を掴む。この忌むべき事件の背後には、倒錯したセックスに溺れる
人々が介在し、ロベルタもオージーを迎えるための犠牲になったことが判明する。
脚本家も兼ねている監督のアルド・ラドは、同じ72年にもう1本、
別のジャーロ映画「THE SHORT NIGHT OF THE
GLASS DOLLS」を
監督しているが、こちらはニコラス・ローグが監督した幻想ミステリー
「赤い影/DON'T LOOK NOW」と内容が良く似ている(パクッたという説もあるが
「赤い影」は73年の映画では?)。監督のアルド・ラドの手腕が冴えた作品で、
舞台となるヴェニスはモノトーンに染められた、冬の霧煙る町として描かれる。
少女の歌声をフィーチャーした効果的なスコア音楽を担当したのはE・モリコーネ。
「声なき殺人者
(TV)」(72)
THE
ICE-PICK
aka:Silent horror/Il Coltello di ghiaccio/Detras del silenzo
●不幸な事故で声を失ってしまった従姉妹のマルタ(キャロル・ベイカー)に
会うために、スペインを訪れた人気歌手のジェニー(イヴリン・スチュアート)。
しかし館についた彼女は程なく何者かに殺害されてしまう。
彼女の死体をガレージで発見したマルタは激しいショックを受けるが、
ジェニーの死は、続いて起こる恐るべき連続殺人の序曲に過ぎなかった。
ウンベルト・レンツィが監督したヒッチコック・スタイルのスリラーで、
日本ではTV放映済み。共演はアラン・スコットとホルヘ・リガウド。
音楽はマルチェロ・ジョンヴィーニ。
<監督で見る>のU・レンツィのページにも記述があります。
「真夜中の恐怖」(72)
CORRUPTION
OF CHRIS MILLER」
aka:Sisters of Corruption
●スペインのアントニオ・バルデムが監督した日本劇場公開済みの
猟奇サスペンス映画。ある嵐の晩に金持ちのショーダンサーが自宅で
チャップリンのお面を被った愛人の男にメッタ刺しにされて殺される事件が発生。
犯人は彼女の金庫から大金を盗んで、雨の中に姿を消した。
こうした残忍な強盗事件が2年間のうちに5件も発生している田舎町に、
シャワーを浴びていてレイプされた過去を持ち、雨が降るとナイフを手に暴れる
サイコ少女クリス(マリソル)と、彼女の従姉妹と称するファッション・デザイナー
(ジーン・セバーグ)が住む田舎の大邸宅があった。
実はクリスはルースが結婚した直後に姿を消した夫の連れ子で、
彼女とは何の血のつながりもなかった。雨の度に発作を起こすクリスを
ルースはなだめながらも、どこか蔑んだ皮肉っぽい表情で見つめるのだった。
翌朝、クリスは近所に住んでいる若い牧場経営者ルイス(L・カベル)の元に
自転車で遊びに行く。その頃ルースはフラリと屋敷を訪れた旅の若者バーニー
(「ベルサイユのばら」のバリー・ストーク)と楽しげに話をしていた。
人類学を勉強する学生だというバーニーの魅力に惹かれたルースは、
彼とベッドを共にし、バーニーは勝手に屋敷に住み着くようになる。
最初はバーニーを警戒していたクリスも次第に魅力的な彼に慣れ、
二人で町に殺されたショーダンサーの映画を見に行く程の関係になっていった。
だがその反面、バーニーは夕食用に野ウサギをとらえ、素手で殴り殺して
しまうような残虐性を持ち合わせていた。彼らの関係は肉欲も絡んで、
異常な緊張感を孕み始める。ある晩、クリスが発作を起こしたのをなだめ
彼女を抱きしめたバーニーを見て、ルースは逆上し銃口を向けた。
バーニーは彼女達に罵声を浴びせながら豪雨の中を外に飛び出していった。
翌朝、近隣の屋敷で残虐な連続殺人が続発、一家が皆殺しにされた。
クリスとルースはTVのニュースでバーニーこそが事件の犯人だと聞き、
厳重に戸締まりをして眠りにつくが、地下室から屋敷に侵入したバーニーは
電話線を切断した後、書斎を漁り始める。物音に気付いたルースは
眠っているクリスを起こし、2人がかりでバーニーを誘惑するとみせかけ
ナイフでメッタ刺しにして惨殺してしまう。正当防衛による殺人だと考えた
2人だったが、程なくして問題の連続強盗事件の犯人は別の場所で捕まった。
しかもバーニーの荷物を調べると、ルースの夫が刑務所におり、
バーニーは彼と同じ独房に居た事実が判明する。
自分達の犯行が発覚するのを恐れた2人は、バーニーの死体を工事中の
道路に埋めるが、死体に着いた種がアスファルトを破って発芽し、
隠蔽した犯行は明るみに出てしまうのだった。
脇の筋がやや混乱しているが、映画自体は意外とノーマルな作りになっている。
音楽は「象牙色のアイドル」や「ザ・チャイルド」のウォルド・デ・リオス。カラー114分。
「THE
RED QUEEN KILLS 7 TIMES (未)」(72)
aka:La
Dama Rossa Uccide Sette Volte/Lady in Red Kills 7 Times/
The Corpse Which didn't want to Die/Blood Feast/Feast of Flesh/
イタリア=西独合作/カラー/日本劇場未公開(TV未放映/ビデオ未発売)
監督・脚本:エミリオ・ミラグリーア
脚本:ファビオ・ピットール
出演:バーバラ・ブーシェ(キティ)/マリア・マルファッティ(フランチェスカ)/
ウーゴ・パグリアイ(マーティン)/ピア・ジャンカルロ(ローズマリー)/
マリーノ・マーゼ/シヴィル・ダニング(売春婦)/
●「イヴリンが墓場から這い出てきた夜(未)」を71年に発表したエミリオ・
ミラグリーアが、それに続いて監督した奇妙でレアなジャーロ映画。
ドイツにある古城に祖父と住んでいる幼いキティは、妹のイヴリンが余りに
お転婆なのに困り果てていた。イヴリンは彼女の人形を奪うと、その目の前で
ハサミを何度も突き刺すような邪悪な少女だった。
掴み合いの喧嘩になった2人を、何とか宥めて落ち着かせた車椅子の祖父は
こんな話を始めた。城にかけられた1枚の肖像画に描かれている2人の女性、
それは仲の悪かった姉妹<赤の女王>と<黒の女王>で、百年前のある晩、
就寝中に<黒の女王>に襲われ、ナイフで7回刺されて絶命した<赤の女王>が
その復讐の為、墓場から甦って7つの傷跡を償わせようと、6人の犠牲者を殺害、
最後に自分を殺した<黒の女王>をも殺したのだという。
やがて美しく成長し、飛ぶ鳥を落とす勢いのファッション・カンパニーで
カメラマンとして働くようになったキティ(ブーシェ)の元に、奇妙な訃報が届いた。
姉のフランチェスカ(マルファッティ)夫婦と古城で暮らしている祖父が
突然、心臓発作で死亡したのだという。祖父は死ぬ直前に深紅のローブに
身を包み、不気味な笑い声をあげる女の影を見ていた。
それを聞いたキティに恐ろしい記憶が甦る。彼女は数年前、庭でつかみ合いの
喧嘩をしていた時に、誤ってイヴリンを殺してしまっていたのだ。
やがてキティの周りに奇妙な連続殺人が起きるようになり、会社の同僚や
彼女に何かを告げようとした仕事仲間が次々殺される。
キティと愛人関係を続ける会社役員、マーティン(パグリアイ)の妻で、
精神病院に入院しているエリザベスまでもが犠牲になり、
遂にキティは自らの隠された過去をマーティンに打ち明ける。
殺人は続き、イヴリンの件でキティを脅迫していた不気味な男も殺された。
警察の調査で浮かび上がった犯人の女性の似顔絵が、イヴリンに似ている事に
ショックを受けたキティは、意を決して妹の死体が隠してある城に向かう。
先祖の遺体が安置された地下室に足を踏み入れたキティは、突然深紅のローブを
まとった女性に襲われた。青白いその顔は確かにイヴリン!しかし、仮面を剥ぐと
そこにあったのは、彼女の秘書をしているローズマリー(ジャンカルロ)の顔だった。
ローズマリーは背中に短剣を突き刺されており、間もなく絶命した。
その頃マーティンは、キティの祖父が残した遺言状から、彼の孫に当たる姉妹が
本当は4人いたことを突きとめる。ローズマリーは、キティの腹違いの妹だったのだ。
事件の犯人は祖父の看病により人生を台無しにされたと、一族に対して
深い恨みを抱いたフランチェスカだった。彼女はキティを地下室に閉じ込めて
水責めにし、夫に全ての罪を着せようとしていた。
更にキティが殺したと思いこんでいたイヴリンも、実は気を失っただけで
生きていたのだが、助けに駆け寄ったフランチェスカが一瞬の悪魔の囁きに負けて
止めをさしていたのだった。それ以来、彼女の心には悪魔が住み着き、
異母姉妹のローズマリーを言い含めて、一族皆殺しの殺人計画を立てていたのだ。
しかし、フランチェスカの告白を聞いて逆上した夫が彼女を射殺。
キティの居所を聞き出そうとしたマーティンは、彼女の隠し持った短剣で
腹を突き刺されながらも駆けつけた警察と協力して水牢を発見、
キティを助け出すのだった。
ジャーロ映画の常連バーバラ・ブーシェ、マリーナ・マルファッティに、
シモネッタ・ステファネッリこと(マリア・)ピア・ジャンカルロも加えた豪華キャスト。
売春婦の役でまだ若かったシビル・ダニングが出ている。
共演は「サスペリア2000」のウーゴ・バグリアイ。
低予算ジャーロなのかと思いきや、ラストで城のセットが大洪水になる場面など
見せ場のツボを心得た演出がイイ感じ。またファッション界が舞台になっているので
ゴージャスなモデルや、グルーヴィーな70年代ファッションが次々登場、
その辺も見もの。安っぽい雰囲気がステキだが、実はかのダリオ・アルジェント氏も
大好きな1本だとか。
「DELIRIUM
(未)」(72)
aka:Delirio
Caldo/Hot Delirium
●60年代には吸血鬼映画を作っていたレナード・ポルセリが
突如発表した?サイコ映画。
悪名高い同監督の作品「イザベルの呪い/Black
Magic Rites」と、
同時進行で撮られたともされるこの作品は、ミッキー・ハガティー扮する
クレイジーな医者が、ナチス時代の幻影に悩まされて若い女性を誘拐、
その後絞め殺す強行を続けるという内容で、ヌードや拷問、
血みどろの殺人が山盛り。更には「イザベルの呪い」からのフッテージが、
フラッシュ・バックとして用いられたりとやりたい放題の1本になっている。
故に海外ではカルト映画として、ファンの間で人気が高い。
共演は「怪奇な恋の物語」のリタ・カラデローニ、キャメロン・ヤング、
ターノ・チマローザ、クリスタ・バリュモアーら。
「マッキラー (V)」(72)
DON'T
TORTURE A DUCKLING
aka:Non si
sevizia un paperino
●ルチオ・フルチが監督した社会派?ジャーロ。迷信が色濃く残る
南部の小さな村で子供ばかりを狙った連続殺人が発生、
怪しげな登場人物達が現れては消え、最終的には狂信的な
ホモの神父(マルク・ポレル)が犯人と分かる。
この当時のフルチ映画としては素晴らしい出来。
事件を新聞記者にトーマス・ミリアン。彼に協力するお色気娘がバーバラ・ブーシェ、
神父の母がイレーネ・パパス、リンチで殺されてしまう(名シーン!)気狂い女が
フロリンダ・ボルカン、他にもジョルジ・ウィルソン、ファウスタ・エヴェリなど、
良く知った顔が並ぶ豪華版。リズ・オルトラーニの美しい旋律に
載せて、神父の顔面が岩肌でえぐり取られるクライマックスは出色の出来だ!
「柔肌の狩人/ダンサー連続殺人事件(V)」(72)
DEATH
CARRIES A CANE
aka:Passi
Di Danza Su Una Lama Di Rasoio/
Maniac at Large/The Tormentor
イタリア映画/カラー・86分/日本劇場未公開(ビデオ発売:キング)
監督:マウリツィオ・プラドー
製作総指揮:フランシスコ・バルカザール
脚本:アルパッド・デリーソ
マウリツィオ・プラドー/アルフォンソ・バルカザール
出演:ロベルト・ホフマン/スーザン・スコット/
ジョージ・マーティン/アナスカ・ボローヴァ
●ジャーロ・クイーンの一人、スーザン・スコットを全面的にフィーチャーした
連続殺人物。杖を使って被害者を押さえつけ、鋭利な剃刀で喉笛を引き裂いて回る
謎の殺人魔の正体は?次々に狙われるバレエダンサー達。
そして明らかになる殺人の動機とは・・・(知ったらズッコケますよ)。
事件を捜査する芸術家に「サイコファイル」のロベルト・ホフマン。
監督はマウリッツィオ・プラデュー。日本版ビデオはキングさんから発売済み。
「美女連続殺人魔 」(72)
JENNIFER
aka:Whe
are those strange drops of blood on the body of Jennifer ?/
Perche Quelle Strane Gocce Di Sangue Sul Corpo Di Jennifer/
The Case
of Bloody Iris
イタリア映画/カラー・95分/日本劇場公開74年3月(東京第一フィルム)
(TV放映題名:「美女連続殺人鬼・姿なき野獣の恐怖」/ビデオ未発売)
製作会社:レア・フィルム=ガラッシア・フィルム
監督:アンソニー・アスコット(ジュリアーノ・カルミネーオ)
製作:ルチアーノ・マルチーノ
脚本:アンソニー・アスコット/エルネスト・ガスタルディ
撮影:ジャンカルロ・フェランド
音楽:ブルーノ・ニコライ
出演:ジョージ・ヒルトン(アンドレア)/エドウィジュ・フェネシュ(ジェニファー)
パオラ・カトリーニ(マリリン)/ジャンピエロ・アルベルティーニ
フランコ・アゴスティーニ
●イタリアを代表するグラマー女優エドウィージュ・フェネシュを主役に起用した
ジャーロ映画の代表作。魅力的なフォトモデルのジェニファー(フェネシュ)が
引っ越してきたローマの高層マンションで、謎の連続殺人が続発。
最初の犠牲者はマンションに住む何者かの元へ向かおうとしていた高級娼婦。
彼女は満員のエレベーターに乗り込み最上階を目指すが、利用客が皆降りてしまい、
犯人と二人きりになったところを鋭利なナイフで襲われ、下腹と喉笛を切り裂かれて
惨死した。続いて同じフロアに住む黒人のダンサーが帰宅後に襲われ、
手足を縛られてバスタブで溺死させられた。
マンションのペントハウスには、ジェニファーと彼女のモデル友達マリリン
(P・カトリーニ)以外にも、ケロイドの若者とその不気味な母親、知的な大学教授と
その娘シーラ(A・インコントネラ)らが住んでおり、それぞれ誰もが怪しい。
警察のエリッチ(F・アゴスティーニ)は、不動産屋のアンドレア(ジョージ・ヒルトン)が
クサイと睨み、捜査を開始する。ジェニファーは魅力的なアンドレアが犯人とは信じられず、
次第に彼と接近していく。しかし殺人は続き、ジェニファーのかつての乱交仲間が
彼女の部屋で刺殺死体となって発見され、その後も部屋に侵入した殺人魔に
ジェニファーが襲われる事件が頻繁起こるようになる。
やがて町中で買い物中のマリリンまでもが襲われ、下腹を切り裂かれて死亡。
ジェニファーは大混乱の現場から逃げ去るアンドレアの姿を目撃する。
帰宅したジェニファーはケロイドの若者の老母が外出をするのと入れ違いに、
部屋の中を調査しようと忍び込むが、そこで発見したのは絶命している若者だった。
驚いた彼女はシーラに助けを求めるが、彼女もボイラー室で大量の蒸気を浴びせられ
大火傷を負って殺される。恐怖に戦くジェニファーの前にアンドレアが現れるが、
現場に踏み込んだ警察に追われ、彼女の前から姿を消してしまう。
放心状態で部屋に戻った彼女に襲いかかったのは、なんと大学教授だった。
娘のレズビアン症によって、倒錯した性の持ち主に異常な憎悪を燃やした彼は
娘が呼んだ高級娼婦を皮切りに次々と犠牲者を手に掛けていたのだ。
ジェニファーはホールの吹き抜けから突き落とされそうになるが、
あわやというところにアンドレアが現れ、大学教授と揉み合いになる。
アンドレアには幼少時代、交通事故で両親を失ったトラウマがあり、
教授に掴みかかられて一瞬、身体が硬直してしまうが、
ジェニファーの叫び声に我に返った彼は、教授に掴みかかり、
バランスを崩した教授はホールに転落する。
教授のレズ娘役にアナベラ・インコントネラ、フェネシュの友達の
モデルにパオラ・カトリーニ。フェネシュが回想する乱交パーティーなど、
見せ場は多いが、全体的に冗長な印象。監督は後に「ラットマン」を撮った
怖いもの知らずのアンソニー・アスコットこと、ジュリアーノ・
カルミネーオ。相変わらずノリノリの音楽はブルーノ・ニコライ。
「THE
NACKED GIRL FOUND IN THE PARK(未)」(72)
aka:Ragazza
Tutta Nuda Assassinata nel Parco

●アル・ブラッドレー(アルフォンゾ・ブレッシア)が監督した凄い題名の
ジャーロ映画。しかし、内容的には題名通りのシーンがあるだけの粗末な出来。
まぁ監督がアル・ブラッドレーじゃぁねぇ・・・。
音楽はカルロ・サヴィーナ。出演はロベルト・ホフマン、イレーナ・デミック、
ピラール・ベラズゲズ、テレサ・ギンペラ、ハワード・ロス、
フィリップ・リロイ、アドルフォ・チェリなど。
「NIGHT OF A THOUSAND CATS(未)」
aka:La Noche de
los Mil Gatos
動物パニック映画で知られるレネ・カルドナ,Jrが監督した残酷スリラー。
アカプルコの近くに建てられた古城に住む男が、ヘリコプターで下界の町に出かけ
若くて美しい女性を城に連れてきては、セックスして殺害、その死体を飼っている
猫の大群に与えていた。人肉の味を覚えた猫達は檻を破って、城の中へなだれ込む!
出演は同じカルドナの「タイガー・シャーク」や、レンツィの「ナイトメア・シティ」に出ていた
ヒューゴ・スティグリッツ、ジェラルド・セッペーダ、アンジャネッテ・コマー、
クリスタ・リンダー、テレサ・ヴェラズゲズ、バルバラ・アンジェルら。
「SO
SWEET, SO DEAD (V)」(71〜72)
aka:Rivelazione
Di Un Maniaco Sessuale Al Capo Della Squadra Mobile/
Penetration/The Slasher is the Sex Maniac


●浮気をしている有閑マダムばかりを狙った猟奇殺人事件が発生、
警部が犯人を調査するうち、やはり妻を浮気の駆け落ちで失った解剖医が
犯人だと判明する。しかし警部の妻(シルヴァ・コシナ)も浮気をしており、
警部が(結果的に)彼女を見殺しにしてしまうという皮肉なシーンが描かれていた。
監督はロベルト・ビアンキ・モンテーロ。音楽に「サスペリア2」のジョルジョ・ガズリーニ。
出演者はなかなか豪華で、フェアリー・グレンジャー、フェミ・ベニュッシ、
スーザン・スコット、アナベラ・インコントネラ、クリスタ・ネル、パウル・オクセン、
クリス・アヴラム、シルヴァーノ・トランクイーリ、アンヘラ・コヴェーロら。
「SETTE
ORCHIDEE MACCIATE DI ROSSO(未)」(72)
aka:Puzzle
of the silver half moon/Seven Orchids Stained in Red

●U・レンツィが撮ったジャーロの中で、個人的には最も面白いと思う1本。
町外れのトウモロコシ畑で売春婦(「肉の蝋人形」のG・ジョルジエリ)が
殴り殺された。死体の手には半月の形をした銀メダルが残されていた。
続いて女流画家(マリーナ・マルファッティ)が絞殺され、
アパレル業に従事するヒロイン(ウシ・グラス)が、
彼氏(アントニオ・サバト)と一緒に旅行に出かける列車内で襲われる。
一連の事件にはどうやら数年前に起きた自動車事故が関係しているらしい。
被害者の墓に供えられた7本の蘭の花、そして死体に残される半月メダルの謎とは?
後半でマリサ・メルが双子役で登場、片われが小型ドリルで胸を突き通される、
ショッキングな展開も用意されている。原作エドガー・ウォレス。
「IL SORRISO DELLA IENA
(未)」(72)
aka:Smile
Before Death
「ブラック・キャット/美女全裸殺人の謎
(TV)」(72)
SETTE
SCIALLI DI SETA GIALLA
aka:The
Crimes of the black cat
●コペンハーゲンを舞台に、モデルが謎の殺人魔に殺されて行く物語。
盲目の作曲家(アンソニー・ステファン)が、ある夜、バーで殺人計画を
語る2人組の会話を聞いてしまう。やがて彼のGFだったモデルが
何者かに殺害され、作曲家は否応なしに事件に巻き込まれてしまう。
仕方なく捜査を始めた彼だが、謎が解けそうになるとその証人が消されてしまう。
GFのモデル仲間(アナベラ・インコントネラ)が殺され、殺人鬼の車に
轢かれそうになったレズビアンの同居相手は救出されるが、収容された
病院から逃げて地下鉄に乗ろうとしたところを線路に突き落とされる。
一連の事件には爪に毒を塗った猫が凶器として使われており、
一緒に贈りつけられたスカーフに猫が興奮する薬品が塗られていたのだ。
作曲家のGFはフォト・カメラマンと組んでモデル事務所のマネージャー
(シルヴァ・コシナ)の夫(ジャコモ=ロッシ・スチュアルト)を嵌め、
浮気現場を写真に撮って脅迫していたことが判明、そのカメラマンも殺され、
犯人は猫の使い手であるペットショップの女主人(ジャネット・レン)も
麻薬中毒の末に自殺したように見せかけて殺される。
作曲家はマネージャーの夫から工事現場に呼び出され、危うく殺されかかるが
駆けつけた警察に救われ、マネージャーは誤ってコンクリート槽に転落し死亡する。
作曲家はアパートに帰るが、一足先に帰っていた新しいGFは
シャワーを浴びている時に殺人犯に襲われ、カミソリでメッタ切りにされて
絶命していた。犯人はかつて火傷を負ってモデルを廃業したマネージャー
だった。踏み込んだ警察に怯えた彼女は窓から飛び降りて命を落とす。
製作者がエドモンド・アマティ、ユニット・マネージャーに
ファブリッツィオ・デ・アンジェリスが関わっている為か、
フルチの「幻想殺人」(71)からベッドでの殺人シーンが劇中に流れるお遊びあり。
主演は永遠のC級俳優、A・ステファン。共演のS・コシナを始め、
モデル達が華やかなお色気を振りまく。「サイコ」を彷彿させるシャワー殺人は
血みどろでなかなかショッキング。
監督はセルジョ・パストーレ。その奥さんジャネット・レンも出演。
「ストリッパー殺人事件(TV)」(72〜73)
LA MORTE
ACCAREZZA A MEZZANOTTE
aka:La
Muerte acaricia a medianoche/
Death Strikes Midnight/Death Stalks on High Heel
イタリア=スペイン合作/カラー/日本劇場未公開(TV放映/ビデオ未公開)
チネマカンパニー=アトランティダ
監督:ルチアーノ・エルコリ
原案:セルジオ・コルブッチ
脚本:エルネスト・ガスタルディ
メイ・ヴェラスコ/グイド・レオーニ
音楽:ジャンニ・フェリオ
出演:スーザン・スコット/サイモン・アンドリュー
ピーター・マーテル/ルチアーノ・ロッシ/クローディー・ラング
●監督ルチアーノ・エルコリ、主演スーザン・スコットのお馴染みコンビが
放つジャーロ映画。日本ではTVで放映された作品。
新薬の副作用を試す実験で、トリップしてしまったS・スコットが
隣のビルで行われた異常な殺人事件を<目撃>してしまうという内容。
凶器に使われるのは中世の騎士が用いた針のついた鉄の手袋!凄すぎ。
毎度殺され役のスコットが可愛いモデルに扮して、フェミニンな魅力を発揮。
共演はサイモン・アンドリュー、ピーター・マーテル、カルロ・ジェンティーリら。
音楽もこのコンビの映画ではお馴染みのジャンニ・フェリーオ。
「EXCITE
ME(未)」(72)
aka:Il
Tuo vizio e una stanza chiusa e solo io ne ho la chiave/
Eye of the black cat/Gently before she dies
●エドガー・アラン・ポーの「黒猫」を下敷きに、S・マルティーノが
放った傑作ジャーロ。サディスティックな作家の夫(ルイジ・ピスティレリ)に
苦しめられている妻(アニタ・ストリンドベルグ)が、セクシーな従姉妹の
フロリアーナ(エドウィージュ・フェネシュ)と共謀して夫殺しを計画、
地下室に塗り込められた黒猫の声で事件が発覚するまで、
登場人物の殆どが凄惨な死を遂げる凄まじい内容。
共演はイヴァン・ラシモフ、ダニエラ・ジョルダーノ、アラン・コリンズ。
音楽はブルーノ・ニコライ。製作はルチアーノ・マルティーノ。
「TUTTII
COLORI DEL BUIO(未)」(72)
aka:They
are coming to get you/Day of the maniac,etc
●ルチアーノ・マルティーノの製作、セルジョ・マルティーノの監督、
エドウィージュ・フェネシュの主演で作られた「ローズマリーの赤ちゃん」風の
オカルト・ジャーロ。冒頭の凄まじい幻想シーンを始め、
ストレンジな味わいが炸裂する内容に、海外ではカルト映画の呼び声高い1本。
フェネシュ扮するジェーンは、少女時代に母親をカルト教団に殺されて以来、
奇妙な幻想に悩まされる日々を送っていた。夫のリチャード
(ジョージ・ヒルトン)や、姉のバーバラ(スーザン・スコット)に話しても
埒が明かず、同じアパルトメントに住むマリー(マリーナ・マルファッティ)に
連れられ、気まぐれで黒魔術の集会に参加してから異常な体験をするようになる。
共演はイヴァン・ラシモフ、ホルヘ・リガウド、ジュリアン・ウガルテ。
「IL VIZIO HA LE CALZE NERE(未)」(72)
aka:Reflections
in black
●ターノ・チマローザが監督のみならず、探偵の一人として
やたらと画面に登場してくる、平凡なポリス・ミステリー物。
主演の警部に「血塗られた墓標」のジョン・リチャードソン、
共演はダグマー・ラッセンダール、ニネット・ダヴォーリ、
ダニエラ・ジョルダーノら。
「IL VIZIO HA LE CALZE NERE
(未)」(72)
aka:Vice
Wears Black Hose
「THE KILLERS ARE OUR GUESTS
(未)」(72)
aka:Gli
Assassini sono Nostri Ospiti
「影なき淫獣」(73)
TORSO
aka:Il Profumo Delle Signora in Nero
●セルジョ・マルティーノの猟奇スリラー。被害者の死体をノコギリで切り刻む
ゴア描写が登場、時代がスラッシャー物にシフトし始めたことを如実に
作風に取り入れた名作。グイド&マウリッツィオ・デ・アンジェリスの音楽も良い!
「PERFUME OF THE LADY IN BLACK(未)」(73)
aka:Il
Profumo Delle Signora in Nero
●不気味なホラー・ジャーロ映画「Hotel
of Fear (Penzione Paura)」(77)の
フランシスコ・バリーリ監督が発表した血みどろスリラー。
科学者のシルヴィア(ミムジー・ファーマー)は、異常な幼児体験から来る
幻想や幻影に悩まされていた(毎度お馴染みの設定!)。
香水の香りと共に鏡の中に現れる黒衣の女と、自分自身の少女時代の幻影が
彼女を悩ませる。シルヴィアはBFとセックスをしている彼女の母親を刺し殺した
過去があり、こうした過去や幻影が彼女を狂気に追いやり、友人達が
一人ずつ残虐に殺害される事件が起る。やがてシルヴィアが生まれながらに
古代の黒魔術と食人信仰に浸ったカルト教団の生贄にされる運命だったことが判明、
ラストでシルヴィアは衝動的に飛び降り自殺を図り、カルト教団の人喰い儀式の
犠牲になる(このシーンは「食人族」を凌ぐ!と話題になった)。しかし全ては
本当に起きた現実なのか、それとも・・・?
共演はマリオ・スカッチア、ダニエラ・バルネス、マウリッツィオ・ボヌグリア。
「赤い影」(73)
DON'T LOOK
NOW
●ニコラス・ローグ(一応ユーロ・ディレクター?)が撮った野心作。
タイトルが意味する赤いコートの小人殺人鬼(凄すぎ)と、
主人公(ドナルド・サザーランド)が死なせてしまった娘の着ていた
赤いコートが絶妙に画面を錯綜する辺りや、盲目の予知能力老婆が
出てきて主人公の死を予知する展開などなど、印象的なシーンが多い。
P・ドナッジョの音楽もケレン味が上手く活かされていてグッド。
「女の館(TV)」(73)
BLUE EYES OF THE
BROKEN DOLL
aka:Los
Ojos Azules de la Muneca Rota/ House of Psychotic Women
●恋人を殺してしまった男(ポール・ナッシー)が、丘の上に建つ、セクシーな
3人姉妹の住む館にやって来る。彼女達一人一人と性的な関係を持った
ナッシーだが、館の周辺では、ブロンドに青い瞳の美女達が襲われ、
眼球をえぐり取られる異常な殺人事件が続発していた。
犯人はナッシーなのか?ラストには意外なシーンが用意されている。
共演の美女達にダイアナ・ロイス、マリア・ペルシー、エヴァ・レオン。
監督はカルロス・アウレード。
「尼僧院殺人事件 (TV)」(73)
L'ARMA,
L'ORA, IL MOVENTE
●フレンチェスコ・マッツェイが監督したTV放映済みのジャーロ映画。
出演はレンツォ・モンタグナーニ、ベディ・モラッティ、クラウディア・グラヴィ。
音楽はフランチェスコ・デ・マージ。修道院で教師をしている若い牧師、
ドン・ジョルジョには、ジュリアとオルチルディアという愛人がいた。
ある日、彼はオルチルディアと別れて二股交際を清算するが、その直後
ドン・ジョルジョが礼拝堂で刺し殺されているのが発見される。
フェルッチオという孤児が殺人現場を目撃していたが、警察に聞かれても
彼は何も言わない。そしてジュリアも死んだ。数々の殺人が起きた後、
ついにフェルッチオの口にした恐るべき殺人の真相とは・・・?
「戦慄!2Aの女 (V)」(73)
A GIRL IN
ROOM 2
aka:La
Casa Della Paura/The House of Fear
●マッシモ・プピロが撮った「惨殺の古城」と似たようなヴィジュアルを用いて
NYの映像作家ウィリアム・ローズが監督した奇妙な味わいのジャーロ映画。
エディという名の若い娘が誘拐され、人里離れた屋敷に幽閉されて拷問を受け、
挙げ句に鉄槍で刺し殺されてしまう。暫くして手違いで投獄されていた美しい娘、
マーガレット(ダニエラ・ジョルダーノ)が、エディの住んでいた部屋を借りようと
グラント夫人の郊外にある屋敷を訪れる。屋敷の住人は奇妙な人間ばかりで、
マーガレットの部屋の床には夥しい血を拭き取った跡が赤く残っていた。
屋敷には何か裏があると踏んだマーガレットは、エディの兄と名乗る青年と共に
調査を始める。その結果、グラント夫人らが、奔放な若い娘を誘拐して、
悪魔崇拝の生贄にしていた事が分かる。
クライマックスの生贄シーンは血みどろの大惨劇になるが、全体的に
何が起きているのか良く分からない怪作。ジョルダーノのクールな美貌は見もの。
他の共演者には名優ラフ・バローネ(この映画の監督も兼ねたという話もあったが
彼は出演だけのようだ)カリン・シューベルト、ロザルバ・ネリ、ブラッド・ハリスら。
気味の悪い音楽をロベルト・ピサーノが担当している。
「マドリード美女連続殺人事件」(TV)(73)
CANDLE FOR
THE DEVIL
aka:Una Vela Para El Diablo/Nightmare Hotel
●「ゾンビ特急地獄行き」のエウジニオ・マルティンが発表した
グロテスクな猟奇スリラー。性的にストレスのある年増の姉妹
(アウローラ・バティスタとブランカ・エストラーダ)が、
自分たちの経営する民宿を訪れた奔放的な若い娘を次々に惨殺していく。
死体はバラバラにして名物のワインが寝かしてある大壺の中へ。
行方不明になった妹(オッソーリオ映画でお馴染みのロレッタ・トーヴァー)を
捜しに来た姉(「悪魔の受胎」のジュディー・ジーズン)も、
殺人魔と化した姉妹の手にかかりそうになるが・・・。
日本では何度もTV放映された安い1編だが、海外では結構人気のある作品。
他の出演者は「エル・ゾンビ」のヴィック・ウィナーなど。
「SEVEN
DEATHS IN THE CATS EYES(未)」(71〜73)
aka:La
Morte negli occhi del gatto
●主演にジェーン・バーキン!共演はハイラム・ケラー、
ヴェナンティーノ・ヴェナンティーニ、ダナ・ギーア。
監督はアントニオ・マルゲイティ(アンソニー・ドーソン)。
イギリスの古城を舞台に巻き起こる殺人事件を描いたスリラー。
話はやや混乱しているが、ドーソンのテクニックは十分楽しめる。
ジェーン・バーキンのエロティック・シーンも満載。
音楽はリズ・オルトラーニ。
「WHO KILLED THE PROSECUTOR AND WHY
? (未)」(73)
aka:Terza
Ipotesi su un Caso di Perfetta Strategia Criminale
●S・マルティーノのスリラー映画。
「HUMAN COBRA (未)」(73)
aka:L'Uomo
Piu Velenoso del Cobra
●「死霊の七人」のエリカ・ブランクが出演したジャーロ作品。
74年〜79年までのジャーロ映画を見る
80年代〜90年代のジャーロ映画を見る
セクシー系の映画も見る?
〜75年まで/75〜80まで