ウンベルト・レンツィ
Umberto
Lenzi
監督業をしていて、本当に満足する為には少なくとも3つの
ジャンルで有名になる必要があるね。例えばミステリー、
アクション、そして戦争映画だ。
ウンベルト・レンツィは1931年8月6日、マッサ・マリッティマ
(グロセット)で生まれた(日本の全洋画検索エンジンでは
ローマ生まれになっている)。クレジットではハンク・マイルストン、
ハンフリー・ハンバート、ヒューバート・ハンフリー、
ボブ・コリンズ、ハンフリー・ロンガン、ハリー・カークパトリック、
ドゥー・ヤング・リーなどの変名も用いている。
シネマクラブで批評やエッセイを書いていた(自らシネフィルという
単語も使っている!)レンツィは、次第に変名の脚本家として
映画界に関わるようになり、その経験を通して映画製作のイロハを学んだ。
彼のデビューは1961年の「海の女王」。
それ以来彼は休むことなく活動を続け、あらゆるジャンルの映画を開拓し、
大量の映画を作り続けている。早撮り、低クォリティとけなされる事が多い
レンツィの映画だが、あの早撮りぶりを考えれば、数あるユーロトラッシュ
映画の中ではかなり良くできている映画が多いし、何よりも彼の映画は
観ていて面白い作品ばかりなのが凄い。
レンツィが関わった数多い映画を見渡してみて、
まず最初に注目に値するのは、60年代後半に発表された
怪盗「クリミナル」シリーズである。
当時イタリアではコミックのヒーロー&ヒロインを主人公にした
映画化が流行したが、その先駆けは一般的にマリオ・バーヴァの
「黄金の眼」(68)だとされる。しかし、同じような内容を扱った
レンツィの「クリミナル」が制作されたのはそれより1年前の67年、
「黄金の眼」が発表された68年には既に「クリミナル」の
続編が発表されているのだ!
続いて2本のマカロニ・ウエスタン、更には(恐らく彼が一番得意とする)
戦争アクション映画群を発表することになるが、そのうちの1本「激戦地/
Battle of the Commandos」(69)には共同脚本家として、
かのダリオ・アルジェントもクレジットされている。
インタビューでアルジェントとの作業に関して尋ねられたレンツィは
「ダリオは映画の脚本にアドバイスをくれただけさ。彼が参加した
時点で、脚本は殆ど完成していたからね。確かにダリオは
映画の脚本にクレジットされているが、それで私が彼に何かを教えた、
なんてコメントしたら自分の阿呆ぶりを披露してしまうことになるよ」と
愉快な回答を返しています。
これとほぼ時を同じくして、レンツィはエロティックな描写を満載した
ジャーロ映画へと傾倒を始め、特にキャロル・ベイカーを起用した
「狂った蜜蜂/Paranoia」(68)や、「殺意の海/A Quiet Place to Kill」(69)
「So Sweet...So Perverse」(1969)等の諸作で、
その特異な才能を大いに発揮した。レンツィ自身は余り出来に関して
自信を持っていないようだが、ジャーロ映画の流行が終わりかけた
74年に発表された「スパズモ/Spasmo」も面白い仕上がりである。
70年代に入ると、レンツィはユーロ・アクションの開拓者として、
その地位を確立する。特に有名なのは「Almost
Human」(1974)と、
「One Just Man」(1975)で、この2本の映画に両方とも主演した
キューバの何でも屋、トーマス・ミリアンはすぐにジャンル映画の
「顔」的存在の俳優になっていく。
「One Just Man」の方は娯楽映画として1級の出来で、
興行的にも成功を収め、レンツィの元にはこの種のジャンル映画の
演出依頼が殺到した。勿論彼は依頼を受けまくり、
このジャンルでも大量の監督作を産み落とした。
これらの映画でミリアンは、常にタフな警官役か暴力的なチンピラ役の
どちらかを演じ続けた。
またこうしたレンツィの映画は、他の多くのユーロ産アクション映画にも
多大な影響を与えていることも見逃せない。
2匹目のドジョウを狙いミリアン主演で製作された映画には、
ブルーノ・コルブッチが監督し、主人公をヒッピー崩れの警察官にした事で、
よりパロディ色の強くなった「ニコ・ギラルディ」シリーズがある。
刑事アクション関連の解説が不十分だ!
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76年にはA・ドーソン監督、ユル・ブリンナー主演の「殺人ライセンス
Con la rabbia agli occhi
(Anger in His Eyes,Death Rage」(76)に
製作者として携わっている。「殺人ライセンス」は視界に赤い染み(血?)が
入ってしまい殺し屋稼業を引退した男が、再び殺しの世界に巻き込まれる
娯楽系サスペンス・アクション。オプチカルで赤い色を被せた主観ショットが
挿入されると一々ブリンナーが目を押さえる演出が笑える。
また脚本家としても「ザンゴリラ/Primal
Rage」(91)に
参加するなど(ハリー・カークパトリック名義)、多彩ぶりを発揮している。
数あるレンツィの映画の中で、次に挙げる3本の映画は
良くも悪くもレンツィの名前を最も有名にした映画群である。
人食い3部作とも呼ばれるこれらの映画のうち、最初に発表されたのが、
「怪奇!魔境の裸族/Man from Deep River」(72)である。
この映画は後に「人喰い映画」としてファンに認知される事になる、
秘境探検モノに娯楽的要素をプラスしたジャンルで、
まさに「怪奇!魔境の裸族」はその先駆けであった。
イタリア映画における「人喰い映画」の創始者が誰であるかについては、
好き者達(当の監督達も巻き込まれた形になっているが)の間で、
多くの議論を呼んできたが、こうしてみれば一目瞭然だろう。
レンツィこそが、この常に非難を浴びる問題シリーズの創始者であり、
ルッジェロ・デオダートが監督した作品群−例えばマスコミによって大騒ぎされた
「食人族 Cannibal Holocaust」(79)等は、少なからずレンツィの諸作からの
「影響」を受けていると言って間違いない。
レンツィは早くも80年初頭に「食人帝国/Eaten Alive」(80)で
ジャンル映画に回帰し、このジャンルの決定版とも呼べる
「人喰族/Cannibal Ferox」を1981年に発表している。
因みに「人喰族」は何と
31の国で上映禁止となる有り難くない?称号も
獲得している(その殆どは宣伝用にデッチ挙げられた嘘の記録だが)。
勿論レンツィの「人喰い映画」における動物達への(殆どの場合は物語上、
特別な意味のない、過剰な)暴力、あるいは殺戮は避難され、
また咎められて当然の行為ではある。しかし多くの場合その種の描写に関しても、
デオダートの「食人族」のみが、映画製作のアマチュアであるからこそ
犯し得た「罪」として、人々の話題に上ってきた。
この状況は年輩者のレンツィにとって甚だ不本意であると言わざるをえないだろう。
しかし彼こそが「人喰族」などのスキャンダラスな映画を作った
監督であるという事実、そしてその作品自体はウンベルト・レンツィという
名前と共に、「クラシック」としてゴミ映画の殿堂にいつまでも
燦然と輝き続けるだろう。
その後も本人が余り「自分らしくない」映画だと発言しているゾンビ物
「ナイトメア・シティ」(81)や、ジョー・ダマートの製作会社フィルミュラージュが
製作した血みどろホラー映画「ゴーストハウス」(88)を監督。
ファンの間でカルト映画になっている。
現在のレンツィは映画製作を休止し、ダビング作業のスーパーヴァイズを
担当しているようす。他にファン中心の映画祭にも良く顔を出しているようだ。
<フィルモグラフィー>
「海の女王」
LE AVVENTURE DI MARY READ (61)
aka:Hell Below Deck
●海賊映画。レンツィが29歳の時に初めて監督した作品。
出演はA・ドーソンの「惑星からの侵略」のリザ・ガストーニ、
ジェローム・コートランド、ジャーマノ・ロンゴら。
CATHERINE OF RUSSIA (62)
aka:Catherina di Russia/Catherina de Russie
●伊=仏合作。歴史ドラマ。
DUELLO NELLA SILA (62)
aka:Duel of Fire
●フェルナンド・ラマス主演。冒険物。
Il TRIONFO DI ROBIN HOOD (62〜63)
●ドン・バーネット、ギア・スカラ主演。
仏=米合作。冒険物。
TERROR OF THE BLACK MASK(63)
aka:L'Invincible Cavaliere Mascherato
The Invinvible Masked Rider
●伊=仏合作。ヒーローアクション物らしい。
SAMSON AND THE SLAVE QUEEN (63)
aka:Zorro Contro Maciste
●冒険物。題名から察するにゾロ+マチステ映画?
「サンドガン総攻撃」(63〜64)
SANDOKAN THE GREAT
SANDOKAN, La Tigre di Mompracem
イタリア映画/カラー・105分/
日本劇場公開1964年11月(配給:MGM)
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:フルヴィオ・ジッカ/ウンベルト・レンツィ
撮影:ジョヴァンニ・スカルペーニ/アンジェロ・ロッティ
音楽:ジョヴァンニ・フスコ
出演:スティーヴ・リーヴス/ジュヌヴィエーヴ・ラヴ/
リク・ヴァッタリア/モーリス・ポリ/アンドレア・ボシック/レイ・ダントン
●伊=仏=スペイン合作。何と日本劇場公開作!
主演はスティーヴ・リーヴスで内容は冒険物?
レンツィは監督以外に脚本も担当。
「白い巨象」(63〜64)
SANDOKAN, IL MACISTE DELLA GIUNGLA
aka:Il Tempio dell'Elefante Bianco
:The Temple of the White Elephant
イタリア映画/カラー・100分/
日本劇場公開1965年4月(配給:AA)
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:フルヴィオ・ジッカ
撮影:アンジェロ・ロッティ
出演:ショーン・フリン/マリー・ヴェルシーニ/
アレクサンドロ・パナロ
●伊=仏合作。「サンドガン」に続く日本公開作。
インドを舞台に土賊にさらわれた将校とその婚約者を
助けるため、ジャンルに踏み入っていく青年将校の活躍を描く。
「勇者ヘラクレスの挑戦」(64)
HERCULES AGAINST THE MERCENARIES
aka:Messalina Vs.(Against) the Son of Hercules (US題)
Empress Messalina Meets the Son of hercules
Gladiatore di Messalina/L'Ultimo Gladiatore
●伊=仏=スペイン合作。リチャード・ハリソンの冒険物。
「スキャンダル」でフランコ・ネロと共演したリザ・ガストーニ、
「女囚監獄」「死霊の暗殺エトルスカン」のマリル・トーロが共演。
劇場未公開、TV放映オンリーの作品。98分。
LA MONTAGNA DI LUCE (64)
aka:Tempel of the Thousand Lights (US)
Jungle Adventurer (US:TV放映題)
●冒険物。リチャード・ハリソン主演。
I PIRATI DELLA MALESIA (64)
aka:The Pirates of the Seven Seas
The Pirates of Melaysia
Los Piratas de Malasia (スペイン題)
Die Schwarzen Piraten von Malaysia (独題)
●冒険物。スティーヴ・リーヴス主演。
ADVENTURES OF THE BENGAL LANCERS (64〜65)
(I TRE SERGENTI DEL BENGALA)
●伊=スペイン合作。ハンフリー・ハンバート名義の冒険物。
リチャード・ハリソン主演。
「全滅作戦 008(TV題名)」
A 008 OPERAZIONE TERMINIO (65)
aka:A 008 Operazione Sterminio
A 008 Operation Exterminate
●日本劇場未公開、TV放映オンリーの1本。
全洋画の解説には戦争映画とあるが・・・題名から察するに
007をパクッたイタリア製のスパイ・スリラーでは??
イングリット・シューラー主演。
SUPER SEVEN CHIAMA CAIRO (65〜66)
aka:Super Seven Calling Cario
Super 7 Appelle le Sphinx (仏題)
●伊=仏合作。スパイ・スリラー。
出演:ロジャー・ブラウニー。
UN MILIONE DI DOLLARI PER SETTE ASSASSINI (66)
aka:Last Man to Kill
●コミカルなスパイ・スリラー。
出演:ロジャー・ブラウニー。
THE SPIE WHO LOVED FLOWERS (66)
aka:Le Spie Amano i Fiori
●伊=スペイン。ヒューバート・ハンフリー名義。
出演:ロジャー・ブラウニー。
KRIMINAL (66〜67)
KRIMINAL, The Masked Thief
●伊=スペイン合作。ピカレスク物ブームの火付け役になった
「黄金の眼」より早く作られたことで有名な怪盗映画。
骸骨面と全身タイツの辣腕泥棒が活躍する内容だが、
出来はわりと平凡で、M・バーヴァのヴィジュアルには遠く及ばない。
出演はグレン・サクソンと、スペインのオバケ女優ヘルガ・レーネ。
彼女はアマンド・オッソーリオ、ポール・ナッシーの映画に良く出ている。
「北アフリカ特攻作戦」
ATTENTANO AL 3 GRANDI (67)
aka:Desert Commandos
●劇場未公開、TV放映のみの戦争アドベンチャー。
出演はケン・クラーク、ホルスト・フランク、ジャンヌ・ヴァレリー。
KRIMINAL'S FOUR BUDDHAS (68)
(I 4 BUDAS DI KRIMINAL; MASCARA DE KRIMINAL)
●イタリア=スペイン合作。「クリミナル」の続編。
ONE FOR ALL (67〜68)
aka: Go for Broke
Tutto per Tutto/La Hora del Coraje (スペイン題)
●西部劇?マーク・ダーモン、ジョン・アイアランド主演。
「情無用のガンファイター(TV題名)」
(68〜69)
UNA PISTOLA PER CENTO BARE
aka:A Pistol for a Hundred Coffins
A Gun for One Hundred Graves
El Sabor del Odio (スペイン題)
●西部劇。伊=スペイン合作。全洋画検索では邦題があがらず。
主演はピーター・リー・ローレンスと
ジョン・アイアランド。精神病院を脱走した狂人が
武器を手に酒場の人間に襲いかかる名シーンあり。
「狂った蜜蜂」 ORGASMO (68)
aka:Paranoia (米題)/Orgasm
Une folle envie D'aimer (仏題)
イタリア(=フランス合作)映画/カラー・91分/シネスコ
日本劇場公開70年1月(配給:松竹映配)
国内版ビデオ未発売
製作会社:トリトーネ・フィルミンダストリア(ローマ)=
ソシエーテ・ヌーベル・シネマトグラフィ(パリ)
監督:ハンク・マイルストーン(ウンベルト・レンツィ)
脚本:ハンク・マイルストーン/ウーゴ・モレッティ/
マリー・クレール・ソレヴィーレ
原案:ウンベルト・レンツィ
撮影:グリエルモ・マンコーリ
編集:エンゾ・アラビーソ
音楽:ピエロ・ウミリアーニ
美術ジョルジョ・ベルトリーニ
助監督:マルチェロ・ポンドルフ
出演:キャロル・ベイカー(カトリーヌ・ウエスト)/
ルー・カステル(ピーター・ドノヴァン)/コレット・デコム(エヴァ)/
ティノ・カラーロ(ブライアン・サンダーズ:カトリーヌの弁護士)/
リラ・ブリグノーネ(テレザ:メイド)/フランコ・ペーシェ(召使い)/
ティナ・ラッタンツィ(カトリーヌの叔母)/ジャック・スタンリー(刑事)
●「ベビイドール」で話題を振りまいたC・ベイカーが脱ぐ!という
センセーショナルな触れ込みでヒットを記録した68年の
「デボラの甘い肉体」を受け、レンツィが再びベイカーを起用して
撮った記念すべき彼のエロティック・スリラー第1作。
当初、主役はエレノア・パーカーを予定していたが、
「デボラ」の撮影終了後もローマにいたベイカーに目を付けた
「激戦地」のプロデューサーがレンツィにベイカーを薦めたそうだ。
レンツィも「どうせなら若くてキレイな女優を使った方が良いと
思ったんだ」と失礼な発言をしている。
交通事故死した夫の遺産を手に、イタリアにある豪邸へやって来た
アメリカ人の未亡人カトリーヌ(ベイカー)。そんな彼女のもとへ
フラリと現れた謎の兄妹ピーターとエヴァ。
内心で彼らの若さを妬み、酒に溺れていくカトリーヌを
兄妹は巧みに誘惑し、奇妙な3角関係が生まれる。
更に兄妹はベッドを共にしており、嫉妬に狂ったカトリーヌは
衝動的にピーターを撃ち殺してしまう。しかしその死体は甦って・・・。
「デボラの甘い肉体」をよりセクシーにしたような展開に
織り込まれていくエロティックな場面の数々。
巧妙に張りめぐらされた犯罪計画。最後に笑うのは誰か?
(アメリカ公開版からはキャロル・ベイカーが殺人犯だと分かる部分が
カットされているという噂もある。一般的なレビューを読むと、
平凡なサスペンス映画だと思われているようだが・・・。
それにしてもこの当時の邦題センスは抜群!)
音楽は<マナマナおじさん>ことP・ウミリアーニ。
レンツィ自身、自分が撮ったスリラー映画の中では
一番気に入っていると発言している1本。だが原題がポルノ映画を
思わせた為に、興業面での成績はいまひとつだったとか。
「激戦地」の脚本で一緒の仕事をしたダリオ・アルジェントも
この映画の撮影セットを訪れていたらしい。
「激戦地」(69)

BATTLE OF THE COMMANDOS
aka:La Legione dei Daminati
La Brigada de los Condenados (スペイン題)
Die zum Teufel Gehen (西独)
Legione of the Damned
●第二次世界大戦、音なき大砲として恐れられた独軍の
アンゴー長距離砲を題材に取った戦争アクション。
戦況を左右するスーパー兵器破壊を命じられた
9人の戦争プロフェッショナルたちが、独軍の親衛隊相手に
奮闘する。日本では劇場公開された一本。
主演はジャック・パランスと、クルト・ユルゲンス、
共演にヴォルフガング・プライス、トム・ハンターら。
脚本にはダリオ・アルジェントが絡んでいるが、
当時のプレスでは「ダリーノ・アルゲント」表記(ガックリ)。
このプレス、スタッフをドイツ人ぽくしたい?のか、
監督:ウムベルト・レンツィ、音楽:マルチェロ・ギオムビーニとクレジット。
結構笑えます(このHPも表記ミス多いし、他人事じゃないですが)。
SO SWEET... SO PERVERSE (69)
aka:Cosi Dolce... Cosi Perversa
:Kiss Me Kill Me
:So Sweet... So Dead

伊=仏=西独合作/カラー・92分/シネスコ
日本劇場未公開(ビデオ未発売/TV未放映?)
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:エルネスト・ガスタルディ/ルチアーノ・マルティーノ
出演:キャロル・ベイカー(ニコール)/ジャン=ルイ・トランティニアン(ジーン)/
エリカ・ブラン(ダニエレ)/ホルスト・フランク(クラウス)/
ヘルガ・レーネ/エルメリンダ・デ・フェリース/イリオ・ファンティーニ/
ジャンニ・デ・ベネデット/ダリオ・ミカエリス/ロナート・ピンチローリ/
ジャンニ・プローネ/ルチオ・ラーマ/パオラ・シャルツィ/
ルイジ・スポルテッリ/ベリル・カニンガム
●C・ベイカーを再び主演に起用したジャーロ映画。
この映画の元になっているのは明らかに「悪魔のような女」。
共演はエリカ・ブラン、ジャン・ルイ・トランティニアン。
C・ベイカーはレンツィにとって非常に魅力的な被写体だったようで、
「ミス・ベイカーとの仕事はいつも上手く行った。
彼女はスター・システムでチヤホヤされた俳優とは違う時代の俳優で
吹き替えを使うのを嫌うんだ。それにとても礼儀正しい女性でね。
ミス・ベイカーを何本もの映画で主役に起用したのは、
単に契約の問題ではなく、私がそう望んだからなんだよ」とコメントしています。
「殺意の海」 A QUIET PLACE TO
KILL (69〜70)

aka:Paranoia (再公開時のタイトル)
A Beautiful Place to Kill
Una Droga Llamada Helen
Un Tranquilo Lugar para Matar (スペイン題)
●伊=スペイン合作。製作会社はティタヌス・プロ。
日本での配給は20世紀FOX、71年9月に初公開。
上映時間は96分。レンツィ版「太陽がいっぱい」という趣の作品。
主演は「ハーロー」のキャロル・ベイカーと、「痴情の森」のジャン・ソレル。
スペインの俳優ルイス・タヴィラ、マリナ・コファら。
撮影にグリエルモ・マンコーリ、音楽はグレゴリア・ガルシア・セグラ。
<物語>
ローマで事故を起こし入院していたアメリカ人の女流レーサー、
ヘレン(ベイカー)が、3年前に分かれた夫のモーリス(ソレル)の招待で
スペインのマジョルカ島にある別荘を訪れる。モーリスは金持ち女と結婚し、
金がなくなると捨てるという典型的なプレイボーイで、現在は石油成金の
未亡人コンスタンス(コファ)と結婚している。
別荘に着いたヘレンはコンスタンスから夫のモーリスを殺してくれないかと
頼まれて驚くが、もちろん彼女は断った。翌日になってヘレンはモーリス夫妻、
一家の友人ドーレム判事(タヴィラ)、ウェッブ医師夫妻らと共にヨットで
海に出る。ヘレン、モーリス、コンスタンスが3人でヨットに乗って沖に出た時、
コンスタンスは突然、ヘレンに水中銃でモーリスを撃つように言う。
彼女が断ると、コンスタンスは銃を奪い取ってモーリスを撃とうとする。
モーリスはそれを制止しようとして誤ってコンスタンスを殺してしまう。
とっさの判断でコンスタンスの死体を海に投げ入れ、ヨットを急旋回させて
転覆させるモーリス。警察の調査が入るがコンスタンスの死体は発見されず、
ドーレム判事の証言で彼女は事故死ということで処理される。
そしてそれを良いことにヘレンとモーリスの関係は再燃した。そこにある日、
コンスタンスが前夫との間に儲けた一人娘スーザン(アンナ・プロクレメル)が
訪ねて来て、彼女は母親の死がどうしても事故死とは思えず、ヘレンと
モーリスを疑い出す。ウェッブ医師が偶然、ヨットの転覆を撮影したと聞いた
モーリスは事前にフィルムに細工をし、事なきを得る。その頃、ヘレンは
スーザンとモーリスが実は愛人関係にあったことを知り、ショックを受ける。
モーリスはヘレンと判事を猟に誘い出したが、判事は約束の場所で
血痕とヘレンのライターを発見する。彼女がモーリスを殺害したと判断した
判事は、ヘレンを逮捕しようと後を追う。しかし彼女は逃走中に事故死して
しまった。これはモーリスとスーザンが仕組んだ芝居であり、全ての罪を
ヘレンに被せてしまう計画だったのだ。二人の計画は成功したように思えたが・・・。
「ガラスの旅」
AN IDEAL PLACE TO KILL (71)
aka:Un Posto Ideale per Uccidere
Dirty Pictures/Oasis of Fear(米:吹き替え版)
Deadly Trap/Love Stress(日本のみの英題)
イタリア=フランス合作/テクニカラー
日本劇場公開(73年10月13日/配給:ヘラルド=東宝)
(ビデオ未発売/TV放映データなし)
製作:カルロ・ポンティ
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:アントニオ・アルトヴィッチ/ルチア・ドゥルディ・デンビー
(日本版パンフのクレジット:バンニ・カステラーリ)
撮影:アルフィオ・コンチーニ
編集:エウジニオ・アラビーソ
音楽:ブルーノ・ラウッツィ
出演:レイモンド・ラブロック(ディック)/オルネラ・ムッティ(イングリッド)/
イレーネ・パパス(バーバラ)/マイケル・ブランディネット/
ジャック・スタンリー/ウンベルト・ドルーシ/カリスト・カリスティ/
ウーゴ・アディノルフィ/サル・ボロゲーゼ/ジュセッペ・テッラノーヴァ/
カルラ・マンシーニ/ウンベルト・ラオー/アントニオ・メリーノ
●ラブロックと、O・ムッティ扮する無軌道な若者カップルが、
イレーネ・パパスの人妻に殺人の罪をなすりつけられてしまう。
製作はイタリア映画界の大御所プロデューサー、カルロ・ポンティ。
音楽はブルーノ・ニコライ。日本でも劇場公開された作品だが、
主演のラブロック人気を考慮したのか、日本のみの奇妙な英題
「Love Stress」が笑える。
増村保造監督と映画学校で同期だったU・レンツィは、
「イージーライダー」をヒントにこの作品を演出。
ミステリーの本場イギリスに倣ったジャーロが多いなか、
ひと味違った異色作を撮ろうと考えていたらしい。
「ガラスの部屋」で当時人気のあった美形若手スター、
R・ラブロックを主役の青年に起用した理由についてレンツィは
「若者の持つ、純粋な魂を演じられる、イタリアでは唯一の個性だと
思ったから」と日本版のパンフで語っている。しかし後のインタビューでは
「ラブロックもO・ムッティも68年の若者を演じるには
あまりにもキレイ過ぎたと思う」と後悔。更に当初はアンナ・モッフォを
予定した人妻役にイレーネ・パパスを使ってしまったことも
失敗だったと認めている。パパスはアメリカ人の人妻には見えないし、
何より映画の中でヌードになることを頑なに拒んだから、だという。
この映画もキャロル・ベイカー主演で撮れたらな、と
ベイカー・マニアのレンツィ氏はボソッと漏らしていた。
<物語>
イギリス人青年ディック・バトラー(ラブロック)と、彼のGFで
デンマーク生まれのイングリッド・シオマン(ムッティ)は
カトリック諸国で禁止されているポルノ雑誌を売りさばいて
気ままなヨーロッパ旅行を計画しているカップル。
中年男でごった返すコペンハーゲンのポルノ・ショップで
しこたま雑誌を買い込んだ彼らの目論みは大成功し、
オンボロのクラシックカーでの道中、雑誌は中年紳士や
老夫婦、団体の旅行客らに飛ぶように売れていった。
その金で異国の景色を満喫し、ディスコの痺れるようなサウンドで
青春を謳歌する二人。しかし資金は案外早く底をついてしまった。
そこでディックはカメラを買い込み、イングリッドの裸体を撮影して
今度はそれを売りさばいた。彼女も楽しいひとときが得られるならと
気軽にディックの前で服を脱ぎ捨てるのだった。
順調な彼らの旅は性風俗に厳しいローマで頓挫してしまった。
警察に連行された彼らは国外追放を命じられるが、
懲りずに再びポルノ写真を撮って荒稼ぎを続ける。
ミラノではディックの旧友でオートバイ狂のアゴスティーノに会い、
彼と共に誰にも束縛されない楽天地ナポリを目指すことになる。
2人はアゴスティーノの仲間と一緒に野宿するが、
朝起きると彼らの所持金は全て盗まれ、バイカー達の姿は
どこにもなかった。ディックは怒り狂ったが、旅を続けるには
どうしても資金が必要。仕方なく気を取り直し、再びGFの裸体を
撮影する。彼らはガソリンスタンドで、写真とガソリンを交換
出来ないかと店員に持ちかけるが、既に警察の手配書が
回っており、即座に店員に警察へ通報されてしまった。
2人は逃げるようにガソリンスタンドを後にするが、
遂にミラノ郊外でガス欠になり、車はエンストを起こしてしまった。
一瞬途方に暮れたディック達だったが、近所にあった豪邸で
ガレージを発見。家の主にガソリンを分けて貰おうとドアの
呼び鈴を押すが、反応はない。それならば勝手にガソリンを
頂いてしまおうと、ガレージに忍び込む2人。そこに物音に気づいた
屋敷の女主人がガレージにやってきて、若いカップルに
休憩することを薦める。警察に追われて疲れた体を休めようと、
2人は彼女の申し出に応じるが、女主人の顔をふとよぎった
狡猾そうな表情には気づかなかった。
館の女主人の名はバーバラ・スレザー(パパス)。陸軍大佐の
夫と二人暮らしだという。すっかり日も暮れてしまい、
夫の帰りが遅いので心細いから泊まっていかないかという
バーバラの申し出に、屋敷の雰囲気にも慣れたディック達は
食事にもありつけるから、と快く応じた。
どこかオドオドしたバーバラに、してやったりという表情が
浮かんだのはその時だった。
バーバラからガレージのシボレー車にある煙草を取って来てくれと
頼まれたディックは、暗がりの中でフロントケースを探るが、
そこにあったのは拳銃だった。ディックは面白半分にそれを
部屋に持ち帰り、バーバラに銃口を向ける。
彼女は秘密がバレたかのようにギクリとした顔になった。
ディックはからかうのを止め、拳銃を元の場所に戻しに行く。
その晩、イングリッドが寝てしまった後、ディックはどこか
秘密の匂いのするバーバラの寝室へ夜這いをかける。
彼女はすんなりとディックの体を受け入れるのだった。
翌朝、ディックが目覚めるとバーバラの姿が見あたらず、
ズボンのベルトが抜かれ、ポケットには大金が捻り込んであった。
不振に思った彼は部屋を出ようとするが、鍵がかかっていて
ドアが開かない。大声でイングリッドを呼んだ彼が
階下へ降りると、バーバラが警察に電話をかけていた。
2人は電話線を切ると、バーバラを縛り上げて監禁した。
面倒な事になる前に屋敷を出ようとする2人は、
警察の目を逃れるため、オンボロ車の色を塗り替え、
シボレーのナンバープレートを頂戴しようと考えた。
外からはプレートのネジが外れない為、トランクを開ける2人。
すると、そこには胸に弾丸を撃ち込まれた男の死体が!
しかも男の首にはディックのベルトが巻き付けられている。
ディックは全てがバーバラの罠だったと悟った。
拳銃に指紋を付けさせたのも自分を殺人犯に仕立てる
作戦だったのだ。このまま逃げては彼女の思うツボだと、
ディック達は夜になってから男の死体を庭に埋めた。
麻酔薬をかがせたバーバラに拳銃を握らせた2人は、
オンボロ車を駆って館を後にするが、隣家の住人に救われた
バーバラは駆けつけた警察に2人が犯人だと偽証。
警察の追っ手を振りきりながら、非常線を突破しようとした
ディックは運伝を謝り、イングリッド共々車ごと崖から
転落して死亡する。楽天地ナポリまではまだ遠い、
郊外の山中での出来事だった。
SEVEN ORCHIDS STAINED IN RED (72)
aka:Sette Orchidee Macchiate di Rosso
The Mystery of the Silver Half Moon
Puzzle of the Silver Half Moon
Seven Blood-Stained Orchids

伊=西独合作/イーストマン・カラー/91分/スコープ/
日本劇場未公開(ビデオ未発売・TV未放映)
製作会社:フローラ・フィルム=
ナショナル・チネマトグラフィカ(ローマ)=
ライアルト・フィルム(ベルリン)
製作:ホルスト・ウェンドランド
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:ロベルト・ジャンヴィッティ/ウンベルト・レンツィ/
ポール・ヘンジー(?)
原案:ウンベルト・レンツィ(エドガー・ウォラスの小説から)
撮影:アンジェロ・ロッティ
編集:エウジニオ・アラビーソ/
クラリサ・アンバック/ジュッタ・ヘリング
音楽:リズ・オルトラーニ
美術:ジャコモ・カーロ・カルドゥッチ
衣装デザイン:ジュリア・マッファイ
メイク:セルジョ・アンジェローニ
ヘア・スタイリスト:アンナ・グラッツィオーシ
助監督:フルヴィオ・バレッシ
出演:ウシ・グラス(ジュリア)/アントニオ・サバト(マリオ)/
マリサ・メル(アンナ・サルトーリ)/ピエール・パオロ・カッポーニ
(ヴィスマーラ警部)/ペトラ・シェルマン(コンチェッタ・ディ・ローザ)/
クラウディオ・ゴーラ(フェッリ)/フランコ・ファンタジア(レンツィ刑事)/
ロッセラ・ファルク(エレナ・マルキー)/マリアーナ・マルファッティ
(キャシー・アダムズ:画家)/レナート・ロマーノ(神父)/
ガブリエラ・ジョルジェーリ(マルチェッラ:売春婦)/
アルド・バルベリート(パランボ)/イヴァーノ・ダヴォリ/
ブルーノ・コラッツィ(パーティー会場の画家)/
リンダ・シーニ(ヴァンデューセ)/ネロ・パッザリーニ/
エンゾ・アンドロニーコ(アルベルカトーレ)/カルラ・マンシーニ
フルヴィオ・ミンゴッツィ/ネストーレ・カヴァリッチ/

レンツィも根性を認めたロッセラ・ファルクの死にざま。
●日本未公開作品ながら、レンツィの作ったジャーロ映画中、
最もバランス良く仕上がっている作品。ご本人はあまりにも
セリフが多すぎて、気に入っていないようだが。
アルジェント調の黒づくめの殺人鬼が暗躍し、
ミステリアスな物語が展開する。主演はアントニオ・サバド、
ウシ・グラス。マリサ・メルら豪華なスターも特別出演。
<物語>
ある晩、部屋で就寝中の老婆が何者かに惨殺された。
続いて夜の裏通りで商売をしていた売春婦マルチェッラ
(ジョルジェーリ)が、客を装った殺人犯に河川敷で襲われ、
棍棒でメッタ打ちにされて殴り殺される。
彼女は殺された老婆の部屋にあったベッドテーブルに
飾られていた写真の主で、その死体には三日月を象った
銀のメダルが握られていた。
更に殺人は続き、今度は個展を開いていたアメリカ人の
女流画家キャシー・アダムズ(マルファッティ)が
部屋に戻ったところを襲撃され、電話線で絞殺されてしまう。
殺人犯は彼女の死体にも銀色の三日月メダルを残して消える。
ローマで洋品店を営む母親を手伝うジュリア・トレッツィ(グラス)は
ショートカットが良く似合う美女。母親は彼女の結婚相手である
デザイナーのマリオ・ジェラルドソン(サバト)を快く思っていないが、
ジュリアは幸せいっぱいだ。そんな彼女の元に無言電話がかかる。
それは殺されたキャシー・アダムズが受けていたのと同じ
電話だったが、ジュリアは特に気にもせず、マリオと一緒に
列車で新婚旅行に出かけた。
夜になってコンパートメントで一人になったジュリアは、
突然黒づくめの殺人魔に襲われた。悲鳴を上げる彼女の肩口を
斬りつけた殺人鬼は、騒ぎを聞きつけてやって来た車掌に気づき、
その場から逃げるように立ち去った。
負傷して病院に収容されたジュリアは、マルチェッラとは旧友で
彼女は本名をイネズ・タンブリーニと言い、自分が経営していた
カラブリアのホテルでウェイトレスをしていたと証言。
イネズと自分に共通する知り合いとして、ジョヴァンニ・ラウルという
ホテルの従業員を挙げた。彼はイネズと結婚する予定だったが、
ホテルで盗みを働き、ゴロツキに転落していた。
事件を捜査するヴィスマルト警部は、ラウルを詰問。
彼にはアリバイがなかったが、殺人犯ではないと直感する。
一方警部から事件の遺留品として、マリオが受け取っていた
三日月メダルを見たジュリアは、2年前にホテルのレストランに
食事しに立ち寄ったアメリカ人男性が、問題のメダルを持っていた事を
思い出した。しかし彼女から権利を買い、従業員を入れ替えた
ホテルの新しい経営者は、アメリカ人男性については
何の記憶もなかったが、2年前の宿泊者名簿から
ちょうどジュリアが男性がホテルを訪れた9月29日前後の
ページが破り取られているのが発見される。
しかも殺されたイネズは従業員として、キャシー・アダムズは
宿泊客としてその時にホテルに滞在していたのだ!
マリオとジュリアは、その他の宿泊客をリストアップ。
ジュリアが覚えていたデ・ローサ伯爵夫人の他に、アンナ・サットーリ
エレナ・マルケー、アニータ・フェッリらの名前が挙がってくる。
殺された2人を含む7人の女達と、謎のアメリカ男との間に
隠された秘密を解く鍵は、どうやら銀のメダルにあるとふんだ
マリオは警察に電話をかけるが、新婚旅行を楽しむようにと
軽くあしらわれてしまう。
仕方なく独自の調査を進める2人。名簿にあったコンテンザ・デ・ローザは
ハレルモにいて所在が分からず、アンナ・サットーリは結婚して
南アメリカに移住、アニタ・フェッリは既に死亡していた。
取り敢えず彼らは最も危険に晒される可能性の高い
エレナ・マルケー(ファルク)の居場所を突き止める。
彼女は対人恐怖症から精神を病み、一人クリニックに入院していた。
マリオらは彼女に面会しようと降りしきる豪雨の中、
彼女の住所を尋ねるが、マルケー夫人は既に引っ越した後だった。
隣人の老婆から入院先を聞いた二人だったが、老婆の記憶は
定かではなく、あちこちのクリニックをたらい回しにされてしまう。
やがて老婆の記憶通り、入り口に門があるクリニックに辿り着くが、
殺人犯は一足先にマルキー夫人に襲いかかっていた。
常に殺人犯に襲われる幻想を抱いている夫人の悲鳴は
いつもの発作だと思った看護婦には届かず、彼女は
無惨にもバスタブに押し込められて溺死させられてしまう。
クリニックに駆けつけたマリオは、部屋から逃走する犯人を追うが、
暗がりでメスを手にした犯人に斬りつけられてしまう。
一方、病院の外に停めた車の中で待っていたジュリアは
逃げ去る犯人の姿を目撃していた。
現場にやって来たヴィスマルト警部は、常にタイミング良く
殺人現場に居合わせ、完璧なアリバイを持つマリオに
疑いの言葉を投げるが、憤然としてジュリアを守るという彼に、
身辺に気を付けるように忠告するのだった。
警察の調べによって、ペルージャで教師をしていたデ・ローザの
居所が判明する。ヴィスマルト警部らは彼女に2年前の
ホテルでの出来事を詰問するが、彼女も重要な事は何も
覚えていなかった。
マリオはホテルの新支配人から、以前バーテンとして
働いていた男が引退してジェルマーニにいると教えられた
のを思い出す。獰猛な犬が放たれた屋敷で、その男
ラファエレ・フェッリと会ったマリオは、彼の記憶で
問題のアメリカ人がどんな顔をしていたかをスケッチに起こす。
フェッリはその男がプロテスタントであった事をマリオに話すが、
彼が帰った後、どこかへ電話をかけて連絡を取っていた・・・。
マリオはスケッチを頼りに、あちこちの教会を歩いて回るが、
大した成果は上がらなかった。仕方なくマリオは町中にたむろする
若者にスケッチを見せるが、そのうちの一人が知り合いの
ブライアンという男の友人に違いないと教えてくれた。
マリオはドラッグ漬けの生活を送るブライアンの部屋を尋ね、
似顔絵の男がフランク・サンダーズという人物だと知る。
一方、警察の護衛を受けながら教会で懺悔を行っていた
デ・ローザは、懺悔室で何者かに絞殺されてしまっていた。
彼女は5人目の被害者になり、マスコミは教会内に殺人魔がいると
騒ぎ立てた。マリオはフランク・サンダーズの名前を新聞社で
検索して貰い、判明した住所を訪ねるが、そこは既に
廃墟になってしまっていた。
そこに奇妙な電話がかかり、サンダースを探すなら、
墓地に行け、とだけ告げて切れた。
墓地に急行したマリオは、サンダースの墓石に赤いランの花が
7本生けられているのを発見。墓守の話では、この墓には
滅多に訪れず、献花があるのは珍しいという。
更に墓守からサンダースが病院で死去したことを掴んだマリオは、
病院で当時の状況を知るハリス医師と面会。医師によれば
サンダースは自動車事故で運ばれてきたが、車を運転していて
事故を起こした同乗の女性が、彼を残して現場から立ち去って
しまったが為に処置が遅れ、その故に死亡したのだという。
その頃、現在はパルメッリ医師夫人となったアンナ・サットーリ
(メル)が、夫と共にイタリアへ帰国。警察に自宅から出ないように
言われた彼女は、双子の姉妹(メル2役)に学校まで息子を
迎えに行って貰うが、殺人魔は間違って彼女の後をつけ、
アパートに戻ってきたところを襲撃、電動ドリルで胸を突き刺して
惨殺してしまった。
マリオはサンダースがグリーン神父という名前で
ある教会に勤めていた事実を掴む。迫り来る危険に
恐怖を感じたジュリアはヴィスマルト警部に頼み、
マリオを殺人犯として逮捕させる芝居を打つ。
果たしてその夜、屋敷にたった一人になったジュリアに
黒づくめの殺人魔が襲いかかった・・・。
犯人はジュリアを驚かせて逃走、しかし警察の逆探知から
屋敷に電話をかけてきた麻薬中毒者のブライアンが浮上する。
しかし警察が彼の部屋に踏み込むと、ブライアンは首を吊って
自殺してしまっていた。彼の部屋にはフランクの手紙が残されており、
警察はブライアンが親友フランクの事故に関して、
第3者の女性が絡んでいる事を知り、その<誰か>に復讐する為に
ホテルに居合わせた女性を無造作に狙った殺人事件だと説明した。
だが、マリオには釈然としない気持ちが残っていた。
全ての事件はこれで解決したのか?それとも・・・??
(以下はネタバレにつき読みたい方だけ反転させて下さい)
警察で偶然、パルメッリ医師と会ったマリオは、事件後彼の妻が
2年間鬱ぎ込んでいた状態から快復したと聞いて閃くものを感じた。
早速妻のアンナに会ったマリオは彼女を問いつめ、2年前の事故が
やはり彼女の運転だった事を突き止める。浮気をしていた彼女は
フランクとの関係がバレることを恐れ、出血した状態の彼を置き去りにして
事故現場から逃げてしまっていたのだ。マリオから銀の半月メダルを
見せられたアンナは、それがフランクの兄から贈られたもので、
彼はヒドい近眼だったと思い出した。近眼・・・ちょうどマリオが
フランクの消息を訊ねた神父が分厚いメガネをかけていた・・・。
その頃、一人で荷造りを進めていたジュリアに忍び寄る黒い影があった。
レコード盤の上に残された半月メダル・・・恐怖に怯える彼女に
襲いかかったのは、やはりあの神父だった。弟の復讐の為、
凶暴さをむき出しにした神父はジュリアを森の中に追いつめる。
間一髪、駆けつけたマリオと揉み合いになった神父は
もんどり打ってプールに倒れ込む。水中での激しい死闘の末、
ジュリアの前に戻ってきたのは、マリオの方だった。
恐ろしい事件はこうして幕を下ろしたのだった。
「声なき殺人者(TV放映題名)」
(72)
THE DAGGER OF ICE (72)
aka: Il Coltello di ghiaccio/Knife of Ice
Silent Horror
スペイン=伊合作映画/カラー・92分/
日本劇場未公開(TV放映・DVD発売:エプコット)
製作会社:トリトーネ・チネマトグラフィカ(ローマ)=
ムンディアル・フィルム(マドリッド)
監督・原案:ウンベルト・レンツィ
脚本:ウンベルト・レンツィ/アントニオ・トロイーソ
撮影:ホセ・F・アグアヨ
編集:エンゾ・アラビーソ
音楽:マルチェロ・ジョンビーニ
出演:キャロル・ベイカー(マルタ・コールドウェル)/
イヴリン・スチュアート[アイダ・ガッリ](ジェニー・アスコット)/
アラン・スコット[セルジョ・シアーニ]/エドュアルド・ファイヤルド
(マルコス)/フランコ・ファンタシア(ローレン医師)/
シルヴィア・モネッリ(アニー・ブリテン:家政婦)/
ジョルジ・リガウド(ラルフおじさん)
●12歳の時に列車事故で両親の死を目の当たりにして以来、
口がきけなくなってしまった美女マルタ(ベイカー)が住む森の館に
久しぶりに従姉妹の人気歌手ジェニー(スチュアート)がやって来た。
だが間もなくジェニーが惨殺死体となって発見され、警察は
逃走を続ける性異常者の犯行ではないかと疑う。
数時間前にも殺害された少女が発見されていたらだ。
犯人は黒魔術とアルコール中毒のヒッピーらしい。
しかしマルタの屋敷のメイド、続いて再び少女が殺される。
犯人は一体誰なのか??
ジャクリーン・ビセット主演のミステリー映画「らせん階段」を彷彿させる
サスペンス。外観はマドリッドでロケされ、室内はイタリアで撮られている。
レンツィ自身はこの映画に関して、「大して重要な作品じゃない。
セックスやら血みどろ殺人やら、もっと他の映画とは違う内容にすべきだったが、
それが果たせなかったからね。映画の製作会社が貧乏で、
出演した俳優達も知名度が低い奴等ばかりだった。
私は既に予算の高い「狂った蜜蜂」のような映画を撮っていたからね・・・。
「蜜蜂」ではC・ベイカーは38回も衣装替えをするが、この映画じゃ
たった3,4度着替えるだけだし。だが映画の筋自体は気に入っている。
良くできたスリラーだと思うよ。この映画を作ったときは「らせん階段」より
リチャード・フライッシャー監督の「見えない恐怖/Blind
Fear」を
意識していたんだ。ミア・ファロー扮する盲目の女性が殺人鬼に襲われる
「見えない恐怖」をもじって題名も「Dumb Horror」なんて付けたりしてね。
「声なき殺人者(犯人バレバレの邦題!)」は当初、おしの女性が
殺人鬼と一緒に屋敷に閉じこめられる設定だった。だが映画に
オリジナリティを持たせるために、最終的に全ての事件の犯人が
おしの女性だったと判明するストーリーに変更したんだよ。」と回想しています。
映画の興業成績はやはり期待したほどの成果を上げず、
レンツィは「まず題名が良くなかったんだね。誰の興味も引かないし。
それに映画が封切られた時期はスリラー映画の市場が乱作によって
荒れてきた頃だったからね。人々の目には留まらなかったんだろう」と
失敗の原因についてコメントしています。
「怪奇!魔境の裸族」
(72)
MAN FROM DEEP RIVER
aka:Il Paese del Sesso Selvaggio
SACRIFICE !/Deep River Savage

イタリア映画/カラー・90分/
日本劇場公開74年5月(配給:にっかつ)
国内版DVD発売:セブンエイト
製作会社:メデューサ
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:オヴィディオ・G・アソニティス
ジョルジョ・カルロ・ロッシ
撮影:リカルド・パロッティーニ
音楽:ダニエル・パトゥッチ
出演:アイヴァン・ラシモフ/メメ・レイ
●レンツィ初の人喰い映画。殺人を犯してタイのジャグルに
逃げたイギリス人ジャーナリスト青年(I・ラシモフ)が
原住民達の奇妙な風習に触れ、酋長の娘(レイ)と結婚、
次第に彼らに溶け込んでいく様を描いた作品。
猿の頭部を鉈で切り飛ばし脳味噌を抉る「人喰族」のオリジン、
鉈での手首切り落としなど、残酷シーンもいくつかあるが、
基本的には異文化遭遇を題材にしたかなりマジメな作品。
「カニバル」のメメ・レイが再び原住民の美女役で登場。
GANG WAR IN MILAN (73)
aka:Mirlano Rovente/Burning City (ヨーロッパ英題)
●主演、アントニオ・サバド、フィリッペ・リロイ・ボーロのギャング物。
「スパズモ」 SPASMO (74)
aka:The Death Dealer (US:カット版)
イタリア映画/カラー・93分/シネスコ
日本劇場未公開(TV未放映・国内版DVD発売:エプコット)
製作会社:UTI
プロドゥジオーニ・チネマティシェ
製作:ウーゴ・トゥッチ
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:マッシモ・フランシオサ/ルイザ・モンタグナーナ/
ピーノ・ボーラー/ウンベルト・レンツィ
原案:ピーノ・ボーラー
撮影:グジェリエルモ・マンコーリ
編集:エウジニオ・アラビーソ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ロベルト・ホフマン(クリスチャン・ボーマン)/
スージー・ケンドール(バーバラ)/アイヴァン・ラシモフ
(フリッツ・ボーマン)/アドルフォ・ラストレッティ(トーレス)/
マリア・ピア・コンテ/フランコ・シルヴァ(ルーカ)/モニカ・モネット
(クラウディア)/グイド・アルベルティ(マルコム)/マリオ・エルピンチーニ
(アレックス)/ルイジ・アントニオ・グエッラ/ロジータ・トロッシュ
●R・ホフマン扮するハンサム青年と、彼の異常な兄(I・ラシモフ)を
巡る兄弟の確執と、奇妙な愛の形を描いたレンツィ会心のジャーロ映画。
本人は余り気に入っていないようだが、捻ったプロットは
なかなかの出来。共演に「影なき淫獣」のスージー・ケンドール。
モリコーネのCDが発売された事で知名度がUPか?
筆者が見たオランダ版の海賊テープは画面がトリミングされていた。
国内版DVDはワイドスクリ−ンのキレイなマスター。
GATTI ROSSI IN UN LABIRINTO DI VETRO (74)
aka:Eyeball/The Eye/The Devil's Eye/
Wide Eyed in the Dark/The Secret Killer
スペイン=イタリア合作映画/カラー・91分/シネスコ
日本劇場未公開(ビデオ未発売・TV未放映)
製作会社:パイオニア・ナショナル・チネマトグラフィカ(ローマ)
=エステーラ・フィルム(マドリッド)
製作総指揮:ホセ・マリア・クニレス
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:フェリックス・タッセル(原案も)/ウンベルト・レンツィ
撮影:アントニオ・ミラン
編集:アメデオ・モリアーニ
音楽:ブルーノ・ニコライ
出演:マルティーヌ・ブロシャール(ポーレット・ストーン)/
ジョン・リチャードソン(マーク・バートン)/イネス・ペルグリーニ
(ナイバ・キャンベル)/アンドレス・メヨート(トゥデーラ刑事)/
ミルタ・ミラー(リサ・サンダーズ)/ダニエレ・ヴァーガス
(ロビー・アルヴァラード)/ジョルジ・リガウド(ブロンソン)/
シルヴィア・ソラー(カティア・アルヴァラード)/
ラフ・バルダッサーレ(バス運転手)/マルタ・メイ(アルマ・フォスター)/
フルヴィオ・ミンゴッツィ/マリア・ブランコ/ジョン・バルサ
●伊=スペイン合作。バルセロナを舞台に女性の観光客ばかりを狙って
左目を抉る猟奇事件が発生。レンツィ自身も認める超低予算ながら
観光名所を上手く織り込んだ面白い作りになっている。
音楽をブルーノ・ニコライが担当。
アメリカ人観光客を乗せたツアー・バスがバルセロナ市内に到着した。
思い思いに時間を過ごす人々。その中の若い女性が何者かに襲われ、
ナイフでメッタ刺しにされて惨殺された。しかも奇妙なことに犯人は
彼女の遺体から左目を持ち去っていた。
犯人も捕まらないまま、翌日に訪れた遊園地のお化け屋敷で、
今度はゴーカートに乗ったティーンエイジャーの娘ペギーが
同様の手口で惨殺され、左目を奪われた死体となって発見された。
商用でバルセロナを訪れていたビジネスマン、マーク(リチャードソン)は
偶然に妻のアルマ(メイ)が市内に居るのを目撃する。
アメリカに居たときに彼女に起きた不気味な出来事・・・。
やがて観光中に地元の少女が惨殺されたことから、警察の容疑は
ツアーに参加している観光客に絞られてきた。
一行からも被害者が続出、レズビアン症のリサ(ミラー)は喉を裂かれ、
下腹を抉られて惨殺された。更に彼女の恋人でもあったナイバ
(ペルグリーニ)も襲われ、深夜のプールに泳ぎにでかけたジェニーは
自分に襲いかかる赤いレインコートの犯人を目撃する。
犯人は一体誰なのか?そしてその目的は???
出演者は「血ぬられた墓標」のJ・リチャードソン、「女囚監獄」(74)や
「修道女ジュリアの告白/中世尼僧刑罰史」(83)、「レディドール2」(87)の
M・ブロシャール、1930年代から活躍するベテラン俳優J・リガウド、
「愛の妖精:アニー・ベル」(75)のI・ペリグリーニ、
テッド・アーチャーことネロ・ロサッティ監督、ウルスラ・アンドレス主演の
「白衣に秘められた幻想」(75)のD・ヴァーガス、
「バルセロナ殺人事件」(71)、「クリムゾン/血染めの脳移植」(73)の
セクシー女優S・ソラーなど、渋い面々が揃っている。
イタリア側の製作者は、この映画の撮影隊をスペインの貧弱な
プロダクションに委託。ロケに行くのに車も使えなかったんだと
レンツィはグチをこぼしていた。
ビデオはアメリカのプリズム版よりも、オランダで発売されている方が
よりコンプリートな内容だとか。海賊版を探すときはそっちにしましょう。
「ミラノ殺人捜査網(TV放映題名)」(74)
MILANO ODIA:LA POLIZIA NON
PUO SPARARE
aka:Shotto, Officer, Shoot
Almost Human
The Kidnap of Mary Lou
●ヘンリー・シルヴァと、トーマス・ミリアンが主演した、
病的な拷問シーンが続出する刑事スリラー。
共演にアゴスティーナ・ベッリ、
レイモンド・ラブロック、アニータ・ストリンドベルイ、
グイド・アルベルティら。上映時間90分。
脚本にエルネスト・ガスタルディ、製作は
ルチアーノ・マルティーノ。エンニオ・モリコーネが音楽を
担当している。
「マンハント(TV題名)」
(75)
L'UOMO DELLA STRADA FU GIUSTIZIA
aka:MANHUNTER IN THE CITY
●マフィア映画やポリス・アクションでお馴染みヘンリー・シルヴァと、
ボンドガールの一人、ルチアーナ・パルッツィが主演した刑事アクション。
劇場未公開、TV放映オンリー。
ONE JUST MAN (75)
aka:Il GIUSTIZIERE SFIDA LA CITTA
:RAMBO SFIDA LA CITTA
: SYNDICATE SADISTS
●トーマス・ミリアンがランボー風のヒーローに、
ジョゼフ・コットンが盲目のギャングに扮した
犯罪スリラー。
ROME:ARMED TO THE TEETH (75〜76)
aka:Roma a Mano Armata/Brutal Justice
Assalut with a Deadly Weapon
●出演:マウリッツィオ・メルリ、アーサー・ケネディ、
トーマス・ミリアン主演の刑事アクション。
「ナポリ犯罪ルート (TV放映)」 (76)
Napoli Violenta
aka:Violent Protection (USビデオ題)
イタリア映画/カラー分/
日本劇場未公開(ビデオ未発売・TV放映)
製作会社:バン=ユーロロピアン・プロ
製作:エドモンド・アマティ
監督:ウンベルト・レンツィ
音楽:フランコ・ミカリッツィ
出演:ジョン・サクソン/マウリッツィオ・メルリ/
グイド・アルベルティ/バリー・サリヴァン/エリオ・ザムート/
マリア・グラッツィア・スピーナ/ピノ・フェラーラ/
シルヴァーノ・トランクイーリ/アッティリオ・デューズ/
●TV放映のみながら、海外では傑作と評判高い刑事アクション。
製作に70年代娯楽映画の大御所エドモンド・アマティ。
音楽は「デアボリカ」のフランコ・ミカリッツィ。
主演はジョン・サクソン、マウリッツィオ・メルリ、
グイド・アルベルティ、シルヴァーノ・トランクイーリら渋い布陣。
「秘録ブルース・リー物語(V)」
(76/日本版は78年表記)
Bruce Lee Fights Back from the Grave
aka:The Stranger
アメリカ映画(本当はイタリア=香港合作?)/カラー・97分/
日本劇場未公開(ビデオ発売:東映ビデオ)
監督:ハート・レンジ(ウンベルト・レンツィ)
(劇中クレジットはドゥー・ヤン・リー)
出演:ブルース・K・L・リー/デボラ・チャップマン/
アンソニー・ブロンソン
●墓場から甦ったブルース・リーがハリウッドに乗り込み大活躍!
そんなキャッチが踊る東映からリリースされた日本版ビデオ。
確かに映画が始まるとすぐ、ブルース・リーの墓が画面に映し出され、
地響きと共に上半身ハダカの男が飛び出す!・・・が、それは本筋と一切関係なし。
実際のストーリーは、アメリカに住む恩師を訪ねてきたアジア人青年が
その恩師を殺害した悪モノ相手に鉄拳を振るって回るもの。
恩人の遺骨を胸に夜の街を青年が彷徨う場面は結構コワイ。
(FREE HAND)FOR A TOUGH COP (76)
(Il TRUCIDO E LO SBIRRO)
BROTHERS TILL WE DIE (77)
(LA BANDA DEL GOBBO)
THE CYNIC, THE RAT AND THE FIST (77)
(Il CINICO, L'INFAME, IL VIOLENTO)
「シシリアン・ボス (V)」
(77/日本版は87年と表記)
THE SICILIAN BOSS
DA CORLEONE A BROOKLYN
イタリア映画/カラー・96分/
日本劇場未公開(ビデオ発売)
監督:ウンベルト・レンツィ
出演:ヴァン・ジョンソン/マウリッツィオ・メルリ/ローラ・ベリー
●ビデオには87年とあるが、内容から言っても
70年代の映画っぽい謎の作品。日本版はレア映画の宝庫、
クラリオン・ビデオからリリース済み。
「ザ・ビッグバトル」
(77)
THE BIGGEST BATTLE
aka:Il Grande
Attacco
The Greatest Battle / The Great Battle
Battle Force / The Battle of the Mareth Line
伊=西独=ユーゴスラビア合作映画/カラー・105分/
日本劇場未公開(ビデオ発売:映音?)
【別題】巨大なる戦線(TV放映題名)
製作・監督:ハンフリー・ロンガン(ウンベルト・レンツィ)
脚本:ルイス・マーティン/フェデリコ・ザンニ
音楽:フランク・マイケルズ
出演:ヘンリー・フォンダ/ジュリアーノ・ジェンマ/
ジョン・ヒューストン/ヘルムート・ベルガー/
サマンサ・エッガー/ステイシー・キーチ/
エドウィージュ・フェネシュ/レイモンド・ラブロック/アイダ・ガッリ/
●世界規模のオールスターによる戦争物。
レンツィは製作も兼ね、やる気満々といったところか。
内容的には「遠すぎた橋」のイタリア版という趣き。
ラブロックやフェネシュなど、トラッシュファンにも興味深い顔ぶれだが、
日本版のビデオの画質は余りにヒドくて、5分以上見る気には
なれませんでした。
「戦争と友情」FROM
HELL TO VICTORY (78)
aka:Da Dunkerque alla
Vittoria
De
Dunkerque a la Victoria (スペイン題)
仏=伊=英=西独(=スペイン)合作映画/カラー・103分/
日本劇場公開80年5月(配給:ヘラルド)
国内版ビデオ:にっかつ
製作会社:F.I.D.A.チネマトグラフィカ
製作:エドモンド・アマティ
監督:ハンク・マイルストーン(ウンベルト・レンツィ)
脚本:トニー・フリッツ
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
音楽:リズ・オルトラーニ
出演:ジョージ・ペパード/アニー・デュプレー/
ジョージ・ハミルトン/ホルスト・ブッフホルツ/
サム・ワナメイカー/ジャン=ピエール・カッセル/キャプシーヌ
●レンツィ最初にして最後の破格の超大作?
文字通りワールドワイドなスターが顔を揃えたキャスティングが見もの。
第2次世界大戦前夜の1939年8月24日にセーヌ河畔のカフェで
毎年友情の証として再開を誓い合っていた国籍の違う若者6人が
それぞれの戦争経験を経て再開するまでを感動的に描く。
・・・が、製作者E・アマティが手がけたA・ドーソンの「地獄の謝肉祭」では
J・モーゲンがバッド・トリップしてしまう映画館のシーンで
この映画が上映されていた(笑)。監督クレジットはハンク・マイルストーン名義。
シネスコ画面が嬉しい日本版ビデオは、にっかつからリリースされている。
「食人帝国(V)」 EATEN
ALIVE (80)
(MANGIATI VIVI (DAI CANNIBALI))
aka: The Emerald Jungle/The Emerald
Forest
Eaten Alive by the Cannibals
Doomed to Die
イタリア映画/カラー・92分/ヴィスタサイズ
日本劇場未公開(ビデオ発売:東芝映像)
製作:ミーノ・ローイ/ルチアーノ・マルティーノ
監督・脚本:ウンベルト・レンツィ
撮影:フェデリコ・ザンニ
音楽:バディ・マグリオーネ
出演:ロベルト・ケルマン/ジャネット・アグレン/
パオラ・セナトーレ/メル・フェレール/
アイヴァン・ラシモフ/メメ・レイ/メグ・フレミング
●ガイアナ人民寺院を思わせるカルト教団の集団自決と、
人喰い族の恐怖を取り混ぜた食人映画第2弾。
「地獄の門」「ラットマン」のジャネット・アグレン、
「怪奇!魔境の裸族」のアイヴァン・ラシモフがカルト教祖役で主演し、
ポルノ映画女優パオラ・セナトーレも出ている。
レンツィは脚本も担当。
「ナイトメア・シティ
(V)」(81)
NIGHTMARE CITY
(INCUBO SULLA CITTA CONTAMINATA TERROR 2)
aka:La Invasión
de los Zombies atómicos
City
of the Walking Dead /Nightmare
Invasion
by the Atomic Zombies
伊=スペイン合作映画/カラー・92分/シネマスコープ
日本劇場公開(「ゾンビドローム」の題名で特別上映/配給:マウントライト)
ビデオ発売(TDKコア)【別題】吸血魔の街(LD/再発?ビデオ)
製作:ディエゴ・アルシメード
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:ピエロ・レニョーリ/ルイス・マリア・デガルド/
アントニオ・チェザーレ・コルチ
撮影:ハンス・バーマン
音楽:ステルヴィオ・チプリアーニ
出演:ヒューゴ・スティグリッツ(ディーン・ミラー)/ラウラ・トロッター
(アン・ミラー医師)/メル・フェレール(マーチソン将軍)/
マリア・ロザリア・オマッジョ(シーラ・ホルムズ)/
フランシスコ・ラバル(ウォーレン・ホルムズ大佐)/
ソニア・ヴィヴィアーニ(シンディ)/エドュアルド・ファイヤルド(クレイマー医師)/
ステファーニャ・ダマーリオ(ジェシカ・マーチソン:将軍の娘)/
ウーゴ・ボローニャ(デズモンド氏)/マニュエル・ザルゾー(ドナヒュー)/
サラ・フランチェッティ(リズ)/トム・フレギー(ラフマン刑事)/
ピエランジェロ・チヴェーラ/アチーレ・ベレッティ
●伊=スペイン合作。ゾンビを題材に取ったロードムーヴィー?
という趣き。レンツィ自身は制作当時、この映画が自分の
カラーではないと嫌っていたというが・・・。
スペインの娯楽映画俳優ヒューゴ・スティグリッツと、
「白昼の暴行魔」のラウラ・トロッターが主演。
レンツィ自身、ニュース・リポーターとして画面に登場している。
「人喰族」 CANNIBAL FEROX (81)
aka:Make Them Die Slowly
Woman from Deep River (豪題)
イタリア映画/カラー・95分/ヴィスタ・サイズ
日本劇場公開(配給:にっかつ)
ビデオ・LD発売:にっかつ/DVD発売:JVD
製作:アントニオ・クレセンツィ
監督・原案・脚本:ウンベルト・レンツィ
撮影:ジョヴァンニ・ベルガミーニ
音楽:バディ・マグリオーネ
特殊メイク:ジノ・デ・ロッシ
出演:ロレーヌ・ド・セール/ジョン・モーゲン/
ゾラ・ケローヴァ/ロベルト・ケルマン/
ブライアン・レッドフォード/ヴェナンティーノ・ヴェナンティーニ/
●説明不要?レンツィの人喰い映画の代表作。
原案と脚本もレンツィが担当している。
主役のロレーヌ・ド・セールは「猛獣大脱走」や
「女囚エマニュエル」等に出ていたフランス女優。
共演者のJ・モーゲンことジョヴァンニ・ロンバルド・ラディーチェとは
ルジェロ・デオダートの「真夜中の狂気」でも共演している。
GOD SAVE THE QUEENS (81〜82)
(SCUSI LEI E' NORMALE?)
PIERINO THE PEST TO THE RESCUE (81〜82)
aka:Pierino la Peste alla Riscossa
●コメディ映画。
GORDINFLONA (81〜82)
(CICCIABOMBA)
●フェリーニの映画で有名になった巨乳のスウェーデン女優、
アニータ・エクバーグ主演のコメディ映画。
「アイアンマスター(V)」
(83)
LA GUERRA DEL FERRO
aka:Il Dominatore del Ferro/Ironmaster
伊=仏合作映画/カラー・93分/
日本劇場未公開(ビデオ発売:大映)
製作会社:メデューサ
製作:ルチアーノ・マルティーノ
監督:ウンベルト・レンツィ
撮影:ジャンカルロ・フェランド
音楽:グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
出演:サム・パスコ/エルヴィーレ・オードレー/
ジョージ・イーストマン/パメラ・フィールド
ウィリアム・バーガー/ブライアン・レッドフォード/
ジャック・アーリン
●当時流行していたヒロイック・ファンタジーを題材に取った、
ゾンビも出てくる冒険物。溶岩から鉄の剣を取り出し、
部族の制圧を図る粗暴なブード(「食人鬼の島」のG・イーストマン)と、
彼に追放された正義の戦士エイラの戦いを描く。
共演は「死霊の暗殺/エトルリアン」のE・オードレー。
「アイアンマスター」の邦題で大映からリリースされた日本版は
遠近感の狂った写真のコラージュによるジャケットで戦慄させてくれる。
「地獄の軍団/密林のテクノ・コマンド
(V)」 (85)
WILD TEAM (SQUADRA SELVAGGIA)
aka:The Condor's Five / I Cinque del Condor
イタリア画/カラー・87分/ヴィスタサイズ
日本劇場未公開(ビデオ発売:日本コロムビア)
製作会社:ユーラメリカ.INTフィルム
製作:エンゾ・リスポーリ/ジュセッペ・コロンボ
監督:ウンベルト・レンツィ
原案・脚本:ロベルト・レオーニ
撮影:ジャンカルロ・フェランド
編集:エウジニオ・アラビーソ
セット装飾・衣装:マッシモ・コレーヴィ
プロダクション・マネージャー:マウリッツィオ・マッティ
音楽:ステルヴィオ・チプリアーニ
助監督:フランコ・ファンタジア
出演:アントニオ・サバト(マーティン・クオモ)/
アイヴァン・ラシモフ(マリウス)/
ウェルナー・ポチェイス(テオドール・シュナイダー)/
ジュリア・ファージッヒ(シビル・スレイター)/
サル・ボロゲーゼ(パコ)/ガブリエラ・ジョルジェーリ(超能力者)/
グスタフォ・アドルフォ・マトス(デキート少年?)/
フランコ・ファンタジア/ディエゴ・ベルデジグリーオ/
ジェフリー・コプレストン/アンドレア・アウレッリ/
ドゥッチョ・デュゴーニ/ダンテ・フィオレッティ/
ジョヴァンニ・ガルガーノ/アレックス・セッラ/
ピエール・ルイジ・ゲッツィ/ゴリー・フォード・ジョアン
●「グラン・プリ」「シシリアン・マフィア」などで活躍する影のある
ハンサム俳優A・サバト(さすがに年取った〜!何たって今や息子が
ハリウッドで活躍してるんだもんねぇ)と、レンツィ作品の常連I・ラシモフ、
ネクロフィル映画の代表作「モスキート」に主演したドイツの性格俳優
W・ポチェイスら個性派男優が共演したアクション映画。
独裁者ゴメスの政権が支配する中南米の小国マニオカは、
華やかな衣装をまとった人々が踊り狂うカーニバルの真っ最中。
その人混みの中に、前大統領コルドラを父に持つ幼い
少年デギートの姿があった。しかし束の間の観光を楽しんでいた少年は
突如ゴメス一味に襲われ、誘拐されてしまう。
マイアミで少年の安否を気遣うコルドラは、
息子の救出を5人の腕利きコマンドー達に依頼した。
退役軍人で今は傭兵をしている冷静沈着なマーティン(サバト)を
リーダーに、作戦の要を握るチームの頭脳テオ(ポチェイス)、
弓矢の達人パオ(ボロゲーゼ)、暴れ者のロシア人警部マリウス(ラシモフ)、
そして兄が刑務所に服役中の美人爆弾スペシャリスト、シビル
(ファーツィッヒ)らが集結。彼らはハングライダーに乗って
上空から危険な密林地帯を突破し、遂にゴメスの収容所から
デギート少年の救出に成功する。しかし5人を派遣した組織は
コルドラ暗殺による政局の変化に伴い、彼らを闇に葬ってしまう
冷酷な作戦を開始した!果たしてコマンドー達は無事に生還できるのか?
別撮りワニや、カニバル映画で聞き慣れた鳥の声もフィーチャーした
レンツィお得意の救出劇アクション・イン・ジャングル
(ロケ地は「サンゲリア」などの諸作で見慣れたドミニカ共和国)。
国際色豊かな有名俳優たちを多数クレジットしたキャスティングが
最大のお楽しみで、例えば好漢ラシモフはクライマックスで救出に来た
援軍に撃ち殺され、ポチェイスは途中で仲間割れしてゴメス軍に寝返り、
結局爆死(笑)。ボロゲーゼは少年と仲間2人を逃がそうとして
壮絶に戦死、とそれぞれの運命が、個性豊かな5人のキャラクターが
繰り出す攻撃共々楽しめる。
ついでに「肉の蝋人形」のオバさん女優、ガブリエラ・ジョルジェーリが
何と少年の居所を超能力で探し出すサイキックの役で一瞬だけ出演(笑)。
他にも「サスペリア2000」のJ・コプレストン、D・フィオレッティら
イタリア娯楽映画の脇役達も多数出演している。
本編の方は、デギート少年を噛もうとしない軍用犬を軍人が射殺したり、
子供を含めた反権力の村人が皆殺しにされる残酷場面を見せたかと思うと、
シビルがグライダーごと木の枝に引っかかるコミカル演出もあり、
緩急織り交ぜて(笑)1時間半を見せきるレンツィの手堅い演出がナイス。
ステルヴィオ・チプリアーニの脳天気なトロピカル・サウンドも聞きもの。
同じ年に「Condor's Five」という映画があるが、5人のコマンド達の
チーム名が<コンドル>であることから、恐らくは「地獄の軍団」の別題?
「地獄のウォータイム(V)」
(86)
WARTIME
●米=仏=ユーゴスラヴィア合作。戦争アクション。
主演はピーター・フリートンとJ・スチュアート。
LA CASA DEI SORTILEGI
(86/89?)
aka:House
of Whichcraft
●イタリアのTV局、レテイタリアが製作した「恐怖の家」シリーズの1本。
全部で4本製作された作品のうち、レンツィはこの作品(魔法の家)と
「失われた魂の家」を監督。残りの2本はルチオ・フルチが監督し、
日本では「クロック」「ホラーハウス」として単品で発売された。
切断した生首を魔女が大釜で煮込んでいる悪夢にうなされるルーカ。
眠れない夜から逃れる為に、彼は田舎へ療養に出かけることにする。
深い森に囲まれた古い屋敷へ到着したルーカは、この屋敷こそ
自分の悪夢に現れる問題の家だと気付くのだった。
再びルーカの夢の中に斧を手にした魔女が現れ、彼に襲いかかってくる・・・。
特殊効果を用いた血みどろ場面が次々登場、鏡を見ていた男が
腐っていくなどの残虐描写が見もの。撮影はアルジェントの元奥さん、
ダリア・ニコロディの叔父が所有していた屋敷を使って行われている。
出演は「シャタラー」のアンディ・フォレスト、「高校教師」でアラン・ドロンと
共演したソニア・ペトローヴァ、スザンナ・マルトニコヴァ、
アメリカ生まれのマリーナ・(ジュリア・)カヴァーリ、ポール・ミューラーら。
現在手に入るのはイタリア語の海賊版だけのようす。
LA CASA DELLE ANIME ERRANTI (86)
aka:House of Lost Soules
●レテイタリアの製作による「恐怖の家」シリーズの1本。
撮影は「魔法の家」と同時進行で、郊外にある廃墟になった
ホテルをロケ地にして行われたという。
アルプス山脈を旅行しながら撮影を続ける若いTVクルーの一行が
一夜の宿に廃墟となったホテルを選んだ。しかし、そこはかつて
首切り連続殺人が起きた惨劇の現場だった。
やがてホテルのどこからか断末魔の絶叫が響き、怪奇現象が続発する。
不審に思った若者達は地元の図書館でホテルの歴史を調べ、
20年前に一家と3人の犠牲者が皆殺しにされていた事実を掴む。
しかし時既に遅し。怨霊となって現れた殺人事件の被害者は、
生者を殺して現世に甦る為に、若者達を次々襲っていく。
少年の首をもぎ取る洗濯機、ガラス窓や唸るチェーンソーによる
断首など、ゴア描写もなかなかの仕上がり。
主演はジョゼフ・ジョンソン、ステファニア・ガレーロ、
ロレンティーナ・グイドッティらのほか、「ボディ・パズル」で
ギグリ役を演じたマッテオ・ガッゾーロ、
「カリギュラ2」「Rosso Sangue」などのダマート諸作や、
「レディホーク」などにも出演、「ナイトメア・シティ」では
エレベーターの惨劇に乗り合わせたベテラン俳優チャールズ・ボローメル、
亡霊として出現するハリ・クリシュナ僧役で「未来帝国ローマ」や
「ヘルバランス」に出演していた日本人?俳優ハルヒコ・ヤマノウチも顔を見せる。
ショッキングな旋律で画面を盛り上げる音楽はクライディオ・キング。
現在手に入るのはイタリア語の海賊版だけのようす。
「ブリッジ・トゥ・ヘル(V)」
(86)
BRIDGE TO HELL
aka:Un Ponte per L'Inferno
●米=伊合作。戦争アクション。
主演は「シャタラー」「魔法の家(未)」のアンディ・フォレスト、
「ブラック・エンジェル:黒衣の天使」のカルロ・ムカーリのほか、
ジェフ・コナーズ、フランシス・フェレー、ベイキー・ヴァレンテら。
製作にアレッサンドロ・スパニュオーロ。
レンツィは脚本も兼任。音楽は「ビヨンド」の
ファビオ・フィリィッツィ。
「ゴーストハウス」 (87〜88)
GHOSTHOUSE
aka:Casa 3-La Ghost House
La Casa 3
イタリア(=米合作?)映画/カラー・91分(95分説もあり)/ヴィスタサイズ
日本劇場公開88年5月(配給:JAVN提供/JAVN=松竹富士)
(ビデオ発売:(株)JAVN/販売:松竹(株)ビデオ事業部)
製作会社:フィルミュラージュ
製作:アリスティーデ・マサチェッシ/ドナッテラ・ドナッティ
監督・原案:ハンフリー・ハンバート(ウンベルト・レンツィの変名)
脚本:シンシア・マクギャヴィン
撮影:フランコ・デリ・コリ
編集:キャスリーン・ストラットン(マサチェッシの変名?)
音楽:ピエロ・モンタナリ( IDRA Music )
:サイモン・ボズウェル(クレジットなし「アクエリアス」からの流用)
出演:ララ・ウェンデル(マーサ)/グレッグ・スコット(ポール)/
マリー・セーラーズ(スーザン)/ロン・ホック(マーク)/
マーティン・ジェイ(ジム・ディラン)/ケイト・シルヴァー(ティナ)/
ドナルド・オブライエン(ヴァルコス)/クリスティン・フォルジーズ
(ヘンリエッタ・ベイカー)/ウィリー・M・ムーン(ペペ)/
アラン・スミス(サム・ベイカー)/スーザン・ミュラー(ベイカー夫人)/
ウィリアム・J・デヴァニー(刑事)/ラルフ・モース(検死官)/
ロベルト・シャンパーニェ(葬儀屋)/ハーネスト・マックキモノーロ
(ハービー:墓地の管理人)
●ジョー・ダマートが若手俳優を多数起用して製作した幽霊屋敷映画。
超能力少女の怨霊が巻き起こす怪現象が最大の見せ場になる筈だが、
その大半は目から血を流した少女の顔がTVに写ったり、
ガラス瓶や電球が膨張して爆発したりする他愛ないものばかり。
唯一洗濯機の中でグルグル回る生首が「叫ぶ魂の家」を彷彿させる?
物語面では事件の発端が無線機に飛び込んできた怪通信という点が新味だが、
結局は導入部として使われるだけで、特別な意味を持った設定ではなかった。
つまり一番の売りは血みどろ惨殺ショー!?
フルチの「墓地裏の家」の幽霊屋敷がロケに使われているほか、
ダマート映画でお馴染みのロケ風景もチラホラと登場するのが笑える。
ボストン郊外の森の中に建つ美しい屋敷。ある晩、そこで惨劇が起きた。
地下室で一人娘ヘンリエッタ(フォルジーズ)が、猫を殺しているのを
発見したベイカー夫妻が少女を激しく叱ると、突然屋敷に怪奇現象が起き
夫は斧で頭を割られ、妻は鋭いナイフで首を突き通されて殺害されてしまったのだ。
現場にはピエロの人形を抱いた幼い少女だけが残されていた・・・。
それから20年後、ボストンに住む無線技師の若者ポール
(スコット)の元に奇怪な通信が入ってくる。
それは不気味な子供の歌と、助けを求める男女の絶叫だった。
無線が発されている場所がマサチューセッツ周辺であることを
特定したポールは、GFのマーサ(ウェンデル)を伴い、
問題の場所を発見しようと旅だった。
途中、車に乗せたヒッチハイクの黒人青年ペペや、
屋敷付近を俳諧する不気味な老人ヴァルコス(オブライエン)に
脅かされながらも、二人は屋敷の中へと足を踏み入れる。
屋敷は空き屋だったが、トレーラーで旅行中の若者達の
一団が泊まっていた。そこで無線機を設置していたジム(ジェイ)と
彼の妹ティナ(シルヴァー)、弟のマーク(ホック)と彼の恋人で
バイクが趣味のスーザン(セイラーズ)らに会ったポール達は、
早速奇怪な無線を録音したテープを聴かせる。
そこに録音された悲鳴は明らかにジムとティナのものだった。
その晩、マーサが地下室で異様なオカルト現象に遭遇、
更に屋根裏部屋に入ったジムはピエロの人形を抱いた
少女の亡霊に出会い、電源も入っていないのに高速回転を始めた
扇風機の羽根で首筋を直撃されて絶命する。
彼の断末魔は、まさに録音された謎の無線と一緒だった。
兄の死亡現場を目撃したティナも、斧を持って現れた
ヴァルコスに襲われるが、悲鳴を聞いて駆けつけたマークに窮地を救われる。
拘束したヴァルコスをポール達が警察に連行する間、マーサは
ショックを受けたティナをトレーラーで看病するが、ふと無人の屋敷の2階に
明かりがともっているのを見て、一人館に入ってしまう。
すると部屋中にポルターガイスト現象が起き、不気味なピエロの
人形が彼女を襲った。マーサは病院から戻ったポール達に救出され、
館にまつわる恐ろしい謎を聞かされる。
20年前に起きた殺人事件、そして娘の失踪、ベイカー夫妻が
葬儀屋を営んでいたことなど・・・死者の怨霊に呪われた館は
更なる犠牲者を求めて凄まじい血の殺戮を開始する・・・。
町の葬儀屋を訪ねたポールとマーサは、ベイカーが死者の埋葬物を
盗む癖があった事を聞き出すが、その直後、葬儀屋は店に侵入した
ヴァルコスによって殺害されてしまう。ポール達は墓地の管理をしている
黒人ハービーからヘンリエッタの霊が彷徨っていることを聞かされる。
車に居たマーサは後を追ってきたヴァルコスに襲われ、逃げるうちに
ヘンリエッタの遺体が安置されている地下墓地へと迷い込む。
やがて少女の棺からゾンビのような腕が伸び、マーサを襲った・・・。
館を出ようとしたマーク達は車のトラブルで出発が遅れてしまう。
ヒッチハイクの青年ペペが寝泊まりしようと、屋敷の中へ入るのを
目撃したティナは、単身ペペを追って館に足を踏み入れてしまう。
邸内には不気味な童謡が流れ、恐怖に襲われた彼女は
屋根裏で天井から落ちてきたギロチンの刃で胴体を切断されてしまった。
妹の死体を見つけたマークは屋敷の地下に湧き出た硫酸の池に落ちる。
屋敷に取り残されたスーザンはペペの死体を見つけ、恐怖に駆られて
逃げ回るうち、池から上がってきたマークを植木鋏で刺し殺してしまう。
絶望に襲われたスーザンに、鈍く光るナイフを手にしたゾンビが迫る。
マーサを探すポールは墓地の中で首を吊っているヴァルコスを発見、
更にヘンリエッタの棺の横で倒れているマーサを助け出した。
全ての始まりはベイカー夫妻から少女に渡された死者の副葬品だったのだ。
ヘンリエッタの棺を開けると、そこには少女が20年前の姿のままで
横たわっていた。ポールは少女にガソリンをかけ、火をつける。
遺体が業火に包まれるのと同時に、スーザンに襲いかかろうとした
ゾンビも一瞬にして消えていった・・・だが、しかし?!
怨霊が巻き起こす奇怪なオカルト現象に襲われて恐怖に戦くヒロインに、
「シャドー」のララ・ウェンデル。恐がり役を熱演している。
ダマートの会社フィルミュラージュが製作に入っているだけあって
共演者には「アクエリアス」「殺人ルーツ:ザイリアン」(89)の絶叫女優
M・セーラーズや、「人間解剖島ドクター・ブッチャー」のD・オブライエン
(出身はフランス!)ら、ダマート映画でお馴染みのメンツが揃っている。
その他のキャストは「ゴーストハウス」1本だけという素人?が多いが、
ウェンデルの彼氏に扮したG・スコットは87年に「デスマスク」という
映画に出ている(そんな彼も最後の最後で死ぬが:笑)。
撮影のフランコ・デリ・コッリは60年代終わりから娯楽映画を中心に
活躍する(代表作「愛の妖精アニー・ベル」(75)「フェラーリの鷹」(76)
「首だけの情事」(80)「ゼダー:死霊の復活祭」(82)「ラッツ」(83)など)
印象的な画面をとらえるのが上手い名カメラマン。
音楽のピエロ・モンタナリは「トップモデル:魔性の女」や
「イレヴン・ナイツ」(共に87)、「昼下がりの情事」(88)「プレイガールQ/
黒い下着の女」(89)などダマート作品が多い作曲家。レンツィとは
89年に「殺しのヒッチャー/震える白い肌」で再び組んでいる。
(モンタナリのスコア以外にもサイモン・ボスウェルが作曲した
「アクエリアス」(86)の旋律が随所に渡って使われているのが
ダマート製作の映画らしい。こういう作曲家達のクレジットって・・・)
松竹のビデオにはB級SF「ミュータント・ウォー」の予告編入り。
「炎の戦士ストライカー」
(89)
COMBAT FORCE (89)
(STRIKER)
●レンツィは脚本を担当?
「ゾンビライダー(V)」 (89〜90)
LA SPIAGGIA DEL TERRORE
aka:Nightmare Beach
Welcome to the Spring Break
●レンツィがハリー・カークパトリック名義で作った
ホラー/ミステリー映画。「プリズン」「デビルジャンク」
「ショッカー」等で一時流行した電気椅子殺人鬼が
死刑台から蘇り、人々を虐殺していく内容。
ゾンビ物と見せかけて、ミステリー仕掛けになっているのがミソ。
監督クレジットが違うのは、レンツィが殆ど演出していない
からだとか。出演はマイケル・パークス、ジョン・サクソン。
「コップ・ターゲット/狼たちの牙(TV&V)」(89〜90)
COP TARGET
●「エクスタミネーター」のロバート・ギンディが不死身の
タフガイを演じるコップ・アクション。南米を舞台に
麻薬シンジケート絡みの幼女誘拐事件が発生、
ギンデイは幼女の母親や、地元警察から疎まれながらも
事件を解決していく。共演にチャールズ・ネピア、
バーバラ・ビンガム、ニナ・スー・ボーレル。
レンツィのクレジットはハンフリー・ハンバート名義。
ついでにカジノでカードゲームに興じる客の役で画面にも
登場しているのでお見逃しなく。91年の日本劇場公開作。
「殺しのヒッチャー/震える白い肌(TV&ビデオ)」(89〜90)
HITCHER IN THE DARK
aka:Return of the Hitcher/Hitcher 2/Camper
Paura nel Buio

●原案・脚本もレンツィが担当したホラー・スリラー。
ジョー・ダマートのフィルミュラージュが製作しただけあって
基本的には低予算映画だが、それゆえにシンプルで
スリリングなプロットが楽しめる。
<物語>
金持ちの父親を持つマークは大型キャンピングカーに乗って
若者の集まる観光地を回り、ハイカーの若い女性ばかりを
狙って残虐に殺して楽しむ悦楽殺人者。
ある日、賑わうビーチで恋人のケビンと喧嘩した美少女ダニエラを
車に乗せたマークは、彼女が自分を捨てたロシア人の母親と
瓜二つなのに驚く。何度も逃げだそうとするダニエラを弄び、
睡眠薬で眠らせた後でブロンドの長い髪を切り、
ブルネットに染めて母親ソックリに仕立て上げていくマーク。
一方、彼女を追うBFのケビンは目撃者の証言から
ダニエラがキャンピングカーに監禁されているのに気付き、
救出に向かうが、逆にマークによって拉致されてしまい
拷問の末に逆上したマークによって無惨にも惨殺された。
ダニエラも死んでしまい、彼等の死体を廃車置き場に捨て
犯罪の痕跡をかき消したマーク。だが、再びキャンピングカーに乗り
獲物を探して街を徘徊し始めた彼の元に、想像もし得ない
人間が姿を現した・・・。
風光明媚なビーチが舞台になっている設定は、同じレンツィの
「ゾンビ・ライダー」を思わせる。作品としてはいつものレンツィ映画に
見られるような、お馴染みのゴア描写はそれほどない。
主演はジョージー・ビセット、ジェイソン・サッチャー、ジョゼフ・バーローら。
無名だが若々しさが魅力的な面々だ。
レンツィのクレジットはハンフリー・ハンバート名義。
(ビデオ・スリーヴにはスタッフ・キャストに関する表記は一切ないが)
HUNT FOR THE GOLDEN SCORPION (90〜91)
Caccia allo Scorpione D'Oro
●冒険物。
「ブラック・デモンズ
(V)」BLACK DEMONS (91)
aka:Demoni 3/Black zombies
●ブラジルの黒魔術で死体が復活!若者を襲う。
日本でも劇場公開が予定?されていたようだが、結局実現せず。
内容的にはかなりお粗末で、それも当然か。
それでもゾンビファンの熱意はありがたいもの。見事DVD化されましたね。
主演はフルチの「クロック」に出ていたK・ヴァン・ホーヴェン。
HELL'S GATE (91/89 ?)
aka:Le Porte dell'Inferno/Gate of Hell
●火山活動が活発な洞窟で探検隊が消息を絶ち、
彼らを救出に向かった一行がゾンビの一団に襲われる
お手軽ゾンビ映画。しかも禁断の<夢オチ>が待っている
恐るべき内容。レンツィにしてはゴア描写も控えめ。
主演は「アクエリアス」のB・キュピスピー。TV映画。
HORNSBY & RODRIGUEZ (91〜92)
aka:Hornsby e
Rodriguez - sfida criminale
●チャールズ・ネピアと、「ビヨンド」のD・ウォーベックが
共演した犯罪スリラー。
MEAN TRICKS (92)
SARAYEVO INFERNO DI FUOCO (96)