ルチオ・フルチA
−血しぶく惨劇の幕開け−
スリラー映画監督としての地位が確立してからのフルチは、
イタリア全土を覆ったスリラー/ジャーロ映画の一大ブームに乗り、
精力的に作品を発表し続ける。
アルジェントが「歓びの毒牙」で一気に道を開いたジャーロ映画群は
年代が下がるにつれ、次第にお色気/物語先行型と、
プロットなし・ゴア描写優先型に別れるが、フルチはもっぱら後者の
作風を選んでいく。
まずは69年の「女の秘め事」のヒットを受けて、辣腕プロデューサー
エドモンド・アマティから早速持ち込まれた企画が「幻想殺人」として完成。
奇しくもアルジェントの監督第2作目「わたしは目撃者」と同時に公開される。
「幻想殺人」の原題が「トカゲの肌を持つ女」、「わたしは目撃者」が
「九尾の猫」だった為、<動物の名前をタイトルに取り入れた>ジャーロは
必ずヒットする、というジンクスが生まれ、その後しばらくは妙な題名の
サスペンス映画がイタリアの映画館を埋め尽くすことになる。
「アヒルの子を苛めないで」という原題の次回作、「マッキラー」も
監督としてノリノリだったフルチの演出が冴えた1本で、この作品について
フルチは「私が「マッキラー」を撮った時期には、自分が本当に撮りたいと思う
映画を撮れるチャンスが訪れた。イタリアでは何か1本、作品を当てて実績を
作れば自分が撮りたい映画を撮れるようになるんだ。「幻想殺人」や
「女の秘め事」、「ベアトリス・チェンツィ」では私が純粋に表現したかった事を描いている。
残りの映画は全て商業面で何らかの妥協を余儀なくされた作品ばかりだ。
聞かれかなったので余り話した事はなかったが、どこかで打算的な映画なんだよ。
批評家は私が作った、あの当時の私的な映画を<クソ>とけなした。
私自身は芸術として仕上げたつもりだったんだがね。そして今、私自身には
<クソ>としか思えないような作品を、彼らは<芸術>と呼びたがっている。
特にイギリスの批評家は、その中でも最悪の映画群に妙な意味を見出そうと
しているね。(そうした批評をこじつけられる)連中は確かに知的だが、
ちょっと抑圧されたストレス(イギリスはホラー映画や残虐描写に厳しいので有名。
殆どのホラービデオが「ビデオ・ナスティ」として輸入・販売が禁止されている)が
あるんじゃないのかな?」と語っています。
その後も「白い牙」とその続編の「名犬ホワイト・大雪原の死闘」、
典型的な泥臭いイタリアン・コメディ「ブリアンザのドラキュラ(未)」、
流行の超能力モノと猟奇スリラー路線をミックスした「ザ・サイキック」など、
様々なジャンルの作品を発表し続けたフルチは、79年にアメリカの
G・A・ロメロが監督した「ゾンビ」が世界的に大ヒットした事を受けて、
数字上の続編「サンゲリア(輸出向け原題が「ZOMBIE
2」)」の企画に携わる。
それがその後の監督人生を決定づけてしまう映画になるとは、もしかしたら
フルチ自身夢にも思っていなかったかもしれない。
<監督としてのフィルモグラフィー>
(1970〜1980)
「幻想殺人(TV)」(1971)
A
LIZARD WITH A WOMAN'S SKIN
aka: Una Lucertola con la pelle di donna
Una Lagartija con piel de mujer, Schizoid, Carole,
Le Venin de la peur, Les Salopes Vont En Enfer
監督:ルチオ・フルチ/製作:エドモンド・アマティ/脚本:ルチオ・フルチ、
ロベルト・ジャンヴィッティ、ジョゼ・ルイズ・マルティネズ/
撮影:ルイジ・クヴェイレル/特殊効果:カルロ・ランバルディ/
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:スタンリー・ベイカー(コルヴィン警部)、フロリンダ・ボルカン
(キャロル・ハモンド)、エディ・ガリ [エリ・ガラーニ](ジョアン・ハモンド)、
レオ・ゲーン(エドモンド・ブライトン)、マイク・A・ケネディ(ヒッピー)
アルベルト・デ・メンドーザ(巡査)、シルヴィア・モンティ(デボラ)、
ジョルジ・リガウド(ケール医師)、ジャン・ソレル(フランク・ハモンド)、
アニタ・ストリンドベルグ(ジュリア・ドゥルァー)、
ペニー・ブラウン、フランコ・バルドゥッツィ、エンツィオ・マラーノ、
ガエタノ・インブルー、ルチオ・フルチ
*イタリア=フランス=スペイン合作。
日本では何度かTVで放映されたこともある
ミステリージャーロ映画。主演はF・ボルカンと、S・ベーカー。
C・ランバルディが作った解剖された犬が見物!
TVでは1982年6月22日に放映済み。但し放映時間は
CM込みで90分弱。どんな内容だったんだろう??
斜めで見づらいかもしれませんが、問題の犬です。
「幻想殺人」で教会の屋根裏部屋に逃げ込んだF・ボルカンが
蝙蝠の大群に襲われるシーンがあるが、それが「サスペリア」と
微妙に似ている。フルチはアルジェントがこの映画をパクッたという
主張を曲げなかったが。
●ビデオについては海賊版が出回っているので探せば発見できる。
筆者はヴォルテックスの英語版バージョンを観たが、エロティックな
シーンが微妙にコマ飛びしているので、カット版かもしれない。
イタリアでは新しいマスター?のビデオが発売されたという話も聞く。
「マッキラー(V)」(1972)
DON'T TORTURE A DUCKLING
aka:Non si sevizia un paperino, Fureur Meurriere (Deadly Fury),
Angustia de Silencio, La Longue Nult de L'Exorcisme
(The Long Night of Exorcism)
監督:ルチオ・フルチ/制作:エドモンド・アマティ/脚本:ルチオ・フルチ、
ジャンフランコ・クレリッチ、ロベルト・ジャンヴィーニ/撮影:セルジョ・ドフィッツィ
特殊効果:カルロ・ランバルディ/音楽:リズ・オルトラーニ
出演:フロリンダ・ボルカン(マッキラー)、バーバラ・ブーシェ(バルバラ)
トーマス・ミリアン(マルティエリ)、イレーネ・パパス(アメリア・マローネ)
マルク・ポレル(アルベルト・マローネ神父)、ジョルジ・ウィルソン(フランチェスコ)
アンドレア・アウレッリ、フタンコ・バルドゥッチ、ロサリア・マッジョ、
ヴィート・パッセーリ、リンダ・シーニ、ウーゴ・ダレッシオ、ルチオ・フルチ
ファウスタ・アヴェリ
*「幻想殺人」に続いてF・ボルカンが主演した
猟奇ジャーロ。様々な社会階級の人間が描かれている点で
野心的な作品とも言えよう。豪華な出演者も凄いが、
血みどろのリンチ・シーンと、驚愕のラストには唖然・・・。
この時期のフルチの最高傑作でありながら、真犯人に
ホモの神父を登場させてしまったために、フルチの名前は
カトリックのブラック・リストに載せられてしまい、
以後、数年間映画が撮れなかった。その後も
フルチの元には大きな作品の依頼が来なくなり、
彼が撮った作品もシリアスに受け取られなくなってしまった。
●日本版ビデオは大映から発売済みだが、冒頭とエンディングだけが
スコープサイズで、後はTVサイズにトリミングされてしまっていた。
シネスコと噂されたオランダ版も、どうやら日本版と同じ処理になっているらしい。
近々リリースがアナウンスされているDVDは全編シネスコのマスターだとか。
期待して待とう!!
「マッキラー」のラストに登場するドドメの見せ場、顔面ヤスリ掛け!
「エロティシスト(未)」(1972)
(THE) EROTICIST
aka:All'onorevole piacciono le donne
(All the Way.. A Lovely Woman)
Obsede Malgre Lui
監督:ルチオ・フルチ/制作:エドモンド・アマティ/脚本:サンドロ・コンティネンザ
(アレッサンドロ・コンティネンザでクレジット)、ルチオ・フルチ、オッタヴィオ・ジェンマ
撮影:セルジョ・ドッフィッツィ/音楽:フレッド・ボングスト/デザイン:ルチアーナ・
マリヌッツィ/編集:ヴィンセンゾ・トマッシ/約105分
出演:ランド・ブッザンカ(セナトーレ・ピューピス)、ラウラ・アントネッリ
(シスター・ヒルデガルド)、ライオネル・スタンデール(カルディナール・マラヴィーディ)
アゴスティーナ・ベッリ、レンゾ・パルマー(ルッチョン神父)、コラッド・ガッピア
ジョゼ・クアグリーオ、アルトゥーロ・ドミニッチ、エヴァ・ツェメリーズ
アニータ・ストリンドベルグ(修道院長)、フランシス・ブランチェ(シレール神父)
アルマンド・バンディーニ、クリスチャン・アリグニー、アルド・プグリージ、
クラウディオ・ニカストーロ、ググリエルモ・スポレンティーニ、フェオドール・チャリアピンJr
ルイジ・ゼルビナーティ、クイナート・パルメジャーニ、プーポ・デ・ルーカ
ジョヴァンニ・ファーゴ、ヘレン・パーカー、フィリッポ・デ・ガーラ、
ジュセッペ・フォルティース、クラウディオ・ダーニ、ウンベルト・ベルッチ、
ウンベウルト・ディ・ガラッツィア、イリオ・ファンティーニ、カサンドラ・ピーターソン
*イタリア=フランス合作映画。
イタリアの次期大統領の有力候補ジョルジョ・セナトーレ・ピューピス
(ブッザンカ)は普段は極めて真面目な男だが、無意識のうちに
目の前にいる女性の尻を掴んでしまう悪癖があった。
このままでは自分の地位も危ないと考えたセナトーレは、
悪友のルッチョン(この名前、フルチを彷彿させる)神父(パルマー)に頼み、
下界と隔絶した修道院に匿って貰い、治療に専念することにする。
しかし、そこで出会ったのは美しいドイツ人の尼さん、
シスター・ヒルデガルド(アントネッリ)。尻と見れば右手が無条件に
反応してしまうジョルジョに、ルッチョン神父は幼児期の体験が
影響しているのではないかと睨み、催眠両方を試す。
しかし自体は好転しないまま、ジョルジョは修道院から帰ってしまい、
政界のパーティーに出席すれば候補者の妻と茂みでセックスするご乱行。
そこにジョルジョが勝手に修道院を出ていってしまったのは
自分のせいだと考えたヒルデガルド尼が押し掛け、
自らの豊満な肉体を使って、彼の肉欲を治療知ると申し出たからまた大変。
一方、ジョルジョが来日中の国賓(もちろん女性)の尻を掴んでいる
ところをニュースフィルムから発見した一味が、彼を脅迫しようと企む。
てんやわんやの騒動の後、ジョルジョはTV演説に望むが、
それを見ていた一般市民は、下らないTVのクイズ番組へと
チャンネルを回すのだった。
選挙戦に出ている主人公が、幻想の中で全裸の尼さんの尻を触ると、
一気に投票が敵陣の名前になってしまう悪夢シーンや、
奇妙な幻想シーンがいっぱい。またアントネッリとブッザンカのセックス
シーンと平行して、軍隊のパレードを写したTVとカッティングしたりと、
基本的にはライトなイタリアン・コメディなのだが、出てくる人々が
政治家や、宗教家、神父ら皮肉ったら問題になりそうなヤバイ面々で、
笑いのネタになるのは彼等の特に性的な部分を茶化したような話ばかり。
その点でもフルチにとってはかなり野心的な作品と見た。
エロティック映画に良く出ているランド・ブッザンカは相変わらずの演技。
●海賊版で観られる。因みに英語マスターのバージョンよりは
イタリア版の方が若干長いとのこと。英語版のソース源は
イギリスでリリースされたビデオのようだが、画質はイマイチ。
ランニング・タイムは実測84分程度だった。
「白い牙(TV)」(1973)
WHITE FANG
aka:Zanna Bianca, Colmillo blanco, Croc-blanc/
Challenge to White Fang [米?]
監督:ルチオ・フルチ/制作:エルマーノ・ドナティ/脚本:ロベルト・ジャンヴィーニ、
ピエロ・レニョーリ、ピーター・ウェルベック、ガイ・エルメス、トーマス・ケイエス、
ジュラルメ・ルーク/撮影:エンリコ・メンツァー/第2班監督:トニーノ・リッチ/
音楽:カルロ・ルスティケリ/約101分
出演:フランコ・ネロ(ジェイソン・スコット)、ヴィルナ・リージ(エヴァンジェリーネ)
キャロル・アンドレ(クリスタ・オートレイ)、リカルド・バッタグリア(ジム・ホール)
ハリー・カーレイ.Jr、ダニエレ・ドゥブリーノ(チェスター)、レイムンド・ハームストーフ
(カール・ジャンセン)、ダニエル・マルティン(チャーリー)、ジョン・シュタイナー
(ビューティー・スミス)、フェルナンド・レイ(神父)
*文豪ジャック・ロンドンの名作を、イタリア=フランス=スペインの資本を
導入し、破格に映画化したフルチ唯一の文芸調作品。
映画音楽の巨匠、カルロ・ルスティケリのオーケストラ・テーマに乗って
狼たちが雪原を走っていくオープニングは、これがフルチ映画?!と
思わず我が目を疑ってしまう出来だが、狼たち辿り着く先には鹿の死肉が
転がっており、画面を真っ赤に染める演出は、いみじくもこの作品の全容を
象徴しているかのようだ。
この映画ではゴールド・ラッシュに沸く西部の町を舞台に、狼の血が混じった
野犬<白い牙>とインディアン少年のふれあいが悪徳銀行家に牛耳られた
町の興亡を平行して描かれているが、基本的にオリジナルの物語にあった
少年と狼のエピソードの殆どが削られ、代わりに飲んだくれ神父(F・レイ)と
その娘である酒場の歌姫(C・アンドレ)、銀行家(J・シュタイナー)の悪行を
暴こうと町に乗り込んできた新聞記者(F・ネロ)、病院を開設しようと布教に来た
尼僧(V・リージ)らが入り乱れ、ドロドロした人間関係が渦巻くマカロニ・
ウエスタンにすり変わっていく妙な展開。
銀行家に捕らえられた<白い牙>が熊と闘犬?する場面では、
犬に大量の血ノリをかけて撮影、真っ赤な動物が激しく動き回る画面に
気分を害したお客が大量にいたことは想像に難くない。また神父や歌姫が
残忍に殺されたりする展開は、後のフルチ映画で登場する残虐/ゴア描写を
彷彿させるタッチになっている。上映時間 89分、製作会社
オセアニア=インシナ。
続編と邦題が混合して表記されている資料では、続編がTV未公開だが
実はどちらも放映済みだ。
「名犬ホワイト/大雪原の死闘(TV)」(1974)
(THE)RETURN OF WHITE FANG
aka:Challenge to White Fang, (Il) Ritorno di Zanna Bianca,
Le Retour de Buck le Loup, De Terugkeer van White Fang (蘭題)
監督:ルチオ・フルチ/製作:エリマーノ・ドナッティ/脚本:ルチオ・フルチ、
ロベルト・ジャンヴィッティ、アルベルト・シルヴェストリ(ジャンヴィッティと
シルヴェストリの原案から)/撮影:シルヴァーノ・イッポリーティ/
音楽:カルロ・ルスティケリ
出演:フランコ・ネロ(ジェイソン・スコット)、ヴィルナ・リージ(エヴァンゲリーネ)、
ハーリー・カーレィ.Jr(タルウォーター)、レナート・チェスティ(ビル)
レイムンド・ハームストーフ(カート・ジャンセン)、ウェルナー・ポチェイス(盗賊)、
ジョン・シュタイナー(ビューティー・スミス)、ドナルド・オブライエン(盗賊)、
レナート・ディ・カルミーネ(レクレック)
*一応「白い牙」の続編になっているが、J・ロンドンの原作とは一切無関係。
前作でめでたくインディアンの少年と暮らせる事になった<白い牙>だが、
何と映画が始まって間もなく、インディアン少年は殺害されてしまい、
「エイリアン2」→「エイリアン3」的な血も涙もない展開を迎える。
<白い牙>は白人少年ビル(L・チェスティ)に渡り、再び西部の町に戻ってくる。
そこで<白い牙>は新聞記者スコット(F・ネロ)、尼僧(V・リージ)と再会、
更に前作で死んだはずの悪徳銀行家スミス(J・シュタイナー)も登場し、
復讐劇の展開を迎える。
前作に比べると予算がグッと減っているのは明らかで、その為か<白い牙>の
活躍は圧倒的に減り(酒場の乱闘にコメディ・リリーフとして登場したりもするが)、
娯楽調マカロニ・ウェスタン風のタッチに仕上がっている。
<動物が大好き>なフルチ自身、この企画を非常に楽しんだようだが、
ナゼかネロとは衝突があったようで、「もう2度と一緒に仕事をしない」と宣言。
撮影現場にはアリスティーデ・マサチェッシや、セルジョ・サルヴァーティらが
第2,第3キャメラマンとして参加していたようす。
主演のレナード・チェスティは「メリーゴーラウンド」や「虹を渡る風船」で
撮影当時、世界的に人気があった金髪の子役。チェスティ自身がネロの
ファンらしく、撮影はやはり楽しかったようだ。イタリア=フランス=ドイツ合作。
上映時間:90分。
「ブリアンザのドラキュラ(未)」(1975)
DRACULA IN THE PROVIDENCES
aka:Dracula in Brianza / Bite Me, Count
Il Cav. Costante Nicosia demoniaco ovvero Dracula in brianza
(The Demonic Cavalier Constante Nicosia..or Dracula in Brianza)
Muerdame Senore Conde (Bite Me..Mr. Count)
監督:ルチオ・フルチ/製作:エルマーノ・ドナッティ/脚本:マリオ・アメンドーラ
プーピ・アヴァーティ、ブルーノ・コルブッチ/撮影:セルジョ・サルヴァーティ
音楽:フランコ・ビクシオ、ヴィンセンゾ・テンペーラ、ファビオ・フィリッツィ
出演:ロッサノ・ブラッツィ(精神分析医)、ランド・ブッザンカ(コンスタンテ・ニコシア)
シルヴァ・コシナ(マリュー・ニコシア)、ヴァレンティーナ・コルテス
(オルジーナ・フランチェッティ)、フランチェスカ・ロマーナ・コルッツィ(ワンダ・トルセーロ)、
チッチョ・イングラッシア(魔術師)、クリスタ・リンダー(リュー)、ジョン・シュタイナー(伯爵)、
ウーゴ・ファンガレッギ(バッタイ)、グラッツィア・スパンダーロ、モイラ・オルフェイ、
ジョナス・バル^サ、イローナ・スタラー(チッチョリーナ??)
*フルチが監督した泥くさいドラキュラ・コメディ。
それまでもコメディ映画を得意にしてきたフルチだが、
モチーフに吸血鬼を持ってきたのがポイント。
異常なまでに迷信深い若き会社社長ニコシア(ブッザンカ)が
古城に住む伯爵(シュタイナー)からの依頼を受け、
トランシルヴァニアに飛ぶ。歓迎の酒盛りの席で意識を失った
ニコシアは自分が吸血鬼になったと思いこみ、イタリアに戻ってからも
周囲を巻き込んで大騒ぎを巻き起こす。しかし彼は本当に
吸血鬼になってしまったのか?全ては笑激のラストで解き明かされる。
ニコシアの妻に60'sグラマー、シルヴァ・コシナ、彼の愛人にはV・コルテス。
C・イングラッシアがインチキ魔術師役で笑わせてくれる。
名優、ロッサノ・ブラッツィも精神分析医役で出演。
脚本に「ゼダー:死霊の復活祭」「オーメン:黙示録」の監督、
プーピ・アヴァーティが参加。
「荒野の処刑(V)」(1975〜76)
THE FOUR GUNMEN OF THE APOCALYPSE
QUATTRO DELL' APOCALISSE
*「真昼の用心棒」と「新・復讐の用心棒」に挟まれた
マカロニ・ウェスタン3部作の1本。フルチ自身も
その3本の中ではこの映画が最も気に入っているらしい。
全編を通して非常に野心的な試みが行われている作品。
無法者に牛耳られた西部の町で、市民たちがゴロツキを一掃する為に
大虐殺を繰り広げる。町の保安官の好意で牢にいたカードのイカサマ勝負師、
売春婦、黒人の墓堀り人夫、アル中男の四人は危うく難を逃れる。
彼らは粗末な馬車で旅を続けるが、道中であった謎のハンターにより
運命を狂わされていく・・・。宗教的なバックグラウンドのもと、フルチが
西部劇の形を借りて撮り上げたロード・ムービー、あるいは当時流行していた
ニューシネマ風のマカロニ・ウェスタン。知名度は低いが、監督として
フルチがかなり高いクォリティを実現させた会心の作。
「ラ・プレトーラ(未)」(1976)
MAGISTRATE
aka: La Pretora / On A Demande la Main de ma Sceur
監督:ルチオ・フルチ/製作:エルマーノ・ドナッティ/製作総指揮:フランコ・マロッタ、
ラウラ・トスカーノ、フランコ・メルクーリ/撮影:ルチアーノ・トラッサッティ/
音楽:ニコ・フィデンコ
出演:エドゥージュ・フェネシュ(ローザ・オルランド判事)、ジャンカルロ・デットーリ
(アルティエーリ)、ジャンニ・アグス(アンジェロ・スコッティ)、オレステ・リオネーロ
(フランチェスコ)、マリオ・マランザーナ(ボルトロン)、ラフ・ルーカ(エスポジート)
ルチオ・フルチ
*イタリアを代表するセクシー・スター、E・フェネシュが厳格な女裁判長と、
彼女に瓜二つの奔放なグラマー娘を演じたエロティック・コメディ。
「エマニュエル・ネラ」シリーズで有名なニコ・フィデンコの音楽が聴きもの。
「ザ・サイキック(V)」(1977)
(THE)PSYCHIC
aka:7 note in nero, Murder to the Tune of the Seven Black
Notes,
Seven Notes in Black, Sette Note in Nero, Seven Black Notes,
Don't Look Now, Dolce Come Marire, Death Tolls Seven Times,
L'Emmuree Vivante
監督:ルチオ・フルチ/製作:フランコ・クック/脚本:ルチオ・フルチ、
ロベルト・ジャンヴィッティ、ダルダノ・サケッティ/撮影:セルジョ・サルヴァーティ/
音楽:フランコ・ビクシオ、ファビオ・フィリッツィ、ヴィンチェンゾ・テンペーラ
指揮:ヴィンチェンゾ・テンペラ
出演:ジェニファー・オニール(ヴァージニア・ドッツィ)、ガブリエレ・フェルゼッティ
(ロスピーニ・ドッツィ)、イヴリン・スチュアート[イダ・ガッリ](グロリア・ドッツィ)
ジャンニ・ガルコ(フタンチェスコ・ドッツィ)、マルク・ポレル(ルカ・ファットーリ)、
ジェニー・タンブリ[ルチアーナ・デラ・ロッビア](パオラ)、ブルーノ・コラッツアーリ
(カノヴァーリ)、ファブリッツィオ・ジョヴィーネ(コミッショナー:デリーア)
ルイジ・ディベルティ、ヴィート・パッセーリ、リカルド・パリジート・ペロッティ
*「リーインカーネーション」のJ・オニールをヒロインに起用して、
フルチが監督したサイキック・ジャーロ。様々な手がかりの断片が
真犯人を示していくクライマックスは、なかなかスリリングで
手堅い画面作りを含め、この時期の傑作に挙げられる。
イタリア人富豪(G・フェルゼッティ)の妻となった美しい女流建築家
バージニア(J・オニール)は、遠方での出来事や過去・未来を
<透視>できる超能力を持っていた。田舎の新居をリフォームする為に
寂しい道を車で走らせていたバージニアは突然、不気味な白日夢を見る。
意味をなさない光景が次第に現実になり、不安になったバージニアは
たった一人で幻影の陰に隠された真実を探り始めるが・・・。
撮影中はフルチと生意気なJ・オニールとの関係が最悪で、
さすがのフルチもなかり参ったらしい。「私はこの映画が大好きでね、
依頼さえあれば、ぜひ明日にでも取り直したいと思っているんだが、
もうJ・オニールだけは使いたくないよ。この映画は私が作った中で
最も美しい映画の1本だが、同時に最も成功しなかった作品だからね。」と
語っている。(オニールのクールな魅力はこの映画にかなり
貢献していると思うのだが・・・。)
S・サルヴァーティのキャメラ、ビクシオ=フィリッツィ=
テンペラの音楽、D・サケッティの脚本、G・デロッシの
特殊メイク等々、後のフルチ映画のスタッフが集結している。
映画の出来にも関わらず、イタリアでは興行的に惨敗。
あるファンタ系映画祭でB・D・パルマと同席(!)したフルチは
超能力映画のパイオニアだったデ・パルマに、なぜ「サイキック」が
ヒットしなかったのか、その理由を尋ねてみた(!!)のだという。
デ・パルマの回答は「あの当時、イタリアではテロ騒ぎがあっただろう?
(この辺の事情はS・ストーン主演の「イヤー・オブ・ザ・ガン」で
詳しく描かれている)だから映画館にお客が来なかったんだな。
それとあなたの映画で描かれている超能力は受動的すぎる。
もっと派手に見せ場を作らないとダメなんだ。」というものだったとか。
日本では「サイキック」のビデオ発売時に、発売元の日本コロムビアが
全国各地でイベント上映を敢行。東京では渋谷で一度上映されている。
「UN UOMO DA RIDERE」(1978:TVコメディ)
監督:ルチオ・フルチ
出演:フランコ・フランキ、シリヴィオ・スパデッチ、グロリア・ポール、
マリオ・メローラ
「新・復讐の用心棒(TV)」(1978)
SILVER SADDLE
aka: Sella d'argento,
Man in the Silver Saddle
監督:ルチオ・フルチ/製作:アンジェロ・リッゾーリ/製作総指揮:アドリアーノ・
ボルゾーニ、撮影:セルジョ・サルヴァーティ/音楽:フランコ・ビクシオ、
ファビオ・フィリッツィ、ヴィンセンゾ・テンペーラ
出演:ジュリアーノ・ジェンマ(ロイ・ブラッド)、スヴェン・ヴァルサッチ(トーマス・バレット.Jr)
エットーレ・マンニ(トーマス・バレット)、チンチア・モンレアーレ(マーガレト・バレット)
ジョフリー・ルイス(2
ストライク・スネーク)、ドナルド・オブライエン(フレッチャー)
フィリッペ・ハーセント(保安官)、アルド・サンブレリ(ガリンチャ)、リチニア・レンティーニ
*ウェスタン・ブームが終了してから作られた、ジュリアーノ・
ジェンマ主演の異常にライトなタッチの娯楽系西部劇。
日本ではTV放映のみだが、翌年に「サンゲリア」が
作られていることを考えると、興味深い1本か?
共演はS・ヴェルサッチと、「ビヨンド」の白目女C・モンリエーレ。
「サンゲリア」(1979)
ZOMBIE FLESH EATERS (ZOMBI 2)
*ホラー映画監督としてのフルチを生みだし、
後に大量のイタリアン・ゾンビを生み出す事になる
記念碑的ゾンビ映画。日本劇場公開作であり、
未だに数多くのファンがついている映画でもある。
製作のファブリッツィオ・デ・アンジェリスが最初に
監督として考えていたのは、つき合いの深かった
アクション映画監督、エンゾ・G・カステラーリ。
理由は不明だが、カステラーリが監督の座を降りたので
アンジェリスは「サイキック」で一緒に仕事をしたフルチに
白羽の矢を立てたようだ。
フルチのフィルモグラフィ
(年代、あるいは作品タイトルをクリック↓)
1959〜1969年
「泥棒たち(未)」(1959)
「RAGAZZI DEL JUKE BOX」(1959)
「URLATORI ALLA SBARRA 」(1960)
「TWO FOREIGN LEGIONNARIES」(1962)
「Le MASSAGGIATRICI 」(1962)
「COLPO GOBBO ALL'ITALIANA」 (1962)
「Gli IMBROGLIONI」(1963)
「Uno STRANO TIPO」(1963)
「EXTREMELY SECRET AGENTS 002」(1964)
「DUE EVASI DI SING SING」(1964)
「マニアックス(未)」(1964)
「00-2 OPERAZIONE LUNA」(1965)
「HOW WE GOT THE ARMY INTO TROUBLE」(1965)
「THE TWO PUBLIC ENEMIES」(1965)
「I DUE PARA」(1966)
「COME SVAGLIAMMO LA BANCA D'ITALIA」(1966)
「真昼の用心棒」(1966)
「HOW WE STOLE THE ATOMIC BOMB」(1967)
「Il LUNGO, IL CORTO, IL GATTO」(1967)
「OPERATION S.T PETERS 」(1968)
「ベアトリス・チェンツィ(未)」(1969)
「女の秘め事(未)」(1969)
1970年〜1979年
「幻想殺人(TV)」(1971)
「マッキラー(V)」(1972)
「エロティスト(未)」(1972)
「白い牙(TV)」(1973)
「名犬ホワイト・大雪原の死闘(未)」(1974)
「ブリアンザのドラキュラ(未)」(1975)
「荒野の処刑(V)」(1975〜76)
「ラ・プレトーラ(未)」(1976)
「ザ・サイキック(V)」(1977)
「新・復讐の用心棒(TV)」(1978)
「サンゲリア」(1979)
1980〜1991年
「地獄の門」(1980)
「野獣死すべし(V)」(1980)
「ビヨンド(V)」(1981)
「恐怖!黒猫(V)」(1981)
「墓地裏の家(V)」(1981)
「ザ・リッパー(V)」(1982)
「マンハッタンベイビー(V)」(1983)
「SFコンクエスト:魔界の制圧(V)」(1983)
「未来帝国ローマ(V)」(1983)
「マーダロック(デビルズ・ダンシング)(V&TV)」(1984)
「イノセント・ドール 虜」(1986〜87)
「サンゲリア2(V)」(1987)
「怒霊界エニグマ(V)」(1987)
「タッチ・オブ・デス(V)」(1988)
「ゴーストキラー(V)」(1988)
「ホラーハウス(V)」(1989)
「クロック(V)」(1989)
「新・デモンズ(V)」(1990)
「ナイトメア・コンサート(V)」(1990)
「地獄の門2(V)」(1991)
「ヘルクラッシュ:地獄の霊柩車(V)」(1991)
「肉の蝋人形」(1992)
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LA SIGNORA WARDH:
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YELLOWの師匠、Yoshitomo
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