恐るべき子供たち in
イタリアン・ホラー


古今東西、ホラー(に限らず)映画には数々の邪悪な子供達が登場してきた。
流行に敏感な?イタリアン・ホラーも当然例外ではなく、古くはM・バーヴァの
「呪いの館」(68)に登場した亡霊少女(実はカツラを被った少年!)や、
そのヴィジュアルに触発された
「世にも奇怪な物語」(68〜69)のフェリーニ編に
登場する白いボールを持った不気味な金髪少女(演じている子役は不明)、
「ザ・ショック」(77)、「デアボリカ」(73)と立て続けに悪魔/悪霊に取り憑かれて
物好きなファンを大いに沸かせたデビッド・コリン・Jr.(下絵参照:もしかしたら
「猟奇!食人鬼の島」(80)にも死んだ子供役でクレジットなし出演??)、
そしてD・アルジェントの
「サスペリア2」(75)で一躍有名になった赤毛の少女、
ニコレッタ・エルミなどなど、名前は知らなくてもこの顔は何度も見たことがある!
という印象的な子役が何人もいる。
このページではそんな芸達者な子供達を紹介してみたい。

 
↑この人は別格ですね。ということで、
写真をクリックするとエルミのページに行けます。


ョバンニ・フレッザ>
Giovanni Frezza

フルチの
「墓地裏の家」(81)でカトリオナ・マッコールとパオロ・マルコの
一人息子ボブ・ドイルを演じ、地下室に棲むフロイトシュテイン博士の
ゾンビに襲われていた金髪少年がジョヴァンニ・フレッザだ。
続くフルチ監督作品
「マンハッタン・ベイビー」(82)では、
エジプト旅行から帰って以来、超能力を発揮するようになった姉に
感応するように不気味な行動をとるようになるトミー・ハッカー少年役。
こちらでは中盤で画面から消えてしまい、扱いとしてはイマイチだった。

この2本でファンの脳裏に強烈な印象を残したジョヴァンニ少年は
一時期かなり頻繁にイタリアン・ホラー映画群に出演していた。

「デモンズ」(85)ではラストで怪物と化したヒロイン(N・ホーヴェイ)を
撃ち殺すミリタリー少年役で登場し、同じL・バーヴァ監督の

 
「暗闇の殺意」(83)では女装を(写真左)、E・G・カステラーリの
「マッドファイター」(82)では近未来コスプレも披露した(写真右:
持っているのは人間の耳!!)ジョヴァンニ君だが、
その後の行方は誰も知らない。いい若者になってそうな気もする。
1972年(あれ?以外と年食ってますな)9月8日、
イタリアのポテンザ生まれ。


<ファウスタ・アヴェリ>
Fausta Avelli

「星になった少年」のパンフレットによると(既に綴りがFAVSTAと
間違っているが)彼女は、ローマから少し南のテラチナで生まれ。
イタリアのTVコマーシャルや子供向けのゲーム番組の常連だった
ファウスタは、77年当時11歳だったようなので、1966年生まれか。


検索エンジンで調べても上がってこないが、彼女はルチオ・フルチの
「マッキラー」(72)でマルク・ポレル扮する殺人鬼神父の幼い妹を演じていた。
生まれつき言葉の話せない少女マルヴィーナ(アヴェリ)は、
助けに入ったトーマス・ミリアンとバーバラ・ブーシェの手を逃れ、
自分を殺そうとしている兄の元へ走り寄ってしまう。
まだ何もわからないような年齢だから当然だが、無邪気な表情が効果的で
クライマックスをサスペンスフルに盛り上げる役割を果たしていた。


「マッキラー」で腕を引っ張られるアヴェリ。
顔は結構マジ入ってます。


そんな彼女の実質的な映画デビュー?は75年の
「Noi non siamo angeli」
英訳すると「We Are No Angels」。日本でもTV放映されていそうな
題名だけに検索エンジンで探してみたが、結局発見できなかった。
主演は
「メリ−ゴーランド」「虹を渡る風船」レナード・チェスティ(エ)で、
西部劇でお馴染みのウッディ・ストロードが共演。監督はジャンフランコ・
パロリーニ。アヴェリはポリーという役だが、当時の年齢を考えると、
妹か小さなお友達という役どころか?

続いて登場するのが日本でも良く知られているジョルジ・パン・コスマトス
「ランボー」の監督)の、オールスター・パニック映画「カサンドラ・クロス」(76)。
アヴェリは豪華なスター達に混じってカテリーナという少女役で出演。
なんと
「サスペリア」(77)のアリダ・ヴァリ(瓶底メガネをかけた地味な
オバさんルックで登場!)の娘という設定で、ヴァリは彼女を守る為に
銃で撃たれ命を落とす。うーん、どっちもオイシイ役どころ!

続いて、両親が別居した孤独な少年が、愛馬をシチリアの祖父の元へ
送られたことをきっかけに家出し、シチリアを目指して旅をする
(途中仲良くなった泥棒少年が足を切断する事故に巻き込まれたり、
少年自身も落雷に驚いた(笑)愛馬と一緒に事故死したりと、
お客の涙を絞り取る為に考えられる事は全て行う散々な内容のようす)
ナタリー・ドロン主演の
「星になった少年/Gli Ultimi angeli」(77)に出演。
太り気味の体を気にして、お菓子をサンドロ少年にあげたりする、
可愛らしい少女エマヌエラ役だとか。

本国よりも日本で先に公開されたこの映画の主役、
アレッサンドロ少年は、監督のエンツォ・ドリアの息子。
ま、イタリア映画にはありがちなパターンですよね。

さて、ここからがアヴェリの快進撃。まずは同じ77年にL・フルチの
「サイキック(V)」でヒロイン、ジェニファーオニールの少女時代として登場。
イタリアに居ながらにして遠く離れたイギリスのドーヴァー海峡の崖から
飛び降り自殺した母親(
「地獄の謝肉祭」のエリザベス・ターナー)の姿を
超能力によって垣間見てしまう。出演時間は少ないが、
かなり強い印象を残す使われ方だった。


「ザ・サイキック」のアヴェリ。
悪いけど、彼女が成長しても
J・オニールにはならないような気が・・・。


イタリア映画界がこんなナイスな子役を放っておくはずがない。
早速翌78年、アルベルト・ネグリンがスラッシャー・ジャーロ映画

「濡れたウィークエンド:女子学生寮半裸惨殺死体の謎」(78)で
最初の被害者となった女学生の妹、エミリー役にアヴェリは起用される。
アルジェント映画でお馴染みのフランコ・フェリーニらが脚本に加わった
この映画は「深夜、階段の上から転がってきた無数のビー玉に足を取られた
女学生が階段を転落する(故に
「ビー玉殺人(ビー玉は知っている)(TV)」等の
別題あり)」というショッキングな見せ場で有名。アヴェリは殺された姉の
復讐の為に、彼女の友人達をビー玉やペン先を使って殺そうとする。
特に凄いのはラストで、病院のベッドに横たわる女学生の首を突然
アヴェリが罵倒しながら絞め始めるシーン!これはかなり強烈。

この映画を最後にアヴェリは映画界から足を洗ってしまった。
良くあるように<邪悪な子供>からティーンへと成長してしまった為に
お払い箱にされてしまったのだろうか?
しかし、ニコレッタ・エルミ同様、彼女も1984年に突然、復活を果たす。
ダリオ・アルジェントの
「フェノミナ」がそれで、アヴェリはジェニファー・
コネリーを苛める女学生の一人(ダリラ・ディ・ラッザーロと一緒に
手紙を盗み見している一人?画面右側がそれっぽい)で顔を出していた。
さすがにインパクトある見せ場はなかったが、その辺の裏事情?も
考えながら見ると、また新たな楽しみがあるかもしれない。


ララ・ウェンデル=
ダニエラ・バーナーズ?>

Lara Wendel (Daniela Barners)



ララ・ウェンデルはもしかすると、ニコレッタ・エルミなんかよりもずっと
危険な子供だったかもしれない。生年は1963( 1965年説あり)年3月29日、
ドイツのミュンヘン生まれで、父親は大学教授(ホントかよ?)。
一般に認知されている彼女のデビュー作は14歳の時に
(年代に関する資料が曖昧な為に実際は良く分からない)
出演した有名なチャイルド・ポルノ(あるいはロリータ映画)
「思春の森」
この映画では(更に)幼くして全裸を見せつけたライバル役の
金髪少女エヴァ・イヨネスコにスポットが集中。
地味な少女役だったウェンデルの印象はやや薄いが、
それでも実際に映画を見てみると、彼女の存在感は強烈だ。

だが、実際には72年に変名(本名?)であるダニエラ・バーナーズを用いて、
「皆殺しハンター(皆殺しマンハント)」なる映画でデビューしていた模様。
D・バーナーズ名義では
「マーク・レスター/可愛い目撃者」(72)、
「炎のいけにえ」のミムジー・ファーマーが主演した未公開ジャッロ
黒衣の貴婦人の香水(74)にもクレジットされている。

ロリータ役に続いて
「美しき少年/エルネスト」では男性から愛される
美少年(とその姉の2役)を演じ、お耽美派女性映画ファンの怒りを買う。
また1982年にはイタリア映画界の巨匠ミケランジェロ・アントニオーニの
シリアス・ドラマである
「ある女の存在証明」と、ダリオ・アルジェントが監督した
ハデハデ系ジャーロ
「シャドー」に同時に出演してしまう離れ業を披露。
この時期には日本未公開ながら、オカルト・ジャンルの問題作
「リング・オブ・ダークネス」(79)に出演。この映画ではウェンデルは
強大な魔力を持つ魔少女に扮し、最も得意とするタイプの演技を披露している。

少女から大人の女性へと成長したウェンデルは、次第にB級ホラー映画の
ヒロインに甘んじるようになってしまったが、それでも突然
フェリーニ作品
涼しい顔で出演していたりするから頭が下がる。
一応資料ではジョアンヌ・パクラの濡れ場ばかりが話題になった
「金曜日の別荘で」を最後に出演作が途切れているが、
それはウェンデルが結婚をして女優業を引退したかららしい。
しかしウェンデル独特の個性の虜になってしまった我々としては、
いつの日か彼女がより強烈なオバさんパワーをひっさげて
銀幕に復活することを望みたい。



<フィルモグラフィ>

皆殺しハンター(「皆殺しマンハント」)」(1972)
La Mala Prdina
Manhunt/The Italian Connection
(米題)

イタリア映画/カラー・96分(米版92分)/日本劇場公開73年3月(東和)
製作会社:ダウニア・プロ
監督:フェルナンド・ディ・レオ
脚本:フェルナンド・ディ・レオ/アウグスト・フィノッキ/インゴ・ヘルメス
撮影:フランコ・ヴィラ
音楽:アルマンド・トロヴァヨーリ
出演:マリオ・アドルフ(ルーカ・カナルディ)/ヘンリー・シルヴァ
(デイビッド・カンタニア)/ウッディ・ストロード(フランク・ウェブスター)/
アドルフォ・チェリ(ドン・ヴィット・トレサルディ)/シルヴァ・コシナ
(ルチア)/シリル・キューザック(コルソ)/ルチアナ・パルッツィ
(エヴァ・ラッリ)/フランコ・ファブリッツィ(エンリコ)/
ジャンニ・マッキア(ニコラ)/ダニエラ・バーナーズ(ルーカの娘)


 ←遂に発見。問題の写真。
S・コシナに抱かれる少女、この顔はどうみても・・・。
このときウェンデル9歳(63年誕生説によれば)。

・・・お下劣映画のキング、F・D・レオ監督の劇場公開作。
豪華なキャスティングを得て、組織にハメられた男の壮絶な復讐劇を
ミラノの街並みを生かしたロケ撮影でスピーディーに描く。
映画雑誌には「皆殺しマンハト(マンハントの誤植:涙)」と紹介されているが、
公開題名は「皆殺しハンター」になった模様。


<物語>

NYに運ばれる筈だった600万ドル相当のヘロインが消えた。
消えたブツの行方を追ってNY組織のボス、コルソ(キューザック)の命令で
デイビッド(シルヴァ)と、黒人のフランク(ストロード)という2人の殺し屋が
ミラノへやって来た。彼らが容疑者と睨んでいるのがポン引きの
ルーカ・カナーリ(アドルフ)で、見せしめの為に残酷な手口で殺そうと
彼の抹殺計画を実行する手筈を整え始める。
まずは組織の女エヴァ(パルッツィ)の手引きで、
ミラノの暗黒街を牛耳るトレッソルディ(チェリ)に会い、
協力を取り付けた。

ルーカは命を狙われる理由もわからないまま殺し屋の襲撃に会い、
彼の愛する妻ルチア(コシナ)と幼い娘(ウェンデル)を殺されてしまう。
怒りを爆発させたルーカはトレッサルディの本拠に乗り込み、彼を射殺。
何と事件の黒幕はトレサルディで、ルーカはその罪をなすりつけられていたのだ。
しかしアメリカから来た殺し屋は執拗に彼を狙い、死闘を決意したルーカは
廃車が山のように積まれた自動車置き場で彼らと対決する。
形勢は圧倒的にルーカに不利。何とかフランクを倒し、重症を追うルーカ。
そんな彼をデイビッドの非情な銃口が追う。辛くもデイビッドを仕留めたものの、
致命傷を負ったルーカの意識は次第に薄れて行くのだった。




「Mio caro assassino」(1972)

aka:My Dear Killer
Sumario sangriento de la pequena Estefania


イタリア=スペイン映画/カラー・105分/劇場未公開

・・・最近ウェンデルの出演作として浮上してきた
トニーノ・ヴァレリ監督のジャッロ映画。
ウェンデルはダニエラ・レイチェル・バナーズのクレジットで出演。
(しかしワイドサイズの画面では顔も良く分からず・・・
が、監禁されるララちゃんのおパンツ、チラリ辺りはマニア心を直撃か。
あと変なペドフィリアの画家の家を訪ねると、
モデルの子がフラッと全裸で出てくるのもすごい)
このときウェンデル9歳(63年誕生説によれば)。


幼い少女が行方不明になる事件を発端に、残虐な殺人が続発。
ジョージ・ヒルトン扮する探偵が謎を追う。
ビデオはレダンプションで簡単に入手できるが、パティ・シェパード演じる
女教師が電ノコで殺されるシーンがカットされている。
(とか書いてたら、これも とっくにDVDになってるんだね。やれやれ)

 

 

マーク・レスター可愛い冒険者」(1972)
Redneck
Senza Ragione

イギリス映画
/カラー・88分/劇場公開73年(配給:松竹映画)
製作:マイケル・レスター/シルヴァーノ・ナリッツァーノ
監督:シルヴァーノ・ナリッツァーノ
脚本:ウィン・ウェルズ/マッソリーノ・ダミーコ
撮影:ジョルジョ・トンティ
音楽:マウリツッィオ・カタラーノ

出演:マーク・レスター(レノックス・ダンカン)/フランコ・ネロ(モスキート)/
テリー・サバラス(メンフィス)/エリ・ガレアーニ(マリア)/
ベアトリス・クレイ(マーガレット・ダンカン)/トミー・ドューガン
(アンソニー・ダンカン)/マリア・ミッチ(女校長)/ブルーノ・ボシェッティ(警官)/
アルド・デ・カレリス(リカルド)/ドュリオ・デル・プレーテ(レンツィ警部)/
ピエロ・マッティ(宝石商)/ブリッタ・バーナーズ(ドイツ人の母親)/
ジャン=ピエール・クラレイン(ドイツ人の父親)/ワンダ・パリーニ(娼婦#1)/
リリアーナ・フィオラモンティ(娼婦#2)/ダニエラ・バーナーズ(ドイツ人少女)/

・・・「小さな恋のメロディ」「小さな目撃者」「ナイトチャイルド」の
人気子役スター、マーク・レスターが主演したサスペンス映画。
イギリス副領事館を父に持つ13歳の少年が、男2人女1人の
宝石強盗に誘拐される内容。宝石泥棒の3人組には「新・殺しのテクニック」の
F・ネロ、「戦略大作戦」のT・サバラス、そして「幻想殺人」のE・ガレアーニ。

どこまでも冷酷なサバラスと、ナイーブな中に優しさを見せるネロという
お馴染みの配置の中に、日本では馴染みのないジャンル女優ガレアーニが
華を添える構成。登場人物もやたら少ないようで、小型の映画という印象。
舞台がローマというだけあって、監督や撮影にイタリア人スタッフを起用。
製作はマーク・レスターの父マイケルと監督が共同で担当している。
監督のS・ナリッツァーノは「血と怒りの川」の斬新な演出テクニックで
注目された人物。脚本のW・ウェルズは「野生の叫び」で知られている。

ウェンデルはドイツ人一家の少女の役で登場。このときウェンデル9歳
(63年誕生説によれば)。母親を演じるB・バーナーズは

「フェリーニのローマ」
にも出ていた女優で、もしかしたら実生活でも彼女の母親?


<物語>
母親と一緒にロールスロイスに乗っていた13歳の少年レノックス
(M・レスター)の前に、突然宝石店から3人の強盗団が飛び出してきた。
彼らは母親を降ろし、レノックスを乗せたまま車をスタートさせた。
怯える少年は恐怖で後部座席にうずくまっていた。

彼らは若いイタリア人モスキート(ネロ)、目の鋭いアメリカ人メンフィス
(サバラス)、そしてモスキートのGFマリア(ガレアーニ)。
3人が宝石店の店員を射殺してまで奪った宝石箱に入っていたのは
金にもならないスプーン1本で、仕方なく彼らはレノックスを誘拐して
身代金をせしめようと目論む。車はフランス国境に向かうが、途中、
メンフィスは逃走を見られた羊飼いの少年を射殺してしまい、身の危険を感じた
マリアは車が山林に入ると、2人が寝ているうちに車を飛び出した。
だがそれに気付いたメンフィスは彼女を追い、小屋の中に追いつめて強姦し
殺害してしまった。一方、目を覚ましたモスキートとレノックスは山林深く
分け入って行くが、それと入れ違いに戻ってきたメンフィスは2人が居ないのに
気付いて激怒、マリアの死体を車に乗せて崖から突き落とした。

モスキートとレノックスは道に迷い、やっとのことで老女の住む屋敷に
辿り着き、食事を取ることが出来た。この一件で2人の間に友情が芽生え、
レノックスはモスキートに親しみを覚えるようになる。
2人の後を追ってきたメンフィスに銃で脅され、国境を目指す旅が
再開された。その途中、メンフィスはドイツ人家族の乗るキャンピングカーを
湖に落とす事件を起こす。レノックス達の、残虐なこの男の隙を窺う日々が続く。
数ヶ月後、山には雪が積もり始め、捜索隊の追っ手も迫ってきた。
メンフィスが捜索隊の弾丸に頭を撃ち抜かれて死に、逃げようとした
モスキートも銃弾に倒れた。彼の後を追おうとしたレノックスは放心したように
銃を取り、空に向けて弾丸を放つのだった。





「Il Profumo della Signora in Nero (未)」(1974)


・・・「炎のいけにえ」のミムジー・ファーマーが
ノイローゼ気味の科学者
(!)に扮したオカルティックなジャーロ映画。

母親を殺してしまった過去に苛まれるヒロインは少女時代の幻影に
惑わされ、同僚達を惨殺してしまう。ラストで展開する
黒魔術儀式のシーンでは、M・ファーマーが腹を裂かれ、
内臓を引っ張りだされる凄まじいゴア・シーンが展開。
ウェンデルは問題の幻影少女の役で登場している。

 


このときウェンデル
11歳(63年誕生説によれば)。

左の少女が成長してミムジー・ファーマー(右)ってのはやや無理が。

 

 

 

「思春の森」(1977)
Spielen wir Liebe
aka :Maladolescenza
    Playing with Love
    Puppy Love

・・・夏の間、森に囲まれた別荘に避暑に来たラウラ(ウェンデル)は、
幼なじみの少年と1年ぶりの再会を果たすが、彼は思春期真っ直中で
ラウラに妙に冷たく当たる。少年の心の変化が分からないラウラは
幾度となく少年と喧嘩をし、その都度仲直りを繰り返す。しかし彼らの前に
避暑の為、別の屋敷にやって来た小悪魔的な金髪少女(エヴァ・イヨネスコ)が
現れてから事態は急転する。金髪少女は少年を性的に挑発し、
ラウラにも様々な嫌がらせをしてくる。3人が森の中の廃墟にある洞窟で
道に迷った時、誤って少年が死に、ラウラの夏は終わりを告げる。
原作も書いている監督が難しい年頃の子供達が抱く心のひだを
ストレートに描いた内容だが、全編を通じて年頃の子供が
ウダウダしているのは見ていて余り気持ちの良い物ではない。

このときウェンデル14歳(63年誕生説によれば)。


「La Petite fille en velours bleu (未)」(78)
aka:Little Girl in Blue Velvet

・・・TVの監督?アラン・ブリッジズが撮ったフランス映画?
出演はクラウディア・カルディナーレ、ベルナルド・フレッソン、
ウンベルト・オルシーニ、ミッシェル・ピコリら。
このときウェンデル
15歳(63年誕生説によれば)。


 

 

「美しき少年/エルネスト」(1978〜79)
Ernesto

・・・美しい少年イリオに禁断の恋をしてしまう青年の物語、と聞いただけで
面倒くさそうな内容だなぁという気配が滲み出るイタリア映画。
ウェンデルはイリオと、その姉のレイチェルの2役を演じている。
(英語版ではイリオの名前がエミリオになっている)
このときウェンデル15-16歳(63年誕生説によれば)。
監督はイタリアン・エロスの大御所、「青い体験」のサルヴァトーレ・サンペリ。
エルネストの母親にはヴィルナ・リージ、マーティン・ハルム、
ミケーレ・プラシド、レナート・サルヴァトーリ。




 

Un Ombra nell'ombra (未)」(1979)
aka :Ring of Darkness

「リング・オブ・ダークネス」から念力バリバリ放出場面!


・・・ウェンデルの代表作の1本。男性関係に満たされないイタリアに住む
有閑マダム達が郊外に住む魔女(マリサ・メール)が操る魔術にハマる。
熟女達はサバトに参加し、ミステリアスな魔術の世界(と乱交セックス)を
楽しむが、その中の一人(アン・ヘイウッド)の娘ダリア(ウェンデル)に
奇妙な兆候が見られ始めた辺りから不気味な事件が続発するようになる。
娘の持つ強い魔力に恐れを感じた母親は娘の担任教師(ヴァレンティナ・
コルテース)や、友人(イレーネ・パパス)に相談したりするが、
ダリアの邪魔をする人々は次々非業の死を遂げていく。
そして遂に母親までも手に掛けたダリアが次に命を狙ったのは、
何とローマ法王だった・・・。

豪華なキャスティングが楽しいオカルト映画。何となく「オーメン」からの
影響も感じられるが、こちらはよりオリジナルな内容を持っていて
単なるパクリとして切り捨てられない仕上がりになっている。
監督はマリオ・バーヴァの「黄金の眼」の原作を書いたコミック作家、
ピエール・カルピで、この映画の原作も彼自身が書いている。
日本の映画雑誌に「影の中の影(伊題直訳)」で紹介されたこともある。
このときウェンデル16歳(63年誕生説によれば)。


 

「Un Dramma borghese (未)」(1979)
aka :Mimi


・・・フロレスターノ・ヴァンティーニが監督を担当、
「強奪〜インサイダー〜」(80)同様、フランコ・ネロと
ダリラ・ディ・ラッザーロが共演した作品。原題は「ブルジョアのドラマ」。
ジュド・モルッセリの小説を基に、海外特派員として
長年外国暮らしをしている男(ネロ)が、スイスの
ホテル滞在中に、寄宿舎にいる15歳の娘(ウェンデル)を
呼び寄せるが、二人とも病に倒れてしまう。
父親に男性の魅力を感じる娘は、彼の前で自慰行為に
耽ったりするが、近親相姦にまでは至らず、
父親は娘を訪ねて来た少女と結びつき、逆上した娘は自殺を図る。
このときウェンデル16歳(63年誕生説によれば)。



デシデーリア=欲望」(1980)
Desideria: La vita interiore
aka :Desire, the Interior Life

イタリア=西独合作/カラー・105分/日本劇場公開88年(ビデオ:アスミック)

監督・脚本:ジャンニ・バルチェッローニ
原作:アルベルト・モラヴィア(「深層生活」:ハヤカワ文庫刊)
共同脚本:エンツォ・ウンガリ
撮影:クラウディオ・チリッロ
音楽:ピノ・ドナッジョ
出演:ステファニア・サンドレッリ(ヴィオラ)/ララ・ウェンデル(デシデーリア)/
クラウス・レーヴィッチェ(ティベリ)/ヴィットリオ・メッツォジョルノ(エロストラート)

・・・イタリア語で欲情・情欲を意味する名前を持ったブルジョワ階級の娘、
デシデーリアは肥満症を苦にした生活を送る内向的な娘。
彼女の美しい養母ヴィオラから、自分の出生の秘密を聞かされ、
ショックの余り自殺を図が、未遂に終わったこの事件をきっかけに、
彼女は痩せて美しい少女に生まれ変わる。新しい姿を得たデシデーリアは
自らの欲望に身を任せて、危険な生活に溺れていく。


使用前のデブデーリア(左)と使用後のウェンデル(右)。

原作はイタリアの文豪A・モラヴィアが7年の歳月をかけて発表した
長編小説。あまりにショッキングな内容に、イタリアでは発売されるや
センセーションを巻き起こし、発禁処分になった曰く付きの作品。
毎度ながらデシデーリアを演じるウェンデルの悪魔的な立ち振る舞いが
一番のお楽しみだが、以前の少女っぽさが抜け、何となく普通の
お姉さん風のルックスになってしまった為に、物語の衝撃度はイマイチ?
監督はジャンニ・バルチェッローニ、音楽にピノ・ドナッジョ。
共演のステファニア・サンドレッリとの火花散る女優同士の戦いも見物のひとつ。

この時期に母親殺しをやる「ダリア」という主演作がある、と紹介されているが
どの作品かはちょっと不明(同名の少女を演じた「
「リング・オブ・ダークネス」」か?)。
このときウェンデル17歳(63年誕生説によれば)。






「Il Falco e la colomba (未)」(1981)
aka:The Hawk and the Dove

・・・ファブリッツィオ・ローリ監督作品。
このときウェンデル、やっと18歳(63年誕生説によれば)。
共演は「野獣死すべし」「沈黙の官能」のファビオ・テスティ。

妻リタ(シモネッタ・ステファネッリ)との仲が冷え切った
マイケル(F・テスティ)が美しい少女ヴィーヴァ(ウェンデル)と
知り合ったことで、禁じられた情事に溺れていく。

子役が大人の女優に転身する際って、頑張りすぎて
身の丈以上の役を演じちゃう事が良くあるんですが、
まさにこの映画、そういうパターンですね。笑
クラブのパフォーマーで写真モデル、際立った美貌を誇りながら
愛する男の為に全てを捧げ、麻薬中毒となり、錯乱のなかで命を落とす・・・
これ、表現力のある女優さんが演じたら説得力がある役柄なんですが、
ちょっとララちゃんには荷が重かったかも(演出自体も力み過ぎな感じが)。
でも全篇ララちゃん出ずっぱりで、間違いなく「代表作」に挙げたい1本。
Thanks to Mr.T.Yasui for video source!






ある女の存在証明」(1982)
Identificazione di una donna
aka :Identification d'une femme
(仏題)
    Identification of a Woman
(英題)

トーマス・ミリアンと語らうウェンデル。
しかしその内容は・・・。

・・・名匠ミケランジェロ・アントニオーニが撮り上げたシリアスな内容の作品。
出演者がトーマス・ミリアン、ヴェロニカ・ラザールとトラッシュ映画にも出演する
俳優なためか、ユーロトラッシュ映画の研究本デリリウムにも紹介されているが、
基本的にはアントニオーニの映画なので、下品な見せ場はない。
だからといって面白くないかというと、さにあらずで、中盤の霧に囲まれた
ドライブ場面などは、低予算ホラーなんかでは味わえないスリルが味わえる。
ウェンデルの出番は余り多くないが、ミリアンがパーティーで出会って、
その後プールで会話を交わす少女の役を演じている。このシーンでウェンデルは
平然と女性とのセックスの方が好き、とかオナニーするのが好き、などと発言。
アントニオーニ映画にすっかり馴染んでしまう恐るべき素質?を見せる。
このときウェンデル、ようやく19歳(63年誕生説によれば)。



 

シャドー(1982)
Tenebre


aka : Shadow (日本のみの英題)
    Sotto gli occhi dell'assassino
(撮影時のタイトル)
    Tenebrae
(輸出用英題)
    Unsane
(米題)

・・・説明不要のアルジェント映画。アルジェント自身、犠牲者役には
変わった個性の若い俳優・新人俳優を起用するように心がけたと語っており、
ウェンデルの登場は必然か。彼女が演じているのは主人公が宿泊する
コンドミニアムの管理人の娘マリア役。見た感じはアントニオーニの映画と
同じような少女だが、こっちの方が性格が軽そう。故に連続殺人魔の餌食に
なってしまうのだが、その直前に大型犬に追いかけられるシーンがあり
どうも「思春の森」へアルジェントが目配せしたパロディ演出っぽい。

このときウェンデル19歳(63年誕生説によれば)。



 

「I Ragazzi di Celluloide 2」(1983)

・・・ウェスタン映画で知られるセルジョ・ソリーマ監督作品。
このときウェンデル、晴れて20歳(63年誕生説によれば)。

 

 

「Vai alla Grande」(1983)
Ciao Kids

・・・イタリアのエロティック映画の大御所、
サルヴァトーレ・サンペリ監督作品。
このときウェンデル20歳(63年誕生説によれば)。



「対決/マフィアに挑んだ刑事@〜B (V)」(1984/87?)
La Piovra
aka :La Mafia (仏題:吹き替え版)
   :The Octopus:Power of the Mafia

・・・イタリアの社会派(娯楽)監督ダミアーノ・ダミアーニが放った
303分のTVシリーズ。第1シーズンはダミアーノが全ての演出を担当した。
ウェンデルは第2シーズン(87年に放映?)にエリス役で出演。
その他のスター達も豪華で、ざっと挙げるだけでもミケーレ・プラチド、
フロリンダ・ボルカン、フローレンス・ペリエ、フランシスコ・ラバル、
ダグマー・ラッセンダール、マリー・ラフォーレ、バルバラ・デ・ロッシ、
マーティン・バルサム等々、イタリア映画になじみの深い面々が揃えられている。

オリジナル音楽はエンニオ・モリコーネとニーノ・ロータ。
かなり見応えのありそうな作品だが、残念ながらビデオは未発売のようす。
衛星で放送された際には「対決・マフィアに挑む男」に改題された。




「サイズぴったり」(1984)
Fatto su Misura

・・・イタリア映画祭でのみ上映された作品。「サイズぴったり」は
大学で哲学を学び、映画界入りしてからはマリオ・モニッチェリや
エットーレ・スコラ、セルジョ・レオーネらの助監督を経験した
監督フランチェスコ・ラウダディオの第2作目にあたる。
彼のデビュー作はフランコ・ネロが主演した「グロッグ」(82)で、
この映画はモスクワやヴェネツィア映画祭に出品され、
新人監督賞を受賞している。

写真屋のトニー(リッキー・トニャッツィ)の仕事は、
主に町の人たちの結婚写真や聖体拝受の様子を撮ること。
そんなある日、若い女学生リザ(ウェンデル)が写真を撮りに来た。
聞けば彼女は美術品の修復を学んでいる学生だが、
アルバイトで試験管ベイビーの代理母をする為に、
健康体である証拠として自分の体を写した写真が欲しいのだという。
何のためらいもなくカメラの前でヌードになるリザ。
その美しい肢体にトニーはフラフラ。一目で恋に落ちてしまった。

リザの話に興味を持ったトニーは、ナータン博士(ウーゴ・
トニャッツィ)の精子バンクに登録しに行った。そこで再びリザと会った
トニーは急速に彼女と親しくなっていく。しかし代理母の契約上、
二人は肉体関係を持つことが出来ない。
リザは愛のために、代理母の契約更新はしないことを誓うが、
そんな時、彼女にスイスに住む夫妻の子供を身ごもる依頼が来てしまう。

3分間インスタント写真機に仕事を奪われてしまい、
日々苛立ちをつのらせるトニーは、遂にリザと赤ん坊を
取り戻そうと、コンピューターでリザの資料を調べてしまう。
そこで判明した、意外な事実とは??

共演に「悪魔のようなあなた」(67)「戦争のはらわた」(76)の美人女優
センタ・バーガー、主演のリッキー・トニャッツィは、どうも
ウーゴ・トンヤッツィの息子っぽい雰囲気だ。
このときウェンデル21歳(63年誕生説によれば)。

 

「A Me mi Piace」(1985)

・・・監督:エンリコ・モンテサンノ。ミカエラ役。
このときウェンデル22歳(63年誕生説によれば)。

 

 

「キャロルは真夜中に殺される (V)」(1986)
Morirai a mezzanotte
aka :The Midnight Killer
    You'll Die at Midnight

・・・ローマで浮気妻がアイスピックによってメッタ刺しにされて惨殺される。
容疑者として疑われたのは、彼女の夫である警部だったが、彼も謎の死を遂げる。
事件を捜査する警察に、女性精神分析医は数年前の火災で死亡したと見なされた
性的変質者の犯行ではないかと主張するが、確証が掴めないまま次々と
残忍な殺人事件が巻き起こっていく。そしてとうとう魔の手は事件の担当警部
(パオロ・マルコ)の娘、キャロル(ウェンデル)にまで伸びてくるが・・・。

L・バーヴァがジョン・オールド・Jr名義で監督したジャッロ映画。
ウェンデルは「エルネスト」の頃のように髪をショートにしたボーイッシュな
少女として登場。クライマックスでは延々と殺人者から逃げ回る。
彼女の級友でエレーナ・ホッペと、ルチアーノ・マルティーノの実娘リア・
マルティーノが出演(しかし殺されてます)。
音楽はクラウディオ・シモネッティが担当し、テーマ曲は日本で発売された
「デモンズ」のCDにも収録されている。
このときウェンデル23歳(63年誕生説によれば)。





インテルビスタ」(1987)
Intervista
aka :Federico Fellini's Intervista
    Fellini's Intervista (米題)

・・・言わずと知れたフェリーニの監督作。
ウェンデルは劇中に登場する花嫁の役を演じており、
順番的にもわりと上位にクレジットされている。
このときウェンデル、まだ24歳(63年誕生説によれば)。


フェリーニ映画への出演は「フェリーニのローマ」(72)に
出ていた母?ブリッタ・バーナーズの取り持った縁か?
「シャドー」でウェンデルのBFに扮したクリスチャン・バーロメオの
名前も出演者の中にあるのだが、彼が何の役をやっていた
のかは具体的な資料がなく不明。


 

「キリング・バード」(1987〜88/90?)
Killing Birds - uccelli assassini
aka :Dark Eyes of the Zombie
    Raptors


ウェンデルって、角度によって
ちょっと太めに写りますね(写真はキリングバードにあらず)。


イタリア映画/カラー・92分/
日本劇場公開(配給:ヒューマックス)
ビデオ(日本コロムビア)

製作会社:フィルミュラージュS.R.L.=フローラ・フィルム
製作:ロベルト・デ・ラウレンティス
監督:クロード・ミリケン
原案:クロード・ミリケン/シェイラ・ゴールドバーグ
脚本:ダニエル・ロス
撮影:フレッド・スロニスコ.Jr
音楽:カルロ・マリア・コルディーオ
SFX:マーティン・シェルク/ハリー・ハリスV世/ロバート・グールド

出演:ララ・ウェンデル(アン)/ロバート・ボーン(鳥類学者フレッド・ブラウン)/
ティモシー・W・ワッツ(スティーヴ)/レスリー・カミング(メアリー)/
ケームズ・ヴィルメイアー(ポール)/サル・マッジオーレ.Jr(ブライアン)/
ジェームズ・サッターフィールド(ロブ)/リン・ギャザライト(ジェニファー)

・・・「ナポレオン・ソロ」の名優ロバート・ボーンを謎めいた鳥類学者役に迎え、
バードウォッチングに出かけた学生達を襲う超常現象に、ゾンビや殺人鬼も
盛り込んだ欲張りなホラー映画。監督は当初、ジョー・ダマートから頼まれた
ミケーレ・ソアヴィが担当する予定だったが、アルジェントから「デモンズ3」の
プロジェクトを持ち込まれたソアヴィがこの企画を蹴り、結局クロード・ミリケンなる
謎の監督(「鮮血のイリュージョン」でソアヴィの助監督を経験)と、
(クレジットなしで)ダマートが完成させた低予算ホラー。
無名の若者たちの中では、L・カミングが「エクソシストの謎」(89)に
J・サッターフィールドが「
トップモデル・魔性の女」(88)に出演した経歴の持ち主。
日本ではジョイパック系で2本立て興行された。

<物語>
朝靄がたちこめる湖畔に停車したトラックから、軍服姿の男が降りた。
彼はルイジアナの森に住む鳥類学者のブラウン博士(ボーン)。
ベトナムの戦場から1年半ぶりに久々に妻子の待つ屋敷へ戻った
博士を待っていたのは、妻の不貞と裏切りだった。
逆上した博士は間男の喉をナイフで掻き切り、テラスへ逃げた妻をも惨殺。
更に何も知らずにやって来た義母と義父も血祭りに上げる。
しかし愛する我が子だけは手をつけず、犯行現場を攪乱する為に
籠の鳥を逃がして回るブラウン博士。その時、籠から放たれた鷲が
博士に襲いかかり、その眼球をえぐり取った。

20年後、ロヨラ大学の学生スティーヴ、メアリー、ポール、ブライアン、
ロブ、ジェニファー、そして取材担当のアンの7人は、絶滅寸前の
ハシジロキツツキの生態調査をしようと、唯一の目撃者である
ブラウン博士に協力を申し込んだ。博士は全盲となり、
惨劇のあった館に独りで住んでいた。屋敷周辺を覆う
不気味な雰囲気を感じながら、森の中で一泊することに
決めた若者達を異様な怪現象が襲う。
ジェニファーが行方不明になり、森から逃げ出そうとバンに乗り込んだ
一行の前に正体不明の怪物が立ちはだかる。
怪物はパニックに陥ったメアリーの顔面を引き裂いて惨殺、
ブライアンは謎の火に包まれ焼死してしまう。
掘っ建て小屋に立てこもったアン達だったが、ロブが地下室に
置いてあった発電器にネックレスを巻き込んで窒息死、
ポールは天井から突き出して来た化け物に首を絞められて殺された。
怪物は残されたスティーヴとアンを執拗に追う。
恐怖に怯える2人の前に博士が現れ、怪物は死んだ彼の家族が
怨霊と化した姿で、その狙いは自分だと告白し、彼らを逃がす。
スティーヴこそが惨劇を生き残った博士の息子であり、
怪物は彼が戻って来たことで復活したのだった。
屋敷を後にする2人の前に、凄まじい鳥の大群が出現、
館に残った博士を襲撃した。森を引き裂いて博士の絶叫が響き渡る・・・。

<解説>
宣伝文句には血管・神経・筋肉をベリベリと引き裂かれる女子大生、
あご、鼻、眼球と順々にミンチにされていく青年、などなど
血なまぐさい宣伝文句が踊っているが、実際の本編にはそんな凄まじい
ゴア場面はない(確かにそう説明すれば説明できなくもないけど)
ので、騙されないように。音楽はお馴染みカルロ・マリア・コルディーオ。
日本版ビデオ・スリーヴのクレジットでは89年度作品となっている。
このときウェンデル24歳(63年誕生説によれば)。


 

疑惑の香り (V) 」(1987)
An Australian in Rome
aka:Une Australienne a Rome

・・・「アイズ・ワイド・シャット」のニコール・キッドマン主演の悲恋ロマンス。
監督:セルジョ・マルティーノ(マルティーノっぽいところ?
うーん、どこかあったかなぁ???それよりキッドマン・ファンの
普通の女の子とかが、マルティーノの映画を借りてる事実の方が
興味深いっす
。笑)。しかも製作はフランス映画(笑)!!
更に脚本には「人喰族」のヒロイン、ロレーヌ・ド・セールが
(マッシモ・デ・リータと共同で)クレジットされる豪華な?布陣。
ビデオ屋で滅多に近寄らないキッドマンのコーナーを探索すべし(笑)。

ドイツ人の友人(ウェンデル)と一緒にイタリア、ローマを旅する
オーストラリア娘ジル(キッドマン)が、事故で偶然知り合った
魅力的なイタリア人青年PGと出会い、恋に落ちる。
だが、事故で入院した病院先で彼の正体が判明。彼は実は
厳格な貴族一家の出身だった。PGの母はジルに冷たく当たり、
それをなぐさめてくれたPGの弟ジャンマルコとも良い関係になってしまうジル。
PGが病院を退院し、ジルに決断の時が迫る・・・。


共演:マッシモ・キアヴァーロ、音楽:ルチアーノ・ミケリーニ。
IMDb検索では題名で探しても上がってこないので変だな〜と思ったら
ようやくキッドマンの名前で上がりましたよ(普通は手順が逆)。
監督・共演者のクレジットが一切ない謎の映画状態でした。
このときウェンデル24歳(63年誕生説によれば)。



ゴーストハウス(1987- 88)
La Casa 3 - Ghosthouse
aka :La Casa 3
(伊題)
    Ghosthouse

・・・ダマートがフィルミュラージュで自社制作したホラー映画。
イタリアでは「死霊のはらわた3」の題名で封切られている。

かつて超能力を使い、両親を恐ろしい手口で惨殺した少女が住む
ボストンの幽霊屋敷(「墓地裏の家」と同ロケーション!)に
奇妙な無線を傍受した若者達が調査にやってくる。ウェンデルは
その中のヒロイン、マーサの役。若者の中にはバイクを乗りまわす
マリー・セイラーズ(「アクエリアス」の高音絶叫女優)もいる。
彼らは地下室で等身大のピエロ人形を発見するが、それが血の惨劇の
幕開けだった。天井から落ちてくるギロチンで胴体を半分にされる少女、
硫酸の沼で溶けていく青年・・・何でそんなものが屋敷にあるのか?という
疑問も感じさせないまま暴走する典型的イタリアン・ホラー。
監督はウンベルト・レンツィ。・・・やっぱりね。
このときウェンデル24-25歳(63年誕生説によれば)。



「悪魔の教団/レッド・モンクス」(1988)
I Frati rossi
aka :The Red Monks


・・・ルチオ・フルチ製作、ジャンニ・マルトゥイッチ監督のホラー映画。
赤いローブを身にまとった僧侶や、広大な屋敷など往年のイタリアン・
ホラーを彷彿させる要素が山盛りだが、展開がスローで全体的に退屈気味。
ウェンデルは屋敷に花嫁として嫁いで来る若い女性を演じているが、
基本的には恐怖に怯えるだけで何もしない。・・・と思ったらラスト近くで
驚くべき展開が。この映画ではヌードもサービスしているが、
少女の頃とは違い、かなり豊満になっていたのがビックリ。
このときウェンデル25歳(63年誕生説によれば)。




「College」(1990)

・・・イタリア喜劇界の老巨匠・カステラーノ(ロレンゾ)とピッポ
(フェデリコ・モッチア)の演出によるTV映画。
このときウェンデル27歳(63年誕生説によれば)。


金曜日の別荘で」 (1991〜92)
La Villa del venerdi
aka :Husbands and Lovers
   In Excess (1992/I)

・・・何でも屋女優ジョアンナ・パクラの名前を日本で一躍広めた
エロティック映画。ウェンデルはルイーザという名前の女性を演じている。
このときウェンデル、まだ28歳(63年誕生説によれば)。
彼女をずっと見ているこちらの気持ち的には既に30代の出演作?
どっちにせよ、実質的にはこの映画が引退作になってしまったようだが・・・。

 


<エヴァ・イヨネスコ>
Eva Ionesco

ララ・ウェンデルが出るんなら、エヴァ・イヨネスコも取り上げないと
やっぱり片手オチですよね。1965年、パリで生まれたイヨネスコ。
シュールレアリズムの画家から写真家になった母親が
まだ幼かった彼女に娼婦まがいの格好を取らせたヌード写真を発表。
これが評判を取る一方で、母子の悪名も一気に高まる。
映画デビューは、ロマン・ポランスキーの
「テナント/恐怖を借りた男」(76)。
リタ・ケドローヴァ演じるマダム・ガデリアンの娘を演じていたが、
何と言っても衝撃的だったのが翌77年(74年説?もあるんですね)の
「思春の森」。イヨネスコ扮する意地悪金髪少女シルヴィアは、
ドン臭い少女ラウラ(L・ウェンデル)にチクチクと意地悪をしまくる。
思い切りの良い?フルヌードも披露して、一部のゲテモノ映画ファンと
モノホンの愛好家の絶賛を浴びた。


色が付いてない写真で申し訳ないッス。
向かって左がイヨネスコ。右は当然ウェンデル。
真ん中はウェンデルを追いかけたシェパード犬。

翌78年には、ミムジー・ファーマー演じる売春婦に15歳の少年
(パスカル・セリエ)が恋してしまうフランス映画
「ポケットの愛」
マルティーネ役でチラリと出演。セリエに思いを寄せる幼なじみの
おませ少女を演じていた。その後しばらく映画への出演が途切れたが、
写真モデルとしては相変わらず売れっ子。

映画からは足を洗った?と思われた80年から、スクリーンに猛然と復活。
日本で何らかの形で紹介された作品を挙げるだけでも
「ガーターベルトの夜」(84)、「恋する女」(87)、「ムッシュー」(90)
「アパートメント」(95)などがあり、未公開作も含めると相当な
本数の作品に出演している模様。その中にはミセスの役柄もあり、
時の流れを感じさせてくれる。


<チンジア・デ・カロリス>
Cinzia De Carolis


敢えて写真は
「悪魔の微笑み」から。

チンジア・デ・カロリスが出た映画の中で一番有名なのは、
恐らくダリオ・アルジェントの
「わたしは目撃者」(70)でしょう。
映画の中ではカール・マルデンの姪、ローリー役を演じ、
染色体異常の殺人魔に誘拐されてぶん殴られたり、
(おもちゃの)ネズミの這う天井裏に監禁されたりと
さんざん痛々しい目に遭っていましたが、それも彼女の
天使のようなルックスがあってこそ。
映画に絶大な貢献をしていた訳です。

同じ70年には
「Angeli senza paradiso 」なる
どう考えてもお子さま向けの映画に出演したカロリスは、
そのストレスを発散するかのように、それまでとは
だいぶ毛色の変わった作品に顔を出します。
それが
72年のジョルジョ・フェローニ監督「悪魔の微笑み」
この作品では人里離れたボロ屋敷に住む一家の愛らしい娘役
(いつも壊れた人形を抱いている)として登場。
後半は吸血鬼となって母親(ジャンル女優テレサ・ギンペラ)の
ノドに牙を立てる見せ場が用意されてます。

75年のセルジョ・ナスカ監督作品「Vergine, e di nome Maria」
フランス・イタリアの合作ながら、中身は不明。
79年にはラニエロ・ディ・ジョヴァンバッティスタ監督の「Libidine」
ルイジ・カセラット、マリーナ・ヘッドマン、フランコ・パリージらと共演。
キャストの中にジェス・フランコ映画の常連で、トランスセクシャルの
アジータ・ウィルソンがいるので、映画の内容は何となく想像が付きますね。
 
次第に何でもありになってきたカロリスの極めつけが
80年の
アンソニー・ドーソン作品
「地獄の謝肉祭」。彼女が演じたのは、
ジョン・サクソン宅の隣に住んでいるお色気娘マリー。

食人嗜好に取り憑かれてしまったサクソンは、ちょっとした
お色気攻撃をかましたカロリスに異常興奮、彼女の女芯を噛んでしまう!


「わたしは目撃者」の可憐な少女は成長して
「地獄の謝肉祭」のお色気お姉さんになってしまいました・・・。

この作品では変名のシンディ・ハミルトンを用いているので
なかなか正体がバレませんでしたが、結局最近になって
調べが付きました。うーん、インターネットと海外マニアは
恐ろしいですねぇ。


*他にもフルチの「新・復讐の用心棒」でジュリアーノ・ジェンマと共演し、
その後
「ラスト・クリスマス」でクリストファー・ジョージの不治の病を持った息子に
扮したスヴェン・ベルサーチや、70年代の美少年ファンを騒がせた
レナード・チェスティ
「虹を渡る風船」(74)でマリアナ・マルファッティと、「メリー・ゴーラウンド」(74)で
アゴステーナ・ベッリと共演した羨ましい子役。他にも
「幸せの咲く樹」(73)や、
「星空の神話」(77)に出演。フルチの「名犬ホワイト:大雪原の死闘」(74)では
フランコ・ネロよりも比重の重い扱いを受けていたが、次第に没落。
78年の主演作「Nero Veneziano」は完璧なオカルトホラー映画!)、
セルジョ・マルティーノが撮ったお涙頂戴物(!)
「愛のほほえみ」で昇天する
少年を演じたアレッサンドロ・コッコはイブリン・スチュアートの息子だったりもした。



少女の持っている煙草に注目。イタリア映画って
どうしてもこういう生意気な子供が出て来るんですねぇ。
「愛のほほえみ」より。

更に気になる子役として今後の取り調べリストに挙がっているのは
「サスペリア2」で謎解きのカギとなる重要な役(カルロの少年時代)を演じ、
「サスペリア」でもJ・ベネットの甥を不気味に演じたジャコポ・マリアーニ、
79年に
「パニック・アリゲーター」のオシャマ少女ミノーを演じたあと、
フルチの
「墓地裏の家」で謎の少女メイに扮したシルビア・コラッティーナ。
同じくフルチ作品の
「ザ・リッパー」でベッドに横たわったまま登場する
薄幸な少女スージー・バンチ役で登場したチアラ・フェラーリは、
それ以前に「ソフィア・ローレン物語」(80)でローレンの少女時代
(4歳から7歳まで)を演じたのみで消息不明・・・。

「オペラ座・血の喝采」でヒロインを助ける隣室の少女アルマで登場した
フランチェスカ・カッソーラは1980年の元旦、ミラノ生まれ。
その後はTVシリーズで活躍を続けているようなので一安心。

「マンハッタン・ベイビー」で少女スージーを演じたブリジッテ・ボッコリは、
1972年5月5日のミラノ生まれ。ベネディクタ・ボッコリ(何者か不明)の
妹(姉?)として映画界に入り、現在もTVなどで活躍しているようだ。
(考えてみればもう30歳・・・時の流れって、ホント無情・・・)


俳優(女優)で見る