<1960年代の映画> 

60年代に入ると、リカルド・フレーダらの元でキャメラマンをしていた
マリオ・バーヴァ「血ぬられた墓標」で監督としてデビューを果たす。
60年代は、絵作りに長けたM・バーヴァの才能が著しく開花した時期であり、
イタリア映画産業自体も多くの傑作を生み出したゴールデン・エイジだった。

この頃の作品は、美女の亡霊が夜な夜な広大な壮館をさまよい歩くような
ロマンティックな内容の<怪奇映画>が全盛で、バーヴァ以外には
「幽霊屋敷の蛇淫」顔のない殺人鬼のアンソニー・ドーソン、
(アントニオ・マルゲリティ)、
亡霊の復讐のマリオ・カイアーノらが活躍。
一方、50年代から引き続きリカルド・フレーダも怪奇映画を連作、
彼の
ヒッチコック博士の恐ろしい秘密The Ghost
日本では未公開ながら、カルト的な人気を誇るイタリアンホラーとして
海外では未だに人気の高い作品群である。

60年代はマカロニ・ウェスタンが一大ブームとなったが、
その立て役者セルジオ・レオーネの「ウェスタン」で脚本を担当していた
ダリオ・アルジェントが69年の
「歓びの毒牙」で監督としてもスクリーンに登場し、
この映画がマリオ・バーヴァらが
「モデル連続殺人!」等で
築いてきた犯罪スリラー映画<
ジャッロ>のジャンルに新風を巻き起こし、
続く10年間の主流を似たような内容の<
ジャッロ>がイタリアの
娯楽映画市場を占めることになっていった。

「モデル連続殺人!」

またこの時代に、グルティエロ・ヤコペッティに代表される
モンド・ムーヴィーが登場。特にヤコペッティとフランコ・プロスペリが
撮った1963年の 「世界残酷物語/Mondo Cane」と、翌64年の続編は
世界的なヒットを記録、一連のモンド映画はアッという間に1つのジャンルを
形成してしまった。こうしたフィクションとドキュメンタリーをまぜこぜにした
演出テクニックは、ヤコペッティの協力者でもあったパオロ・カヴァーラが
監督デビュー作として放った
世紀末猟奇地帯(野生の眼)で揶揄されている。


1960年代の映画

「血ぬられた墓標」(60)
BLACK SUNDAY
LA MASCHERA DEL DEMONIO

監督:マリオ・バーヴァ
製作:マッシモ・デ・リータ
脚本:M・バーヴァ/エンニオ・デ・コンチーニ/
マリオ・セランドーレ/(マルチェロ・コシア?)
撮影:ウルバノ・テルザーノ/マリオ・バーヴァ
音楽:ロベルト・ニコロッシ(米AIP版はレス・バクスターに入れ替え)

●数々の作品でキャメラマンと助監督を兼任していた
バーヴァの演出力がプロデューサーに認められ、
初めて1本全ての監督を任されたのがこの作品。
当時流行していたハマーのドラキュラ映画を見たバーヴァが、
自分ならもっと怖い作品が撮れると確信し、このジャンルを
選んだのは有名な話。
毎夜、子供達に話して聞かせていた、ロシアの古い怪談話<ヴィー>
(ニコライ・ワシェリヴィッチ・ゴーゴリ原作)に着想を得たバーヴァは
この作品の為にロジャー・コーマンが監督したAIP制作の
低予算怪奇映画で忘れがたい演技を披露したイギリス女優、
バーバラ・スティールを招き、魔女として処刑される邪悪な
王女アーサと、その子孫で清純なカティア姫の2役を振り当てた。
スティールの名前はこの作品のヒットにより一気に有名になったが、
面白いことに彼女は生まれ故郷であるイギリスの映画会社、
ハマーの作品には1本も出ていない。

<
物語>8世紀のバルカン地方。王族の一人の美しい姫アーサ
(AIPが製作したポー原作のホラー映画群で知られるバーバラ・スティール)が
魔女として火炙りの刑に処され、一族を呪いつつ死亡した。
それから百年後、モスクワの学会に出席する為に荒れ野を急ぐ
クロバヤン医師と助手のゴロベック(ジョン・リチャードソン)は、
馬車が故障したので一休みしようと朽ち果てた礼拝堂に入る。
2人はそこで古びた石棺を見つけるが、指を切ったクロバヤン医師の血が
魔女の顔にかかり、死霊が甦った。
2人は礼拝堂に安置されているアーサ姫(スティール2役)の曾孫に
当たるという美しいカティアと出会い、彼女の屋敷に泊まることになる。
甦ったアーサ姫はクロバヤンを誘惑してカティアの父親を殺させ、
遂にカティアの肉体に乗り移った。彼女は暴徒と化した村人達に
捕らえられ火刑に処されそうになるが、危ういところをゴロベックに救われる。

●「血塗られた墓標」に関しては良くバージョン違いが指摘されるが、
日本で出たビデオが英語音声/イタリアン・バージョンのオリジナルで、
残虐シーンをカットして音楽を入れ替えたAIP経由の米国向けソフト版、
それ以外にもオリジナルの音楽がロマンティックすぎる、という理由で
音楽を入れ替えた別バージョンが存在するという噂もある。

また、映画祭などで上映された本作の伊版には、
カティア姫と彼女の父親が、荒れ果てた庭で一族の衰退について
語らう(英語版にはない)デイシーンが追加されている。

●主演のB・スティールによると、映画の制作が始まったのは
1月6日(Epiphanyという祝日)から。スティール自身はどうして
マリオ・バーヴァが自分を主役に選んだのか良く知らないそうだ。

同じく主演を務めたジョン・リチャードソンは、スティールと
J・アーサー・ランクが作った何本かの映画で、小さな役を演じて
既に共演していたという。スティールは彼について
「ジョンはとてもハンサムな男性でした。当時は水兵をしていた彼は、
ボンドストリートを歩いているところを偶然スタッフに見かけられ、
彼と7年間の出演契約を結ぶ約束でスカウトしたのだそうです。
彼が受けたスクリーンテストは、パイプを吹かして笑うだけの物
だったそうで、偶然にも、私達は二人とも20世紀Foxから
コンタクトを受けていた身だったので、一緒に仕事をするのは楽でした。
でもジョンはいつも彼自身の世界に閉じこもってしまうタイプなので、
常に楽しい人ではありませんでした。」と語っている。

またマリオ・バーヴァについては「非常にシャイだけれど、
素敵な目をした男性で、色々な点でロジャー・コーマンに似ていました。
内向的なとことろか、俳優に対して絶対に押しつけがましい態度を
取らない点など・・・マリオの態度は丁寧すぎるくらいで、
まるで19世紀の紳士を前にしているような気分でした。
彼はあらゆる指示を「ちょっとすいません、もし良かったら、
ここをこんな感じにして頂きたいんですけど・・・」、という
丁寧なやり方で出していたんです。」と評している。

●更に撮影の想い出については、こんな風に述べている。
「バーヴァは俳優の演技よりも、そのショットがどんな雰囲気になるかに
気を使う人で、「血塗られた墓標」は彼の初監督作品でしたが、
どちらかというと彼はいつもキャメラの横で撮影を担当しているという感じでした。
バーヴァは自分が何をやりたいのかを完璧に分かっている人で、
撮影現場では照明も、キャメラの位置も全てが完全に調和していました。

映画のスタッフは、イタリア人スタッフが皆そうであるように気持ちが大きくて、
暖かな人柄の仕事熱心な人が多かったです。私達は昼時になると、
のどかな田舎にあるトラットリア(ちょっとしたレストラン)に入って食事や休憩を取り、
パスタを山ほど食べて赤ワインでほろ酔い気分になりながら撮影現場に戻るのが
毎回のパターンでした。
こうした習慣は私にとっては想像も出来なかったもので、映画を製作しながら、
こうして素晴らしい時間を過ごせるのが信じられませんでした。
普通の製作現場では厳粛な雰囲気の中で撮影を続けるのが当然ですから。

その間、マリオは一人セットに残り、ちょっとした(撮影用のコンテを?)
スケッチをしたり、彼の飼っている小さな犬、マヤに provolone
(イタリアの食べ物?)のかけらを与えたりしていました。

私が木の杭に縛られ火にかけられる危険なシーンの撮影においても、
実は万事がイタリア風のイージーな成り行きまかせの進行でした。
そのシーンでは、私のドレスの裾に火が燃え移るアクシンデントがあったのですが、
ヒステリックになって私を杭から引き離そうとするグリップの担当者を尻目に、
バーヴァは昔から良く使い古されたセリフを、キャメラマンに向けて
叫んでいました。「キャメラを止めないでくれよ!」とね。」

●また、この映画の為に作られた寒々しく、薄暗いセットついて、
「そこに足を踏み入れるのは、まるで真夏の昼下がりに中世の聖堂に
入っていくような感じでした。そこに入ると何年もの長い時を
静寂の中で過ごしてきた、いにしえの文明が残した遺産が虚空の音が
聞こえるようでした。この奇妙な静寂は私達にも強い影響を与え、
静かでまるで時が止まってしまったかのような空間は気味が悪く、
リアリティに欠け、でもエレガントで、緊張感があり油断の出来ない場所でした。
この映画はモノクロで撮影されていたので、誰も(スタッフでさえも)
色の付いた服を着ていませんでした。宗教の影響が色濃く出たモノクロームの
セット装飾は、どこか眠りを誘うような美しさで、それがスタジオに炊かれた霧と
輝くような白い照明の中に見え隠れしていました。」と語っている。

結局、スティールや映画のスタッフは「血塗られた墓標」の
ギャランティーを十分には受け取っていないようだ。
だが、スティールにとって、映画の製作者が撮影中の宿舎として
良く茂ったジャスミンで一杯のベランダが付いた<素敵な>アパルトメントを
用意してくれたりと、それまでになかった精神面での充実感を味わえた事が
大きかったようで、彼女は「血塗られた墓標」の経験を、とても楽しい
忘れ難い思い出だったとまとめている。

<関連サイト>
ギロさんHPでの紹介(この対談、面白いです。仲間に入りてぇ〜。)
ALIさんHPでの紹介(See Jap BLACK SUNDAY Sleeve Click here!)

 

吸血鬼と踊り子(未)」(60)
THE VAMPIRE AND THE BALLERINA
L'AMANTE DEL VAMPIRO
THE VAMPIRE'S LOVER
黒白/86分/イタリア映画/日本劇場未公開(ビデオ未発売)

監督:レナート・ポルセリ
製作:ブルーノ・ボロネージュ
脚本:ジュセッペ・ペレグリーニ/エルネスト・ガスタルディ
出演:ヘレーネ・レミー/マリア・ルイーザ・ロランド/
ウォルター・ブランディ/ティナ・グロリアーニ/イサルコ・ラヴァイオリ

●リカルド・フレーダの「吸血鬼」(58)で脚本を書いていた
レナート・ポルセリが、
マリオ・バーヴァの「血ぬられた墓標」
直前(撮影はほぼ同時期?)に発表した恐怖映画。
この作品より数年前に公開されたフレーダの「吸血鬼」が
興行的に失敗し、イタリア国内では一瞬ホラー映画の
歴史が途切れるが、クリストファー・リーが主演した
Dracula il vampiro(吸血鬼ドラキュラ?)」のヒットに
映画制作者達が触発され、似たようなパッケージの作品が
続々と発表されることになる。

この映画ではヨーロッパの片田舎にある全寮制の舞踏学校で学ぶ
バレエダンサーのルイザ(レミー)とフランチェスカ(グロリアーニ)が
偶然迷い込んだ森の中の古城に住む吸血鬼の伯爵夫人(ロランド)と
執事(ブランディ)に襲われる。
吸血鬼はまず舞踏学校の小間使いを襲って吸血鬼化、
やがて魔の手は女子寮の学生にも伸びてくる。

画面の雰囲気は低予算ながら、なかなか凝っていて
さすがイタリア映画と思わせる出来。吸血鬼に噛まれた女生徒が
ネグリジェに着替え、身もだえしながら襲われるのを待つ場面や、
キャピキャピ姉ちゃんがウロウロしているダンス学校の様子、
随所に登場するエロティックなジャズ・ダンスの群舞など、
早くもイタリアン・ホラーらしい演出が炸裂。
バーヴァの「血ぬられた墓標」のような、圧倒的な退廃的ムードはないが、
それなりの演出でお客の期待に応えててくれる。

監督のレナート・ポルセリは、70年代に入ってからは突如
狂ったような映画を発表し始め、ナチスのフラッシュバックで
ぶっ飛んだ医者(60年代イタリア製娯楽映画の顔で、
メイ・ウェストやジェーン・マンスフィールドの夫だった
ミッキー・ハガティー)が若い女性を殺しまくる「デリリウム(未)」や、
殆ど筋がないまま、チープな黒魔術シーンが延々と登場する
「イザベルの呪いこちらもハガティー主演)」を放ち、好き者の賞賛を浴びた。
(それら諸作は当然海外ではカルト映画と化している)

「吸血鬼と踊り子」は脚本家のエルネスト・ガスタルディが
初めて<正式>に自分の名前でクレジットされた作品で、
ガスタルディは同時に助監督も担当したが、貰えたギャラは
恐ろしく少なかったそうだ。ガスタルディは生活に困っており、
仕方なくこの作品の脚本を書いた、と回述している。
彼と監督のレナート・ポルセリが出会ったきっかけは、
ガスタルディの通っていた映画学校のクラスメートだった
女生徒(女優の一人、ティナ・グロリアーニ。その後
ポルセリとは別れ、別の男性と結婚したという)が、
ポルセリのフィアンセだった事から。

当時、ポルセリは、アイデア以外はほぼ白紙状態の
L'amante del vampiro」という原案を暖めていた。
しかし、タイトルだけはそのままだが、出来上がった内容は
当初のアイデアとは全く別物だった。

ガスタルディによれば、監督のレナート・ポルセリは
現在、編集の分野で仕事をしているとか(アメリカ映画を
イタリア語に吹き替える際のダビング作業に関する
スーパーヴァイズ等の作業らしい)。「吸血鬼と踊り子」を
撮ったときのポルセリは、ガスタルディから見ると
「才能よりも野心ばかりが先行してしまっている男」に見えたという。
さすが辛辣脚本家。



非常に限られた予算で作られた「吸血鬼と踊り子」の撮影現場は
アクシデントの連発だった。ある晩、プロデューサーの奥さんが
オシッコをしたくなって、仕方なく森の中にしに行ったが、
彼女は棘のあるイラクサの葉に打たれてしまい、救急車で運ばれる
騒ぎになってしまったそうだ。
また女優達の間でも争いが絶えず、彼女達は誰もが
自分こそ、この映画のスター女優だと勝手に考えていたのだという。
ティナ・グロリアーニが「私がこの映画のスター女優よ。
だってヒロイン役だもの!」と言えば、ヘレーネ・レミーは
「いいえ、私がスターなのよ。だってプロデューサーは、
私がこの映画に出るからこそ制作費を融資
(レミーは
数多くのビッグ・スターと共演してきた非常に有名なフランス女優だった。
が、この映画の撮影当時、彼女のキャリアは殆ど終わりに近かった)
したんですからね!」と発言、マリア・ルイーザ・ロランドに至っては
「違うわよ。私がスターなの!私の役は吸血鬼の恋人でしょ?
その役こそが映画の題名にもなっているじゃないの!」と言い出す始末。
するとレミーが彼女に「分かったわ。私が映画のスター。
あんたは題名のスターね」なんて言い返していたらしい。

他にも監督のポルセリが「骸骨が欲しい」と言い出した時も、
予算の都合で用意することが出来ず。美術班は墓場に行って
本物を掘り出してこようか?などと話し合ったという。
慌てたプロデューサーがポルセリに「骸骨がいくらするか知ってるか?」と
(なだめる意味で?)聞いた。するとポルセリは「じゃあ、貧乏人の
骸骨を使おう!そうしたら安上がりだ!」などと答えたとか!

●「吸血鬼と踊り子」でブランディが演じた吸血鬼役の、
醜いメイキャップは明らかにサイレント映画時代には見られなかったもの。
現場では、ブランディの顔を元にして石膏型を取り、それにラテックスゴムを
流し込んでマスクにしたのだという。もちろん画面では黒白だが、
実際の色は明るいブラウンで、マスクの内側にはチューブが通され
衣装のポケットに仕込んだ小型のポンプから空気を送り込んで膨らます
仕掛けが施されていた。

マスクの出来が良かったので、幾つかのシーンではブランディ以外の
別の役者が吹き替えで吸血鬼を演じた。というのも、彼は撮影中に
ひどい流感にかかってダウンしてしまったからだ。更にその流感は
スタッフ達にも移ってしまい、撮影が行われたクリスマスには現場は
ひどい状況だったらしい。

●「吸血鬼と踊り子」は当時作られていたイタリア映画には
良く登場するお馴染みの<滝(女生徒が水浴びをする)>が何度か
画面に登場する。印象的な形の<滝>はローマ近郊に位置する
エトルリア文明時代の町、ヴィエオにある滝だそうだ。

また何本かのイタリアン・ホラーに<呪われた城>として登場した
ロケ地(特にマリオ・バーヴァの「呪いの館」に出てきた、
らせん階段が印象的な建物)は、やはりローマ近郊の町、
アルテーナにあったボルゲーゼ城というお城。しかしアルテーナは
立地がひどい場所(村の中央広場に太陽が一日だけ差す日を、
毎年村の祭りの日にしてるくらい!)らしく、冬の撮影は非常に堪えたらしい。

吸血鬼が崩れ去っていくクライマックスは、実際に城の屋上で
撮影された。吸血鬼のメイクを少しずつ変えながら、その都度
キャメラを止めて撮ったという。画面の中に風が吹いてくる効果を出すために
スタッフがみんな吸血鬼の周りに立って、新聞紙でバタバタ扇いで
風を起こしたとか。うーん低予算映画。

こうして映画の撮影は続き、スタッフは1日に
18時間のペースで
昼も夜もなく働いた。ロケ地に使われた城はクリスマスを過ぎると
一般にも開放されてしまう予定だったので、イヴの日も撮影だったという。
電気関係を操る技師(エレクティシャン)は、現場でいつも
「俺らには帰る家がある。俺らの帰りを待つ妻がいる!」と歌っていたとか。
古き良き時代のイタリア映画界のお話。

「怪談生娘吸血魔」(60)
SEDDOK, I'EREDA DI SARONA
ATOM AGE VAMPIRE

●フランスの「顔のない眼」、
美女の皮をはぐ男など、
この時期流行した猟奇医療モノに、「ジキル博士とハイド氏」的な
テーマを盛り込んだ1本。どういう訳か日本ではマリオ・バーヴァが
制作を担当した作品として認知されているが、最近になって
実際の製作者は別人であることが明かになった。
実際に本編のクレジットを見ても、マリオ・ファーヴァ(MARIO FAVA:
エリオ・イッポリート・メリーノの変名)名義になっており、別人説が濃厚。
監督は1930年代末から活躍するアントン・ジュリオ・マガノ。
サントラに娯楽映画音楽の巨星アルマンド・トロヴァヨーリが起用されている。

映画自体はフラットな照明と、遠近感に乏しい安っぽいアメリカ製の
低予算ホラー風で、バーヴァが得意としたヨーロッパ調で陰影の濃い、
ウェットな画面は一切出てこない。映画のラスト、見せかけの美醜に
翻弄された人々の愚行を象徴するかのように、
キャメラはバラの花を写すが、バーヴァ風演出は、正直そこだけ?
出演:アルベルト・ルーポ、スザンヌ・ロレット、セルジョ・ファントーニら。

皮膚細胞の研究に没頭するレヴィン博士は、ついにデルマ28という
新薬を開発する。交通事故で顔がケロイド状になった踊り子のジャネットを
研究室に連れ込み、薬を投与すると彼女の顔は美しい状態に戻った。
博士は彼女に心を奪われ求婚するが、はねつけられる。
ところが薬の効果が切れると、ジャネットの症状は突然に悪化。
博士は移植用の材料を求め、狂気の中で薬を飲んで半人半獣の怪物、
伝説の悪鬼セドック(原題)に変身する。警察は博士の館に突入するが、
事態を見かねた下男が博士を殺し、博士は安らかな表情になって死亡する。
日本では大蔵映画が配給している。

 

「ゼロ地帯(戦慄のナチ収容所:V)」(60)
●イタリア=フランス合作のナチ収容所もの。
84
年の作品としている資料もある。
劇場未公開/ビデオ発売。監督:ジッロ・ポンテコルヴォ、
出演:スーザン・ストラスバーグ、エマニュエル・リヴァ。

 

「伯父さんは吸血鬼 (未)」(60)
UNCLE WAS A VAMPIRE
TEMPI DURI PER I VAMPIRI
HARD TIME FOR VAMPIRES
イタリア映画/日本劇場未公開(ビデオ未発売)/黒白・85分

監督:ステーノ(ステファノ・ヴァンツィーナ)
製作:マリオ・チェッキ・ゴリ
脚本:エドュアルド・アントン/ディーノ・ヴェルデ/
    アレッサンドラ・コンティネンザ
出演:クリストファー・リー、シルヴァ・コシナ、
    レナルト・ラスケル、アンティエ・ゲルーク、
    リア・ツォッペリ、ケイ・フィッシャー

●イタリアの伝説的喜劇映画監督ステーノが、C・リーと
その名声に目を付けて製作したドラキュラ・コメディ。
ロドリゴ男爵(リー)は甥のオスヴァルド男爵(ラスケル)に
吸血鬼としての遺産を相続させるが、彼はそれを浪費していく。
債権者によって破産に追い込まれたオズヴァルドは
ホテル・チェーンに城を売って、夜間のボーイのバイトを始め、
部屋から部屋へ美女の犠牲者を求めてさまよい歩く。
彼の呪いを解いたのは美しい庭師(コシナ)の愛で、
二人は幸せに暮らす、というお話。C・リーはチョイ役出演。

「Invasion of the Vampires(未)」(61)
●低予算で作られたメキシコ製のホラー映画。
主演エルナ・マルサ・バウマン。


「Curse of the Crying Woman(未)」(61)
●メキシコ製のおマヌケ系ホラー映画。
出演:ロジータ・アレナス、アベル・サラザール。

 

「生血を吸う女」(61〜63)
IL MULINO DELLE DONNE DI PIETRA
THE MILL OF THE STONE WOME(A?)N
THE HORRIBLE STONE WOMEN
イタリア映画/日本劇場公開・63年/カラー・97分

監督:ジョルジョ・フェローニ
製作:ジャン・パオロ・ビガッツィ
脚本:G・フェローニ/レミージョ・デル・グロッソ/
    ウーゴ・リベラトーレ/ジョルジョ・ステガーニ
原作:ピエテル・ヴァン・ウェイゲンの短編小説から
撮影:ピエルルドビコ・パヴォーニ
音楽:カルロ・インノチェンティ

出演:ヴォルフガング・プライス、ピエール・ブリス、
シーラ・ガルボ、ダニー・カレル、リアーナ・オルフェイ、
マルコ・グリエルミ、オルガ・ソルヴェッリ


●鮮やかなアクションで一世を風靡したジュリアーノ・ジェンマ主演の
マカロニ・ウェスタン諸作、そしてそれ以前はドキュメンタリー映画を
作っていたジョルジョ・フェローニ監督が放った傑作怪奇映画。

生血を輸血しないと死んでしまう奇病に犯された娘を助けようと、
マッド・ドクターが若い娘を誘拐して血を抜き取るプロット自体は、
フランス製怪奇映画の古典「顔のない眼」(60)からの引用だろうが、
怪しげな実験室のセット、青白い死体が塗り込められた蝋人形と
それがオルガンの音に合わせて回転しながら出入りする
風車小屋の見せ物部屋のシーン、そして何より舞台がオランダなのが出色。

こうしたヴィジュアル・イメージはフランドル派の画家ヒエロニムス・
ボッシュの死と悪魔の幻想画から借用されているらしく、
作品全体が暗くウェットなのがイイ感じ。死んでしまった娘を抱いたまま、
風車小屋の天井裏で炎に巻かれて死ぬ父親=医者の姿を
ケレン味タップリにとらえるクライマックス、命からがら逃げ出した
主人公達の背後で、ゆっくりと朽ち落ちていく風車小屋、
そしてそれに重なる鐘の音・・・。圧倒的な叙情を湛えた画面が
素晴らしい、この時代を代表するイタリアン・ホラーの1本。

物語>1910年代のアムステルダム。村人から<石女の風車小屋:原題>と
呼ばれる郊外の古い屋敷を訪れた芸術科の大学生ハンス(ブライス)は、
風車の動力装置が据えられた屋敷の屋根裏部屋で、
オルガンの旋律に合わせて回転台に取り付けられた
等身大の人形が現れるのを見て、背筋が寒くなる気味悪さを覚えた。
ハンスはその屋敷に間借りするようになるが、屋敷の持ち主である博士の
一人娘で、妖しい雰囲気を持った美女エルフィと出会い一晩を共にする。
しかしハンスには既にGFリゼロッテがおり、その事実を知ったエルフィは
ハンスに詰め寄るうちに心臓発作で呆気なく他界してしまった。
しかしエルフィの死後も、彼女が良く手にしていた一輪の赤いバラが
ハンスの部屋の花瓶に挿してあったりと、異様な出来事が続発するようになる。
あまりの恐ろしさに一旦は屋敷を逃げ出したハンスだったが、
リゼロッテが失踪し、彼女の行方を捜すうちに問題の屋敷に辿り着いた。
ハンスは友人ラープと共に屋敷に踏み込むが、何とエルフィは半死体のまま
生きており、父親の医師が彼女の特殊な病気を治すために、若い女性を誘拐し
生血を抜いて娘に輸血していた事実が判明する。
リゼロッテはハンス達によって危ないところを救出され、
エルフィンと父親は炎が上がった風車小屋の中で焼死する。

 

「狂気の爪痕・牙男」(61)
LYCANTHROPUS
WEREWOLF IN A GIRL'S DORMITORY
(米)
THE GHOUL IN SCHOOL
I MARRIED A WEREWOLF
カラー/84分/イタリア=オーストリア合作映画/
日本劇場未公開(TV放映/ソフト未発売)

監督:リチャード・ベンソン(パオロ・ハオシュ)
脚本:エルネスト・ガスタルディ
ルチアーノ・マルティーノ
出演:カール・シェル、バルバラ・ラス、
カート・ローウェンズ、モーリス・マルサック


●人里離れた森にある全寮制の女子校を呪われた人狼が跋扈、
血みどろの連続殺人を引き起こす。主演のカール・シェルは
俳優のマクシミリアン・シェルの兄弟で、この映画では学園の教師を
演じている。バルバラ・ラスはロマン・ポランスキーの元奥さんで、
いかにもポランスキー好みの個性派美女。詳しくはタイトルをクリック!

 

美女の皮をはぐ男」(61)
THE HORRIBLE Dr.ORLOF

監督:ジェス・フランコ
製作:セルヘ・ニューマン
脚本:デビッド・キューヌ(ジェス・フランコ)
撮影:ゴッドフレード・パチェコ
音楽:ホセ・パガン/アントニオ・ラミレス・アンヘル

●スパニッシュ・トラッシュ映画の大御所ジェス・フランコの出世作。
1912年のウィーンを舞台に醜く引きつった妻の顔を治療する為に
美女を誘拐してきては皮膚移植を行う気狂い博士オルロフ
(フランコ映画の常連ハワード・ヴァーノン)の猟奇的な凶行を描いている。
オルロフ博士は刑務所で医者をしていたことがあり、変質者の殺人狂
モルフォの死亡証明書を捏造して刑務所から逃がしてやった過去があり、
それ以来モルフォは博士の忠実な助手となって誘拐を手伝っていた。
オルロフの城にはやはり同じく死刑囚でありながら博士に助けられた
アルネという女が匿われていたが、彼女はオルロフの犯行を咎め、
逆に彼によって殺害される。モルフォは自分に親切にしてくれた
アルネの死体を見つけ、逆上してオルロフを刺殺する。

フランコ自身は「既に過去の作品だ」とコメントしているが、
その後のやっつけ仕事からは想像できないような
叙情的な描写が捨て難く、永遠の代表作には間違いない。
日本劇場公開64年(大蔵映画配給)。

 

ヘラクレス 魔界の死闘 (TV)」(61)
HERCULES VERSUS THE VAMPIRES
ERCOLE AL CENTRO DELLA TERRA
HERCULES AT THE CENTER OF THE EARTH
イタリア/カラー・91分/日本劇場未公開/ビデオ未発売(TV放映:SFチャンネル)

監督:マリオ・バーヴァ
製作:アキーレ・ピアッツィ
脚本:ドッチョ・テッサリ/アレキサンドラ・コンティネンザ/
    フランコ・プロスペリ/マリオ・バーヴァ
出演:レグ・パーク、クリストファー・リー、レオノーラ・ルッフォ、
    ジョルジョ・アルディソン、マリオ・ベッリ、エリー・ドラゴ、
    イヴリン・スチュアート[イダ・ガッリ]、ミーノ・ドッロ

●イタリア伝統のサンダル史劇の中で、初めて本当に
ファンタスティックな背景を用いたとされる作品。
伝説の英雄ヘラクレス(パーク)はディアネイラ王妃(ルッフォ)の為に、
ヘスペリス達の島から黄金のリンゴを、ハーデースから魔法の水晶を
それぞれ取り返す旅に出る。途中、彼等はC・リー扮する
吸血鬼リコに遭遇し、地獄の怪物と死闘を繰り広げる。
マリオ・バーヴァらしいヴィジュアルは相変わらず秀逸。

別題として「ヘラクレス対吸血鬼」、「呪われた世界のヘラクレス」、
または「地球の中心のヘラクレス」などが知られている。
ケーブルTVで放映されたバージョンは雨降りのひどいアメリカ?版。
米国サムシング・ウィアードなどで入手できるテープとは
字幕がついているだけで画質的には大差なし。マニアさん、良かったね。

 

「ゴリアテと吸血鬼 (未)」(61)
GOLIATH AND THE VAMPIRES
MACISTE CONTRO IL VAMPIRO

イタリア/日本劇場未公開/92分
監督:セルジョ・コルブッチ/ジャコモ・ジェンティロモ
製作:パオラ・モッフォ/ジャコモ・ジェンティロモ
脚本:ドッチョ・テッサリ
出演:ゴードン・スコット、ジャンナ・マリア・カナーレ、
    ジャック・セルナス、レオノーラ・ルッフォ、
    アナベラ・インコンテラ、グイド・チェラーノ

●マリオ・バーヴァの
ヘラクレス/魔界の死闘と似たような
内容のファンタスティック映画。主人公はヘラクレスと並ぶ
サンダル史劇のヒーロー、ゴリアテ(読み方によってはゴライアス)。
この映画ではマッチョ俳優ゴードン・スコット扮するゴリアテが
美しい恋人(またしてもルッフォ!)を、吸血鬼コブラック(チェラーノ)の
魔手から守るために、下界の地獄へ旅をすることになる。

 

「グラマーと吸血鬼」(61〜63)
L'ULTIMA PREDA DEL VAMPIRO
PLAYGIRLS AND THE VAMPIRE
THE LAST VICTIMOF THE VAMPIRE
DESIRES OF THE VAMPIRE

黒白/81(85?)分/イタリア映画/日本劇場公開64年4月(配給:昭映)

製作会社:ノードフィルム
製作:ティッツァーノ・ロンゴ
監督・脚本:ピエロ・レニョーリ
撮影:アルド・グレーチ
音楽:アルド・ピガ

出演:ウォルター・ブランディ、アルフベルド・リッツォ、
リラ・ロッコ、マリオ・ジョヴァンニ、レオナルド・ボッタ、
アントニオ・ニコス、エンリコ・サルバトーレ、ティルデ・ダミアン
エリカ・デ・チェンタ、マリザ・カトリーニ

●旅回りのショー・ダンサー一座が嵐を避ける為に
一晩の宿に選んだ古城は吸血鬼の住みかだった。
吸血鬼と踊り子のヒットでバンパイアが当たり役になった
ウォルター・ブランディが再び同様の役に扮している。

監督のピエロ・レニョーリは後年、アンドレア・ビアンキの
枯れたタッチのグロテスクなホラー映画「ゾンビ3」にも脚本を寄せている。
「グラマーと吸血鬼」にもその萌芽?が見られ、60年代にしては驚くほど
奔放なヌード・シーン(肝心な部分はもちろん暗くなっている)や、
焼けた木杭を吸血鬼と化した女の胸に突き刺し、赤黒い血が足下を伝って
床に滴り落ちるショック描写など、特筆すべき点も多い。
・・・が、全体としてこの映画はやや凡庸な印象。

旅回りのエロティック・ショーの一座が、嵐にあって人里離れた
古城に一晩の宿を求める。城主のガボール伯爵(ブランディ)は
一座に夜中になったら絶対に部屋から出ないことを約束させるが、
踊り子の一人カティアが言いつけを破ってシャワーを浴びに
部屋から出てしまう。翌朝、彼女は死体となって発見され
一座は城の墓地に遺体を葬るが、その死体はいつの間にか消えていた。
天候が回復しないので、城に留まらざるを得ない一行の中から、
今度は美しい踊り子ベラ(ロッコ)が襲われる!
全ての凶行は吸血鬼の仕業で、カティアもおぞましい吸血鬼となって
甦っていたのだった。ベラは城から逃げだそうとするが、吸血鬼達によって
城の地下にある墓地へと連れ去られてしまう。
しかし、危ういところにかけつけたガボール伯爵によって、
ベラは救出され、吸血鬼達は滅ぼされるのだった。


「知りすぎた少女 (V)」(62)
LA RAGAZZA CHE SAPEVA TROPPO
aka
The Evil Eye(米)
    The Girl Who Knew Too Much

●マリオ・バーヴァがごく早い時期に発表した
ジャッロ映画の始祖的作品。
病気の叔母を看護しようとローマにやってきたヒロインが
殺人現場を目撃。それは被害者をABCの順番で殺していく
奇妙な手口で<アルファベット殺人事件>と呼ばれ、
市民から恐れられているものだった。
やがて彼女にも魔の手が迫り、犯人は意外な人物だった事が分かる。
黒白映画。主演はD・アルジェントの「シャドー」で出版エージェントを
演じていたジョン・サクソン(但し活躍はしない模様)。

「ヒッチコック博士の恐ろしい秘密」(62)
L'ORRIBILE SEGRETO DEL DOTTOR HICHCOCK
aka
The Frightening Secret of Dr. Hichcock
    The Horrible Secret of Dr. Hichcock
    The Horrible Dr. Hichcock(
米:64)
    The Terror of Dr. Hichcock
    Raptus
    The Secret of Dr. Hichcock
    The Terrible Secret of Dr. Hichcock

テクニカラー・
76分(HORRIBLE版)/86〜88分(TERROR 版)/
日本劇場未公開(TV未放映/ソフト未発売)


監督:ロバート・ハンプトン(リカルド・フレーダ)
製作:ルイス・マン(ルイジ・カルペンティエーリ
/エルマーノ・ドナッティ)
製作会社:パンダ
原案・脚本:ジュリアン・ペリー(エルネスト・ガスタルディ)
撮影:ドナルド・グリーン、またはアンソニー・テイラー
    (ラファエレ・マショッキ)
プロダクション・マネージャー:ルー・D・ケリー
(チャールズ・ロゥ?)
メイクアップ:バッド・スタイナー
へア・スタイリスト:アネット・ウィンター
セット・デザイン:ジョゼフ・ゴールドマン
装飾:フランク・スモークコックス(フランコ・フミガッリ)
衣装デザイン:イノーア・スタンリー
編集:ドンナ・クリスティー
音楽:ローマン・ヴァルド
助監督:ジョン・M・ファルクアー

出演:バーバラ・スティール(シンシア・ヒッチコック)
ロバート・フレミング
(ベルナルド・ヒッチコック教授)/
モントゴメリー・グレン[シルヴァーノ・トランクィーリ]
(カート・ローウェ教授)/
テレサ・フィッツジラルド
[マリア・テレサ・ヴィアネッロ](マルゲリータ・ヒッチコック)/
ハリエット・ホワイト[・メディン](マーサ:メイド)/

スペンサー・ウィリアムズ
(病院の助手)/アル・クリスティアンソン/
エヴァー・シンプソン
/ナット・ハーレイ/ハワード・ネルソン・ルビエン
ネル・ロビンソン(病院の助手)

●ネクロフィリア症の医師(ロバート・フレミング)と結婚した
若妻(バーバラ・スティール)が体験する恐怖の出来事を描いた
リカルド・フレーダの代表作。アメリカ版とイギリス版で
微妙な違いがあるのも有名。この映画を含め、フレーダの
監督作品にはイタリア独特の濃厚さが少なく、アメリカや
イギリスのホラー映画だといっても通用するような雰囲気。
英国版の「Terror〜」の方は黒バックでフルタイトルが流れ、
その後で冒頭の墓場のシーンが登場する始まり方だが、
Horrible〜」はその墓場のシーンに被せて新たにクレジットを付けてある。

 

「ヘラクレスの怪獣退治(TV)」(63)
URSUS, IL TERRORE DEI KIRGHIZ
HERCULES, PRISONER OF EVIL
TERROR OF THE KIRGHIZ

TVで放映されたイタリア製のファンタジー映画。
監督はアンソニー・ドーソン。
主演にヘラクレス俳優のレグ・パーク。
共演はエットーレ・マンニと、ミレーユ・グラネッリ。

「オペラ座の吸血鬼(未)」(63)
THE VAMPIRE OF THE OPERA
IL VAMPIRO DELL'OPERA

●イタリアで、ごく早い時期に
吸血鬼と踊り子(60)を発表した
レナート・ポルセリが監督・脚本を担当した怪奇映画。

ヴィットリア・プラーダ扮する才能のある無名女性歌手が
怪人ならぬ吸血鬼(ジョン・マクダラス)に脅かされる。
製作:ブルーノ・ボロネージュ、饗宴:マルク・マリアン、
バーバラ・ハワード、カトラ・ラヴェッリ。黒白・80分。

 

「アトランティス征服」(63)
ERCOLE ALLA CONQUISTA DI ATLANTIDE
HERCULES CONQUERS ATLANTIS
HERCULES AND THE CAPTIVE WOMEN

●製作:アキレ・ピアッツィ、監督:ヴィットリオ・コッタファーヴィによる
ヘラクレス俳優レグ・パークが主演、共演にエットーレ・マンニという
定番メニュー。その他の出演者はフェイ・スペイン、
マーロ・ペトリ、ラウラ・アルタンら。
イタリアとフランスの合作で、日本では66年の1月に劇場公開された。
脚本にアクション物の監督で花開くドゥッチョ・テッサリが参加、音楽を
ジーノ・マリヌッツィ・Jrと、アルマンド・トロヴァヨーリが担当している。

因みに「オクトマン」を最後に自殺したことで有名な女優のピア・アンジェリは
何とトロヴァヨーリの奥様。死の直前にはイタリアに戻っていたようだ。

 

「The Witch's Curse (未)」(63)

●マッチョ俳優カーク・ノリスがスコットランド人の羊飼いに扮し、
火炙りにされた魔女の呪いから村を救おうとする。
共演にヘレーネ・チャネル、アンドレア・ボシュイック。イタリア映画。




「白い肌に狂う鞭」(63)
LA FRUSTA E IL CORPO
WHIP AND THE BODY


カラー/85
分/イタリア=フランス合作
製作:ボスクフィルム=レオーネフィルム=フランシノールP・I・P
日本劇場公開
64年6月(東京第一)

監督(・撮影):ジョン・M・オールド(マリオ・バーヴァ)
製作:トム・ローデス[エリオ・スカルダマグリーア]
脚本:ロベール・ユーゴ(ウーゴ・グエッラ)
ジュリアン・ベリー(エルネスト・ガスタルディ)
マーティン・ハーディ(ルチアーノ・マルティーノ)
撮影:デヴィッド・ハミルトン、ディック・グレイ(ウバルト・テルッツァーノ)
音楽:ジョン・オスカー(カルロ・ルスティケリ)

出演:ダリア・ラヴィ(ネベンカ)、クリストファー・リー(クルト)
ルチアーノ・ステラ[トニー・ケンドール](クリスチャン)、
ディーン・アルドウ[グスタフ・デ・ナルド](メンリフ伯爵)、
イズリ・オベロン[イダ・ガッリ/イヴリン・スチュアート](カティア)、
ハリエット・ホワイト[・メディン](ジョルジア)/アラン・コリンズ
[ルチアーノ・ピゴッツィ](ロサット)、ジャック・ハーリン(神父)

●フランスにある古城に(脚本家のE・ガスタルディによれば具体的な
時間や場所を設定してはいないというが)、日頃の暴虐ぶりにより
一族から勘当された長男クルト(リー)が帰ってきた。
彼に陵辱されて自殺した小間使いの母親(ホワイト)を始め、
その帰還は城に住む者、全員に精神的な動揺をもたらす。
特にクルトの弟クリスチャン(ケンドール)と結婚したネベンカ(ダヴィ)は、
彼の立ち振る舞いに心惹かれる自分に気付き、その胸中は更に複雑だった。
ある日、海岸に出かけたネベンカは、突如現れたクルトの鞭によって
散々嬲られ、気を失ってしまう。しかしその晩、クルトは小間使いが自殺に使った
短剣によって喉を刺され殺害されてしまった。犯人が特定できないまま、
ネベンカはクルトが生きているという悪夢にうなされていく・・・。


映画には「007/カジノ・ロワイヤル」等に出演した程度しか日本では
知られていないヒロイン、ダリア・ラヴィは女優をリタイア後、
特にドイツ国内では有名な人気シャンソン歌手となり、
70年代から80年代まで売れっ子だったようだ
(その後、TVで女優業に復帰した)。彼女が演じたネベンカという
ロシア系キャラの名前は、E・ガスタルディが本作直前に
書き上げながら、結局映画化されなかったスパイ物の
ヒロインから取られた命名だという。

トニー・ケンドール(ルチアーノ・ステラ)はイタリアの美男スターで、
本国のみならずスペインでも活躍(A・オッソーリオ作品にも出演)した男優。
本作の撮影は英語で進められたが、ケンドールは英語の台詞が
上手く話せなかったために、彼だけは現場で伊語の台詞を喋ったという
(伊版を観ると、彼だけはリップが合っている。英語版は当然その逆だ)。

60年代のイタリア製ホラー映画で必ず気味悪い女中等の役で
登場してきたハリエット・ホワイトは、ロベルト・ロッセリーニが監督し、
フェリーニ映画の常連女優ジュリエッタ・マシーナが出演した
戦争ドラマ「戦火のかなた/
PAISA」(46)にも顔を出していた個性派。
その後は、オーソン・ウェルズを始め、多くの著名監督の作品で
英語ダイアローグのアドバイザーを務めた。年を取ってからも
「デスレース2000年」や「血に飢えた白い砂浜(最初の犠牲者)」などの
ジャンル映画に出演し続けた。

秘密の通路や鎧の並ぶ廊下、登場人物の人間関係や名前に至るまで、
「血ぬられた墓標」との共通点が見受けられる本作だが、B・スティールが
演じたカティア役を引き継いだ女優イズリ・オベロンとは、
イヴリン・スチュアートことイダ・ガッリ。マカロニ西部劇のヒロインを始め、
ジャッロからホラーへと、時代の変遷と共に数々の娯楽映画で
幅広く活躍を続ける多作女優だ。
(役者関連でC・リーに触れてないけど、別に問題ないですよねぇ?)

スタッフ関連では、やたらと英語変名が使われていて、
必要以上にややこしい本作(題材がSM風だったので必然的に
変名が多くなったという説もあり。)だが、それぞれの本名は上のデータ通り。
然るにスタッフ表に燦然と輝く?撮影のD・ハミルトンも、
「ビリティス」なんかでお馴染みの、あの有名な少女撮影家ではなく、
単なる同性同名(変名)の偶然の一致のようだ。

未だに誰からも賛同を得られないが、この映画、アルジェントの
「スタンダール・シンドローム」と似ているような気がする。
もちろんアルジェント作はリアリスティックなスリラーであり、
本作はもっとロマンの色が濃いミステリアスホラーではあるものの、
ヒロインが自分を肉体的・精神的に痛めつけるサディストの男に
恐れを抱きながらも無意識のうちに惹かれていく設定、そして
彼を殺しておきながら、自分自身で幻影を作り出し、その男に成り代わって
殺人を犯すという展開は、かなりのソックリぶりだと思うのだが・・・。
(再見して思ったが、D・ラヴィとアーシアの髪型も似てる。)

 

 「モデル連続殺人!」(63)
SEI DONNE PER L'ASSASSINO
BLOOD AND BLACK LACE
SIX WOMEN FOR THE MURDER
FASHON HOUSE OF DEATH
カラー/87分/イタリア映画/日本劇場公開64年7月(配給:松竹映配)

製作会社:サーフ・フィルム(エメビー・チネマトグラフィカ)
製作・監督:マリオ・バーヴァ
原作:ジョゼフ・シェルダン・レ・ファニュ
脚本:マルチェロ・フォンダート
マッシモ・パトレジ
アルフレード・ミラビル
撮影:ウバルド・テルツァーノ
音楽:カルロ・ルスティケリ

出演:エヴァ・バルトーク(クリスティーナ:モデルクラブ経営者)、
キャメロン・ミッチェル(モラルキ:デザイナー)、
トーマス・ライナー(シルヴェストリ警部)、クロード・ダンテス(タオイ:モデル)、
リア・クリューガー(グレタ:モデル)、マリー・アドレン(ペギー:モデル)、
アリアンナ・ゴリーニ(ニコレ:モデル)、ルチアーノ・ピゴツィ、
フランコ・ラッセル、ハリエット・ホワイト、エンゾ・チェルシコ

●M・バーヴァの代表作。
ジャッロ映画史上最も<美しい>
1本として内外で評価が高い作品。

ファッション・モデルのイザベルがクリスティーナ未亡人の庭園で、
マスクで顔を隠した何者かに絞殺される事件が起きた。
イザベルは生前、モデル仲間や関係者のプライバシーに関して
病的なまでに詳細な日記をつけていたことが判明、
そこに書かれた事を暴露されると困る人間達の思惑が絡んで、
問題の日記は次々に色々な登場人物の手に渡り、
それを手にした美しいモデル達が連続殺人魔に殺されていく展開。
皮肉なラストと、低予算を見事に克服した(移動撮影用のドリーが
なかったので子供用玩具のミニカーにカメラを乗せて撮影したとか!)
凝ったキャメラワーク、そして色とりどりの色彩が楽しめる。

ゴシップ系俳優ばかりの出演陣も豪華だが、「シベールの日曜日」や
「大学は花ざかり」のハーディー・クリューガーの従姉妹である
リア・クリューガーや、「サイコファイル」「ビッグファイブ・デイ」に出演した
子役出身のエンゾ・チェルシコ(ガソリンスタンドの店員役。1937年生まれ、
91年没)ら、細々した話題に事欠かない顔ぶれをお見逃しなく。


 

Lo Spettro (未)」(63)
aka :The Ghost
    The Spectre
    Lo Spettro de Dr. Hitchcock
イタリア映画/カラー(一部黒白?)・97分/
日本劇場未公開(TV未放映
/ビデオ未発売)

監督:リカルド・フレーダ
脚本:リカルド・フレーダ
/オレステ・ビアンコリ

出演:バーバラ・スティール(マーガレット)
/ピーター・ボールドウィン
(チャールズ・リヴィングストン博士)
/レジナルド・プライス・アンダーソン
(ノトレイ・フィッシャー)
/レオナルド・エリオット(ヒッチコック博士)/
エリオ・ジョッタ
/カルロ・ケッキラー/ハリエット・メディン(キャサリン)/
ウンベルト・ラオー(キャノン)

●リカルド・フレーダ+バーバラ・スティールによる犯罪モノ。
傲慢な年上の夫を愛人と共謀して殺害した美貌の悪女(スティール)が、
夫の亡霊に悩まされ始め、遂には逆上して愛人を剃刀で殺害してしまう。
実は夫は生きており、全ては妻を破滅させようとして彼とメイドが
仕組んだ犯罪計画だったのだが、事実を知った妻はメイドを射殺し、
今度は本当に夫を殺してしまう。しかし彼女を待っていたのは皮肉な
運命だった。2転3転するプロットが面白く、夫の遺体と共に葬られた
財産の隠し場所のメモを探しに、妻と愛人が墓地に出かける場面は
その後、ダン・カーティス(B・スティールとも交友が深い)が製作した
TVシリーズ「テリブル(V)」の1話にそっくり取り入れられていた。

 

「TERROR IN THE CRYPT(未)」(63)


「世界の夜の歴史」(63)
●吸血鬼や裸女が登場するファンタスティック映画。

 

(バック・トゥ・ザ・キラー/)顔のない殺人鬼(63)

THE VIRGIN OF NURMBERG (米)
LA VERGINE DI NORIMBERGA
HORROR CASTLE (米)
TERROR CASTLE (米)
THE CASTLE OF TERROR (英)

カラー/84分/イタリア映画
日本劇場公開64年7月(配給:東和/ビデオ:VISCOM)

監督:アンソニー・ドーソン(アントニオ・マルゲリティ)
製作:マルコ・ヴィカーリオ
脚本:アンソニー・ドーソン(A・マルゲリティ)
    エドモンド・グレーヴィル(エドモン・T・グレーヴィル)
    ガスタード・グリーン
原作:フランク・ボガート(「ニュルンベルグの処女」)
撮影:リチャード・パルトン
音楽:リズ・オルトラーニ

出演:ロッサナ・ポデスタ(メアリー)、ジョルジュ・リヴィエール(マックス)、
クリストファー・リー(エリック)、ジム・ドーレン[ジム・ノーラン?](将軍)、
リッシェル・サン・リモン(エレナ:拷問される女)、
パトリック・ウォルトン(FBIの男)、カロル・ウィンザー(マルタ)

●ニュルンベルグの名門貴族出の青年マックス・ハンター(リヴィエール)は
美しいアメリカ人、メアリー(ポデスタ)と結婚して、広大な屋敷のある
古都に戻ってくる。ある嵐の晩、ふと目覚めたメアリーは夫がベッドに
いないのに気づき、彼を捜すうちに古びた拷問道具が置いてある部屋に
辿り着く。そこで彼女は部屋の一番奥に安置された乙女像の中から
不気味なうめき声が聞こえるのを耳にして、恐る恐る像の蓋を開けるが、
中には何と両目を潰されて血を流した女の死体が入っていた。

マックスと医者に抱きかかえられて気付いたメアリーは、
自分が見たことを話すが、夢を見たのだろうと信用して貰えなかった。
しかし納得できないメアリーは独自に城の中を調べてまわり、
遂に物置の壁の奥に地下墓地へと続く隠し扉を発見する。
彼女はそこで、問題の拷問道具が置いてある考古館の管理人で
顔にひどい傷を負った青年エリック(リー)と、
考古館に飾られた死刑執行人の格好をした人物を目撃。
恐怖にかられて部屋に戻ると、そこには女中頭のマルタ(ウィンザー)がいて
「今夜は危険だから外には出ないように」と忠告する。

その晩、メアリーは自室の扉から錠を探って何者かの手が伸びてくるのを
見て恐怖にかられ、その手にナイフを突き刺す。逃げ去る人物を追った
メアリーは、廊下に倒れていた死刑執行人を見つけるが、その手には
ナイフの傷跡はなかった。夫マックスや、エリックの不可解な行動が続き、
恐怖に震えながら不安をうち消すように屋敷の秘密を探るメアリー。
地下に張り巡らされた洞窟内に作られた拷問部屋で、若い女が殺される光景を
目の当たりにした彼女は、夫から死刑執行人の正体を聞き出そうとして
彼の手にナイフの傷があるのを見つける。夫の口から明かされた
恐るべき真実−それは殺人魔の正体はマックスの父で、ナチス全盛時代に
ヒトラーを暗殺しようとして失敗、逆に彼はナチスの生体実験によって
顔の生皮を全て剥がされ、生きる骸骨になってしまったのだった。
次第に頭のおかしくなったマックスの父、ハンター将軍(ドーレン)は
夜な夜な女性を拷問にかける処刑人と化していた。

狂気の淵に落ちてしまった将軍は、マックスを地下牢に閉じこめると
水攻めにし、マルタや小間使いらを次々襲って惨殺してしまう。
メアリーが危や拷問機具の乙女像に押し込められて殺されようとした時、
駆けつけたFBIのエージェントと事情を全て説明したエリック、
それに水牢を脱出したマックスらが彼女を助けに入り、
将軍は銃弾を受けて屋敷の奥へ消えた。その時に倒した燭台から
火の手があがり、屋敷はみるみる業火に包まれた。
誰も為す術もなく焼け落ちる屋敷を見守る中、エリックだけが
弾かれたように邸内に入り、廊下に倒れている、かつては
自分の主であった将軍に駆け寄った。エリックが彼を抱き起こした時、
天井が崩れ、二人は瓦礫の下敷きになって焼け死んだ。
こうして血なまぐさい恐怖の事件の幕は降りたのだった・・・。

●M・バーヴァと並んで60年代イタリアンホラー・マスターとして
数々の名作を放ったA・ドーソンの代表作。
画面からヨーロッパの匂いが濃厚に立ち上るバーヴァ映画に比べると、
技術的には高く評価されているものの、正直ドーソン作品は無味無臭。
やはりアメリカナイズドされた結果なのかもしれない。
但し本作では派手な見せ場や、凝った仕掛けを連打し、
見ている間は退屈しない内容。
ヒロインを演じるロッサナ・ポデスタと、製作者マルコ・ヴィカーリオは
「黄金の七人」シリーズで知られたコンビだが、
ドーソンは「ポデスタはヴィカーリオ夫人だったからね。
この映画ではノーギャラ出演だったはずだ」と回述している。
クリストファー・リーは要所要所を引き締める使われ方で、
存在感を感じさせる演技を見せている。

 

「幽霊屋敷の蛇淫」(64)
DANCE MACABRE
LA DANZA MACABRA
CASTLE OF BLOOD
CASTLE OF TERROR (米TV)
カラー/95分/イタリア=フランス合作
日本劇場公開65年6月(大蔵映画配給)

監督:アンソニー・ドーソン(アントニオ・マルゲリティ)
製作:ジョン・ハーヴェン(レオ・ラックス/マルコ・ヴィカーリオ?)
脚本:ジャン・グリモー[ ド?](セルジョ・コルブッチ)
    ゴードン・ウィルソン・ジュニア(アルベルト・グリマリディ)
原作:エドガー・アラン・ポー
撮影:リチャード・クレイマー(リカルド・パロッティーニ)
音楽:リズ・オルトラーニ

出演:ジョルジュ・リヴィエール、バーバラ・スティール、
マルガレータ・ロブサム、アルテューロ・ドミニッチ、
ヘンリー・クリューガー

●幽霊の存在を信じない新聞記者のアラン・フォースター(リヴィエール)は
知人のブラッドウッド伯爵の賭に乗せられて、幽霊が出るという噂のある
古びた館で一夜を過ごすことになる。館まで案内した伯爵が門前で
引き返した後、一人で玄関を叩いたフォースターを出迎えたのは
伯爵の妹と名乗るエリザベス(スティール)で、彼はエリザベスの美しさに
すっかり魅せられてしまう。ところがフォースターが部屋に案内され、
一人きりになると、奇怪な出来事が次々に起き始める。
混乱しながらも床についた彼の元にエリザベスが現れ、二人は肌を重ねる。
しかし彼女や館の住人は全てこの世の人間ではなかったのだ。
彼ら亡者は生きた人間の血を吸い取ることで
再び人間の世界へ復帰できると信じていた。亡霊の手から逃れ
門の近くまでエリザベスと共に逃げてきたフォースターだったが、
彼女は「自分も亡霊だから一緒には行けない」と呟き、骸骨に変わった。
フォースターは門の外へと逃げるが・・・。翌朝、館の前までやって来た
伯爵が見つけたのは、門の飾りに頭を突き刺されて絶命したフォースターの
姿だった。日本劇場公開は65年(大蔵映画配給)。

基本的にオーソドックス路線のドーソン演出は本作でも不変だが、
幽霊の舞踏会や霧の立ち込める墓地のシーンなど、優れた場面は多数。
強力な未練を残して死んだ亡霊美女に扮するB・スティールの
鬼気迫る美貌も特筆もの。特にラストの怪演は忘れ難い。
ケーブルTVで放映されたプリントは米版?に字幕を載せた物のようだ。


「ブラック・サバス/恐怖!3つの顔 (V)」(64)
I TRE VOLTI DELLA PAURA
BLACK SABBATH
THE THREE FACES OF TERROR


カラー/90分/イタリア映画/日本劇場未公開(ビデオ:にっかつ)

製作会社
ガラテア=エンピ=リール
監督:マリオ・バーヴァ
製作:サルヴァトーレ・ビリテッリ
脚本:マリオ・バーヴァ/マルチェロ・フォンダート
    アルベルト・ベヴィラクア
撮影:ウバルド・テルツァーノ
音楽:ロベルト・ニコロッシ

出演:ボリス・カーロフ、マーク・ダモン、スージー・アンダーソン
ミシェル・メルシェ、ジャクリーヌ・ピエロー、ハリエット・ホワイト

●自分が密告したことで警察に捕まった凶悪な男から
かかってくる脅迫電話に脅かされる若い女性(メルシェ)と、
彼女の親友の皮肉な運命を描いた「電話(原作:ギイ・ド・モーバッサン)」、
映画のブリッジ部分にも顔を出す怪奇スターB・カーロフが
吸血鬼と化した家長を演じる「吸血鬼ウルダラグ(原作:トルストイ)」、
死者から高価な指輪を奪った看護婦に襲いかかる「一滴の水
(原作:アントン・チェーホフ)」の3話からなるホラー・オムニバス。
監督は60年代イタリアンホラーの父、マリオ・バーヴァ。
日本版ビデオはイタリア版のオリジナル・マスターを使っていて
ラストの爆笑モノのオチ(それは秘密。ふふふ。)が残っているが、
英語版には存在するカーロフが出演した各話のブリッジ部分が
どういう訳か削除されてしまっている。

←凝った照明と色彩(そのまんま)。

 

「私は宇宙人を見た」(64)
IL DISCO VOLANTE
カラー/93分/イタリア映画/日本劇場公開66年(東京第一フィルム)

製作:ディノ・デ・ラウレンティス
監督:ティント・ブラス
脚本:ロドルフォ・ソネゴ
撮影:ブルーノ・バルカロル
音楽:ピエロ・ピッチオーニ

出演:アルベルト・ソルディ、モニカ・ヴィッティ、
エレオノラ・ロッシ=ドラゴ、グイド・セラーノ
アルベルト・フォグリアニ、シルヴァーナ・マンガーノ

●エロティック映画の巨匠ティント・ブラスが監督したSF映画。
出演者のメンツからみてコメディタッチの内容か?

「バンパイアの惑星(V)(恐怖の怪奇惑星:TV)」(65)
PLANET OF THE VAMPIRE
TERRORE NELLO SPAZIO (伊)
THE DEMON PLANET (米:TV)

カラー/86分/イタリア=スペイン合作映画
日本劇場未公開(ビデオ:RCAコロムビア映画)

製作会社:イタリアン・インターナショナル=カスチリア
監督:マリオ・バーヴァ
製作:フルヴィオ・ルチザーノ
原作:レナート・ペストリニエーロ
脚本:イブ・メルキオール/ルイス・M・ヘイワード/
    カリスト・コスリッチ/アントニオ・ロマン/
    アルベルト・ベヴィラクア/マリオ・バーヴァ/
    ラファエル・J・サルヴィア
撮影:アントニオ・リナルディ
音楽:ジーノ・マリヌッツィ・Jr
アントニオ・プレッツ・オルカ

出演:バリー・サリヴァン、ノーマ・ベンゲル、
アンヘル・アランダ、エヴィ・マランディ、ステリオ・キャンデーリ、
フェルナンド・ヴィレナ、アイヴァン・ラシモフ

●ダン・オバノンの「エイリアン」の元ネタとなったとされるSFホラー。
脚本にSF映画のベテラン、イヴ・メルキオールが絡んでいるが、
後年のインタビューに答える彼は、映画の正確なタイトルさえ覚えていなかった。
(実際にはメルキオールは、簡単な原案を書いた?に留まったようす。)

未知の惑星に降り立った数人の隊員を襲う異常な現象。
殺し合いをして全滅していた先発隊の謎、不気味な異星人の巨大な死骸と
異様な宇宙船・・・やがて埋葬した死者が姿を消していく。
ドラキュラを思わせる隊員の奇抜な服装と、コウモリ型の宇宙船が有名。
フランス版には日本の英語版にない、ビックリするようなゴアショットが
あるという噂もあり。食人映画のスター、I・ラシモフが端役で出演(若ッ!)、
出演者の一人、ステリオ・キャンデーリも、バーヴァの息子ランベルトの
出世作となったバブルホラー「デモンズ」(85)で、喉を抉られるオヤジ役を演じている。

 

「惑星からの侵略」(65)
I CRIMINALI DELLA GALASSIA
THE WILD, WILD PLANET

カラー/96分/イタリア映画
日本劇場公開66年4月(配給:MGM/ビデオ:MGM/UA)

製作会社:マーキュリー
監督:アンソニー・M・ドーソン(アントニオ・マルゲリティ)
製作:ジョゼフ・フライド/アントニオ・マルゲリティ
脚本:アイヴァン・ライナー/レナート・モレッティ
撮影:リチャード・パルトン(リカルド・パロッティーニ)
音楽:アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ

出演:トニー・ラッセル(マイケル・ハルステッド)、
リザ・ガストーニ(コニー)、マッシモ・セラート(ヌルミ博士)、
チャールズ・ジャスティン、フランコ・ネロ、キティ・スワン

西暦2015年の太陽系を舞台に、次々と人間が蒸発する事件の
背後に潜む惑星デルフォスのマッド・サイエンティストと、
巨大企業の連合による生化学実験の陰謀を暴こうとする
宇宙ステーション<ガンマ・ワン>のマイケル・ハルステッドの
活躍を描いたサスペンス調のSFアクション。


元々はアメリカのTV向けに作られたSFスリラー映画で、
この前後に連作された3本の作品を含め、イタリアでは劇場公開もされた。
(ただし当時の観客の興味を引くには至らず、ヒットはしなかった)

監督のドーソンがお得意のミニチュアを始め、キッチュな特撮が満載。
特にM・セラート扮するマッド・サイエンティストの実験室が爆発し、

真っ赤な液体(血?)の大洪水が起こるシーンは「シャイニング」風。
「2001年宇宙の旅」の特撮コンサルタントにドーソンを招いたとされる
キューブリック氏、20世紀を代表するホラー映画のオリジンは
案外ココかもしれない。

ドーソンはこの作品の前にホラー映画を撮っているためか、
人体実験で失敗した4本腕の刺客や、様々な畸形人間が閉じ込められた
”失敗作の部屋”シーンなど、不気味なシーンが散見される。
若き日のフランコ・ネロがガンマ・ワンの隊員役で登場、
後に社会派エロス映画「スキャンダル」で共演するリザ・ガストーニと
絡んでいるのにも注目。あとは端役で「ジャングルの女豹」の
K・スワンも出てくるお徳なキャスティング。パステル調の衣装もステキだ。

 

「華麗なる殺人」(65)
THE 10TH VICTIM
LA DECIWA VITTIMA
カラー/92分/イタリア映画/日本劇場公開69年1月(配給:ヘラルド映画)

製作会社:シャンピオン=コンコルディア
製作:カルロ・ポンティ
監督:エリオ・ペトリ
原作:ロバート・シェクリイ
脚本:トニーノ・グエッラ/ジョルジオ・サルヴィオーニ/
    エリオ・ペトリ/エンニオ・フライアーノ
撮影:ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ
音楽:ピエロ・ピッチオーニ

出演:マルチェロ・マストロヤンニ、ウルスラ・アンドレス、
エルザ・マルティネリ、マッシモ・セラート

●ロバート・シェクリイの原作「七番目の犠牲者」を、
当時乗りに乗っていた鬼才エリオ・ペトリが映画化。
近未来を舞台に、人間の闘争本能を満たす為に行われる
殺人ゲームに参加することになった男女の選手同士を
スタイリッシュな演出&キッチュな舞台セットで描く。
日本で出た新しいDVDはニュープリ・ワイド収録のおススメ版!

 

「LONG HAIR OF DEATH(未)」(64〜65)
I Lunghi capelli della morte
イタリア映画/黒白・100分/日本劇場未公開/(TV未放映/ビデオ未発売)

監督:アントニオ・マルゲリティ
脚本:エルネスト・ガスタルディ(原案も)
    ブルーノ・ヴァレリ
出演:バーバラ・スティール(ヘレン)
/ジョルジ・アルディソン(カート)
ハリーナ・ザレウスカ(リザベス)/ロバート・レインズ/ラウラ・ヌッチ/
ジュリアーノ・ラファエリ(伯爵)/ジョン・カーレイ/ジェフリー・ダーケイ


●アンソニー・ドーソン監督、バーバラ・スティール主演(2役)の怪奇映画。
15世紀の村を舞台に、魔女として処刑されようとしている母の無実を訴えに来た
美しい娘(スティール)を犯し、結果的に愛欲に溺れて無実の母子を共に
死に追いやった領主と、死んだ娘の妹と結婚した領主の息子が、
死んだ筈の女達に悩まされる恐怖を描く。
嵐の中、無念の死を遂げた腐乱死体が墓場から甦るシーンは
M・バーヴァの「血ぬられた墓標」を、よりスタイリッシュにした雰囲気。
本作のスティールは清純ヒロインというより、怖がらせ専門という印象。
クライマックスには「ウィッカーマン」を思わせる人形に領主の息子が
閉じこめられ、生きたまま広場で炊き上げられる場面が登場する。

 

亡霊の復讐 (TV)」(65)
AMANTI D'OLTRE TOMBA
aka:LOVERS BEYOND THE TOMB
   ORGASMO
   NIGHT OF THE DOOMED
   NIGHTMARE CASTLE(66)
   THE FACELESS MONSTER
   LOVERS FROM BEYOND THE TOMB
 

イタリア映画/黒白・89分(英国版
101分)
日本劇場未公開(TV放映/
DVD発売)

監督:マリオ・カイアーノ
製作:カルロ・カイアーノ

脚本:マリオ・カイアーノ/ファビオ・デ・アゴスティーニ
撮影:エンツォ・バーボニ
音楽:エンニオ・モリコーネ

出演:バーバラ・スティール
(ジェニー:後妻/マニュエル:先妻)
ポール・ミュラー(ステーヴン・アロウスミス博士)
ヘルガ・リーネ(ソランジェ)/ローレンス・クリフト(デレク:精神分析医)
リック・バッタリア(デイビッド:マニュエルの愛人)/
ジュゼッペ・アドバッティ
(ジョナサン)

●マッドな天才科学者アロースミス博士(ミューラー)は、若い庭師のデイビッド
(バッタグリア)と温室で密会を重ねていた妻のマニュエル(黒髪のB・
スティール)を拷問にかけた末に心臓を抜き取って殺害、更にマニュエルの
生血を輸血して、昔から彼に忠実に使えてきた小間使いの老婆ソランジェ
(リーネ)を見事に若返らせた。
やがて、博士はマニュエルの義理の妹に当たるジェニー(スティール2役:
こちらは金髪)と再婚するが、ジェニーは自分と若い男が温室で愛し合っている
奇妙な悪夢を見るようになり、次第にマニュエルと同じ様な行動を取るようになる。
ジェニーを診察した精神分析医デレク(クリフト)は、我が身を危険に晒しながらも
博士の悪行を暴き、実験室に保存してあった心臓を奪い取り、マニュエル達を
甦らせる。マニュエルとデイビッドはソランジェと博士を追いつめて殺す。
ジェニーはデレクに連れられて炎に包まれた館の外に脱出するのだった。


ファラオのはらわたを撮ったマリオ・カイアーノの怪奇映画。
洗練されたカメラワークや、凝った幻想(特にスティールの悪夢シーンで
自分を愛撫する男の顔がのっペラぼうだったりする)場面が秀逸。
少しくらい手間を払っても(今はDVDで簡単に見れるけど)損なし。

 

「殺しのテクニック」(65)

●フランコ・プロスペリによる大ヒットアクション映画。
似たような邦題の作品を多数生んだ。若きフランコ・ネロも出演。

 

「猟奇連続殺人」(65〜66)
IL TERZO OCCHIO
KILLER WITH THE THIRD EYE
THE THIRD EYE
カラー/95分/イタリア映画/日本劇場公開69年11月(ABC)

製作:ルイス・マン
監督:ジェームズ・ウォーレン(ミーノ・グエリーニ)
原作:フィル・ヤング((マルキ・)ジル・ド・レイの著作から)
脚本:ディーン・クレイグ(ピエロ・レニョーリ?)
ジェームズ・ウォーレン(グエリーニ)
撮影:サンディ・ディープス
音楽:フランク・メイソン

出演:フランコ・ネロ(ミーノ)、ジョイア・パスカル
ダイアナ・サリヴァン、オルガ・サンビューティ
マリナ・モーガン、リチャード・ミロック、

●南イタリアの貴族アルベルティ伯爵家の末裔、ミーノ(ネロ)が
財産を巡って巻き起る異常な悲劇に巻き込まれる。
多少詳しい紹介を
ジャッロのページにも記述しました。
恐らくこの映画とフランスの「地獄の貴婦人」が、
ジョー・ダマートの撮った「ビヨンド・ザ・ダークネス:嗜肉の愛」の原型。


 

惨殺の古城 (TV)」(66)
IL BOIA SCARLATTO
THE BLODDY PIT OF HORROR

監督:マックス・ハンター(マッシモ・プピロ)
製作:フランチェスコ・メルリ
脚本:ロマノ・ミグリオリーニ/ロベルト・ナタール
撮影:ルチアーノ・トラザッティ
音楽:ジーノ・ペグリ

●映画秘宝やハリウッド・バビロン系の読者(どういう人達!?)には
メイ・ウェストの元旦那で、後にジェーン・マンスフィードと結婚した
ダンサー兼ツバメのマッチョ男(大澄ケンヤ君みたいなもんですね)として
その名を知られているミッキー・ハギティ(ハーガティ/ハジティ)の
(日本ではどうも知名度の低い)知られざる代表作。
海外では60年代のイタリアン・トラッシュ・ホラーの代名詞ともされる作品で、
古城に雑誌のピンナップ撮影(モデルがギロチン処刑や、振り子処刑されている
かなり悪趣味な写真ばっかり!)にやって来た出版者の人間と、
フォトモデルが、かつてその城で処刑された城主の怨念が取り憑いた
現在の所有者(ハガティ)に一人ずつ奇怪な手口で殺害されていくというお話。

共演はルイーズ・バレット、60年代イタリアン吸血鬼映画の顔、
ウォルター・ブランディ、そしてバーバラ・スティール主演の怪奇映画
Terror Creatures from the Graveを監督したとされるラルフ・ズッカー。
まだ若かりし頃(デビュー作?)のお色気映画の常連
フェミ・ベニュッシも、
エウフェミア・ベニュッシ名義でモデルの一人として顔を見せている。

日本劇場未公開だが、TV放映されたことはあるようだ。
Something Weired Video等の海賊版で簡単に見ることが出来る。
カラー87分。

 

5 tombe per un medium (未)」(66)
aka Cemetery of the Living Dead
    Cinque tombe per un medium
    Coffin of Terror
    Five Graves for a Medium
    Terror-Creatures from the Grave
    Tombs of Horror

イタリア(=アメリカ合作)/黒白・
85(米版)/
伊語版
/アメリカ(レート無し)/日本劇場未公開(ビデオ未発売)

監督:マッシモ・プピロ(ラルフ・ズッカー?諸説あり)
脚本:ロマーノ・ミグリオリーニ/ロベルト・ナターレ

出演:ウォルター・ブランディ(アルベルト・コヴァック)/
バーバラ・スティール(クレオ・ハフ)/アルフレード・リッゾ(ネメック医師)/
アラン・コリンズ[ルチアーノ・ピゴッツィ](クルト:執事)/
ティルデ・ティリ(ルイーズ:メイド)/リカルド・ガローネ(ジョゼフ・モーガン)/
ミレーラ・マラヴィーディ(コリンヌ・ハフ)/レーネ・ウォルフ/エンニオ・バルボ

●バーバラ・スティール主演の怪奇映画。死んだ筈の父親からの
手紙を持って、クレオとコリンヌの美しい姉妹が住む古びた館を
訪れた青年が体験する恐怖の出来事。からふるでキッチュだった
惨殺の古城とはうって変わって、こちらは同じM・プピロ作品でも
渋く澱んだ黒白画面にオーソドックスな恐怖を漂わせた
古典的怪奇映画の作風。故に別監督がいるのでは?とか
変名で誰かが撮ったのでは?という噂が流れたが、
真相はカメラマンの好みが全然違った為に作風が一転したのだとか。
・・・が、主演のブランディによれば「映画を撮ったのはズッカー」とのこと。
一体どうなってるの?!

●因みにラルフ・ズッカーはイタリア人の変名ではなく、生粋のユダヤ系
アメリカ人。1950年代からアメリカの映画・TVの世界で活躍しており、
様々な役職(子役・編集者・アシスタント職・制作補・プロデューサーなど)
を経験してきた人物。1958年にイタリアに移って来るまでは
世界中を転々とする生活を送ってきたらしい。
この映画を監督した後、ズッカーは監督以外の仕事に戻り、
当初は彼が撮る予定もあったM・プピロの
惨殺の古城に俳優として出演。
ピエトロ・フランチージの「STAR PILOT」(66)の技術監督、
ロベルト・マウリの「KING OF KING ISLAND」(68)では
(ウォルター・ブランディと共同で)プロデュースに当たっている。
1973年にパオロ・ソルヴェイが監督した「デビルズ・ウエディング・ナイト」を
(再びブランディと組んで)制作したほか、脚本家としても作品に関わっている。
ズッカーはこれらの仕事以外にも、イタリア映画を海外に輸出する際の
英語吹き替え作業を担当したり、またイタリア国内に海外の作品を
輸入し、劇場公開する配給業者の仕事にも携わってきたという。
彼は1982年の5月28日、ロサンジェルスで心臓発作の為に
わずか41歳の若さで死亡した。

●ウォルター・ブランディは1996年の5月28日に死去。
彼はロマンチックでいて少し皮肉屋なところもある男だったという。
ブランディは娯楽映画でスターとなり、羽振りが良いときは
フェラーリを乗り回す生活を送っていたようだが、
彼が死んだのはかなり経済的に困っていたらしい。彼は友人達から
何らかの援助を受けていたようだが、それでも十分ではなかった。
ブランディの長年の友人だったエルネスト・ガスタルディは
92年に「L'uovo del cuculo(カッコーの卵)」というブカレストで撮影された
映画を監督、共同製作だったブランディには映画の収益がかなり入ったが、
彼のヘロインに溺れてしまった娘が盗みで捕まってしまい、ブランディは
娘を助けようと高額な費用を弁護士に払って裁判に臨んだ。

その頃からウォルターはしきりに疲労感を訴えるようになり、
彼は5月24日の金曜日に病院で診断を受けた。日曜日に
ガスタルディに電話をしてきたが、その翌週の火曜日には
死んでしまった。死因は白血病らしく、医者の話では彼の血液は
殆ど水のような状態だったという。

 

Un Angelo per Satana (未)」(66)
aka An Angel for Satan
イタリア/黒白/伊語版/日本劇場未公開(ビデオ未発売)

監督・脚本:カミーロ・マストロチンクェ
出演:バーバラ・スティール/クラウディオ・ゴーラ/
ウルスラ・デイビス/アントニオ・ド・テッフェ/
マリアナ・ベルティ/アルド・ベルティ/マリオ・ベレーガ/
ヴァッシーリ・カラメンシス

●バーバラ・スティールがお得意の分裂症的演技を見せる怪奇映画。
スティール扮するヒロインは、15年間空き家になっていた
湖の近くに建つ、古くて大きな屋敷に戻ってくる。彼女が到着して
程なく、湖の底から古い彫刻が引き上げられ、修復作業が始まる。
その晩遅く、修復を引き受けた彫刻家に謎の声が聞こえてくる。
声は確かに「像の修復が完成した時、200年前に非業の死を遂げた女が、
その恨みをはらす為に蘇ってくる」と告げた。

修復が終了し、像は本来あるべき場所−湖の畔にある台座−に戻された。
突然、何の前触れもなくスティールの人格に変化が生じ、
自分の周りにいる男性を次々に誘惑し始める。
この異常な事態を目の当たりにした湖の近くに住む村人達は、
にわかには信じられない奇怪な想像を巡らせる・・・彼女は200年前に
生きていた、像のモデルとなった女性の生まれ変わりではないか?
果たして彼女は本当に問題の像の霊に取り憑かれているのだろうか?
そして彼女を救い出す手段とは?

 

「真昼の用心棒」(66)

●ルチオ・フルチの残酷マカロニウェスタン。
フルチの西部劇の中では最も一般受けしそうな内容。

 

「血の浴槽 (未)」(66)
Track of the Vampire
Bloodbath
●ユーゴスラヴィア製(イタリア製?)の吸血鬼映画を元に?
ウィリアム・キャンベルを吸血鬼役に起用して、製作総指揮の
ロジャー・コーマンがジャック・ヒルとステファニー・ロスマン
(フェミニストの映画作家)に新たなフッテージを追加撮影させ、
再編集している(主演のキャンベルによると、彼の出演作2本を
混ぜ合わせて編集しただけとも言われている)。
共演にサンドラ・ナイト、ロリ・サウンダーズ、ジョナサン・ハーゼら。

 

「LIBIDO(未)」(66)

●イタリア製娯楽映画の脚本を一手に引き受けている
脚本界の巨匠エルネスト・ガスタルディが監督した黒白ジャーロ映画。
異常な過去を持った青年の遺産目当てに、彼の結婚相手と
弁護士の夫婦が殺人計画を立てるが・・・。
主演の青年役に当時、変名でデビューしたジャンカルロ・ジャンニーニ。


「世紀末猟奇地帯(V)(野生の眼)」(67)
L'OCCHIO SELVAGGIO
THE WILD EYE
カラー/98分/イタリア映画/日本劇場公開68年3月(東和)

監督・脚本:パオロ・カヴァーラ
脚本:トニーノ・グエッラ/アルベルト・モラヴィア
撮影:マルチェロ・マシオッキ

出演:フィリップ・ルロワ(パオロ)、ガブリエル・ティンティ、
デリア・ボッカルド

●60年代から70年代にかけて「世界残酷物語」「世界女族物語」など
世界中を<残酷映画>ブームに落とし込み、記録映画の革命児とも
呼ばれたグアルティエロ・ヤコペッティと組んで、数々の大ヒットモンド
映画群を連作した
パオロ・カヴァーラ の初監督作品。
カヴァーラは自らの監督デビュー作で、ヤコペッティや自分の姿を
揶揄したかのようなキャラクターを描き、世間を驚かせた。
カヴァーラは「タランチュラ」「濡れたダイヤ」等の
ジャッロ映画を
監督した事でもお馴染みだが、脚本家としても活躍している。
1926年7月4日生まれ。
1982の8月7日にローマで死去。

世界中の奇習やショッキングな事件を中心にした記録映画を
監督しているパオロ(「黄金の七人」のフィリップ・ルロワ)は
キャメラマン(ガブリエレ・ティンティ)と、女性レポーター
(「テンタクルズ」「窓からローマが見える」のデリア・ボッカルド)を連れ、
サハラ砂漠、シンガポール、アデン、サイゴン、カラチ、バンコク、
アルジェを旅していく。美味しい場面を撮るためには生命の危険さえ
省みないパオロは様々な危険を乗り越え、狂気に充ちた恐るべき
ドキュメンタリーを撮っていく。クライマックスではテロリストが爆弾を
仕掛けたバーを撮影、女レポーターが瓦礫の下敷きになって死んでしまう。
一瞬、迷った後、パオロは「途方に暮れる自分を撮れ」と
キャメラマンに命令する・・・。

実際の撮影行程は65000マイル、5ヶ月を要したこの作品は、
後のカヴァーラの映画に比べ、かなりマジな作りになっている力作だ。
撮影はマルチェロ・マシオッキ、ジャンニ・マルケッティの書いた
印象的な主題歌は劇場公開当時大ヒットしたとか。

カヴァーラらと並んで脚本に関っているのが有名な伊作家A・モラヴィア。
発禁小説となったエロス小説が「デシデーリア=欲望」(80)として
映画化されている彼は、「魔の獣人部落マジアヌーダ」(76)では脚本、
「グレートハンティング/地上最後の残酷」(75)ではナレーションを
担当した異才。映画界との関連も深く、「暗殺の森」(70)の原作など
話題・問題作も多いが、80年代以降はエロ路線中心になっていった。

 

「殺しを呼ぶ卵」(67)
LA MORTE HA FATTO L'UOVO
A CURIOUS WAY TO LOVE
DEATH LAID AN EGG

イタリア映画/カラー・100分/日本劇場公開68年5月(東京第一)

監督:ジュリオ・クエスティ
脚本:イタロ・ジンガレッリ/ジュリオ・クエスティ/フランコ・アルカッリ
撮影:ダリオ・ディ・パルマ
音楽:ブルーノ・マデルナ

出演:ジャン=ルイ・トランティニアン、ジーナ・ロロブリジーダ
エヴァ・オーリン、レナート・ロマーノ

●トランティニアン扮する主人公は養鶏場を経営する男。
彼は邪魔な妻(ロロブリジータ)を、彼女の姪(オーリン)と共に
亡き者にしてしまおうと計画を立てるが・・・。
E・オーリンの魅力と、60'sのサイケデリックなファッションが爆発!
「情無用のジャンゴ」で知られる才人、ジュリオ・クエスティの演出は
本作でも冴えまくりで非常にスタイリッシュ。当然、今見ても格好良いが
作品のテンポが若干悪いのが玉にキズ。海外ではトラッシュ・ジャッロの
代表作とされている映画。エヴァ・オーリン好きにとっては永遠の名作。

 

「悪魔の血を飲んだ女 (TV) 」(68)
SATANIK
スペイン=イタリア合作/カラー・85分(80分?)/
日本劇場未公開/TV放映

監督:ピエロ・ヴィヴァレッリ
製作:ロマノ・ムッソリーニ
脚本:エドゥアルド・M・ブロチェロ
撮影:シルヴァーノ・イッポリティ
音楽:マニュエル・パラダ
出演:マグダ・コノプカ(科学者マーニー・バニスター)/
フリオ・ペーニャ(トレント警部)/ウンベルト・ラオ(ジョージ)/
アルマンド・カルヴォ/ルイジ・モンティーニ/
ミーナ・イッポリティ/イサルコ・ラヴァイオリ

●激しい嵐の晩。一人の女性がタクシーを降りた。
彼女は初老の女性科学者マーニー・バニスター博士。
顔全体を覆う醜い傷跡を隠すように、研究室へと
駆け込んだバニスター博士は、同僚の科学者を殺害。
彼が開発した新薬を一気に飲み干した。
それは老化のプロセスを逆行し、
若々しい姿を取り戻せる奇跡の薬剤だった。

翌朝、彼女が目覚めると、そこには美しく生まれ変わった
自分がいた。彼女は意気揚揚と街へ繰り出すが、
実はその薬には恐るべき副作用が隠されていた。
彼女は、ナイトクラブで金持ち男と知り合っては
相手を殺す邪悪なサタニークに変身し、
恐るべき凶行を繰り返していく。

グルーヴィーな音楽とサイケ調ファッションで彩られた
ロマンティックなクライムスリラー。
何度なくTVで放映され、その洒落た、ちょっとエッチな内容に
惹きつけられたオールドファン、意外に多し(笑)!

主演のマグダ・コノプカは異色ウェスタン「盲目ガンマン」(71)や
ハマーの「恐竜時代」(69)なんかでもお馴染みのグラマー美女。
「バンパイア・ラヴァーズ」などで妖艶な魅力を振りまいた
イングリット・ピットと同じく、ポーランドの出身。
ワルシャワの上流階級の生まれで、父親は政府の高官、
母親は考古学者。1967年にフランス系カナダ人の大富豪と結婚、
3ヶ月後には離婚するなど、私生活でも華やかな話題をまいた。

監督のP・ヴィヴァレッリはドナルド・マーレイの変名を用いて
60年代から活動を始め、日本では「あなたも私もキスをする」(61)や
「ブラック・デカメロン」(72)のほか、「青い挑発」(89)
「ルンバ」(98)などの近作もビデオで紹介されている。
本作の直前にはマリオ・バーヴァの
「黄金の眼」を彷彿させる
ピカレスクロマン「Mister X」(66)を撮り上げている。

 

 

「デボラの甘い肉体 」(68)
IL DOLCE CORPO DI DEBORAH
THE SWEET BODY OF DEBORAH
イタリア映画/カラー・99分/日本劇場公開69年4月(NCC) 

監督:ロモロ・グェリエーリ
製作:ミーノ・ローイ
ルチアーノ・マルティーノ
脚本:エルネスト・ガスタルディ
ルチアーノ・マルティーノ
撮影:マルチェロ・マシオッキ
音楽:ノラ・オルランディ

出演:キャロル・ベイカー/ジャン・ソレル/
ジョージ・ヒルトン/ルイジ・ピスティッリ/
イヴリン・スチュアート[アイダ・ガッリ]/ヴァレンティーノ・マッキ

●ハンサムなイタリアの青年(ソレル)と結婚したデボラ(ベイカー)の前に、
夫のかつての恋人で、今は自殺してしまった女性(ガッリ)を知る男が訪ねてくる。
その男(ピスティレリ)の案内でやってきた屋敷で、デボラ達は
死んだ筈の女性の霊や、様々な怪奇現象に遭遇する。
この裏にはデボラの遺産を狙う夫達の策略があったが・・・。
ジャッロ映画>の礎を作った作品とされ、後にキャロル・ベイカー主演の
サスペンス・スリラー映画を量産するきっかけとなった1本。

 

「世にも怪奇な物語」(68)
TRE PASSI NEL DELIRIO
HISTORIES EXTRA ORDINAIRES
(仏)

●有名な怪奇小説家エドガー・アラン・ポーの3つの著作を元に、
フランスのお耽美映像派ロジェ・バディム、同じくフランスの
ヌーベル・ヴァーグ監督ルイ・マル、そしてイタリアの巨星フェデリコ・
フェリーニの3人が演出を担当、豪華なホラー・オムニバス映画として
一般の映画ファンにも良く知られている1作。
確かに金がかかっていて見た目が派手だが、ユーロトラッシュ映画の
ファンにはやや堅苦しい内容かも。それでもさすがは名だたる監督達。
血みどろ描写に曇ったゴア映画ファンの目にも見応えのあるショットを
各々の作品にしっかり押さえているのは確かだ。

ヴァディム編は当時の彼の妻ジェーン・フォンダと、その実弟ピーターを
主役に起用し、「メッツェンガーシュタイン」を映像化した「黒馬の哭く館」。
ルイ・マルは「ウィリアム・ウィルソン」を原作に、自分の影に悩まされる男に
アラン・ドロンを配役、ブリジット・バルドーをゲスト出演させている。
最後が我らがフェリーニ編で、退廃的なテレンス・スタンプ演じる役者が
ローマを訪れた際に垣間見る、異様な光景を積み重ねるようにして
描いている。特に深夜の街を猛スピードでドライブするシーンは白眉。
フェリーニ編の脚本を「サスペリア2」のベルナルディーノ・ザッポーニ、
撮影に「スタンダール・シンドローム」のジュセッペ・ロトゥンノが
クレジットされており、アルジェントもこの映画はフェイバリットなようす。

当初の予定では上の3人以外にジョゼフ・ロージーに「契約」を、
クロード・シャブロルに「カトラム博士とピューマ教授の学説」、
オーソン・ウェルズには「赤死病の仮面」と「アモンティリヤードの樽」、
更にルキノ・ヴィスコンティに「メルツェルの将棋差し」と「告げ口心臓」を
演出させる予定があったという。もし実現していれば凄い映画になっただろう。

 

「呪いの館」(68)
KILL BABY KILL !
CURSE OF THE LIVING DEAD(76分版)
カラー/84分/イタリア映画/日本劇場公開73年5月(FOX)

製作会社:ナンド・ピサーニ・プロ
製作:ナンド・ピサーニ
監督:マリオ・バーヴァ
脚本:ルチアーノ・カラナッチ
脚本:ロマノ・ミグリオリーニ
ロベルト・ナタール
マリオ・バーヴァ
撮影:アントニオ・リナルディ
音楽:カルロ・ルスティケリ

出演:ジャコモ・ロッシ=スチュアート、エリカ・ブラン、
ファビエンヌ・ダリ、ピエロ・ルリ、ジャナ・ビバルディ、
マックス・ローレンス、

●日本では70年代に入ってようやく公開されたM・バーヴァの怪奇映画。
村祭りの日に馬車に轢かれて非業の死を遂げた少女の亡霊の復讐を描く。
「世にも怪奇な物語」のフェリーニ編に登場する白いボールを持った
少女(悪魔)のイメージは、すでにこの作品に用いられており、
フェリーニが監督依頼を受けて「私より適役がいるのに(もちろんそれは
バーヴァのことだ)」と言ったとか、また何度も「呪いの館」を見て
演出テクニックを盗んだとかいう、まことしやかな噂話も流れている。
ストーリー的には消化しきれていない部分が多いが、雰囲気で見せてしまう1本。

 

黄金の眼」(68)
DANGER:DIABOLIC
カラー/99分/イタリア=フランス合作映画/日本劇場公開68年10月(PAR)

製作会社:デ・ラウレンティス=マリアンヌ
製作:ディノ・デ・ラウレンティス
監督:マリオ・バーヴァ
脚本:ディーノ・マイウーリ
ブライアン・ディガス
チューダー・ゲイツ
マリオ・バーヴァ
撮影:アントニオ・リナルディ
音楽:エンニオ・モリコーネ

出演:ジョン・フィリップ・ロー(怪盗ディアボリーク)、
マリーザ・メル、ミシェル・ピッコリ、
アドルフォ・チェリ、テリー=トーマス

●怪盗ディアボリックとその恋人の美女が活躍するアクション活劇。
司法当局を向こうにまわし、次々に鮮やかな手口で盗みまくる。
サイケデリックな画面と、モリコーネのスコアも聴きもの。
原作はイタリアの人気コミック。オリジナル105分。


 

「ヘルコマンドー7 (V)」(68)
HELL COMMANDOS
7 EROICHE CAROGNE

イタリア=スペイン合作/カラー・90分/日本劇場未公開(ビデオ発売)

監督:J・L・メリノ
脚本:エンリコ・コロンボ/ジュリアナ・ガラヴァグリア
    J・L・メリノ/マヌエル・セバレス
撮影:エマニュエル・ディ・コーラ
音楽:アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ

出演:ガイ・マディソン/スタン・クーパー/
ラファエラ・カラ/マヌエル・ザルゾ/
エンリケ・アヴィラ/ピエロ・ルッリ/カルロス・クイニー

●「悪魔の死体蘇生人」の監督と主演俳優が作った戦争アクション。

 

「狂った蜜蜂」(68)

●ウンベルト・レンツィがキャロル・ベイカーを起用して発表した
ジャッロ
夫を殺害してイタリアに逃げてきた金持ちのアメリカ夫人(ベイカー)が、
自分の屋敷を訪れた兄妹に翻弄されていくお話し。
兄妹は夫人の財産目当てに殺害計画を立てるが・・・。
詳しくは
ウンベルト・レンツィページのフィルモグラフィをチェック!

 

「電撃!秘宝強奪指令:地獄のシンジケート (V)」(68)
PHENOMENAL AND THE TREASURE OF TUTANKAMEN
FENOMENAL E IL TESORO DI TUTANKAMEN
カラー/91分/イタリア映画/日本劇場未公開(ビデオ:東映ビデオ)

監督:ロジャー・ロックフェラー(ルッジェロ・デオダート)

出演:マウロ・ニコラ・パレンティ、ルクレチア・ラヴ

●「食人族」のルッジェロ・デオダートがロジャー・ロックフェラー名義で
発表した娯楽アクション映画。エフェメラルという名のスーパー盗賊が
ツタンカーメン王の秘宝を巡って活躍するお話だが、出来はイマイチ。
ヒロインのルクレチア・ラブはイタリア製のトラッシュ娯楽映画で
お馴染みの女優で、日本では同じデオダートの「女戦士ゼナベル(V)(70)
「こんな愛
(V)(72)「エンジェル・ウォリアーズ(V)」(73)
「バージン・エクソシスト/甦える悪魔のエクスタシー
(V)(74)等がある。


吸血鬼の姪マレンカ(未)」(68)
MALENKA
MALENKA, LA NIPOTE DEL VAMPIRO
THE VAMPIRE'S NIECE

●遺産として郊外の古城を相続した美しいブロンドのモデル、
シルヴィア(フェデリコ・フェリーニの映画で有名なスウェーデンの
グラマー女優、アニタ・エクバーグ)は城の様子を見に、
ローマから遥々現地を訪れる。
しかしその城に潜んでいたのは、叔父と名乗る100歳を越えた
吸血鬼(ジュリアン・ウガルテ)で、何十年も前に魔術を使った罪で、
村人達によって火刑に処された修道女マレンカ(エクバーグ2役)に
瓜二つのシルヴィアは、吸血鬼の叔父から求愛される。
彼女の危機を知って城に駆けつけた男友達によって、
吸血鬼の叔父は胸を杭で刺され、残骸になって燃え尽きる。

エル・ゾンビ:落武者のえじき」(71)を撮ったスペインのホラー監督、
アマンド・デ・オッソーリオの記念すべきホラー処女作。
お色気女優達の醸し出す濃い雰囲気や、相変わらずスケスケ衣装で
甦ってくる女吸血鬼の描写は、いかにもオッソーリオ映画らしいが、
エクバーグが何か怖いめに合うと、やたらと村の民宿に逃げ込んで
しまったり、墓場から甦る吸血鬼の様子を伺っているハンターの一人が
クシャミをしそうになるズッコケ?演出を延々と展開したりと、
奇妙な味のある作品。隔絶した古城のサスペンス感はないが、
雰囲気は楽しめる小傑作。

 

「傷だらけの用心棒(TV)」(68)
UNE CORDE, UN COLT
CIMITERO SENZA CROCE
カラー/89分/イタリア映画/日本劇場未公開(TV放映のみ)

監督:ロベール・オッセン
脚本:ダリオ・アルジェント
音楽アンドレ・オッセン
出演:ロベール・オッセン、リー・バートン、ミシェール・メルシェ

●一部ではダリオ・アルジェントが密かに監督したという噂がある
マカロニ・ウエスタン。確かに監督にクレジットされているロベール・
オッセン(後に「肉の蝋人形」に主演)は本来俳優なので、
アルジェントが現場に赴いて一部を演出したとしてもおかしくはない。

ウェスタンとしては画面が妙に凝っているのと、主人公が
黒手袋をするシーンがあるのがご愛敬。
ホラーのジャンルではM・バーヴァの「ブラック・サバス」(63)や、
A・ドーソンの「蜘蛛の手につかまれて(未)」、それに永遠のカルト映画
「バーバレラ」などに出ていたことで知られる黒髪の美女、
M・メルシェが起用されている辺りもちょっとそれっぽい。

[フランスのニース出身(1939年元旦生まれ)のM・メルシェは
「非情」(57)で日本に紹介され、「狂乱のボルジア家」(59)、
「ピアニストを撃て」(60)「さよならをもう一度」「アラジンと女盗賊」
「大山賊」「地中海大海賊」(以上全て61)等に出演。
60年に入って「俺は知らない」「可愛い悪女」
「皆殺しのシンフォニー」(以上全て63)、「4次元の情事」(64)、
その後、「イタリア式愛のテクニック」(66)「アドベンチャー」(70)
「野性の叫び」(72)「恋のジーン・トニック」(84)等に顔を出している。



「姉妹」(68)
LE SORELLE
カラー/113分/イタリア映画/日本劇場公開70年6月(東和)

製作会社 チネ・アジムート
監督:ロベルト・マレノッティ
脚本:ブルネッロ・ロンディ
ロベルト・マレノッティ
撮影:ジュリオ・アルボニコ
出演:ナタリー・ドロン、スーザン・ストラスバーグ、
ジャンカルロ・ジャンニーニ、マッシモ・ジロッティ

●ナタリー・ドロンとスーザン・ストラスバーグが扮する
美しい姉妹の間に横たわる奇妙な確執を描いた作品。
食堂車に登場する幼女の役で「サスペリア2」の悪魔っ子
ニコレッタ・エルミがチラリと出演。


「NUDE SI MUORE (未)」(68)

「幽霊屋敷の蛇淫」顔のない殺人鬼のA・ドーソンもジャッロに兆戦。
女子寮を舞台にした同ジャンル作品の先駆けとされる1本。
女学生がにわか探偵になって、学園内で起きた連続殺人事件を
調査していく。アルジェント風の画面を既にこの作品で
演出した!と、ドーソンは自慢しているが、その仕上がりは・・・?

 

「危険な恋人」(68)
COL CUORE IN GOLA
カラー/104分/イタリア=フランス合作
日本劇場公開68年11月(配給:大映第一/ビデオ:東宝?)

製作:エルマンノ・ドナーティ
ルイジ・カルペンティエーリ
監督・脚本:ティント・ブラス
脚本:フランチェスコ・ロンゴ/ピエール・レビイ
撮影:シルヴァーノ・イッポリティ
音楽:アルマンド・トロヴァヨーリ

出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、エヴァ・オーリン、
ビラ・シレンティ、ロベルト・ビサッコ、チャールス・コーラー

●「殺しをよぶ卵」のコンビ。トランティニアンとオーリンが共演した
サスペンス映画。売れない俳優のベルナールが恋した娘には、
殺人の容疑がかかっていた。彼は恋人の無実を晴らすべく
自らも調査を始めるが、次第に事件に巻き込まれていく。
エロティック映画の巨星ティント・ブラスが放つ、実験的な映像満載の
サスペンス・ドラマ。東映から出ていた日本版ビデオは
かなりのレア・ソースだが、トリミング版。うーん、残念。

 

「殺人捜査」(69)
INVESTIGATION OF A CITIZEN ABOVE SUSPICION
INDAGINE SU UN CITTADINO AL DISOPRA DI OGNI SOSPETTO

カラー/114分/イタリア映画/日本劇場公開71年9月(COL)

製作会社:ベラフィルム・プロ
製作:ダニエル・セナトーレ
監督・脚本:エリオ・ペトリ
脚本:ウーゴ・ピロ
撮影:ルイジ・クヴェイレル
音楽:エンニオ・モリコーネ
音楽監督:ブルーノ・ニコライ

出演:ジャン・マリア・ヴォロンテ(警察殺人課長)、フロリンダ・ボルカン(アグスタ)、
サルヴァ・ランドネ、ジャンニ・サントゥッチ、セルジオ・トラモンテ

●社会派エリオ・ペトリが監督した、アカデミー賞外国映画賞受賞作品。
本来ならここに入れてしまうのが躊躇われるような肩書きを持った映画だが、
まだ文句無く美しかった頃のフロリンダ・ボルカンが出演、
相変わらず前衛的な音楽がエンニオ・モリコーネと聞けば、
何となくこの時代の匂いが感じられる作品のような気がして
敢えてここに題名を入れた。

ローマ警察殺人課長(ジャン・マリア・ボロンテ)は非常に傲慢な人物。
常に権力を振りかざす態度を取る彼に、愛人のアグスタ(F・ボルカン)も
イヤ気が差していた。ある日アグスタと学生ハーチェの浮気現場を
目撃した課長は自尊心を傷つけられ、アグスタを殺害してしまう。
しかし現場に証拠を残したまま、課長は自ら警察に事件を通報する。
やって来た警察は捜査を開始するが、証拠となる遺留品は課長の物ばかり。
警察内部で課長を疑う者はおらず、捜査は平行線を辿った。
そんな時、思わぬところから事件の目撃者が現れる・・・。

 

「象牙色のアイドル」(69)
THE FINISHING SCHOOL

 

「怪奇な恋の物語」(69)
A QUIET PLACE IN THE COUNTRY
UN TRANQUILLIO POSTO DI CAMPAGNA
カラー/107分/イタリア映画/日本劇場公開71年11月(UA)

製作会社:PCA
製作:アルベルト・グリマルディ
監督・脚本:エリオ・ペトリ
脚本:ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
撮影:ルイジ・クヴェイレル
音楽:エンニオ・モリコーネ

出演:ヴァネッサ・レッドグレーヴ(フラヴィア)、フランコ・ネロ(レオナルド)、
ジョルジュ・ジェレ、ガブリエッラ・グリマルディ、リタ・カルデローニ

●フランコ・ネロと、当時恋愛関係(カルロという息子もいた)にあった
イギリス女優、バネッサ・レッドグローブが共演したミステリアスな一編。
監督は当時サスペンスの名手と評価されていたエリオ・ペトリ
(「悪い奴ほど手が白い」「殺人捜査」)。音楽をエンニオ・モリコーネが担当、
現代音楽調のスコアでシュールな雰囲気を盛り上げている。
製作は「夕陽のガンマン」シリーズのアルベルト・グリマルディ、
主人公の描くモダン・アートはアメリカの人気画家ジム・ダインの手によるもの。

物語>ミラノの有名なモダンアートの画家、レオナルド・フェッリ(ネロ)は
大都会の喧噪を嫌い、彼の愛人で画商のフィラヴィア(レッドグローブ)と共に
静養もかねて田舎に出かける。道すがら建物の外壁に生々しい銃弾の跡が残る
屋敷を見つけたレオナルドは、なぜかのその草深い廃屋に心惹かれる。
その屋敷に住むことになったレオナルドは度々不思議な経験をするようになり、
衣擦れの音や何者かの足音が聞こえ、耳元に艶めかしい吐息が吹きかけられる。
レオナルドのキャンバスに悪戯がされたり、知らぬ間に壁の弾痕に花が手向け
られていたり・・・。レオナルドは姿なき幽霊の妖しい雰囲気に魅せられ、
彼女の調査を始める。更に不思議なことに屋敷はフラヴィアの存在を拒否する
かのように、彼女が足を踏み入れると戸棚を倒し、ベッドの枕板に長釘を
突き出させたり危険な出来事を引き起こす。
不機嫌になって館を出ていってしまったフラヴィアをよそに、レオナルドは
調査を続け、村で1944年の空襲で死んだ美しい娘ワンダがいたことを知る。
彼女は多情な女で村中の男達と関係があったらしい。実際、今でも
村人の一人アッティリオ(ジョルジュ・ジュレ)は彼女が忘れられなかった。
彼とワンダが逢い引きに使っていた小部屋で、何と彼女はドイツ兵と
逢い引きしていたのだ。逆上したアッティリオはドイツ兵を殺し、夢中で庭に埋めた。
それを見ていたワンダは始終笑みを浮かべていた。その直後、空襲で
機銃掃射を受けたワンダは即死したのだった・・・。
レオナルドはワンダの母から彼女の写真をもらった。幻は姿を得たのだ。

心配になったフラヴィアが屋敷を訪ねてくる。不気味な出来事は続き、
遂にレオナルドは彼女を殺してしまう。警察が駆けつけると、全ては
レオナルドの妄想だということが分かった。フルヴィアは死んではいなったのだ。
警察は屋敷の裏庭を掘り返す。そこで分かったのはワンダは空襲で
死んだのではなく、アッティリオがドイツ兵の拳銃で射殺していた事実だった。
見守るフラヴィアの前でレオナルドは誰にも邪魔されない静かな場所に移された。
精神病院・・・そこで彼は何も知らずに絵を描き続けているのだった。

ポルセリ映画のレギュラー、リタ・カルデローニは本作でデビュー?

 

「痴情の森」(69)
UNA RAGAZZA PIUTTOSTO COMPLICATA
A VERY COMPLICATED GIRL
カラー/100分(ビデオ表記104分)/イタリア映画
日本劇場公開71年9月(配給:FOX/ビデオ:東芝映像ソフト)

製作会社:チタヌス・プロ
製作:ジョルジョ・アグリアーニ
監督・脚本:ダミアーノ・ダミアーニ
脚本:ウンベルト・ツルコ
原作:アルベルト・モラビア(「後退」より)
撮影:ロベルト・ジェラルディ
音楽:ファビオ・ファボール

出演:カトリーヌ・スパーク(クラウディア)、ジャン・ソレル(アルベルト)、
フロリンダ・ボルカン(グレタ)、ルイジ・プロイエッティ(クラウディアの愛人)、
ガブリエラ・グリマルディ(娼婦)、マリア・クアドーラ(少女)

●フロリンダ・ボルカン、カトリーヌ・スパーク、ジャン・ソレル共演と聞けば、
監督がダミアーノ・ダミアーニでも、分類としてはユーロ・トラッシュ直行か?
登場人物達のセリフも一々難解で、さすが60年代末という雰囲気だが、
ボルカンが殺されたりして多少ミステリー風のテイストも感じられる。
夢想癖のある青年アルベルト(ソレル)は、2人の女が電話で話しているのを聞き、
その一人がクラウディア(スパーク)という名であるのを知る。
アルベルトはクラウディアと知り合い、彼女の家に泊まり込む。
クラウディアを必要以上に複雑な女だと思い込んだアルベルトは
自ら深い狂気へと落ちていき、クラウディアが死んだ父の2番目の妻
グレタ(ボルカン)を殺してくれと自分に頼んだと思い、発作的に
彼女を殺してしまう。しかし他の男と結婚する事になったクラウディアに
アルベルトが殺人依頼について打ち明けると、彼女はそんな頼みをした
覚えはないと答えるのだった。まさに白日夢を映像化したようなストーリーライン、
画面に登場するサイケデリックな効果や、美術装置などもお楽しみ。

 

「毛皮のビーナス」(69〜71)
VENUS IM PELZ
VENUS IN FURS
カラー/91分/西ドイツ=イタリア合作/日本劇場公開71年6月(現代映画)
リバイバル82年9月(東映ユニバース)

製作会社:ヴィプ・プロ=ロキシ・フィルム
監督:マッシモ・ダラマーノ
脚本:ファビオ・マッシモ
撮影:セルジオ・ドフィッツィ
音楽:ステファーノ・トロッシ/ジャンフランコ・レヴェルヴェリ
出演:ラウラ・アントネッリ、レジス・ヴァレ、レナート・カッシュ

●劇中では<わたし>として登場する主人公の小説家(ヴァレ)は、
仕事場として湖畔にあるホテルに滞在していた時の体験を
精神科医に語る。彼はとある日、壁の穴から隣の部屋を覗くが、
隣室に滞在しているモデルのワンダ(アントネッリ)の美しさの
虜になってしまう。白い毛皮をまとってマスターベーションに耽る彼女。
その夜、彼女はたくましいヨットマンを部屋に連れ込んで、
狂乱の情事を楽しんだ。翌朝、ワンダを強引に誘惑した作家は
当然のように彼女と肉体関係を持つ。
更にワンダは作家が自分の部屋を覗いていたことをとっくに知っていた。
ワンダと<わたし>はやがて結婚し、一緒に暮らすようになる。
2人は新婚旅行を兼ねてギリシャの別荘へと出かけるが、
彼女の性癖は尋常一般のそれとは、ひどくかけ離れていた・・・。

本作でデビューしたL・アントネッリの美しさがとにかく鮮烈。
後の「青い体験」シリーズで見せた大人の女の魅力とは別の、
もっと初々しい、ギャルい彼女を見るだけでも価値アリの一本。
SM場面の主観カメラを含めたダラマーノのヘンテコ演出、
特に野っ原でヤってるときに雷がなる場面は大笑い。
青天の霹靂ってやつですね。ビデオの題名は「毛皮のヴィーナス」。


 

「女の秘め事 (未)」(69)
ONE ON TOP OF THE OTHER
UNA SULL'ALTRA
PERVERSION STORY
カラー/イタリア=フランス=スペイン合作。

●ルチオ・フルチが監督した
ジャッロ映画。
フルチ版「めまい」か?邦題は日本で発売された
リズ・オルトラーニ担当のスコア音楽CDから。

若くしてサンフランシスコの総合病院を牛耳る青年
(ジャン・ソレル)が愛人(エリサ・マルティネリ)と旅行中に、
肺炎持ちで陰気な妻(マリサ・メル)が死亡。
青年には多額の保険金が下りる。
しかし妻にソックリのストリッパー(メル2役!)が現れ、
青年を混乱させる。全ては妻と青年の兄が財産目当てに
仕組んだ巧妙な罠だった。青年は妻殺しの嫌疑で
死刑台に送られ、パリに逃れた妻と青年の兄は
錯乱した妻のパトロンに射殺される。

劇中で妻の腐乱死体が登場、早くもフルチ節が炸裂するが
それ以外はわりと手堅い内容。故に面白さ的にはイマイチ。
流行の犯罪ノワールをブレンドした、フルチ版「めまい」という趣き?
SF映画ファンにはお馴染みのフェイス・ドマーグが特別出演。

「黄金の眼」でブレイクしたマリサ・メルが主人公の陰鬱な妻(黒髪)と
奔放なブロンドのストリッパーの2役を演じ、楽しませてくれる。
イタリア映画の夜の女王、マリサ・メルのサイト(英語)はこちら。




「クレイジー・キラー:悪魔の焼却炉 (V)」(69)
THE HATCHET FOR A HONEYMOON


カラー/イタリア映画/日本劇場未公開(ビデオ:東映ビデオ)

●マリオ・バーヴァが60年代末に撮った未公開サイコ・ジャッロ映画。
日本では東映ビデオから<メディア・ビデオ経由の>日本版がリリースされている。
え?メディア?・・・じゃぁカット版?と杞憂することなかれ。本編は当時、
残酷描写に厳しかったスペインで撮影された為、事前にゴア場面は厳重に
チェックされていたのだそうだ。恐らく日本版もUncutなのでは?
ブライダル・モデル事務所を経営するハンサムな青年が実は重度の
サイコ・キラーであり、若い花嫁姿の女性を片っ端から肉切り包丁で惨殺してしまう。
傲慢な態度の妻をも殺した彼の精神状態はいよいよ悪化し、美しいモデルの一人を
更に毒牙にかけようとするが、これには罠が仕掛けられていた。
主役の青年は「殺しはドルで払え」「情け無用のコルト」(共に66年)の
ジョン・フォーサイス。これ以降に出演作が見つからないのがまた怖い。
彼を取り巻く美女達に、「墓地裏の家」のダグマー・ラッセンダール、
パゾリーニ映画の常連女優ラウラ・ベッティ、イタリアを代表するセクシー女優、
フェミ・ベニュッシら。



「歓びの毒牙(きば)」(69)
THE BIRD WITH THE CRYSTAL PLUMAGE
L'UCCELLO DALLE PIUME DI CRISRALLO

カラー・98分/イタリア=西独合作映画/日本劇場公開71年10月
ビデオ:日本コロムビア(英語版・シネスコ)
カルチャー・パブリッシャーズ(伊語版・シネスコ)

●イタリアの
ジャッロ映画史において、M・バーヴァの
「モデル連続殺人!」と並んで、ひとつのエポックを作り上げた代表作。
内容的にはやや地味めだが、彼のジャーロの特徴である
殺人現場で目撃した光景に全ての謎を解く鍵が隠されていた、という
構成は既にこの作品で完成されている。
「ゴッドファーザー」のヴィットリオ・ストラーロの撮影、
御大エンニオ・モリコーネの音楽もさすが。
出演はアルジェントと仲の悪かったT・ムサンテ、
ジャンル女優S・ケンドール、「未成年」のエヴァ・レンツィ。
警部役で渋い演技を見せるエンリコ・マリア・サレルノは
アルド・ラドーの「暴行列車」にも出ていた役者。
他にも「処刑男爵」のウンベルト・ラオー、「ブリキの太鼓」の
マリオ・アドルフは猫をシチューにして食べる変な画家の役で登場。
この辺は「4匹の蠅」の乞食、バッド・スペンサーに通じる
アルジェントお好みのコメディ・リリーフである。



監督で見る

ユーロ・トラッシュ映画の監督をリストアップ。
それぞれ簡単な解説をつけました。

俳優(女優)で見る

ユーロ・トラッシュ映画に良く出演している女優を並べました。
ご覧になりたい方は上のタイトルをクリック。

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