※2003年1月現在、新規の受付を終了していました。

●J.M.ウェストンのプレステージクラブ(完成編)

J.M.ウェストンのマドレーヌ店でコンピューターを使って足を計測する方法で、オーダーした靴(プレステージクラブ)が出来上がりました。
私にとっては、初めてのビスポークになります(人手での計測ではありませんので、純粋なビスポークといえるかはわかりませんが)。
一見するとごく普通の靴なのですが、履き心地といい、細部のデザインといい、既製の靴とは異なります。
今回は、出来あがった靴について紹介します。


マドレーヌのショップに着いて2Fのプレステージクラブのフロアに上がりました。
以前も対応いただいた女性の店員とアポイントを取っていたのですが、少々早めの到着だったにもかかわらずにすぐに遅いデジュネ(昼食)から帰ってきてくれました。
今日は休みだったのに、私だけのために出勤してくれたとのことで、感動しました。
プライベートな対応をしていただいて、とても気分よく対応が進みました。
さて、少し待って、出来あがった靴を箱から出してくれました。
パッと見は、普通の内羽根式のストレートチップです。
しかしながら、内羽根のラインが面的な曲線を描いていて、通常のタイプとは違うことがよくわかります(特に正面から見た場合)。
横から見るとそれほどは目立ちませんが、さりげない違いが、満足感を高めてくれました。
控えめではありますが、とても魅惑的なラインです。
黒のプレーンなストレートチップなので、あまり主張しないながら控えめな違いがあることは、私にとっては理想的です。
この靴は、スーツスタイルなら、何でも合わせることができますし、フォーマルにも使えそうです。
とにかく、見ただけで、まずは大満足でした。
そして、足入れしました。

プレステージクラブの靴は、ゴルフなどの既存の靴もラインナップにありますが、この靴のように既存のラインナップにないプレステージクラブ限定の靴もあります。
どうせなら、この靴のように通常のラインナップにないプレステージクラブ限定のタイプの方が所有する喜びがあると思います。
造りはハンドメイドとのことですが、革質は既存の靴と同じように見えますし、既存の靴でサイズさえ合ったらあえてオーダーする必要ないとさえ思います。

(正面から見た画像。甲の上部が微妙なカーブのある合わせ革になっています。)

※新品の状態ですが、数十分履いたので履き皺が微妙に入っています。


足入れした第一印象は、こんなに楽でいいのだろうかと感じました。
J.M.ウェストンの履き始めは、痛みも伴うほどのタイトフィットが通常ですが、この靴は全体的に適度にきつい、意外なほどある意味で簡単な感じなのです(もちろん、緩い感じはありません)。
つま先部分などは、余裕がありすぎて心配なほどでした。
しかしながら、何ともいえない心地良さに、ふと数十分も履き続けていたのです。
まずは、いつもなら痛くなる小指側面が全く問題ないのです。
さらには、足の大きさが微妙に違うので、左足の方がきつい(右足の方が緩い)のですが、そんな感じも全くありません。
しかも、このように適度にきつい、ある意味で楽な感じなのに、踵の食いつきもいいのです。
私の経験では踵の食いつきのいい靴は、かなりタイトな靴ばかりですので、ビックリしました。
そんな感じで、階段を上り下りしたり歩いたりしながら、その心地良さから数十分間も履き続けていたのです。
今後、履き続ける中では、ハードルが普通の靴よりは高いので、色々と気づくことがあるかもしれませんが、第一印象としては最高としかいいようがありません。
とにかく、履き込むのがとても楽しみです。

そして、満足感で一杯だったので、もう1足同じタイプのライトブラウンの靴をオーダーしてしまいました。
もう少し遊びのある靴でも良かったのかもしれませんが、まずはプレーンな靴を黒と茶両方あってもいいかなと思ったのです。
といいますか、今回の出来が特に良かったので、勢いで決めた面も否定できません。
実は、この靴は7150フランでしたが、何と8900フランに値上げになっていたのです。
黒は約10万円ですが、茶色は約12〜13万円に、たった半年で値上げになったことになります。
これでも、通常にビスポークする価格を考えたらリーズナブルなんだと、後で自分自身を納得させました。
いずれにしても、年末年始に茶色の靴を取りにフランスに行くのが楽しみです。


次にディテールの違いを画像で紹介します。
靴自体は控えめなほど違いがありません。
私用に造られたシューツリーは取っ手のついたタイプですし、靴袋も色の違いだけでなく厚みのある生地を使ったタイプとなっています。

(ソールは、濃い色目でW型の彫り込みがあります。)                (インナーには、prestige-clubのロゴが入ります。)

(上段が、プレステージクラブ用のシューツリー)                   (上段がプレステージクラブ用の靴袋)


パリに2回行く必要がありますが、10万円ちょっとでビスポークできるので、とにかく試す価値はあると思います。
私としても、今後とも少しづつ揃えて行きたいと考えています。
日本で、いい靴をビスポークすると最低でも30万円以上かかることを考えると、リーズナブルとも思えるのです。

(正面から見ると、魅惑的な縫い合わせ部分がカーブしているさりげないデザインがよくわかります。)