●J.M.ウェストンのUーチップ「ドゴール」
J.M.ウェストンの最高峰の通称「ドゴール」です。
この靴は、圧倒的な存在感と踵までピッタリと吸い付くような履き心地で、一番気に入っている靴の一つです。
結構重いのですが、これがもともと最高の履き心地な上に、さらに振り子のような独特の感じが加わり、逆に重さを感じさせず履きやすいです。
しかも、J.M.ウェストンでは唯一の、アッパーにまで補強糸が縫いこまれたノルベジェーゼ製法です。
この製法のためか、9割以上がハンドメイド仕立ての「9分仕立て」とのことです。
やはり、どんなものでも、最高峰を手にすると気持ちはいいものですが、このドゴールは単なる価格が高いだけではなく、それ以上の価値が十二分にあると言えましょう。
ちなみに、フランスでは「ドゴール」と言っても通じず、フランス語で何と言うかはわかりませんが、店員は英語で「ハントシューズ」と言っていました。
ソール(靴底)のトゥ(つま先)とヒール(踵)に補強された、金属プレートは賛否が別れます。
確かに、カツカツと足音が響きますし、靴同士がちょっとふれあう際など傷がつきやすいです。
しかしながら、私としては圧倒的な存在感のこの靴には、金属プレートの方が合っていると判断しています。
ゴムとか革に替える方も多いそうですが、そこらへんは、個人的な価値観の問題と思います。
ノルベジェーゼ製法のため、ソール(底)との接合でアッパー(革の表面)にまで縫いが入っているのがわかります。
パリでもらったカタログでは、縫いは全て手で実施しているのが紹介されていますので、非常に手間がかかっていると思います。
シリアルナンバーも手書きになっていて(他のモデルは機械による刻印)、ほとんどハンドメイドで造られたことがうかがえます。
気のせいかもしれませんが、革質も滑らかで他のモデルよりも上質な革のようにも感じています。
日本価格の160,000円でも買う価値があると思いますが、フランスでは60,000円(4,500フラン)ちょっとで買えます。